JP4400366B2 - 電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置、並びにプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置、並びにプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体及びその製造方法、電子写真装置、並びにプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式は、高速の画像形成が可能であり且つ高品質の画像が得られることから、複写機、レーザープリンター等の分野において広く利用されている。
電子写真方式の画像形成に使用される電子写真感光体(以下、場合により単に「感光体」という)としては、光導電性を有する有機材料を用いた有機感光体が殆どである。また、有機感光体としては、電荷発生層及び電荷輸送層を含む多層構造の感光層を設けた機能分離型感光体が主流となっている。また、感光層と、それを支持する導電性基体との間に、中間層(下引き層)が設けられた感光体も知られている。
このような感光体は、通常、帯電、露光、現像、転写などの工程を含む画像形成プロセスに繰り返し使用されるため、感光体には繰り返し使用時にも安定した特性を示すこと(以下、「繰り返し安定性」という)が求められる。また、感光体には、温度や湿度の影響を受けにくいこと(以下、「環境安定性」という)が求められる。
これらの特性は、感光層(電荷発生層、電荷輸送層など)のみならず中間層に依存する部分も多く、特に、繰り返し安定性を得るためには、繰返し使用による電荷蓄積性の少ない中間層を設けることが重要である。また、画質欠陥の防止に関しても中間層の役割は大きく、導電性基材の欠陥や汚れ、あるいは電荷発生層等の塗膜欠陥や塗膜むらに起因する画質欠陥を抑制するために下引き層は欠かせない存在となっている。
ところで、近年、電子写真装置の帯電装置として、コロトロン等の非接触型帯電器に代わり、帯電ロール等の接触帯電方式の帯電装置が用いられるようになっている。接触帯電装置は、オゾンの発生を抑制できるという利点を有するが、これを用いた場合には感光体の帯電状態が不均一となりやすい。さらに、感光体に局所的な劣化部が存在すると、接触帯電時に局所的な高電場が劣化部に加わって電気的なピンホールを生じ、これが画質欠陥となりやすくなる。なお、このピンホールリークは感光層の塗膜欠陥により発生する場合もあるが、それ以外に電子写真装置内から発生した導電性の異物(カーボンファイバー、キャリア粉等)が感光体中に接触又は感光体中に貫入して接触帯電装置と感光体基体との導電路を形成しやすくなっているために生じる場合もある。
そこで、接触帯電装置の使用に伴う上記の現象を回避すべく、中間層の構成材料や物性に関する検討がなされており、様々な下引き層を備える電子写真感光体が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、結着樹脂、電荷輸送物質及び導電性微粉末を含んで構成された下引き層を備える有機感光体が開示されている。
特開平1?113758号公報
しかしながら、上記従来の電子写真感光体であっても、接触帯電装置と共に用いた場合には十分な画像品質を得ることが非常に困難であった。より具体的には、ピンホール等の発生による電荷のリーク防止性(以下、単に「リーク防止性」という)の観点からは下引き層の膜厚が厚いこと(例えば10〜30μm程度)が望ましいが、十分な電気特性を得るためには下引き層の厚膜化に伴い、その抵抗を低減しなければならない。したがって、このように厚膜化され、抵抗が低減された感光体では、基体から感光層への電荷の注入を防止するブロッキング性が弱くなってカブリが発生しやすくなる。
さらに、上記従来の電子写真感光体においては、下引き層を上記構成とすることで、下引層にブロッキング機能及び抵抗調整機能の付与が図られているが、この二つの機能の制御は、下引き層中における導電粉の分散状態に大きく依存し、二つの機能を両立する分散状態を安定的に再現するのは、生産上の観点からも困難である。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、リーク防止性と電気特性とが高水準で両立されており、接触帯電装置と共に用いた場合であってもカブリ等の画質欠陥を生じることなく良好な画像品質を得ることが可能な電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明の電子写真感光体は、上記課題を解決するために、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられた感光層とを備え、中間層が、イオン性液体と結着樹脂とを含有することを特徴とする。
ここで、本発明でいう「イオン性液体」とは、常温(例えば25℃)で液体であり、且つイオン性を示す物質をいう。また、本発明にかかるイオン性液体は、後述するように、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンとアニオンとからなるオニウム塩、及び、ピロリジン環を有するカチオン、ピリジン環を有するカチオン、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンに、下記一般式(i)で表される置換基が結合した化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
−(B)n−D (i)
[一般式(i)中、Bはアルキレン基を表し、−D は−SO 3− 、又は−COO を表し、nは0〜4の整数を表す。]
本発明の電子写真感光体によれば、導電性基体と感光層との間に中間層を設け、その中間層にイオン性液体及び結着樹脂を含有せしめることによって、中間層のリーク防止性と電気特性との双方が十分に高められるので、接触帯電装置と共に用いた場合であってもかぶり等の画質欠陥を生じることなく良好な画像品質を得ることが可能となる。
なお、本発明により上記の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者は以下のように推察する。すなわち、従来の電子写真感光体において、イオン伝導に基づいた中間層の場合には、リーク防止性を向上させるために厚膜化すると残留電位が上昇する傾向にあり、また、導電分を利用した電子伝導に基づいた中間層の場合は、前述したように製造上の安定性にかけるという課題があり、いずれの場合もリーク防止性と電気特性との両立が困難である。一方、本発明ではイオン性液体に着目したが、通常のイオン性化合物(塩)の場合は、固体の導電性物質が中間層に含まれることになり、中間層中における導電性物質の自由度がないため、電界が印可されたときに導電性物質が有効に機能できない。これに対して、本発明の電子写真感光体においては、イオン性液体を中間層中に保持することにより、導電性物質としてのイオン性液体が所定の自由度を有しつつ、結着樹脂により中間層中に十分に均一に保持されているので、中間層に電界が印加されたとき、イオン性液体が電離し又は所定の配向をとることができるものと考えられる。そのため、本発明では、厚膜化に伴い抵抗を低減する必要がなく、リーク防止性と電気特性とを高水準で両立できるものと本発明者は推察する。
本発明においては、イオン性液体が、下記一般式(2)、(3)、(5)、(6)、及び(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらのイオン性液体を用いることで、リーク防止性と電気特性とが高水準で両立された電子写真感光体が有効に実現可能となる。ここで、一般式(2)及び(3)で表される化合物はいわゆるオニウム塩であり、中間層に電界が印加されたとき、これらのオニウム塩は中間層中で電離し、中間層に高い導電性を付与するものと考えられる。一方、一般式(5)、(6)、及び(7)で表される化合物は、カチオンに、アニオン性を有する1価の置換基−A-が結合した構造を有するものであり、中間層に電界が印加されたとき、これらの化合物は中間層中で所定の方向に配向し、中間層に高い導電性を付与するものと考えられる。
Figure 0004400366
[式中、RはC、N及びNと共にピラゾール環を構成する炭素原子群を表し、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Xはアニオンを表す。]
Figure 0004400366
[式中、RはN、C及びNと共にイミダゾール環を構成する炭素原子群を表し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Xはアニオンを表す。]
Figure 0004400366
[式中、R14はNと共にピロリジン環又はピリジン環を構成する炭素原子群を表し、R15エチル基を表し、Aは に置換した−C −SO 3− 、又は−C −COO を表し、rは 14 とN がピリジン環を形成するとき0を表し、R 14 とN がピロリジン環を形成するとき1を表す。
Figure 0004400366
[式中、R16はC、N及びNと共にピラゾール環を構成する素原子群を表し、R17 は水素原子、18エチル基を表し、Aは−C −COO を表す。]
Figure 0004400366
[式中、R19はN、C及びNと共にイミダゾール環を構成する炭素原子群を表し、R20エチル基を表し、Aは−C −SO 3− 、又は−C −COO を表す。]
また、本発明の電子写真感光体は、中間層の膜厚が15μm以上であり、且つ中間層の体積抵抗率が1×107〜1×1013Ω・cmであることを特徴としてもよい。本発明では、上述のようにイオン性液体を用いて中間層を形成しているため、中間層の膜厚及び体積抵抗率をそれぞれ上述のようにすることができ、リーク防止性及び電気特性の双方が高水準で両立された電子写真感光体を有効に実現することができる。
また、本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられた感光層とを備える電子写真感光体の製造方法であって、常温で液体であるイオン性液体と、結着樹脂又はその前駆体と、を所定の溶剤に加え、溶解、乳化又は分散させることにより中間層形成用塗布液を得る工程と、中間層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて、イオン性液体と、結着樹脂とを含有する中間層を形成する工程と、感光層形成用塗布液を前記中間層上に塗布し、乾燥させて、感光層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、上記構成を有することで、リーク防止性と電気特性とが高水準で両立された本発明の電子写真感光体を、容易に且つ確実に得ることができる。
また、本発明の電子写真装置は、上記本発明の電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、トナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置とを備えることを特徴とする。
また、本発明のプロセスカートリッジは、上記本発明の電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電装置、露光により形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、並びに転写後に電子写真感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置から選ばれる少なくとも1種とを備えることを特徴とする。
本発明の電子写真装置及びプロセスカートリッジによれば、上記本発明の電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写を含む電子写真プロセスを行うことにより、カブリ等の画質欠陥を生じることなく良好な画像品質を得ることができる。なお、本発明の電子写真装置及びプロセスカートリッジにおいては、電子写真感光体にリーク防止性及び電気特性の双方が付与されているため、接触帯電方式の帯電装置を用いて帯電が行われる場合であっても、上記の効果を有効に得ることができる。
本発明によれば、リーク防止性と電気特性とが高水準で両立されており、接触帯電装置と共に用いた場合であってもカブリ等の画質欠陥を生じることなく良好な画像品質を得ることが可能な電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供可能となる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図1は本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した電子写真感光体1は、電荷発生層5と電荷輸送層6とが別個に設けられた機能分離型感光体であり、導電性基体2の一側に、中間層(下引き層)4、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順序で積層したものである。
導電性基体2としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、及びプラスチックフィルム等が上げられる。
導電性基体2の形状はドラム状の他、シート状、プレート状としてもよい。なお、導電性基体として金属パイプを用いる場合、金属パイプは素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウェットホーニング等の処理が表面に施されたものであってもよい。
中間層4は、イオン性液体及び結着樹脂を含んで構成される層である。
イオン性液体は、常温で液体でカチオンとアニオンとに電離可能なものであり、且つイオン性を示す物質であって、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンとアニオンとからなるオニウム塩、及び、ピリジン環を有するカチオン、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンに、下記一般式(i)で表される置換基が結合した化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とし、下記一般式(2)、(3)、(5)、(6)、及び(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
−(B)n−D (i)
[一般式(i)中、Bはアルキレン基を表し、−D は−SO 3− 、又は−COO を表し、nは0〜4の整数を表す。]
Figure 0004400366
[式中、R1はN+と共に環を構成する炭素数2〜10の炭素原子群を表し、R2は水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、X-はアニオンを表し、pは1又は2を表し、N+と他の原子との結合に1個の二重結合が含まれるときpは1であり、N+と他の原子との結合が全て単結合であるときpは2であり、pが2のとき2個のR2は同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0004400366
[式中、RはC、N及びNと共にピラゾール環を構成する炭素原子群を表し、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Xはアニオンを表す。]
Figure 0004400366
[式中、RはN、C及びNと共にイミダゾール環を構成する炭素原子群を表し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Xはアニオンを表す。]
Figure 0004400366
[式中、Qは、窒素原子、リン原子又は硫黄原子を表し、R10、R11、R12及びR13は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、X−はアニオンを表し、qは0又は1を表し、Qが硫黄原子のときqは0であり、Qが窒素原子又はリン原子のときqは1である。]
Figure 0004400366
[式中、R14はNと共にピロリジン環又はピリジン環を構成する炭素原子群を表し、R15エチル基を表し、Aは に置換した−C −SO 3− 、−C −COO を表し、rは 14 とN がピリジン環を形成するとき0を表し、R 14 とN がピロリジン環を形成するとき1を表す。
Figure 0004400366
[式中、R16はC、N及びNと共にピラゾール環を構成する炭素原子群を表し、R17 は水素原子、18エチル基を表し、Aは−C −COO 表す。]
Figure 0004400366
[式中、R19はN、C及びNと共にイミダゾール環を構成する炭素原子群を表し、R20エチル基を表し、Aは−C −SO 3− 、−C −COO 表す。]
Figure 0004400366
[式中、Qは、窒素原子、リン原子又は硫黄原子を表し、R21、R22及びR23は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Aはアニオン性を有する1価の置換基を表し、tは0又は1を表し、Qが硫黄原子のときtは0であり、Qが窒素原子又はリン原子のときtは1である。]
上記一般式(1)〜(4)で表される化合物はいわゆるオニウム塩である。かかるオニウム塩において、アニオンであるX-としては特に制限されないが、ヨウ素イオン、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロホウ酸、トリフロロメタンスルホン酸、トリフロロ酢酸及びアルキルカルボン酸から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これにより、中間層4の体積抵抗をより精度よく制御することができ、リーク防止性と電気特性との双方を一層向上させることができる。
また、上記オニウム塩のうち、一般式(1)〜(3)で表されるオニウム塩は、環構造を有するカチオンを含んで構成される。環構造を有するカチオンとしては、イミダゾール環、ピラゾール環から選ばれる環を有するカチオンである。例えば、イミダゾール環を有するカチオンとしては、1,3−ジアルキルジアルキルイミダゾリウム、1,2,3−トリアルキルイミダゾリウム等が挙げられる。また、ピラゾール環を有するカチオンとしては、1−メチルピラゾリウム等が挙げられる。
一方、一般式(5)〜(8)で表される化合物は、カチオンに、アニオン性を有する1価の置換基−A-が結合した構造を有するものである。−A - は、下記一般式(i)で表される置換基である
−(B)n−D- (i)
一般式(i)中、Bはアルキレン基である。また、−D- は−SO3 -、−COO - ある。また、nは0〜4の整数を示す。
また、一般式(5)〜(7)で表される化合物は、環構造を有するカチオンを含んで構成される。環構造を有するカチオンは、イミダゾール環、ピラゾール環、及びピリジン環から選ばれる環を有するカチオンが好ましい。
一般式(5)〜(8)で表される化合物の好ましい例を下記表1に示す。尚、下記化合物(8−1)、及び(8−2)は参考例である。
Figure 0004400366
本発明においては、上記のイオン性液体のうちの1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、上記一般式(6)で表される化合物を必須成分として中間層4に含有させることが好ましい。
中間層4におけるイオン性液体の含有量は、中間層4の構成材料の全量を基準として、好ましくは0.01〜90質量%、より好ましくは1.0〜10質量%である。
また、中間層4に用いられる結着樹脂としては、イオン性液体を中間層4中に保持可能なものであれば特に制限されない。具体的には、ポリオレフィン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが使用可能である。また、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などを用いてもよい。これらの結着樹脂は1種より選ばれた1種以上を混合して用いてもよい。
また、イソシアネート化合物、エポキシ基含有プレポリマー、フェノール化合物、メチロール化合物、メラミン化合物、不飽和ポリエステル、フタル酸ジアリル、イミド基含有プレポリマー等の樹脂前駆体を用いて得られる樹脂を中間層4の結着樹脂としてもよい。
ここで、樹脂前駆体としてブロック型ポリイソシアネートを用いる場合、ブロック剤として、アルコール化合物、フェノール化合物、ラクタム化合物、アミン化合物、アミド化合物、オキシム化合物、β−ジケトン化合物等を用いることができる。
また、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット変性体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、イソホロンジイソシアネートのビューレット変性体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体等を用いてもよい。
中間層4における結着樹脂の含有量は、中間層4の構成材料の全量を基準として、好ましくは10〜99質量%、より好ましくは90〜99質量%である。
中間層4は、上記のイオン性液体と結着樹脂又は樹脂前駆体とを所定の溶剤に加え、溶解、乳化又は分散させた塗布液を用いて形成することができる。
中間層形成用塗布液に使用される溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、中間層形成用塗布液を導電性基体2上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
このようにして形成される中間層4の膜厚は、15μm以上が好ましく、20μm以上50μm以下とすることが更に好ましい。また、中間層4の体積抵抗率は、1×107〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。
また、モアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長をλとするとき、中間層4の表面粗さをλ・1/4n(nは上層の屈折率)〜λに調整することが好ましい。表面粗さを調整する手段としては、中間層4への樹脂粒子の添加、中間層4の研磨などが挙げられる。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いることができる。また、研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が挙げられる。
また、中間層4は、その導電性を調整するために、金属酸化物微粒子を更に含有していてもよい。金属酸化物微粒子の好ましい例としては、具体的には、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、金属酸化物微粒子についてカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗、分散性を制御することができる。
また、中間層4は、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。添加物としては、具体的には、クロラニルキノン、ブロモアニルキノン、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
電荷発生層5は、電荷発生材料及び結着樹脂を含んで構成される。電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が使用可能であり、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を使用することができる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等を使用することができる。また、これらの電荷発生材料は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
電荷発生層5における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等を用いることができる。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いることが可能である。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層5は、上記の構成材料を所定の溶剤に加えた塗布液を用いて形成することができる。電荷発生層形成用塗布液に使用される溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生層5における電荷発生材料の分散性を高めるために、電荷発生層形成用塗布液に分散処理を施すことが好ましい。分散処理方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用できる。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる電荷発生層形成用塗布液を中間層4上に塗布し、乾燥させることにより、電荷発生層5を形成することができる。塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。また、電荷発生層の膜厚は、一般には0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2.0μmの範囲に設定される。
電荷輸送層6は、電荷輸送材料及び結着樹脂を含んで構成される。電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などがあげられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、電荷輸送層6における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層6は、上記の構成材料を所定の溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成することができる。電荷輸送層6の形成に使用される溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は10:1〜1:5が好ましい。
また、電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層5上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。
このようにして形成される電荷輸送層6の膜厚は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μmの範囲に設定される。
なお、図1に示した電子写真感光体1のように、電荷輸送層6が表面層(導電性基体2から最も遠い位置に配置される層)である場合、電荷輸送層6は耐磨耗性、及びトナークリーニング性の向上ためにフッ素系樹脂粒子を含有していてもよい。フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体から選ばれる1種または2種以上の樹脂からなることが好ましい。
フッ素系樹脂粒子は、電荷輸送層6中で一次粒子として分散して存在していることが好ましく、そのため、フッ素系樹脂粒子の平均一次粒子径は、0.05〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。なお、フッ素系樹脂粒子の平均一次粒径が0.05μm未満の場合、フッ素系樹脂粒子同士の凝集が進みやすくなり、他方、1.0μmを超えると画質欠陥が発生し易くなる。
電荷輸送層6におけるフッ素系樹脂粒子の含有量は、保護層7の構成材料の全量を基準として、0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。フッ素系樹脂粒子の含有量が1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の使用による電荷輸送層6の改質効果が十分でなく、一方、40質量%を超えると光透過性が低下する傾向にある。
また、電荷輸送層6がフッ素系樹脂粒子を含有する場合、電荷輸送層形成用塗布液におけるフッ素系樹脂粒子の分散安定性を向上させるため、並びに塗膜形成時の凝集を防止するための分散助剤として、フッ素含有グラフトポリマーを添加することが好ましい。フッ素含有グラフトポリマーとしては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物等からなるマクロモノマー及びパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が好ましい。
フッ素含有グラフトポリマーは、フッ素系樹脂粒子の分散助剤として機能しているため、フッ素含有グラフトポリマーの使用量は、フッ素系樹脂粒子の使用量に応じて適宜選定することが好ましい。具体的には、フッ素系樹脂粒子の使用量に対して、1.5〜2.5質量%が適当であり、特に1.6〜2.2質量%が好ましい。フッ素含有グラフトポリマーの含有量が1.5質量%未満の場合、塗布液中でのフッ素系樹脂粒子の分散性が不十分となる傾向にあり、他方、2.6質量%を超えると繰返し使用による残留電位の上昇が生じる傾向にある。
また、電荷輸送層6は、無機粒子を更に含有してもよい。本発明で用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸銅、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ニッケル、アンチモン、二酸化マンガン、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウムなどが挙げられ、これらの無機粒子は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、シリカ粒子を用いることが好ましい。シリカ粒子としては、化学炎CVD法により製造されるのが好ましく、具体例としてはクロルシランガスを酸素−水素混合ガス又は炭化水素−酸素混合ガスの高温火炎中で気相反応させてシリカ微粒子を得る方法が好ましい。
また、無機粒子としては、粒子表面を疎水化されたものが好ましい。疎水化処理剤としては、例えばシロキサン化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高分子脂肪酸又はその金属塩等が用いられる。シロキサン化合物としては、ポリジメチルシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又、シランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、無機粒子の平均一次粒径は、0.005〜2.0μmが好ましく、0.01〜1.0μmがより好ましい。無機微粒子の平均一次粒径が0.005μm未満の場合、感光体1の表面(導電性基体2と反対側の面)に十分な機械的強度を付与できない傾向にあり、また、分散時の凝集が進みやすくなる。一方、無機粒子の平均一次粒径が2μmを超えると、電荷輸送層6の表面粗さが大きくなり、電子写真装置がクリーニングブレードを備える場合にそのクリーニングブレードの摩耗、損傷によりクリーニング特性が悪化し、画像ボケが発生し易くなる。
電荷輸送層6における無機粒子の含有量は、電荷輸送層6の構成材料の全量を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。無機粒子の含有量が0.1質量%未満では無機粒子の分散による改質効果が不十分となりやすく、一方、30質量%を超えると光透過性の低下が生じ、さらに分散不良が生じやすくなる傾向にある。
電荷輸送層6の構成材料として、フッ素系樹脂粒子及び/又は無機粒子を用いる場合、それらを電荷輸送層形成用塗布液中に分散させる際には、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用できる。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などによる分散処理を行うこともできる。
また、電子写真装置中で発生するオゾンや窒素酸化物、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層3中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機リン化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペン等の誘導体が挙げられる。また、表面の平滑性を向上させる目的で、表面層中にシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。
なお、本発明の電子写真感光体は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図1には電荷発生層5と電荷輸送層6とが別個に設けられた機能分離型の感光体を示したが、本発明の電子写真感光体が備える感光層は、電荷発生材料と電荷輸送材料との双方を同一の層に含有する単層型感光層であってもよい。
また、図1に示した電子写真感光体1は、導電性基体2と反対側の感光体表面が電荷輸送層6により構成されるものであるが、電荷輸送層6の機械的強度が不十分である場合には、電荷輸送層6上に保護層を更に設けてもよい。
また、本発明の電子写真感光体は、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために、中間層4と感光層3との間に、第2の中間層を更に備えていてもよい。
第2の中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。 中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
有機ジルコニウム化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
有機シリコン化合物の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。これらのなかでも特に好ましく用いられるシリコン化合物はビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
有機チタン化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
第2の中間層は、上記の構成材料を所定の溶剤に加えた塗布液を用いて形成することができる。第2の中間層の形成に使用される溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
第2の中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。
第2の中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす傾向にある。したがって、第2の中間層を形成する場合、その膜厚は0.1〜3μmとすることが好ましい。
上記構成を有する本発明の電子写真感光体は、ライトレンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光に発光するレーザービームプリンター、デジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置に用いることができる。また、本発明の電子写真感光体は、一成分系、二成分系の現像剤とも合わせて用いることができる。また本発明の製造法を用いて製造された感光体は帯電ローラーや帯電ブラシを用いた接触帯電方式においても電流リークの発生が少ない良好な特性が得られる。
次に、本発明の電子写真感光体を搭載した電子写真装置及びプロセスカートリッジの好適な実施形態について説明する。
図2は、本発明の電子写真装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。図2に示す電子写真装置200は、本発明の電子写真感光体1と、電子写真感光体1を接触帯電方式により帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。なお、図2には示していないが、トナーを現像装置211に供給するトナー供給装置も備えている。また、本実施形態とは別の実施形態において、除電器214が設けられていなくてもよい。
帯電装置208は、感光体1の表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。
導電性部材としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。導電性部材の形状は、ブラシ状、ブレード状、ピン電極状、あるいはローラー状等のいずれであってもよい。
芯材の材質としては、導電性を有するもの、例えば、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム若しくはニッケル等が用いられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
弾性層の材質としては、導電性あるいは半導電性を有するもの、例えば、ゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものが使用可能である。ゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としてはカーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、Sb23、In23、ZnO若しくはMgO等の金属酸化物が用いることができる。これらの材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
抵抗層及び保護層の材質としては結着樹脂に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したものである。結着樹脂としてはアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP若しくはPET等のポリオレフィン樹脂、又はスチレンブタジエン樹脂等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としては弾性層と同様のカーボンブラック、金属若しくは金属酸化物が用いられる。また、必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。これらの層を形成する手段としてはブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等を用いることができる。
これらの導電性部材を用いて感光体1を帯電させる際には、導電性部材に電圧が印加されるが、かかる印加電圧は直流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳したもののいずれでもよい。なお、本実施形態において示した帯電ロールの他、帯電ブラシ、帯電フィルム若しくは帯電チューブなどを用いて接触帯電方式による帯電を行ってもよい。また、コロトロン若しくはスコロトロンを用いた非接触方式による帯電を行ってもよい。
露光装置210としては、電子写真感光体1の表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、電子写真感光体1の導電性基体と感光層との間での干渉縞を防止することができる。
現像装置211としては、一成分系、ニ成分系等の正規または反転現像剤を用いた従来公知の現像装置等を用いることができる。
転写装置212としては、ローラー状の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着した残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、図示したクリーニングブレードを用いたものの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等の手法を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、本実施形態の電子写真装置は、図2に示したように、除電器(イレーズ光照射装置)214、像定着装置215等の除電装置をさらに備える。これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次の画像形成サイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高めることができる。
図3は本発明の電子写真装置について、他の実施形態の基本構成を示す概略構成図である。図3に示す電子写真装置220は中間転写方式の電子写真装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、電子写真装置220に搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ本発明の電子写真感光体(例えば電子写真感光体1)である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体417が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いることができる。
弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。これらの基材に用いる樹脂材料及び弾性材料に、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を有する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。この中でも、機械強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いることが好ましい。上記の導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50〜500μmが好ましく、60〜150μmがより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に導電剤として5〜20質量%のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムを形成し、さらに適当な大きさに切り出してエンドレスベルトとすることにより製造することができる。
上記フィルム成形は、一般には、導電剤を分散したポリアミド酸溶液の成膜用原液を円筒金型に注入して、例えば、100〜200℃に加熱しつつ500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形法によりフィルム状に成膜し、次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300℃以上の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化させることにより行うことができる。また、成膜原液を金属シート上に均一な厚みに流延して、上記と同様に100〜200℃に加熱して溶剤の大半を除去し、その後300℃以上の高温に段階的に昇温してポリイミドフィルムを形成する方法もある。また、中間転写体は表面層を有していてもよい。
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に表面層を形成することができる。
なお、本発明にかかる被転写媒体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写媒体に転写する場合は、紙等が被転写媒体である。また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体が被転写媒体である。
図4は、本発明の電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ400は、電子写真感光体1とともに、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部217、及び、除電露光のための開口部218に取り付けレール219を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ400は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる電子写真装置本体に対して着脱自在としたものであり、電子写真装置本体とともに電子写真装置を構成するものである。
上述した電子写真装置200、220及びプロセスカートリッジ400においては、本発明の電子写真感光体を備えることによって、接触帯電装置と共に用いた場合であってもカブリ等の画質欠陥を生じることなく、高い画質(画像品質)の画像を得ることができ、その画質の安定性を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
イソプロピルアルコール400質量部にポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)24質量部を溶解した溶液中に、1,3−エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート6質量部とブロック型イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)70質量部とシリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)10質量部と、ジオクチルスズジラウレート0.07質量部を添加し、攪拌混合して、中間層用塗布液を得た。この塗布液を30mmφのアルミニウム基体の上に浸漬塗布し、160℃、100分間乾燥硬化することにより、中間層を形成した。
次に、電荷発生材料として、Cu−Kα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°の位置に回折ピークを有する塩化ガリウムフタロシアニンを用い、その15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散して、電荷発生層形成用塗布液を得た。得られた分散液を、上記中間層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子8質量部及び分散助剤としてフッ素系グラフトポリマー0.16質量部とテトロヒドロフラン49質量部及びトルエン21質量部に十分に攪拌混合して、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を作製した。続いて、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン20質量部とN,N’−ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン20質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)60質量部とをテトロヒドロフラン231質量部及びトルエン99質量部に十分に溶解混合した。この溶液に、上記の4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて、攪拌混合した後、微細な流路をもつ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧しての分散処理を4回繰返すことで、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚26μmの電荷輸送層を形成した。
[実施例2]
中間層形成用塗布液を調製する際に、1,3−エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート6質量部の代わりに1,3−エチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート6質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例3]
中間層形成用塗布液を調製する際に、1,3−エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート6質量部の代わりに1,3−エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート6質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例4]
N−ブチルアルコール70質量部にポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)4質量部を溶解した溶液中に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトン ジルコニウムブチレート)30質量部、有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部及び1,3−ブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート2質量部を添加し、混合撹拌して中間層形成用塗布液を得た。この塗布液を、30mmφのアルミニウム基体の上に浸漬塗布し、170℃で100分間乾燥硬化することにより、中間層を形成した。
上記のように下引き層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例5]
中間層形成用塗布液を調製する際に、1,3−ブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート2質量部の代わりに1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート2質量部を用いたこと以外は実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例6]
イソプロピルアルコール400質量部にポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)24質量部を溶解した溶液中に表1中のイオン性液体(5−1)6質量部とブロック型イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)70質量部とシリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)10質量部とジオクチルスズジラウレート0.07質量部とを添加し、攪拌混合して、中間層用塗布液を得た。この塗布液を30mmφのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、160℃、100分間乾燥硬化することにより、中間層を形成した。
次に、電荷発生材料として、電荷発生材料として、Cu−Kα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°の位置に回折ピークを有する塩化ガリウムフタロシアニンを用い、その15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部およびn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散処理し、電荷発生層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記中間層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子8質量部及び分散助剤としてフッ素系グラフトポリマー0.16質量部とテトロヒドロフラン49質量部及びトルエン21質量部に十分に攪拌混合して、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を作製した。続いて、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン20質量部とN,N’−ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン20質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)60質量部とをテトロヒドロフラン231質量部及びトルエン99質量部に十分に溶解混合した。この溶液に、上記の4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて、攪拌混合した後、微細な流路をもつ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧しての分散処理を4回繰返すことで、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚26μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
[実施例7]
中間層形成用塗布液を調製する際に、表1中のイオン性液体(5−1)の代わりにイオン性液体(5−2)を用いたこと以外は実施例6と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例8]
中間層形成用塗布液を調製する際に、表1中のイオン性液体(5−1)の代わりにイオン性液体(6−1)を用いたこと以外は実施例6と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例9]
イソプロピルアルコール400質量部にポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)24質量部を溶解した溶液中に、表1中のイオン性液体(7−1)6質量部とブロック型イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)70質量部とシリコーンボール(トスパール120、東芝シリコーン社製)10質量部とジオクチルスズジラウレート0.07質量部を添加し、攪拌混合して、中間層形成用塗布液を得た。この塗布液を、30mmφのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、160℃、100分間乾燥硬化することにより、下引層を形成した。
上記のように中間層を形成したこと以外は実施例6と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例10]
中間層形成用塗布液を調製する際に、表1中のイオン性液体(5−1)の代わりにイオン性液体(7−2)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[実施例11]
中間層形成用塗布液を調製する際に、表1中のイオン性液体(5−1)の代わりにイオン性液体(8−1)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。尚、実施例11は参考例である。
[実施例12]
中間層形成用塗布液を調製する際に、表1中のイオン性液体(5−1)の代わりにイオン性液体(8−2)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。尚、実施例12は参考例である。
[比較例1]
n−ブチルアルコール170質量部にポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)4質量部を溶解した溶液中に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部及び有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を添加し、混合撹拌して中間層形成用塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された30mmφのアルミニウム基体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、基体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い、中間層を形成した。
上記のように中間層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[比較例2]
2−ブタノン44質量部にポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製) 6質量部を溶解した溶液中に酸化亜鉛35質量部とブロック型イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部とを添加し、混合した。その混合液を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間分散処理し、分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部とシリコーンボール(トスパール130、GE東芝シリコーン社製)17質量部を添加し、中間層形成用塗布液を得た。この塗布液を、30mmφのアルミニウム基体上に浸漬塗布し、160℃、100分の乾燥硬化することにより、中間層を形成した。
上記のように中間層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(電子写真装置の作製及び連続プリント試験)
実施例1〜12及び比較例1、2の各感光体を用いて、図3に示す電子写真装置を作製した。作製した感光体は接触帯電方式の帯電装置を備えるもので、感光体以外の要素は富士ゼロックス社製フルカラープリンターDocuCentre Color 400 CPと同様のものを用いた。
次に、得られた各電子写真装置を用い、28℃、85%RHの環境下にて、A4サイズ、フルカラーモードで、画像密度(紙面上の印字画像面積の比率)5%での5万枚連続プリント試験を実施した。プリント試験の初期と、30000枚プリント後の感光体について除電後の残留電位(Rp)を測定し、初期の残留電位と、3万枚プリント後の残留電位との差(ΔRp)を算出した。その結果を表2に示した。表2中、ΔRpが小さいほど、
安定した電子写真特性であることを意味する。
また、表2には、本試験で得られた初期、15000枚目、30000枚目のプリント画質評価結果も併せて示す。なお、比較例1、2においては、15000枚目に画像欠陥が認められたため、試験を中止し、30000枚目のプリント画質評価を行わなかった(表中の「中断」)。

Figure 0004400366
本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1、401a〜401d…電子写真感光体、2…導電性基体、3…感光層、4…下引層、5…電荷発生層、6…電荷輸送層、200、220…電子写真装置、208…帯電装置、209…電源、210…露光装置、211…現像装置、212…転写装置、213…クリーニング装置、214…除電器、215…定着装置、216…トナー供給装置、217…露光のための開口部、218…除電露光のための開口部、219…取り付けレール、300…プロセスカートリッジ、400…ハウジング、402a〜402d…帯電ロール、403…レーザー光源(露光装置)、404a〜404d…現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…テンションロール、408…バックアップロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…トレイ(被転写媒体トレイ)、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a〜415d…クリーニングブレード、416…クリーニングブレード、417、500…被転写媒体。

Claims (6)

  1. 導電性基体と、該導電性基体上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられた感光層とを備え、
    前記中間層が、イオン性液体と、該イオン性液体を前記中間層中に保持するための結着 樹脂とを含有し、
    前記イオン性液体が、単独の状態において常温で液体であり、且つイオン性を示す物質であって、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンとアニオンとからなるオニウム塩、及び、ピロリジン環を有するカチオン、ピリジン環を有するカチオン、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンに、下記一般式(i)で表される置換基が結合した化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする電子写真感光体。
    −(B)n−D (i)
    [一般式(i)中、Bはアルキレン基を表し、−D は−SO 3− 、又は−COO を表し、nは0〜4の整数を表す。]
  2. 前記イオン性液体が、下記一般式(2)、(3)、(5)、(6)、及び(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0004400366

    式中、RはC、N及びNと共にピラゾール環を構成する炭素原子群を表し、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Xはアニオンを表す。]
    Figure 0004400366

    [式中、RはN、C及びNと共にイミダゾール環を構成する炭素原子群を表し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜8の鎖式炭化水素基を表し、Xはアニオンを表す。]

    Figure 0004400366

    式中、R14はNと共にピロリジン環又はピリジン環を構成する炭素原子群を表し、R15エチル基を表し、Aは に置換した−C −SO 3− 、又は−C −COO を表し、rは 14 とN がピリジン環を形成するとき0を表し、R 14 とN がピロリジン環を形成するとき1を表す。]
    Figure 0004400366

    [式中、R16はC、N及びNと共にピラゾール環を構成する炭素原子群を表し、R17 は水素原子、18エチル基を表し、Aは−C −COO を表す。]
    Figure 0004400366

    [式中、R19はN、C及びNと共にイミダゾール環を構成する炭素原子群を表し、R20エチル基を表し、Aは−C −SO 3− 、又は−C −COO を表す。]
  3. 前記中間層の膜厚が15μm以上であり、且つ前記中間層の体積抵抗率が1×10〜1×1013Ω・cmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 導電性基体と、該導電性基体上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられた感光層とを備える電子写真感光体の製造方法であって、
    イオン性液体と、結着樹脂又はその前駆体と、を所定の溶剤に加え、溶解、乳化又は分散させることにより中間層形成用塗布液を得る工程と、
    前記中間層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて、前記イオン性液体と、前記結着樹脂とを含有する中間層を形成する工程と、
    感光層形成用塗布液を前記中間層上に塗布し、乾燥させて、感光層を形成する工程と
    を備え
    前記イオン性液体が、単独の状態において常温で液体であり、且つイオン性を示す物質であって、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンとアニオンとからなるオニウム塩、及び、ピリジン環を有するカチオン、イミダゾール環を有するカチオン又はピラゾール環を有するカチオンに下記一般式(i)で表される置換基が結合した化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    −(B)n−D (i)
    [一般式(i)中、Bはアルキレン基を表し、−D は−SO 3− 、又は−COO を表し、nは0〜4の整数を表す。]
  5. 請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と
    を備えることを特徴とする電子写真装置。
  6. 請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置、露光により形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、並びに転写後に前記電子写真感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置から選ばれる少なくとも1種と
    を備えるプロセスカートリッジ。
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