JP5361667B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真感光体(以降、場合により単に「感光体」という)を製造する場合、感光層と支持体の間に、中間層と呼ばれる層(下引き層と呼ばれることもある)を介在させることが行われている。
中間層は、電気的抵抗が高過ぎると感光層で発生した電荷が感光層内部に滞留し、結果として残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動の原因になる。よって、電気的抵抗特性が低温低湿から高温高湿のいずれの環境下においても大きく変化してはならない。
一方、電子写真感光体に電圧を印加したとき支持体から電荷注入が起こらないように電気的ブロッキング機能も要求される。これは支持体から電荷注入があると、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリの原因になり画質を低下させる。
適度な範囲の電気的抵抗特性およびブロッキング機能を有する中間層として、樹脂中に酸化チタンのような金属酸化物を含有する中間層(特許文献1、2)が多く検討されている。
樹脂と金属酸化物を含有する中間層は、樹脂を溶解させた溶液中に金属酸化物が分散されている塗布液により製造されることが多く検討されている。しかしながら、金属酸化物が分散されていることによって、均一に塗布されずに塗布欠陥が生じたり、表面粗さが大きくなることによってブロッキング機能が十分でなかったりして、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリが生じることがあった。
特許文献3には静電記録体の中間層として、導電性材料の粒子を分散させたポリマーエマルションの乾燥皮膜を設けることが記載されている。しかしながら、従来のポリマーエマルション中に金属酸化物を分散させた塗布液を用いて中間層を形成し、感光体を製造した場合においても、解像力に問題はないものの、中間層の表面均一性は未だ不十分であった。そのため、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリが生じることがあった。
また、近年の高画質化の要求に対し、感光層の薄膜化は有効であるが、感光層の薄膜化は、高画質化には有利である反面、支持体からの電荷の注入を促進させるため、電気的抵抗特性を維持しつつブロッキング機能をより高める必要があった。
一方、特許文献4には、液安定性に優れたポリオレフィン樹脂分散体を乾燥させることで、耐水性や透明性、基材フィルムとの密着性が良好な帯電防止膜が得られることが記載されている。しかしながら、この帯電防止膜上に接した上層膜を形成する場合、特に感光層のような誘電層がその上層にある場合に生じる課題や、この帯電防止膜の塗布欠陥や表面粗さに起因する誘電層の帯電能低下といった電子写真感光体作製時の特有の課題に関しては記載されていない。
特開昭56−52757号公報 特開平2−181158号公報 特開昭56−80048号公報 特開2003−268164号公報 特開2003−105145号公報 特開2003−147028号公報
新高分子実験学2 高分子の合成・反応(1)の第1章〜第4章、共立出版(株)
本発明の目的は、樹脂と金属酸化物を含有する中間層を有する電子写真感光体を製造する方法において、中間層の膜厚均一性が良好な電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
本発明に従って、支持体ならびに該支持体上に形成された中間層および感光層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
金属酸化物粒子、および粒径が50nm以上500nm以下のポリオレフィン樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜を加熱して該ポリオレフィン樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、および、
該中間層上に該感光層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
本発明によれば、層形成時(乾燥時)の金属酸化物の凝集が抑制されるため、中間層の膜厚均一性が向上する。さらに長期保存した上記水性分散液を用いて中間層を形成した場合であっても、中間層の膜厚均一性に優れる。その結果として、中間層の電気的抵抗特性を適度な範囲に維持しつつ、ブロッキング機能を高めることができ、製造された電子写真感光体は良好な画像を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明にかかる水性分散液とは、分散媒全量に対する水の割合が50質量%以上の分散媒(水性分散媒)中にポリオレフィン樹脂粒子および金属酸化物が分散されている液をいう。
層形成時(乾燥時)の金属酸化物の凝集を抑制するためには、分散液を塗布した直後のまだ十分分散媒が存在している状態での流動性を抑制することが必要と考え、本発明に至った。粒径50nm以上500nm以下のポリオレフィン樹脂粒子および金属酸化物を含有する水性分散液を塗布した後、塗膜を加熱してポリオレフィン樹脂粒子を融解させて中間層を形成することで膜厚の均一性が向上する理由としては以下のように推測している。すなわち、1つは、水性分散液中でのポリオレフィン樹脂粒子と金属酸化物の分散性が良好であり、水性分散液を塗布した後に該水性分散液中の分散媒が揮発しても良好な分散状態が保持されていること。もう1つは、水性分散液中の分散媒が揮発して金属酸化物の凝集が生じない状態になった後に加熱によってポリオレフィン樹脂粒子が融解し、それぞれの粒子の密着性が向上すること。これらの理由により、金属酸化物が均一に分散されてい
る状態で中間層を形成することが可能となったと推測している。
上記ポリオレフィン樹脂粒子の粒径が50nm未満であると、層形成時(乾燥時)の金属酸化物の凝集の抑制効果が得られない。粒径が500nm超であると、粒子間同士の密着性が低くなり、中間層が形成されていない部分欠陥が発生する。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂とは、オレフィンを重合させて得られる重合体をいう。また、オレフィンとは、1つ以上のC=C(炭素間の二重結合)を持つ炭化水素化合物をいう。本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、オレフィンのみを重合させて得られる重合体であってもよいし、オレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させて得られる重合体(ポリオレフィン共重合体)であってもよい。
上記ポリオレフィン樹脂粒子を用いて水性分散液を得るためには、上記ポリオレフィン樹脂粒子は、下記(A1)、(A2)および(A3)を有し、(A1)、(A2)および(A3)の質量比が下記の式を満たすポリオレフィン樹脂の粒子であることが好ましく、
0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦30
55/45≦(A1)/(A3)99/1
より好ましくは、下記の式を満たすポリオレフィン樹脂の粒子であり、
0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦10
55/45≦(A1)/(A3)≦99/1
さらに好ましくは、下記の式を満たすポリオレフィン樹脂の粒子である。
0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦5
55/45≦(A1)/(A3)≦99/1
(A1):下記式(11)で示される繰り返し構造単位
Figure 0005361667
(式(11)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。)
(A2):下記式(21)または(22)で示される繰り返し構造単位
Figure 0005361667
(式(21)および(22)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基または−Y21COOH(式中、Y21は、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される1価の基を示し、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはフェニル基を示し、X21は、−Y22COOCO
23−(式中、Y22およびY23は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される2価の基を示す。ただし、R21〜R24のうち少なくとも1つは−Y21COOHで示される1価の基である。)
(A3):下記式(31)、(32)、(33)または(34)で示される繰り返し構造単位
Figure 0005361667
(式(31)〜(34)中、R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示し、R41〜R43は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
上記式(11)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基のようなアルキル基を示す。R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、すべて水素原子であることがさらに好ましい。これら繰り返し構造単位は、炭素−炭素2重結合を有するモノマーの存在下の重合反応で導入することができる。モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンが挙げられ、これらの中でも、エチレンを用いることが好ましい。
上記式(21)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基または−Y21COOH(式中、Y21は、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される1価の基を示す。ただし、R21〜R24のうち少なくとも1つは−Y21COOHで示される1価の基である。R21〜R24のうち、3つが水素原子で、1つが−COOHであること、またはR21〜R24のうち2つが水素原子で、1つがR22メチル基で、1つが−COOHであることが好ましい。
上記式(22)中、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはフェニル基を示し、X21は、−Y22COOCOY23−(式中、Y22およびY23は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される2価の基を示す。R25およびR26が水素原子であり、X21が−COOCO−であるものが好ましい。
これら繰り返し構造単位は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基の一方もしくは両方を有するモノマーの存在下の重合反応で導入することができる。モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドが挙げられる。
上記式(31)中、R31は、水素原子またはメチル基を示し、R41はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のような炭素数1〜10のアルキル基を示す。R41は、メチル基、エチル基が好ましい。これら繰り返し構造単位は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの存在下の重合反応で導入することができる。モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルが挙げられる。
上記式(32)中、R32およびR33は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示し、R42およびR43は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のような炭素数1〜10のアルキル基を示す。R42およびR43は、メチル基またはエチル基が好ましい。これら繰り返し構造単位は、マレイン酸エステルモノマーの存在下の重合反応で導入することができる。モノマーとしては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルが挙げられる。
上記式(33)中、R34は、水素原子またはメチル基を示し、R51およびR52は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。R51およびR52は、水素原子が好ましい。これら繰り返し構造単位はアクリル酸アミドモノマーの存在下の重合反応で導入することができる。
上記式(34)中、R35は水素原子、メチル基を示し、R53は水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のような炭素数1〜10のアルキル基を示し、メチル基、エチル基が好ましい。これら繰り返し構造単位は、アルキルビニルエーテルモノマーならびにビニルアルコールモノマーの存在下の重合反応で導入することができる。モノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ならびに、ビニルエステルを塩基性化合物でケン化して得られるビニルアルコールが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
式(31)〜(34)の中で、繰り返し構造単位としては式(31)が特に好ましい。
(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}が0.01以上であれば、ポリオレフィン樹脂を水性化(液状化)することが容易になり、良好な水性分散液を得ることが容易になる。一方、(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}が30以下であれば、中間層上に感光層を塗布形成した際に中間層を侵食することが抑制され、電子写真特性の低下が抑制される。
また、(A1)/(A3)が55/45以上であれば、中間層上に感光層を塗布形成した際に中間層を侵食することが抑制され、電子写真特性の低下が抑制される。一方、(A1)/(A3)が99/1以下であれば、ポリオレフィン樹脂を水性化(液状化)することが容易になり、良好な水性分散液を得ることが容易になる。
ポリオレフィン樹脂の好ましい例としては、(A1)として下記式(111)で示される構造単位を有し、(A2)として下記式(221)で示される構成単位を有し、(A3)として下記式(311)で示される構成単位および/または下記式(312)で示される構成単位を有するものが挙げられる。
Figure 0005361667
また、本発明に用いられるポリオレフィン樹脂には、その他のモノマーが、この樹脂全体の20質量%以下で共重合されているものであってもよい。その他のモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルのような炭素数3〜30のアルキルビニルエーテル類、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄が挙げられる。また、本発明に用いられるポリオレフィン樹脂の分子量は特に限定されないが、10,000〜100,000の範囲のものが好ましく、20,000〜50,000であるものがより好ましい。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、合成して得られたものであってもよいし、市販されている樹脂であってもよい。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂の合成方法は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合する方法で得ることができる。ポリオレフィン樹脂の合成方法は、具体的には、非特許文献1、特許文献5、特許文献6に記述されている。
市販されているポリオレフィン樹脂としては、例えば、住友化学工業(株)製の「ボンダイン(登録商標)」や、ダウ・ケミカル社製の「プリマコール(登録商標)」が挙げられる。
本発明に用いられる金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガン、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化スズ、酸化物の2種以上の混合物また複合酸化物が挙げられる。金属酸化物は、必要に応じて、表面処理剤を用いて表面処理することができる。
次に、本発明にかかる水性分散液の製造方法について述べる。
ポリオレフィン樹脂粒子および金属酸化物を含有する水性分散液を調製する方法は特に限定されない。しかしながら、金属酸化物の分散性の観点から、ポリオレフィン樹脂粒子分散液と金属酸化物分散液とを別々に調製しておき、これを混合して調製する方法が好ましい。以下、この方法について詳述する。
ポリオレフィン樹脂粒子分散液の調製方法には、例えば、ポリオレフィン樹脂、水、さらに必要に応じて有機溶剤とを密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。このとき、ポリオレフィン樹脂の形状は特に限定されないが、粒子化速度を速めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状の
ものを用いることが好ましい。
容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された樹脂と水性分散媒の混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。
この装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは温度40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を好ましくは温度50℃以上200℃以下、より好ましくは温度60℃以上200℃以下の温度に保ちつつ、5〜120分間攪拌を続けることにより水性分散液を得ることができる。
この際に、ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸単位をアニオン化するために、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基(酸無水物基1molはカルボキシル基2molとみなす)に対して0.5倍当量以上3.0倍当量以下であることが好ましく、0.8倍当量以上2.5倍当量以下がより好ましく、1.0倍当量以上2.0倍当量以下が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散液が着色したりする場合がある。
ここで添加される塩基性化合物としては、塗膜形成時に揮発する化合物が好ましく、アンモニアまたは各種の有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンを挙げることができる。
上記のようにして得られるポリオレフィン樹脂粒子分散液は、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散され、均一な液状である。均一な液状であるとは、外観上、水性分散液中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いだされない状態にあることをいう。
金属酸化物分散液の調製方法は、例えば、市販の金属酸化物をボールミル、振動ボールミル、ロールミル、トライター、サンドミルまたはコロイドミルで湿式粉砕して分散液を得ることができる。また、市販の水性分散媒に分散されているスラリー、ゾル液をそのまま使用することもできる。また、金属酸化物を加水分解または熱加水分解する方法や、金属イオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解する方法、金属イオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン交換樹脂によりイオン交換する方法も用いることができる。
このようにして別々の操作によって得られたポリオレフィン樹脂粒子分散液と金属酸化物分散液を混合する際には、ポリオレフィン樹脂分散液に金属酸化物分散液を加えて混合してもよい。逆に金属酸化物分散液に上記ポリオレフィン樹脂分散液を加えて混合してもよい。
なお、本発明において、水性分散液中においてポリオレフィン樹脂粒子の粒径を50nm〜500nmにすることは、上記樹脂粒子分散液の製造時の時間、速度および温度のような攪拌条件や水性分散液の固形分を調整することにより達成できる。ポリオレフィン樹
脂粒子の粒径を大きくする際には、例えば、樹脂粒子分散液の製造時における攪拌条件を弱めたり、水性分散液の固形分を上げることが挙げられる。逆に、ポリオレフィン樹脂粒子の粒径を小さくする場合には、例えば、樹脂粒子分散液の製造時における攪拌条件を強めたり、水性分散液の固形分を下げることが挙げられる。
本発明にかかる水性分散液に含有される金属酸化物は、ポリオレフィン樹脂粒子に対する体積比が0.5以上2.0以下であることが好ましい。体積比が0.5未満では、ポリオレフィン樹脂粒子間に金属酸化物が均一に存在できなくなることがあり、2.0を超えると、金属酸化物同士の凝集が生じることがある。
金属酸化物の粒径は、5nm以上50nm以下のものが好ましい。水性分散液中において金属酸化物の粒径が50nmを超えると、たとえポリオレフィン樹脂粒子を用いたとしても、膜厚均一性が低下する場合がある。一方、金属酸化物の粒径が5nm未満であると、水性分散液の貯蔵安定性が低下する場合がある。
なお、上記金属酸化物の粒径は、粒径の異なる金属酸化物を用いること、または、塗布液調製時の分散時間の調整や分散媒の質量比の調整をすることにより調整することができる。
また、ポリオレフィン樹脂粒子の粒径C1と金属酸化物の粒径C2の関係が下記式を満たすことが好ましい。
1≦C1/C2≦20
C1/C2が1未満であると、ポリオレフィン樹脂粒子が金属酸化物より小さくなってしまうため、ポリオレフィン樹脂粒子間に金属酸化物が均一に存在できなくなることがあり、C1/C2が20を超えると、金属酸化物同士の凝集が生じることがある。
ポリオレフィン樹脂粒子および金属酸化物の粒径は、製造された水性分散液のTEM(透過型電子顕微鏡)観察により測定される。具体的には、クライオトランスファーを備えたエネルギーフィルター装備のTEMを用いて水性分散液を凍結し、電子顕微鏡観察を行う。ポリオレフィン樹脂粒子および金属酸化物の任意の100個の粒子の粒径を測定し平均値を求めることによって得ることができる。なお、倍率は40,000倍とし、下限は1nmとし、上限は1,500nmとした。
本発明に用いられる分散媒には、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていてもよい。ポリオレフィン樹脂粒子分散液を調製する際、金属酸化物分散液を調製する際、ポリオレフィン樹脂粒子分散液と金属酸化物分散液を混合する際に適宜調整されることが好ましい。有機溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、プロパノール、ブタノール、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランやジオキサン、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。また、これらの有機溶剤が水性分散液全量に占める量は40質量%以下が好ましい。
上記のようにして得られた水性分散液は、導電性支持体上または導電層上に塗布されて塗膜が形成される。そして、該塗膜が加熱されポリオレフィン樹脂粒子が融解(加熱融解)することによって中間層が形成される。
中間層用塗布液である上記水性分散液の塗布方法としては、通常この分野で用いられる各種の方法が適用できるが、それらの中でも浸漬塗布法が特に好ましい。
本発明の感光体の製造方法においては、中間層用塗布液の塗布が浸漬塗布で行われる場合には、温度23℃での相対湿度が60%環境以下であり、かつ風速が1m/sである環境下に設置された浸漬塗布装置で行うのが好ましい。
中間層の膜厚としては、0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましい。
塗膜の加熱温度は80℃以上120℃以下であることが好ましい。温度80℃以上であれば、加熱融解が十分になり、本発明の効果が十分に発揮できる。また、温度120℃以下であれば、中間層の膜の収縮が抑えられ、膜厚の均一性が高まる。
電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性のもの(導電性支持体)であればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金および鉄のような金属または合金製のものが挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドおよびガラスのような絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金のような金属や、酸化インジウム、酸化スズのような導電性材料の薄膜を形成したものでもよい。また、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し、導電性を付与した支持体でもよい。
支持体の表面は、電気的特性や密着性の改善のために、陽極酸化のような電気化学的な処理を施してもよい。また、支持体の表面を、アルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解させてなる溶液で化学処理を施してもよい。
また、露光光(画像露光光)としてレーザー光のような単一波長光を用いた電子写真装置に本発明の電子写真感光体を用いる場合、干渉縞を抑制するために、支持体の表面を適度に粗面化しておくことが好ましい。具体的には、支持体の表面を、ホーニング、ブラスト、切削、電界研磨の処理を施すことや、支持体上に導電性金属酸化物および結着樹脂を含む導電性皮膜を設けることが好ましい。
ホーニング処理には、乾式での処理および湿式での処理があるが、どちらを採用してもよい。湿式ホーニング処理とは、水のような液体に粉末状の研磨材を懸濁させてなる懸濁液を、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。湿式ホーニング処理の場合、支持体の表面粗さは、懸濁液の吹き付け圧力、速度、研磨材の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度により制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。乾式ホーニング処理の場合も、支持体の表面粗さは、湿式ホーニング処理と同じようにして制御することができる。ホーニング処理に用いる研磨剤としては、例えば、炭化ケイ素、アルミナ、鉄およびガラスビーズのような粒子が挙げられる。
支持体と本発明の中間層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子のような導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子を用いることもできる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリアミド樹脂が挙げられる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性が向上し、層形成後の耐溶剤性が良好である。
また、導電層には、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
本発明の中間層と感光層との間には、接着機能を持つ第二の中間層を設けてもよい。第
二の中間層は、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン)、ポリウレタン、酸化アルミニウムのような材料によって形成することができる。
中間層上には、感光層が設けられる。
感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有する単層型の感光層であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型(機能分離型)の感光層であってもよい。電子写真特性の観点からは、積層型の感光層が好ましく、その中でも、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した積層型の感光層がより好ましい。
以下、積層型の感光層を例にとって説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
本発明に用いられる電荷発生物質としては、
(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾのようなアゾ顔料、
(2)金属フタロシアニンや非金属フタロシアニンのようなフタロシアニン顔料、
(3)インジゴやチオインジゴのようなインジゴ顔料、
(4)ペリレン酸無水物やペリレン酸イミドのようなペリレン顔料、
(5)アンスラキノンやピレンキノンのような多環キノン顔料、
(6)スクワリリウム色素、
(7)ピリリウム塩、チアピリリウム塩類、
(8)トリフェニルメタン色素、
(9)セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンのような無機物質、
(10)キナクリドン顔料、
(11)アズレニウム塩顔料、
(12)シアニン染料、
(13)キサンテン色素、
(14)キノンイミン色素、
(15)スチリル色素、
(16)硫化カドミウム、
(17)酸化亜鉛
が挙げられる。これらの中でも、特に、金属フタロシアニン顔料が好ましく、その中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
ジクロロスズフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°および28.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.5°、11.2°、14.5°および27.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°および25.5°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°および25.3°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
電荷発生層の結着樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂が挙げられる、これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の分散粒径は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.01μm以上0.2μm以下がより好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上2μm以下が好ましく、0.05μm以上0.3μm以下がより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質を結着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂の中から選択できる)と共に溶剤に分散/溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンのような複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールのような複素環化合物、トリフェニルメタンのようなトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンのようなトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体のような低分子化合物が挙げられる。結着樹脂としては、例えば、前述の電荷発生層用の結着樹脂と同様のものが挙げられる。電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合、電
荷輸送物質の質量が好ましくは20〜100、より好ましくは30〜100の範囲である。電荷輸送物質の量が少なすぎると、電荷輸送能が低下し、感度低下および残留電位の上昇の課題が生じやすくなる。電荷輸送層の膜厚は、1μm以上50μm以下が好ましく、3μm以上30μm以下がより好ましい。
さらに、感光層(電荷輸送層)上には、表面保護層を形成してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
実施例中のポリオレフィン樹脂としては、市販されている樹脂(ボンダインHX−8290、ボンダインHX−8210、ボンダインAX−8390(住友化学工業(株)製)、プリマコール5980I(ダウ・ケミカル社製))および公知の方法で合成された樹脂(B1〜B11)を使用した。
なお、樹脂B1〜11の合成方法は、非特許文献1、特許文献5、特許文献6に記述された合成方法である。
ポリオレフィン樹脂の組成は以下の方法によって測定した。その結果を表1、2に示す。
(1)ポリオレフィン樹脂中の(A1)〜(A3)の組成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、温度120℃にてH−NMR、13C−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行って求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
(2)ポリオレフィン樹脂中の(A2)の組成
ポリオレフィン樹脂の酸価をJIS K5407に準じて測定し、ポリオレフィン樹脂中の(A2)の質量を換算した。
Figure 0005361667
Figure 0005361667
(ポリオレフィン樹脂粒子分散液1の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いた。
ポリオレフィン樹脂 75.0g
(ボンダインHX−8290、住友化学工業(株)製)
イソプロパノール 60.0g
トリエチルアミン(TEA) 5.1g
蒸留水 159.9g
上記材料をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして、系内温度を140℃〜145℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(温度約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散液1を得た。
(ポリオレフィン樹脂粒子分散液2)
ポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8290)をポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8210、住友化学工業(株)製)に変更した以外は、ポリオレフィン樹脂粒子分散液1と同様に調製し、ポリオレフィン樹脂粒子分散液2を得た。
(ポリオレフィン樹脂粒子分散液3)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いた。
ポリオレフィン樹脂 60.0g
(ボンダインAX−8390、住友化学工業(株)製)
n−プロパノール 100.0g
TEA 2.5g
蒸留水 137.5g
上記材料をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして、系内温度を120℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(温度約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、均一なポリオレフィン樹脂粒子分散液3を得た。
(ポリオレフィン樹脂粒子分散液4)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いた。
ポリオレフィン樹脂 60.0g
(プリマコール5980I、ダウ・ケミカル社製)
TEA 16.8g
蒸留水 223.2g
上記材料をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして、系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(温度約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、ポリオレフィン樹脂粒子分散液4を得た。
(ポリオレフィン樹脂粒子分散液5〜15)
ポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8290)をポリオレフィン樹脂〔B1〕〜〔B11〕に変更した以外は、ポリオレフィン樹脂粒子分散液1と同様に調製し、ポリオレフィン樹脂粒子分散液5〜15を得た。
(実施例1)
酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)10部、イソプロパノール(IPA)90部とをボールミルにより72時間分散し、酸化チタン分散液を得た。
酸化チタン分散液に、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化チタンが4.2部となるように、前記ポリオレフィン樹脂粒子分散液1を混合した。その後、分散媒の質量比が水/IPAが8/2、固形分が2.5%になるよう分散媒を添加し、攪拌することによって水性分散液1を得た。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径は200nm、酸化チタンの粒径は30nmであった。
膜厚均一性の評価は以下の通り行った。
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを超音波水洗浄した支持体上に前記水性分散液を浸漬塗布し、これを100℃で30分乾燥させることによって、
膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
表面粗さの測定は、(株)小坂研究所製表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mm、測定スピード0.5mm/sの条件で、中心線平均粗さ(Ra)を求めた。結果を表3に示す。
(実施例2〜15)
実施例1のポリオレフィン樹脂粒子分散液1をポリオレフィン樹脂粒子分散液2〜15に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液2〜15を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例16〜19)
実施例1の酸化チタンの量をそれぞれ、4.2部から1.3部、2.1部、8.4部、12.6部に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液16〜19を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例20)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)を酸化チタン(商品名:ST−01 比重4.2、石原産業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液20を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例21)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)を酸化チタン(商品名PT401M 比重4.2、石原産業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液21を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例22)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)を酸化チタン(商品名:PT401L 比重4.2、石原産業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液22を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例23)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)を酸化スズ(CI化成(株)製 比重6.8)に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液23を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例24)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)4.2部を酸化亜鉛(商品名:パゼット23K 比重5.5、ハクスイテック(株)製)5.5部に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液24を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例25)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)4.2部を酸化セリウム(CI化成(株)製 比重7.1)7.1部に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液25を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例26)
実施例1において、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)を酸化アルミニウム(CI化成(株)製 比重3.6)3.6部に変更した以外は、実施例1と同様に水性分散液26を得て、中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例27)
塩化第二スズ五水和物0.1molを200mlの水に溶解させて0.5Mの水溶液とし、撹拌しながら28%のアンモニア水を添加しpH1.5に調整した。その後、温度70℃まで加熱した後、温度50℃前後まで自然冷却したうえで純水を加えて1リットルに調整し、遠心分離器を用いて固液分離を行った。この含水固形分に800mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行うことで洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml、トリエチルアミン3.0mlを加え撹拌し、透明感が出てきたところで温度70℃まで昇温した後、加温をやめて自然冷却し、酸化スズ分散液を得た。
酸化スズ分散液に、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化スズが6.8部となるように、前記ポリオレフィン樹脂粒子分散液1を混合した。その後、分散媒の質量比が水/IPAが9/1、固形分が5%になるよう分散媒を添加し、攪拌することによって水性分散液27を得た。得られた水性分散液27を実施例1と同様に中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化スズの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例28)
実施例22において、分散媒の質量比が水/IPAが8/2、固形分が2.5%になるよう分散媒を添加するのに代え、分散媒の質量比が水/IPAが9/1、固形分が1.5
%になるよう分散媒を添加した以外は、実施例22と同様に中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例29)
実施例1において、分散媒の質量比が水/IPAが8/2、固形分が2.5%になるよう分散媒を添加するのに代え、分散媒の質量比が水/IPAが7/3、固形分が10%になるよう分散媒を添加した以外は、実施例1と同様に中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例30)
実施例1において、分散媒の質量比が水/IPAが8/2、固形分が2.5%になるよう分散媒を添加するのに代え、分散媒の質量比が水/IPAが6/4、固形分が12%になるよう分散媒を添加した以外は、実施例1と同様に中間層を形成し、評価を行った。
水性分散液中のポリオレフィン樹脂粒子の粒径、酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表3に示す。
(実施例31〜34)
実施例1において、中間層の乾燥温度をそれぞれ、温度100℃から温度70℃、温度80℃、温度120℃、温度130℃に変更した以外は、実施例1と同様に中間層を形成し、評価を行った。表面粗さの結果を表3に示す。
Figure 0005361667
(比較例1)
N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させて樹脂液を得た。次に、酸化チタン(商品名:TTO55N 比重4.2、石原産業(株)製)10部、メタノール90部とをボールミルにより72時間分散し、酸化チタン分散液を得た。
酸化チタン分散液に、樹脂固形分1部に対して酸化チタンが4.2部となるように前記樹脂液を混合した。その後、固形分が5%になるようメタノールを添加し、中間層用塗布液としての分散液を得た。
得られた分散液を実施例1と同様に中間層を形成し、評価を行った。
分散液の観察において、N−メトキシメチル化6ナイロンは完全に溶解しており、粒子の形状では観測されなかった。酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例1の水性分散液1をポリエステル樹脂粒子分散液(商品名:バイロナールMD−1200、東洋紡社製)に変更した以外は、実施例1と同様に中間層用塗布液としての分散液を得た。分散液中の酸化チタンの粒径、および、表面粗さの結果を表4に示す。
Figure 0005361667
「電子写真感光体の作製」
<感光体実施例1−1>
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、下記の材料
酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子 40部
(粉体抵抗率200Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は60%)
酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製) 8部
フェノール樹脂(結着樹脂として)(樹脂固形分60%) 25部
(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)
メトキシプロパノール 30部
メタノール 30部
上記材料を混合し、直径1mm(1mmφ)ガラスビーズを用いたサンドミル装置で、2時間分散処理して、導電層用の分散液を調製した。この分散液に、さらに下記の材料
シリコーン樹脂粒子(表面粗し付与材として) 3.9部
(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)
シリコーンオイル(レベリング剤として) 0.002部
(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
を添加して攪拌し、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を、温度23℃、相対湿度60%環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間温度140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、実施例1で作製した水性分散液1を導電層上に浸漬塗布し、これを30分間温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生層用塗布液として、まず、下記の材料
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン 10部
ポリビニルブチラール樹脂 5部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)
下記構造式(5)で示される化合物 0.1部
Figure 0005361667
をシクロヘキサノン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで4時間分散処理した。これに酢酸エチル250部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製した。このように調製した電荷発生層用塗布液を、中間層上に塗布した後、温度100℃で10分間乾燥させることによって膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記の材料
下記構造式(6)で示される化合物 10部
Figure 0005361667
下記構造式(7)の繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂 10部
(重量平均分子量Mw≒115000)
Figure 0005361667
をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。このように調製した電荷輸送層用塗布液を、上述の電荷発生層上に浸漬塗布し、温度120℃で1時間乾燥させることによって、膜厚が12μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして作製した電子写真感光体を、高温高湿下(温度30℃、相対湿度80%)に24時間放置しておいて同環境下で画像評価を行った。
画像評価は、ヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット2510」を暗部電位を−800Vに改造した装置に電子写真感光体を装着し、以下のプロセス条件を設定して評価を行った。
画像の評価は、LBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、画像としてはベタ白を出力し、画像欠陥の有無を目視により評価した。結果を表5に示す。
カブリ評価は以下の基準に従って行った。
A:微小黒点が目視では全く観察されない
B:微小黒点が極微量(1〜5箇所)認められる
C:部分的に微小黒点が目視で数箇所(6箇所以上)認められる
D:全面に微小黒点が目視で観察される
これらの中で、CおよびDは、本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
<感光体実施例1−2>
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、実施例1で作製した水分散液1を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
次に、感光体実施例1−1と同様に電荷発生層、電荷輸送層を作製し電子写感光体を得た。画像評価も感光体実施例1−1と同様に行った。結果を表5に示す。
<感光体実施例1−3>
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、実施例18で作製した水分散液18を支持体上に浸漬塗布し、これを60分間温
度100℃で乾燥させることによって、膜厚が10.0μmの中間層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させ、第二中間層用塗布液を調製した。この第二中間層用塗布液を、上記の中間層上に浸漬塗布し、温度100℃で20分間乾燥させて、0.5μmの第二中間層を形成した。
次に、第二中間層上に感光体実施例1−1と同様に電荷発生層、電荷輸送層を順に形成し、電子写感光体を得た。画像評価も感光体実施例1−1と同様に行った。結果を表5に示す。
<感光体比較例1>
感光体実施例1−1において、実施例1で作製した水性分散液1を比較例1で調製した中間層用塗布液としての分散液に変更した以外は、感光体実施例1−1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表5に示す。
<感光体比較例2>
感光体実施例1−1において、実施例1で作製した水性分散液1を比較例2で調製した中間層用塗布液としての分散液に変更した以外は、感光体実施例1−1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0005361667

Claims (9)

  1. 支持体ならびに該支持体上に形成された中間層および感光層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
    金属酸化物粒子、および粒径が50nm以上500nm以下のポリオレフィン樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜を加熱して該ポリオレフィン樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、および、
    該中間層上に該感光層を形成する工程
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂粒子が、下記(A1)、(A2)および(A3)を有するポリオレフィン樹脂の粒子であり、
    該中間層における該ポリオレフィン樹脂の(A1)、(A2)および(A3)の質量比が下記の式を満たす請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
    0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦30
    55/45≦(A1)/(A3)≦99/1
    (A1):下記式(11)で示される繰り返し構造単位
    Figure 0005361667
    (式(11)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。)
    (A2):下記式(21)または(22)で示される繰り返し構造単位
    Figure 0005361667
    (式(21)および(22)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基または−Y21COOH(式中、Y21は、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される1価の基を示し、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはフェニル基を示し、X21は、−Y22COOCOY23−(式中、Y22およびY23は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される2価の基を示す。ただし、R21〜R24のうち少なくとも1つは−Y21COOHで示される1価の基である。)
    (A3):下記式(31)、(32)、(33)または(34)で示される繰り返し構造単位
    Figure 0005361667
    (式(31)〜(34)中、R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示し、R41〜R43は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
  3. 前記中間層における前記ポリオレフィン樹脂の(A1)、(A2)および(A3)の質量比が下記の式を満たす請求項2に記載の電子写真感光体の製造方法。
    0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦10
    55/45≦(A1)/(A3)≦99/1
  4. 前記中間層における前記ポリオレフィン樹脂の(A1)、(A2)および(A3)の質量比が下記の式を満たす請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
    0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦5
    55/45≦(A1)/(A3)≦99/1
  5. 前記ポリオレフィン樹脂が、下記式(111)で示される繰り返し構造単位、下記式(221)で示される繰り返し構造単位および下記式(311)で示される繰り返し構造単位を有するポリオレフィン樹脂、または、下記式(111)で示される繰り返し構造単位
    、下記式(221)で示される繰り返し構造単位および下記式(312)で示される繰り返し構造単位を有するポリオレフィン樹脂である請求項14のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0005361667
  6. 前記ポリオレフィン樹脂粒子に対する前記金属酸化物の体積比が0.5以上2.0以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記金属酸化物粒子の粒径が5nm以上50nm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記ポリオレフィン樹脂粒子の粒径C1と金属酸化物粒子の粒径C2が下記の式を満たす請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
    1≦C1/C2≦20
  9. 前記塗膜を加熱するときの加熱温度が80℃以上120℃以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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