JP2009288628A - 電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】形成された感光層の皮膜にムラがないため、画像ムラが発生せず、感度も良好な電子写真感光体の製造方法及び該製造方法により得られた電子写真感光体を提供することにある。
【解決手段】支持体、該支持体上に中間層と感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
上層塗布液に不溶な粒径0.05μm以上0.5μm以下の樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布後、塗膜を加熱し樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、
該中間層上に接した該感光層が、ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒を含有しかつ有機顔料が分散された塗布液を用いて形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法及び該製造方法により得られたことを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
【解決手段】支持体、該支持体上に中間層と感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
上層塗布液に不溶な粒径0.05μm以上0.5μm以下の樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布後、塗膜を加熱し樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、
該中間層上に接した該感光層が、ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒を含有しかつ有機顔料が分散された塗布液を用いて形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法及び該製造方法により得られたことを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体の製造方法及び該製造方法により得られた電子写真感光体に関する。詳しくは、特定の粒径の樹脂粒子を含有する中間層塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真感光体(以降、場合により単に「感光体」という)は、基本的には帯電及び光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、その感光層を設けるための支持体としての導電性の基体からなっている。
現在、電子写真装置に用いられている光源は半導体レーザーが主流であり、感光体中の電荷発生層に用いる電荷発生材料もその半導体レーザーの発振波長の790nm前後という比較的長波長に感度を持つ材料が検討されている。その中でも長波長光に対して感度を有する、アルミクロルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン及びオキシチタニウムフタロシアニン等の各種金属フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニン等の有機顔料が多く用いられている。これら有機顔料をテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶媒中で分散することで電荷発生層作製の塗料となる。この電荷発生層用塗布液は多くの場合有機顔料分散系のものであり、更に電荷発生層の膜厚は一般に0.01μm乃至1μm程度と薄いため、また更に固形分濃度が低く流動性が高いため、皮膜にムラが生じ易い。
基体上に直接感光層を形成した場合、基体表面の汚れ、形状や性状の不均一、粗さはそのまま感光層の成膜ムラとなって現れ、その結果得られる画像に白抜け、黒点、濃度ムラ等が発生するという問題が生じる。更に、基体との密着性確保、感光層の電気的破壊の保護、感光層へのキャリア注入性の改良等のために直ちに感光層を塗布形成するよりも、基体と感光層の間に中間層と呼ばれる層(下引き層と呼ばれることもある)を設けることが行われてきた。
中間層を形成する材料として例えば、
ポリアミド(特許文献1、2及び3)、
ポリエステル(特許文献4及び5)、
酢酸ビニル−エチレン共重合体(特許文献6、7)、
塩素化エチレン(特許文献7)、
無水マレイン酸エステル重合体(特許文献8)、
ポリビニルブチラール(特許文献9)、
第四級アンモニウム塩含有重合体(特許文献10)
等が知られ、これら樹脂を溶媒中に溶解した中間層塗工液を塗布、加熱することで中間層は作製されている。
ポリアミド(特許文献1、2及び3)、
ポリエステル(特許文献4及び5)、
酢酸ビニル−エチレン共重合体(特許文献6、7)、
塩素化エチレン(特許文献7)、
無水マレイン酸エステル重合体(特許文献8)、
ポリビニルブチラール(特許文献9)、
第四級アンモニウム塩含有重合体(特許文献10)
等が知られ、これら樹脂を溶媒中に溶解した中間層塗工液を塗布、加熱することで中間層は作製されている。
溶媒中に溶解した樹脂は溶媒和により分子鎖を広げた状態で存在し、乾燥成膜時には広がっていた分子鎖同士が凝集、絡み合うことで成膜される。しかし、分子鎖中に極性の大きな官能基を持つ親水性部位と、アルキル基で代表されるような疎水性部位がある場合、親水性部位と疎水性部位が凝集し易い。こうした親水部位や疎水部位の混在した膜に接して上層の膜を形成する場合、その影響を受け易い。上層の膜を溶液の塗料を用いて成形する場合、特に顔料分散液の場合スジ、顔料の凝集等が起こり易い。
特許文献11や12には液安定性に優れたポリオレフィン樹脂分散体を乾燥することで、耐水性や透明性、基材フィルムとの密着性が良好な被膜が得られることが明示されている。しかしながら、該当膜上に接した上層膜を形成する場合の課題、特に有機顔料が分散された塗布液及びその成膜性や感度といった電子写真感光体作製時の特有の課題に対していずれも明言されていない。
特開昭46−47344号公報
特開昭52−25638号公報
特開昭58−95351号公報
特開昭52−20836号公報
特開昭54−26738号公報
特開昭48−26141号公報
特開2005−10591号公報
特開昭52−10138号公報
特開昭57−90639号公報
特開昭51−126149号公報
特許3699935号公報
特開2003−268164号公報
特開2003−105145号公報
特開2003−147028号公報
特開2007−321038号公報
新高分子実験学2 高分子の合成・反応(1)の第4章、共立出版株式会社
本発明の目的は、形成された感光層の皮膜にムラがないため、画像ムラが発生せず、感度も良好な電子写真感光体の製造方法及び該製造方法により得られた電子写真感光体を提供することにある。
本発明に従って、支持体、該支持体上に中間層と感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
上層塗布液に不溶な粒径0.05μm以上0.5μm以下の樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布後、塗膜を加熱し樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、
該中間層上に接した該感光層が、ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒を含有しかつ有機顔料が分散された塗布液を用いて形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
上層塗布液に不溶な粒径0.05μm以上0.5μm以下の樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布後、塗膜を加熱し樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、
該中間層上に接した該感光層が、ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒を含有しかつ有機顔料が分散された塗布液を用いて形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
また、本発明に従って、電子写真感光体の製造方法により得られたことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
本発明によって、画像ムラが発生せず、感度も良好な電子写真感光体の製造方法及び該製造方法により得られた電子写真感光体を提供することが可能となった。
以下、本発明の電子写真用感光体の実施形態について詳細に説明する。
本発明に用いられる支持体としては、導電性を示すものが好ましい。例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄等の金属又は合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金等の金属あるいは酸化インジウム、酸化スズ等の導電材料の薄膜を形成したもの、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し導電性を付与したもの等が例示できる。これらの支持体表面は電気的特性改善あるいは密着性改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を行った支持体を用いることができる。更には、支持体表面をアルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物又はフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施したものを用いることもできる。
また、単一波長のレーザー光等を用いたプリンターに本感光体を用いる場合には、干渉縞を抑制するために支持体はその表面を適度に粗らしておくことが必要である。具体的には上記支持体表面をホーニング、ブラスト、切削、電界研磨等の処理をした支持体もしくはアルミニウム又はアルミニウム合金上に導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜を有する支持体を用いることが必要である。
ホーニング処理としては、乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式又は乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズ等の粒子が挙げられる。
導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜をアルミニウムやアルミニウム合金の支持体に塗布し導電性支持体とする方法では、導電性皮膜中にはフィラーとして、導電性微粒子からなる粉体を含有する。この方法では、微粒子を皮膜中に分散させることでレーザー光を乱反射させ干渉縞を防ぐと共に、塗布前の支持体の傷や突起等を隠蔽する効果もある。微粒子には、酸化チタン、硫酸バリウム等が用いられ、必要によってはこの微粒子に酸化錫等で導電性被覆層を設けることにより、フィラーとして適切な比抵抗としている。導電性微粒子粉体の比抵抗は0.1Ω・cm乃至1000Ω・cmが好ましく、更には1Ω・cm乃至1000Ω・cmが好ましい。本発明において、粉体比抵抗は三菱化学社製の抵抗測定装置ロレスタAP(Loresta Ap)を用いて測定した。測定対象の粉体は、500kg/cm2の圧力で固めてコイン状のサンプルとして上記測定装置に装着した。微粒子の平均粒径は0.05μm乃至1.0μmが好ましく、更には0.07μm乃至0.7μmが好ましい。本発明において、微粒子の平均粒径は遠心沈降法により測定した値である。フィラーの含有量は、導電性皮膜層に対して1.0質量%乃至90質量%、更には5.0質量%乃至80質量%が好ましい。被覆層には、必要に応じてフッ素あるいはアンチモンを含有してもよい。
導電性皮膜に用いられる結着樹脂としては、例えばフェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリビニールアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂あるいはポリエステル等が好ましい。これらの樹脂は単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの樹脂は、支持体に対する接着性が良好であると共に、使用するフィラーの分散性を向上させ、かつ成膜後の耐溶剤性が良好である。上記樹脂の中でも特にフェノール樹脂、ポリウレタン及びポリアミド酸が好ましい。
導電性皮膜は、例えば浸漬あるいはマイヤーバー等による溶剤塗布で形成することができる。導電性皮膜の厚みは0.1μm乃至30μmが好ましく、更には0.5μm乃至20μmが好ましい。また、導電性皮膜の体積抵抗率は1013Ω・cm以下が好ましく、更には1012Ω・cm以下105Ω・cm以上が好ましい。体積抵抗率はアルミニウム板上に測定対象の導電性皮膜を塗布し、更にこの皮膜上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定して求めた。導電性皮膜には、被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる粉体以外に、酸化亜鉛や酸化チタン等の粉体からなるフィラーを含有してもよい。更に、表面性を高めるためにレベリング剤を添加してもよい。
導電性支持体の形状は特に制約はなく必要に応じて板状、ドラム状、ベルト状のものが用いられる。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、上層塗布液に不溶な粒径0.05μm以上0.5μm以下の樹脂粒子を含有する水性分散液を中間層作製塗布液とし成膜されることを特徴とする。
上層塗布液に不溶であるかの評価は以下のような方法で行った。アルミニウムシート上に中間層を形成した後その質量を測定(質量1)、上層塗布液で用いられる溶媒中に2分間浸漬した後取り出し、水平土台に対して垂直となるよう、中間層が形成されたアルミニウムシートを5分間静置させた。その後120℃で30分乾燥を行い、冷却後の質量を測定(質量2)、その後アルミニウムシート上に残っている中間層を全て剥離したアルミニウムシートのみの質量を測定した(質量3)。アルミニウムシート上に形成された中間層の質量(質量1−質量3)に対して上層塗布液の溶媒中に浸漬、乾燥された後に残った中間層の質量(質量2−質量3)が80質量%以上の場合を不溶であるとした。
また、本発明で用いられる中間層は必要に応じて金属酸化物粒子や、有機電子搬送材料、カーボンブラックを含有してもよく、特には金属酸化物粒子や有機電子搬送材料が好ましい。
金属酸化物粒子の具体例としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウムや酸化亜鉛等が挙げられる。
有機電子搬送材料の具体例としては、
トリニトロフルオレノン等のフルオレノン系化合物、
ペリレンイミド、ペリレンレッド189、ペリレンレッド178、ナフチルイミド等のイミド系化合物、
ペリノンオレンジ、ペリノンレッド194等のベンズイミダゾール系化合物、
ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノン、フェナントレンキノン、フェナントロリンキノン等のキノン系化合物、
フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリル等のフルオレニリデン系化合物、
フタル酸無水物等のカルボン酸無水物系化合物、
チオピランジオキシド等の環状スルホン系化合物、
モノアゾ化合物、ジアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ系化合物、
オキサジアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、及びそれらの誘導体
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
トリニトロフルオレノン等のフルオレノン系化合物、
ペリレンイミド、ペリレンレッド189、ペリレンレッド178、ナフチルイミド等のイミド系化合物、
ペリノンオレンジ、ペリノンレッド194等のベンズイミダゾール系化合物、
ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノン、フェナントレンキノン、フェナントロリンキノン等のキノン系化合物、
フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリル等のフルオレニリデン系化合物、
フタル酸無水物等のカルボン酸無水物系化合物、
チオピランジオキシド等の環状スルホン系化合物、
モノアゾ化合物、ジアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ系化合物、
オキサジアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、及びそれらの誘導体
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、中間層における金属酸化物粒子や有機電子搬送材料の体積比率は75%以下が好ましい。
本製造方法を用いた場合に感光層のムラ、スジが及び感光体の感度が良好である詳細は不明であるが以下のように考えている。
溶媒中に溶解した樹脂は溶媒和により分子鎖を広げた状態で存在するため分子鎖の自由度が大きく、乾燥成膜時の凝集、絡み合うことも多い。特に極性の大きな官能基を持つ親水性部位と、アルキル基で代表されるような疎水性部位同士が凝集し易くなり中間層表面にミクロな表面エネルギー差が生じる。そのため、この層に接して形成される有機顔料分散の感光層作製溶液も顔料の凝集等が起こり易くムラ、スジが発生し易い。
本発明の粒子状樹脂は加熱により融解し粒子同士が膜を形成するが、自由度の大きな分子鎖は粒子の表面付近に存在する分子鎖のみであり、溶解した樹脂に比べ少なくなっていると思われる。そのためミクロな均一性が高く、中間層上に成膜される感光層のムラ、スジが低減されていると考えている。樹脂粒子径が0.5μmを超えて大き過ぎる場合には粒子間同士の絡み合いが極端に低くなり中間層が成膜されていない欠陥が発生する。逆に粒子径が0.05μm未満の小さい場合には表面に存在する分子鎖の割合が大きくなり、溶媒中に溶解した樹脂溶液と同様に感光層のムラ、スジが発生する。
また、本発明で用いられる樹脂粒子は、
(A1)不飽和カルボン酸又はその無水物の一方もしくは両方、
(A2)炭素数2乃至6のアルケンを構成成分とする炭化水素、
(A3)下記式(1)乃至(4)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物
(A1)不飽和カルボン酸又はその無水物の一方もしくは両方、
(A2)炭素数2乃至6のアルケンを構成成分とする炭化水素、
(A3)下記式(1)乃至(4)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物
(式(1)乃至(4)中、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数10以下のアルキル基であり、R3は水素又は炭素数10以下のアルキル基である。)
とから構成されるポリオレフィン共重合体であって、不飽和カルボン酸又はその無水物(A1)成分をこの共重合体全体〔(A1)+(A2)+(A3)〕に対して0.01質量%以上、30質量%以下、つまり
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦30
が好ましく、特には10質量%以下、つまり
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦10
がより好ましく、更には5質量%以下、つまり
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦5
が最も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂粒子が大きくなり易く、含有量が30質量%を超える場合は、小さくなり過ぎる。
とから構成されるポリオレフィン共重合体であって、不飽和カルボン酸又はその無水物(A1)成分をこの共重合体全体〔(A1)+(A2)+(A3)〕に対して0.01質量%以上、30質量%以下、つまり
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦30
が好ましく、特には10質量%以下、つまり
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦10
がより好ましく、更には5質量%以下、つまり
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦5
が最も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂粒子が大きくなり易く、含有量が30質量%を超える場合は、小さくなり過ぎる。
ポリオレフィン共重合体の(A1)成分として用いることのできる不飽和カルボン酸又はその無水物は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていれば良く、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン共重合体の(A2)成分の炭素数2乃至6のアルケンを構成成分とする炭化水素としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2乃至4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂は、上記式(1)乃至(4)のいずれかで示される(A3)成分が構成成分であることが好ましい。
(A2)成分と(A3)成分との質量比は(A2)/(A3)55/45乃至99/1の範囲であることが好ましい。特には60/40乃至98/2であることがより好ましく、65/35乃至97/3であることが更に好ましく、70/30乃至97/3であることが更に一層好ましく、75/25乃至97/3であることが最も好ましい。〔(A2)+(A3)〕に対する(A3)成分の比率が1質量%未満や45質量%を超えると、良好な粒子径を持った水性分散体を得ることが難しい。
本発明のポリオレフィン樹脂を構成する上記式(1)乃至(4)のいずれかで示される(A3)成分としては、例えば、
式(1)で代表される(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、
式(2)で代表されるマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、
式(3)で代表される(メタ)アクリル酸アミド類、
式(4)で代表されるメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、アクリル酸メチル、あるいはアクリル酸エチルが特に好ましい。
式(1)で代表される(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、
式(2)で代表されるマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、
式(3)で代表される(メタ)アクリル酸アミド類、
式(4)で代表されるメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、アクリル酸メチル、あるいはアクリル酸エチルが特に好ましい。
本発明に用いるポリオレフィン共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体又はエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体が好ましい。特には、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸三元共重合体、又はエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体が好ましい。
なお、本発明におけるポリオレフィン共重合体を構成する無水マレイン酸単位等の不飽和カルボン酸無水物単位は、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成している。だが、特に塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その一部、又は全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造を取り易くなる。
また、本発明において、樹脂のカルボキシル基量を基準として量を規定する場合には、樹脂中の酸無水物基は全て開環してカルボキシル基をなしていると仮定して算出する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂には、その他のモノマーが、少量、共重合されていても良い。例えば、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二硫化硫黄等が挙げられる。
本発明に用いるポリオレフィン共重合体の合成法は特に限定されないが、本発明の主旨を考慮すれば、乳化剤や保護コロイドを用いない方が好ましい。一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。ポリオレフィン共重合体の合成方法は、非特許文献1、特許文献13、特許文献14等に記述された公知の方法で合成される。
本発明にかかる水性分散液は、上記の樹脂粒子が水性媒体に分散されている。ここで、水性媒体とは、水を主成分とする液体からなる媒体であり、後述する水溶性の有機溶剤を含有していてもよい。また、後述する塩基性化合物を含有していてもよい。
本発明にかかる水性分散液において、樹脂粒子中のカルボキシル基は、塩基性化合物によって中和されていることが好ましい。中和によって生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防止でき、水性分散液に安定性が付与される。
このような塩基性化合物として、被膜形成時に揮発するアンモニア又は有機アミン化合物が被膜の耐水性の面から好ましく、中でも沸点が30℃乃至250℃、更には50℃乃至200℃の有機アミン化合物が好ましい。沸点が30℃未満の場合は揮発する割合が多くなり、沸点が250℃を超えると樹脂被膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、感光層のムラ、スジ及び感光体の感度が悪化する場合がある。
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン共重合体中のカルボキシル基に対して0.5倍当量乃至3.0倍当量であることが好ましく、0.8倍当量乃至2.5倍当量がより好ましく、1.01倍当量乃至2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると被膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散液が着色する場合がある。本発明の粒子状樹脂は加熱により融解し、自由度の大きな分子鎖が絡み合うことで粒子同士が膜を形成するため、樹脂粒子径以下の膜厚の中間層を形成する事も可能である。
本発明の水性分散液を塗布後、塗膜を加熱し樹脂粒子を融解して形成された中間層の上に接した膜は、ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒を含有しかつ有機顔料が分散された塗布液を用いて形成される。
ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、エチルセロソルブ、1,4−ジオキサン、プロピルエーテル、ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料やなどが挙げられる。これら有機顔料は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
具体的には、アルミクロルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン及びオキシチタニウムフタロシアニン等が挙げられる。
本発明における電子写真感光体は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料とを同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発送層に分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型が好ましい。
本発明に用いられる電荷発生材料として、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラトロン系顔料、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料及びキノシアニン系染料等が挙げられる。フタロシアニン化合物には、無金属フタロシアニンや、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシフタロシアニン、及び、クロロガリウム等のハロゲン化ガリウムフタロシアニン等が挙げられる。
上記電荷発生層には、フタロシアニン化合物以外の電荷発生材料を、全電荷発生材料に対して50質量%まで含有させることも可能である。例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン及び非対称キノシアニン系の各顔料等が挙げられる。
電荷発生層は、前記電荷発生材料を質量比で0.3倍量乃至4倍量のバインダー樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル又は液衝突型高速分散機等を使用して十分分散させる。その後分散液中に電子搬送性化合物を添加した溶液を塗布、乾燥させて形成される。バインダー樹脂としては、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂等挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、ブチラール樹脂が好ましい。
電荷輸送層は、分子分散状態の電荷輸送性材料と結着樹脂とを含有しており、成膜性を有する結着樹脂と下記のような電荷輸送材料を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成されることが好ましい。
電荷輸送材料としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン系化合物、スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリールアミン系化合物、トリフェニルアミンあるいはこれらの化合物から成る基を主鎖又は側鎖に有するポリマーが挙げられる。しかしながら、これらに限定される訳ではない。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアリレート、ポリサルホン及びポリスチレン等が挙げられるがこれらに限定される訳ではない。これらの中で、ポリカーボネートやポリアリレートが特に好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
樹脂粒子の粒径は、Malvern Instrument Ltd社製、Zetasizer NanoZS光散乱粒度分布計(MODEL ZEN3600)を用い、測定溶媒は中間層塗工液の溶媒組成と同一とし、測定温度25℃でのZ平均粒子径を求めた。なお樹脂粒子の粒径は、ポリオレフィン樹脂の屈折率を1.53、測定溶媒の屈折率は水の屈折率を1.336、イソプロピルアルコールの屈折率を1.375とし、測定溶媒組成比率に応じて計算した値を用いた。
表1に示した構成成分(A1)、(A2)、(A3)を含有する樹脂を用い下記のような方法で樹脂粒子を含有する水性分散液及び電子写真感光体を作製した。
(実施例1)
熱間押し出しにより得たA3003の外径φ30.5mm、内径φ28.5mm、長さ260.5mmのアルミニウム素管(ED管)を準備した。
熱間押し出しにより得たA3003の外径φ30.5mm、内径φ28.5mm、長さ260.5mmのアルミニウム素管(ED管)を準備した。
次に、
酸化スズで形成された被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる粉体 120部
(被覆率50質量%、粉体比抵抗700Ω・cm)
レゾール型フェノール樹脂 70部
(商品名:ブライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、導電性粒子樹脂分散層用塗布液を調製した(この塗布液に含有するフィラーの平均粒径は0.22μmであった)。この液を上記アルミニウム素管上に浸漬コーティング法によって塗布し、140℃で30分間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電性粒子樹脂分散層を形成し、これを導電性支持体とした。
酸化スズで形成された被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる粉体 120部
(被覆率50質量%、粉体比抵抗700Ω・cm)
レゾール型フェノール樹脂 70部
(商品名:ブライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、導電性粒子樹脂分散層用塗布液を調製した(この塗布液に含有するフィラーの平均粒径は0.22μmであった)。この液を上記アルミニウム素管上に浸漬コーティング法によって塗布し、140℃で30分間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電性粒子樹脂分散層を形成し、これを導電性支持体とした。
次に、中間層塗工液を下記のように作製した。ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、
表1に示される樹脂B−1 75.0g
2−プロパノール(IPA) 60.0g
トリエチルアミン(TEA) 5.1g
及び159.9gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃乃至145℃に保って更に20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した。そして、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂粒子を含有する水性分散液C−1を得た。
表1に示される樹脂B−1 75.0g
2−プロパノール(IPA) 60.0g
トリエチルアミン(TEA) 5.1g
及び159.9gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃乃至145℃に保って更に20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した。そして、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂粒子を含有する水性分散液C−1を得た。
塩化第二スズ五水和物0.2モルを200mlの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、撹拌しながら28%のアンモニア水を添加することでpH1.5の白色酸化スズ超微粒子含有スラリーを得た。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを70℃まで加熱した後、50℃前後まで自然冷却したうえで純水を加え1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離器を用いて固液分離を行った。この含水固形分に800mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行うことで洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml加えて酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーにトリエチルアミン(沸点89.7℃)3.0mlを加え撹拌し、透明感が出てきたところで70℃まで昇温した後、加温をやめ自然冷却することで固形分濃度20質量%の有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾル溶液を得た。
水性分散液C−1を99部、上記酸化スズゾル溶液875部、IPA350部を混合し中間層塗工液とした。この中間層溶媒組成中での樹脂樹脂粒子径は0.240μmであった。
上記導電性支持体上に得られた中間層塗工液を浸漬塗布法で塗布し、120℃で10分間乾燥し、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
次に、
電荷発生材料としてヒドロキシガリウムフタロシアニン 20部
(CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°及び28.1°に強いピークを有する結晶形)
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業株式会社製) 10部
シクロヘキサノン 350部
を加え、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル1200部を加えて希釈した。このときの電荷発生材料のCAPA−700(堀場製作所(株)製)による分散粒径は0.15μmであった。中間層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。なお、中間層の水性分散液の樹脂粒子は電荷発生層用塗工液に不溶であった。
電荷発生材料としてヒドロキシガリウムフタロシアニン 20部
(CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°及び28.1°に強いピークを有する結晶形)
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業株式会社製) 10部
シクロヘキサノン 350部
を加え、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル1200部を加えて希釈した。このときの電荷発生材料のCAPA−700(堀場製作所(株)製)による分散粒径は0.15μmであった。中間層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。なお、中間層の水性分散液の樹脂粒子は電荷発生層用塗工液に不溶であった。
次に、下記構造式(5)で示される化合物7部、式(6)で示される化合物1部、
及び、下記式(7)で示される構成単位を有するビスフェノールC型ポリアリレート樹脂(Mw110000)10部
をモノクロルベンゼン50部/ジクロルメタン10部に混合溶媒に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、110℃で1時間乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。こうして電子写真感光体を作製した。
評価法としては、上記作製した電子写真感光体をヒューレットーパッカード(株)製カラーレーザープリンター、レーザージェット4600改造機(一次帯電:ローラー接触DC帯電、暗部電位−500V、プロセススピード100mm/秒、レーザー露光)に装着して行った。結果を表2に示す。
CGムラ、CGスジに関しては感光体の外観の観察とハーフトーン画像より評価した。
外観と画像上とも全くムラスジが観察されない場合をA、
外観でかすかに観察されるが画像上には観察されないレベルをB、
外観、画像ともかすかに観察される場合はC、
外観と画像とも観測されるが高画質を要求されない場合には問題ないレベルをD、
外観と画像ともはっきり観測されるレベルをE
とした。
外観と画像上とも全くムラスジが観察されない場合をA、
外観でかすかに観察されるが画像上には観察されないレベルをB、
外観、画像ともかすかに観察される場合はC、
外観と画像とも観測されるが高画質を要求されない場合には問題ないレベルをD、
外観と画像ともはっきり観測されるレベルをE
とした。
感度の評価は、暗部電位が−500Vとなるように設定し、レーザー露光後の明部電位を測定した。表面電位の測定は、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、ドラム中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。感度は135V以下が好ましく、更には123V以下がより好ましい。
(実施例2)
電荷発生層塗工液作製時の酢酸エチルに変えテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
電荷発生層塗工液作製時の酢酸エチルに変えテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
電荷発生層塗工液作製時の酢酸エチルに変えメチルエチルケトンを用いた以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
電荷発生層塗工液作製時の酢酸エチルに変えメチルエチルケトンを用いた以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
酸化チタン(TTO55N、石原産業株式会社製)100部、メタノール750部、蒸留水50部に1mmφガラスビーズを1000部加え、ペイントシェーカにより15時間分散した。
酸化チタン(TTO55N、石原産業株式会社製)100部、メタノール750部、蒸留水50部に1mmφガラスビーズを1000部加え、ペイントシェーカにより15時間分散した。
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、上記酸化チタン分散液900部を用いた以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
酸化チタンをPT401M(石原産業株式会社製)に変えた以外は、実施例4と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
酸化チタンをPT401M(石原産業株式会社製)に変えた以外は、実施例4と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
酸化チタンをPT301M(石原産業株式会社製)に変えた以外は、実施例4と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
酸化チタンをPT301M(石原産業株式会社製)に変えた以外は、実施例4と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、下記構造式(8)で示される化合物を25部とした以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、下記構造式(8)で示される化合物を25部とした以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、下記構造式(9)で示される化合物を25部とした以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、下記構造式(9)で示される化合物を25部とした以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例9)
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、下記構造式(10)で示される化合物を25部とした以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
中間層塗工液の酸化スズゾル溶液に変え、下記構造式(10)で示される化合物を25部とした以外は、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1で用いたB−1樹脂に変え、表1に示したB−13樹脂を用い、水性分散液作製時に、トリエチルアミンの変わりにアンモニア(25%NH3水)とした以外は、実施例1と同様に樹脂粒子含有の水性分散液C−13を作製した。
実施例1で用いたB−1樹脂に変え、表1に示したB−13樹脂を用い、水性分散液作製時に、トリエチルアミンの変わりにアンモニア(25%NH3水)とした以外は、実施例1と同様に樹脂粒子含有の水性分散液C−13を作製した。
水性分散液C−13を99部、蒸留水700部、IPA200部を混合し中間層塗工液を作製した。この中間層溶媒組成中での樹脂樹脂粒子径は0.250μmであった。
また、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例11)
水性分散液C−1を80部、上記酸化スズゾル溶液875部、N−メトキシメチル化6ナイロン5部、IPA350部を混合し中間層塗工液とした以外は実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
水性分散液C−1を80部、上記酸化スズゾル溶液875部、N−メトキシメチル化6ナイロン5部、IPA350部を混合し中間層塗工液とした以外は実施例1と同様に中間層及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1で用いたB−1樹脂に変え、表1に示したB−14樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−14を作製した。
実施例1で用いたB−1樹脂に変え、表1に示したB−14樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−14を作製した。
水性分散液C−14を99部、蒸留水700部、IPA200部を混合し中間層塗工液とし、塗工液を浸漬塗布法で塗布し、120℃で10分間乾燥し、膜厚が0.3μmの中間層を形成した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例13)
実施例1で用いたB−1樹脂に変え、表1に示したB−2樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−2を作製した。
実施例1で用いたB−1樹脂に変え、表1に示したB−2樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−2を作製した。
水性分散液C−2を99部、蒸留水700部、IPA200部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例14)
中間層塗工液として、水性分散液C−1を99部、蒸留水645部、IPA280部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製した。結果を表3に示す。
中間層塗工液として、水性分散液C−1を99部、蒸留水645部、IPA280部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製した。結果を表3に示す。
(実施例15)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−3樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−3とした。水性分散体C−3を99部、蒸留水2200部、IPA200部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−3樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−3とした。水性分散体C−3を99部、蒸留水2200部、IPA200部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例16)
水性分散液C−2を60部、蒸留水700部、IPA200部、N−メトキシメチル化6ナイロン10部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
水性分散液C−2を60部、蒸留水700部、IPA200部、N−メトキシメチル化6ナイロン10部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例17)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−4樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−4とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−4樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−4とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例18)
中間層塗工液として、水性分散液C−1を99部、蒸留水68部、IPA32部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
中間層塗工液として、水性分散液C−1を99部、蒸留水68部、IPA32部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例19)
中間層塗工液として、水性分散液C−4を99部、蒸留水68部、IPA32部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
中間層塗工液として、水性分散液C−4を99部、蒸留水68部、IPA32部を混合し中間層塗工液とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例20)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−5樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−5とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−5樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−5とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例21)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−6樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−6とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−6樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−6とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例22)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−7樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−7とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−7樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−7とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例23)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−5樹脂を用い、樹脂粒子含有の水性分散液を作製する際にトリエチルアミンを用いなかった以外は、実施例12と同様に彗星分散液及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−5樹脂を用い、樹脂粒子含有の水性分散液を作製する際にトリエチルアミンを用いなかった以外は、実施例12と同様に彗星分散液及び感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例24)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−8樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−8とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−8樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−8とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例25)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−9樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−9とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−9樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−9とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例26)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−10樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−10とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−10樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−10とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例27)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−11樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−11とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−11樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−11とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例28)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−12樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−12とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−12樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−12とした以外は、実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例29)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、ポリエステル樹脂粒子含有の水性分散体(特許文献15に記載のドデカン二酸/エチレングリコール/トリメチロールプロパン/無水トリメリットよりなるS−1水性分散体)を用い。それ以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、ポリエステル樹脂粒子含有の水性分散体(特許文献15に記載のドデカン二酸/エチレングリコール/トリメチロールプロパン/無水トリメリットよりなるS−1水性分散体)を用い。それ以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−15樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−15とした。
実施例12で用いたB−2樹脂に変え、表1に示したB−15樹脂を用い樹脂粒子含有の水性分散液C−15とした。
中間層塗工液として、水性分散液C−15を99部、蒸留水46部、IPA24部を混合し中間層塗工液とした以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
中間層塗工液としてエチレンとアクリル酸共重合樹脂水溶液であるSG2000(鉛市株式会社製)を用いた以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
中間層塗工液としてエチレンとアクリル酸共重合樹脂水溶液であるSG2000(鉛市株式会社製)を用いた以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
中間層塗工液としてエチレンと酢酸ビニル共重合樹脂であるエヴァフレックス4260(三井デュポン社製)10部をトルエン200部に溶解したものを用いた以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
中間層塗工液としてエチレンと酢酸ビニル共重合樹脂であるエヴァフレックス4260(三井デュポン社製)10部をトルエン200部に溶解したものを用いた以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
中間層塗工液として塩素化エチレン樹脂であるスーパークロン(日本製紙社製)10部、トルエン200部を用いた以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
中間層塗工液として塩素化エチレン樹脂であるスーパークロン(日本製紙社製)10部、トルエン200部を用いた以外は実施例12と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
以上のように、本発明により、上層に形成された感光層の皮膜にムラがないため、画像ムラが発生せず、感度も良好な電子写真感光体の製造方法を見出した。
Claims (8)
- 支持体、該支持体上に中間層と感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
上層塗布液に不溶な粒径0.05μm以上0.5μm以下の樹脂粒子を含有する水性分散液を塗布後、塗膜を加熱し樹脂粒子を融解させて中間層を形成する工程、
該中間層上に接した該感光層が、ケトン、エステル及びエーテル構造のいずれかを有する溶媒を含有しかつ有機顔料が分散された塗布液を用いて形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記樹脂粒子が、
(A1)不飽和カルボン酸又はその無水物の一方もしくは両方、
(A2)炭素数2乃至6のアルケンを構成成分とする炭化水素、
(A3)下記式(1)乃至(4)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物
(式(1)乃至(4)中、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数10以下のアルキル基であり、R3は水素又は炭素数10以下のアルキル基である。)
とから構成されるポリオレフィン共重合体であって、
各構成成分(A1)乃至(A3)の質量比が下記の式を満たす請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦30
(A2)/(A3)=55/45乃至99/1 - 前記(A1)乃至(A3)の質量比が下記の式を満たすポリオレフィン共重合体である請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦10
(A2)/(A3)=55/45乃至99/1 - 前記(A1)乃至(A3)の質量比が下記の式を満たすポリオレフィン共重合体である請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦5
(A2)/(A3)=55/45乃至99/1 - 前記ポリオレフィン共重合体がエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体又はエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体である請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記水性分散液が更に、アンモニア又は30℃乃至250℃の沸点を有する有機アミン化合物を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記水性分散液が更に金属酸化物粒子もしくは有機電子搬送材料を含有する請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法により得られたことを特徴とする電子写真感光体。
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-
2008
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