JP5550314B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体は、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性及び画像欠陥がない高品位な画質が要求される。画像欠陥の代表的なものとしては、画像スジ、白地部分の黒点、黒字部分の白点、白地部分の地カブリが挙げられる。更には、デジタル複写機やレーザービームプリンターで、レーザーダイオードを光源として露光を行なう場合には、支持体の表面形状や感光体の膜厚ムラによって発生する干渉縞が挙げられる。前記の画像欠陥を防止する方法として、感光層と支持体の間に下引き層(中間層)を設ける方法がある。下引き層は、電子写真感光体に電圧を印加したとき支持体から電荷注入が起こらないように電気的ブロッキング機能が要求される。これは、支持体から電荷注入があると、帯電能の低下、画像コントラストの低下、反転現像方式の場合は白地に黒ポチや地カブリの原因になり画質を低下させる。一方、下引き層の電気的抵抗が高すぎると感光層で発生した電荷が感光層内部に滞留し、結果として残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動、ゴーストの原因になる。従って、電気的ブロッキング機能以外にも下引き層の電気的抵抗値をある程度小さくする必要がある。
下引き層の電気抵抗値を小さくする手段として、下引き層中に金属酸化物粒子を分散させる方法がある。特許文献1には、導電性基体と感光体最上層との間に、個数平均一次粒径が5nm〜300nmの無機粒子とバインダーを含有する下引き層が開示されている。特許文献2には、アナターゼ型酸化チタン粒子を含有した下引き層が開示され、特許文献3にはコロイド状金属酸化物ゾル粒子を含有した下引き層が開示されている。特許文献4には、シランカップリング剤を用いて表面処理された金属酸化物粒子を含有する下引き層が開示されている。
しかしながら、金属酸化物粒子を含有した下引き層においては、感光体支持体から金属酸化物粒子への電荷注入による黒点や地カブリ、下引き層内部での電荷の滞留によるゴーストといった欠陥が画像上に発生する場合があり、それらの欠陥を解消することは困難であった。
特開2006−235025号公報 特開2004−077976号公報 特開平11−272002号公報 特開2004−191868号公報
本発明の目的は、黒点や地カブリ、ゴーストといった画像不良を同時に抑制する下引き層を有する電子写真感光体を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジあるいは電子写真装置を提供することにある。
本発明は、導電性支持体を有し、該導電性支持体上に下引き層と感光層をこの順に有する電子写真感光体において、下引き層が、シランカップリング剤で表面処理され体積平均一次粒径が1nm〜9nmの金属酸化物と、ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
さらに、本発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体の上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段及びトナー像を転写材に転写した後の前記電子写真感光体の上に残るトナーをクリーニングするクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであり、
前記電子写真感光体は、導電性支持体を有し、該導電性支持体上に下引き層と感光層をこの順に有する電子写真感光体であり、下引き層が、シランカップリング剤で表面処理され体積平均一次粒径が1nm〜9nmの金属酸化物粒子と、ポリオレフィン樹脂を含有していることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
さらに、本発明は、電子写真感光体、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した前記電子写真感光体に対して露光を行い前記電子写真感光体の上に静電潜像を形成する露光手段、前記電子写真感光体の上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段及び前記電子写真感光体の上のトナー像を転写材に転写する転写手段を備えた電子写真装置であり、
前記電子写真感光体は、導電性支持体を有し、該導電性支持体上に下引き層と感光層をこの順に有する電子写真感光体であり、下引き層が、シランカップリング剤で表面処理され体積平均一次粒径が1nm〜9nmの金属酸化物粒子と、ポリオレフィン樹脂を含有していることを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明によれば、感光体支持体からの電荷注入に起因した黒点や地カブリを抑制し、同時に電荷滞留によるゴーストも抑制する下引き層を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジあるいは電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例。 本発明の感光体の層構成の一例を示す概略図。
本発明における電子写真感光体は、支持体の上に下引き層及び感光層を有する。
感光層は、本発明の構成を満足するものであれば、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。しかし、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
本発明における電子写真感光体の好ましい構成の概略図を図2に示す。図2の電子写真感光体においては、支持体21上に、導電層22、下引き層23、電荷発生層24、電荷輸送層25が積層されている。導電層22は、支持体の欠陥を被覆する目的で設けられたものであり、本発明の下引き層とは別の構成をとるものである。
支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスの如き金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の如き導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体の上に下引き層を設け、下引き層の上に感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体である。
本発明において、下引き層は、シランカップリング剤で表面処理され体積平均一次粒径が1nm〜9nmの金属酸化物粒子と、ポリオレフィン樹脂を含有する。
前記金属酸化物粒子は、以下の構造式で示されるシランカップリング剤で表面処理されることが好ましい。
(R)−Si−(X)4−n (1)
(式中、Rはメチル基、アミノ基を持つ炭素数が5個以下の有機基、エポキシ基を持つ炭素数が5個以下の有機基、又は、ハロゲン基を持つ炭素数が5個以下の有機基を表し、Xはメトキシ基またはエトキシ基を表し、nは1から3の整数を表す。)
置換基Rにおいて、アミノ基を持つ炭素数が5個以下の有機基、エポキシ基を持つ炭素数が5個以下の有機基、又は、ハロゲン基を持つ炭素数が5個以下の有機基としては、
Figure 0005550314
が挙げられる。
更に、置換基Rは、
Figure 0005550314
のいずれかであることが好ましい。
またシランカップリング剤のXがメトキシ基であり、nが1であることが好ましく、金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が4nm〜9nmであることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、下記構造式(11)で示される繰り返し構造単位、下記構造式(21)又は(22)で示される繰り返し構造単位、及び下記構造式(31)、(32)、(33)又は(34)で示される繰り返し構造単位によって構成されることが好ましい。
Figure 0005550314
(式(11)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を示す。)
Figure 0005550314
(式(21)および式(22)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基または−Y21COOH(Y21は、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される1価の基を示し、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはフェニル基を示し、X21は、−Y22COOCOY23−(Y22およびY23は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される2価の基を示す。ただし、R21〜R24のうち少なくとも1つは−Y21COOHで示される1価の基である。)
Figure 0005550314
(式(31)〜式(34)中、R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示し、R41〜R43は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
上記式(11)で示される繰り返し構造単位の質量比率(%)を(A1)とし、上記式(21)又は式(22)で示される繰り返し構造単位の質量比率(%)を(A2)とし、上記式(31)、式(32)、式(33)又は式(34)で示される繰り返し構造単位の質量比率(%)を(A3)とすると、(A1)、(A2)及び(A3)は下記式を共に満たすことが好ましい。
0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦10
(A1)/(A3)=55/45〜99/1
また、(A1)、(A2)及び(A3)は、下記式を満たすことがより好ましい。
0.01≦(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100≦5
ポリオレフィン樹脂は、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体、又はエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体を含むことが好ましい。
本発明においては、下引き層は、シランカップリング剤で表面処理され体積平均一次粒径が1nm〜9nmの金属酸化物粒子とポリオレフィン樹脂を含有する。低誘電率の樹脂であるポリオレフィン樹脂を使用することにより、下引き層での電荷トラップサイトが減少し、ゴーストの発生が抑制される。しかしながら、金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が1nm未満であると、ゴーストが発生しやすくなる。その理由は、例えばポリエチレン樹脂であれば結晶構造中での分子鎖距離と近くなり、それによる樹脂の誘電特性の低下が引き起こされているのではないかと推測している。体積平均一次粒径が9nmを超えてもゴースト・画像濃度が変動しやすくなる。粒径が大きくなると金属酸化物粒子とオレフィン樹脂で凝集が発生しやすく粒子の表面積が減少し、感光層との電荷の受け渡しが少なくなることによって界面付近に電荷が滞留しやすくなり、ゴーストが発生しやすく、画像濃度が変動いやすくなるものと推測している。
シランカップリング剤で金属酸化物粒子を処理することによって、地カブリ・黒ポチといった支持体からの電荷注入に起因した画像不良の発生が抑制される。
また、本発明のシランカップリング剤で金属酸化物粒子を処理することによってゴーストも改善される。特に、下記式
Figure 0005550314
で示される、炭素数が少なく電子供与性基を有するシランカップリング剤は、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物粒子の界面に作用して電子搬送性を向上させることによって、ゴーストが改善されるものと考えられる。
同様に、加水分解を受けるアルコキシ基としてメトキシ基を1個持つシランカップリング剤も、前述の置換基Rとの作用で電子搬送性を向上させることができるため、ゴーストが改善されるものと考えている。
本発明の特定構造のポリオレフィン樹脂はゴースト改善の効果を更に増すものであるが、アルカンユニットだけではなくカルボン酸基及びカルボン酸無水基を適正範囲にすることにより、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物粒子の界面分極を抑制しているものと推測している。
本発明の金属酸化物粒子は、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子の如き導電性金属酸化物粒子を用いることが好ましい。
本発明における金属酸化物粒子の体積平均一次粒径の測定方法は以下のとおりである。
SEMにより100,000倍に拡大撮影した下引き層断面写真の1nm〜100nmの粒子と、更にSEM(走査型電子顕微鏡)に付属させたXMA(X線マイクロアナライザ)等の元素分析手段によって金属酸化物の元素でマッピングされた断面の写真を対照する。次に、金属酸化物の100個の一次粒子の投影面積を測定し、測定された各金属酸化物粒子の投影面積に等しい円の相当径を各金属酸化物粒子径として求めた。さらに、その結果を基に、体積平均粒径の算出を行なった。
ポリオレフィン樹脂の(A2)成分として用いることのできる不飽和カルボン酸またはその無水物は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドが挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていれば良く、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合が挙げられる。
本発明のポリオレフィン樹脂を構成する炭素数2〜6のアルケン(A1)成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテンの如き炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂を構成する上記式(31)〜(34)のいずれかで示される(A3)成分としては、例えば、式(31)で代表される(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルの如き(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。また、式(32)で代表されるマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルの如きマレイン酸エステル類、式(33)で代表される(メタ)アクリル酸アミド類が挙げられる。更には、式(34)で代表されるメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルの如きアルキルビニルエーテル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルの如きビニルエステル類、又は、ビニルエステル類を塩基性化合物でケン化して得られるビニルアルコールが挙げられる。また、(31)〜(34)の混合物を用いることもできる。この中で、式(31)で示される(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましい。
アクリル酸エステル単位は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、そのような場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。
また、本発明において、樹脂のカルボキシル基量を基準として量を規定する場合には、樹脂中の酸無水物基はすべて開環してカルボキシル基をなしていると仮定して算出する。
本発明のポリオレフィン樹脂は、水性媒体に分散もしくは溶解されている。ここで、水性媒体とは、水を主成分とする液体からなる媒体であり、後述する水溶性の有機溶剤を含有していてもよい。
本発明の下引き層の膜厚は0.05〜10μmであることが好ましく、特には0.3〜5μmであることがより好ましい。
本発明においては前述のとおり、支持体と下引き層の間に、支持体の欠陥を隠蔽しかつモアレを抑制する目的で導電性粒子を含有した導電層を設けてもよい。導電層に用いられる樹脂としてはフェノール樹脂又はポリウレタン樹脂の熱硬化型の樹脂を使用することが好ましい。
また、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために、導電層に、導電層表面を粗面化するための表面粗し付与材を添加することも可能である。
表面粗し付与材としては、体積平均粒径1μm〜6μmの樹脂粒子が好ましい。例えば、硬化性ゴム、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂の如き硬化性樹脂の粒子が挙げられる。これらの中でも、凝集しにくいシリコーン樹脂の粒子が好ましい。
また、導電層の表面性を高めるために、公知のレベリング剤を添加してもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾの如きアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンの如きフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴの如きインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドの如きペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノン、ジベンズピレンキノンの如き多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンの如き無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、キノシアニンの如きシアニン染料や、アントアントロン顔料や、ピラントロン顔料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター又は液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.3〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm〜2μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送材料は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
用いられる電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂やシリコーン含有樹脂などを含有させても良い。また前記樹脂により構成される微粒子を含有してもよい。また、金属酸化物微粒子や無機微粒子を含有してもよい。ただし、電荷輸送層を電子写真感光体の表面層として用いる場合は、その帯電列の位置に影響を及ぼさない範囲でそれらを含有させることができる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法の如き塗布方法を用いることができる。
次に、図1に本発明の電子写真感光体及びプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、ドラム状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段3により、負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流成分に交流成分を重畳した電圧、又は直流成分のみの電圧のどちらでもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像され、トナー像を形成する。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー像が、転写手段6からの転写バイアスによって転写材Pに順次転写されていく。転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7によって転写残りの現像剤(トナー)が除去され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光11により除電処理された後、電子写真感光体1は、画像形成に繰り返し使用される。
なお、転写手段として、例えば、ベルト状やドラム状の中間転写体を用いた中間転写方式の転写手段を採用してもよい。
図1では、電子写真感光体1と、接触帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールの如き案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、「部」は、「質量部」を示し、「%」は、「質量%」を示す。
(実施例1)
押し出し・引き抜き工程により製造された、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。その支持体の上に、以下の材料より構成される塗料を浸漬法で塗布し、温度140℃で30分間熱硬化して30μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnOコート処理酸化チタン 10部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 4部
レベリング剤:シリコーンオイル 0.001部
表面粗し付与剤:シリコーン樹脂粒子 0.7部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール 0.2/0.8 10部
次に、下引き層に用いるポリオレフィン樹脂として、表1の組成を示すポリオレフィン樹脂を使用した。表1に記載されている樹脂の構成は、オルトジクロロベンゼン中、温度120℃にて1H−NMR分析装置(バリアン社製、300MHz)を用いて求めた。
なお、表1に示したオレフィン樹脂の合成方法は、「新高分子実験学2 高分子の合成・反応(1)」の第4章(共立出版株式会社)、特開2003−105145号公報、特開2003―147028号公報に記述された公知の方法を用いた。
Figure 0005550314
ヒーター付の密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、以下のように攪拌を行なった。60.0質量部のポリオレフィン樹脂PO−1、30.0質量部のエタノール、3.9質量部のN,N−ジメチルエタノールアミン及び206.1質量部の蒸留水をガラス容器内に仕込んだ。撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。
次に、塩化第二スズ五水和物0.2モルを200mlの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、撹拌しながら28%のアンモニア水を添加することでpH1.5の白色酸化スズ超微粒子含有スラリーを得た。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを温度70℃まで加熱した後、温度50℃前後まで自然冷却したうえで純水を加え1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離器を用いて固液分離を行った。この含水固形分に800mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行なうことで洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml加えて酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーにトリエチルアミン3.0mlを加え撹拌し、透明感が出てきたところで温度70℃まで昇温した後、加温をやめ自然冷却することで固形分濃度20質量%の有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾル溶液を得た。
次に、酸化スズゾル溶液20部に、前記式(1)で示され、かつRが式(2)、XがCH、nが1であるシランカップリング剤を0.4部添加し、ペイントシェーカーを用いて分散を行なった。分散液を熱処理した後、メタノールで超音波洗浄を行ない、ろ過後、固形分濃度が20質量%、全溶媒に対してアミン比率が1%となるように水、IPA(イソプロピルアルコール)とトリエチルアミンを各々添加し、再度分散を行なった。このようにして、シランカップリング剤で処理された酸化スズゾル溶液を得た。
このようにして得られた酸化スズ溶液に、ポリオレフィン樹脂水性分散体を混合し、下引き層用塗布液を得た。その際、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化スズが20部に、混合液の固形分比率が15%に、混合液における水とIPAの比率が8:2になるように各分散体・溶媒を添加した。
この混合液を、前記導電層の上に浸漬法で塗布し、温度120℃で10分間熱硬化して1.0μmの下引き層を形成した。
なお、上記のように作製した下引き層膜中のポリオレフィン共重合体の組成を分析した結果、ポリオレフィン樹脂水性分散体を作製する前のポリオレフィン樹脂の原材料の組成比率と同じであることが確認できた。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部を用意した。それに、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散した。次に、酢酸エチル250部を分散液に加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層の上に浸漬塗布し、これを10分間、温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物8部、
Figure 0005550314
及び下記式で示される構造を有するアミン化合物1部
Figure 0005550314
及び下記式で示される構造を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量Mw:110000)10部
Figure 0005550314
を、最終重量比率でモノクロルベンゼン:ジメトキシメタンが7:3になる溶剤に溶解させることによって、電荷輸送用塗布液を調製した。この電荷輸送用塗布液を、浸漬塗布法で上記電荷発生層の上に塗布し、温度120℃で1時間乾燥することによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体1を2本作製した。
そのうち1本は、SEMにより100,000倍の下引き層断面写真を撮影し、金属酸化物粒子の一次粒子を100個以上測定して体積平均径を求めた。その結果、体積平均一次粒径は5nmであった。
表2に、以下各実施例において算出された金属酸化物粒子の体積平均一次粒径を示す。
作製した電子写真感光体のうち残りの1本を、温度22.5℃、湿度50%RHの環境下にて、ゴースト評価が可能なように改造したヒューレットパッカード製LaserJet4700に装着し、初期と5000枚通紙耐久後の画像の評価を行った。
詳しくは、シアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着して、シアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、評価を行った。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をレター紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行ない、5000枚の画像出力を行った。
評価開始時は、黒ポチ評価用に光沢紙を用いてべた白画像を1枚出力した。ゴースト評価用として、紙先端から10mm位置に20mm×20mmのべたパッチが5個あり紙先端から50mm以降は桂馬パターンのハーフトーンが出力される画像を5枚出力し、パッチゴーストの評価を行った。5000枚の画像出力後も、同様にゴースト評価を行なった。
黒ポチ評価は、目視にてポチの数の確認を行ない、A〜Fのランク付けを行なった。ランクAは黒ポチが全く見られず、ランクFは全面に黒ポチが見られる状態である。ランクDまでは画像上許容される範囲であり、ランクDは画像上、電子写真感光体1周分に換算して、直径(φ)0.3mm以下の黒ポチが5〜10個存在する程度のものである。
ゴースト評価は、前記ハーフトーン上のゴースト部の濃度を評価し、A〜Fのランク付けを行なった。ランクAは、ハーフトーン上にべたパッチ、いわゆるゴーストが全く見えず、ランクFはハーフトーン上にべたパッチが明確に見える状態である。ランクDまでは画像上許容される範囲であり、ランクDはハーフトーンのパッチ部と非パッチ部の濃度差が0.03〜0.04である。最終的な濃度差は、画像5枚分の平均値を算出した。
結果を表2に示す。
(実施例2〜4)
実施例1において、下引き層に用いるポリオレフィン樹脂を表1に記載のポリオレフィン樹脂PO−2〜PO−4を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例5〜7)
実施例1において、下引き層に用いるポリオレフィン樹脂を表1に記載のポリオレフィン樹脂PO−8〜PO−10を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例8〜10)
実施例1において、下引き層に用いるポリオレフィン樹脂を表1に記載のポリオレフィン樹脂PO−5〜PO−7を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例11)
実施例1において、下引き層に用いるポリオレフィン樹脂を表1に記載のポリオレフィン樹脂PO−11を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例12)
実施例11において、水とIPAの比率が8.5:1.5である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例13)
実施例11において、水とIPAの比率が7:3である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例14〜15)
実施例11において、下引き層に用いるポリオレフィン樹脂を表1に記載のポリオレフィン樹脂PO−12〜PO−13を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例16)
実施例11において、水とIPAの比率が9.5:0.5である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例17)
実施例11において、水とIPAの比率が9:1である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例18)
実施例17において、式(1)におけるXがCHCH、nが2であるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例19)
実施例18において、式(1)におけるRが式(3)であるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例20)
実施例18において、式(1)におけるRが式(4)であるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例21)
実施例18において、式(1)におけるRが式(5)であるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(実施例22)
実施例18において、式(1)におけるRが式(6)であるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
参考例23)
実施例18において、式(1)におけるRが(CHNHであるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
参考例24)
実施例18において、式(1)におけるRが(CHNHCHであるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
参考例25)
実施例18において、式(1)におけるRが(CHClであるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
参考例26)
実施例18において、式(1)におけるRがCH=CHであるシランカップリング剤で処理された酸化スズゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
参考例27)
参考例26において、水とIPAの比率が9.5:0.5である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(比較例1)
参考例26において、ポリオレフィン樹脂水性分散体の代わりに、N−メトキシメチル化ナイロン(FR101:株式会社鉛市製)を酸化スズゾル溶液に混合・溶解して下引き層用塗布液を得た。この混合液を、前記導電層の上に浸漬法で塗布し温度90℃で10分間熱硬化した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(比較例2)
参考例26において、ポリオレフィン樹脂としてエチレンとアクリル酸共重合樹脂水溶液であるSG2000(株式会社鉛市製)を用い、水とIPAの比率が9.8:0.2である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した。それ以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(比較例3)
参考例26において、ポリオレフィン樹脂としてエチレンとアクリル酸共重合樹脂水溶液であるSG2000(株式会社鉛市製)を用い、水とIPAの比率が6:4である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した。それ以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(比較例4)
参考例26において、ポリオレフィン樹脂としてエチレンとアクリル酸共重合樹脂水溶液であるSG2000(株式会社鉛市製)を用い、水とIPAの比率が5:5である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した。それ以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
(比較例5)
実施例1において、シランカップリング剤による表面処理は行なわず、ポリオレフィン樹脂としてエチレンとアクリル酸共重合樹脂水溶液であるSG2000(株式会社鉛市製)を用い、水とIPAの比率が8:2である下引き層用塗布液を用いて下引き層を塗布した。それ以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。評価は、実施例1と同様に行なった。
Figure 0005550314
表2の結果から明らかなように、本発明の電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置であれば、初期ゴースト、5000枚後ゴースト、及び初期黒ポチのいずれについても良好な結果が得られることが分かる。
21 支持体
22 導電層
23 下引き層
24 電荷発生層
25 電荷輸送層

Claims (8)

  1. 導電性支持体を有し、該導電性支持体上に下引き層と感光層をこの順に有する電子写真感光体であり、
    該下引き層が、
    下記式(1)で示されるシランカップリング剤で表面処理された体積平均一次粒径が1nm〜9nmの金属酸化物粒子と、
    ポリオレフィン樹脂と
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    (R) −Si−(X) 4−n (1)
    (式中、Rは下記式(2)から(6)のいずれかで示される基を表し、Xはメトキシ基またはエトキシ基を表し、nは1から3の整数を表す。)
    Figure 0005550314
  2. 前記Xが、メトキシ基であり、前記nが1であることを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が4nm〜9nmである請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂が、下記式(11)で示される繰り返し構造単位、下記式(21)又は式(22)で示される繰り返し構造単位、及び下記式(31)、式(32)、式(33)又は式(34)で示される繰り返し構造単位を有し、
    下記式(11)で示される繰り返し構造単位の質量比率(%)を(A1)とし、下記式(21)又は式(22)で示される繰り返し構造単位の質量比率(%)を(A2)とし、下記式(31)、式(32)、式(33)又は式(34)で示される繰り返し構造単位の質量比率(%)を(A3)としたとき、該(A1)、該(A2)及び該(A3)が下記式(7)及び式(8)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    0.01≦[(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}]×100≦10 式(7)
    (A1)/(A3)=55/45〜99/1 式(8)
    Figure 0005550314
    (式(11)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を示す。)
    Figure 0005550314
    (式(21)および式(22)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基または−Y21COOH(Y21は、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される1価の基を示し、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはフェニル基を示し、X21は、−Y22COOCOY23−(Y22およびY23は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基またはアリーレン基を示す。)で示される2価の基を示す。ただし、R21〜R24のうち少なくとも1つは−Y21COOHで示される1価の基である。)
    Figure 0005550314
    (式(31)〜式(34)中、R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示し、R41〜R43は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R51〜R53は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
  5. 前記ポリオレフィン樹脂における、前記(A1)、前記(A2)及び前記(A3)が、下記式(9)を満たす請求項に記載の電子写真感光体。
    0.01≦[(A2)/{(A1)+(A2)+(A3)}]×100≦5 式(9)
  6. 前記ポリオレフィン樹脂が、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体又はエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体である請求項またはに記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体の上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段及びトナー像を転写材に転写した後の前記電子写真感光体の上に残るトナーをクリーニングするクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した前記電子写真感光体に対して露光を行い前記電子写真感光体の上に静電潜像を形成する露光手段、前記電子写真感光体の上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段及び前記電子写真感光体の上のトナー像を転写材に転写する転写手段を備えた電子写真装置。
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