JP6300590B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置 Download PDFInfo
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Description
本発明の目的は、長期にわたる繰り返し使用時においても、耐摩耗性と繰り返し使用時の電位安定性の両立に優れ、かつ、それらの特性を安定して得ることができる電子写真感光体を提供することがある。また、本発明の別の目的は、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
該電荷輸送層が、
無機粒子およびフッ素原子含有樹脂粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、
式(A)で示される構造および式(B)で示される構造を有するポリエステル樹脂Aと、
を含有し、
該ポリエステル樹脂Aに占める、該式(A)で示される構造の割合が、5質量%以上40質量%以下であり、
該ポリエステル樹脂Aに占める、該式(B)で示される構造の割合が、60質量%以上95質量%以下であり、
該電荷輸送層中における、該ポリエステル樹脂Aの含有量が、該粒子の含有量に対して、20質量%以上であることを特徴とする電子写真感光体に関する。
無機粒子、またはフッ素原子含有樹脂粒子の平均一次粒径は、SEMによる断面観察から求めることが可能である。SEMによる断面観察としては、FIB−SEMを用いた元素マッピングおよびFIB−SEMのスライス&ビューから得られた3次元構造解析により計測して得ることができる。
ポリエステル樹脂Aは、式(A)で示される構造および式(B)で示される構造を有する。
式(C)中のX3は、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。これらの基は、単独で用いてもよく、2種以上の基を併用してもよい。m−フェニレン基とp−フェニレン基を併用する場合は、m−フェニレン基とp−フェニレン基の比(モル比)は1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
式(C)中のY3は、プロピリデン基が好ましい。
式(D)中のY4は、プロピリデン基およびシクロヘキシリデン基が好ましい。
上記式(A−10)および(B−3)で示される構造を有するポリエステル樹脂A(A1)の合成
下記式(1−1)で示されるジカルボン酸ハライド48.4gをジクロロメタンに溶解させ、酸ハロゲン化物溶液を調製した。
その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させた後、165℃で24時間乾燥させることで上記式(A−10)および(B−3)で示される構造を有するポリエステル樹脂A(A1)を得た。
合成例1に記載の合成方法を用い、式(A)で示される構造および式(B)で示される構造に応じた原材料を用いて表1の合成例に示すポリエステル樹脂A(A2〜A13)を合成した。ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は、重合開始から重合終了までの時間を調整することで制御した。合成したポリエステル樹脂Aの構成および重量平均分子量を表1に示す。
電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有する。電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ブタジエン化合物、エナミン化合物などが挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、電荷輸送物質としてトリアリールアミン化合物を用いることが電子写真特性の向上の点で好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との割合は、4:10〜20:10(質量比)の範囲が好ましく、5:10〜12:10(質量比)の範囲がより好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する電子写真感光体である。また、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層(最上層)である電子写真感光体である。
電子写真感光体は、一般的には、円筒状支持体上に感光層を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスのような金属製の支持体を用いることができる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理した支持体を用いることもできる。また、金属支持体、樹脂支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金または酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成したものも用いることもできる。支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
本発明の電子写真感光体では、支持体または導電層と、電荷発生層との間には、下引き層を設けてもよい。
支持体、導電層または下引き層上には、電荷発生層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料およびペリレン顔料が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニンは、高感度であるため好ましい。
図1に、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、SnO2コート処理硫酸バリウム粒子(導電性粒子)10部、酸化チタン粒子(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部およびメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
評価は、3,000枚繰り返し使用時の明部電位の変動量(電位変動)、画像欠陥の有無に関する画像評価、塗布液中における粒子の分散安定性および感光体表面層の摩耗量について行った。
評価装置としては、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−5050を用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。評価装置の780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.3μJ/cm2となるように設定した。電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は、電子写真感光体の端部から130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−450Vとなるように設定し、レーザー光を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を3,000枚行い、その前後での明部電位の変動量を評価した。テストチャートは、印字比率5%のものを用いた。結果を表5中の電位変動に示す。
評価装置としては、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−5050を用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。評価方法は、電子写真感光体を用いてA3用紙全面にハーフトーン画像を出力し、A3用紙全面において、局所的な濃淡ムラとして現れる画像欠陥の個数を目視で計測した。画像欠陥がない場合:○、欠陥が1〜2個の場合:△、3個以上の場合:×として判定した。結果を表5中の画像評価に示す。
電荷輸送層用塗布液を室温で暗所に1ヶ月放置した後の粒子の凝集について観察した。評価方法は、静置前の塗布液における粒子の平均粒径(粒度分布計:(株)堀場製作所製、CAPA700で測定)と1ヶ月静置後の塗布液における粒子の平均粒径の差を測定した。平均粒径差が0.2μm未満の場合:○、平均粒径差が0.2μm以上0.5μm未満の場合:△、平均粒径差が0.5μm以上の場合:×として判定した。結果を表5中の分散安定性に示す。
繰り返し画像出力による使用の前後の感光体膜厚の差から、表面層の摩耗量を求めた。画像出力枚数を10,000枚にした以外は、上記電位変動評価と同じ条件にて連続して画像出力を行った。膜厚の測定は、膜厚測定機(フィッシャー(株)製、フィッシャーMMS渦電流法プローブEAW3.3)で行った。結果を表5中の摩耗量に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)をポリエステル樹脂C(C2)(上記式(C−1)で示される構造と上記式(C−3)で示される構造を3:7の比で含有する。重量平均分子量130,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)をポリカーボネート樹脂D(D1)(上記式(D−1)で示される構造を含有する。重量平均分子量140,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)を用いず、ポリエステル樹脂A(A1)を10部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を5部、ポリエステル樹脂C(C1)を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を0.5部、ポリエステル樹脂C(C1)を9.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、シリカ粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに均一に分布している様子が確認された。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を表2に示すポリエステル樹脂Aに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層に含まれるシリカ粒子をシリカ粒子(平均一次粒径0.08μm、商品名:Nanotek−SiO2、シーアイ化成(株)製)に変更して用いた。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、シリカ粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに均一に分布している様子が確認された。
実施例1において、電荷輸送層のシリカ粒子を4.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層のシリカ粒子をアルミナ粒子(平均一次粒径0.1μm、商品名:LS−231、日本軽金属(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、アルミナ粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに均一に分布している様子が確認された。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)をポリエステル樹脂C(C2)に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)をポリカーボネート樹脂D(D1)に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)を用いず、ポリエステル樹脂A(A1)を10部に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を5部、ポリエステル樹脂C(C1)を5部に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を0.5部、ポリエステル樹脂C(C1)を9.5部に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を表2に示すポリエステル樹脂Aに変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例1において、電荷輸送層のシリカ粒子をポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(平均一次粒径0.12μm、商品名:TFマイクロパウダー TF9207Z、住友スリーエム(株)製)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに均一に分布している様子が確認された。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)をポリエステル樹脂C(C2)に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)をポリカーボネート樹脂D(D1)に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂C(C1)を用いず、ポリエステル樹脂A(A1)を10部に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を5部、ポリエステル樹脂C(C1)を5部に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を0.5部、ポリエステル樹脂C(C1)を9.5部に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を表2に示すポリエステル樹脂Aに変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、分散液調合時に、再沈、粉体化を行ったフッ化アルキル鎖をグラフトしたアクリルポリマー(アロンGF300、東亜合成(株)製)を0.02部添加し、その後分散を行った。それ以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例47において、フッ化アルキル鎖をグラフトしたアクリルポリマーの添加量を0.2部に変更した以外は、実施例47と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例47において、フッ化アルキル鎖をグラフトしたアクリルポリマーを下記式(G)で示される分散剤Gに変更した以外は、実施例47と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例49において、分散剤Gの添加量を0.2部に変更した以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子にポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(平均一次粒径0.20μm、商品名:TFマイクロパウダー TF9201Z、住友スリーエム(株)製)を用いた。それ以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに均一に分布している様子が確認された。
実施例29において、電荷輸送層のポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子を4.5部に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子を2.25部に変更し、更に、シリカ粒子(平均一次粒径0.1μm、商品名:KMPX−100、信越化学工業(株)製)2.25部を加えた。それ以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表5に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子およびシリカ粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに、各々均一に分布している様子が確認された。
比較樹脂として、ポリエステル樹脂F(F1)〜(F6)を作製した。ポリエステル樹脂Fが有する構造とポリエステル樹脂Fの分子量を表3に示す。ポリエステル樹脂F(F5)が有する式(F−1)で示される構造およびポリエステル樹脂F(F6)が有する式(F−2)で示される構造を以下に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を表4に示すポリエステル樹脂Fに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例1において、電荷輸送層のシリカ粒子を4.5部、ポリエステル樹脂A(A1)を0.5部、ポリエステル樹脂C(C1)を9.5部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例1において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を用いず、ポリエステル樹脂C(C1)を10部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、シリカ粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こし、電荷輸送層中におけるシリカ粒子の分散状態が不均一となっている様子が確認された。
比較例8において、フッ化アルキル鎖をグラフトしたアクリルポリマー(アロンGF300、東亜合成(株)製)を0.2部添加し、その後分散を行った以外は、比較例8と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。なお、前記手法により電荷輸送層の断面観察を行ったところ、シリカ粒子は電荷輸送層中において二次的な凝集を起こさずに均一に分布している様子が確認された。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)をポリエステル樹脂F(F3)に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例21において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を用いず、ポリエステル樹脂C(C1)を10部に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を表4に示すポリエステル樹脂Fに変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子を4.5部、ポリエステル樹脂A(A1)を0.5部、ポリエステル樹脂C(C1)を9.5部に変更した以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例47〜50において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を用いず、ポリエステル樹脂C(C1)を10部に変更した。それ以外は、それぞれ実施例47〜50と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例29において、電荷輸送層のポリエステル樹脂A(A1)を下記式(H−1)、下記式(H−2)および下記式(H−3)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂H(式(H−1)、式(H−2)および式(H−3)示される構造を9:2:9の比で含有する。重量平均分子量122,000)に変更した。それ以外は、実施例29と同様にして電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様に、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
実施例1において、電荷輸送層のシリカ粒子を用いない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電位変動、画像欠陥の有無、分散安定性、摩耗量を評価した。結果を表6に示す。
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
Claims (10)
- 支持体と、電荷発生層と、表面層である電荷輸送層と、をこの順に有する電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、
無機粒子およびフッ素原子含有樹脂粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、
式(A)で示される構造および式(B)で示される構造を有するポリエステル樹脂Aと、
を含有し、
該ポリエステル樹脂Aに占める、該式(A)で示される構造の割合が、5質量%以上40質量%以下であり、
該ポリエステル樹脂Aに占める、該式(B)で示される構造の割合が、60質量%以上95質量%以下であり、
該電荷輸送層中における、該ポリエステル樹脂Aの含有量が、該粒子の含有量に対して、20質量%以上であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記無機粒子の平均一次粒径が、0.02μm以上1.0μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記粒子が、シリカまたはアルミナである請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記フッ素原子含有樹脂粒子の平均一次粒径が、0.05μm以上0.5μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記粒子が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子である請求項1または4に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層中における、前記粒子の含有量が、0.5質量%以上30質量%以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層中における、前記ポリエステル樹脂Aの含有量が、5質量%以上である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層が、式(C)で示される構造を有するポリエステル樹脂Cおよび式(D)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂Dからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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