JP5239488B2 - 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置および画像形成ユニット - Google Patents

有機感光体、画像形成方法、画像形成装置および画像形成ユニット Download PDF

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Description

本発明は電子写真方式の画像形成装置等に用いる有機感光体、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成ユニットに関するものである。
有機感光体はセレン系感光体、アモルファスシリコン感光体のような無機感光体に比して素材の選択の幅が広いこと、環境適性に優れていること、生産コストが安いこと等の大きなメリットがあり、近年無機感光体に代わって電子写真感光体の主流となっている。
他方カールソン法に基づく画像形成方法においては、有機感光体上に帯電、静電潜像を形成し、トナー画像を形成した後、該トナー画像を転写紙に転写し、これを定着して最終画像が形成される。
上記帯電手段の部材として従来代表的に用いられている帯電部材はコロナ放電器が最もよく知られている。コロナ放電器は安定した帯電を行えるという利点を有する。しかし、コロナ放電器は高電圧を印加しなければならないため、イオン化された酸素、オゾン、水分、酸化窒素化合物等の発生量が多いため、有機感光体(以後感光体とも云う)の劣化を招いたり、人体に悪影響を及ぼす等の問題点を有している。
そこで、近年、コロナ放電器を利用しない接触帯電方式を利用することが検討されている。具体的には帯電部材である磁気ブラシや導電性ローラに電圧を印加して、被帯電体である感光体に接触させ、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。このような接触帯電方式を用いればコロナ放電器を用いた非接触帯電方式と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発生量も減少する。
接触帯電方式は、感光体に10〜1010Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を付与する方法である。この帯電方法は、パッシェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、或る閾値以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。この接触帯電方式は、コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧が低くなり、オゾン及び窒素酸化物の発生量が減少する。
一方、近年の画像形成方法はデジタル化が進展し、有機感光体の静電潜像の形成にはレーザ光を露光光源とした画像形成方法が多く用いられている。
しかしながら、帯電ローラ等との接触帯電方式では、レーザ光露光による干渉縞(以下、モアレとも云う)を防止するために加工された有機感光体の支持体、即ち、表面を切削加工等で粗面化したアルミニウム支持体等を用いると、切削加工面の凸部が接触帯電では絶縁破壊を発生しやすいという問題が発生している。又、有機感光体表面に繰り返し帯電を行うと、有機感光体に発生した亀裂や汚染等が発生し、その結果、該亀裂や汚染等の部分に電荷が集中し、絶縁破壊や黒ポチ等の画像欠陥の発生を引き起こしやすく、画像ボケも発生しやすい。特に高温高湿、低温低湿等の厳しい条件下でこれらの問題が発生しやすい。
このような課題に対して、導電性基体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する有機感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン(特許文献1)、アミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン(特許文献2)、有機ケイ素化合物で表面処理された酸化チタン(特許文献3)、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン(特許文献4)、金属酸化物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタン(特許文献5)を用いた中間層を有する有機感光体が提案されている。
しかしながら、これらの技術を用いても、接触帯電方式で発生しやすい絶縁破壊や黒ポチを防止するには、中間層を例えば、5μm以上の十分な膜厚で構成することが必要となり、中間層の膜厚を厚くすると繰り返し使用に伴う残留電位が上昇し、画像濃度が低下しやすく、絶縁破壊や黒ポチの発生防止と十分な画像濃度の両立を達成することが困難であった。
特開平4−303846号公報 特開平9−96916号公報 特開平9−258469号公報 特開平8−328283号公報 特開平11−344826号公報
本発明の目的は、接触帯電方式の画像形成装置に用いられる有機感光体の前記した課題を解決することであり、より詳しくは、従来の酸化チタン等を含有した中間層を有する有機感光体の前記した問題点を解決し、絶縁破壊や黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、良好な電子写真画像を長期的に安定して得ることができる有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成ユニットを提供することである。
我々は接触帯電方式の画像形成装置に用いられる有機感光体の上記問題点について検討を重ねた結果、接触帯電方式を用いた場合のリーク放電による黒ポチ発生を防止するには、導電性支持体の表面加工後の表面形状で、表面形状の尖り部をなくし、尖り部からのリーク放電を発生させないことが必要であることを見出し、本願発明を完成した。即ち、本願発明は、以下のような構造を有する有機感光体によって達成される。
1.導電性支持体上に、少なくとも中間層、感光層を設けた有機感光体において、該導電性支持体は、切削加工を行った後、水、ドライアイス粒子、アルミナ粒子のいずれかを吹き付ける処理を行って得られるものであり、該導電性支持体の断面曲線は規則的な凹凸加工形状を有するもので、そのスキューネス(Rsk)が、−8<Rsk<0となることを特徴とする有機感光体。
.前記断面曲線が切削加工形状を有することを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
.前記中間層が、N型半導電性粒子を含有することを特徴とする前記1または2に記載の有機感光体。
.前記N型半導電性粒子が、酸化チタン微粒子又は酸化亜鉛微粒子であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
.有機感光体、有機感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された有機感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、有機感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、有機感光体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成方法において、前記帯電手段が接触帯電方式であり、有機感光体が前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成方法。
.前記に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
.有機感光体、有機感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された有機感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、有機感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、有機感光体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段を有し、画像形成部を形成しており、画像形成装置本体から脱着可能な画像形成ユニットにおいて、前記帯電手段が接触帯電方式であり、有機感光体が前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成ユニット。
本発明の有機感光体を接触帯電方式の画像形成装置に用いることにより、従来問題となっていた絶縁破壊や黒ポチを防止でき、高濃度の電子写真画像を形成することができる。又該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に、少なくとも中間層、感光層を設けた有機感光体であり、該導電性支持体表面の断面曲線のスキューネス(Rsk)が、−8<Rsk<0となることを特徴とする。
本発明の有機感光体は上記のような構造を有することにより、接触帯電方式の画像形成装置で発生しやすい絶縁破壊や黒ポチの発生を防止し、高濃度で良好な電子写真画像を形成することができる。
本発明に係わる導電性支持体表面の断面曲線のスキューネスは、山部と谷部の分布状態のゆがみ度(ひずみ度)を表すが、Rsk>0では、導電性支持体表面のとがり(山部)が多くなり接触帯電部材とのリーク放電の発生が多くなる。又、Rsk<−8では、導電性支持体表面のとがり(山部)が少なくなり接触帯電部材とのリーク放電の発生が少なくなるものの、干渉縞が発生する。
本願発明に係わる断面曲線が規則的な凹凸加工形状とは、単純な1パターンの規則的な凹凸形状(図5)から、複雑な凹凸パターン形状の繰り返し(図6)等、全て含有する。
これらの規則的な凹凸パターンは、切削加工により形成することができ、切削加工のバイト形状を変えることにより、又、バイトの押し込み角度、押し込み深さおよび回転数を適宜選択すること等により、単純なものから複雑なものまで、自由に凹凸パターン形状を刻むことができる。
又、断面曲線が規則的な凹凸加工形状は、完全な規則的凹凸パターンから、不完全な規則的凹凸パターン、即ち、切削加工形状がその後のサンドブラスト処理等で、完全な規則性が崩れていても、切削加工形状の繰り返しパターンが残っている不完全な規則性までも、本発明に係わる規則的な凹凸形状の範囲に含まれる。
切削バイトとして、荒加工では通常多結晶ダイヤモンド焼結体が用いられ、仕上げ加工としては単結晶ダイヤモンドまたは多結晶ダイヤモンド焼結体からなるバイトを用いる。単結晶ダイヤモンドからなるバイトとしては、ノーズ形状は平、Rのどちらを用いても良く、R形状の場合ノーズの丸みの半径Rは10〜30mm程度のものを使用することが好ましい。多結晶ダイヤモンド焼結体からなるバイトとしては、ノーズ形状は平,Rのどちらを用いても良いが、粒度が0.2μm以上15μm以下のものを用い、切削バイトの切削面における研磨仕上げ粗さは最大粗さRtで0.3μm以上2.0μm以下となるように研磨することが好ましい。切削バイトの切削面の最大粗さRtは、表面粗さ計「サーフコム1400D」(東京精密社製)により測定される。切削バイトの研磨は、工具研磨盤に取り付けたダイヤモンドホイールによって研磨されることが好ましい。
また、切削送り速度vは最小値として好ましくは100μm/rev以上、更に好ましくは150μm/rev以上、最大値として好ましくは600μm/rev以下、更に好ましくは450μm/rev以下の範囲で設定される。
上記断面曲線のスキューネスを本願発明内にするには、導電性支持体の切削加工を行った後、サンドブラスト、ドライアイスブラスト及び高圧ジェット水処理等を行い、これらの吹き付け強度を適宜選択して処理することにより、得ることができる。
なお、切削加工については、特開2007−264379号公報、ドライアイスブラスト法については、特開2005−292565号公報、サンドブラスト法については、特開2000−105481号公報、特開2000−155436号公報、高圧ジェット法については、特開2006−30580号公報等で開示された方法を本願の断面曲線のスキューネスを達成するために参照することができる。
本願発明に係わる断面曲線のスキューネス(Rsk)はJISB0031の定義に準ずるものであり、下記式で表される。
Figure 0005239488
Rq:二乗平均平方根粗さ
lr:X軸方向の長さ
Z(x):x位置でのZ軸方向の高さ
又、本願発明に係わる断面曲線のスキューネス(Rsk)の測定は、以下の測定条件で行った。
測定条件
測定機:表面粗さ計(東京精密社製 Surfcom 1400D)
測定長さL:8.0mm
カットオフ波長λc:0.08mm
触針先端形状:先端角度60°円錐
触針先端半径:0.5μm
測定速度:0.3mm/sec
測定倍率:100000倍
測定位置:上、中、下の3カ所、(円筒状支持体の場合は、軸心の中心と軸心と端部の中間点の3カ所)
上記3カ所の平均値を本願発明のスキューネス(Rsk)の値とする。
次に、断面曲線のスキューネス(Rsk)が正の場合、及び負の場合の概念図を図7に例示する。
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート上でも円筒状でもよいが、好ましくは円筒状導電性支持体が好ましい。
本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
本発明の感光体に用いる円筒状導電性支持体としては直径が10〜300mmのものが好ましいが、本発明の効果が顕著に現れ、支持体と中間層等の接着性が改善され、同時に黒ポチの発生が防止される等の効果が著しいものは、直径10〜50mmの小径の円筒状導電性支持体を用いた感光体である。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
以下に本発明に好ましく用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明に係わる導電性支持体は前記で記載した特性を有する導電性支持体を用いる。
又、本発明に係わる導電性支持体は、その表面粗さを十点平均粗さRzで、0.5〜2.5μmに作製することが好ましい。このような表面粗さに加工した導電性基体の上に、前記断面曲線のスキューネスを本発明内に構成し、その上で、後述のN型半導電性粒子を含有した中間層を設置することにより、絶縁破壊や黒ポチを発生させないで、レーザ等の干渉光を用いても、モアレの発生を効率よく防止することができる。
表面粗さRz(十点平均粗さ)の定義と測定法
上記のRzはJISB0601−1982に記載の(十点平均粗さ)を意味する。即ち、基準長さの標準値の距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下位から5つの谷底の平均低さとの差である。
測定条件
測定機:表面粗さ計(東京精密社製 Surfcom 1400D)
測定長さL:基準長さの標準値
触針先端形状:先端角度60°円錐
触針先端半径:0.5μm
測定速度:0.3mm/sec
測定倍率:100000倍
測定位置:上、中、下の3カ所、(円筒状支持体の場合は、軸心の中心と軸心と端部の中間点の3カ所)
上記3カ所のRzの平均値を、Rzの値とする。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設ける。
本発明の中間層においては、乾燥膜厚を0.2〜15μmになるように塗布、乾燥することが必要である。乾燥膜厚は好ましくは0.3〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。
本発明に用いられるN型半導電性粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導電性粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
前記N型半導電性粒子は、具体的には酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
本発明に用いられるN型半導電性粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上200nm以下の範囲が良く、好ましくは15〜150nmが好ましい。数平均一次粒径が前記範囲のN型半導電性粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
前記N型半導電性粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
本発明に用いられるN型半導電性粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導電性粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
本発明のN型半導電性粒子に行われる表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導電性粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導電性粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導電性粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導電性粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導電性粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
また、該複数回の表面処理をアルミナ、シリカを用いて表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものが特に好ましい。
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
前記酸化チタン等のN型半導電性粒子のアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導電性粒子は以下の様に作製することができる。
N型半導電性粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子等のN型半導電性粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(2)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(2)
(R)−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物が用いられる。
一般式(1)
R−Si−X
式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までのアルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチルシラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げられる。
又、最後の表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で行うのが好ましい。
即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、この中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認することができる。
本発明に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
次に、前記表面処理が施された酸化チタン粒子等のN型半導電性粒子(以下、表面処理N型半導電性粒子ともいう。また、特に、表面処理が施された酸化チタン粒子を表面処理酸化チタンとも云う)を用いた中間層の構成について説明する。
本発明の中間層は、前記複数回の表面処理を行って得られた表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導電性粒子をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散させた液を導電性支持体上に塗布することにより作製される。
本発明の中間層は導電性支持体と感光層の間に設けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のアルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理N型半導電性粒子の量は、例えば表面処理酸化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチの発生しない、良好な中間層を形成することができる。
又、本発明の中間層は実質的に絶縁層である。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×10〜1015Ω・cmである。又、本発明の中間層の体積抵抗は好ましくは1×10〜1014Ω・cm、更に好ましくは、2×10〜1×1013Ω・cmが良い。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:20±2℃、65±5RH%
本発明の中間層の表面粗さはRmaxで0.20〜3.00μmが好ましい。更に、0.20〜2.00μmが好ましい。
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導電性粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いられる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
中間層塗布液溶媒としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比でメタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることができる。
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
前記中間層を含め、本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
表面層
感光体の表面層として、前記した本発明のシロキサン系樹脂層を設けることにより、本発明の最も好ましい層構成を有する感光体を得ることができる。
上記では本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
図1は、本発明に係る接触帯電方式を用いた画像形成装置1の断面概略図である。画像形成装置1は内部に、感光体カートリッジ2、現像カートリッジ3、外部からの画像信号に基づいて変調されたレーザビームを偏向させながら射出する露光装置4、記録紙を供給する給紙装置5、転写ローラ6、定着器7および排紙トレイ8が配設されている。
感光体カートリッジ2は、内部に円筒体の外周面に有機光導電材料の薄膜層を形成して成る感光体21、帯電ブラシ22等を備えている。現像カートリッジ3は、内部に図示せぬ現像スリーブ、攪拌ローラ、およびトナーとキャリアが収容されたトナータンクを備えており、現像スリーブには図示せぬ現像電源から現像バイアスが印加される。両カートリッジには、画像形成装置1への着脱の際に機械的接触による不具合が発生するのを防止するために、画像形成装置1への挿入時には閉状態とされ、画像形成装置1からの取り出し時には開状態とされる図示せぬ保護カバーが設けられている。
画像形成プロセスは周知であるため、以下に、簡略に示すに留める。まず、感光体21表面は帯電ブラシ22により所定の電圧で均一に帯電される。露光装置4は、変調されたレーザビーム(図中に破線矢印で示す)を発生し、このレーザビームを図示せぬポリゴンミラーにより偏向して、感光体21上を偏向走査し、前記帯電面に画像情報に応じた静電潜像を順次に形成していく。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用い、ドット潜像を形成することが好ましい。これらの像露光光源を用いて、像露光のスポット径(露光ビームのスポット径のこと)を80nm以下に、好ましくは60nm以下、15nm以上に絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2400dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ビームのスポット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の光強度に対応する面積を真円面積に換算し、該真円面積の直径とする。
又、トナータンク内のトナーは、攪拌ローラで攪拌された後、現像スリーブ上に供給され、感光体21との対向部で、前記静電潜像に対応したトナー像を形成する。同時に、感光体21表面の露光を受けていない部分(非画像部)に存在する残留トナーは、現像スリーブに印加される現像バイアス電圧と感光体21の表面電位との電位差を利用して、現像カートリッジに回収される。一方、トナー像は、感光体21と対向して配設されている転写ローラ6によって、記録紙上に静電転写される。なお、記録紙は給紙装置5から図中実線矢印で示される搬送路に沿って運ばれてくる。次いで、この記録紙は定着器7に搬送され、ここで未定着トナー像が記録紙上に熱定着される。最後に、所望の画像を形成した記録紙は、排紙トレイ8より排出される。以上一連のプロセスを繰り返すことで、原稿の複製が多量かつ高速にできるわけである。
帯電ブラシは、感光体の回転によって感光体との接触部に送られてきた残留トナーを機械的に撹拌し、判読不可能な状態となるまで感光体表面に拡散させる。また、帯電ブラシは、感光体の帯電極性と反対の極性(逆極性)の残留トナーを静電的に吸着して回収し、感光体の帯電極性と同極性(正規の極性)に帯電させて感光体表面に吐出する。
画像形成装置1は感光体上の残留トナーの回収は、最終的に現像スリーブで行われ、トナー像の転写後の有機感光体を有機感光体表面に接触するクリーニング手段に付することなく帯電手段に循環し、繰り返し電子写真画像を形成するクリーナーレス方式(クリーナーレスプロセス)を用いている。しかしながら、必要により、クリーニング手段を用いても良い。
図2は、画像形成装置1に着脱自在な感光体カートリッジ2の断面概略図である。感光体カートリッジ2は、その保護カバー付きケーシング28内に、像担持体としての感光体21、この感光体21の周りに当接配置された帯電ブラシ22、帯電ブラシ22に所定電圧を印加する電源接続部材23、プレ帯電フィルム24、帯電ならし部材(スポンジ状の帯電部材)25、26、電源接続部材27を収容する。
感光体21は図示せぬ駆動装置により図中矢印方向に回転する。帯電ブラシ22は、毛状の繊維からなる導電糸をブラシ支持体に植設したものである。この帯電ブラシ22は感光体21の表面に接触した状態で、図示せぬ駆動装置により図中矢印方向、つまり感光体21との接触部において、感光体21回転方向に対して同方向に回転する。画像形成時には、帯電ブラシ22に図示せぬ帯電電源より電圧が印加され、これによって感光体21表面を均一に所定極性に帯電させる。一方、非画像形成時には、帯電電源より前記画像形成時と逆の極性の電圧が帯電ブラシ22に印加される。なお、トナーの帯電極性は、画像形成時の帯電電圧の極性と同一である。よって非画像形成時に、帯電ブラシ22内に蓄積されたトナーを静電的反発力により、感光体21上に吐出させることができる。
現像プレ帯電フィルム24及び帯電ならし部材25、26は、帯電ブラシ22による帯電ムラを補う目的で配置されている。
又、本発明の画像形成装置では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明の有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
ここで、重合トナーとは、トナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合、及びその後の化学的処理により形成されて得られるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と必要により、その後に行われる粒子同士の融着工程を経て得られるトナーを意味する。
重合トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布、及び形状が均一なトナーが得られる。
重合トナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で製造することができる。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することでトナーを調製する。
また、本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
なお、本発明で好ましく用いられる形状係数等の均一なトナーを作製するための材料や製造方法、重合トナーの反応装置等については特開2000−214629号に詳細に記載されている。
上記図1及び図2の帯電ブラシの代わりに帯電ローラを用いてもよい。図3は帯電ローラの構成を示した断面図である。
図3に示すように前記帯電ローラ22Rは芯金22aと、その外周に設けられた導電性弾性部材であるクロルプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム層又はそれらのスポンジ層22bから成り、好ましくは最外層に0.01〜1μm厚の離型性弗素系樹脂又はシリコーン樹脂層から成る保護層22cを設けて構成される。
帯電ローラは前記感光体21に10〜100g/cmの圧接力で当接させることが好ましい。又、帯電ローラの回転は感光体ドラム21の周速の1〜8倍が好ましい。
尚、上記画像形成装置は、接触帯電方式のモノクロのレーザプリンタを示したが、帯電手段としては非接触方式のレーザプリンタでも同様の効果が得られる。又、カラーのレーザプリンタやコピーにも同様に適用可能である。又、露光光源もレーザ以外の光源、例えばLED光源を用いてもよい。
又、上記図1及び図2の帯電ブラシの代わりに磁気ブラシ帯電器を用いてもよい。図4は、磁気ブラシ帯電器の断面の一例を示す図である。
図4において、120は磁気ブラシ帯電器、21は感光体ドラム、T帯電部、120aは帯電スリーブ、121は磁石体121、123はスクレーパ、124は攪拌スクリューである。
図4によれば、帯電装置としての磁気ブラシ帯電器120は回転する感光体ドラム21と対向し、感光体ドラム21との近接部(帯電部T)において同方向(反時計方向)に回転される帯電用磁気粒子搬送体としての、例えばアルミ材やステンレス材を用いた円筒状の帯電スリーブ120aと、該帯電スリーブ120aの内部に設けられるN、S極よりなる磁石体121と、該磁石体121により帯電スリーブ120aの外周面上に形成され感光体ドラム21を帯電する磁気粒子からなる磁気ブラシと、磁石体121のN−N磁極部において該帯電スリーブ120a上の磁気ブラシを掻取るスクレーパ123と、磁気ブラシ帯電器120内の磁気粒子を撹拌或いは磁気粒子供給時に使用済み磁気粒子を磁気ブラシ帯電器120の排出口125より溢れさせて排出する撹拌スクリュー124と、磁気ブラシの穂立ち規制板126とにより構成される。帯電スリーブ120aは磁石体121に対し回動可能になっていて、感光体ドラム21との対向位置で感光体ドラム21の移動方向と同方向(反時計方向)に0.1〜1.0倍の周速度で回転させられるのが好ましい。また帯電スリーブ120aは、帯電バイアス電圧を印加し得る導電性の搬送担体が用いられるが、特に、表面に粒子層が形成される導電性の帯電スリーブ120aの内部に複数の磁極を有する磁石体121が設けられている構造のものが好ましく用いられる。このような搬送担体においては、磁石体121との相対的な回転によって、導電性の帯電スリーブ120aの表面に形成される磁気粒子層が波状に起伏して移動するようになるから、新しい磁気粒子が次々と供給され、帯電スリーブ120a表面の磁気粒子層に多少の層厚の不均一があっても、その影響は上記波状の起伏によって実際上問題とならないように十分カバーされる。帯電スリーブ120aの表面は磁気粒子の安定な均一搬送のために表面の平均粗さを5.0〜30μmとすることが好ましい、平滑であると搬送は十分に行えなく、粗すぎると表面の凸部から過電流が流れ、どちらにしても帯電ムラが生じ易い。上記の表面粗さとするにはサンドブラスト処理が好ましく用いられる。また、帯電スリーブ120aの外径は5.0〜20mmが好ましい。これにより、帯電に必要な接触領域を確保する。接触領域が必要以上に大きいと帯電電流が過大となるし、小さいと帯電ムラが生じ易い。また上記のように小径とした場合、遠心力により磁気粒子が飛散あるいは感光体ドラム21に付着し易いために、帯電スリーブ120aの線速度は感光体ドラム21の移動速度と殆ど同じか、それよりも遅いことが好ましい。
また、帯電スリーブ120a上に形成する磁気粒子層の厚さは、規制手段によって十分に掻き落されて均一な層となる厚さであることが好ましい。帯電領域において帯電スリーブ120aの表面上の磁気粒子の存在量が多すぎると磁気粒子の振動が十分に行われず感光体の摩耗や帯電ムラを起こすとともに過電流が流れ易く、帯電スリーブ120aの駆動トルクが大きくなるという欠点がある。反対に磁気粒子の帯電領域における帯電スリーブ120a上の存在量が少な過ぎると感光体ドラム21への接触に不完全な部分を生じ磁気粒子の感光体ドラム21上への付着や帯電ムラを起こすことになる。実験を重ねた結果、帯電領域における磁気粒子の好ましい付着量は100〜400mg/cmであり、特に好ましくは200〜300mg/cmであることが判明している。なお、この付着量は、磁気ブラシの帯電領域における平均値である。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
次に、本発明の代表的な実施態様を示し、本発明の構成と効果につき更に説明する。
尚、特に断りがない限り、文中の「部」は質量部を表し、「%」は質量%を表す。
感光体1の作製
・基体1
円筒状アルミニウム基体の切削加工において、複雑な凹凸パターン加工形状を形成するダイヤモンド焼結平バイトを用い、該バイトの取り付け角度と押し込み深さを調整した後、洗浄DWビークリアCW5524(第1工業製薬)を10倍希釈した洗浄液を用い、噴射圧3.92MPaにて高圧噴射処理を行い、基体の断面曲線のスキューネス(Rsk)を−0.24、十点表面粗さRzを1.3μmとした。
・中間層1
上記基体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚5.0μmの中間層1を形成した。下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部
アナターゼ形酸化チタンA1(一次粒径30nm;表面処理は、フッ化エチルトリメトキシシラン処理) 3.0部
イソプロピルアルコール 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
・電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.8μmの電荷発生層を形成した。
Y形オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、最大ピーク角度が2θで27.3) 20部
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
・電荷輸送層
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 75部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製) 100部
酸化防止剤(下記化合物A) 2部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比7/3) 750部
感光体2〜5の作製
アルミニウム基体の切削条件(バイトの角度や押し込み深さ)ならびにドライアイスあるいはサンドの噴射圧を適宜変えて表1のようにRsk及びRzを変更し、中間層の酸化チタン、膜厚等も表1のように変更した以外は感光体1と同様にして感光体2〜9を作製した。
感光体2
感光体1の基体の高圧噴射処理に代えて、ドライアイスブラストである、スーパーブラスト DSC−1(不二製作所)にて、ドライアイス粒子0.3mmを用い、噴射圧力0.4MPaにて行い、中間層の膜厚を6μmにした以外は感光体1と同様に行った。
感光体3
感光体2において、ドライアイス粒子1mmを用い、噴射圧力0.6MPaで行い、中間層の膜厚を6μmに変更した以外は感光体2と同様に行った。
感光体4
感光体1の基体の高圧噴射処理に代えて、精密サンドブラストである、MICROBLASTER MB1(新東ブレーター)にて、砥粒としてアルミナ(Al) #5000(平均粒径2μm)を用い、吹付圧力3kg/cmで行い、中間層の膜厚を5μmに変更した以外は感光体1と同様に行った。
感光体5
感光体4において、砥粒としてアルミナ(Al) #3000(平均粒径5μm)を用い、吹付圧力5.5kg/cmで行い、中間層の膜厚を8μmにした以外は感光体4と同様に行った。
感光体6
感光体1において、切削加工条件(単純な凹凸パターンを生じる、ダイヤモンド焼結Rバイトを用い、バイトの角度や押し込み深さも変えて)を変えて、断面曲線のスキューネス(Rsk)、十点平均粗さRzを表1のように変え、中間層の酸化チタンの一次平均粒径を25nmのルチル形酸化チタンA2(表面処理はA1と同じ)にし、膜厚も3μmに変更した以外は同様にして感光体6作製した。
感光体7
感光体4において、切削加工条件(単純な凹凸パターンを生じるダイヤモンド焼結平バイトを用い、バイトの角度や押し込み深さも変えて)を変えて、断面曲線のスキューネス(Rsk)、十点平均粗さRzを表1のように変え、中間層の酸化チタンの一次平均粒径を35nmのルチル形酸化チタンA3(表面処理はA1と同じ)にし、膜厚も2μmに変更した以外は同様にして感光体7作製した。
感光体8
感光体1において、中間層中のアナターゼ形酸化チタンA1をルチル形酸化チタンA4(一次平均粒径15nm、メチルハイドロジェンシロキサン表面処理)にし、膜厚も3μmに変更した以外は同様にして、感光体8を作製した。
感光体9
感光体4において、中間層中のアナターゼ形酸化チタンA1を酸化亜鉛(一次粒径155nm、メチルハイドロジェンシロキサン表面処理)に変更した以外は同様にして、感光体9を作製した。
感光体10
感光体4において、中間層中のアナターゼ形酸化チタンA1をブルッカイト形酸化チタンA5(一次平均粒径75nm、メチルハイドロジェンシロキサン表面処理)に変更した以外は同様にして、感光体10を作製した。
感光体11(比較例)
感光体1において、高圧洗浄の噴射圧力を行わない以外は同様にして感光体11作製した。
感光体12(比較例)
感光体4において、吹付圧力1kg/cmで行った以外は感光体4と同様にして、感光体12を作製した。
評価1
以上のようにして得た感光体を基本的に、2に記載の構造を有するEPSON LP−2400(エプソン(株)販売:A4紙16枚/分のプリンター:帯電ブラシによる接触帯電、及びクリーナーレスプロセスを採用している)に各々装着し、低温低湿(LL:10℃20%RH)で耐久試験を行った(但し、絶縁破壊については高温高湿(HH:30℃80%RH)条件でも評価した)。詳しくは、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像サンプルを計2万枚印刷し、スタート時及び5000枚毎に評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。評価結果を表2に示す。
露光条件
露光部電位目標:−50V未満にする露光量に設定。
露光ビーム:ドット密度600dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)の像露光を行った。レーザは780nmの半導体レーザを使用。
現像条件:非磁性一成分現像剤(重量平均粒径6.3μm、0.3μmの疎水性酸化チタンと15nmの疎水性シリカの外添剤を含有する非磁性一成分現像剤)を用いた反転現像。
<画像濃度>
マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。
◎:黒ベタ画像が1.2より高い(良好)
○:黒ベタ画像が1.0以上、1.2以下(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
<カブリ>
カブリ濃度はべた白画像をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。該反射濃度は相対濃度(印刷していないA4紙の濃度を0.000とする)で評価した。
◎:濃度が0.010未満(良好)
○:濃度が0.010以上、0.020以下(実用上問題ないレベル)
×:濃度が0.020より高い(実用上問題となるレベル)
<黒ポチ>
周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチ、黒筋状の画像欠陥が、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
◎:0.4mm以上の画像欠陥の頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の画像欠陥の頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
<絶縁破壊>
低温低湿(LL:10℃20%RH)、高温高湿(30℃80%RH)で評価
○:LL又はHHで電荷リークによる感光体の絶縁破壊が発生なし。
×:LL又はHHで電荷リークによる感光体の絶縁破壊が発生した。
<干渉縞>
ハーフトーン画像を出画して、干渉縞の発生レベルを確認した。
◎:干渉縞 発生なく問題なし
○:干渉縞 部分的に発生が見られるが実用上問題ないレベル
×:干渉縞 全面に発生し実用上問題となるレベル
Figure 0005239488
表1中、A1はアナターゼ形酸化チタン、A2、A3、A4はルチル形酸化チタン、A5はブルッカイト形酸化チタン、Zは酸化亜鉛を表す。
表1より、導電性支持体の断面曲線のスキューネス(Rsk)が、本願発明の範囲内にある感光体1〜4及び6〜10は、各評価項目で良好な結果を得ているのに対し、比較例の導電性支持体の断面曲線のスキューネス(Rsk)が、本願発明の範囲外である感光体5、11、12は、いずれかの評価項目で、実用性が十分でない評価を示していることが見いだされる。
評価2
評価1の評価機の帯電ブラシを帯電ローラに変更して、感光体1〜12の評価を行った。各感光体の評価結果は評価1とほぼ同等の結果が得られた。
本発明に係る接触帯電方式を用いた画像形成装置の断面概略図である。 画像形成装置に着脱自在な感光体カートリッジの断面概略図である。 帯電ローラの構成を示した断面図である。 磁気ブラシ帯電器の断面の一例を示す図である。 断面曲線が単純で、規則的な凹凸加工形状の1例を示す図である。 断面曲線が複雑で、規則的な凹凸加工形状の1例を示す図である。 断面曲線のスキューネス(Rsk)が正の場合、及び負の場合の概念図を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 感光体カートリッジ
3 現像カートリッジ
4 露光装置
5 給紙装置
6 転写ローラ
7 定着器
8 排紙トレイ
21 感光体
22 帯電ブラシ
23、27 電源接続部材
24 プレ帯電フィルム
25、26 帯電ならし部材

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも中間層、感光層を設けた有機感光体において、
    該導電性支持体は、切削加工を行った後、水、ドライアイス粒子、アルミナ粒子のいずれかを吹き付ける処理を行って得られるものであり、
    該導電性支持体の断面曲線は規則的な凹凸加工形状を有するもので、そのスキューネス(Rsk)が、−8<Rsk<0となることを特徴とする有機感光体。
  2. 前記断面曲線が切削加工形状を有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記中間層が、N型半導電性粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機感光体。
  4. 前記N型半導電性粒子が、酸化チタン微粒子又は酸化亜鉛微粒子であることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  5. 有機感光体、有機感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された有機感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、有機感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、有機感光体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成方法において、前記帯電手段が接触帯電方式であり、有機感光体が請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項5に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  7. 有機感光体、有機感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された有機感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、有機感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、有機感光体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段を有し、画像形成部を形成しており、画像形成装置本体から脱着可能な画像形成ユニットにおいて、前記帯電手段が接触帯電方式であり、有機感光体が請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成ユニット。
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