JP2004077974A - 反転現像方法、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

反転現像方法、画像形成方法、画像形成装置 Download PDF

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志田 和久
▲崎▼村 友男
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Abstract

【課題】本発明の目的は、黒ポチの発生が少なく、且つ、広い階調性、高い画像濃度が得られる有機感光体を用いた反転現像方法を提供することであり、該反転現像方法を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【解決手段】有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程でトナー像に顕像化する反転現像方法において、該有機感光体が導電性支持体上にルチル形酸化チタン顔料を含有した中間層、及び感光層を有し、該有機感光体上の静電潜像を下記式(1)及び(2)を満足する条件で現像することを特徴とする反転現像方法。式(1) 800V≦|VH|≦1500V
式(2) 50V≦|VH|−|VDC|≦300V
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機感光体を用いた現像方法に関し、特にデジタル書き込みで感光体上に静電潜像を形成し、反転現像を行う反転現像方法、及び該反転現像方法を用いた画像形成方法、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法として最も代表的なカールソン法での複写機においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せしめ、静電荷潜像を形成する。この静電荷潜像をトナーによって現像して可視化し、次いでそのトナーを紙などに転写してから定着することにより画像形成が行われてきた。
【0003】
これまで電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、カドミウムなどの無機光導電性物質を感光層の主成分とする無機感光体が、広く使用されてきた。しかし、これらの無機感光体は有害なものが多く、環境対策上問題がある。
【0004】
従って近年、無公害である有機物を用いた有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきている。なかでも電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、所望の特性を有する化合物を広い範囲から選択できる機能分離型の感光体が盛んに開発されている。
【0005】
又、近年、電子写真法によるカラー画像形成方法として、デジタル信号処理による書き込みで、電子写真感光体上にカラー画像を形成するカラー画像形成方法が盛んに行われる様になってきた。
【0006】
従って、電子写真感光体としては、帯電特性及び感度が良好で、更に暗減衰が低いなど、電子写真特性は勿論のこと、カラー画像に要求される広い階調性、及びデシタル潜像の現像に最も適している反転現像に対する適正が要求される。
【0007】
即ち、電子写真画像の階調性を広くするため、反転現像において、未露光電位(VH)を高くすると電位の微小欠陥が拡大し黒ポチ(カラーの場合は色ポチ)・混色が顕在化し、低くすると十分な、階調性、画像濃度を得ることが出来ない。更に、未露光電位(VH)と、感光体と現像スリーブ間の直流バイアス電位(VDC)の電位差を大きくすると、電位の微小欠陥は顕在化しにくくなるが、大きくし過ぎると、弱帯電トナーの付着やキャリア付着が起こりやすいという問題点も提起されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、黒ポチの発生が少なく、且つ、広い階調性、高い画像濃度が得られる有機感光体を用いた反転現像方法を提供することであり、該反転現像方法を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために検討を重ねた結果、有機感光体を用いた反転現像方法で、広い階調性、高い画像濃度の電子写真画像を得るためには、反転現像の実質的な現像電位幅(通常ダイナミックレンジと称され、露光電位とバイアス電位の差を云う)を広くすると現像条件を構成すると同時に、ダイナミックレンジを広くすることに伴う高帯電の条件下でも、安定した帯電電位を維持し、且つ黒ポチ等の微小欠陥を発生させない特性を有する有機感光体が必要とされ、このような有機感光体に、誘電率が高く且つ導電性支持体からの正孔キャリアの注入防止に効果的なルチル形酸化チタン顔料を含有させた中間層を有する有機感光体を用いることが効果的であることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
即ち、本発明の目的は、以下の構成を用いることにより達成される。
1.有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程でトナー像に顕像化する反転現像方法において、該有機感光体が導電性支持体上にルチル形酸化チタン顔料を含有した中間層、及び感光層を有し、該有機感光体上の静電潜像を下記式(1)及び(2)を満足する条件で現像することを特徴とする反転現像方法。
式(1) 800V≦|VH|≦1500V
式(2) 50V≦|VH|−|VDC|≦300V
式中、VHは現像位置での未露光部電位
VDCは現像スリーブに印加された直流バイアス電位
2.前記ルチル形酸化チタン顔料が疎水化表面処理が施されていることを特徴とする前記1に記載の反転現像方法。
【0011】
3.前記疎水化表面処理が複数回の表面処理であることを特徴とする前記2に記載の反転現像方法。
【0012】
4.前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする前記3に記載の反転現像方法。
【0013】
5.前記複数回の表面処理のうち、最後の表面処理を反応性有機ケイ素化合物を用いて行うことを特徴とする前記3又は4に記載の反転現像方法。
【0014】
6.前記ルチル形酸化チタン顔料の数平均一次粒径が0.02〜1.0μmであることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の反転現像方法。
【0015】
7.前記中間層のバインダー樹脂がポリアミドであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の反転現像方法。
【0016】
8.前記ポリアミド樹脂が前記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドであることを特徴とする前記7に記載の反転現像方法。
【0017】
9.前記Yは前記化学構造を有することを特徴とする前記8に記載の反転現像方法。
【0018】
10.有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程でトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が導電性支持体上にルチル形酸化チタン顔料を含有した中間層、及び感光層を有し、該有機感光体上の静電潜像を前記式(1)及び(2)を満足する条件で反転現像することを特徴とする画像形成方法。
【0019】
11.前記10に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る画像形成装置の実施形態を添付の図面に基づいて具体的に説明すると共に、実施形態の画像形成装置、現像装置を用いて作像を行なう具体的な実施例を挙げて説明し、本発明の現像方法により、黒ポチやカブリの発生もなく、階調性、画像濃度も十分な良好な画像が得られることを明らかにする。
【0022】
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布した本発明の感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0023】
感光体への一様帯電の後、像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0024】
ここで、本発明の感光体の未露光部電位とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われない領域の感光体表面電位を意味する。又、露光部電位とは像露光が行われた領域の感光体表面電位を意味する。電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置に設けて行う。
【0025】
その静電潜像は次いで現像工程で現像器54を用いて現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cmの範囲である。
【0026】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は現像スリーブ541に直流バイアス電圧、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0027】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0028】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0029】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0030】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0031】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0032】
図2は前記図1の感光体ドラム50の帯電電位制御の構成を拡大した図である。
【0033】
以下に、未露光部電位の測定法と未露光部電位の修正を目的とした帯電電位調整プロセスを図2を用いて説明する。
【0034】
まず、感光体50上に帯電器52により一様に帯電する。帯電された感光体上にレーザダイオードの像露光器53によりデジタル露光されない未露光領域を形成する。該未露光領域の表面電位(未露光部電位)を電位センサー547により検出し、この検出された電位信号は図2中のプロセス制御部63に伝達する。プロセス制御部63は電位センサー547からの電位信号に基づいて帯電極を制御するプロセス制御器である。該制御器は電位センサーからの電位信号と目標電位信号とを比較し、その差を修正し、目標電位を達成する修正信号を決定する。高圧制御ユニット64はプロセス制御部63の制御信号を受け帯電器52に電流、電圧を供給する高圧制御ユニットである。前記決定された修正信号に基づきプロセス制御器から帯電電流、帯電グリット電圧の修正信号が高圧制御ユニットに出され、続いて高圧制御ユニットから帯電器52のコロナワイヤー521、スコロトロングリット522へそれぞれ修正された帯電電流、帯電グリット電圧が出力される。このプロセスを数回繰り返すことにより、電位センサー位置の感光体電位(未露光部電位)を目標電位に修正する事ができる。
【0035】
感光体の現像位置での未露光部電位を正確に測定する為には、上記電位センサーの位置を現像位置に取り付けて(必要により現像器を外して)測定するのが好ましいが、電位センサーの取り付け位置が現像位置から離れている場合は、電位センサーから現像位置までの電位暗減衰量を計算し、その分を補正すればよい。
【0036】
ここで、現像位置とは感光体上の潜像が現像剤により現像される位置を示すが、具体的には感光体と現像スリーブが最も接近した位置を現像位置の中心と見なす。即ち、本発明では現像位置の未露光部電位とは感光体が現像スリーブに最も接近した時の未露光部表面電位を示す。
【0037】
前記未露光部目標電位の設定には種々の方法があるが、本発明に用いられる反転現像方法では次に述べるような未露光部目標電位の設定方法(図3を用いて説明する)が好ましく用いられる。
【0038】
即ち、図3に示すように、プリンターや複写機の毎日の使用開始時、或いは所定のプリント枚数毎に感光体に帯電、像露光を行い、像露光後の露光部電位(VL)を電位センサーにより検知する。該VLを基準にして、画像濃度を支配する現像バイアス電位、次に現像バイアス電位を基準として、カブリの発生を防止する為の未露光部目標電位(VH)を設定する。
【0039】
本発明の反転現像の条件は感光体の現像位置での未露光部電位(VH)が絶対値で800〜1500V、より好ましくは900〜1400Vである。VHと現像スリーブにかかる直流バイアス電位(VDC)の差(現像バイアス)は50〜300V、より好ましくは70〜280Vである。このような高電圧を印加した条件でも、本発明の感光体を用いて反転現像を行うと、反転現像に特有の黒ポチの発生が少なく、高濃度、高階調性の良好な画像が達成される。|VH|が800Vより低いと、階調性が低くなりやすく、1500Vを超えると、感光層の静電破壊が発生しやく、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。又|VH|−|VDC|の差が50Vより小さいと、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすく、300Vを超えると、弱帯電性トナーの付着やキャリア付着の発生が増加する。
【0040】
本発明においては有機感光体と該現像剤を担持する現像スリーブとの距離(Dsd)は350〜800μm、感光体と現像スリーブの線速比は1:1〜1:3.5の範囲が好ましい。前記Dsdが800μmを越えると現像電界が弱くなり、現像性が低下する。
【0041】
次に、本発明に用いられる電子写真感光体について説明する。
本発明の有機感光体は導電性支持体と感光層の間に設ける中間層に酸化チタン、中でも高い誘電率を有するルチル形酸化チタン顔料を含有させることにより、高帯電を負荷し、ダイナミックレンジを広くした反転現像条件でトナー画像を形成しても、安定した帯電電位を維持し、黒ポチ等の画像欠陥を発生させず、広い階調性の電子写真画像を得ることができる。
【0042】
本発明のルチル形酸化チタン顔料は、顔料粒子は数平均粒径が0.02〜1.0μmが好ましい。このような範囲のルチル形酸化チタン顔料は前記した効果に加え、レーザ光や発光ダイオード光の像露光に際し発生しやすいモアレの発生を防止することができ、中間層中の分散性も良好となり、電子写真特性(帯電性、感度等)が良好で、黒ポチ等の画像欠陥を防止する。特に、上記粒径は0.05〜0.5μmがより好ましい。
【0043】
本発明のルチル形酸化チタン顔料は公知の硫酸法で製造することができる。即ち、イルメナイトを原料とし、溶解工程、加水分解工程、焼成工程、粉砕・整粒工程、仕上げ工程(表面処置工程)等を経て製造される。又、原料にルチル鉱石を用い、塩素法で製造することもできる。塩素法では塩素化工程、酸化分解工程の後、粉砕・整粒工程、仕上げ工程(表面処置工程)等を経て製造される。
【0044】
又、本発明のルチル形酸化チタン顔料は下記のような表面処理を行われたものが好ましい。即ち、その表面処理は、▲1▼複数回の表面処理が行われ、かつ該複数回の表面処理のうち最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴とするもの、▲2▼フッ素原子を有する反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴とするもの、▲3▼複数回の表面処理が行われ、かつ該複数回の表面処理のうち最後の表面処理が反応性有機チタン化合物による表面処理であることを特徴とするもの、及び▲4▼複数回の表面処理が行われ、かつ該複数回の表面処理のうち最後の表面処理が反応性有機ジルコニウム化合物による表面処理であることを特徴としている。
【0045】
これらの4つのうち何れか一つの表面処理を施されたルチル形酸化チタン顔料を含有させて導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることにより、前記式(1)のように、|VH|の電位を高くしても、残電上昇や、帯電電位低下といった電子写真特性を劣化させることなく、且つ、式(2)の条件を満たすことにより、黒ポチの発生を著しく抑制することができ、高濃度で高階調性の良好な電子写真画像を得ることができる。
【0046】
前記ルチル形酸化チタン顔料の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0047】
本発明のルチル形酸化チタン顔料に行われる表面処理の1つは、複数回の表面処理を行うものであり、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を用いて行われ、最後に反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。
【0048】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはルチル形酸化チタン顔料表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0049】
また、本発明のルチル形酸化チタン顔料に行われる表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いて表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理が上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を用いて行われ、最後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。
【0050】
この様に、ルチル形酸化チタン顔料の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、ルチル形酸化チタン顔料表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたルチル形酸化チタン顔料を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0051】
また、該複数回の表面処理をアルミナ、シリカを用いて表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものや、アルミナ、シリカを用いた表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を行うものも好ましい。
【0052】
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
【0053】
前記酸化チタン等のルチル形酸化チタン顔料のアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったルチル形酸化チタン顔料は以下の様に作製することができる。
【0054】
ルチル形酸化チタン顔料(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
【0055】
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にてルチル形酸化チタン顔料100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
【0056】
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0057】
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0058】
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
【0059】
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電気性能を悪化させる結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
【0060】
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(2)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0061】
一般式(2)
(R)−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0062】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0063】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0064】
nが0の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0065】
nが1の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0066】
nが2の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキシプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0067】
nが3の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
トリメチルクロロシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられる。
【0068】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは下記一般式(3)で示される有機ケイ素化合物が用いられる。
【0069】
一般式(3)
R−Si−X
式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。
【0070】
一般式(3)で表される有機ケイ素化合物においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までのアルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチルシラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げられる。
【0071】
又、最後の表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0072】
本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で行うのが好ましい。
【0073】
即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、この中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0074】
尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認することができる。
【0075】
本発明に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0076】
なお、本発明では、上記のルチル形酸化チタン顔料に最後に行われる表面処理を反応性有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物を用いて行われるものも含まれるが、具体的な表面処理方法は、上記反応性有機ケイ素化合物による表面処理方法に準ずる方法によって行われるものである。
【0077】
また、前記ルチル形酸化チタン顔料表面が反応性有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合的に用いることにより高精度に確認されるものである。
【0078】
前記ルチル形酸化チタン顔料の表面処理に用いられる具体的な反応性有機チタン化合物としては、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アルコキシド化合物やジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(ラクテート)、ジブトキシチタニウムビス(オクチレングリコレート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(トリエタノールアミナート)等の金属キレート化合物が挙げられる。また、反応性有機ジルコニウム化合物としては、テトラブトキシジルコニウムやブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセテート)等の金属アルコキシド化合物や金属キレート化合物が挙げられる。
【0079】
次に、前記表面処理が施されたルチル形酸化チタン顔料を用いた中間層の構成について説明する。
【0080】
本発明の中間層は、前記複数回の表面処理を行って得られた表面処理ルチル形酸化チタン顔料をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散させた液を導電性支持体上に塗布することにより作製される。
【0081】
本発明の好ましいポリアミド樹脂としては下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドが挙げられる。
【0082】
【化3】
Figure 2004077974
【0083】
一般式(1)中、Yは2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Zはメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
【0084】
上記一般式(1)中、Yの2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Yが下記化学構造を有する本発明のポリアミド樹脂は、環境メモリ、黒ポチ改善効果が著しい。
【0085】
【化4】
Figure 2004077974
【0086】
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレンを示し、Rは置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のRは同一でも、異なっていても良い。
【0087】
本発明のポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
【0088】
【化5】
Figure 2004077974
【0089】
【化6】
Figure 2004077974
【0090】
【化7】
Figure 2004077974
【0091】
上記具体例中の()内の%は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
【0092】
上記具体例の中でも、一般式(1)の繰り返し単位構造を有するN−1〜N−4のポリアミド樹脂が特に好ましい。
【0093】
又、本発明のポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。
【0094】
本発明のポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
【0095】
例示ポリアミド樹脂(N−1)の合成
攪拌機、窒素、窒素導入管、温度計、脱水管等を備えた重合釜にラウリルラクタム215質量部、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン112質量部、1,12−ドデカンシカルボン酸153質量部及び水2質量部を混合し、加熱加圧下、水を留出させながら9時間反応させた。重合物を取り出し、C13−NMRにより共重合組成を求めたところ、N−1の組成と一致した。尚、上記合成された共重合のメルトフローインデックス(MFI)は(230℃/2.16kg)の条件で、5g/10minであった。
【0096】
本発明のポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0097】
本発明の中間層は導電性支持体と感光層の間に設けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のアルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
【0098】
前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理ルチル形酸化チタン顔料の量は、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチの発生しない、良好な中間層を形成することができる。
【0099】
本発明の中間層の膜厚は0.5〜15μmが好ましい。膜厚を前記範囲で用いることにより、黒ポチの発生しない、電子写真特性の良好な中間層を形成できる。
【0100】
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記ルチル形酸化チタン顔料、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いられる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
【0101】
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
【0102】
中間層塗布液溶媒としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0103】
また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比でメタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることができる。
【0104】
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0105】
前記中間層を含め、本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0106】
次に、前記中間層以外の本発明の感光体構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0107】
有機感光体の層構成は、特に限定はないが、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層を設置した層構成、或いはその上に保護層を更に設置した層構成が好ましい。
【0108】
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
【0109】
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0110】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
【0111】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0112】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、前記した中間層を設ける。
【0113】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0114】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0115】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0116】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0117】
電荷輸送層
電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0118】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0119】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0120】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0121】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0122】
保護層
保護層としては、低表面エネルギーの表面層を形成する保護層が好ましく、例えばシロキサン系樹脂層の保護層、フッ素系樹脂を含有した保護層等を前記感光層の上に設けることがこのましい。
【0123】
上記では本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
【0124】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0125】
中間層塗布液の作製
以下の様にして、本発明の感光体作製に用いる中間層塗布液を作製した。
【0126】
(中間層塗布液1の作製)
ポリアミド樹脂(例示ポリアミドN−1)1質量部、ルチル形酸化チタン顔料(数平均一次粒径0.07μm:1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:メチルハイドロジェンポリシロキサン処理)3質量部、メタノール10質量部を同一容器中に加えサンドグラインダー(分散メディア:ガラスビーズ)を用いて分散して、中間層塗布液1を作製した。
【0127】
(中間層塗布液2〜6の作製)
顔料及びその表面処理と粒径、バインダー樹脂、顔料/バインダー樹脂質量比及び溶剤を表1に示す様にした他は中間層塗布液1と同様にしてそれぞれ中間層塗布液2〜6を作製した。
【0128】
(中間層塗布液7及び8の作製:比較例中間層塗布液)
顔料及びその表面処理と粒径、バインダー樹脂、顔料/バインダー樹脂質量比、及び溶剤の種類を表1に示すようにした他は中間層塗布液1と同様にしてそれぞれ中間層塗布液7、8を作製した。
【0129】
(中間層塗布液9の作製:比較例中間層塗布液)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)1質量部、メタノール10質量部に溶解して、中間層塗布液9を作製した。
【0130】
【表1】
Figure 2004077974
【0131】
尚、表1中、一次処理欄に記載のものは一次処理後の酸化チタン粒子表面に析出した物質であり、二次処理欄に記載のものは二次処理時に用いた物質を示す。
【0132】
感光体1の作製
円筒形アルミニウム基体上に中間層塗布液1を浸漬塗布し、2.5μmの乾燥膜厚で中間層を設けた。その上にCuKα線のX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ±0.2度)が27.2度に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン化合物2部、ブチラール樹脂1部、酢酸t−ブチル70部、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン30部をサンドミルを用いて分散した液を浸漬塗布し、乾燥膜厚約0.3μmの電荷発生層を形成した。次いで電荷輸送剤(化合物A);0.65部、ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z200」(三菱ガス化学社製)1部をジクロロエタン7.5部に溶解した液を電荷発生層上に浸漬塗布して乾燥膜厚約24μmの電荷輸送層を形成し、100℃にて70分乾燥して感光体1を作製した。
【0133】
【化8】
Figure 2004077974
【0134】
感光体2〜9の作製
感光体1で用いた中間層塗布液1の代わりに表1に示す中間層塗布液2〜9を使用し、表1に記した乾燥膜厚を持つ中間層を設けた他は感光体1と同様にして感光体2〜9を作製した。感光体7〜9は比較用の感光体である。
【0135】
《評価》
上記感光体を図1及び図2の構造を基本的に有するデジタル複写機(スコロトロン帯電器、半導体レーザ像露光器、反転現像手段を有する)に設定し、複写実験を行った。この実験においては図2のプロセス制御部のメモリー中に未露光部目標電位のプログラムを組み込み、自動的に現像位置の未露光部目標電位が設定されるようにデジタル複写機を改造した。又、現像バイアス電位(Vbias)も目標値に自動的に設定されるように改造した。この複写実験の画像形成に際し、前記電位センサーにより未露光部電位を測定し、目標値の未露光部電位が得られていない場合は、制御部を通して、未露光部目標電位を達成するために、帯電手段の出力値を制御した。
【0136】
《画像評価》
上記デジタル複写機に各感光体を取り付け、現像位置の未露光部電位(VH)及び現像スリーブに印加する直流バイアス電位(VDC)を表2、表3のように組み合わせて(組み合わせNo.1〜43)、高温高湿(30℃、80%RH)環境でA4紙、5万枚の画素率7%の文字画像の複写を行い、スタート時及び1万枚コピー毎に白画像の複写を行い、黒ポチ等の画像欠陥の有無を確認した。表2、表3に結果を示す。
【0137】
黒ポチ画像欠陥の評価基準
黒ポチの評価は、画像解析装置「オムニコン3000形」(島津製作所社製)を用いて黒ポチの粒径と個数を測定し、黒ポチの粒径と個数を測定し、0.1mm以上の黒ポチがA4紙当たり何個あるかで判定した。黒ポチ評価の判定基準は、下記に示す通りである。
【0138】
(黒ポチ)
◎・・・0.1mm以上の黒ポチが3個/A4以下/良好
○・・・0.1mm以上の黒ポチが4〜11個/A4の発生が1枚以上
×・・・0.1mm以上の黒ポチが12個/A4以上発生が1枚以上
画像濃度及び階調性の評価
上記評価条件を常温常湿(20℃、60%RH)環境に変更し、白画像から黒ベタ画像まで20段階の階調段差を持つオリジナル画像を複写し、画像濃度と階調性を評価した。評価は複写画像の階調濃度をマクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した
(画像濃度)
◎:黒ベタ部濃度が1.3以上
○:黒ベタ部濃度が1.0〜1.3未満
△:黒ベタ部濃度が0.7〜1.0未満
×:0.7未満
(階調性)
◎:階調性が14段階以上
○:階調性が10〜13段階
△:階調性が5〜9段階
×:階調性が4段階以下
【0139】
【表2】
Figure 2004077974
【0140】
【表3】
Figure 2004077974
【0141】
表2、表3から明らかなように、本発明のルチル形酸化チタン顔料の中間層を有する感光体1を用いた場合は未露光部電位VHと現像スリーブに印加する直流バイアス電位VDCが前記式(1)及び式(2)を同時に満たす場合(組み合わせNo.1〜3)は黒ポチ、画像濃度、階調性共良好であるが、|VH|−|VDC|が30V(組み合わせNo.6)だと黒ポチが発生しやすく、|VH|−|VDC|が350V(組み合わせNo.7)だと階調性が低下しやく、弱帯電性トナーの付着による黒ポチ状の欠陥が増加している。又、|VH|が1550(組み合わせNo.5)だと静電破壊による黒ポチ状の欠陥が発生しており、|VH|が750V(組み合わせNo.4)では階調性が低下している。感光体5を用いた場合(組み合わせNo.8〜14)も、感光体1と同様の傾向を示している。一方、本発明外のアナターゼ形酸化チタンの中間層を有する感光体7の場合(組み合わせNo.15〜21)では、前記式(1)及び式(2)を同時に満たす帯電条件下でも黒ポチ発生しやすく、そのため画像濃度や階調性も感光体1や感光体5を用いた場合に比し劣っている。中間層にシリカの顔料を用いた感光体8の場合(組み合わせNo.22〜28)も感光体7と同様な傾向を有し、感光体1や感光体5を用いた場合に比し、黒ポチが発生しない耐電条件が狭くなっている。又、中間層に顔料を含有しない感光体9の場合(組み合わせNo.41〜43)では黒ポチが発生しやすかったり、画像濃度が低下しやすい。又、本発明の感光体2、3、4、6を用いた場合(組み合わせNo.29〜40)は前記式(1)及び式(2)を同時に満たす場合は感光体1、5と同様に黒ポチ、画像濃度、階調性共良好な結果を示している。
【0142】
【発明の効果】
本発明の反転現像方法を用いることにより、黒ポチが少なく、且つ、高い画像濃度及び高階調性の電子写真画像が得られる。又、該反転現像方法を用いた画像性能の良好な画像形成方法、画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図。
【図2】図1の感光体ドラムの帯電電位制御の構成を拡大した図。
【図3】未露光部目標電位の設定方法を説明する図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
542 搬送量規制部材
543 現像剤攪拌搬送部材
544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器

Claims (11)

  1. 有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程でトナー像に顕像化する反転現像方法において、該有機感光体が導電性支持体上にルチル形酸化チタン顔料を含有した中間層、及び感光層を有し、該有機感光体上の静電潜像を下記式(1)及び(2)を満足する条件で現像することを特徴とする反転現像方法。
    式(1) 800V≦|VH|≦1500V
    式(2) 50V≦|VH|−|VDC|≦300V
    式中、VHは現像位置での未露光部電位
    VDCは現像スリーブに印加された直流バイアス電位
  2. 前記ルチル形酸化チタン顔料が疎水化表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の反転現像方法。
  3. 前記疎水化表面処理が複数回の表面処理であることを特徴とする請求項2に記載の反転現像方法。
  4. 前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする請求項3に記載の反転現像方法。
  5. 前記複数回の表面処理のうち、最後の表面処理を反応性有機ケイ素化合物を用いて行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の反転現像方法。
  6. 前記ルチル形酸化チタン顔料の数平均一次粒径が0.02〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の反転現像方法。
  7. 前記中間層のバインダー樹脂がポリアミドであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反転現像方法。
  8. 前記ポリアミド樹脂が下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドであることを特徴とする請求項7に記載の反転現像方法。
    Figure 2004077974
    (一般式(1)中、Yは2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Zはメチレン基、mは1〜3の自然数、nは3〜20の自然数を示す。)
  9. 前記Yは下記化学構造を有することを特徴とする請求項8に記載の反転現像方法。
    Figure 2004077974
    (上記化学構造において、Aは単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rはアルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。)
  10. 有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像工程でトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が導電性支持体上にルチル形酸化チタン顔料を含有した中間層、及び感光層を有し、該有機感光体上の静電潜像を前記式(1)及び(2)を満足する条件で反転現像することを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項10に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006010821A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
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JP2016180800A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 三菱化学株式会社 電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジ

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