JP2003177561A - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003177561A
JP2003177561A JP2001378511A JP2001378511A JP2003177561A JP 2003177561 A JP2003177561 A JP 2003177561A JP 2001378511 A JP2001378511 A JP 2001378511A JP 2001378511 A JP2001378511 A JP 2001378511A JP 2003177561 A JP2003177561 A JP 2003177561A
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Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的はY型チタニルフタロシアニン
顔料を用いた場合の帯電特性、感度特性の湿度変化を改
良し、帯電特性や感度特性を改善し、画像メモリや黒ポ
チ等の画像欠陥の発生がない電子写真感光体を提供する
ことであり、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、
画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することに
ある。 【解決手段】 導電性支持体上に中間層、電荷発生層を
有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu−
Kα特性X線(波長1.541A)を用いたX線回折ス
ペクトルのブラッグ角2θが27.2±0.2°に、最
大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿剤
を含有し、且つ中間層が酸化チタン粒子を含有すること
を特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ーの分野において用いられる電子写真感光体、及び該電
子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プ
ロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体(以下単に感光体とも
云う)はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO
等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優
れる有機感光体に主体が移り、様々な材料を用いた有機
感光体が開発されている。
【0003】近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異な
る材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となって
おり、なかでも電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層
型の有機感光体が広く用いられている。
【0004】また、電子写真プロセスに目を向けると潜
像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナロ
グ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方
式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコ
ピー用のプリンターとして、また通常の複写機において
も画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジ
タル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつあ
る。
【0005】デジタル方式の画像形成では、デジタル電
気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像とし
て書き込む際の光源としてレーザー、特に半導体レーザ
ーやLEDが用いられている。
【0006】これらのレーザー光やLED光の発振波長
は、780nmや660nmの近赤外光やそれに近い長
波長光である。デジタル的に画像形成を行う際に使用さ
れる有機感光体にとって、まず第一に要求される特性と
してはこれらの長波長光に対して高感度であることであ
り、これまで多種多様な材料についてそのような特性を
有するか否かの検討がなされてきている。その中でもフ
タロシアニン顔料は、合成が比較的簡単である上、長波
長光に対して高感度を示すものが多い点で、フタロシア
ニン顔料を用いた有機感光体が、幅広く検討され、実用
化されている。
【0007】なかでも、粉末X線回折スペクトルにてブ
ラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークを有す
るチタニルフタロシアニン顔料(以後、単にY型チタニ
ルフタロシアニン顔料又はY型とも云う)は高感度な素
材として知られ学会報告もされている(織田ら電子写真
学会誌,29(3),250(1990)など)。更
に、藤巻はこのY型チタニルフタロシアニン顔料が乾燥
した不活性ガス中での脱水処理によっての光量子効率が
低下することを見いだした。しかしながら、この光量子
効率の低下は常温常湿度環境に放置して水を再吸収させ
ると再び量子効率が上がることから、Y型チタニルフタ
ロシアニン顔料は水を含んだ結晶構造を有し、この水分
子が光によって生成した励起子のホールとエレクトロン
との解離を促進し、これが高い光量子効率を示す原因の
一つと推測している。(Y.Fujimaki:IS&
T’s 7th International Con
gress on Advance in Nonim
pact PrintingTechnologie
s,Paper Summaries,269(199
1)) このような素材をキャリヤ発生物質として用いた場合、
環境、特に湿度変動により、帯電特性、感度特性が変化
し、画像メモリが発生しやすい。該湿度変動対策として
感光体の電荷発生層に保湿剤としてアルキレンジオール
やポリアルキレングリコールあるいは帯電防止剤などが
提案されてきた(特開平5−313389号、同5−3
33577号、同6−118675号)。しかしなが
ら、これらの単なる保湿剤添加では近年のより高画質の
追及には答え難く、また大量に加えれば保湿剤といえど
もジオール化合物などでは有機絶縁物として作用しやす
く、残留電位が上昇するなどの欠点が発生しやすい。ま
た帯電防止剤などでは帯電電位の低下などの副作用が見
られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点に鑑み、Y型チタニルフタロシアニン
顔料を用いた場合の帯電特性、感度特性の湿度変化を改
良し、帯電特性や感度特性を改善し、画像メモリや黒ポ
チ等の画像欠陥の発生がない電子写真感光体を提供する
ことであり、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、
画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は既存の保湿剤を
用いた環境特性の対策の欠点を改良すべく検討を加えた
結果、導電性支持体上の中間層に酸化チタン又は金属水
酸化物の縮合体を用い、該中間層に隣接したY型チタニ
ルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層に保湿剤を
用いることにより、感光体の帯電特性、感度特性の対湿
度依存性を改善し、画像メモリや黒ポチ等の画像欠陥の
発生も防止できることを見出し、本発明を完成した。即
ち、本発明は以下のような構成を有することにより、達
成される。
【0010】1.導電性支持体上に中間層、電荷発生層
を有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu
−Kα特性X線(波長1.541A)を用いたX線回折
スペクトルのブラッグ角2θが27.2±0.2°に、
最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿
剤を含有し、且つ中間層が酸化チタン粒子を含有するこ
とを特徴とする電子写真感光体。
【0011】2.前記酸化チタン粒子がケイ素化合物で
表面処理を施されていることを特徴とする前記1に記載
の電子写真感光体。
【0012】3.前記酸化チタン粒子が複数回の表面処
理を施されており且つ最後の表面処理が反応性ケイ素化
合物による表面処理であることを特徴とする前記1又は
2に記載の電子写真感光体。
【0013】4.導電性支持体上に中間層、電荷発生層
を有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu
−Kα特性X線(波長1.541A)を用いたX線回折
スペクトルのブラッグ角2θが27.2±0.2°に、
最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿
剤を含有し、かつ中間層が有機金属化合物及びシランカ
ップリング剤から選択された少なくとも一種を用いて形
成された樹脂層であることを特徴とする電子写真感光
体。
【0014】5.前記有機金属化合物が金属アルコキシ
ド又は有機金属キレートであることを特徴とする前記4
に記載の電子写真感光体。
【0015】6.前記中間層が有機金属キレート及びシ
ランカップリング剤を用いて形成された層であることを
特徴とする前記4又は5に記載の電子写真感光体。
【0016】7.前記有機金属キレートが下記一般式
(3)で示される化合物であることを特徴とする前記5
又は6に記載の電子写真感光体。
【0017】一般式(3) (R1O)g−M−(K)m (式中、R1はアルキル基であり、Mはジルコニウム、
チタニウム又はアルミニウムを表す。Kはアセト酢酸エ
ステル残基又はβ−ジケトン残基を表す。g、mは1以
上の整数を表す。ただし、Mがジルコニウム又はチタニ
ウムの場合、g+mは4であり、Mがアルミニウムの場
合はg+mは3である。) 8.前記シランカップリング剤が下記一般式(4)で示
される化合物であることを特徴とする前記4〜7のいず
れか1項に記載の電子写真感光体。
【0018】 一般式(4) (Q)p−Si(Y)q−(A)r (式中、Qはハロゲン原子、アルコキシ基又はアミノ基
を表し、Aはアルキル基又はアリール基を表わす。Yは
−BOOC(R′)C=CH2、−BNHR″又は−B
NH2を表す。R′はアルキル基を表し、R″はアルキ
ル基またはアリール基を表し、Bはアルキレン基を表
す。p及びqは1以上の整数を表し、rは0以上の整数
を表し、p+q+rは4である。) 9.導電性支持体上に中間層、電荷発生層を有する電子
写真感光体において、該電荷発生層がCu−Kα特性X
線(波長1.541A)を用いたX線回折スペクトルの
ブラッグ角2θが27.2±0.2°に、最大ピークを
有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿剤を含有し、
かつ中間層の膜厚が2〜15μmであることを特徴とす
る電子写真感光体。
【0019】10.前記中間層が酸化チタン粒子を含有
することを特徴とする前記9に記載の電子写真感光体。
【0020】11.27.2±0.2°に、最大ピーク
を有するチタニルフタロシアニン顔料が無定型チタニル
フタロシアニン顔料を水の存在下で結晶変換して得られ
ることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載
の電子写真感光体。
【0021】12.前記保湿剤が水酸基を有する有機化
合物であることを特徴とする前記1〜11のいずれか1
項に記載の電子写真感光体。
【0022】13.前記水酸基を有する有機化合物が炭
素数2〜12のアルキレンジオールであることを特徴と
する前記12に記載の電子写真感光体。
【0023】14.前記水酸基を有する有機化合物がポ
リアルキレングリコールであることを特徴とする前記1
2に記載の電子写真感光体。
【0024】15.前記水酸基を有する有機化合物が下
記一般式の化合物であることを特徴とする前記12に記
載の電子写真感光体。
【0025】一般式 R−Y−X 上式中、R;親油性基、X;親水性基、Y;連結基であ
る。
【0026】16.前記保湿剤が金属水酸化物の縮合体
であることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に
記載の電子写真感光体。
【0027】17.前記1〜16のいずれか1項に記載
の電子写真感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を
反転現像により現像することを特徴とする画像形成方
法。
【0028】18.前記17に記載の画像形成方法を用
いたことを特徴とする画像形成装置。
【0029】19.前記1〜16のいずれか1項に記載
の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写
器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有し
ており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたこと
を特徴とするプロセスカートリッジ。
【0030】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
チタニルフタロシアニン顔料はオキシチタニウムフタロ
シアニン顔料とも云われ、その化学構造は下記構造式で
表される。
【0031】
【化1】
【0032】式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0〜
1の数を示す。前記Xが塩素原子の場合nは0〜0.5
が好ましく、0〜0.1がより好ましい。
【0033】本発明のブラッグ角(2θ±0.2°)2
7.3°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン
顔料の製造方法は特開平3−35245号等に開示され
ており、これらの開示された製造方法を用いて作製する
ことができ、これらの製造方法で作成したチタニルフタ
ロシアニン顔料は、例えば図1に示したようなブラッグ
角(2θ±0.2°)27.3°に最大ピークを有する
X線回折スペクトルを示す結晶構造を有する。該チタニ
ルフタロシアニン顔料は上記27.3°の回折ピークの
他に、ブラッグ角(2θ±0.2°)24.1°、1
4.3°、9.6°にも明瞭なピークを有することが好
ましい。低角度側の回折ピークは結晶化度が低下すると
9.3°、更には9.1°近辺までシフトする現象が見
られるが、27.3°が最大ピークである限り、本発明
のチタニルフタロシアニン顔料として定義する。
【0034】本発明の27.2°に最大ピークをもつチ
タニルフタロシアニン顔料は無定型チタニルフタロシア
ニン顔料から水の存在下に有機溶媒中で、結晶変換する
ことによって得られる。この結晶変換後のチタニルフタ
ロシアニン顔料を乾式ミリング等で、機械的な力を加え
たりすると全体的に結晶化度が低下するとともに低角度
側のピークが9.6°から9.3°さらには9.1°ま
でシフトする現象が見られるが27.2度に最大ピーク
が有る限り本発明のチタニルフタロシアニン顔料の結晶
構造に入る。
【0035】結晶変換前の無定型のチタニルフタロシア
ニン顔料は通常、硫酸に溶解した後、水に注ぐいわゆる
アシッドペースト処理によって得られた結晶化度の低い
B型も含むが、A型(ブラッグ角2θで、26.3±
0.2°に、最大ピークを有する)、B型(ブラッグ角
2θで、7.5±0.2°に、最大ピークを有する)等
の他の結晶系のチタニルフタロシアニン顔料を乾式ミリ
ング等による機械的な力によって結晶化度を低めたもの
を用いてもよい。また、アシッドペースト処理は一般的
には硫酸に溶かして水に注ぐものであるが、ジクロルメ
タンを補助溶剤としてトリフルオロ酢酸で溶かし、メタ
ノールなどの貧溶剤中に注ぐ方法もある。
【0036】チタニルフタロシアニン顔料をY型結晶に
変換するには、水の存在は不可欠ではあるが、水の量に
は無関係であり、アシッドペースト処理で得られた顔料
の含水ペーストを使用する場合には、敢えて水を添加す
る必要はなく有機溶媒中に、前記含水ペーストを入れる
だけで十分である。この有機溶媒としてはジクロルベン
ゼンなどの芳香族、ジクロルエタンなどのハロゲン溶
媒、シクロペンタノンなどのケトン系溶媒、テトラヒド
ロフランなどのエーテル系溶媒、その他、テルペン系、
エステル系溶媒を用いることが好ましい。
【0037】本発明の構成要件のひとつである保湿剤と
は親水性基を多数もった物質を云い、有機物で例を挙げ
れば1,1−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,3−プロパンジオールなどのアルキレンジオー
ル類、ポリアルキレングリコール類、炭水化物、NH
基、あるいは水酸基含有芳香属化合物、ヘテロ環状化合
物、コラーゲン、あるいは帯電防止剤としても知られる
高級アルコール硫酸エステル類、ソルビタンアルキルエ
ステル類、脂肪属アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類など特開平5−313389
号、同5−333577号、同6−110235号、同
6−118675号公報に記載されているものをあげる
ことができる。またその他、無機系の保湿度剤としてシ
リカゾル、チタニアゾルなどの金属酸化物微粒子、ある
いは金属水酸化物の縮合体を挙げることができる。
【0038】以下、本発明に好ましく用いられる保湿剤
を記載する。本発明の好ましい保湿剤の一つは炭素数2
〜12のアルキレンジオールである。
【0039】上記炭素数2〜12のアルキレンジオール
としては下記のような化合物が例示される。 エチレングリコール 1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル 1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,2−ブタンジオール 1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール 1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エ
チル−2−メチル−1,3−プロパンジオール 1,7−ヘプタンジオール、2,2−ジメチル−1,
3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペ
ンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−
プロパンジオール 1,8−オクタンジオール、2,5−ジメチル−2,
5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジ
オール 等を挙げることができる。
【0040】上記アルキレンジオールの中でも炭素数が
3〜8のアルキレンジオールが特に好ましい。
【0041】本発明の好ましい保湿剤の他の一つはポリ
アルキレングリコールである。このポリアルキレングリ
コールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリブチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール等の分子量が110〜2000のポリアル
キレングリコールが好ましい。
【0042】本発明の好ましい保湿剤の他の一つは金属
水酸化物の縮合体である。即ち、シリカゾル、チタニア
ゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル等の表面に水酸基
を有する金属水酸化物の縮合体を保湿剤として用いるこ
とができる。
【0043】上記金属水酸化物の縮合体とは加水分解可
能基を有する金属化合物、即ち下記一般式で示される金
属化合物を加水分解縮合して作製することができる。
【0044】MKnm 上式中、Mは金属原子、Kは加水分解性基、Lは有機
基、mは0を含む整数、nは1以上の整数を表し、m+
nはは金属原子の原子価を表す。金属原子Mのうちで好
ましいものはSi,Ti,Al,Zrである。有機基L
の例としてはアルキル基、アリール基のほかにキレート
形成基を加えることができる。加水分解可能基Kはアル
コキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子などであり、加
水分解縮合の後はそのかなりな部分が−O−結合となっ
ている。またこの金属化合物は一種である必要はなく例
えばSi化合物とTi化合物を混合して用いてもよい。
【0045】本発明の好ましい保湿剤の他の一つは帯電
防止剤である。帯電防止剤の具体的な化合物例としては
下記構造式で表される化合物が好ましい。
【0046】R−Y−X 上式中、R;親油性基、X;親水性基、Y;連結基であ
る。これらの化合物は適当な親水性−疎水性バランスを
有する化合物であり、例えば次のような化合物群を挙げ
ることができる。
【0047】脂肪酸塩類 高級アルコール硫酸エステル塩類 液体脂肪油硫酸エステル塩類 脂肪族アミンおよび脂肪アマイドの硫酸塩類 脂肪族アルコール燐酸エステル塩類 二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類 脂肪酸アミドスルホン酸塩類 アルキルアリルスルホン酸塩類 ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類 脂肪族アミン塩類 第四級アンモニウム塩類 アルキルピリジニウム塩 ポリオキシエチレンアルキルエーテル類 ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類 ポリオキシエチレンアルキルエステル類 ソルビタンアルキルエステル類 ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類 イミダゾリン誘導体系 高級アルキルアミノ系 硫酸エステル系 燐酸エステル系 スルホン酸系 上記化合物群の具体例としては例えば次のような化合物
を挙げることができる。
【0048】
【化2】
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】
【化5】
【0052】
【化6】
【0053】本発明の保湿剤とチタニルフタロシアニン
顔料の比率は質量比で、1/30〜20/1が好まし
く、更に好ましくは1/10〜5/1である。
【0054】本発明の電子写真感光体は上記のチタニル
フタロシアニン顔料のほかに他の光導電性物質を併用し
てもよい。他の光導電性物質としては本発明に用いられ
るチタニルフタロシアニン顔料とは結晶型において異な
る他のチタニルフタロシアニン顔料をはじめ、他のフタ
ロシアニン顔料、ナフタロシアニン顔料、その他ポルフ
ィリン誘導体、アゾ顔料、ジブロモアンスアンスロンに
代表される多環キノン顔料、ピリリウム化合物、及びピ
リリウム化合物の共晶錯体、スクエアリウム化合物等が
挙げられる。
【0055】本発明のチタニルフタロシアニン顔料は有
機溶媒及びバインダー樹脂中に分散し、分散塗布液を作
製した後、導電性支持体上に塗布乾燥してチタニルフタ
ロシアニン顔料を含有する層を形成する。
【0056】ここで用いるバインダー樹脂としてはポリ
カーボネート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタ
ール、ポリビニルカルバゾール、スチレン−アルキッド
樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、
シリコーン−ブチラール樹脂、ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリアミド、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等を用いるこ
とが出来るが、前記アルキレンジオールを十分に取り込
むためには、バインダーも水酸基を有する樹脂の方が特
性が安定する。中でも水酸基を有するアセタール樹脂
(アセタール基を官能基として有する樹脂)が好まし
く、例えばブチラール樹脂、シリコン変性ブチラール樹
脂、ポリビニルアセタール等が挙げられる。
【0057】バインダーに対するチタニルフタロシアニ
ン顔料の割合は10〜600質量%が望ましく、さらに
は、50〜400質量%とするのが望ましい。バインダ
ーに対するキャリア輸送物質の割合は10〜500質量
%とするのが望ましい。
【0058】又、本発明のチタニルフタロシアニン顔料
の分散溶媒としては顔料とアセタール樹脂の親和性を高
める分岐ケトン系の溶媒、例えば例えばメチルイソブチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、4−メトキシ−
4−メチル−2−ペンタノン等が挙げられる。
【0059】又、分岐ケトン系溶媒と共に分岐エステル
系溶媒を用いると電子写真感光体の帯電性能、繰り返し
電位性能が安定する。このような分岐エステル系溶媒と
しては酢酸イソプロピル、酢酸ターシャルブチル、酢酸
イソブチル、酢酸セカンダリーブチル等が挙げられる。
【0060】次に、本発明で用いられる中間層について
記載する。本発明の中間層の一つは酸化チタン粒子を含
有させた中間層である。酸化チタン粒子を含有する中間
層は前記保湿剤と併用することにより、Y型チタニルフ
タロシアニン顔料の湿度依存性を改善し、且つ導電性基
体からのホール注入を効率的にブロックし、反転現像に
特有の黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止する。
【0061】本発明に用いられる酸化チタン粒子の平均
粒径は、数平均一次粒径において10nm以上200n
m以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10n
m〜100nm、特に好ましくは、15nm〜50nm
である。
【0062】数平均一次粒径の値が前記範囲内にある酸
化チタン粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なも
のとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発
生防止機能を有する。
【0063】酸化チタン粒子の数平均一次粒径は、透過
型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ラン
ダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解
析によりフェレ径の数平均径として測定される。
【0064】本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状
は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、結晶型と
しては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等
があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また
2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でも
ルチル型のものが最も良い。
【0065】本発明の酸化チタン粒子は疎水化表面処理
が施されているのが好ましい。特に表面が有機ケイ素化
合物で表面処理された酸化チタン粒子がよい。更に、本
発明の疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行
い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が
反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うことが好
ましい。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも
1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアか
ら選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最
後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好
ましい。
【0066】尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニ
ア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或
いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面
に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミ
ナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応
性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有
機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0067】また、本発明の酸化チタン粒子に行われる
表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行
い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に
反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウ
ム化合物を用いて表面処理を行うことが好ましい。ま
た、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面
処理が上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから
選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理が行われ、最
後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニ
ウム化合物による表面処理を行うものであることが好ま
しい。
【0068】この様に、酸化チタン粒子の表面処理を少
なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面
が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化
チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化
チタン粒子の分散性が良好で、湿度依存性が小さく、画
像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができる
のである。
【0069】また、該複数回の表面処理をアルミナ及び
シリカの表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合
物による表面処理を行うものや、アルミナ及びシリカの
表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有
機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を行うものが特
に好ましい。
【0070】なお、前述のアルミナ及びシリカの処理は
同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行
い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、ア
ルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及
びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いもの
が好ましい。
【0071】前記酸化チタンのアルミナ、シリカ、及び
ジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行
うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面
処理を行った酸化チタン粒子は以下の様に作製すること
ができる。
【0072】酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50
nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて
水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性
のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又
は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリ
カ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾
燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性
のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合に
は、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。
一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニ
ウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム
等のアルカリで中和することができる。
【0073】なお、上記表面処理に用いられる金属酸化
物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子
等のN型半導性微粒子100質量部に対して、0.1〜
50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化
物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた
場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子1
00質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好
ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好まし
い。
【0074】上記の金属酸化物による表面処理の次に行
われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の
様な湿式法で行うことが好ましい。
【0075】即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有
機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸
化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分か
ら1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加
熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表
面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得
る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させ
た懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構
わない。
【0076】尚、本発明において酸化チタン粒子表面が
反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、
光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Au
ger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反
射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって
確認されるものである。
【0077】前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ
素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属
酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反
応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ま
しくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範
囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中
間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。
また、上記範囲を超えてしまうと電子写真特性を劣化さ
せ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてし
まう。
【0078】本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合
物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げら
れるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反
応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0079】一般式(1) (R)n−Si−(X)4-n (式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表
し、nは0〜3の整数を表す。) 一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、R
で示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ
−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキ
シプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メ
タ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3
−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、
ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプ
ロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ
基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプ
ロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチル
エチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換ア
ルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基として
はメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、
アシルオキシ基が挙げられる。
【0080】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用
しても良い。
【0081】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のR
は同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の
場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一
般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用
いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良
く、異なっていても良い。
【0082】nが0の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。 テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、テト
ラメトキシシラン、フェノキシトリクロロシラン、テト
ラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラア
リロキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソ
プロポキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシ
シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テ
トラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げら
れる。
【0083】nが1の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。 即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビ
ニルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、アリ
ルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、
n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルトリエトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メルカプトメチ
ルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、エ
チルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
フェニルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、トリエトキシシラン、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメ
トキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、メチルトリ
アセトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、
エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ブロ
モプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メ
トキシメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オ
クチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0084】nが2の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。 ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ
メトキシジメチルシラン、メチル−3,3,3−トリフ
ルオロプロピルジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジ
エトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3
−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジ
メトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシシラ
ン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシ−3−メル
カプトプロピルメチルシラン、3,3,4,4,5,
5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロ
シラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジアセトキシ
メチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、
3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3
−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−
アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラ
ン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(3−シ
アノプロピルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、
3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシ
メチルシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチ
ルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ジメチルア
ミノプロピルジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチ
ルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロ
ピルメチルシラン、3−(3−アセトキシプロピルチ
オ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチ
ル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシメチル
オクタデシルシラン等が挙げられる。
【0085】nが3の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。 トリメチルクロロシラン、メトキシトリメチルシラン、
エトキシトリメチルシラン、メトキシジメチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロ
ピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3−メルカプ
トプロピルメチルメチルシラン等が挙げられる。
【0086】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物は、好ましくは下記一般式(2)で示される有機
ケイ素化合物が用いられる。
【0087】一般式(2) R−Si−(X)3 式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、
エトキシ基、ハロゲン原子を表す。
【0088】一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までの
アルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的
な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチル
シラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシ
ヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げら
れる。
【0089】又、最後の表面処理に用いる好ましい反応
性有機ケイ素化合物としてはハイドロジェンポリシロキ
サン化合物が挙げられる。該ハイドロジェンポリシロキ
サン化合物の分子量は1000〜20000のものが一
般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好であ
る。
【0090】特にメチルハイドロジェンポリシロキサン
を最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0091】本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つ
はフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理
を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有す
る有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で
行うのが好ましい。
【0092】即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原
子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、こ
の中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を
数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加
熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸
化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で
被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分
散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合
物を添加しても構わない。
【0093】尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有
する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、
光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Au
ger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反
射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認す
ることができる。
【0094】本発明に用いられるフッ素原子を有する有
機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロ
ロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオ
ロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,
6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙
げられる。
【0095】なお、本発明では、上記の酸化チタン粒子
に最後に行われる表面処理を反応性有機チタン化合物や
反応性有機ジルコニウム化合物を用いて行われるものも
含まれるが、具体的な表面処理方法は、上記反応性有機
ケイ素化合物による表面処理方法に準ずる方法によって
行われるものである。
【0096】また、前記酸化チタン粒子表面が反応性有
機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物によっ
て被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、
オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分
析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手
法を複合的に用いることにより高精度に確認されるもの
である。
【0097】前記酸化チタン粒子の表面処理に用いられ
る具体的な反応性有機チタン化合物としては、テトラプ
ロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アルコ
キシド化合物やジイソプロポキシチタニウムビス(アセ
チルアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス
(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニ
ウムビス(ラクテート)、ジブトキシチタニウムビス
(オクチレングリコレート)、ジイソプロポキシチタニ
ウムビス(トリエタノールアミナート)等の金属キレー
ト化合物が挙げられる。また、反応性有機ジルコニウム
化合物としては、テトラブトキシジルコニウムやブトキ
シジルコニウムトリ(アセチルアセテート)等の金属ア
ルコキシド化合物や金属キレート化合物が挙げられる。
【0098】次に、前記表面処理が施された酸化チタン
粒子(以下表面処理が施された酸化チタン粒子を表面処
理酸化チタンとも云う)を用いた中間層の構成について
説明する。
【0099】本発明の中間層は、前記複数回の表面処理
を行って得られた表面処理酸化チタンをバインダー樹脂
とともに溶媒中に分散させた液を導電性支持体上に塗布
することにより作製される。
【0100】本発明の中間層は導電性支持体と感光層の
間に設けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改
良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能
を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返
し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられ
る。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に
好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のア
ルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
【0101】前記バインダー樹脂中に分散される本発明
の表面処理N型半導性微粒子の量は、例えば表面処理酸
化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に
対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜
1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの
範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好
に保つことができ、湿度依存性を改善し、画像欠陥を発
生させない良好な中間層を形成することができる。
【0102】本発明の酸化チタン粒子含有の中間層の膜
厚は2.0〜15μmが好ましい。酸化チタン粒子は粒
子内部や表面に水酸基を多数含有するので、該酸化チタ
ン粒子を含有する中間層は保湿効果が高く、前記感光層
の保湿剤と合わせて併用すると、Y型チタニルフタロシ
アニン顔料の湿度依存性を小さくすることに著しい効果
を示す。特に、乾燥膜厚を前記範囲で用いることによ
り、湿度依存性が小さく、画像欠陥を発生させない良好
な電子写真感光体を作製できる。
【0103】即ち、本発明の他の一つは中間層の膜厚が
2.0〜15μmである。このような中間層は上記酸化
チタン粒子を含有させた中間層によって達成される。
【0104】本発明の中間層を形成するために作製する
中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン粒子、バインダ
ー樹脂、分散溶媒等から構成されるが、分散溶媒として
は他の感光層の作製に用いられる溶媒と同様なものが適
宜用いられる。
【0105】本発明の中間層の他の一つは有機金属化合
物及びシランカップリング剤から選択された少なくとも
一種を用いて形成された樹脂層である。
【0106】ここで、有機金属化合物又はシランカップ
リング剤から選択された少なくとも一種を用いて形成さ
れた樹脂層とは有機金属化合物又はシランカップリング
剤の少なくとも一種を含有する塗布溶液を用いて、導電
性支持体上に塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化させるこ
とにより、金属酸化物構造やシロキサン構造、或いはそ
の両方の構造を持つセラミック構造の樹脂層を形成する
ことである。この塗布膜の硬化には塗布膜形成後に熱処
理を行うことが好ましい。以下、有機金属化合物、シラ
ンカップリング剤について記載する。
【0107】《有機金属化合物、シランカップリング》
本発明の感光体の中間層に含有される有機金属化合物と
しては、例えばジルコニウムテトラ−n−プロピレー
ト、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブ
トキシアルミニウム−i−プロピレート、アルミニウム
−sec−ブチレート等のアルコキシド化合物であって
もよく、また周期律表の第1a族、第1b族、第2a
族、第3a族、第3b族、第4a族、第4b族、第5a
族、第5b族及び第8族から選ばれる金属原子と、キレ
ート剤としてアセト酢酸エステル、βジケトン、アセチ
ルアセトン、カテコール、エチレンジアミン、o−フェ
ニレンビスジメチルアニリン等とにより3、4、6、8
分子の範囲で分子配位してなる有機金属キレート化合物
であってもよい。
【0108】しかしながら、本発明の感光体の中間層に
は上記有機金属化合物として前記一般式(3)で示され
る有機金属キレート化合物を用い、かつ前記一般式
(4)で示されるシランカップリング剤を組み合わせて
含有させるのが好ましい。
【0109】前記一般式(3)においてR1は低級アル
キル基であり、Mはジルコニウム、チタニウム又はアル
ミニウム等の金属原子を表し、キレート形成基Kはアセ
ト酢酸エステル残基又はβ−ジケトン残基を表し、g、
mは1以上の整数を表す。ただし、Mがジルコニウム又
はチタニウムの場合、g+mは4であり、Mがアルミニ
ウムの場合はg+mは3である。
【0110】前記一般式(3)で表される有機金属キレ
ート化合物の具体的化合物例としては、例えば、 ジイソプロポキシチタニウム(メチルアセトアセテー
ト) イソブトキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテー
ト) トリブトキシチタニウムアセチルアセトネート ジイソプロポキシアルミニウム(メチルアセトアセトネ
ート) ジブトキシチタニウムビス(エチルアセトアセトネー
ト) イソブトキシアルミニウム(アセチルアセトネート) 等を挙げることができる。
【0111】次に前記一般式(4)で示されるシランカ
ップリング剤において、Qはハロゲン原子、低級アルコ
キシ基又は置換基を有してもよいアミノ基を表し、Aは
低級アルキル基又はフェニル基若しくはナフチル基等の
アリール基を表し、有機官能基Yは−BOOC(R′)
C=CH2、−BNHR″又は−BNH2を表す。R′は
低級アルキル基を表し、R″は低級アルキル基またはフ
ェニル基若しくはナフチル基等のアリール基を表し、B
は低級アルキレン基を表す。p及びqは1以上の整数を
表し、rは0以上の整数を表し、p+q+rは4であ
る。
【0112】前記一般式(4)で表されるシランカップ
リング剤の具体的化合物例としては、例えば γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 等をあげることができる。
【0113】本発明において、中間層の膜厚は0.1〜
10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好まし
い。
【0114】以下、本発明に好ましく適用される電子写
真感光体の層構成について記載する。
【0115】本発明の電子写真感光体としては有機感光
体が好ましい。ここで、有機電子写真感光体(有機感光
体)とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生
機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化
合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公
知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成さ
れた感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体
で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含
有する。
【0116】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。 導電性支持体 感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円
筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパ
クトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ま
しい。
【0117】円筒状導電性支持体とは回転することによ
りエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持
体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm
以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直
度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難に
なる。
【0118】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0119】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0120】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、前記し
たバリヤー機能を備えた中間層を設ける。
【0121】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0122】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)として前記した
本発明のチタニルフタロシアニン顔料を含有する。その
他の物質としては前記したバインダー樹脂、保湿剤を含
有し、その他添加剤を含有しても良い。電荷発生層の膜
厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0123】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0124】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0125】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0126】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0127】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。又電荷輸送層が表面層と
なる感光体の場合は、機械的摩耗に強いポリカーボネー
トが好ましく、このようなポリカーボネートとしては平
均分子量が40,000〜25,000のポリカーボネ
ートが好ましい。ここで平均分子量は数平均分子量、重
量平均分子量、及び粘度平均分子量のいずれのものでも
よい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バイ
ンダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好
ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ま
しい。
【0128】電荷輸送層は2層以上の層構成にしてもよ
い。この場合は表面の電荷輸送層に保護層として機能を
付加し、クリーニングブレード等との耐摩耗特性を強化
した層構成が好ましい。
【0129】中間層、感光層、保護層等の層形成に用い
られる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イ
ソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明
はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が
好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは
2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0130】次に有機電子写真感光体を製造するための
塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形
量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の
上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、
又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形
量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等
の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前
記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好まし
い。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58
−189061号公報に詳細に記載されている。
【0131】次に、本発明の電子写真感光体を用いた画
像形成装置について説明する。図2は本発明の画像形成
方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【0132】図2に於いて50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様
な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器5
2による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴
をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部
51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0133】感光体への一様帯電の後、像露光手段とし
ての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行
われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダ
イオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー5
31、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路
を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、
静電潜像が形成される。
【0134】ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電
器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行
われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を
現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法であ
る。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加され
る現像バイアス電位により現像されない。
【0135】その静電潜像は次いで現像手段としての現
像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナ
ーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が
設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して
回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、
搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は
攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供
給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現
像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及
び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜2
00mg/cm2の範囲である。
【0136】現像剤は、例えば前述のフェライトをコア
としてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャ
リアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料として
カーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低
分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸
化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤
は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと
搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム
50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に
応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。ま
た、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態
で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547
を図2のように現像位置上部に設けて行う。
【0137】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0138】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転
写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して
転写される。
【0139】次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除
電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定
着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラ
ー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排
紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前
記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後
感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー
像の形成に備える。図2では転写電極58にコロトロン
の転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件として
は、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり
一概に規定することはできないが、例えば、転写電流と
しては+100〜+400μA、転写電圧としては+5
00〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0140】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0141】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0142】本発明の有機電子写真感光体は電子写真複
写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶
シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応す
るが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記
録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く
適用することができる。
【0143】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文
中「部」とは「質量部」を表す。
【0144】合成例1 特開平3−35245号に準じてX線回折スペクトルで
27.2°に最大ピークを有するY型チタニルフタロシ
アニン顔料を作った。すなわちジイミノイソインドリン
とチタニウムテトラブトキシドからチタニルフタロシア
ニン顔料粗品を作り、これを硫酸に溶かし水に注いで生
じた沈殿を濾過し水で十分に洗って無定型(正確には結
晶化度の低いB型)チタニルフタロシアニン顔料含水ペ
ーストを得た。これをクロルベンゼンと水の混合液(水
層は分離している)に分散し70℃に加熱後、メタノー
ルに注いで生じた結晶を濾過し乾燥してY型結晶を得
た。
【0145】感光体1の作製 直径100mmφのアルミドラム上に以下の中間層、電
荷発生層、電荷輸送層を塗布し感光体1を作製した。
【0146】 〈中間層1〉 ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0部 酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3.0部 (1回目シリカアルミナ処理、2回目メチルハイドロジェンポリシロキサン処 理) メタノール 10.0部 上記混合成分をホモジナイザーで分散後、アルミドラム
上に浸漬塗布、乾燥し厚さ4.0μmの中間層とした。
【0147】 〈電荷発生層1〉 シリコン変性ブチラール樹脂(X41−1222固形分10質量%信越化学社 製) 1.0部 酢酸t−ブチル 88.0部 メトキシメチルペンタノン 13.0部 合成例1のY型チタニルフタロシアニン顔料 2.0部 1,4−ブタンジオール 0.5部 を混合しサンドグラインダーで分散した。
【0148】中間層1を塗設したアルミドラム上に浸漬
塗布、乾燥し、厚さ0.8μmの電荷発生層1を形成し
た。
【0149】 〈電荷輸送層〉 ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ300、三菱瓦斯化学) 1.0部 電荷輸送物質(下記化合物A) 9.0部 1,2−ジクロルエタン 100.0部 シリコーンオイル(KF54.信越化学社製) 0.001部 上述の電荷発生層まで塗設したアルミドラム上に浸漬塗
布、乾燥し、100℃で70分乾燥し、膜厚24μmの
電荷輸送層とした。
【0150】
【化7】
【0151】感光体2の作製 感光体1の作製において、中間層1の代わりに下記中間
層2を作製した以外は同様にして感光体2を作製した。 〈中間層2〉 ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0部 酸化チタンMT600SA(テイカ社製) 3.0部 (一回目シリカアルミナ処理、2回目フェニルシラン処理) メタノール 10.0部 上記成分をホモジナイザーで分散後、アルミドラム上に
浸漬塗布、乾燥し厚さ4.0μmの中間層2を作製し
た。
【0152】感光体3の作製 感光体1の作製において、中間層1の代わりに下記中間
層3を作製した以外は同様にして感光体3を作製した。
【0153】 〈中間層3〉 ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0部 酸化チタンMT500B(テイカ社製) 3.0部 (フッ素化シラン処理) メタノール 10.0部 上記成分をホモジナイザーで分散後、アルミドラム上に
浸漬塗布、乾燥し、厚さ4.0μmの中間層3を作製し
た。
【0154】感光体4の作製 感光体1の作製において、中間層1の代わりに下記中間
層4を作製した以外は同様にして感光体4を作製した。
【0155】 〈中間層4〉 ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0部 酸化チタンMT500BS(テイカ社製) 3.0部 (ハイドロジェンポリシロキサン処理) メタノール 10.0部 上記成分をホモジナイザーで分散後、アルミドラム上に
浸漬塗布、乾燥し、厚さ4.0μmの中間層4を作製し
た。
【0156】感光体5の作製 感光体1の作製において、中間層1の代わりに下記中間
層5を作製した以外は同様にして感光体5を作製した。
【0157】 〈中間層5〉 ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0部 酸化チタンTTO−51(石原産業(株)社製) 3.0部 (イソブチルトリメトキシシラン処理) メタノール 10.0部 上記成分をホモジナイザーで分散後、アルミドラム上に
浸漬塗布、乾燥し、厚さ4.0μmの中間層5を作製し
た。
【0158】感光体6の作製 感光体1の作製において、中間層1の代わりに下記中間
層6を作製した以外は同様にして感光体6を作製した。
【0159】 〈中間層6〉 ジイソプポキシチタニウムビス(メチルアセトアセテ−ト) 1.4部 メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.6部 イソプロピルアルコール 20.0部 エチルアルコール 5.0部 上記成分を調液後、一夜放置し、アルミドラム上に浸漬
塗布後、120℃で30分加熱乾燥して厚さ1.2μm
の中間層6を作製した。
【0160】感光体7の作製(比較1) 感光体1の作製において、中間層1の代わりに下記中間
層7を作製した以外は同様にして感光体7を作製した。
【0161】 〈中間層7〉 ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0部 メタノール 10.0部 調液後、アルミドラム上に浸漬塗布、乾燥し厚さ0.8
μmの中間層を作製した。
【0162】感光体8の作製(比較2) 感光体1の作製において、電荷発生層1の代わりに下記
電荷発生層2を用いた他は同様にして感光体8を作製し
た。
【0163】 〈電荷発生層2〉 シリコン変性ブチラール樹脂(X41−1222固形分10質量%信越化学社 製) 1.0部 酢酸t−ブチル 88.0部 メトキシメチルペンタノン 13.0部 合成例1のY型チタニルフタロシアニン顔料 2.0部 上記成分を混合し、サンドグラインダーで分散し、中間
層1上に塗布乾燥し、厚さ0.8μmの電荷発生層2を
作製した。
【0164】感光体9の作製 感光体1の作製において、電荷発生層1の1,4−ブタ
ンジオールの代わりにテトラエチレングリコール(分子
量194)0.8部を用いた他は同様にして感光体9を
作製した。
【0165】感光体10の作製 感光体1の作製において、電荷発生層1の1,4−ブタ
ンジオールの代わりに帯電防止剤C1225O(CH2
2O)8H、1.0部を用いた他は同様にして感光体1
0を作製した。
【0166】感光体11の作製 感光体1の作製において、電荷発生層1の1,4−ブタ
ンジオールの代わりにイソプロパノールシリカゾル(日
産化学社製:濃度30質量%)2.0部を用いた他は同
様にして感光体11を作製した。
【0167】評価 得られたサンプルをコニカデジタル複写機Sitios
7060に装着し、帯電器のグリッド電圧を700Vに
調整し、低温低湿度(LL:10℃10%RH)にてA
4紙1万枚のコピー画像を作製し、画像欠陥の評価を行
った。又、常温常湿度(25℃60%RH)の未露光部
電位VHN、露光部電位VLNおよび低温低湿度(10
℃10%RH)の未露光部電位VHL、露光部電位VL
Lを測定し、ΔVLN-L(VLN−VLLの絶対値)を
算出した。
【0168】画像欠陥評価 画像メモリ ◎:1万枚コピーを通して画像メモリの発生なし/良好 ○:ハーフトーン画像に黒べた画像の残像が1万枚コピ
ー中1〜4枚発生/実用上問題なし。
【0169】 ×:ハーフトーン画像に黒べた画像の残像が1万枚コピ
ー中5枚以上発生/実用上問題あり 黒ポチ画像欠陥の評価基準 黒ポチの評価は、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4
紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデ
オプリンター付き顕微鏡等で測定できる。黒ポチ評価の
判定基準は、下記に示す通りである。
【0170】黒ポチ(1万枚のコピー画像で評価) ◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3
個/A4以下/良好 ○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、1
0個/A4以下/実用上問題なし。
【0171】 ×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が
1枚以上発生/実用上問題あり
【0172】
【表1】
【0173】表1より、本発明のチタニルフタロシアニ
ン顔料と保湿剤を含有する電荷発生層を有し、且つ酸化
チタン粒子を含有する中間層又は有機化合物及びシラン
カップリング剤から選択された少なくとも一種を用いて
形成された樹脂層の中間層を有する感光体1〜6及び9
〜11はポリアミドの中間層の感光体7、或いは保湿剤
を含有しない感光体8に比し、常温常湿と低温低湿の電
位変動:ΔVLN-Lが小さく、画像メモリ、黒ポチの画
像評価も優れていることが見出される。
【0174】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
構成を有する電子写真感光体を用いることにより、環境
変化に対する電位変動が小さく、且つ画像メモリ等も発
生しない良好な電子写真感光体を得ることができる。又
該電子写真感光体を用いた良好な電子写真画像を達成で
きる画像形成方法、画像形成装置を提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最
大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料のX線回
折スペクトルを示す図である。
【図2】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成
装置の断面図である。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 541 現像スリーブ 543,544 現像剤攪拌搬送部材 547 電位センサー 57 給紙ローラー 58 転写電極 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 502 G03G 15/08 502A

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に中間層、電荷発生層を
    有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu−
    Kα特性X線(波長1.541A)を用いたX線回折ス
    ペクトルのブラッグ角2θが27.2±0.2°に、最
    大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿剤
    を含有し、且つ中間層が酸化チタン粒子を含有すること
    を特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記酸化チタン粒子がケイ素化合物で表
    面処理を施されていることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記酸化チタン粒子が複数回の表面処理
    を施されており且つ最後の表面処理が反応性ケイ素化合
    物による表面処理であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に中間層、電荷発生層を
    有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu−
    Kα特性X線(波長1.541A)を用いたX線回折ス
    ペクトルのブラッグ角2θが27.2±0.2°に、最
    大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿剤
    を含有し、かつ中間層が有機金属化合物及びシランカッ
    プリング剤から選択された少なくとも一種を用いて形成
    された樹脂層であることを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記有機金属化合物が金属アルコキシド
    又は有機金属キレートであることを特徴とする請求項4
    に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記中間層が有機金属キレート及びシラ
    ンカップリング剤を用いて形成された層であることを特
    徴とする請求項4又は5に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記有機金属キレートが下記一般式
    (3)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    5又は6に記載の電子写真感光体。 一般式(3) (R1O)g−M−(K)m (式中、R1はアルキル基であり、Mはジルコニウム、
    チタニウム又はアルミニウムを表す。Kはアセト酢酸エ
    ステル残基又はβ−ジケトン残基を表す。g、mは1以
    上の整数を表す。ただし、Mがジルコニウム又はチタニ
    ウムの場合、g+mは4であり、Mがアルミニウムの場
    合はg+mは3である。)
  8. 【請求項8】 前記シランカップリング剤が下記一般式
    (4)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    4〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 一般式(4) (Q)p−Si(Y)q−(A)r (式中、Qはハロゲン原子、アルコキシ基又はアミノ基
    を表し、Aはアルキル基又はアリール基を表わす。Yは
    −BOOC(R′)C=CH2、−BNHR″又は−B
    NH2を表す。R′はアルキル基を表し、R″はアルキ
    ル基またはアリール基を表し、Bはアルキレン基を表
    す。p及びqは1以上の整数を表し、rは0以上の整数
    を表し、p+q+rは4である。)
  9. 【請求項9】 導電性支持体上に中間層、電荷発生層を
    有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu−
    Kα特性X線(波長1.541A)を用いたX線回折ス
    ペクトルのブラッグ角2θが27.2±0.2°に、最
    大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料と保湿剤
    を含有し、かつ中間層の膜厚が2〜15μmであること
    を特徴とする電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記中間層が酸化チタン粒子を含有す
    ることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 27.2±0.2°に、最大ピークを
    有するチタニルフタロシアニン顔料が無定型チタニルフ
    タロシアニン顔料を水の存在下で結晶変換して得られる
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記保湿剤が水酸基を有する有機化合
    物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1
    項に記載の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 前記水酸基を有する有機化合物が炭素
    数2〜12のアルキレンジオールであることを特徴とす
    る請求項12に記載の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 前記水酸基を有する有機化合物がポリ
    アルキレングリコールであることを特徴とする請求項1
    2に記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 前記水酸基を有する有機化合物が下記
    一般式の化合物であることを特徴とする請求項12に記
    載の電子写真感光体。 一般式 R−Y−X 上式中、R;親油性基、X;親水性基、Y;連結基であ
    る。
  16. 【請求項16】 前記保湿剤が金属水酸化物の縮合体で
    あることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に
    記載の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を
    反転現像により現像することを特徴とする画像形成方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の画像形成方法を用
    いたことを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜16のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写
    器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有し
    ており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたこと
    を特徴とするプロセスカートリッジ。
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