JPH08292592A - 電子写真感光体用基体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体用基体およびその製造方法

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JPH08292592A
JPH08292592A JP7098497A JP9849795A JPH08292592A JP H08292592 A JPH08292592 A JP H08292592A JP 7098497 A JP7098497 A JP 7098497A JP 9849795 A JP9849795 A JP 9849795A JP H08292592 A JPH08292592 A JP H08292592A
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photosensitive member
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conductive substrate
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JP7098497A
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Tomohiro Kimura
知裕 木村
Toshie Kaneko
利衛 金子
Shigeto Tanaka
成人 田中
Yusuke Yamada
祐介 山田
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金シリンダーを切削した場合
に残る、周方向に連続した加工痕に起因する、中間調の
画像にスジ状の画像欠陥やモアレの発生を防止できる電
子写真感光体用基体を提供する。 【構成】 表面に感光層を設けて電子写真感光体を構成
する導電性基体の一次加工後に表面に存在する表面粗さ
の方向性が、二次加工処理により消失されている電子写
真感光体用基体、ならびにこのような基体を製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体用の基
体、およびその製造方法に関し、特に画像性に優れた電
子写真感光体を構成し得る電子写真感光体用基体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、基本的には光導電層
と、この光導電層を設ける支持体としての基体からなっ
ている。
【0003】電子写真感光体には、適用される電子写真
プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性を備えてい
ることが要求される。さらに感光体としては、その画像
に画像欠陥のないことが要求される。
【0004】ここで言う画像欠陥の代表的なものとして
は、スジ、白地部分に出る黒点、黒地部分での白点、白
地部分の地カブリなどである。また、特にデジタル方式
の複写機、あるいはレーザープリンター等単一波長の光
源を使用して露光を行う方式の場合には感光体の膜厚ム
ラ等の要因によって干渉縞が生じる。従って感光体を作
製する場合には、これらの画像欠陥が発生しない様に予
め何らかの対策を施しておく必要がある。
【0005】これらの画像欠陥が発生する場合に最も影
響の大きい要因として、感光体を形成する際の基体の表
面の状態が挙げられる。
【0006】感光体用の基体は通常、特開平1−123
246号、特開昭64−86153号、あるいは特開平
4−242742〜9号公報に示されているように、ア
ルミニウム合金の円筒を施盤により切削加工され、この
切削加工表面に感光層が形成されるのが一般的である。
【0007】特にデジタル用の感光体では、基体の表面
を切削により凹凸状に切削して、これにより干渉縞を消
すことが行なわれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム合金シリンダーをこのように切削した場合、加工
方向、すなわちこの場合にはシリンダー周方向に連続し
た加工痕が残るため、中間調の画像にスジ状の画像欠陥
が現われたり、また加工痕とレーザー走査線との関係か
ら、モアレが生じ易い。
【0009】本発明は、上記のような電子写真感光体用
基体の表面加工に伴う問題を解決しすることができる電
子写真感光体用基体、およびそのような基体を製造する
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、アルミニウム合金円筒シリンダーのようは導電性基
の表面加工を行なう際に、加工方法を一次加工、二次加
工の2段階とし、二次加工において、一次加工後の表面
粗さの方向性を消失させるような処理を行なう事により
前記欠点を克服することができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、表面に感光層を設けて
電子写真感光体を構成する導電性基体であって、前記導
電性基体の一次加工後に表面に存在する表面粗さの方向
性が、二次加工処理により消失されていることを特徴と
する。
【0012】本発明における二次加工すなわち導電性基
体表面の無方向性処理は、表面を所定の表面粗さの範囲
で均一に凹凸処理を行なうことである。この凹凸処理は
主にブラスト処理、ホーニング処理、あるいは陽極酸化
処理などによるものである。
【0013】特にブラスト処理は、使用するメディアサ
イズや、メディア形状ブラスト圧、吐出量等の処理条件
によって処理される基体の表面状態を制御し易いため本
発明の二次加工方法として適している。
【0014】ブラスト処理に使用するメディアとして
は、好ましくはガラスビーズあるいはアルミナ等が使用
される。メディアサイズは要求される基体表面粗さにあ
わせて適宜選択される。
【0015】メディアの中でも特に球状のガラスビーズ
は、ブラスト処理を行なった場合に一次加工の際に生じ
た大きな突起等の画像欠陥のもととなり易い部分を押し
つぶして表面粗さを所定の範囲内に保ち、画像欠陥を減
少させる効果を持っているので、ブラスト用のメディア
としては適している。また球状のものであれば他の材質
例えばアルミナ等のものでも良い。
【0016】本発明においては、基体表面に無方向性処
理を行なう際には、他の加工方法と組み合わせて行なう
ことで大きな効果が得られる。
【0017】組み合わせる表面の一次加工方法として代
表的なものに切削加工があり、これらの加工方法により
あらかじめ基体表面を一定の形状、表面粗さに加工して
おき、その後にこの切削加工により生じた、特に周方向
の連続的な加工痕を前記ブラスト処理、ホーニング処理
等により方向性が無くなるように二次加工処理を行な
う。切削を行なう際には施盤に基体を取り付け、基体を
回転させながらバイトにより切削するのが一般的であ
る。使用するバイトはダイヤモンドの単結晶バイトや、
細かいダイヤモンド粒子を焼結させた焼結バイト等が使
用される。
【0018】特にデジタル感光体においては、切削によ
って表面に凹凸を形成して干渉縞を無くすことが行なわ
れているが、この凹凸は周方向に連続しているために画
像に影響し易く、表面を鏡面切削加工した場合には干渉
縞が発生し易いため、二次加工は有効である。
【0019】またアナログ感光体の場合、ハーフトーン
画像において、切削痕が目だちやすいので切削痕を目立
たなくし表面粗さを低く押さえるという点で有効であ
る。
【0020】本発明における電子写真感光体用基体を作
成する際には基体の材質としてアルミニウム合金を使用
するが、このアルミニウム合金のうちポートホール押し
出しによる円筒シリンダーの製造のし易さからJIS規
格における3000系及び6000系の合金が望まし
く、さらには切削あるいはセンターレス研削の際の、抵
抗の小ささ、材質の粘りが小さい等による発熱量の少な
さ、発熱量の少ないことによる寸法安定性の良さ、研削
砥石の目詰まりし難さ、材質の硬さによる深いキズの入
りにくさ等の点を考慮すると、特にJIS規格の600
0系の合金を使用することが望ましい。
【0021】本発明における電子写真感光体用基体の表
面粗さに関していうと、アナログ感光体においてはより
平滑である方が画像への影響が少なく、最大表面粗さR
maxの値で0.5μm以下が好ましく、またデジタル用
感光体においては、干渉縞の発生防止等の点を考慮して
最大粗さRmax の値で2.0μm以下、十点平均粗さR
z の値で0.5〜1.5μmの範囲にあることが好まし
い。
【0022】さらに一次加工、二次加工を行なった後に
部分的に生じた非定常的な大きな凸部分を電解研磨処理
を行なって除去することは、画像欠陥をなくし、良好な
画像を得る上で有効である。使用する電解液としては、
無水酢酸、リン酸などに過塩素酸や、クロム酸などを加
えたものを使用する。
【0023】本発明の感光体用基体を用いて感光体を作
製する場合、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなる
積層構造型のもの、あるいは1層の中に電荷発生物質お
よび電荷輸送物質を含む単層型のものがある。
【0024】本発明の電子写真感光体に用いられる電荷
発生材料としては、ピリリウム系染料、チアピリリウム
系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔
料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、ト
リスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔
料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン等を用いる
ことができる。
【0025】特にデジタル感光体の場合、これらの電荷
発生材料の中で、赤外レーザー、可視光レーザーへの対
応において、波長への感光依存性の広さから、フタロシ
アニン系が優れており、さらにフタロシアニン系の中で
もチタニルフタロシアニンがその感度の高さからさらに
優れていると言える。
【0026】また、本発明の感光体に使用される電荷輸
送材料としては、例えば各種ヒドラゾン類、ピラゾリン
類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリ
ールメタン系化合物、トリアリルアミン系化合物、ポリ
アリールアルカン類などの化合物の中から選択される。
【0027】これらの電荷発生材料や電荷輸送材料は、
真空蒸着あるいは適当な結着樹脂と組み合せて、基体上
に塗工して成膜を行うことで感光層とする。
【0028】感光層の結着樹脂としては、例えばポリビ
ニルアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポ
リエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステ
ル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等が好ましく用い
られる。
【0029】本発明の電子写真感光体においては、感光
層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構成
される。保護層を構成する材料としては、例えばポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポ
リアセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などが挙げら
れる。
【0030】これらの樹脂中には、クリーニング性、耐
摩耗性などの改善のためにポリ四フッ化エチレン、ポリ
フッ化ビニリデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコ
ーン系グラフトポリマー、シリコーン系オイルなどの潤
滑剤や、保護層の抵抗制御の意味で酸化スズ粉体や導電
性酸化チタンなどの分散させることも可能である。
【0031】保護層の膜厚は、0.05μm〜15μ
m、さらには1μm〜10μmが好ましい。
【0032】本発明の導電性基体と感光層との間に、バ
リヤー機能と下引き機能を持つ下引き層を設けることも
できる。
【0033】下引き層は感光層の接着性改良、基体の保
護、基体からの電荷注入性改良、感光体の電気的破壊に
対する保護等のために形成することができる。
【0034】下引き層の材料としては、ポリビニルアル
コール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレン
オキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチ
レン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、
共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチンなどが使用される。
【0035】本発明の感光体用基体に感光層を塗布する
方法としては、浸漬塗布法、ブレードコーティング法、
バーコート法などがある。
【0036】本発明の感光体用基体上に感光層を設ける
場合に、その膜厚は単一層構造の場合、5μm〜100
μmが好ましく、さらには10μm〜60μmが好まし
い。感光層が積層構造の場合、電荷発生層の厚さは0.
001μm〜5μm、さらには0.05μm〜2μmが
好ましく、電荷輸送層の厚さは1μm〜40μm、さら
には10μm〜30μmが好ましい。
【0037】本発明の感光体用基体を製造するための装
置について図面を参照して説明する。
【0038】図1は、本発明の電子写真感光体用導電性
基体に一次加工を施すための、バイトによる切削の様子
を表わしたものである。図中、符号1−1は、電子写真
感光体用導電性基体であるアルミシリンダー、1−1−
1はその未切削部分、1−1−2は切削が済んだ部分、
1−2は切削用のバイト、1−3は切削時に発生する切
り粉である。また矢印Aはシリンダーの回転方向、矢印
Bはバイトの移動方向を示している。
【0039】図2は本発明の二次加工であるブラスト処
理の工程を示す説明図である。図中、符号2−1はガラ
スビーズ等のメディアを吐出するノズル部分、2−2は
吐出前にメディアとエアーが混合される混合部分、2−
3はエアー導入部分、2−4はメディア導入路、2−5
は吐出されたメディア、2−6は加工するシリンダーを
保持するチャッキング治具、2−7は加工されるシリン
ダー、2−8及び2−9はノズルを上下させるためのノ
ズル移動装置である。
【0040】本発明による基体を用いた電子写真感光体
は、電子写真複写機、レーザープリンターに移用される
だけでなくCRTプリンター、LEDプリンター、液晶
プリンター、ファクシミリ、レーザー製版等の電子写真
応用技術に広く用いることができる。
【0041】次に本発明の基体を使用した感光体を備え
た電子写真装置について説明する。
【0042】図3に、本発明の基体による感光体を用い
た電子写真装置の構成の概略を示す。図3において、符
号3−1は感光体であり、軸3−1aを中心に矢印方向
に所定の周速度で回転駆動する。感光体3−1はその回
転過程で帯電手段3−2によりその周面に正または負の
所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3−3にて不
図示の像露光手段により像露光L(スリット露光あるい
はレーザービーム走査露光など)を受ける。これにより
感光体周面に像露光に対応した静電潜像が順次形成され
ていく。
【0043】その静電潜像は、次いで現像手段3−4で
トナー現像されそのトナー現像像が転写手段3−5によ
り不図示の給紙部から感光体3−1と転写手段3−5と
の間に感光体3−1の回転と同期取りされて給送された
記録材Pの面に順次転写されていく。像転写受けた記録
材Pは感光体面から分離されて、像定着手段3−8へ導
入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へ
プリントアウトされる。像転写後の感光体3−1の表面
はクリーニング手段3−6にて転写残りのトナーの除去
を受けて清浄面化され、前露光手段3−7により除電処
理がされて繰返して像形成に使用される。感光体3−1
の均一帯電手段3−2としてはコロナ帯電装置や導電ロ
ーラーによる直接帯電装置が一般に広く使用されてい
る。また、転写装置3−5もコロナ転写手段及び導露ロ
ーラーによる直接帯電手段が一般に広く使用されてい
る。
【0044】電子写真装置として上述の感光体や現像手
段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、そのユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
例えば、感光体3−1とクリーニング手段3−6とを一
体化して一つの装置ユニットとし、装置本体のレールな
どの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。こ
のとき、上記の装置ユニットの方に帯電手段および現像
手段を伴って構成してもよい。
【0045】また、光像露光Lは、電子写真装置を複写
機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反
射光や透過光を用いるか、あるいは、原稿を読み取って
信号化し、その信号に従ってレーザービームの走査、発
光ダイオードアレイの駆動、または液晶シャッターアレ
イの駆動などを行なうことによって行なわれる。
【0046】
【実施例】
(実施例1)アルミニウム合金材(JIS A606
3)をポートホール押出し法により外径φ30.2m
m、内径φ28.5mmの管状に連続押出し、これを長
さ254mm長にカットする。このカットしたシリンダ
ーを、施盤により回転させながら、先端2Rの単結晶ダ
イヤモンドバイトを使用して、60μmの切削ピッチで
外径φ29.92mmになるように切削した。この切削
シリンダーの表面粗さを測定したところ、最大表面粗さ
Rmax が0.6μm、十点平均粗さRz が0.5μmで
あった。
【0047】次にこのシリンダーに対して粒度#800
メッシュの球形ガラスビーズを用いて、吐出圧を変化さ
せながらブラスト処理を行ない、表面粗さを変化させた
シリンダーを作成した。シリンダーの粗さは表1の実施
例1〜5に示す通りである。同様にして吐出圧をさらに
上げていく表面粗さを実施例より粗くしたものを作成し
比較例1,2とする。
【0048】次に、チタニルフタロシアニン顔料4重量
部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名BX−1、積水
化学工業製)2重量部、シクロヘキサノン34重量部か
らなる溶液をサンドミルで8時間分散した後、テトラヒ
ドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の分散液を
調合した。
【0049】この分散液を上記の7種類のセンターレス
研磨を行なったシリンダー基体上に浸漬塗布し、80℃
で10分間加熱乾燥することにより、電荷発生層を形成
した。電荷発生層の膜厚は0.2μmであった。
【0050】次いで、下記構造で示されるトリアリール
アミン化合物50重量部と、ポリカーボネート樹脂(ユ
ーピロンZ−200、三菱瓦斯化学製)50重量部をモ
ノクロルベンゼン400重量部に溶解した溶液を前記電
荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥
して厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。
【0051】
【化1】 このようにして作製した本発明の電子写真感光体を、解
像度600dpiのレーザービームプリンターに装着し
て、ハーフトーン画像を出して、画像評価を行った。ハ
ーフトーン画像は、黒線1本と白線2本分が交互に連続
しているものであり、縦方向、横方向それぞれに走査し
たものを使用した。
【0052】さらに同じ装置にてベタ白画像における黒
点欠陥の評価も行なった。次に実施例と同様にしてバイ
トにより表面粗さがRmax で0.4μ、Rz で0.3μ
およびRmax :0.9μm、Rz :0.7μmに切削し
たシリンダーを作成して同様に感光体を塗布して評価し
た。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 ○:良好 △:一部問題あり ×:問題あり 以上の結果より、本発明の電子写真感光体用基体が良い
結果を示していることが分かる。
【0054】(実施例2)実施例1と同様にして製造し
た押出し素管をカットして長さ357.5mmのシリン
ダー状とする。
【0055】このシリンダーを先端径R10のダイヤモ
ンドバイトにより60μmピッチで切削して、表面粗さ
が最大粗さRmax で0.2,0.4,0.6,0.9,
1.2μm、十点平均粗さRz で0.1,0.3,0.
5,0.7,1.0μmの表面粗さの表面に加工する。
【0056】次にこのシリンダーを粒径#1000メッ
シュの球形ガラスビーズを用いてブラスト処理する。ブ
ラスト処理後の表面粗さは表2の通りである。このう
ち、Rz の値が0.5μ以下のものを実施例、越えるも
のを比較例とする。
【0057】次に、次式で示す構造式のビスアゾ顔料5
重量部にテトラヒドロフラン90重量部を加えて20時
間サンドミルで分散した。
【0058】
【化2】 この液にブチラール樹脂(商品名BL−S、積水化学工
業製)2.5重量部をテトラヒドロフラン20重量部に
溶かした溶液を加えて、さらに2時間分散した。この分
散液にシクロヘキサノン100重量部とテトラヒドロフ
ラン100重量部を加えて希釈し、前記シリンダー上に
浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して、膜厚0.
2μmの電荷発生層を形成した。
【0059】次いで、下記構造で示されるスチリル化合
物50重量部と、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ
−200、三菱瓦斯化学製)50重量部をモノクロルベ
ンゼン400重量部に溶解した溶液を前記電荷発生層の
上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して厚さ2
0μmの電荷輸送層を形成することで、電子写真感光体
を得た。
【0060】
【化3】 このようにして作製した本発明の電子写真感光体を、キ
ャノン(株)製のアナログ複写機(商品名:NP−60
30)に設置して画像評価を行った。画像は、ベタ黒、
ハーフトーン、ベタ白の3種類である。
【0061】比較例として、切削のみでブラスト加工を
行なわないシリンダーについても同様の評価を行なっ
た。
【0062】評価の結果を次表2に示す。
【0063】評価はベタ黒、ハーフトーン、ベタ白の画
像の総合評価である。
【0064】
【表2】 ○:良好 △:一部問題あり × 問題あり なお比較例9においては画像上問題はなかったが、表面
粗さを所定の粗さのすることが難しく、良品率、加工時
間、使用バイトの価格、寿命の問題等でコスト的に非常
に不利である。
【0065】表面粗さの測定方法はJIS B0601
−1982によった。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、表面に感光層を設けて
電子写真感光体を構成する導電性基体においては、導電
性基体の一次加工後に表面に存在する表面粗さの方向性
が、二次加工処理により消失されているので、干渉縞、
モアレ、画像スジ、ハーフトーンムラ、白地における黒
点の発生などのない、良好な画像を与える電子写真感光
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体用導電性基体となるシ
リンダーを切削する一次加工の工程を模式的に示す説明
図である。
【図2】本発明の電子写真感光体用導電性基体となるシ
リンダーにブラスト処理を施す二次加工工程を模式的に
示す説明図である。
【図3】本発明の導電性基体を用いて構成された電子写
真感光体を備えたシリンダー電子写真装置の一例を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
1−1 シリンダー 1−1−1 未切削部分 1−2−1 切削済部分 1−2 切削用バイト 1−3 切り粉 2−1 ノズル 2−2 の混合部 2−3 エアー導入部 2−4 メディア導入路 2−5 メディア 2−6 シリンダーチャッキング治具 2−7 被加工シリンダー 2−8 ノズル移動機構 2−9 ノズル移動機構 3−1 感光体 3−1a 感光体回転軸 3−2 帯電手段 3−3 像露光手段 3−4 現像手段 3−5 転写手段 3−6 クリーニング手段 3−7 前露光手段 3−8 像定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に感光層を設けて電子写真感光体を
    構成する導電性基体であって、前記導電性基体の一次加
    工後に表面に存在する表面粗さの方向性が、二次加工処
    理により消失されていることを特徴とする電子写真感光
    体用基体。
  2. 【請求項2】 前記電子写真感光体がアナログ感光体で
    あり、前記導電性基体の表面粗さが、最大表面粗さRma
    x の値で0.5μm以下である請求項1に記載の電子写
    真感光体用基体。
  3. 【請求項3】 前記電子写真感光体がデジタル感光体で
    あり、前記導電性基体の表面粗さが最大表面粗さRmax
    で2.0μm以下、十点平均粗さRz で0.5〜1.5
    μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体用基
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導
    電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層して
    成る積層型感光層、または電荷発生物質及び電荷輸送物
    質の両者を含む単層型感光層を設けた電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記電荷発生材料がチタニルフタロシア
    ニンである請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 表面に感光層を設けて電子写真感光体を
    構成する導電性基体の製造方法であって、前記導電性基
    体表面の一次加工として切削加工を行なった後、前記表
    面に二次加工として切削加工を行ない、前記導電性基体
    の一次加工後に表面に存在する表面粗さの方向性を消失
    させることを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記二次加工が、球形のガラスビーズを
    用いて行われるブラスト処理である請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記二次加工を行なった後、さらに後処
    理として電解研磨処理を行なう請求項6または7に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 前記電子写真感光体用基体の素材が、J
    IS規格における6000系のアルミニウム合金である
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
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