JP2009063746A - 電子写真感光体ドラムユニットの製造方法、電子写真感光体ドラムユニット、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体ドラムユニットの製造方法、電子写真感光体ドラムユニット、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 端部内径拡大部に塗料が残留せず円筒状基体端部内側に端部係合部材の円筒部を挿入した場合に精度低下、結合不良が発生しない電子写真感光体ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】 円筒状基体端部に内径が一定の第1内径拡大部、さらにその中央側に内径が円筒状基体中央側に向かって連続して内径が減少する第2内径拡大部を設け、浸漬塗布後、弾性部材を円筒状基体内周に接触させて円筒状基体端部内部に付着した塗量を剥離除去する。
【選択図】 図1

Description

電子写真感光体ドラムユニットの製造方法、電子写真感光体ドラムユニット、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置に関する。
複写機やレーザービームプリンター等の電子写真方式を採用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の周面を帯電するための帯電手段と、帯電された電子写真感光体の周面に静電潜像を形成するための露光手段と、電子写真感光体の周面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持された現像剤により現像して現像像を形成するための現像手段と、電子写真感光体の周面に形成された現像像を転写材(紙等)に転写するための転写手段とを有するものが一般的である。
このような電子写真装置においては図1に示すように電子写真感光体ドラムユニット101は、一般に電子写真感光体ドラム102(円筒状基体103上に感光層を設けたもの)、及び前記電子写真感光体ドラムの両端又は片端に設けられた端部係合部材104、105より構成される。
端部係合部材104、105(フランジ、歯車を有するものはギアともいわれる。)には軸部106、107(以下文中、「端部係合部材に有する本体に対する支持を目的とした凸部を軸部」あるいは「孔状である場合は軸受部」ともいうが、この軸部、軸受部を含めて「軸部」と表現する)を有している。さらに前記軸部を介して、電子写真感光体ドラムユニットを電子写真装置内の所定の位置に支持し、更には、電子写真感光体ドラムを所定の軸108を中心に高精度に回転させる。電子写真感光体ドラムユニットの円筒精度が良くない場合、また電子写真感光体ドラム外周の中心と軸部の中心が一致していない状態(例えば軸中心が109)であると、電子写真感光体ドラムユニットを電子写真装置に組み込んで回転させた場合に電子写真感光体ドラムユニット外周110が画像形成中に振れるため、電子写真感光体ドラムと現像手段111との距離が一定に保てず、現像時において画像濃度ムラが生じ良好な画像が得られない。
更には電子写真感光体ドラムユニットの外周の周速にムラが発生するため、転写時等において画像ずれ(特にカラー画像において転写位置がずれ色がにじんでしまう現象)を生じ、良好な画像が得られないと言う問題が発生する。そのため、電子写真感光体ドラムユニットにおいて、特に円筒振回り精度(電子写真感光体ドラムユニット回転軸を基準として回転させたときの外周最大部と外周最小部二つの同軸外接円筒径の差、「JIS−B0021 18.16.1全振れ公差」に相当する)の値を小さくする必要がある。
モノトーンでかつ解像度の低い電子写真装置においては、円筒振回り精度は100μm程度で問題がなかったが、近年の電子写真装置は高解像度化やフルカラー化が進んでおり、電子写真感光体ドラムユニットは高精度であることが要求されている。更にはカラー用電子写真装置においては、複数の電子写真感光体ドラムユニットを並べ、イエロー、シアン、マゼンダ及びブラックなどの各色のトナーに対してそれぞれ別の電子写真感光体ドラムユニットを使用するタンデム方式の電子写真装置が開発され電子写真感光体ドラムユニットに高い精度が要求されている。すなわち高解像度化やフルカラー化された電子写真装置では、電子写真感光体ドラムユニットに特に高い精度が要求されている。
以下において電子写真感光体ドラムユニット101における電子写真感光体ドラム102、および端部係合部材104,105の構成例に関して説明する。(ここで説明する例では図1の端部105側の端部係合部材であるが、他の端部104も同様である。)
図2は結合する前の電子写真感光体ドラム102および端部係合部材105の構成例である。端部係合部材105は電子写真感光体ドラム102の端部内側201に結合挿入される部分、すなわち結合部202、および電子写真装置本体に支持される部分すなわち軸部107、さらには結合部202と軸部107を連結する連結部203より構成される。
結合部202の形状は一般に円筒状で、また連結部203は一般に円盤状で、結合部202と軸部107の位置関係を一定に保つため充分な強度が必要である。
電子写真感光体ドラム102に端部係合部材105を結合する部分の構成としては、図3のように電子写真感光体ドラム102の端部内側201に端部係合部材105の結合部202を挿入する。(図3は結合した後の電子写真感光体ドラム102および端部係合部材105の構成の例である。)
端部係合部材105を電子写真感光体ドラム102の端部内側201に挿入する結合方法は電子写真感光体ドラム102と端部係合部材105との接触面積が広く結合強度が高く、かつ端部係合部材が外れにくく、さらに端部係合部材を曲ることなく挿入することができるので一般に利用されている。
さらに端部係合部材105の外径拡大部204を電子写真感光体ドラム102端部面205に突き当てることにより結合部202の電子写真感光体ドラム102に対する挿入深さ206を所定の長さにすることができ、さらに端部係合部材を曲ることなく電子写真感光体ドラム102端部面に挿入することができる。
画像濃度ムラ、色ずれがない良好な画像が得られる電子写真感光体ドラムユニットを製造するための重要な条件としては、
(1)電子写真感光体ドラム102の外周110の円筒精度(一般に円筒度で表現)が充分に良いこと。
(2)電子写真感光体ドラム102の外周110の中心線209と端部係合部材105を結合する端部の内周201の中心線210が所定の精度で一致していること。(一般に基体端部係合部材挿入部の内周、外周の同軸度で表現する)
(3)端部係合部材結合部202の外周の中心線211と軸部107の中心線207が所定の精度で一致していること。(一般に端部係合部材挿入部の外周、軸部の同軸度で表現する)
(4)端部係合部材105結合部202の外周の中心線211と電子写真感光体ドラム端部内周201の中心線210が所定の精度で一致して接合されていること。
上記の(1)より(4)の条件を満たすとき電子写真感光体ドラムユニット101を電子写真装置に組み込んで回転させた場合に電子写真感光体ドラムユニット101外周が画像形成中に振れることがなく、画像濃度ムラ、色ずれがない良好な画像が得られる。
一般に電子写真感光体ドラム102は円筒状基体上103に感光層を塗布して製造されるが、浸漬塗布、スプレ−塗布等の公知の塗布方法により全周に一定の膜厚で感光層を形成することが可能であり、電子写真感光体ドラム102の外周精度は円筒状基体103の外周精度で決定されることが知られている。そこで以下では円筒状基体103の外周精度を高めれば電子写真感光体ドラム102の外周精度は高くなると考えることができる。
(1)を満たす円筒度の高い円筒状基体を得るための手段の例としてはアルミニウム合金を押出し、引抜き等の加工方法により円筒状に加工後、矯正手段により円筒精度を高め、所定の長さに切断する方法がある。しかしながら押出し、引抜き等の加工方法により得られた円筒状基体は周方向での肉厚の不均一(偏肉)が存在し、基体端部係合部材挿入部の内周、外周同軸度の値が数μm〜数十μm存在していることが避けられないのが現状である。そのため円筒状基体103の端部内周面を所定の幅で円筒状に削り端部内径拡大部212(一般にインロー部とも言われている)を設ける方法が知られている。(特許文献1参照)。このとき、円筒状基体外周110基準で中心軸が一致する新たな端部内周面201を設けることにより円筒状基体外周110の中心209と端部係合部材105の結合する端部の内周201の中心210を精度良く一致させることが可能となる。
円筒状基体外周は押出しや引抜きによって得られた円筒状部材をそのまま用いる例もあるが、さらに外周面を切削加工、研削加工により高精度に仕上げる例も挙がられる。研削加工によって高精度に仕上げる例としてはセンタレス、円筒研削盤を用いる例(特許文献2参照)がある。
また、外周面を切削加工する例としては、旋盤加工があり、円筒状部材(円筒状基体になるもとの素管)を保持し円筒部中心軸209を一定に保ちながら回転させ、前記円筒状部材外周部に切削工具を当て円筒部中心軸209と平行に一定の速度で送りながら切削加工する方法である。
旋盤加工において、より外周の円筒度の高い円筒状基体103を得るための手段の例として、円筒状部材の両端面に隣接する部分に端部内径拡大部212を設け、端部内径拡大部212を旋盤の保持手段で保持するという方法である(特許文献1参照)端部内周に内径拡大部を設けることにより円筒度が高く、かつ円筒状基体の外周110の中心209と端部係合部材105を結合する端部の内周201の中心210を精度良く一致させることが可能となる。
(3)の端部係合部材挿入部の外周、軸部の同軸度を所定の精度で一致させる方法としては端部係合部材結合部を保持回転させ工程途中で保持を外すことなく端部係合部材結合部202と軸部107を加工することにより端部係合部材結合部202の外周中心線211と軸部107の中心線207を必要精度に一致させることが可能となることが一般に知られている。
(4)の端部係合部材105結合部202の外周の中心線211と電子写真感光体端部内周201の中心線210を所定の精度で一致させて精度良く接合させる方法の例としては端部係合部材結合部202外周径Cと円筒状基体端部内面201の径Aを同一、または、端部係合部材結合部202外周径Cを大きめに圧入する方法が行なわれている。C−Aの値は0≦C−A≦600μm程度とすることが良好であることが知られている。(特許文献3、4参照)端部係合部材結合部202外周径Cの方が円筒状基体端部内面201内径より小さいと円筒状基体端部内面201との間に隙間ができ結合精度が低下する。
一方、円筒状基体上に円周方向に継目なく感光層を塗布する手段としては浸漬塗布法が一般的である。円筒状基体上に浸漬塗布で感光層を塗布する場合、塗料を満たした塗布槽に円筒状基体を浸漬し、所定の速度で引き上げる。円筒状基体を浸漬するとき、円筒状基体上端を開放したままであると円筒状基体内周面全体に塗料が付着してしまうため、上端を何らかの手段で塞ぐ塗布方法が行われている。しかしながら円筒状基体全体をに密閉してしまうと浸漬中に円筒状基体内で塗料溶媒蒸気によるに気圧上昇がおきて円筒状基体下端部から内部の気体が噴出し均一な塗布ができない。そこで浸漬中に円筒状基体内の気体の内、一定体積分を外部に排出し、円筒状基体内に一定量の塗料が進入した状態で塗布が行われる。円筒状基体の浸漬が浅いときは円筒状基体内に進入する塗料の量は少ないが浸漬が深くなるに従って進入する塗料の量は増加する。さらに塗料溶剤蒸気によるに気圧上昇は大気圧、塗布液の温度、塗料溶媒蒸気圧により絶えず変化するため、円筒状基体内に進入させる塗料の量は変動分を含めた余裕分を含めた量を設定する。そのため円筒状基体を浸漬中に下端部より10〜70mm程度塗料が侵入することを許容した条件で浸漬塗布を行なうことが一般的である。そのため円筒状基体内周面下端部より10〜70mm程度の部分に塗料が付着することがさけられない。
円筒状基体下端にフタをしてから浸漬塗布する例も知られているがフタに付着した塗膜が塗布中に塗料中に剥離して、また前記剥離塗膜が円筒状基体に再付着してしまう原因となり実用化されていない。
一般に電子写真感光体ドラムユニットは、該電子写真感光体ドラムの両端又は片端に端部係合部材104、105を圧入するが、(4)で述べた理由により円筒状基体端部内面201の径より端部係合部材結合部外周の径Cは同一、または大きめとして圧入する方法が行なわれている。そのため円筒状基体端部内面に塗料が付着していると円筒状基体端部内周201の径が一定せず安定して精度よく端部係合部材を結合することができない。また塗料が付着したままの電子写真感光体ドラムに端部係合部材を係合すると塗料が付着した部分が膨らみ電子写真感光体ドラムユニットの円筒精度が低下する。さらには塗料が偏って付着している場合は端部係合部材が偏って固定されるため電子写真感光体ドラムユニットの軸が偏心して取り付けられてしまう、と言うような問題が発生する。軸が偏心している状態(例えば軸中心が109に偏っている状態)であると、電子写真感光体ドラムユニットを電子写真装置に組み込んで回転させた場合に電子写真感光体ドラムユニット外周が画像形成中に振れるため、画像濃度ムラ、色ずれが生じ良好な画像が得られない。さらには一般に端部係合部材と電子写真感光体ドラムは接着により固定されるが接着部が剥がれやすくなり、電子写真装置内で画像形成中に回転トルクがかかり電子写真感光体ドラムと端部係合部材が分離してしまう、分離して空回りしてしまうというような問題を発生する。
そのため浸漬塗布で電子写真感光体ドラムを塗布した場合は内周201に付着した塗料を取り除く剥離工程を加えることが一般的である。図4において剥離工程の例を説明する。まず剥離装置の構成の例を説明する。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための弾性部材401(剥離ブレ−ド)を有し、弾性部材401は回転手段402、回転伝達手段(モータ―403、ベルト404、回転軸405)を介して円筒状基体102内周面201に接触ながら回転するように構成されている。剥離ブレ−ド401にはノズル406より剥離液407が供給され、掻き落とされた塗料を洗い流す働きをしている。回転軸405は中空でポンプ408を介して剥離液タンク409より剥離液407が供給される。剥離液407は受け皿410に集められ剥離液タンク409に戻る。しかしながら円筒状基体端部内側に図2−1(特許文献2)の例で示されるような形状の端部内径拡大部212を設けた円筒状基体では端部内径拡大部212部と未加工の部分214との段差215に剥離部材401があたらずに塗料が残留しやすいという問題が生じていた。また、図2−2のように内径拡大部212と未加工の部分214の境界部分を円弧形状215に加工する例(特許文献7参照)もあるが、内径拡大加工を行なっていない部分と円弧形状に加工した部分の境目に段差215があるため、剥離後に内周端部に塗料が残留することが避けられない。
このように端部内径拡大部212に塗料が残留した円筒状基体端部内側201に端部係合部材105の円筒部202を挿入すると剥離工程を行わなかった場合と同様の結合不良、また精度不良等の問題が生じることがさけられなかった。内径拡大部212の長さを大きく取り、端部係合部材105の結合部202の基体に対する挿入深さに対して大きくした場合でも、内径拡大部212の段差213に残留した塗料がだれて結合部202を挿入する部分に達し、結合不良、また精度等に同様の問題が生じていた。また、塗布時に塗料が段差に達しないように内径拡大部212の長さを塗料の最大進入深さ70mmより充分大きくする方法に関しては、内径拡大部212の加工部分が奥深くなるため、長い切削バイトを必要とし加工中にビビリが発生し良好な内径拡大部212内周面が得られない。さらには加工部分が多くなりコストがかさむという問題が発生していた。
剥離ブレ−ド401を用いず塗料付着部に剥離液をかけるだけでは、高粘度の塗料の場合は剥離が困難で時間がかかるという問題を生じていた。また、顔料を含む塗料の場合は剥離後のも内面に顔料が残留するという問題が発生してしまう。そのため何らかの手段で擦ることが必要である。
段差213にも隙間なくブレ−ドが接触するようにブレ−ド硬度が低いもの(例えばJIS K 6253準拠のタイプAデュロメータ(アスカーA型)ゴム硬度で50ポイント以下)を採用する方法が考えられるが、剥離工程では剥離ブレ−ド401のエッジ(角)の部分が付着した塗料を掻き落とす効果が特に高く、ブレ−ド硬度が低いものであると剥離ブレ−ドのエッジが基体内周に接触せず剥離効果が薄くなり、充分な剥離が行なえない。
また剥離ブレ−ド401として柔らかく薄いもの(例えば、ゴム硬度で70ポイント以下で厚さ0.5mm以下)を採用する方法も考えられるが、剥離工程中に剥離ブレ−ドがめくれる問題が発生し効果が持続しない。また磨耗が早く、剥離ブレ−ドの交換が頻繁であり、生産性が上がらない。
このような課題に対する従来の技術の例としては内径拡大部を内径拡大部形状に合うような形状のブラシで洗浄する例があげられる(特許文献5、6参照)がブラシで洗浄は耐久性に劣る場合があり多数の電子写真感光体ドラムを連続して生産する場合においては上記の問題を解決することができないのが現状であった。
特開平11−160901号公報 特開2003−162078号公報 特開2001―13821号公報 特開2003−316032号公報 特開2005−352280号公報 特開2006−038971号公報 特開2001−100596号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、端部内径拡大部に塗料が残留せず円筒状基体端部内側に端部係合部材の円筒部を挿入した場合に結合不良が発生しない電子写真感光体ユニットの製造方法、電子写真感光体ユニットを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記電子写真感光体ユニットを有するプロセスカ−トリッジ、および電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば
(1)円筒状基体に端部内径拡大部を設ける加工を行なう工程。
(2)前記円筒状基体に塗料を塗布する工程。
(3)塗料を塗布された円筒状基体の内周部に弾性部材ブレ−ドを接触させて円筒状基体内面に付着した塗料を取り除く工程。
(4)下記1式が成立つように、付着した塗料が取り除かれた長さL3の円筒状基体端部内径拡大部に長さL2の端部係合部材結合部を挿入結合する工程。
L2≦L3 1式
(1)より(4)の工程を含み、かつ(1)の工程が最も前の工程で、(1)の工程のあと(2),(3)の工程を順に行なう工程を含み、(4)の工程が最も後の工程となるような工程を順に行なうことにより製造される電子写真感光体の製造方法において、
前記円筒状基体の内周部の形状が少なくとも一つの端部側で
(5)長さL3に渡って内径が一定で段差を有しない第1内径拡大部。
(6)長さL4に渡って円筒状基体軸方向中央側に向かって連続して内径が減少し、かつ段差がない第2内径拡大部。
(7)段差がない部分。
(5)、(6)、(7)の部分を有し、かつ(5)の部分、(6)の部分、(7)の部分が端部より順に連続して存在し、
前記第2内径拡大部の端部側内径がA、中央部側の内径がBであるとき、A、B、L4の間に下記2式が成立する円筒状基体を用いること特徴とする電子写真感光体ドラムユニットの製造方法。
(L4×2)/(A−B)≧2 2式
さらに第2の発明としては上記の電子写真感光体ドラムユニットの製造方法において下記3式が成立する円筒状基体を用いること特徴とする電子写真感光体ドラムユニットの製造方法。
(L4×2)/(A−B)≧5 3式
さらに第3の発明としては
上記の製造方法により作成された電子写真感光体ドラムユニット、
さらに第4の発明としては上記
製造方法により製造された電子写真感光体ユニットを有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ
さらに第5の発明としては上記
電子写真感光体ドラムユニット、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置において、上記製造方法により作成されたの電子写真感光体ドラムユニットを有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば端部内径拡大部を有する円筒状基体上に感光層を塗布する工程において端部内径拡大部に付着した塗料を残留することなく剥離除去することが可能である。そのため前記電子写真感光体ドラム端部内側に端部係合部材を挿入結合した場合に、残留塗料による電子写真感光体ドラムユニットの精度低下が発生しない。
さらに本発明によれば、円筒状基体の製造方法において外周面の精度が高い円筒基体を安定して提供することができる。
また、本発明によれば、精度の高い電子写真感光体ドラムユニット有し、色ズレ、ハーフトーン画像ムラなどの発生が抑制された高品位な画質が得られる電子写真感光体ドラム、精度の高い電子写真感光体ドラムユニット、プロセスカ−トリッジ及び電子写真装置を提供することが出来る。
さらには電子写真装置内で画像形成中に回転トルクがかかると電子写真感光体ドラムと端部係合部材が分離してしまう、分離して電子写真感光体ドラムが空回りしてしまうというような問題を発生することがない電子写真感光体ドラムユニットの製造方法が得られ、端部係合部材結合不良による電子写真装置の故障が発生しない。
次に、本発明の詳細を実施の形態の記述に従って説明する。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の内径拡大部形状を図5で説明する。本発明の内径拡大部501は長さL3に渡って内径が一定である第1内径拡大部502、長さL4に渡って内径が円筒状基体軸方向中央側に向かって連続して減少する第2内径拡大部503を有するものである。さらに第2内径拡大部503の更に軸方向中央部側に段差がない部分504を有し、第1内径拡大部502、第2内径拡大部503、段差、角がない部分504の部分が端部側より順に連続して存在している。段差、角がない部分504は切削加工を行う例、加工を行わず引抜き加工の面そのままでも良い。
本発明の構成は剥離後に塗料が残らないような内径拡大部を設けるものあるから第1内径拡大部502から第2内径拡大部503、段差がない部分504に渡って弾性部材401が円筒状基体内周に接触しない部分が生じるような段差、角は有しないようにすることが必要である。
さらに第1の内径拡大部502と第2の内径拡大部503の境界、第2の内径拡大部503と内径拡大加工を行わない領域504の境界のいずれの領域にも弾性部材401が円筒状基体内周に接触しない部分が生じるような段差、角は有しないようにすることが必要である。
第2内径拡大部は内径拡大加工なしの部分504に向かって内径は増加するのみである。例えば図5の503ように円錐形状である例も挙げられる。
次に、図6を用いて本発明の剥離装置構成の説明をする。本発明の剥離工程においては塗布工程で円筒状基体の内面に付着した塗料に弾性部材401を円筒状基体端部より長さL1に渡って接触させて円筒状基体内面に付着した塗料を取り除くものである。弾性部材401が円筒状基体内周に接触している部分の長さL1は第1内径拡大部502の長さL3、第2内径拡大部503の長さL4の合計より大きいことが好ましい。
本発明の内径拡大部の形状は端部係合部材105を高精度に結合するため第1内径拡大部502と、剥離工程において弾性部材401が隙間なく均一に接触し塗料が残留しないようにするために設けた第2内径拡大部503を有する。
第1内径拡大部502は高精度に結合するため内周の径、真円度、外周との同芯度を重視して加工させる。
第2内径拡大部503は剥離工程において弾性部材401が隙間なく接触するために設けたもので剥離ブレ−ド401が隙間なく接するように適度な傾斜を持つことが好ましい。
本発明によれば第2内径拡大部503の傾斜は第2内径拡大部503の内径が端部側内径A、中央部側の内径がBであるとき(L4×2)/(A−B)式であらわすことができる。すなわち『第2内径拡大部503の長さL4の値』を『内径が端部側内直径A、中央部側の内直径の差に1/2をかけたもの(すなわち半径になおしたもの)』で割った値であらわすことができる。
剥離のとき塗料が内径拡大部に残留しないようするには下記2式の値が2以上である必要がある。さらにこの好ましくは5以上であり、塗料が残留することがない。
(L4×2)/(A−B)≧2 2式
傾斜がきつくL4×2/(A−B)が2より小さい場合は弾性部材401と内径拡大部の間に隙間が発生し剥離後に塗料が残る。
さらにこの好ましくは3式のようにL4×2/(A−B)が5以上であり、塗料が残留することがない。
(L4×2)/(A−B)≧5 3式
L4×2/(A−B)が2以上5より小さい値では条件によっては塗料が残留することがあり、生産は可能であるが収率100%にはならない。
内径拡大部502と段差のない部分504の内径差(A−B)は小さいほうが好ましく、理由は第2内径拡大部503の傾斜を小さくすることが可能であり剥離がしやすくなる。また、傾斜が同一であったとしても第2内径拡大部503の長さを短くすることが可能でありさらに、第1内径拡大部502の切削代を小さくすることが可能で内径拡大部を形成するときの加工負荷が低減し生産性が向上する。
段差のない部分504を加工しない部分とした場合は内径差(A−B)は第1内径拡大部502の切削代と同一となる。そのとき内径差(A−B)の値は第1内径拡大部502の切削で切削残りが発生しないように加工前の円筒部材の内径の許容幅、内径真円度、内径拡大部の加工精度を加味して決まるべきである。内径差(A−B)の値は好ましくは0.05より2.0mm、特に好ましくは0.2より1.0mmである。
さらに本発明によれば第1内径拡大部502の長さL3は前記端部係合部材105の結合部202の長さL2より長いことが必要である。即ち、下記式を満たす必要がある。
L2≦L3 4式
前記端部係合部材105の結合部202が第2内径拡大部503にかかると前記端部係合部材105の結合部202により円筒状基体が変形し電子写真感光体ユニットの精度が低下したり、端部係合部材105の結合部202が斜めに挿入されたり、所定の深さまで挿入されず結合不良となる。
本発明の剥離工程において弾性部材401は円筒状基体201内面に接触して回転するように構成されていて基体端部内周内径拡大部全体の塗料を剥離するように構成され剥離ブレ−ドとして作用する。
このとき弾性部材としては円筒状基体内面に隙間なく接触する必要があり、適度な弾性を有する部材が好ましい、さらに基体との摩擦に耐え、剥離液により劣化、溶解しない材質であることが必要である。例えばフッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル等の樹脂、シリコンゴム、天然ゴム、フッ素ゴム等のゴム材料、鉄、ステンレス、銅、リン青銅等の金属板さらには金属板に樹脂、ゴム材料を複合したものが挙げられる。
弾性部材401にはノズル406より剥離液407が供給され、塗料を溶かす働きに加え、掻き落とされた塗料を洗い流す働きをしている。剥離液407としては、塗料をよく溶解するような液、塗料に含まれる樹脂に対して溶解性が高い良溶媒を用い塗料を溶かして取り除く例、または塗料の樹脂を膨潤させるが溶解しない溶媒を用いて塗料を膨潤した固まりとして掻き落とす例も挙げられる。塗料の樹脂を膨潤させるが溶解しない程度の溶解性を有する溶媒を用いて塗料を膨潤させた状態で固まりとして掻き落とす剥離方法の例も挙げられる。さらには良溶媒、貧溶媒を混合して溶解性を調整する例も挙げられる。
精度よく端部係合部材を結合するためには、端部係合部材結合部202外周径Cと円筒状基体端部内面201の径Aは同一、または、端部係合部材結合部202外周径Cを0より600μm程度大きくして圧入する方法が行なわれている。(前記の端部係合部材結合部202外周径Cより円筒状基体端部内面201の径を引いた値の1/2を圧入代という)
すなわち、圧入代としては0〜300μmより好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは10〜75μmである。
端部係合部材結合部202外周径Cの方が小さいと円筒状基体端部内面201との間に隙間ができ結合精度が低下する。端部係合部材結合部202外周径Cが大きすぎると電子写真感光体ドラム端部が圧入により膨らみ電子写真感光体ドラムユニットの端部外径精度が低下する。
圧入代を適正値に保った場合は、本発明の電子写真感光体ドラムでは内面では塗料が残留しないため、端部係合部材を結合した場合に、精度よく端部係合部材を結合することができる。さらに、一部分が膨らみ電子写真感光体ドラムユニットの円筒精度が低下することがない、また端部係合部材が偏って固定され軸が偏心しまうことがない。
さらに端部係合部材連結部202の延長方向に端部係合部材外径拡大部204を設ける例がある。(外径拡大部204はフランジのツバ、襟とも言われる)外径拡大部204を端部係合部材挿入時に電子写真感光体ドラム102の端部面205に突き当てることにより結合部202の電子写真感光体ドラム102に対する挿入深さ206を所定の長さに保つことができる。
さらに円筒状基体の端部加工のときに電子写真感光体ドラム102の外周円筒面110と端部面205の直角度を所定の精度とし、また端部係合部材105の軸部107の中心線207と外径拡大部204の結合部側面208の直角度を所定の精度とすることにより軸部107の中心線207、および電子写真感光体ドラム102の外周円筒面110の中心線209が平行となるように挿入できることが知られている。
本発明の電子写真感光体ドラムは外周110の中心209と軸107の中心207が一致するため、電子写真感光体ドラムユニットを電子写真装置に組み込んで回転させた場合に電子写真感光体ドラムユニット外周が画像形成中に振れがなく、電子写真感光体ドラムと現像手段111との距離が一定に保て、現像時において画像濃度ムラが生じ良好な画像が得られない。端部係合部材と電子写真感光体ドラムは接着により固定した場合でも接着が剥がれ電子写真装置内で分離してしまうというような問題を発生しない。
本発明の電子写真感光体ユニットを製造するための下記(1)〜(4)の工程よりなる。
(1)円筒状基体103に第1端部内径拡大部502および第2端部内径拡大部503を設ける加工を行なう工程。
(2)円筒状基体103に塗料を塗布する工程。
(3)塗料を塗布された円筒状基体103の内面に弾性部材401を円筒状基体端部より長さL1に渡って接触周動させて円筒状基体内面に付着した塗料を取り除く工程。
(4)結合部202と軸部107を有する端部係合部材105を円筒状基体端部内面201に付着した塗料を取り除かれた円筒状基体端部内径拡大部の長さL2の部分に端部係合部材105の結合部202を挿入結合する工程。
本発明においては(1)より(4)の工程を含み、かつ(1)の工程が最も前の工程で、(1)の工程のあと(2),(3)の工程が順に行なう工程を含み、(4)の工程が最も後の工程となるような工程を順に行なうことにより製造される。
感光層形成後に外周を保持して端部内径拡大部を設ける加工を行なうと、感光層にキズをつけてしまうため、第1端部内径拡大部502および第2端部内径拡大部503を設ける工程は感光層形成前に行なう。感光層形成後に電子写真感光体ドラム内径を保持した場合は外周と内周の同軸度が向上せず内径拡大部の効果が発揮できない。
筒状基体に塗料を塗布する工程が一度である単層感光体の場合については隔離工程も一度で可能であるが、多層感光体の場合は塗布回数に応じて剥離を繰り返すことが好ましい。
端部に結合部材をつけた状態で浸漬塗布を行なう方法も考えられるが保持がしにくく、また円筒状基体内部の気圧調整が難しいので感光層生成後に端部に結合部材を結合することが好ましい。
本発明の内径拡大部を設ける端部加工方法の例に関して図7で説明する。円筒状部材103は例えば押出し、引抜等の塑性加工によりで製造された管材を切断して得られた部材(円筒状基体になるもとの素管)である。円筒状部材103は円筒状部材保持手段701により外周部を保持される。このとき保持手段701の回転軸と円筒状部材103の円筒部中心軸209がずれていると内径拡大部と円筒状部材外周の同芯度が低下し、電子写真感光体ドラムの外周110の中心線209と端部係合部材104を結合する端部の内周201の中心線210が所定の精度で一致させることができないので回転手段701の回転軸と円筒状部材103の中心軸とのずれは小さくすることが好ましい。
次に回転手段702により回転伝達手段703、保持手段701を介して、円筒状部材103を回転させる。円筒状部材両端面205を端面加工切削バイト704を用いて切削加工して所定の面に仕上げる。切削バイト704はNC制御によりX-Y-Z方向に移動可能である。このとき円筒状部材103の外周円筒面110と端部面205の直角度を所定の精度とし、かつ円筒状基体の全長を所定のものとする。
次に内径拡大部加工用切削バイト705を用いて円筒状部材103の内周面204を切削加工し内径拡大部501を得る。切削バイト705は704同様はNC制御によりX-Y-Z方向に移動可能であり、本発明の第1内径拡大部502、第2内径拡大部503を所定の形状に加工することが可能である。
切削に用いる切削バイトは必要に応じて先の尖った剣バイト、先が円弧状のRバイト、先が平たい平バイト等が使用可能である。材質としては、超鋼、鋼等の金属、単結晶ダイヤモンド、焼結ダイヤモンド等の鉱物、セラミックスが使用可能である。
内径拡大部加を形成する際、素管を保持する方法としては、図7に示すような素管の外周面を保持する方法と図8に示すような素管の内周面を保持する方法とが挙げられる。どちらの方法を用いても本発明の内径拡大部を設けることが可能であるが、円筒状基体外周基準で端部内周に内径拡大部を設ける方法のほうが円筒状基体の外周110の中心と端部係合部材105を結合する端部の内周201の中心を精度良く一致させることが可能となる。
内径拡大部加工用切削バイト705のバイト軸の長さが長いと切削抵抗の力によりバイト軸が変形しやすくなり、加工中に変形と変形の緩和が交互に起きて、切削ビビリが発生し内径拡大部501内周面が荒れてしまう。切削ビビリが発生すると内径拡大部501の精度が低下し、また剥離のとき塗料が残りやすくなる。
バイト軸の長さは好ましくは80mm以下である。バイト固定手段706と円筒状基体端面との距離は10mm程度であり、したがって図5における第1内径拡大部502の長さL3と第2内径拡大部503の長さL4の合計(即ち内径拡大部の長さの合計)は70mm以下が好ましく、内径拡大部の全長の好ましい範囲は制限される。
後述のように内径拡大部を設けた後、内径拡大部を保持して外周に旋盤加工を行なう場合は内周で保持する方式でも良好な精度の円筒状基体が得られる。
また、真円度、内径精度の高い内径拡大部を得るためには、内径拡大部加工のための保持による素管の端部の変形が小さい方法を選択することが重要である。このとき円筒状部材103の変形が生じないようにできる限り周方向に均一に保持し、さらに保持による変形が端部に及ばないように中央部に近い部分を保持することが好ましい。しかし保持力が弱いと次工程の切削により円筒部材に力が加わったときに位置ズレを生じ精度が低下したり、振動が発生し面が荒れるという問題が発生するので、保持力と変形を抑える効果のバランスをとることが必要である。保持手段による素管の変形が大きすぎると、内径拡大部加工後に素管の保持部材を取り外したときに、その変形が緩和されて、内径拡大部の精度が低下してしまう。
さらには第1内径拡大部面と基体端面との境目に端部係合部材が容易に圧入できるようにテーパー面707を形成する例もあげられる。
本発明の電子写真感光体ドラムユニットの製造方法では押出しや引抜きによって得られる円筒状部材にそのまま感光層を塗布して用いる例もあるが、さらに外周面を旋盤等で切削加工する例、またセンタレス、円筒研削盤等で研削加工によって高精度に仕上げる工程を含む例も挙げられる。
本発明に用いられる円筒状基体の材料としては、例えば、アルミニウム,銅、鉄、ニッケル、チタンなどの金属やこれらの合金、また、プラスチック、セラミック、ガラスなどに導電性処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、JIS3000(Al−Mn)系、JIS5000(Al−Mg)系、JIS6000(Al−Mg−Si)系のアルミニウム合金が好ましい。
次に、本発明の製造方法により製造される電子写真感光体の構成について説明する。
上述のとおり、本発明の製造方法により製造される電子写真感光体は、円筒状基体上に感光層を有する電子写真感光体である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
円筒状基体としては、導電性を有していればよく、材料としては上述したとおりである。
円筒状基体の上には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、円筒状基体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、例えばアルミニウム等の金属粒子、また例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物などの導電性さらに、または非導電性の顔料粒子などを結着樹脂に分散させて形成することができる。さらには分散に用いる有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。導電層の膜厚は、1〜40μmであることが好ましく、特には2〜20μmであることがより好ましい。
導電層はカーボンブラック、金属酸化物などの顔料粒子を含む例が多く、塗布後の内面剥離工程では剥離部材を接触させて剥離する工程が特に有効である。
また、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
また中間層にも、金属粒子、また例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物などの導電性さらに、または非導電性の顔料粒子などを結着樹脂に分散させて形成することができる。中間層に顔料粒子を含む例場合は、塗布後の内面剥離工程では剥離部材を接触させて剥離する工程が特に有効である。
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.5〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法(浸漬塗布法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
浸漬塗布法においては塗布時に電子写真感光体ドラム内面にも塗料が着くので特に本発明が有効である。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層はアゾ顔料や、金属フタロシアニンなどの粒子を含む例が多く内面剥離工程では剥離部材を接触させて剥離する工程が特に有効である。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。浸漬塗布法においては塗布時に電子写真感光体ドラム内面にも塗料が着くので特に本発明が有効である。
電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜25μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送層はフッ素樹脂粒子、金属酸化物などの粒子を含む例もあり、さらに塗布液が高粘度である例が多くは剥離に時間がかかるので内面剥離工程では剥離部材を接触させて剥離する工程が特に有効である。
感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂および上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
図9に、本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図9において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体ドラム1の端部には、軸または軸受部を有する端部係合部材(ギアやフランジなど)結合されており(不図示)、電子写真感光体1および端部係合部材で電子写真感光体ユニットを構成している。
回転駆動される電子写真感光体ドラム1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラー、コロナ帯電など)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
レーザービーム走査露光などの露光手段は複数のレーザービームを用いたもの、ビーム径、強度を変化させ階調表現をするもの、また高画質を狙ったものとしては分解能1,200dpi以上の高分解能のものを使用する例も挙げられる。
電子写真感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤担持体に担持された現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、必要に応じてクリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図9に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明の電子写真装置においては、クリーニング手段7を設けずに画像形成を行う例も挙げることができる。
上述の電子写真感光体ユニット、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図9では、電子写真感光体ユニットと、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
本発明の結合方法は、電子写真感光体ユニットとしてだけでなく、様々な円筒状電子写真部材の円筒状基体に応用できる。
本発明の製造方法により製造された電子写真感光体ユニットは振れ精度が高いため、電子写真装置に装着した場合に外周が振れることなく回転し、また、現像時、転写時において、画像ムラ、画像ズレがなく良好な出力画像が得られる。
本発明の製造方法により製造された電子写真感光体(電子写真感光体ユニット)は、特に高い精度が要求されるカラー電子写真装置にも好適に用いられる。
カラー電子写真装置には様々な方式があり、例えば、1つの電子写真感光体で露光・現像を1色ずつ順次行い、各色のトナー像を中間転写体(中間転写ドラム・中間転写ベルトなど)上に順次一次転写した後、これを転写材上に一括して二次転写することでカラー画像を形成する中間転写方式や、直列に配置された各色用の画像形成部(電子写真感光体・露光手段・現像手段・転写手段などを有する)において各色のトナー像をそれぞれ形成し、これらを転写材搬送部材(転写材搬送ベルトなど)によって各画像形成部に順次搬送される転写材上に順次転写することでカラー画像を形成するインライン方式や、1つの電子写真感光体で露光・現像を1色ずつ順次行い、各色のトナー像を転写材担持部材(転写ドラムなど)に担持された転写材(紙など)上に順次転写することでカラー画像を形成する多重転写方式などが挙げられる。転写部材としては弾性部材を使用する例も挙げられる。
以下、カラー電子写真装置の一例として、インライン方式のカラー電子写真装置を挙げて説明する。なお、以下の説明において、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の例を挙げたが、本発明における「カラー」とは、4色(いわゆるフルカラー)に限定されるものではなく、多色、すなわち2種以上の色である。
図10に、インライン方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す。インライン方式の場合、転写手段は主に転写材搬送部材、転写部材から構成される。
図10において、1Y、1M、1C、1Kは円筒状の電子写真感光体(第1色〜第4色用電子写真感光体)であり、それぞれ軸2Y、2M、2C、2Kを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの端部には、それぞれ、軸または軸受部を有する端部係合部材(ギアやフランジなど)が係合されており(不図示)、電子写真感光体1Yおよび端部係合部材で第1色用電子写真感光体ユニットを構成しており、電子写真感光体1Mおよび端部係合部材で第2色用電子写真感光体ユニットを構成しており、電子写真感光体1Cおよび端部係合部材で第3色用電子写真感光体ユニットを構成しており、電子写真感光体1Kおよび端部係合部材で第4色用電子写真感光体ユニットを構成している。
回転駆動される第1色用電子写真感光体1Yの表面は、第1色用帯電手段(第1色用一次帯電手段:帯電ローラーなど)3Yにより、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4Yを受ける。露光光4Yは、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして第1色用電子写真感光体1Yの表面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(イエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。
張架ローラー12によって張架された転写材搬送部材(転写材搬送ベルト)14は、矢印方向に第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kとほぼ同じ周速度(例えば第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの周速度に対して97〜103%)で回転駆動される。また、転写材供給手段(不図示)から給送された転写材(紙など)Pは、転写材搬送部材14に静電的に担持(吸着)され、第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kと転写材搬送部材との間(当接部)に順次搬送される。
第1色用電子写真感光体1Yの表面に形成された第1色成分静電潜像は、第1色用現像手段5Yの現像剤担持体に担持された現像剤に含まれる第1色トナーにより現像されて第1色トナー像(イエロートナー像)となる。次いで、第1色用電子写真感光体1Yの表面に形成担持されている第1色トナー像が、第1色用転写部材(第1色用転写ローラー)6Yからの転写バイアスによって、第1色用電子写真感光体1Yと第1色用転写部材6Yとの間を通過する転写材搬送部材14に担持された転写材Pに順次転写されていく。
第1色トナー像転写後の第1色用電子写真感光体1Yの表面は、第1色用クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7Yによって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化された後、繰り返し第1色トナー像形成に使用される。
第1色用電子写真感光体1Y、第1色用帯電手段3Y、第1色用露光手段、第1色用現像手段5Y、第1色用転写部材6Yをまとめて第1色用画像形成部と称する。
第2色用電子写真感光体1M、第2色用帯電手段3M、第2色用露光手段、第2色用現像手段5M、第2色用転写部材6Mを有する第2色用画像形成部、第3色用電子写真感光体1C、第3色用帯電手段3C、第3色用露光手段、第3色用現像手段5C、第3色用転写部材6Cを有する第3色用画像形成部、第4色用電子写真感光体1K、第4色用帯電手段3K、第4色用露光手段、第4色用現像手段5K、第4色用転写部材6Kを有する第4色用画像形成部の動作は、第1色用画像形成部の動作と同様であり、転写材搬送部材14に担持され、第1色トナー像が転写された転写材Pに、第2色トナー像(マゼンタトナー像)、第3色トナー像(シアントナー像)、第4色トナー像(ブラックトナー像)が順次転写されていく。こうして転写材搬送部材14に担持された転写材Pに目的のカラー画像に対応した合成トナー像が形成される。
合成トナー像が形成された転写材Pは、転写材搬送部材14の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
また、第1色〜第4色用クリーニング手段7Y、7M、7C、7Kによる転写残りの現像剤(トナー)除去後の第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面を、前露光手段からの前露光光により除電処理してもよいが、図7に示すように、第1色〜第4色用帯電手段3Y、3M、3C、3Kが帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
なお、図10中、15は転写材搬送部材に転写材を吸着させるための吸着ローラーであり、16は転写材搬送部材から転写材を分離するための分離帯電器である。
また、図10に示される構成のカラー電子写真装置においても、図9に示される構成の電子写真装置と同様、電子写真感光体ユニット、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、実施例中の精度測定公差の定義はJIS−B0021、JIS−B0621による。
(実施例1)
押出し引抜き加工により製造された中空パイプ(アルミニウム合金JIS−A6063)を切断して外径60.4mm、内径57.0mm、長さ344mmの円筒状部材(素管)を1000本得た。円筒状部材(素管)の内周真円度および外周真円度は、ともに平均で15μm、最大30μmの正規分布であった。
次に、図8の構成のNC両端加工装置(商品名:(株)エグロ製 SD―500)を用いて端部面、内径拡大部を設ける加工を行なった。円筒状部材103はコレットチャック(開きヤトイ)方式の円筒状部材保持手段801、802により図8のように内周で保持される。次に回転手段803により回転軸804、保持手段801、802を介して、円筒状部材103を回転させる。円筒状部材両端面205を端面加工切削バイト805で切削加工して、全長を340mmに、円筒状部材103外径円筒面に対する端面直角度20μm以内に仕上げた。
さらに内径拡大部加工用切削バイト806にて円筒体状部材103の円筒状基体端部内側214を切削加工し内径拡大部501を設けた。端部面加工、内径拡大部加工はまず初めに、R0.2の焼結ダイヤモンド製バイトで荒切削を行ない次に、R4の焼結ダイヤモンド製バイトで切り込み量0.03mmとして仕上げ加工を行った。
第1内径拡大部の幅L3は15mm
第2内径拡大部の幅L4は 4mm
第1内径拡大部の直径Aは57.40mm
第2内径拡大部の中央側の直径Bは、円筒部材内径と同等の57.00mm
(L4×2)/(A−B)=20
とした。
第1内径拡大部の内径は直径Aは57.40mmで一定とした。第1内径拡大部と第2内径拡大部の境界は滑らかであり目視と表面粗さ計で確認した結果段差、バリはみられなかった。第2内径拡大部は第1内径拡大部よりの内径の変化は一定の円錐形状とした。第2内径拡大部の円筒体軸方向中央よりの端はそのまま円筒部材加工なしの内周につながり、その境目は滑らかであり表面粗さ計で確認した結果段差、バリはみられなかった。
端部面、内径拡大部面の表面粗さRmaxは0.7μmであった。表面粗さは(株)小坂研究所製表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用いて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定した。内径拡大部面の内周の真円度は10μmであった。測定は真円度計(ミツトヨ株式会社製ラウンドテスト、RA−H5000)にておこなった。
次に、旋盤加工装置(商品名:RL−550EX、エグロ(株)製)を用いて、上記円筒状部材(素管)の外周面を切削加工した。加工条件としては、円筒状部材保持部材のクランプ面はテーパー形状であり、円筒状部材(素管)の回転速度が4000rpmであり、円筒状部材(素管)1回転あたりの送りピッチが0.08mm/revである。
まず初めに、R0.2の焼結ダイヤモンド製バイトで切り込み量0.2mmとして荒切削を行った。次に、R8の焼結ダイヤモンド製バイトで切り込み量0.03mmとして仕上げ加工を行った。切削後の外径は59.94mmであった。
円筒状基体外周の表面粗さRmaxは0.5μm、表面粗さは(株)小坂研究所製表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用いて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定した。円筒状基体外周の円筒度は円筒状基体中央155mmの範囲で15μm以内であった。測定は真円度計(ミツトヨ株式会社製ラウンドテスト、RA−H5000)にておこなった。
次に、導電性処理酸化チタン140部、ポリウレタン樹脂60部、メタノール400部、メトキシプロパノール220部を、直径1mmのガラスビ−ズを用いたサンドミルにて120分分散して、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、円筒状基体上に浸漬塗布した結果、膜厚が14μmの導電層を形成したが、内面に下端より40mmまで不要な塗料が付着していた。そこで図6剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401は、フッ素樹脂製(ポリテトラフルオロエチレン:JIS K 6253準拠のタイプAデュロメータ(アスカーA型)測定でゴム硬度70ポイント、厚さ3mm:日本バルカー工業株式会社製)を用いた。
剥離ブレ−ド401は回転手段402、回転伝達手段(モータ―403、ベルト404、回転軸405)を介して剥離ブレ−ド401を円筒状基体103内面504、第1内径拡大部502,第2内径拡大部503に接触して回転するように構成した。このとき剥離ブレ−ドは円筒状基体内面に隙間なく、接触していた。さらに前記の剥離ブレ−ドで1000本の円筒状基体の内面に付着した塗料を剥離したが摩擦、剥離液により劣化はなかった。剥離ブレ−ド401にはノズル406より剥離液407が供給され、付着した塗料を溶かすとともに、掻き落とされた塗料を洗い流す働きをしている。剥離液407としては、水道水を用いた。回転軸405は中空でポンプ408を介して剥離液タンク409より剥離液407が供給される。剥離液407は受け皿410に集められ剥離液タンク409に戻る。本発明の形状の第1内径拡大部502と第2内径拡大部503を有する円筒状基体では剥離ブレ−ド401が円筒状基体内面にあたり1000本の内面に付着した塗料を剥離したが塗料残留は見られなかった。剥離後150℃で30分間熱硬化して、膜厚が13μmの導電層を形成した。
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミラン(登録商標)CM8000、東レ(株)製)100部、および、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)100部を、メタノール3000部/n−ブタノール2500部の混合溶媒で溶解して、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を、導電層上に浸漬塗布し、膜厚が0.7μmの中間層を形成したが、内面に下端より35mmまで不要な塗料が付着していた。そこで導電層同様図5の剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401はフッ素ゴム製(ダイキン工業株式会社製)(JIS K 6253準拠のタイプAデュロメータ(アスカーA型)測定でゴム硬度60ポイント)、厚さ1mmを用いた。剥離液はイソプロパノ−ルを用いた。剥離後100℃で10分間熱風乾燥して、膜厚が0.65μmの中間層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアゾ顔料(電荷発生物質)100部、
Figure 2009063746
ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)BX−1、積水化学工業(株)製)50部、および、シクロヘキサノン700部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で8時間分散し、次に、テトロヒドロフラン1000部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、前記中間層上に浸漬塗布し、膜厚が0.21μmの電荷発生層を形成したが、内面に下端より25mmまで不要な塗料が付着していた。そこで導電層同様図5剥離の装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401としてはリン青銅製の金属板(厚さ0.2mm)を用いた。剥離液としてはシクロヘキサノンを用いた。剥離後90℃で10分間乾燥して、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物(電荷輸送物質)100部、
Figure 2009063746
下記式で示される構造を有するアミン化合物(電荷輸送物質)20部、
Figure 2009063746
および、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロン(登録商標)Z−200、三菱ガス化学(株)製)100部を、モノクロロベンゼン800部/ジメトキシメタン200部の混合溶媒で溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成したが、内面に下端より20mmまで不要な塗料が付着していた。そこで導電層同様図6の剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401(フッ素樹脂をコ−ティングステンレス板製厚さ0.6mm)を用いた。剥離液はモノクロロベンゼンを用いた。剥離後130℃で1時間乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、電荷輸送層が表面層である円筒状の電子写真感光体102を作製した。
次に、成型加工により作製したポリカーボネート(ユーピロン、三菱ガス化学株式会社)製の端部係合部材(図5Bのように軸部107を有する)を製造した。さらに、端部係合部材結合部202と軸部107を旋盤装置にて工程途中で保持を外すことなく連続した工程により切削加工することにより図5Bのように端部係合部材結合部202の外周中心線211と軸部107の中心線207の同軸度が5μm以下、結合部201の長さL2が12mm、結合部201の外径Cが57.50mmの端部係合部材を得た。
端部係合部材を上述のとおり作製した電子写真感光体102の両端部に装着し、シアノアクリレート系接着剤(商品名:アロンアルファ(登録商標)、東亞合成株式会社製)を用いて固定し、電子写真感光体ユニットとした。
電子写真感光体ドラムユニットの両端部計2つの軸部がすき間無く嵌まるような軸受けを作製し、これに加工後の電子写真感光体ユニット受けて、これで組み立て後の電子写真感光体ユニットを支持し、レーザー振れ測定機を用いて精度測定した。用いたレーザー振れ測定機は、真直度3μm以下の基準ゲージと円筒状部材外周面との距離を分解能1μmで測定するレーザー測長機((株)シンコウ製)であり、電子写真感光体ユニットを母線方向に10点、周方向に10点計100点の電子写真感光体ユニットの表面変位を測定し、データ処理により円筒振回り精度を算出するものである。円筒振回り精度は電子写真感光体ユニットの軸を基準とし、電子写真感光体ユニットの表面との距離の最大値より最小値を引いたものである。
作製した計1000本の電子写真感光体ユニットを、円筒状部材の両端部より20mm部分を除いた300mm部分の外周面振れ円筒振れ回り精度を測定し、1000本の電子写真感光体ユニットの平均値を表1に示す。測定値が40μm以下のものを良品とした場合の収率を表1に示す。
また、このようにして作製した電子写真感光体ユニットを、インライン方式のカラー複写機(商品名:カラーレーザーコピア(登録商標)5000、キヤノン(株)製)に装着して画像を出力し、色ズレ、ハーフトーン画像ムラの評価を行った。ハーフトーン画像は有効線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向にそれぞれ走査したものを使用した。
出力画像を評価したところ、色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。
(実施例2〜9)
実施例1において、内径拡大部形状、端部係合部材を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例2〜9の端部内径拡大部は(L4×2)/(A-B)が5以上であり何れの実施例でも収率は90%以上である。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、90%以上での製品で色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。収率は90%以上で生産に適するとすれば、生産に適する条件である。
(実施例10〜11)
実施例1において、内径拡大部形状、端部係合部材を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例10〜11の端部内径拡大部は(L4×2)/(A-B)が5以下であるが何れの実施例でも収率は80〜90%である。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、80〜90%の製品で色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。実施例1〜9より収率が低下しているが80%以上で生産可能とすれば、生産可能な条件である。
(比較例1〜2)
実施例1において、内径拡大部形状、端部係合部材を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、50%以上の電子写真感光体ドラムユニットで色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていた。生産に不適な条件である。
(比較例3〜4)
実施例1において、端部内径拡大部の形状を上述の特開平11−160901号公報(特許文献2)に記載の方法(本発明における第2内径拡大部の長さが0であるものと考えることができる。)を採用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。50%以上の電子写真感光体ドラムユニットで色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていた。生産に不適な条件である。
色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていた電子写真感光体ドラムユニットの端部係合部材をはずして端部内径拡大部を観察した結果塗料が付着していた。
(比較例5)
実施例1において、端部内径拡大部の形状を上述の特開平11−160901号公報(特許文献2)に記載の方法を採用し、特開2005−352280号公報(特許文献6)のようにブラシを用いた剥離方法にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。始めの500本は良好であったが、後半の500本は不良が多かった。電子写真感光体ドラムユニットの振れが大きいものの端部係合部材をはずして端部内径拡大部をはずして観察した結果塗料が付着していた。1,000本終了後、ブラシを観察するとブラシの約半数が抜け落ちていた。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
押出し引抜き加工により製造された中空パイプ(アルミニウム合金JIS−A3003)を切断して外径30.90mm、内径28.5mm、長さ372mmの円筒状部材(素管)を1000本得た。円筒状部材(素管)の内周真円度および外周真円度は、ともに平均で15μm、最大30μmの正規分布であった。
次に、図7の構成の両端加工装置(商品名:BS―300株式会社エグロ製)を用いて端部面、内径拡大部設ける加工を行なった。円筒状部材103は円筒状部材保持手段701により外周を半径方向に押圧されることにより保持される。次に回転手段702により回転伝達手段703、保持手段701を介して、円筒状部材103を回転させる。円筒状部材両端面205を端面加工切削バイト704で加工して全長を370mm、端面直角度を20μm以下に仕上げた。
さらに内径拡大部加工用切削バイト705にて円筒体状部材103の円筒状基体端部内側204を切削加工し内径拡大部501を設けた。端部面加工、内径拡大部加工はまず初めに、R0.2の焼結ダイヤモンド製バイトで荒切削を行ない次に、R4の焼結ダイヤモンド製バイトで切り込み量0.03mmとして仕上げ加工を行った。保持手段この一連の端部加工は、円筒状部材(素管)を保持したまま連続して行った。
第1内径拡大部の幅L3は12mm
第2内径拡大部の幅L4は 4mm
第1内径拡大部の直径Aは28.70mm
第2内径拡大部の中央側の直径Bは、円筒部材内径と同等の28.50mm
(L4×2)/(A−B)=40
とした。
第1内径拡大部の内径は一定とした。第1内径拡大部と第2内径拡大部の境界は滑らかであり表面粗さ計で確認した結果段差、バリはみられなかった。第2内径拡大部は第1内径拡大部よりの内径の変化は一定の円錐形状とした。第2内径拡大部中央よりの端はそのまま円筒部材加工なしの内周につながり、その境目は滑らかであり表面粗さ計で確認した結果段差、バリはみられなかった。
端部面、内径拡大部面の表面粗さRmaxは0.7μmであった。表面粗さRmaxは(株)小坂研究所製、表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用いて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定した。内径拡大部面の真円度は10μmであった。測定は真円度計(ミツトヨ株式会社製、ラウンドテスト、RA−H5000)にておこなった。
次に、旋盤加工装置(商品名:RL−550EX、エグロ(株)製)を用いて、上記円筒状部材(素管)の外周面を切削加工した。
このようにして得られた円筒状部材を電子写真感光体用円筒状基体として用いた。
得られた円筒状基体は、外径30.52mm長さ370.0mm、表面は切削で表面粗さRmaxは0.9μmであった。
次に、SnO2コート処理硫酸バリウム100部、酸化チタン40部、フェノール樹脂60部、メタノール400部、メトキシプロパノール220部を、直径1mmのガラスビ−ズを用いたサンドミルにて120分分散して、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、円筒状基体上に浸漬塗布した結果、膜厚が16μmの導電層を形成したが、内面に下端より30mmまで不要な塗料が付着していた。そこで図6剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401はフッ素樹脂製(ポリテトラフルオロエチレン、JIS K6253準拠のタイプAデュロメータ(アスカーA型)測定でゴム硬度80ポイント)、厚さ2mm:日本バルカー工業株式会社製)を用いた。
剥離装置は実施例1と同様の構成とした。このとき剥離ブレ−ドは円筒状基体内面に隙間なく、接触していた。さらに前記の剥離ブレ−ドで1000本の円筒状基体の内面に付着した塗料を剥離したが摩擦、剥離液により劣化はなかった。剥離ブレ−ド401にはノズル406より剥離液407が供給され、付着した塗料を溶かすとともに、掻き落とされた塗料を洗い流す働きをしている。剥離液407としては、nプロパノ−ルを用いた。回転軸405は中空でポンプ408を介して剥離液タンク409より剥離液407が供給される。剥離液407は受け皿410に集められ剥離液タンク409に戻る。本発明の形状の第1内径拡大部502と第2内径拡大部503を有する円筒状基体では剥離ブレ−ド401が均一に円筒状基体内面にあたり1000本の内面に付着した塗料を剥離したが塗料残留は見られなかった。さらに剥離後150℃で30分間熱硬化して、膜厚が13μmの導電層を形成した。
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)100部、および、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)100部を、メタノール3000部/n−ブタノール2500部の混合溶媒で溶解して、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を、導電層上に浸漬塗布し、膜厚が0.6μmの中間層を形成したが、内面に下端より35mmまで不要な塗料が付着していた。そこで導電層同様図5剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401はフッ素ゴム製(JIS K 6253準拠のタイプAデュロメータ(アスカーA型)測定でゴム硬度90ポイント)、厚さ2.5mm(ダイキン工業株式会社製)を用いた。剥離液はn−ブタノールを用いた。剥離後100℃で10分間熱風乾燥して、膜厚が0.55μmの中間層を形成した。
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン65部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BL−S、積水化学工業(株)製)30部およびシクロヘキサノン500部からなる溶液を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で5時間分散し、次に、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、前記中間層上に浸漬塗布し、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成したが、内面に下端より20mmまで不要な塗料が付着していた。そこで導電層同様図5剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401として先端に(フッ素樹脂製(ポリテトラフルオロエチレン)板を取り付けた、リン青銅等の金属板(厚さ0.5mm)を用いた。剥離液としてはシクロヘキサノンを用いた。剥離後90℃で10分間乾燥して、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物(電荷輸送物質)100部、
Figure 2009063746
下記式で示される構造を有するアミン化合物(電荷輸送物質)20部、
Figure 2009063746
および、ポリアリレ−ト樹脂(商品名:Uポリマー(登録商標) 分子量Mw1.2×105(株)ユニチカ製)100部を、モノクロロベンゼン800部/ジメトキシメタン200部の混合溶媒で溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成したが、内面に下端より25mmまで不要な塗料が付着していた。そこで導電層同様図6の剥離装置にて下端部に付着した塗料を剥離した。円筒状基体内面に接触して付着した塗料を掻き落とすための剥離ブレ−ド401(フッ素樹脂をコ−ティングステンレス板製厚さ0.7mm)を用いた。剥離液はモノクロロベンゼンを用いた。剥離後130℃で1時間乾燥して、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、電荷輸送層が表面層である円筒状の電子写真感光体を作製した。
次に、成型加工により作製したポリアセタ−ル樹脂(ジュラコンM90S:ポリプラスチックス株式会社製)製の端部係合部材(図5Cのように軸受部505を有する)を製造した。さらに、端部係合部材結合部202と軸受部505を旋盤装置にて工程途中で保持を外すことなく連続した工程により切削加工することにより図5Cのように端部係合部材結合部202の外周中心線211と軸受部505の中心線506の同軸度が5μ以下、結合部201の長さL2が10mm、結合部201の外径Cが28.800mmの端部係合部材を得た。
端部係合部材を上述のとおり作製した電子写真感光体の両端部に装着し、シアノアクリレート系接着剤(商品名:アロンアルファ、東亞合成(株)製)を用いて固定し、電子写真感光体ユニットとした。
両端部計2つの軸受部の内径にすきま無く嵌まるように作製した貫通軸を作製し、これを加工後の電子写真感光体ユニットに貫通させて、この電子写真感光体ユニットを支持し、レーザー振れ測定機を用いて円筒振回り精度を測定した。用いたレーザー振れ測定機は、真直度3μm以下の基準ゲージと円筒状部材外周面との距離を分解能1μmで測定するレーザー測長機((株)シンコウ製)であり、電子写真感光体ユニットを母線方向に10点、周方向に10点計100点の電子写真感光体ユニットの表面変位を測定し、データ処理により円筒振回り精度を算出するものである。作製した計1000本の電子写真感光体ユニットを、円筒状部材の両端部より20mm部分を除いた330mm部分の外周面振れ円筒振れ回り精度を測定し、1000本の電子写真感光体ユニットの平均値を表2に示す。測定値が40μm以下のものを良品とした場合の収率を表2に示す。
また、このようにして作製した電子写真感光体ユニットを、インライン方式のカラー複写機(商品名:iRC3200N5000、キヤノン(株)製)に装着して画像を出力し、色ズレ、ハーフトーン画像ムラの評価を行った。ハーフトーン画像は有効線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向にそれぞれ走査したものを使用した。出力画像を評価したところ、色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。
(実施例13〜20)
実施例12において、内径拡大部形状、端部係合部材を表2のものに変更した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表2に示す。実施例13〜20の端部内径拡大部は(L4×2)/(A-B)が5以上であり何れの実施例でも収率は90%以上である。実施例12と同様にして出力画像を評価したところ、90%以上での製品で色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。収率は90%以上で生産に適するとすれば、生産に適する条件である。
(実施例21〜22)
実施例12において、内径拡大部形状、端部係合部材を表2のものに変更した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表2に示す。実施例21〜22の端部内径拡大部は(L4×2)/(A-B)が5以下であるが何れの実施例でも収率は80〜90%である。実施例12と同様にして出力画像を評価したところ、80〜90%の製品で色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。実施例12〜20より収率が低下しているが80%以上で生産可能とすれば、生産可能な条件である。
(比較例6〜7)
実施例12において、内径拡大部形状、端部係合部材を表2のものに変更した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表2に示す。実施例12と同様にして出力画像を評価したところ、50%以上の電子写真感光体ドラムユニットで色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていた。生産に不適な条件である。
(比較例8〜9)
実施例12において、端部内径拡大部の形状を上述の特開平11−160901号公報(特許文献2)に記載の方法(本発明における第2内径拡大部の長さが0であるものと考えることができる。)を採用し、端部係合部材を表2のものにした以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表2に示す。50%以上の電子写真感光体ドラムユニットで色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていた。生産に不適な条件である。
色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていた電子写真感光体ドラムユニットの端部係合部材をはずして端部内径拡大部を観察した結果塗料が付着していた。
(比較例10)
実施例12において、端部内径拡大部の形状を上述の特開平11−160901号公報(特許文献2)に記載の方法を採用し、特開2005−352280号公報(特許文献6)のようにブラシを用いた剥離方法にした以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。始めの500本は良好であったが、後半の500本は不良が多かった。電子写真感光体ドラムユニットの振れが大きいものの端部係合部材をはずして端部内径拡大部をはずして観察した結果塗料が付着していた。1,000本終了後、ブラシを観察するとブラシの約半数が抜け落ちていた。評価結果を表2に示す。
Figure 2009063746
Figure 2009063746
本発明の電子写真感光体ドラムユニットの構成に関する図である。 (2-1) 従来の電子写真感光体ドラム、および端部係合部材構成の例に関する図である(結合前参考文献1)。(2-2) 従来の電子写真感光体ドラム、および端部係合部材構成の例に関する図である(結合前参考文献7) 従来の電子写真感光体ドラム、および端部係合部材構成の例に関する図である(結合後) 従来の円筒状基体端部の端部塗料剥離方法を示す図である。 本発明の内径拡大部の形状を説明する図である。 本発明の剥離工程を説明する図である。 本発明の端部加工方法の例を説明する図である。(内径保持) 本発明の端部加工方法の例を説明する図である。(外径保持) プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 インライン方式カラー電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
101 電子写真感光体ドラムユニット
102 電子写真感光体ドラム
103 円筒状基体(円筒部材)
104 係合部材(左)
105 係合部材(右)
106 軸部(左)
107 軸部(右)
108 軸中心
109 偏心した軸中心
110 電子写真感光体ドラム(円筒状基体)外周面
111 現像手段
201 電子写真感光体ドラム(円筒状基体)端部内側
202 端部係合部材結合部
203 端部係合部材連結部
204 端部係合部材外径拡大部
205 電子写真感光体ドラム(円筒状基体)端部面
206 電子写真感光体ドラム(円筒状基体)に対する結合部の挿入深さ
207 軸部107の中心線
208 ツバ205の結合部側面
209 電子写真感光体ドラム(円筒状基体)の円筒面110の中心線
210 電子写真感光体ドラム(円筒状基体)端部内周の中心線
211 端部係合部材結合部202の中心線
212 内径拡大部
213 内径拡大部段差
214 未加工の内周部
215 円弧状の内径拡大部面
401 剥離部材401
402 剥離部材保持手段
403 剥離部材回転手段
404 回転伝達手段
405 回転軸
406 剥離液ノズル
407 剥離液
408 剥離液ポンプ
409 剥離液タンク
410 剥離液受け皿
501 端部内径拡大部(全体)
502 第1端部内径拡大部
503 第2端部内径拡大部
504 段差のない部分(内径拡大部加工を行なっていない部分)
505 軸受孔部
506 軸受孔部505の中心線
601 剥離部材(剥離工程で内面に当接する弾性部材)
701 円筒状部材保持手段
702 回転手段
703 回転伝達手段
704 端面加工切削バイト
705 内径拡大部加工用切削バイト
706 内径拡大部加工用切削バイト保持手段
801 円筒状部材保持手段
802 円筒状部材保持手段
803 回転手段
804 回転軸、
805 端面加工切削バイト
806 内径拡大部加工用切削バイト
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
1Y 電子写真感光体
1M 電子写真感光体
1C 電子写真感光体
1K 電子写真感光体
2Y 軸
2M 軸
2C 軸
2K 軸
3Y 帯電手段
3M 帯電手段
3C 帯電手段
3K 帯電手段
4Y 露光光
4M 露光光
4C 露光光
4K 露光光
5Y 現像手段
5M 現像手段
5C 現像手段
5K 現像手段
6Y 転写部材
6M 転写部材
6C 転写部材
6K 転写部材
7Y クリーニング手段
7M クリーニング手段
7C クリーニング手段
7K クリーニング手段
12 張架ローラー
14 転写材搬送部材
15 吸着ローラー
16 分離帯電器

Claims (5)

  1. 円筒状基体に端部内径拡大部を設ける加工を行なう第1の工程と、
    前記円筒状基体に塗料を塗布する第2の工程と、
    塗料を塗布された円筒状基体の内周部に弾性部材ブレ−ドを接触させて円筒状基体内面に付着した塗料を取り除く第3の工程と、
    下記1式が成立つように、付着した塗料が取り除かれた長さL3の円筒状基体端部内径拡大部に長さL2の端部係合部材結合部を挿入結合する第4の工程と、
    L2≦L3 1式
    第1の工程より第4の工程を含み、かつ第1の工程が最も前の工程で、第1の工程のあと第2,第3の工程を順に行なう工程を含み、第4の工程が最も後の工程となるような工程を順に行なうことにより製造される電子写真感光体の製造方法において、
    前記円筒状基体の内周部の形状が少なくとも一つの端部側で
    長さL3に渡って内径が一定で段差を有しない第1内径拡大部、
    長さL4に渡って円筒状基体軸方向中央側に向かって連続して内径が減少し、かつ段差がない第2内径拡大部、
    段差がない部分、
    前記第1内径拡大部、前記第2内径拡大部、前記段差がない部分の部分を有し、かつ前記第1内径拡大部の部分、前記第2内径拡大部の部分、前記段差がない部分が端部より順に連続して存在し、
    前記第2内径拡大部の端部側内径がA、中央部側の内径がBであるとき、A、B、L4の間に下記2式が成立する円筒状基体を用いること特徴とする電子写真感光体ドラムユニットの製造方法。
    (L4×2)/(A−B)≧2 2式
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体ドラムユニットの製造方法において、下記3式が成立する円筒状基体を用いること特徴とする電子写真感光体ドラムユニットの製造方法。
    (L4×2)/(A−B)≧5 3式
  3. 請求項1、又は請求項2項記載の製造方法により作成された電子写真感光体ドラムユニット。
  4. 少なくとも請求項1、請求項2のいずれか一項記載の製造方法により製造された電子写真感光体ユニットを有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
  5. 電子写真感光体ドラムユニット、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置において、請求項3に記載の電子写真感光体ドラムユニットを有することを特徴とする電子写真装置。
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