JP2003167361A - 電子写真感光体用円筒状基体の製造方法、電子写真感光体用円筒状基体、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体用円筒状基体の製造方法、電子写真感光体用円筒状基体、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003167361A
JP2003167361A JP2001366390A JP2001366390A JP2003167361A JP 2003167361 A JP2003167361 A JP 2003167361A JP 2001366390 A JP2001366390 A JP 2001366390A JP 2001366390 A JP2001366390 A JP 2001366390A JP 2003167361 A JP2003167361 A JP 2003167361A
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cylindrical
electrophotographic
cylindrical base
base substance
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JP2001366390A
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English (en)
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Kageyuki Tomoyose
景之 友寄
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、寸法精度の良い電子写真感
光体用円筒状基体の製造方法を提供することであり、製
造方法により作製された電子写真感光体用円筒状基体、
電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成装
置及びプロセスカートリッジを提供することである。 【解決手段】 円筒状基体の内面をインロー加工した
後、該円筒状基体表面を切削する電子写真感光体用円筒
状基体の製造方法であって、前記インロー加工する際
に、該円筒状基体の内径に保持部材を挿入押圧し、且つ
内部より把持した円筒状基体を、外径基準でインロー加
工した後、円筒状基体の両端を把持手段で把持して、イ
ンロー加工部の内径基準で基体表面の切削加工を行うこ
とを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体用円筒
状基体の製造方法、電子写真感光体用円筒状基体、電子
写真感光体(以下、単に感光体とも云う)、該電子写真
感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の画像形成方法はデ
ジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成が主
流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方法は4
00dpi(1インチ=2.54cm当たりのドット
数)等の1画素の小さなドット画像を顕像化することを
基本としており、これらの小さなドット画像を忠実に再
現する高画質技術が要求されている。特に、近年では複
写機の小型化、高解像度化、フルカラー化の要望やプリ
ンターの場合は解像度の向上が強まっており、高解像度
などの高精度の要求される場合には、より一層の高画質
技術が要求されている。
【0003】かかる問題を解決するために、電子写真画
像形成装置を構成するプロセス手段の精度を向上させる
ことが重要になる。特に、感光体表面と現像器、転写
器、クリーナなどとの間の位置関係をより厳密に構成す
ることが要求されている。これらの位置規定が本来の位
置からずれると、以下に示すような画像欠陥が発生しや
すい。
【0004】即ち、 感光体と露光器の位置ズレはレーザ光の露光焦点が甘
くなり、解像度低下の原因となる。
【0005】感光体と現像器の位置(Dsd)の位置
ズレは、カブリの発生、画像濃度の低下、解像度の低下
の原因となる。
【0006】感光体と転写装置の位置ズレは転写画像
にかすれやつぶれ等といった画質低下の原因となる。
【0007】感光体とクリーニングブレードの位置ズ
レはブレード圧の変化を伴い、クリーニング不良や、感
光体の耐久性の劣化の原因となる。
【0008】上記の如く、感光体とその周辺の画像形成
部材の位置関係のズレは電子写真画像の画質に大きな影
響をもたらし、この位置関係を決定する要因の1つが感
光体の位置精度であることは想像に難くないことがわか
る。そして、感光体を円筒状基体を用いて作製する場合
は該円筒状基体の円筒度がこれらの位置関係の精度を規
定する重要な因子であることが判明した。
【0009】しかしながら、円筒状基体の円筒度の精度
を保証する加工方法についての技術開発は尚十分とはい
えない。
【0010】一方、電子写真感光体用の円筒状基体はア
ルミ又はアルミ合金を用いたものが一般に用いられてい
る。該円筒状基体は、生産コストの低減から引き抜き加
工等の塑性加工のまま、旋削加工等による外径加工又は
内径加工を施さずに使用される場合もあるが、塑性加工
による円筒状基体は前記円筒度の寸法精度が十分でな
く、しばしば画像劣化の原因となる。又、レーザー露光
等の像露光を行う画像形成装置では、基体からの反射光
による干渉じま(モアレ)を防止する為にも、基体表面
を一定に効率よく旋削加工することが好ましい。
【0011】しかしながら、これまで塑性加工後の円筒
状基体を寸法精度の良い円筒度をもつ円筒状基体に仕上
げる表面加工方法が十分に開発されていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題を解決し、寸法精度の良い電子写真感光体用円筒状基
体の製造方法を提供することであり、製造方法により作
製された電子写真感光体用円筒状基体、電子写真感光
体、該電子写真感光体を用いた画像形成装置及びプロセ
スカートリッジを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
を解決するために検討を重ねた結果、以下の構成のいず
れかをとることにより本発明の目的を達成出来ることを
見出した。
【0014】即ち、 1.円筒状基体の内面をインロー加工した後、該円筒状
基体表面を切削する電子写真感光体用円筒状基体の製造
方法であって、前記インロー加工する際に、該円筒状基
体の内径に保持部材を挿入押圧し、且つ内部より把持し
た円筒状基体を、外径基準でインロー加工した後、円筒
状基体の両端を把持手段で把持して、インロー加工部の
内径基準で基体表面の切削加工を行うことを特徴とする
電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
【0015】2.前記保持部材が剛性部材であることを
特徴とする前記1に記載の電子写真感光体用円筒状基体
の製造方法。
【0016】3.前記保持部材が弾性部材であることを
特徴とする前記1に記載の電子写真感光体用円筒状基体
の製造方法。
【0017】4.前記基体内径に挿入押圧された保持部
材の長さをD(mm)、円筒状基体全長をL(mm)、
インロー長をd(mm)とすると、 1/2×L≦D≦L−2d であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記
載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
【0018】5.前記1〜4のいずれか1項に記載の製
造方法を用いて円筒度を5〜40μmとしたことを特徴
とする電子写真感光体用円筒状基体。
【0019】6.円筒状基体の内径に保持部材を挿入押
圧し、且つ内部より把持した円筒状基体を、外径基準で
インロー加工した後、円筒状基体の両端を把持手段で把
持して、インロー加工部の内径基準で基体表面の切削加
工を行った円筒状基体上に感光層を形成して、円筒度5
〜40μmとしたことを特徴とする電子写真感光体。
【0020】7.前記6に記載の電子写真感光体を用い
て電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装
置。
【0021】8.前記6に記載の電子写真感光体と帯電
器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少な
くとも1つを一体として有しており、画像形成装置に出
し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセスカー
トリッジ。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
円筒度とは、JIS規格(B0621−1984)によ
る。即ち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟ん
だとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置の半径の差
で表し、本発明では該半径の差をμmで表す。
【0023】本発明の円筒状基体の円筒度は5〜40μ
m、好ましくは7〜30μm、更には7〜27μmが良
い。40μmより大きいと上記〜のような悪い結果
を生じる。5μmより小さくすると、収率が悪くなりコ
スト的に不利となる。
【0024】又、本発明の電子写真感光体の円筒度も上
記と同じ範囲内にあることが好ましい。但し、電子写真
感光体の円筒度は、実質的に画像形成を行う領域の円筒
度を意味し、画像形成を行わない両端の感光層膜厚の変
動領域は除く。
【0025】本発明の円筒度の測定方法は円筒状基体の
両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等
分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定
器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を
用いた。
【0026】本発明のインロー加工とは円筒状基体の内
部を切削加工し、基体内面に段差(部材を取り付ける等
のため)等の加工面を形成する加工を意味し、例えば、
円筒状基体を回転させながら、切削バイトを当接し、送
り移動し加工する。
【0027】本発明のインロー加工は円筒状基体の両端
にフランジを取り付ける段差を形成することを主たる目
的にしているので、円筒状基体の両端に基体軸方向長さ
dmmの段差(本発明のインロー長さ)を形成する。本
発明では円筒状基体長さ(軸方向)をLmm、保持部材
の長さ(軸方向)をDmmとすると、保持部材の長さD
は下記の範囲にあることが好ましい。
【0028】1/2×L≦D<L−2d Dが1/2×Lより小さいと、インロー加工の時に、基
体両端が独楽状に振れやすく、加工精度が劣化しやす
い。DがL−2d以上になると、インロー加工部の空間
が十分でなく、加工作業が困難となる。
【0029】本発明の保持部材とはインロー加工等の円
筒状基体の加工時に、振動を抑制し、基体の形状変形を
防止するために、円筒状基体内径に挿入圧接する部材を
云う。
【0030】本発明の外径基準とは円筒状基体の外表面
円筒の中心軸を基準軸とすることを云う。
【0031】本発明のインロー加工部の内径基準とはイ
ンロー加工で形成された円筒内径の中心軸を基準軸とす
ることを云う。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明を詳
細に説明する。
【0033】図1は本発明による電子写真感光体10の
概略正面図で、円筒状基体11と、その両側開口部であ
る端部12、13に設けられたフランジ14、15から
なり、円筒状基体11の表面には感光層16が形成され
ている。また、電子写真感光体10の中心にはシャフト
17が円筒状基体11の軸Cと一致するように配設さ
れ、電子写真感光体10を回転可能なものとしている。
【0034】円筒状基体11は、アルミニウムもしくは
アルミニウム系合金などの導電性金属で形成したものが
用いられ、内部が中空の円筒状に加工されている。例え
ばアルミニウム系合金を用いた場合には、延伸加工およ
び/または切削加工を施すことで円筒状とされる。
【0035】フランジ14,15は、円筒状基体11の
両端部内面に嵌合して円筒状基体11を円柱状のものに
する円盤状とされ、その中心には孔18が形成されてい
る。また、一方のフランジ14にはその外周に歯車14
aが形成されており、電子写真感光体10の回転を制御
し得るものとしている。
【0036】シャフト17は、断面が正方形等の矩形形
状、十字状、円状等とした金属、プラスチック等を用い
た棒状のものとされ、湾曲等の変形が少ない材料が用い
られる。また、シャフト17はフランジ14、15に形
成された孔18を通って固定され、これにより電子写真
感光体10の回転を支える軸となる。
【0037】感光層16は、有機光導電体(OPC)感
光層などの光電効果を有する光導電物質からなる。
【0038】本発明は、上記円筒状基体11の円筒度を
5〜40μmに作製する製造方法に特徴がある。図2
は、本発明にかかる円筒状基体の製造工程について説明
するために(a)、(b)の工程順に示したものであ
る。まず最初に図2(a)に示すような中空円筒状の円
筒状基体11を準備する。円筒状基体11としては、例
えば延伸加工により肉厚が2mmで外径が100mmφ
としたアルミニウム合金を用いることができる。
【0039】図2(a)は基体内部に保持部材3を挿入
させ、インロー加工として切削バイトで加工している図
である。端部には内側に段差を設けるようにインロー加
工を施す。この箇所においては、外径は変わらないもの
の段差分だけ肉厚を薄くして内径を大きくした薄肉部
(インロー加工部)12a、13aが形成される。
【0040】本発明ではこのインロー加工に際して、円
筒状基体を保持部材と圧力可変手段4により、内部より
把持して、該保持部材を貫通する中心軸19の周りにモ
ーター20、21により円筒状基体を回転駆動させて、
旋削刃具22を基体内部に当接し、インロー加工を行
う。即ち、円筒状基体を内部より把持することにより、
該表面を傷つけないようにすることを特徴とする。
【0041】次に、該インロー加工された円筒状基体を
用いて該表面の切削加工を行う。即ち、図2(b)は前
記インロー加工により形成された内径を持つ円筒状基体
の両端のインロー部を握持用爪23の開閉に無摺動式開
閉チャック(藤井精密工業株式会社製、エアーバルーン
チャック、クラフトグラフィー、ダイナミックツール株
式会社製ダイアフラムチャック)24、25を用いて握
持し、インロー加工部の内径基準で基体表面を切削加工
している図である。
【0042】以上のような円筒状基体の加工方法を採用
することにより、外径円筒度が5〜40μmの電子写真
感光体用円筒状基体を作製することができる。26は切
削刃具である。
【0043】前記保持部材としては、インロー加工時の
振動を抑制し、形状を保持するために、強度の強い剛性
部材の場合が好ましい。該剛性部材としては、ステンレ
ス、真鍮等の金属やセラミックス等が良い。又、該保持
部材には接触圧力可変手段等が装備されているものが良
い。以下、該剛性部材を円筒状基体の内径に挿入押圧す
る方法について説明する。
【0044】図3(a)は保持部材3の斜視図である。
図3(b)は保持部材の圧力可変手段4を示す断面図で
ある。3−1〜3−8は各々断面が扇型をした保持部材
の部品であり、各部品が図示されていない緩い連結、例
えばバネで結合されて、保持部材全体を構成し、保持部
材の外面は円筒状基体内面に接触するよう円筒状を形成
している。保持部材の中心部は図3(b)に示すように
圧力可変手段4として、テーバーの付いた中心棒4−1
が出し入れ出来るような環を形成している。図3(b)
に示すように中心棒4−1を挿入することにより、保持
部材は外側に拡がり、円筒状基体を押圧しながら保持す
る事になる。押圧したときの圧力の調整はこの中心棒4
−1の挿入深さで調整される。
【0045】保持部材としては上記剛性部材の代わり
に、硬質ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも可
能である。
【0046】又、上記中心棒4−1は保持部材を貫通す
る中心軸19を有し、この中心軸の周りに円筒状基体を
回転駆動させてインロー加工を行う。
【0047】次に、基体を洗浄後、図4に示すように、
円筒状基体11の外側表面に感光層16を塗布形成す
る。
【0048】次に、感光層が形成された円筒状基体には
フランジ14,15が取り付けられる。フランジ14、
15は円盤状とされ、円筒状基体11の外径と略等しい
外径を有し、円筒状基体11に取り付けられて蓋となる
外側部分と、それよりも外径の小さな内側部分とからな
り、その中心には孔18が形成されている。外径の小さ
な内側部分は、その外径が前記インロー加工で形成され
た薄肉部12a,13aの内径と等しいか若しくは若干
大きなものとされている。フランジ14、15の外径の
小さな内側部分は円筒状基体11の薄肉部12a,13
aに嵌合する。これにより円筒状基体11の端部にフラ
ンジ14,15が蓋をするように固定される。このと
き、フランジ14,15を取り付けた状態において、円
筒状基体11の軸Cを中心とした円筒度が5〜40μm
であることが好ましい。なお、一方のフランジ14の外
周部分には歯車14aが形成されている。また、フラン
ジの中央部にはシャフトを固定するための孔18が設け
てある。
【0049】次に、本発明の電子写真感光体の感光体構
成について記載する。本発明の円筒状基体を用いた感光
体としてはセレンやアモルファスシリコン等を用いた無
機感光体にも適用できるが、コストや環境適性から有機
電子写真感光体(有機感光体とも云う)に適用すること
が好ましい。本発明において、有機感光体とは電子写真
感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送
機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構成
された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物
質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発
生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等
公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0050】有機感光体の層構成は、特に限定はない
が、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸
送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)
等の感光層とその上に保護層を塗設した構成をとるのが
好ましい。
【0051】円筒状基体 本発明の円筒状基体の材質としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラムが好ましい。円筒状基体としては
常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0052】中間層 本発明においては導電性円筒状基体と感光層の間に、バ
リヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0053】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0054】又本発明に最も好ましく用いられる中間層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中
間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0055】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0056】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0057】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0058】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0059】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0060】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0061】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0062】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0063】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0064】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられる。特に円
形量規制型塗布装置を用いると、下層の膜を極力溶解さ
せないため、均一塗布加工を達成でき、円筒状基体の円
筒度を維持した電子写真感光体を作製できる。前記円形
量規制型塗布については例えば特開昭58−18906
1号公報に詳細に記載されている。
【0065】次に、本発明の画像形成装置について説明
する。図5は本発明の画像形成装置の一例の断面図であ
る。
【0066】図5に於いて50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様
な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器5
2による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴
をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部
51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0067】感光体への一様帯電の後、像露光手段とし
ての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行
われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダ
イオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー5
31、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路
を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、
静電潜像が形成される。
【0068】ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電
器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行
われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を
現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法であ
る。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加され
る現像バイアス電位により現像されない。
【0069】その静電潜像は次いで現像手段としての現
像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナ
ーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が
設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して
回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、
搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は
攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供
給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現
像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及
び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜2
00mg/cm2の範囲である。
【0070】現像剤は、例えば前述のフェライトをコア
としてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャ
リアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料として
カーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低
分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸
化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤
は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと
搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム
50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に
応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。ま
た、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態
で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547
を図5のように現像位置上部に設けて行う。
【0071】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0072】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転
写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して
転写される。
【0073】次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除
電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定
着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラ
ー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排
紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前
記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後
感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー
像の形成に備える。図5では転写電極58にコロトロン
の転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件として
は、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり
一概に規定することはできないが、例えば、転写電流と
しては+100〜+400μA、転写電圧としては+5
00〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0074】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0075】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0076】本発明の有機電子写真感光体は電子写真複
写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶
シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応す
るが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記
録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く
適用することができる。
【0077】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載するが、以下
の実施例に限定されるものではない。
【0078】円筒状基体の作製 1.基体加工方法 a.円筒状基体A−1の加工 引き抜き加工で形成された厚さ2.00mmのアルミニ
ウム合金からなる円筒状基体(長さL=344mm、直
径φ(外径=100mm)に図3の接触圧力可変手段3
−8を使用し、長さD=300mm(0.84×L))
のステンレスの保持部材を円筒状基体内径に押圧保持
し、外径基準で直径φ=98.40mm、長さd=8m
mのインロー加工を行った(インロー加工はエグロ社
製、精密CNC両端加工機BSを使用)。
【0079】その後、上記円筒状基体の両端を前記無摺
動式開閉チャックを用いて把持して、インロー加工部の
内径基準で基体表面を切削加工した(切削加工機は昌運
工作所製SPA−5を使用)。加工後の円筒状基体A−
1は表面十点粗さRzは0.7μm、円筒度は8μmで
あった。
【0080】表面十点粗さRzの定義と測定法 本発明のRzはJISB0601−1982に記載の基
準長0.25mmの値を意味する。即ち、基準長0.2
5mmの距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下
位から5つの谷底の平均低さとの差である。
【0081】上記では、粗さRzを表面粗さ計(小坂研
究所社製 SurfcorderSE−30H)で測定
した。但し、誤差範囲内で同一の結果を生じる測定器で
あれば、他の測定器を用いても良い。
【0082】b.円筒状基体A−2の加工 円筒状基体A−1の加工において、D=214mm
(0.60×L)以外は同様にしてインロー加工、及び
切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−2は表面十
点粗さRzは0.7μm、円筒度は25μmであった。
【0083】c.円筒状基体A−3の加工 円筒状基体A−1の加工において、D=143mm
(0.40×L)以外は同様にしてインロー加工、及び
切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−3は表面十
点粗さRzは0.7μm、円筒度は35μmであった。
【0084】d.円筒状基体A−4の加工 円筒状基体A−1の加工において、D=332mm
(0.93×L)以外は同様にしてインロー加工、及び
切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−4は表面十
点粗さRzは0.7μm、円筒度は28μmであった。
【0085】e.円筒状基体B−1の加工(外部把持
(本発明外)) 円筒状基体の内部に保持部材を挿入せず、外部より把持
手段、即ち、図6(基体外部把持のインロー加工の例)
に示す、固定V受け台30にセット後、押えV受け台3
1で、円筒状基体11外径を固定後、左右の回転駆動旋
削刃具32にてインロー加工(例えばエグロ社製、精密
CNC両端加工機UB−600を使用)を施した以外は
円筒状基体A−1の加工と同様にしてインロー加工、及
び切削加工を行った。加工後の円筒状基体B−1は表面
十点粗さRzは0.7μm、円筒度は45μmであっ
た。
【0086】2.感光体の作製 下記記載の内「部」とは質量部を示す。
【0087】感光体1の作製 円筒状基体A−3を洗浄後、下記分散物を作製、塗布
し、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。 〈導電層(PCL)組成液〉 フェノール樹脂 160部 導電性酸化チタン 200部 メチルセロソルブ 100部 下記中間層塗布液を調整した。この塗布液を上記導電層
上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を形
成した。
【0088】 〈中間層(UCL)組成液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60部 メタノール 1600部 1−ブタノール 400部 下記塗布組成液を混合し、サンドミルを用いて10時間
分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前
記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの
電荷発生層を形成した。
【0089】 〈電荷発生層(CGL)組成液〉 Y型チタニルフタロシアニン 60部 シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越 化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 下記塗布組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を
調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に特開昭5
8−189061号公報に記載の円形量規制型塗布装置
で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体
1を作製した。この感光体の円筒度は35μmであっ
た。
【0090】 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 200部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製) 300部 1,2−ジクロロエタン 2000部 感光体2の作製 円筒状基体A−4を洗浄後、下記中間層組成液を浸漬塗
布し、150℃30分間乾燥し、厚さ1.0μmの中間
層を形成した。 〈中間層(UCL)組成液〉 ジルコニウムキレート化合物 ZC−540(松本製薬(株)) 200部 シランカップリング剤 KBM−903(信越化学(株)) 100部 メタノール 700部 エタノール 300部 下記塗布組成液を混合し、サンドミルを用いて10時間
分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前
記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの
電荷発生層を形成した。
【0091】 〈電荷発生層(CGL)組成液〉 Y型チタニルフタロシアニン 60部 シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越 化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 下記塗布組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を
調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に前記円形
量規制型塗布装置で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層
を形成し、感光体2を作製した。この感光体の円筒度は
29μmであった。 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 200部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製) 300部 1,2−ジクロロエタン 2000部 感光体3の作製 下記塗布組成液を混合し、溶解して保護層塗布組成物を
調製し、感光体2のCTL上に塗布した。
【0092】〈保護層(OCL)組成液〉メチルシロキ
サン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位
20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモ
レキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処
理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これ
にメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセ
テート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジ
ヒドロキシメチルトリフェニルアミン6質量部を加えて
混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの保護層として前記
円形量規制型塗布装置で塗布して、120℃、1時間の
加熱硬化を行い、感光体3を作製した。この感光体の円
筒度は30μmであった。
【0093】感光体4の作製 円筒状基体A−1を洗浄後、下記中間層組成液を浸漬塗
布法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
【0094】〈中間層(UCL)組成液〉下記中間層分
散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾
過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルタ
ー公称濾過精度:5ミクロン、圧力;5×104Pa)
し、中間層組成液を作製した。
【0095】 中間層分散液 ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部 酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製;表面処理は、シリカ処理、アル ミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 3.0部 メタノール 10部 分散機としてサンドミルで分散時間を10時間、バッチ
式にて分散して、中間層分散液を作製した。
【0096】下記組成液を混合し、サンドミルを用いて
分散し、電荷発生層組成液を調製した。この組成液を浸
漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μ
mの電荷発生層を形成した。
【0097】 〈電荷発生層(CGL)組成液〉 Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最 大ピーク角度が2θで27.3) 20部 ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10部 酢酸t−ブチル 700部 4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部 下記組成液を混合し、溶解して電荷輸送層組成液を調製
した。この組成液を前記電荷発生層の上に前記円形量規
制型塗布装置で塗布し、膜厚24μmの電荷輸送層を形
成し、感光体4を作製した。この感光体の円筒度は15
μmであった。 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 75部 ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製) 100部 塩化メチレン 750部 感光体5の作製 円筒状基体A−1をA−2に代えた以外、感光体4と同
様にして感光体5を作製した。この感光体の円筒度は2
6μmであった。
【0098】感光体6の作製(比較例1) 円筒状基体A−1をB−1に代えた以外は感光体4と同
様にし、感光体6を作製した。この感光体の円筒度は4
3μmであった。
【0099】結果を表1に示す。 《画質評価》上記感光体1〜6を用い、半導体レーザー
光源(780nm)によるデジタル像露光方式に改造し
たコニカ社製複写機U−BIX7075改造機に装着
し、印字率10%のコピー実写を1万枚行い、該コピー
実写終了後に、鮮鋭性、画像むらの評価を行った。
【0100】各評価の判定基準は、下記に示す通りであ
る。得られた結果を表1に示す。 鮮鋭性:細線画像で判定 鮮鋭性は5世代目のコピー画像で判別出来る1mm当た
りの細線の本数で判定した。
【0101】 ◎:7本/mm以上(良好) ○:4本/mmから6本/mmまで(実用上問題ないレ
ベル) ×:3本/mm以下(実用上問題あり) ハーフトーンムラ:ハーフトーン画像(濃度0.2近辺
の均一画像)の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)
で判定 マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字さ
れていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対
画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次
に、上記ハーフトーン画像部を同様に20カ所、絶対画
像濃度で測定し、その最大濃度−最小濃度をΔHDとし
て評価した。
【0102】 ◎:0.05以下(良好) ○:0.05より大で0.1未満(実用上問題ないレベ
ル) ×:0.1以上(実用上問題あり) 評価結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】表1から明らかなように、円筒状基体の円
筒度が8〜35μm、感光体の円筒度が15〜35μm
の本発明の範囲にある感光体1〜5は鮮鋭性の評価及び
ハーフトーンムラの評価において、本発明の範囲外の円
筒度を有する感光体6に比し良好な評価結果が得られて
いる。
【0105】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明の加工方法で作製された円筒状基体を用いて作製した
電子写真感光体は鮮鋭性、画像の均一性等に優れた良好
な電子写真画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子写真感光体の概略正面図であ
る。
【図2】本発明にかかる円筒状基体の製造工程について
説明するために(a)、(b)の工程順に示したもので
ある。
【図3】(a)は保持部材の斜視図である。(b)は保
持部材の圧力可変手段を示す断面図である。
【図4】円筒状基体の外側表面に感光層を塗布形成した
図である。
【図5】本発明の画像形成装置の一例の断面図である。
【図6】基体外部把持のインロー加工の例である。
【符号の説明】
3 保持部材 4 圧力可変手段 4−1 テーバーの付いた中心棒 10 電子写真感光体 11 円筒状基体 12a、13a 薄肉部(インロー加工部) 14、15 フランジ 16 感光層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状基体の内面をインロー加工した
    後、該円筒状基体表面を切削する電子写真感光体用円筒
    状基体の製造方法であって、前記インロー加工する際
    に、該円筒状基体の内径に保持部材を挿入押圧し、且つ
    内部より把持した円筒状基体を、外径基準でインロー加
    工した後、円筒状基体の両端を把持手段で把持して、イ
    ンロー加工部の内径基準で基体表面の切削加工を行うこ
    とを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記保持部材が剛性部材であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用円筒状基体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保持部材が弾性部材であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用円筒状基体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基体内径に挿入押圧された保持部材
    の長さをD(mm)、円筒状基体全長をL(mm)、イ
    ンロー長をd(mm)とすると、 1/2×L≦D≦L−2d であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
    造方法を用いて円筒度を5〜40μmとしたことを特徴
    とする電子写真感光体用円筒状基体。
  6. 【請求項6】 円筒状基体の内径に保持部材を挿入押圧
    し、且つ内部より把持した円筒状基体を、外径基準でイ
    ンロー加工した後、円筒状基体の両端を把持手段で把持
    して、インロー加工部の内径基準で基体表面の切削加工
    を行った円筒状基体上に感光層を形成して、円筒度5〜
    40μmとしたことを特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子写真感光体を用い
    て電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の電子写真感光体と帯電
    器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少な
    くとも1つを一体として有しており、画像形成装置に出
    し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセスカー
    トリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008044028A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体基体の製造方法と製造装置
JP2008292882A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体用基体及びその製造方法、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体
JP2009050988A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Canon Inc 円筒状基体の製造方法
JP2009186672A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Sharp Corp 電子写真感光体及びそれを搭載する画像形成装置

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