JP4546591B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に電子写真感光体上に形成された画像を中間転写体上に転写した後、転写紙に転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真においては、中間転写体を介して最終被転写表面に画像を形成することが行なわれている。例えば特開昭55−140849号公報記載の技術においては、光導電層中にシリコーンレベリング剤を含有し光導電層塗工面の平滑性を改良することが示されており、特開平3−121457号公報記載の技術においては、電子写真感光体塗料中に揮発性レベリング剤を含有することにより塗膜平滑性、良好な感光体特性を得ており、特開昭59−208556号公報には導電層がレベリング剤を含有し良好な塗膜平滑性、感光体特性を得ることが記載されており、特開平9−325621号公報には中間転写体の表面の粗さを規定し、電子写真感光体から中間転写体へのトナー転写時の画像ムラ、画像縮みを防止することが記載されている。
【0003】
しかしながら、特開昭55−140849号公報にはCdS等の無機顔料を用いた単層光導電層の実施例の記載があるのみで、積層電子写真感光体の電荷発生層中にシリコーンレベリング剤を含有している実施例は記載されてなく、特開平3−1214657号公報に記載の実施例は導電層、電荷輸送層に揮発レベリング剤を含有しうることの記載があるが結果的には塗膜平滑性について具体的な開示はなく、特開昭59−208556号公報記載の技術は導電層がレベリング剤を含有し良好な塗膜平滑性、感光体特性を得るものであって、電荷発生層中にシリコーンレベリング剤を含有させる具体例は記載されていない。
【0004】
特開平9−325621号公報に記載のように中間転写体を用いたフルカラー画像形成装置では3色のカラートナーを画像全面にわたって均一に形成しないと部分的な色ムラが発生してしまう。この色ムラを少なくするためフルカラーコピー等の画像形成装置では、通常色分解した画像の各色が電子写真感光体の同じ場所で形成されるようタイミングを取って電子写真感光体の周方向の感度ムラの影響を減らしている。また、コピースピードを上げるため電子写真感光体の周長φdと中間転写体の周長φcとの比φc/φdは、通常、整数倍になるよう設定されているため画像形成装置を小型化する際、要求画像サイズから電子写真感光体の周長を小さくできない不具合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、画像形成装置を小型化し、電子写真感光体の周長φdと中間転写体の周長φcとの比φc/φdが非整数となっても色ムラの発生しない画像形成装置を提供することにある。
【0006】
上記目的は本発明の(1)「周長φdの電子写真感光体上の任意の位置に形成された色の異なる複数の画像を周長φcの中間転写体上に重ね合わせて転写した後、転写紙に転写する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に酸化チタンを含む下引き層、粘度が50〜200cPであるシリコーンオイルを含む電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した電子写真感光体であり、かつ電子写真感光体の周長φdと中間転写体の周長φcとの比φc/φdが非整数であり、中間転写体が電子写真感光体と同じ周速度で回転することを特徴とする画像形成装置。」、(2)「一成分非磁性トナーを用いた反転現像方式の電子写真装置であることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」によって達成される。
【0007】
本発明は、周長φdの電子写真感光体上の任意の位置に形成された色の異なる複数の画像を周長φcの中間転写体上に重ね合わせて転写した後、転写紙に転写する画像形成装置において、電子写真感光体が導電性支持体上に酸化チタンを含む下引き層、粘度が50〜200cPであるシリコーンオイルを含む電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した電子写真感光体であり、かつ電子写真感光体の周長φdと中間転写体の周長φcとの比φc/φdが非整数であり、中間転写体が電子写真感光体と同じ周速度で回転することから構成される。
【0008】
次に本発明に用いる電子写真感光体について説明する。
支持体としてはアルミニウム、ニッケル、ニッケル−コバルト合金、ステンレス等をD.I.,I.I.,押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管、ニッケル、鉄、ベリリウム−銅合金などからなるシムレスベルトを用いることができる。
【0009】
電荷発生層は下記式及び表1で示されるシリコーンオイル、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料等の有機顔料、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド等のバインダー樹脂、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブルケトン、イソブタノール、1,1,2,2テトラクロロエタン、エチルセロソルブ、1,1,2トリクロロエタン等の有機溶媒に溶解して支持体上に塗工することにより形成される。
【0010】
本発明に用いるシリコーンオイルは粘度が50〜200cPであることが好ましい。50cP以下のものでは色ムラに対する効果が少なく、200cP以上のものでは電荷発生層塗工時ハジキ等の塗膜不良が発生してしまう。
【0011】
【化1】
Figure 0004546591
(但し、式中R1〜R8はメチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、又はメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基を示し、これらの基は他の置換基やハロゲン原子などで置換されていてもよく、mは整数を示す。)
【0012】
【表1】
Figure 0004546591
【0013】
電荷発生層はこれらの材料をボールミル、ビーズミル、アトライターなどの分散装置で分散した塗工液を浸積塗工により支持体上に設ける。
【0014】
電荷輸送層はヒドラゾン化合物、ブタジエン化合物、スチルベン化合物、カルバゾール化合物、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物等の電荷輸送物質、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の結着樹脂をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2、−テトラクロロエタン、1,1,2−トリコロロエタン、クロロベンゼン、トルエン等の有機溶媒に溶解して電荷発生層上に塗工することにより形成される。必要ならば、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤を添加してもよい。
【0015】
電荷輸送物質の具体例を表3に示す。
【0016】
【表2】
Figure 0004546591
【0017】
【表3】
Figure 0004546591
また、必要に応じて支持体と電荷発生層の間に下引き層、電荷輸送層上に保護層を設けてもよい。
【0018】
下引き層はポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、エチルセルロース等の熱可塑性樹脂、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、又はこれらの樹脂に酸化チタン、酸化亜鉛、カーボン等の顔料を分散したものが用いられ、膜厚は0.1〜12μmである。下引き層を設けることにより支持体の局部的な汚れ等による電荷発生層の黒ポチ・白ポチの発生を抑制できる。
【0019】
保護層は結着樹脂中に金属、又は金属酸化物の超微粒子を分散した層である。
結着樹脂としては可視、赤外光に対して透明で電気絶縁性、機械的強度、接着性に優れたものが望ましい。
【0020】
下引き層はポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、エチルセルロース等の熱可塑性樹脂、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、又はこれらの樹脂に酸化チタン、酸化亜鉛、カーボン等の顔料を分散したものが用いられ、膜厚は0.2〜12μである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の画像形成装置の概略装置を図1で説明する。
図1は電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。中間ベルト(20)は中抵抗の弾性体を使用している。(1)は第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)を持って回転駆動される。
【0022】
感光ドラム(1)は回転過程で、1次帯電器(2)より所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(3)(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光(3)を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0023】
次いで、その静電潜像が第一の現像器(イエロー色現像器(41))により第1色であるイエロートナー(Y)により現像される。この時第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器(42)、シアン色現像器(43)、ブラック色現像器(44))の各現像器は作動−オフになっていて感光ドラム(1)には作用せず、上記第1色のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0024】
中間転写ベルト(20)は時計方向に感光ドラム(1)と同じ周速度を持って回転駆動されている。
【0025】
感光体ドラム(1)上に形成保持された上記第1色のイエロートナー画像が、感光ドラム(1)と中間転写ベルト(20)とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ(62)から中間転写ベルト(20)に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト(20)の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。中間転写ベルト(20)に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム(1)の表面は、クリーニング装置(13)により清掃される。
【0026】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト(20)上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。(63)は2次転写ローラで、2次転写対向ローラ(64)に対応し、平行に軸受させて中間転写ベルト(20)の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0027】
感光ドラム(1)から中間転写ベルト(20)への第1〜第4色のトナー画像の順次重量転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源(29)から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVである。感光ドラム(1)から中間転写ベルト(20)への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ(63)及び中間転写ベルトクリーナー(7)は中間転写ベルト(20)から離間することも可能である。
【0028】
中間転写ベルト(20)上に転写された合成カラートナー画像の第2の画像担持体である転写材(24)への転写は、2次転写ローラ(63)が中間転写ベルト(20)に当接されると共に、給紙ローラ(11)から転写材ガイド(10)を通って、中間転写ベルト(20)と2次転写ローラ(63)との当接ニップに所定のタイミングで転写材(24)が給送され、2次転写バイアスがバイアス電源(28)から2次転写ローラ(63)に印加される。この2次転写バイアスにより中間転写ベルト(20)から第2の画像担持体である転写材(24)へ合成カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材(24)は定着器(15)へ導入され加熱定着される。
【0029】
転写材(24)への画像転写終了後、中間転写ベルト(20)にはクリーニング用帯電部材(7)が当接され、感光ドラム(1)とは逆極性のバイアスをバイアス電源(26)から印加することにより、転写材(24)に転写されずに中間転写ベルト(20)上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム(1)と逆極性の電荷が付与される。前記転写残トナーは、感光ドラム(1)とのニップ部及びその近傍において感光ドラム(1)に静電的に転写されることにより、中間転写体がクリーニングされる。
【0030】
図1において中間転写ベルト(20)の周長φcは要求される画像長さプラス転写紙間隔から決定される必要最小限の長さに設定されている。また電子写真感光体(1)の周長φdは装置の小型化の要求から可能な限り短く設定してあり、電子写真感光体(1)の周長φdと中間転写ベルト(20)の周長φcとの比φc/φdは非整数である。
また、コピースピードを上げるため色分解した画像の各色は電子写真感光体の任意の場所で形成されるよう構成されている。
【0031】
本発明の(41)〜(44)の現像装置では像露光手段(3)により露光された部分のみが1成分非磁性トナーにより現像(反転現像)される。
色ムラは電子写真感光体(1)の周方向の電位ムラを20V以内、好ましくは10V以内にすることによりなくなる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。各例中、「部」は重量部を意味する。
〔実施例1〕
φ80mm、長さ352mmのアルミドラム状支持体上に酸化チタン及び熱硬化性樹脂からなる厚さ約3μmの下引き層を形成した。
【0033】
続いて表2に記載の(化21)の電荷発生物質3部、ポリビニルブチラール樹脂1部(エスレックBLS;積水化学製)、シクロヘキサノン(関東化学製)80部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmSUSボールを使用し、48時間ボールミリングした後、さらにシクロヘキサノン51.3部とメチルエチルケトン131.3部、及び表1のシリコーンオイル(化14)を0.01部加え電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液を内径φ104mmの塗工槽に入れ、浸積塗布により下引き層上に塗布後130℃で20分間乾燥し、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。続いて下記組成の電荷輸送層塗布液を調整し、前記電荷発生層上に塗布後110℃で20分間乾燥し、厚さ25μmの電荷輸送層を形成し電子写真感光体を作成した。
【0034】
表3(化41)の電荷輸送物質(リコー製) 8部
ポリカーボネート樹脂(C−1400;帝人化成製) 10部
ジクロロメタン(関東化学製) 88部
シリコーンオイル(KF−50;
信越化学製 粘度100cS) 0.0002部
【0035】
〔実施例2〕
実施例1において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを表1の(化12)0.015部に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0036】
〔実施例3〕
φ20mm、長さ250mmのアルミドラム状支持体上に酸化チタン及び熱硬化性樹脂からなる厚さ約3.5μmの下引き層を形成した。続いて表2に記載の(化23)の電荷発生物質0.6部、(化21)の電荷発生物質1.9部、ポリビニルブチラール樹脂1部(エスレックBX−1;積水化学製)、シクロヘキサノン(関東化学製)80部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmSUSボールを使用し48時間ボールミリングした後、さらにシクロヘキサノン92.9部とメチルエチルケトン115.3部、及び表1のシリコーンオイル(化15)を0.02部加え電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液を内径φ44mmの塗工槽に入れ浸積塗布により、下引き層上に塗布後130℃で20分間乾燥し、厚さ0.15μmの電荷発生層を形成した。続いて下記組成の電荷輸送層塗布液を調整し、前記電荷発生層上に塗布後110℃で20分間乾燥し、厚さ25μmの電荷輸送層を形成し電子写真感光体を作成した。
【0037】
表3(化43)の電荷輸送物質(リコー製) 8部
ポリカーボネート樹脂(TS2050;帝人化成製) 10部
ジクロロメタン(関東化学製) 88部
シリコーンオイル(KF−50;
信越化学製 粘度100cS) 0.0002部
に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0038】
〔実施例4〕
実施例3において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを表1の(化14)0.012部に変えた以外は実施例3と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0039】
〔実施例5〕
実施例1において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを表1の(化16)0.1部に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0040】
〔実施例6〕
実施例1において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを表1の(化13)0.007部に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0041】
〔実施例7〕
実施例3において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを表1の(化11)0.25部に変えた以外は実施例3と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0042】
〔実施例8〕
実施例4において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを表1の(化13)0.015部に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0043】
〔比較例1〕
実施例1において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを除いた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0044】
〔比較例2〕
実施例3において電荷発生層塗布液のシリコーンオイルを除いた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0045】
このようにして作成した実施例1〜実施例2、実施例5〜実施例6、比較例1、3、4の電子写真感光体を図1の構成を有する反転現像方式のカラー複写機プリテール300(リコー製)に取り付けた。また、中間転写ベルトの周長を450mmに変え、かつ色分解した画像の各色が電子写真感光体の任意の場所で形成されるように改造しコピースピードが上がるようにした。
【0046】
電子写真感光体(1)の周長φdと中間転写ベルト(20)の周長φcとの比φc/φdは1.79である。この複写機に実施例、比較例の電子写真感光体を取り付けA3サイズの灰色原稿をフルカラーモードでコピーして色ムラをまた単色モードで濃度ムラを比較した。また図1の(41)〜(44)からなる現像装置を取り外し、その位置に表面電位計を取り付け電子写真感光体(1)の周方向の電位ムラを測定した。
【0047】
また、図2に示すような電子写真感光体(101)〜(104)の周りに像露光手段(3)、帯電器(2)、クリーニング手段(111)〜(114)、現像装置(41)〜(44)を備えた4色の画像形成ユニットを中間転写ベルト(20)を介してカラー画像が形成できるよう構成された電子写真装置に実施例3〜実施例4、実施例7〜実施例8、比較例2の電子写真感光体を取り付けた。また中間転写ベルトの周長を330mmに変え、かつ色分解した画像の各色が電子写真感光体の任意の場所で形成されるように改造しコピースピードが上がるようにした。
【0048】
電子写真感光体(1)の周長φdと中間転写ベルト(20)の周長φcとの比φc/φdは3.5である。この複写機に実施例、比較例の電子写真感光体を取り付けA4サイズの灰色原稿をフルカラーモードでコピーして色ムラをまた単色モードで濃度ムラを比較した。また図2の現像装置を取り外しその位置に表面電位計を取り付け電子写真感光体の周方向の電位ムラを測定した。
【0049】
〔比較例3〕
比較例1の電子写真感光体を図1の構成を有する複写機に取り付けた。中間転写ベルト(20)の周長を502.7mmに変え、原稿の色分解した画像の各色が電子写真感光体(1)の同一の場所で形成されるようタイミングを変更した。
電子写真感光体(1)の周長φdと中間転写ベルトの周長φcとの比φc/φd=2.0である。この複写機を用いて比較例1と同様A3サイズの灰色原稿をフルカラーモード及び単色モードでコピーすると共に、現像位置で電子写真感光体(1)の周方向の電位ムラを測定した。
【0050】
〔比較例4〕
実施例1の電子写真感光体を比較例3の複写機に取り付け比較例3と同様な評価を行なった。
【0051】
〔比較例5〕
実施例1において下引き層を設けなかった以外は実施例1と全く同様にして感光体を作成した。
これらの結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
Figure 0004546591
【0053】
表4の結果から明らかなように本発明の画像形成装置は色ムラ、濃度ムラもなく優れたカラーコピー画像を得ることができる。
またコピースピードも低下することはなかった。
(比較例3、4ではフルカラーモード時、感光体の同じ位置に画像を形成するため、色重ね時の待ち時間が発生しコピースピードが遅くなってしまう。比較例5の灰色原稿コピー時支持体の汚れによる黒ポチが発生したため、色ムラ、濃度ムラの画像評価、電位ムラの測定を中止した。)
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明は電荷発生層がシリコーンオイルを含むことにより、電子写真感光体の周長φdと中間転写体上の周長φcとの比φc/φdが非整数の場合でも色ムラのない電子写真装置を提供でき、また、シリコーンオイルの粘度が50〜200cPであることにより電子写真感光体の周方向の電位ムラを特に少なくすることができ、結果として色ムラのない電子写真装置を提供でき、さらにまた、一成分非磁性トナーを用いた反転現像方式では主に電子写真感光体と現像ローラが接触する現像方式であるため、感光体の微小な電位ムラが顕像化されやすく、本発明の電子写真感光体は微小電位ムラの低減に有効であるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写ベルトを用いたカラー画像出力装置の概略図である。
【図2】本発明における電子写真装置の一概略図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 1次帯電器
3 像露光手段
7 クリーニング用帯電部材
10 転写材ガイド
11 給紙ローラ
13 感光ドラムのクリーニング装置
15 定着器
20 中間転写ベルト
26 バイアス電源
28 バイアス電源
29 バイアス電源
41 イエロー色現像装置
42 マゼンタ色現像装置
43 シアン色現像装置
44 ブラック色現像装置
61 ローラ
62 バイアス電源
63 2次転写ローラ
64 2次転写対向ローラ
101 電子写真感光体
102 電子写真感光体
103 電子写真感光体
104 電子写真感光体
111 クリーニングユニット
112 クリーニングユニット
113 クリーニングユニット
114 クリーニングユニット

Claims (2)

  1. 周長φdの電子写真感光体上の任意の位置に形成された色の異なる複数の画像を周長φcの中間転写体上に重ね合わせて転写した後、転写紙に転写する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に酸化チタンを含む下引き層、粘度が50〜200cPであるシリコーンオイルを含む電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した電子写真感光体であり、かつ電子写真感光体の周長φdと中間転写体の周長φcとの比φc/φdが非整数であり、中間転写体が電子写真感光体と同じ周速度で回転することを特徴とする画像形成装置。
  2. 一成分非磁性トナーを用いた反転現像方式の電子写真装置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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