JP2003270810A - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003270810A
JP2003270810A JP2002068381A JP2002068381A JP2003270810A JP 2003270810 A JP2003270810 A JP 2003270810A JP 2002068381 A JP2002068381 A JP 2002068381A JP 2002068381 A JP2002068381 A JP 2002068381A JP 2003270810 A JP2003270810 A JP 2003270810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、トナーの転写性やクリーニ
ング性を改良し、高画質の電子写真画像を提供できる電
子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセ
スカートリッジを提供することである。 【解決手段】 円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基
体上に、接触角が90〜130°の表面層を有すること
を特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体(以
下、単に感光体とも云う)及び該感光体を用いた画像形
成方法及び画像形成装置、プロセスカートリッジに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の画像形成方法は近
年のデジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形
成が主流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方
法は400dpi(1インチ=2.54cm当たりのド
ット数)等の1画素の小さなドット画像を顕像化するこ
とを基本としており、これらの小さなドット画像を忠実
に再現する高画質技術が要求されている。特に、近年で
は複写機の小型化、高解像度化、フルカラー化の要望や
プリンターの場合は解像度の向上が強まっており、高解
像度などの高精度の要求される場合には、より一層の高
画質技術が要求されている。
【0003】このような高画質化の要求に対して、トナ
ーの形状因子や粒度分布を制御し、トナーを小粒径化す
る研究が進められている。トナーの形状分布や粒度分布
をシャープし、トナーを小粒径化することにより、解像
力の向上、微細な階調表現力の向上等により高画質化が
実現使用とする開発がなされている。しかしながら小粒
径トナーを用いた高画質化は当初予想した程には効果が
上がらず、却って小粒径トナーを用いたことによる問題
が生ずことがある。即ち、感光体上に形成されたトナー
像の転写性が十分でないこと、残留トナーのクリーニン
グにおける問題はその一つであり、トナーの小粒径化に
よりトナーの感光体への付着力が見かけ上大きくなっ
て、転写性が低下しやすく、クリーニング性が困難にな
るという問題が発生している。特に、平均粒径が8μm
以下の小粒径トナーを用いて現像したトナー像は感光体
から記録材への転写性やその後の感光体上の残留トナー
のクリーニング性に劣り、鮮鋭性が不十分で、且つトナ
ーが感光体とクリーニングブレードのエッジの間を通り
抜けるいわゆる「スリヌケ」が生じてクリーニング不良
となる傾向が強い。
【0004】かかる問題を解決するために、電子写真感
光体の表面層に表面エネルギーを低下させる表面エネル
ギー低下剤(微粒子等)を含有させて、感光体表面のト
ナーの付着力を低減し、転写性を改良したり、ブレード
との摩擦力を低減させるなどの技術が検討されてきた。
例えば特開平5−181291号公報では感光層にアル
キルシルセスキオキサン樹脂微粒子を含有させることが
報告されている。しかし、アルキルシルセスキオキサン
樹脂微粒子は吸湿性があり、高湿環境下では感光体の表
面の濡れ性、即ち表面エネルギーが大きくなり、転写性
が低下しやすいといった問題が発生する。
【0005】一方、特開昭63−56658号公報では
感光体表面を低表面エネルギー化するために、フッ素樹
脂粉体を含有させた電子写真感光体が報告されている。
しかしながらフッ素樹脂粉体を用いて、転写性やクリー
ニング性を改善したときに、ハーフトーンむらが発生し
やすいことが見いだされた。更に、この現象は、ハーフ
トーン画像部に濃度むらが発生する現象は円筒状感光体
を用いた電子写真画像で発生しやすい傾向が見いだされ
た。その後の本発明者等の検討で、円筒状の電子写真感
光体の表面層に表面エネルギー低下剤を用いて、表面を
低表面エネルギー化したときに、感光体表面が均一に低
表面エネルギー化されず、感光体の接触角にばらつきが
発生した結果、発生した現象であると推定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題を解決し、トナーの転写性やクリーニング性を改良
し、高画質の電子写真画像を提供できる電子写真感光
体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリ
ッジを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した電子写
真画像の高画質化の要求に対して、円筒状基体を用いた
感光体の円筒度の精度と接触角との関係の重要性に着目
し検討を続けた結果、成されたものである。
【0008】本発明者等は、前記問題を解決するために
検討を重ねた結果、以下の構成のいずれかをとることに
より本発明の目的を達成出来ることを見出した。
【0009】即ち、 1.円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に、接
触角が90〜130°の表面層を有することを特徴とす
る電子写真感光体。
【0010】2.円筒度が5〜40μmの円筒状導電性
基体上に、接触角が90〜130°且つ接触角のばらつ
きが平均値の±5°の表面層を有することを特徴とする
電子写真感光体。
【0011】3.前記円筒状導電性基体の外径が10〜
60mmであることを特徴とする前記1又は2に記載の
電子写真感光体。
【0012】4.前記表面層が表面エネルギー低下剤を
含有していることを特徴とする前記1〜3のいずれか1
項に記載の電子写真感光体。
【0013】5.前記表面エネルギー低下剤がフッ素原
子を含有するフッ素系樹脂粒子であることを特徴とする
前記4に記載の電子写真感光体。
【0014】6.円筒度が5〜40μmの円筒状導電性
基体上に接触角が90〜130°の表面層を有する電子
写真感光体上に形成された潜像を体積平均粒径が3.5
〜8.5μmのトナーを含有する現像剤を用いてトナー
像に顕像化し、該トナー像を記録材に転写し、トナー転
写後の残留トナーをクリーニング手段で除去することを
特徴とする画像形成方法。
【0015】7.前記6に記載の画像形成方法を用いた
ことを特徴とする画像形成装置。 8.前記1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体
と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器
の少なくとも1つを一体として有しており、画像形成装
置に出し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセ
スカートリッジ。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真感光体は円筒度が5〜40μmの円筒状導電性
基体上に接触角が90〜130°である表面層を設けた
ことを特徴とする。又、本発明の電子写真感光体は円筒
度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に接触角が90
〜130°且つ接触角のばらつきが±5°の表面層を有
することを特徴とする。
【0017】上記のような構成の電子写真感光体は感光
体表面の表面エネルギーが均一に低下したものであり、
トナーの転写性、クリーニング性が良好であり、ハーフ
トーンむら等の画像欠陥を発生せず、鮮鋭性が良好な電
子写真画像を提供することが出来る。
【0018】本発明の表面層とは電子写真感光体を構成
する各種層構成の中で単純に表面に存在する層を意味
し、機能を示すものではない。即ち、電子写真感光体が
円筒状基体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順に
積層している場合には電荷輸送層が表面層であり、更に
保護層を積層している場合は保護層が表面層となる。
【0019】本発明の円筒度とは、JIS規格(B06
21−1984)による。即ち、円筒基体を2つの同軸
の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小
となる位置の半径の差で表し、本発明では該半径の差を
μmで表す。
【0020】本発明の円筒状導電性基体(以下、円筒状
基体又は基体とも云う)の円筒度は5〜40μm、好ま
しくは7〜30μm、更には7〜27μmが良い。40
μmより大きいと感光体表面の位置による接触角が変動
しやすく、その結果、転写むらやハーフトーンむら等の
画像欠陥が発生しやすい。5μmより小さくすると、収
率が悪くなりコスト的に不利となる。但し、前記円筒状
基体の円筒度は、実質的に画像形成を行う領域の円筒度
を意味し、画像形成を行わない両端の変動領域は除く。
【0021】本発明の円筒度の測定方法は円筒状基体の
両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等
分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定
器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を
用いた。
【0022】上記円筒度が5〜40μmの円筒状基体を
作製する方法について記載する。図1は本発明による電
子写真感光体10の概略正面図で、円筒状基体11と、
その両側開口部である端部12、13に設けられたフラ
ンジ14、15からなり、円筒状基体11の表面には感
光層16が形成されている。また、電子写真感光体10
の中心にはシャフト17が円筒状基体11の軸Cと一致
するように配設され、電子写真感光体10を回転可能な
ものとしている。
【0023】円筒状基体11は、アルミニウムもしくは
アルミニウム系合金などの導電性金属で形成したものが
用いられ、内部が中空の円筒状に加工されている。例え
ばアルミニウム系合金を用いた場合には、延伸加工およ
び/または切削加工を施すことで円筒状とされる。
【0024】フランジ14,15は、円筒状基体11の
両端部内面に嵌合して円筒状基体11を円柱状のものに
する円盤状とされ、その中心には孔18が形成されてい
る。また、一方のフランジ14にはその外周に歯車14
aが形成されており、電子写真感光体10の回転を制御
し得るものとしている。
【0025】シャフト17は、断面が正方形等の矩形形
状、十字状、円状等とした金属、プラスチック等を用い
た棒状のものとされ、湾曲等の変形が少ない材料が用い
られる。また、シャフト17はフランジ14、15に形
成された孔18を通って固定され、これにより電子写真
感光体10の回転を支える軸となる。
【0026】感光層16は、有機光導電体(OPC)感
光層などの光電効果を有する光導電物質からなる。
【0027】図2は、本発明にかかる円筒状基体の製造
工程について説明するために(a)、(b)の工程順に
示したものである。まず最初に図2(a)に示すような
中空円筒状の円筒状基体11を準備する。円筒状基体1
1としては、例えば延伸加工により肉厚が1mmで外径
が30mmφとしたアルミニウム合金を用いることがで
きる。
【0028】図2(a)は基体内部に保持部材3を挿入
させ、インロー加工として切削バイトで加工している図
である。端部には内側に段差を設けるようにインロー加
工を施す。この箇所においては、外径は変わらないもの
の段差分だけ肉厚を薄くして内径を大きくした薄肉部
(インロー加工部)12a、13aが形成される。
【0029】本発明ではこのインロー加工に際して、円
筒状基体を保持部材と圧力可変手段4により、内部より
把持して、該保持部材を貫通する中心軸19の周りにモ
ーター20、21により円筒状基体を回転駆動させて、
旋削刃具22を基体内部に当接し、インロー加工を行
う。即ち、円筒状基体を内部より把持することにより、
該表面を傷つけないようにすることを特徴とする。
【0030】尚、上記保持部材とはインロー加工等の円
筒状基体の加工時に、振動を抑制し、基体の形状変形を
防止するために、円筒状基体内径に挿入圧接する部材を
云う。
【0031】尚、上記インロー加工とは円筒状基体の内
部を切削加工し、基体内面に段差(フランジ等の部材を
取り付ける等のため)等の加工面を形成する加工を意味
し、例えば、円筒状基体を回転させながら、切削バイト
を当接し、送り移動し加工する。例えば、円筒状基体の
両端に基体軸方向長さdmmの段差(インロー長さ)を
形成する場合、円筒状基体長さ(軸方向)をLmm、保
持部材の長さ(軸方向)をDmmとすると、保持部材の
長さDは下記の範囲にあることが好ましい。
【0032】1/2×L≦D<L−2dDが1/2×L
より小さいと、インロー加工の時に、基体両端が独楽状
に振れやすく、加工精度が劣化しやすい。DがL−2d
以上になると、インロー加工部の空間が十分でなく、加
工作業が困難となる。
【0033】次に、該インロー加工された円筒状基体を
用いて該表面の切削加工を行う。即ち、図2(b)は前
記インロー加工により形成された内径を持つ円筒状基体
の両端のインロー部を握持用爪23の開閉に無摺動式開
閉チャック(藤井精密工業株式会社製、エアーバルーン
チャック、クラフトグラフィー、ダイナミックツール株
式会社製ダイアフラムチャック)24、25を用いて握
持し、インロー加工部の内径基準(インロー加工で形成
された円筒内径の中心軸を基準軸とする)で基体表面を
切削加工している図である。
【0034】以上のような円筒状基体の加工方法を採用
することにより、外径円筒度が5〜40μmの電子写真
感光体用円筒状基体を作製することができる。26は切
削刃具である。
【0035】前記保持部材としては、インロー加工時の
振動を抑制し、形状を保持するために、強度の強い剛性
部材の場合が好ましい。該剛性部材としては、ステンレ
ス、真鍮等の金属やセラミックス等が良い。又、該保持
部材には接触圧力可変手段等が装備されているものが良
い。以下、該剛性部材を円筒状基体の内径に挿入押圧す
る方法について説明する。
【0036】図3(a)は保持部材3の斜視図である。
図3(b)は保持部材の圧力可変手段4を示す断面図で
ある。3−1〜3−8は各々断面が扇型をした保持部材
の部品であり、各部品が図示されていない緩い連結、例
えばバネで結合されて、保持部材全体を構成し、保持部
材の外面は円筒状基体内面に接触するよう円筒状を形成
している。保持部材の中心部は図3(b)に示すように
圧力可変手段4として、テーバーの付いた中心棒4−1
が出し入れ出来るような環を形成している。図3(b)
に示すように中心棒4−1を挿入することにより、保持
部材は外側に拡がり、円筒状基体を押圧しながら保持す
る事になる。押圧したときの圧力の調整はこの中心棒4
−1の挿入深さで調整される。
【0037】保持部材としては上記剛性部材の代わり
に、硬質ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも可
能である。
【0038】又、上記中心棒4−1は保持部材を貫通す
る中心軸19を有し、この中心軸の周りに円筒状基体を
回転駆動させてインロー加工を行う。
【0039】次に、基体を洗浄後、図4に示すように、
円筒状基体11の外側表面に感光層16を塗布形成す
る。
【0040】次に、感光層が形成された円筒状基体には
フランジ14,15が取り付けられる。フランジ14、
15は円盤状とされ、円筒状基体11の外径と略等しい
外径を有し、円筒状基体11に取り付けられて蓋となる
外側部分と、それよりも外径の小さな内側部分とからな
り、その中心には孔18が形成されている。外径の小さ
な内側部分は、その外径が前記インロー加工で形成され
た薄肉部12a,13aの内径と等しいか若しくは若干
大きなものとされている。フランジ14、15の外径の
小さな内側部分は円筒状基体11の薄肉部12a,13
aに嵌合する。これにより円筒状基体11の端部にフラ
ンジ14,15が蓋をするように固定される。このと
き、フランジ14,15を取り付けた状態において、円
筒状基体11の軸Cを中心とした円筒度が5〜40μm
であることが好ましい。なお、一方のフランジ14の外
周部分には歯車14aが形成されている。また、フラン
ジの中央部にはシャフトを固定するための孔18が設け
てある。
【0041】本発明の感光体は円筒度が5〜40μmの
円筒状基体上に接触角が90〜130°の表面を有する
感光層を有することを特徴とする。
【0042】感光体の接触角を大きくすると、即ち、感
光体の表面エネルギーを低下させると、感光体表面に付
着するトナーや紙粉等の付着力が小さくなり、感光体上
のトナー像の転写性や、残存トナーや紙粉のクリーニン
グ性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像を得やすい
が、他方で感光体表面の場所による接触角のばらつきが
大きくなり、このため転写性のばらつきが大きくなり、
ハーフトーン画像に画像むらが発生しやすい。そこで本
発明は円筒度を5〜40μmの範囲の円筒状基体上に接
触角が90〜130°の感光層を設けることにより、感
光体の接触角の位置によるばらつきを小さくし、ばらつ
きを±5°とすることにより、ハーフトーンむらの発生
を小さくすることができる。
【0043】又、本発明では上記感光体の接触角のばら
つきが平均値の±5°であることが必要であるが、より
好ましくは±4°、最も好ましくは±3°である。接触
角のばらつきが平均値の±5°の範囲を超えると、ハー
フトーンむらが発生しやすく、中抜けや文字チリ等も発
生しやすい。
【0044】感光体の接触角を90〜130°にするに
は、感光体の表面層に表面エネルギー低下剤を含有さ
せ、接触角を大きくすることが好ましい。但し、接触角
を130°より大きくするような表面エネルギー低下剤
は、適切な材料が見あたらず、又、そのような材料があ
ったとしても、該材料を電子写真感光体へ付与すると、
電子写真画像の劣化を伴いやすい。
【0045】ここで表面エネルギー低下剤とは電子写真
感光体の表面層に添加し、電子写真感光体の表面エネル
ギーを低下させる物質を云い、具体的には表面層に添加
することにより、電子写真感光体の接触角(純水に対す
る接触角)を1°以上増加させる材料を云う。
【0046】接触角及び接触角のばらつき測定 本発明の接触角とは感光体表面への純水に対する接触角
を云う。感光体の接触角は純水に対する接触角を接触角
計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて3
0℃80%RHの環境下で測定する。
【0047】接触角のばらつきの測定は30℃80%R
Hの環境下で測定する。測定個所は円筒状感光体の中央
部、左右端部から5cmの位置の3カ所について、それ
ぞれ円周方向90°づつの4カ所、計12カ所を測定
し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から
最も大きく正又は負にずれた値をばらつきの値とした。
【0048】又、表面エネルギー低下剤としては、電子
写真感光体の接触角(純水に対する接触角)を1°以上
増加させる材料であれば、脂肪酸金属塩或いはフッ素系
樹脂等の材料に限定されない。
【0049】本発明に用いられる表面エネルギー低下剤
としては、感光体の表面層に含有させ、その結果接触角
を増加させる材料である。最も好ましい表面エネルギー
低下剤としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレン等のフッ素樹脂粒子が好ましい。特に、平
均粒径が0.01〜2.0μmのフッ素原子を含有する
離形性に優れた樹脂粒子が好ましい。
【0050】そのほかの材料としては脂肪酸金属塩が好
ましい。該脂肪酸金属塩は、炭素数10以上の飽和又は
不飽和脂肪酸の金属塩が好ましい。たとえばステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸インジウム、ステアリン
酸ガリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、パルチミン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウ
ム等が挙げられ、より好ましくはステアリン酸金属塩で
ある。
【0051】本発明の感光体の表面層には、前記した表
面エネルギー低下剤の他に、個数平均粒径5〜1000
nmの無機微粒子を添加するのが好ましい。このような
無機微粒子を前記表面エネルギー低下剤と併用すること
により、更に感光体の接触角のばらつきを小さくするこ
とが容易になる。更に、疎水化処理を行った無機微粒子
(例えば特開平8−248663号等に記載の)を感光
体の表面層に分散、含有させて表面粗さを調整すること
が好ましい。又、無機微粒子を疎水化する方法として
は、チタンカップリング剤・シランカップリング剤・高
分子脂肪酸またはその金属塩等の疎水化処理剤により処
理する方法を利用することができる。
【0052】無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸
化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸カル
シウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化
クロム、ベンガラ等の微粒子が挙げられる。
【0053】前記したように、無機微粒子は疎水化処理
が成されている方が好ましい。該疎水化処理は無機微粒
子と疎水化処理剤とを高温度下で反応させて行うことが
できる。前記疎水化処理剤としては、特に制限はなく、
例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシ
ラン、デシルシラン、ジアルキルジハロゲン化シラン、
トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン
化シラン等のシランカップリング剤やジメチルシリコン
オイルなどが挙げられる。前記疎水化処理剤の量として
は、前記微粒子等の種類等により異なり、一概に規定す
ることはできないが、一般的にはその量が増せば疎水化
度は高くなる。又、例えば再沈や加熱処理等により、吸
湿性物質を除去するのも有効である。
【0054】尚、上記個数平均粒径は透過型電子顕微鏡
観察によって2000倍に拡大し、ランダムに100個
の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェ
レ方向平均径としての測定値である。
【0055】次に、本発明の感光体について記載する。
本発明において、感光体とは電子写真画像形成に用いら
れる電子写真感光体であり、中でも有機電子写真感光体
(有機感光体)を用いた場合に本発明の効果が顕著に表
れる。有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可
欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の
機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体
を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物
質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能
を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感
光体を全て含有する。
【0056】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。 導電性基体 本発明の円筒状導電性基体とは回転することによりエン
ドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意
味し、円筒度が5〜40μmであるが、更に真直度で
0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電
性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超
えると、良好な画像形成が困難になる。
【0057】又、本発明の円筒状基体は該基体の外径が
10〜60mmであることが好ましい。即ち、このよう
な比較的小径の円筒状感光体でハーフトーンむらは発生
しやすく、本発明の効果が顕著に発現される。更に、後
に記す画像形成装置の設計の容易性を考慮すると、該基
体の外径は25〜60mmがより好ましい。
【0058】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性基体としては常温で比抵抗1
3Ωcm以下が好ましい。
【0059】中間層 本発明の感光体に用いられる中間層(UCL)は円筒状
基体と感光層との接着性改良、或いは該円筒状基体から
の電荷注入を防止するために、円筒状基体と感光層の間
に設けられるが、該中間層の材料としては、ポリアミド
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これら
の樹脂の繰り返し単位の中の2つ以上を含む共重合体樹
脂が挙げられる。これら樹脂の中で繰り返し使用に伴う
残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹
脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は
0.01〜2.0μmが好ましい。
【0060】又、本発明に最も好ましく用いられる中間
層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の
有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた
中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の
膜厚は、0.01〜2.0μmが好ましい。
【0061】又、別の好ましい中間層としては酸化チタ
ンとバインダ樹脂を含有し、酸化チタンをバインダ樹脂
溶液中に分散、塗布したものが挙げられる。酸化チタン
を用いた中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好まし
い。
【0062】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0063】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0064】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0065】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0066】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0067】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0068】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0069】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。これらCTLのバインダーとして最も好ましいも
のはポリカーボネート樹脂である。又、電荷輸送層の膜
厚は10〜40μmが好ましい。
【0070】保護層 感光体の保護層として、各種樹脂層を設けることができ
る。特に架橋系の樹脂層を設けることにより、機械的強
度の強い有機感光体を得ることができる。
【0071】本発明の画像形成方法、或いは画像形成装
置に用いられるトナーは、例えば磁性体を含有させて一
成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリア
と混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性ト
ナーを単独で使用する場合等が考えられ、いずれも好適
に使用することができるが、本発明ではキャリアと混合
して使用する二成分現像剤として使用することが好まし
い。又、本発明の画像形成方法、或いは画像形成装置に
用いられるトナーの体積平均粒径は8.5〜3.5μm
が好ましい。このような小粒径のトナーを本発明の画像
形成方法、或いは画像形成装置に適用すると、鮮鋭性の
良好な高画質の電子写真画像を得ることができる。尚、
上記トナー粒子の体積平均粒径はコールターカウンター
TA−あるいはコールターマルチサイザー(コールター
社製)で測定されるものである。
【0072】次に、本発明の画像形成装置について説明
する。図5は本発明の画像形成装置の一例の断面図であ
る。
【0073】図5に於いて50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様
な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器5
2による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴
をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部
51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0074】感光体への一様帯電の後、像露光手段とし
ての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行
われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダ
イオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー5
31、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路
を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、
静電潜像が形成される。
【0075】ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電
器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行
われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を
現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法であ
る。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加され
る現像バイアス電位により現像されない。
【0076】その静電潜像は次いで現像手段としての現
像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナ
ーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が
設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して
回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、
搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は
攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供
給量は該搬送量規制部材により制御される。該現像剤の
搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像
剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200m
g/cm2の範囲である。
【0077】現像剤は、例えば前述のフェライトをコア
としてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャ
リアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料として
カーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低
分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸
化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤
は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと
搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム
50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に
応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。ま
た、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態
で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547
を図5のように現像位置上部に設けて行う。
【0078】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0079】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面の転写電極(転写手段:転
写器)58が作動し、給紙された記録紙(記録材)Pを
挟着して転写される。
【0080】次いで記録紙Pは転写電極とほぼ同時に作
動状態とされた分離電極(分離器)59によって除電が
なされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装
置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー6
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の
転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光
体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の
形成に備える。図5では転写電極58にコロトロンの転
写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、
感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概
に規定することはできないが、例えば、転写電流として
は+100〜+400μA、転写電圧としては+500
〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0081】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0082】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0083】本発明の有機電子写真感光体は電子写真複
写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶
シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応す
るが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記
録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く
適用することができる。
【0084】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載するが、以下
の実施例に限定されるものではない。
【0085】円筒状基体の作製 1.基体加工方法 a.円筒状基体A−1の加工 引き抜き加工で形成された厚さ1.25mmのアルミニ
ウム合金からなる円筒状基体(長さL=344mm、直
径φ(外径=60mm))に図3の接触圧力可変手段3
−8を使用し、長さD=300mm(0.84×L)の
ステンレスの保持部材を円筒状基体内径に押圧保持し、
外径基準(円筒状基体の外表面円筒の中心軸を基準軸と
する)で直径φ=98.40mm、長さd=8mmのイ
ンロー加工を行った(インロー加工はエグロ社製、精密
CNC両端加工機BSを使用)。
【0086】その後、上記円筒状基体の両端を前記無摺
動式開閉チャックを用いて把持して、インロー加工部の
内径基準で基体表面を切削加工した(切削加工機は昌運
工作所製SPA−5を使用)。加工後の円筒状基体A−
1の円筒度は8μmであった。
【0087】b.円筒状基体A−2の加工 円筒状基体A−1の加工において、D=241mm
(0.70×L)以外は同様にしてインロー加工、及び
切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−2の円筒度
は25μmであった。
【0088】c.円筒状基体A−3の加工 円筒状基体A−1の加工において、D=189mm
(0.55×L)以外は同様にしてインロー加工、及び
切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−3の円筒度
は37μmであった。
【0089】d.円筒状基体A−4の加工 円筒状基体A−1の加工において、D=154mm
(0.55×L)以外は同様にしてインロー加工、及び
切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−4の円筒度
は46μmであった。
【0090】e.円筒状基体B−1〜B−4の加工 前記円筒状基体A−1〜A−4の加工条件で直径φ(外
径=60mm)を直径φ(外径=45mm)に変更した
以外は同様にして、円筒状基体B−1〜B−4を作製し
た。該円筒状基体B−1〜B−4の円筒度はそれぞれ、
7、23、34、44μmであった。
【0091】f.円筒状基体C−1〜C−4の加工 前記円筒状基体A−1〜A−4の加工条件で直径φ(外
径=60mm)を直径φ(外径=30mm)に変更した
以外は同様にして、円筒状基体C−1〜C−4を作製し
た。該円筒状基体C−1〜C−4の円筒度はそれぞれ、
6、21、34、42μmであった。
【0092】2.感光体の作製 下記記載の内「部」とは質量部を示す。
【0093】感光体1の作製 円筒状基体A−1を洗浄後、下記分散物を作製、塗布
し、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。
【0094】 〈導電層(PCL)組成液〉 フェノール樹脂 160部 導電性酸化チタン 200部 メチルセロソルブ 100部 下記中間層組成液を調製した。この塗布液を上記導電層
上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を形
成した。
【0095】 〈中間層(UCL)組成液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60部 メタノール 1600部 1−ブタノール 400部 下記組成液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散
し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中
間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷
発生層を形成した。
【0096】 〈電荷発生層(CGL)組成液〉 チタニルフタロシアニン顔料 60部 シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越 化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 下記組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製
した。この塗布液を前記電荷発生層の上に特開昭58−
189061号公報に記載の円形量規制型塗布装置で塗
布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を
作製した。この感光体の円筒度は35μmであった。
【0097】 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 200部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製) 300部 1,2−ジクロロエタン 2000部 テフロン(R)粒子(数平均粒径0.2μm) 60部 感光体2〜21の作製 感光体1の作製において、円筒状基体及び電荷輸送層
(CTL)組成液中のテフロン(R)粒子及び数平均粒
径30nmの疎水性シリカ粒子の量を表1のように変化
させて感光体2〜21を作製した。
【0098】評価 上記感光体1〜21を評価機として図5記載のデジタル
複写機(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転
写、ブレードクリーニング採用プロセスを有し、プリン
ト速度A4紙20枚/min)を用い評価した。クリー
ニング性及び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人
物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等
分にあるオリジナル画像をA4中性紙に複写して行っ
た。複写条件は最も厳しいと思われる高温高湿環境(3
0℃、80%RH)にて連続10万枚コピー行いハーフ
トーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を評価した。但し、コ
ピー開始前に、感光体表面にセッティングパウダーをま
ぶし、感光体とクリーニングブレードをなじませた後1
0万枚のコピーを行った。評価項目及び評価基準を下記
に示す。
【0099】評価項目及び評価基準 鮮鋭性(文字画像の判別容易性で判定) ◎:初期と10万枚コピー後の解像度に差がない ○:ハーフトーン画像で10万枚コピー後の解像度に軽
微な低下有り ×:10万枚コピー後の解像度に顕著な低下有り ハーフトーンむら:10万枚コピー終了後、ハーフトー
ン画像(濃度0.2近辺の均一画像)の濃度差(ΔHD
=最大濃度−最小濃度)で判定 マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字さ
れていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対
画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次
に、上記ハーフトーン画像部を同様に20カ所、絶対画
像濃度で測定し、その最大濃度−最小濃度をΔHDとし
て評価した。
【0100】 ◎:0.05以下(良好) ○:0.05より大で0.1未満(実用上問題ないレベ
ル) ×:0.1以上(実用上問題あり) クリーニング性(5万及び10万枚コピー終了後にA3
紙に連続10枚複写を行い、ベタ白部でのクリーニング
不良の発生の有無で判定) ◎:10万枚までトナーのすり抜け、ブレード捲れの発
生なし ○:5万枚までトナーのすり抜け、ブレード捲れの発生
なし ×:5万枚未満でトナーのすり抜け又はブレード捲れが
発生 その他評価条件 尚、上記デジタル複写機を用いたその他の評価条件は下
記の条件に設定した。
【0101】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0102】現像条件 DCバイアス;−550V 現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーテ
ィングしたキャリアとスチレンアクリル系樹脂を主材料
としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分
子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化
チタン等を外添したトナー(体積平均粒径6.5μm、
トナー濃度5.5質量%)の現像剤を使用した。
【0103】転写条件 転写極;コロナ帯電方式 クリーニング条件 クリーニング部に硬度70°、反発弾性65%、のクリ
ーニングブレードをカウンター方向に線圧18(N/
m)となるようにばね荷重方式で当接した。
【0104】上記帯電器や転写極、クリーニングブレー
ド等は感光体の大きさによりサイズを最適化し、評価を
行った。
【0105】評価結果を表1に示した。
【0106】
【表1】
【0107】表1から明らかなように、本発明の円筒度
を満たした円筒状導電性基体上に接触角が90〜130
°の条件を満たした感光体1〜4、6、8〜11、1
3、15〜18、20は接触角が90°未満の感光体
5、12、19に比し、クリーニング性を中心とした改
良効果が顕著であり、鮮鋭性、ハーフトーンむらも同等
以上の特性を示しており、一方、接触角のばらつきが±
5°より大きい感光体7、14、21に比しては、ハー
フトーンむらを中心とした改良効果が顕著であり、解像
度、クリーニング性も同等以上の改善がなされている。
【0108】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明の条件を満たした電子写真感光体は、トナーのクリー
ニング性に優れ、画像ムラのない、鮮鋭な電子写真画像
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子写真感光体の概略正面図であ
る。
【図2】本発明にかかる円筒状基体の製造工程について
説明するために(a)、(b)の工程順に示したもので
ある。
【図3】(a)は保持部材の斜視図である。(b)は保
持部材の圧力可変手段を示す断面図である。
【図4】円筒状基体の外側表面に感光層を塗布形成した
図である。
【図5】本発明の画像形成装置の一例の断面図である。
【符号の説明】
3 保持部材 4 圧力可変手段 4−1 テーバーの付いた中心棒 10 電子写真感光体 11 円筒状基体 12a,13a 薄肉部(インロー加工部) 14,15 フランジ 16 感光層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基
    体上に、接触角が90〜130°の表面層を有すること
    を特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基
    体上に、接触角が90〜130°且つ接触角のばらつき
    が平均値の±5°の表面層を有することを特徴とする電
    子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記円筒状導電性基体の外径が10〜6
    0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記表面層が表面エネルギー低下剤を含
    有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記表面エネルギー低下剤がフッ素原子
    を含有するフッ素系樹脂粒子であることを特徴とする請
    求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基
    体上に接触角が90〜130°の表面層を有する電子写
    真感光体上に形成された潜像を体積平均粒径が3.5〜
    8.5μmのトナーを含有する現像剤を用いてトナー像
    に顕像化し、該トナー像を記録材に転写し、トナー転写
    後の残留トナーをクリーニング手段で除去することを特
    徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の画像形成方法を用いた
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、ク
    リーニング器の少なくとも1つを一体として有してお
    り、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたことを特
    徴とするプロセスカートリッジ。
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