JP4254113B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体(以下、単に感光体とも云う)及び該感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置、プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の画像形成方法は近年のデジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成が主流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方法は400dpi(1インチ=2.54cm当たりのドット数)等の1画素の小さなドット画像を顕像化することを基本としており、これらの小さなドット画像を忠実に再現する高画質技術が要求されている。特に、近年では複写機の小型化、高解像度化、フルカラー化の要望やプリンターの場合は解像度の向上が強まっており、高解像度などの高精度の要求される場合には、より一層の高画質技術が要求されている。
【0003】
このような高画質化の要求に対して、トナーの形状因子や粒度分布を制御し、トナーを小粒径化する研究が進められている。トナーの形状分布や粒度分布をシャープし、トナーを小粒径化することにより、解像力の向上、微細な階調表現力の向上等により高画質化が実現使用とする開発がなされている。しかしながら小粒径トナーを用いた高画質化は当初予想した程には効果が上がらず、却って小粒径トナーを用いたことによる問題が生ずことがある。即ち、感光体上に形成されたトナー像の転写性が十分でないこと、残留トナーのクリーニングにおける問題はその一つであり、トナーの小粒径化によりトナーの感光体への付着力が見かけ上大きくなって、転写性が低下しやすく、クリーニング性が困難になるという問題が発生している。特に、平均粒径が8μm以下の小粒径トナーを用いて現像したトナー像は感光体から記録材への転写性やその後の感光体上の残留トナーのクリーニング性に劣り、鮮鋭性が不十分で、且つトナーが感光体とクリーニングブレードのエッジの間を通り抜けるいわゆる「スリヌケ」が生じてクリーニング不良となる傾向が強い。
【0004】
かかる問題を解決するために、電子写真感光体の表面層に表面エネルギーを低下させる表面エネルギー低下剤(微粒子等)を含有させて、感光体表面のトナーの付着力を低減し、転写性を改良したり、ブレードとの摩擦力を低減させるなどの技術が検討されてきた。例えば特開平5−181291号公報では感光層にアルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子を含有させることが報告されている。しかし、アルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子は吸湿性があり、高湿環境下では感光体の表面の濡れ性、即ち表面エネルギーが大きくなり、転写性が低下しやすいといった問題が発生する。
【0005】
一方、特開昭63−56658号公報では感光体表面を低表面エネルギー化するために、フッ素樹脂粉体を含有させた電子写真感光体が報告されている。しかしながらフッ素樹脂粉体を用いて、転写性やクリーニング性を改善したときに、ハーフトーンむらが発生しやすいことが見いだされた。更に、この現象は、ハーフトーン画像部に濃度むらが発生する現象は円筒状感光体を用いた電子写真画像で発生しやすい傾向が見いだされた。その後の本発明者等の検討で、円筒状の電子写真感光体の表面層に表面エネルギー低下剤を用いて、表面を低表面エネルギー化したときに、感光体表面が均一に低表面エネルギー化されず、感光体の接触角にばらつきが発生した結果、発生した現象であると推定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記問題を解決し、トナーの転写性やクリーニング性を改良し、高画質の電子写真画像を提供できる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した電子写真画像の高画質化の要求に対して、円筒状基体を用いた感光体の円筒度の精度と接触角との関係の重要性に着目し検討を続けた結果、成されたものである。
【0008】
本発明者等は、前記問題を解決するために検討を重ねた結果、以下の構成のいずれかをとることにより本発明の目的を達成出来ることを見出した。
【0010】
.円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°接触角のばらつきが平均値の±5°の表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。
【0011】
.前記円筒状導電性基体の外径が10〜60mmであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
【0014】
.円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°、接触角のばらつきが平均値の±5°の表面層を有する電子写真感光体上に形成された潜像を体積平均粒径が3.5〜8.5μmのトナーを含有する現像剤を用いてトナー像に顕像化し、該トナー像を記録材に転写し、トナー転写後の残留トナーをクリーニング手段で除去することを特徴とする画像形成方法。
【0015】
.前記に記載の画像形成方法を用いたことを特徴とする画像形成装置。
.前記1又は2に記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有しており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に接触角が90〜130°である表面層を設けたことを特徴とする。
又、本発明の電子写真感光体は円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°接触角のばらつきが±5°の表面層を有することを特徴とする。
【0017】
上記のような構成の電子写真感光体は感光体表面の表面エネルギーが均一に低下したものであり、トナーの転写性、クリーニング性が良好であり、ハーフトーンむら等の画像欠陥を発生せず、鮮鋭性が良好な電子写真画像を提供することが出来る。
【0018】
本発明の表面層とは電子写真感光体を構成する各種層構成の中で単純に表面に存在する層を意味し、機能を示すものではない。即ち、電子写真感光体が円筒状基体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順に積層している場合には電荷輸送層が表面層であり、更に保護層を積層している場合は保護層が表面層となる。
【0019】
本発明の円筒度とは、JIS規格(B0621−1984)による。即ち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置の半径の差で表し、本発明では該半径の差をμmで表す。
【0020】
本発明の円筒状導電性基体(以下、円筒状基体又は基体とも云う)の円筒度は5〜40μm、好ましくは7〜30μm、更には7〜27μmが良い。40μmより大きいと感光体表面の位置による接触角が変動しやすく、その結果、転写むらやハーフトーンむら等の画像欠陥が発生しやすい。5μmより小さくすると、収率が悪くなりコスト的に不利となる。但し、前記円筒状基体の円筒度は、実質的に画像形成を行う領域の円筒度を意味し、画像形成を行わない両端の変動領域は除く。
【0021】
本発明の円筒度の測定方法は円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を用いた。
【0022】
上記円筒度が5〜40μmの円筒状基体を作製する方法について記載する。
図1は本発明による電子写真感光体10の概略正面図で、円筒状基体11と、その両側開口部である端部12、13に設けられたフランジ14、15からなり、円筒状基体11の表面には感光層16が形成されている。また、電子写真感光体10の中心にはシャフト17が円筒状基体11の軸Cと一致するように配設され、電子写真感光体10を回転可能なものとしている。
【0023】
円筒状基体11は、アルミニウムもしくはアルミニウム系合金などの導電性金属で形成したものが用いられ、内部が中空の円筒状に加工されている。例えばアルミニウム系合金を用いた場合には、延伸加工および/または切削加工を施すことで円筒状とされる。
【0024】
フランジ14,15は、円筒状基体11の両端部内面に嵌合して円筒状基体11を円柱状のものにする円盤状とされ、その中心には孔18が形成されている。また、一方のフランジ14にはその外周に歯車14aが形成されており、電子写真感光体10の回転を制御し得るものとしている。
【0025】
シャフト17は、断面が正方形等の矩形形状、十字状、円状等とした金属、プラスチック等を用いた棒状のものとされ、湾曲等の変形が少ない材料が用いられる。また、シャフト17はフランジ14、15に形成された孔18を通って固定され、これにより電子写真感光体10の回転を支える軸となる。
【0026】
感光層16は、有機光導電体(OPC)感光層などの光電効果を有する光導電物質からなる。
【0027】
図2は、本発明にかかる円筒状基体の製造工程について説明するために(a)、(b)の工程順に示したものである。まず最初に図2(a)に示すような中空円筒状の円筒状基体11を準備する。円筒状基体11としては、例えば延伸加工により肉厚が1mmで外径が30mmφとしたアルミニウム合金を用いることができる。
【0028】
図2(a)は基体内部に保持部材3を挿入させ、インロー加工として切削バイトで加工している図である。端部には内側に段差を設けるようにインロー加工を施す。この箇所においては、外径は変わらないものの段差分だけ肉厚を薄くして内径を大きくした薄肉部(インロー加工部)12a、13aが形成される。
【0029】
本発明ではこのインロー加工に際して、円筒状基体を保持部材と圧力可変手段4により、内部より把持して、該保持部材を貫通する中心軸19の周りにモーター20、21により円筒状基体を回転駆動させて、旋削刃具22を基体内部に当接し、インロー加工を行う。即ち、円筒状基体を内部より把持することにより、該表面を傷つけないようにすることを特徴とする。
【0030】
尚、上記保持部材とはインロー加工等の円筒状基体の加工時に、振動を抑制し、基体の形状変形を防止するために、円筒状基体内径に挿入圧接する部材を云う。
【0031】
尚、上記インロー加工とは円筒状基体の内部を切削加工し、基体内面に段差(フランジ等の部材を取り付ける等のため)等の加工面を形成する加工を意味し、例えば、円筒状基体を回転させながら、切削バイトを当接し、送り移動し加工する。例えば、円筒状基体の両端に基体軸方向長さdmmの段差(インロー長さ)を形成する場合、円筒状基体長さ(軸方向)をLmm、保持部材の長さ(軸方向)をDmmとすると、保持部材の長さDは下記の範囲にあることが好ましい。
【0032】
1/2×L≦D<L−2d
Dが1/2×Lより小さいと、インロー加工の時に、基体両端が独楽状に振れやすく、加工精度が劣化しやすい。DがL−2d以上になると、インロー加工部の空間が十分でなく、加工作業が困難となる。
【0033】
次に、該インロー加工された円筒状基体を用いて該表面の切削加工を行う。即ち、図2(b)は前記インロー加工により形成された内径を持つ円筒状基体の両端のインロー部を握持用爪23の開閉に無摺動式開閉チャック(藤井精密工業株式会社製、エアーバルーンチャック、クラフトグラフィー、ダイナミックツール株式会社製ダイアフラムチャック)24、25を用いて握持し、インロー加工部の内径基準(インロー加工で形成された円筒内径の中心軸を基準軸とする)で基体表面を切削加工している図である。
【0034】
以上のような円筒状基体の加工方法を採用することにより、外径円筒度が5〜40μmの電子写真感光体用円筒状基体を作製することができる。26は切削刃具である。
【0035】
前記保持部材としては、インロー加工時の振動を抑制し、形状を保持するために、強度の強い剛性部材の場合が好ましい。該剛性部材としては、ステンレス、真鍮等の金属やセラミックス等が良い。又、該保持部材には接触圧力可変手段等が装備されているものが良い。以下、該剛性部材を円筒状基体の内径に挿入押圧する方法について説明する。
【0036】
図3(a)は保持部材3の斜視図である。図3(b)は保持部材の圧力可変手段4を示す断面図である。3−1〜3−8は各々断面が扇型をした保持部材の部品であり、各部品が図示されていない緩い連結、例えばバネで結合されて、保持部材全体を構成し、保持部材の外面は円筒状基体内面に接触するよう円筒状を形成している。保持部材の中心部は図3(b)に示すように圧力可変手段4として、テーバーの付いた中心棒4−1が出し入れ出来るような環を形成している。図3(b)に示すように中心棒4−1を挿入することにより、保持部材は外側に拡がり、円筒状基体を押圧しながら保持する事になる。押圧したときの圧力の調整はこの中心棒4−1の挿入深さで調整される。
【0037】
保持部材としては上記剛性部材の代わりに、硬質ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも可能である。
【0038】
又、上記中心棒4−1は保持部材を貫通する中心軸19を有し、この中心軸の周りに円筒状基体を回転駆動させてインロー加工を行う。
【0039】
次に、基体を洗浄後、図4に示すように、円筒状基体11の外側表面に感光層16を塗布形成する。
【0040】
次に、感光層が形成された円筒状基体にはフランジ14,15が取り付けられる。フランジ14、15は円盤状とされ、円筒状基体11の外径と略等しい外径を有し、円筒状基体11に取り付けられて蓋となる外側部分と、それよりも外径の小さな内側部分とからなり、その中心には孔18が形成されている。外径の小さな内側部分は、その外径が前記インロー加工で形成された薄肉部12a,13aの内径と等しいか若しくは若干大きなものとされている。フランジ14、15の外径の小さな内側部分は円筒状基体11の薄肉部12a,13aに嵌合する。これにより円筒状基体11の端部にフランジ14,15が蓋をするように固定される。このとき、フランジ14,15を取り付けた状態において、円筒状基体11の軸Cを中心とした円筒度が5〜40μmであることが好ましい。なお、一方のフランジ14の外周部分には歯車14aが形成されている。また、フランジの中央部にはシャフトを固定するための孔18が設けてある。
【0041】
本発明の感光体は円筒度が5〜40μmの円筒状基体上に接触角が90〜130°の表面を有する感光層を有することを特徴とする。
【0042】
感光体の接触角を大きくすると、即ち、感光体の表面エネルギーを低下させると、感光体表面に付着するトナーや紙粉等の付着力が小さくなり、感光体上のトナー像の転写性や、残存トナーや紙粉のクリーニング性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像を得やすいが、他方で感光体表面の場所による接触角のばらつきが大きくなり、このため転写性のばらつきが大きくなり、ハーフトーン画像に画像むらが発生しやすい。そこで本発明は円筒度を5〜40μmの範囲の円筒状基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°の感光層を設けることにより、感光体の接触角の位置によるばらつきを小さくし、ばらつきを±5°とすることにより、ハーフトーンむらの発生を小さくすることができる。
【0043】
又、本発明では上記感光体の接触角のばらつきが平均値の±5°であることが必要であるが、より好ましくは±4°、最も好ましくは±3°である。接触角のばらつきが平均値の±5°の範囲を超えると、ハーフトーンむらが発生しやすく、中抜けや文字チリ等も発生しやすい。
【0044】
感光体の接触角を90〜130°にするには、感光体の表面層に表面エネルギー低下剤を含有させ、接触角を大きくすることが好ましい。但し、接触角を130°より大きくするような表面エネルギー低下剤は、適切な材料が見あたらず、又、そのような材料があったとしても、該材料を電子写真感光体へ付与すると、電子写真画像の劣化を伴いやすい。
【0045】
ここで表面エネルギー低下剤とは電子写真感光体の表面層に添加し、電子写真感光体の表面エネルギーを低下させる物質を云い、具体的には表面層に添加することにより、電子写真感光体の接触角(純水に対する接触角)を1°以上増加させる材料を云う。
【0046】
接触角及び接触角のばらつき測定
本発明の接触角とは感光体表面への純水に対する接触角を云う。感光体の接触角は純水に対する接触角を接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて30℃80%RHの環境下で測定する。
【0047】
接触角のばらつきの測定は30℃80%RHの環境下で測定する。測定個所は円筒状感光体の中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所について、それぞれ円周方向90°づつの4カ所、計12カ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をばらつきの値とした。
【0048】
又、表面エネルギー低下剤としては、電子写真感光体の接触角(純水に対する接触角)を1°以上増加させる材料であれば、脂肪酸金属塩或いはフッ素系樹脂等の材料に限定されない。
【0049】
本発明に用いられる表面エネルギー低下剤としては、感光体の表面層に含有させ、その結果接触角を増加させる材料である。最も好ましい表面エネルギー低下剤としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂粒子が好ましい。特に、平均粒径が0.01〜2.0μmのフッ素原子を含有する離形性に優れた樹脂粒子が好ましい。
【0050】
そのほかの材料としては脂肪酸金属塩が好ましい。該脂肪酸金属塩は、炭素数10以上の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩が好ましい。たとえばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸インジウム、ステアリン酸ガリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、パルチミン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム等が挙げられ、より好ましくはステアリン酸金属塩である。
【0051】
本発明の感光体の表面層には、前記した表面エネルギー低下剤の他に、個数平均粒径5〜1000nmの無機微粒子を添加するのが好ましい。このような無機微粒子を前記表面エネルギー低下剤と併用することにより、更に感光体の接触角のばらつきを小さくすることが容易になる。更に、疎水化処理を行った無機微粒子(例えば特開平8−248663号等に記載の)を感光体の表面層に分散、含有させて表面粗さを調整することが好ましい。又、無機微粒子を疎水化する方法としては、チタンカップリング剤・シランカップリング剤・高分子脂肪酸またはその金属塩等の疎水化処理剤により処理する方法を利用することができる。
【0052】
無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化クロム、ベンガラ等の微粒子が挙げられる。
【0053】
前記したように、無機微粒子は疎水化処理が成されている方が好ましい。該疎水化処理は無機微粒子と疎水化処理剤とを高温度下で反応させて行うことができる。前記疎水化処理剤としては、特に制限はなく、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、デシルシラン、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン等のシランカップリング剤やジメチルシリコンオイルなどが挙げられる。前記疎水化処理剤の量としては、前記微粒子等の種類等により異なり、一概に規定することはできないが、一般的にはその量が増せば疎水化度は高くなる。又、例えば再沈や加熱処理等により、吸湿性物質を除去するのも有効である。
【0054】
尚、上記個数平均粒径は透過型電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0055】
次に、本発明の感光体について記載する。
本発明において、感光体とは電子写真画像形成に用いられる電子写真感光体であり、中でも有機電子写真感光体(有機感光体)を用いた場合に本発明の効果が顕著に表れる。有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0056】
以下に本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
導電性基体
本発明の円筒状導電性基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、円筒度が5〜40μmであるが、更に真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0057】
又、本発明の円筒状基体は該基体の外径が10〜60mmであることが好ましい。即ち、このような比較的小径の円筒状感光体でハーフトーンむらは発生しやすく、本発明の効果が顕著に発現される。更に、後に記す画像形成装置の設計の容易性を考慮すると、該基体の外径は25〜60mmがより好ましい。
【0058】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性基体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0059】
中間層
本発明の感光体に用いられる中間層(UCL)は円筒状基体と感光層との接着性改良、或いは該円筒状基体からの電荷注入を防止するために、円筒状基体と感光層の間に設けられるが、該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の中の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜2.0μmが好ましい。
【0060】
又、本発明に最も好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.01〜2.0μmが好ましい。
【0061】
又、別の好ましい中間層としては酸化チタンとバインダ樹脂を含有し、酸化チタンをバインダ樹脂溶液中に分散、塗布したものが挙げられる。酸化チタンを用いた中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましい。
【0062】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0063】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0064】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0065】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0066】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0067】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0068】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0069】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0070】
保護層
感光体の保護層として、各種樹脂層を設けることができる。特に架橋系の樹脂層を設けることにより、機械的強度の強い有機感光体を得ることができる。
【0071】
本発明の画像形成方法、或いは画像形成装置に用いられるトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、いずれも好適に使用することができるが、本発明ではキャリアと混合して使用する二成分現像剤として使用することが好ましい。又、本発明の画像形成方法、或いは画像形成装置に用いられるトナーの体積平均粒径は8.5〜3.5μmが好ましい。このような小粒径のトナーを本発明の画像形成方法、或いは画像形成装置に適用すると、鮮鋭性の良好な高画質の電子写真画像を得ることができる。尚、上記トナー粒子の体積平均粒径はコールターカウンターTA−あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。
【0072】
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
図5は本発明の画像形成装置の一例の断面図である。
【0073】
図5に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0074】
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0075】
ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
【0076】
その静電潜像は次いで現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0077】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図5のように現像位置上部に設けて行う。
【0078】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0079】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面の転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録紙(記録材)Pを挟着して転写される。
【0080】
次いで記録紙Pは転写電極とほぼ同時に作動状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。図5では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0081】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0082】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0083】
本発明の有機電子写真感光体は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0084】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。
【0085】
円筒状基体の作製
1.基体加工方法
a.円筒状基体A−1の加工
引き抜き加工で形成された厚さ1.25mmのアルミニウム合金からなる円筒状基体(長さL=344mm、直径φ(外径=60mm))に図3の接触圧力可変手段3−8を使用し、長さD=300mm(0.84×L)のステンレスの保持部材を円筒状基体内径に押圧保持し、外径基準(円筒状基体の外表面円筒の中心軸を基準軸とする)で直径φ=98.40mm、長さd=8mmのインロー加工を行った(インロー加工はエグロ社製、精密CNC両端加工機BSを使用)。
【0086】
その後、上記円筒状基体の両端を前記無摺動式開閉チャックを用いて把持して、インロー加工部の内径基準で基体表面を切削加工した(切削加工機は昌運工作所製SPA−5を使用)。加工後の円筒状基体A−1の円筒度は8μmであった。
【0087】
b.円筒状基体A−2の加工
円筒状基体A−1の加工において、D=241mm(0.70×L)以外は同様にしてインロー加工、及び切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−2の円筒度は25μmであった。
【0088】
c.円筒状基体A−3の加工
円筒状基体A−1の加工において、D=189mm(0.55×L)以外は同様にしてインロー加工、及び切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−3の円筒度は37μmであった。
【0089】
d.円筒状基体A−4の加工
円筒状基体A−1の加工において、D=154mm(0.55×L)以外は同様にしてインロー加工、及び切削加工を行った。加工後の円筒状基体A−4の円筒度は46μmであった。
【0090】
e.円筒状基体B−1〜B−4の加工
前記円筒状基体A−1〜A−4の加工条件で直径φ(外径=60mm)を直径φ(外径=45mm)に変更した以外は同様にして、円筒状基体B−1〜B−4を作製した。該円筒状基体B−1〜B−4の円筒度はそれぞれ、7、23、34、44μmであった。
【0091】
f.円筒状基体C−1〜C−4の加工
前記円筒状基体A−1〜A−4の加工条件で直径φ(外径=60mm)を直径φ(外径=30mm)に変更した以外は同様にして、円筒状基体C−1〜C−4を作製した。該円筒状基体C−1〜C−4の円筒度はそれぞれ、6、21、34、42μmであった。
【0092】
2.感光体の作製
下記記載の内「部」とは質量部を示す。
【0093】
感光体1の作製
円筒状基体A−1を洗浄後、下記分散物を作製、塗布し、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。
【0094】
〈導電層(PCL)組成液〉
フェノール樹脂 160部
導電性酸化チタン 200部
メチルセロソルブ 100部
下記中間層組成液を調製した。この塗布液を上記導電層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0095】
〈中間層(UCL)組成液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60部
メタノール 1600部
1−ブタノール 400部
下記組成液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0096】
Figure 0004254113
下記組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に特開昭58−189061号公報に記載の円形量規制型塗布装置で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。この感光体の円筒度は35μmであった。
【0097】
Figure 0004254113
感光体2〜21の作製
感光体1の作製において、円筒状基体及び電荷輸送層(CTL)組成液中のテフロン(R)粒子及び数平均粒径30nmの疎水性シリカ粒子の量を表1のように変化させて感光体2〜21を作製した。
【0098】
評価
上記感光体1〜21を評価機として図5記載のデジタル複写機(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転写、ブレードクリーニング採用プロセスを有し、プリント速度A4紙20枚/min)を用い評価した。クリーニング性及び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4中性紙に複写して行った。複写条件は最も厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、80%RH)にて連続10万枚コピー行いハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を評価した。但し、コピー開始前に、感光体表面にセッティングパウダーをまぶし、感光体とクリーニングブレードをなじませた後10万枚のコピーを行った。評価項目及び評価基準を下記に示す。
【0099】
評価項目及び評価基準
鮮鋭性(文字画像の判別容易性で判定)
◎:初期と10万枚コピー後の解像度に差がない
○:ハーフトーン画像で10万枚コピー後の解像度に軽微な低下有り
×:10万枚コピー後の解像度に顕著な低下有り
ハーフトーンむら:10万枚コピー終了後、ハーフトーン画像(濃度0.2近辺の均一画像)の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字されていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、上記ハーフトーン画像部を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その最大濃度−最小濃度をΔHDとして評価した。
【0100】
◎:0.05以下(良好)
○:0.05より大で0.1未満(実用上問題ないレベル)
×:0.1以上(実用上問題あり)
クリーニング性(5万及び10万枚コピー終了後にA3紙に連続10枚複写を行い、ベタ白部でのクリーニング不良の発生の有無で判定)
◎:10万枚までトナーのすり抜け、ブレード捲れの発生なし
○:5万枚までトナーのすり抜け、ブレード捲れの発生なし
×:5万枚未満でトナーのすり抜け又はブレード捲れが発生
その他評価条件
尚、上記デジタル複写機を用いたその他の評価条件は下記の条件に設定した。
【0101】
帯電条件
帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750V
露光条件
露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0102】
現像条件
DCバイアス;−550V
現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアとスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナー(体積平均粒径6.5μm、トナー濃度5.5質量%)の現像剤を使用した。
【0103】
転写条件
転写極;コロナ帯電方式
クリーニング条件
クリーニング部に硬度70°、反発弾性65%、のクリーニングブレードをカウンター方向に線圧18(N/m)となるようにばね荷重方式で当接した。
【0104】
上記帯電器や転写極、クリーニングブレード等は感光体の大きさによりサイズを最適化し、評価を行った。
【0105】
評価結果を表1に示した。
【0106】
【表1】
Figure 0004254113
【0107】
表1から明らかなように、本発明の円筒度を満たした円筒状導電性基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°、接触角のばらつきが平均値の±5°の条件を満たした感光体2、9、16は接触角が90°未満の感光体5、12、19に比し、クリーニング性を中心とした改良効果が顕著であり、鮮鋭性、ハーフトーンむらも同等以上の特性を示しており、一方、接触角のばらつきが±5°より大きい感光体7、14、21に比しては、ハーフトーンむらを中心とした改良効果が顕著であり、解像度、クリーニング性も同等以上の改善がなされている。
【0108】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、本発明の条件を満たした電子写真感光体は、トナーのクリーニング性に優れ、画像ムラのない、鮮鋭な電子写真画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子写真感光体の概略正面図である。
【図2】本発明にかかる円筒状基体の製造工程について説明するために(a)、(b)の工程順に示したものである。
【図3】(a)は保持部材の斜視図である。(b)は保持部材の圧力可変手段を示す断面図である。
【図4】円筒状基体の外側表面に感光層を塗布形成した図である。
【図5】本発明の画像形成装置の一例の断面図である。
【符号の説明】
3 保持部材
4 圧力可変手段
4−1 テーバーの付いた中心棒
10 電子写真感光体
11 円筒状基体
12a,13a 薄肉部(インロー加工部)
14,15 フランジ
16 感光層

Claims (5)

  1. 円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°、接触角のばらつきが平均値の±5°の表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記円筒状導電性基体の外径が10〜60mmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 円筒度が5〜40μmの円筒状導電性基体上に、フッ素系樹脂粒子及び疎水化処理された無機微粒子を含有し、且つ接触角が90〜130°、接触角のばらつきが平均値の±5°の表面層を有する電子写真感光体上に形成された潜像を体積平均粒径が3.5〜8.5μmのトナーを含有する現像剤を用いてトナー像に顕像化し、該トナー像を記録材に転写し、トナー転写後の残留トナーをクリーニング手段で除去することを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項3に記載の画像形成方法を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有しており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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