JPH08262755A - 電子写真感光体とそれを用いた電子写真装置及び装置ユニット - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた電子写真装置及び装置ユニット

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JPH08262755A
JPH08262755A JP7062703A JP6270395A JPH08262755A JP H08262755 A JPH08262755 A JP H08262755A JP 7062703 A JP7062703 A JP 7062703A JP 6270395 A JP6270395 A JP 6270395A JP H08262755 A JPH08262755 A JP H08262755A
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JP
Japan
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electrophotographic
layer
photosensitive member
photoreceptor
photoconductor
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JP7062703A
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English (en)
Inventor
Takeo Oshiba
武雄 大柴
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Yoshihiko Eto
嘉彦 江藤
Katsumi Matsuura
克巳 松浦
Yoshiaki Takei
良明 武居
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体表面の摩耗、損傷がなく、かつオゾン
等の活性種による感光層の疲労劣化がなく長期に亘る繰
り返しての像形成の過程で高濃度、鮮明な画像が得られ
る電子写真感光体、それを用いた電子写真装置及び装置
ユニットを提供する。 【構成】 導電性支持体上に設けられる感光層中に電荷
輸送物質に対する量比が0.01〜1.0となるように
ヒンダードフェノール又はヒンダードアミン誘導体を含
有し、かつ該感光層上に設けられる保護層中に体積平均
粒径が0.05〜2.0μmの無機粒子を含有する電子
写真感光体、該感光体が用いられかつクリーニング手段
として弾性ブレードクリーニング手段が用いられる電子
写真装置及び少なくとも前記感光体とクリーニング手段
とが一体的に支持され、装置本体に着脱自在とされた装
置ユニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高耐久性が付与された電
子写真感光体、該感光体が組み込まれた電子写真装置及
び装置ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】カールソン法を用いる電子写真装置にお
いては、電子写真感光体表面に一様な帯電を付与した
後、像露光を施して静電潜像を形成し、得られた静電潜
像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を転写材上
に転写、定着して像形成が行われる。又転写後の前記感
光体は表面に残留したトナーの除去及び除電が行われて
長期に亘り繰り返し使用される。
【0003】従って前記感光体としては、感度、帯電、
暗減衰及び残留電位等の電子写真特性は勿論、繰り返し
使用時の耐刷性、耐摩耗性、耐湿性等の物理的性質や、
コロナ放電時に発生するオゾン、NoX等の活性種、像
露光時の紫外線等への耐性においても良好であることが
要請される。
【0004】前記のように電子写真感光体を繰り返して
使用する場合、帯電時に発生するオゾン、NoX等の活
性種及び像露光の作用で前記感光体表面層の光導電性物
質、バインダー樹脂等が劣化して電子写真性能が劣化す
る。又現像、転写、分離及びクリーニングの工程で前記
感光体表面に塵埃、紙粉、トナー等が付着して汚染され
電子写真性能が低下する。
【0005】そこで従来現像剤中に、例えば酸化アルミ
ニウム、酸化セリウム等の研磨材を添加し、疲労劣化し
た感光体表面層及び該表面層に付着した紙粉やトナーフ
イルミングを現像の過程で除去してリファイニングする
ようにしている。
【0006】電子写真感光体として、従来アモルファス
シリコン、セレン、硫化カドミウム等の無機光導電性物
質を主成分とする無機感光体が多く用いられてきたが、
近年低コストで毒性がなく、加工性も優れていて、用途
に応じて選択の自由度が大きい有機光導電性物質を主成
分とする有機感光体が主として用いられるようになっ
た。
【0007】前記有機感光体は無機感光体に比して感光
層が有機質から成り、前記帯電時に発生する前記活性種
及び像露光により疲労劣化が激しく、かつ比較的に軟質
であるため前記現像、転写、分離及びクリーニングによ
り摩耗損傷し易いと云う問題がある。
【0008】その対等としては例えば特開平1−205
171号公報には最表面層、例えば保護層中に硬質無機
粒子を含有させた有機感光体が提案されている。
【0009】しかしながら、前記公報には帯電及び像露
光の繰り返しによる感光体の疲労劣化の防止対策に関す
る記載が全くない。
【0010】前記公報記載のように有機感光体上に硬質
の無機粒子を含有する保護層を設けた場合、感光体の機
械的耐摩耗性が強化されるが、反面帯電時に発生する前
記活性種及び像露光による劣化は、比較的に薄層の前記
保護層を透過して下層の感光層の光導電性物質及びバイ
ンダー樹脂を変質せしめ繰り返し使用時感光体の電子写
真性能を劣化せしめる。
【0011】一方前記帯電時に発生する活性種及び像露
光による疲労劣化を防止するため感光層層中にヒンダー
ドフェノール構造単位及び/又はヒンダードアミン構造
単位を有する化合物を含有させた電子写真感光体が、例
えば特開平1−118138号公報に記載されている。
【0012】しかしながら該公報には感光体表面層の機
械的摩耗及び損傷を防止する対策に関する記載が全くな
い。このため現像、転写、分離及びクリーニングの工程
で感光体表面が摩耗、損傷し、特に有機感光体を使用し
た場合、前記感光体表面の摩耗、損傷が大きく、電子写
真性能が急速に低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記実情に鑑
みて提案されたものであり、その目的とするところは、
繰り返し像形成の過程で表面層の機械的摩耗、損傷によ
る疲労劣化ばかりでなく、帯電時発生するオゾン、No
X等の活性種及び像露光時の紫外線等による疲労劣化が
十分に防止されていて、極めて高耐久性であり、長期に
亘り高濃度、鮮明な画像が安定して得られる電子写真感
光体を提供することにある。
【0014】さらに本発明の目的は、電子写真感光体と
して前記高耐久性の感光体を用いると共に、クリーニン
グ手段として弾性ブレードを前記感光体と組み合わせて
用いることにより、繰り返しての像形成の過程で前記感
光体表面の摩耗損傷がなく、かつ電子写真性能の劣化が
なく、長期に亘り高濃度、鮮明な画像が安定して得られ
る電子写真装置を提供することにある。
【0015】さらに又本発明の目的は、電子写真感光体
として前記高耐久性の感光体を用いることにより感光体
の交換を行うことなく長期に亘り繰り返して高画質の像
形成が可能であり、感光体以外の像形成手段に欠陥を生
じた場合でも、速やかにかつ容易に交換可能であり、電
子写真装置の維持管理が容易な装置ユニットを提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、導電性
支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体に
おいて、前記保護層中に体積平均粒径が0.05〜2.
0μmである無機粒子を含有し、かつ前記感光層の電荷
輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に、前記電
荷輸送物質に対する量比(ここでいう量比とは重量比を
いう)が0.001〜1.0となるようにヒンダードフ
ェノール誘導体を含有せしめたことを特徴とする電子写
真感光体により達成される。
【0017】又本発明の目的は、導電性支持体上に感光
層及び保護層を有する電子写真感光体、静電潜像形成手
段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を有する
電子写真装置において、前記感光体が保護層中に体積平
均粒径が0.05〜2.0μmである無機粒子を含有
し、かつ前記感光層の電荷輸送物質を含有する層中に、
前記電荷輸送物質に対する量比が0.001〜1.0と
なるようにヒンダードフェノール誘導体を含有せしめた
感光体であり、前記クリーニング手段が弾性ブレードク
リーニング手段であることを特徴とする電子写真装置に
より達成される。
【0018】又本発明の目的は、導電性支持体上に感光
層及び保護層を有する電子写真感光体及び複数の像形成
手段の少なくとも2つを有する装置ユニットにおいて、
前記感光体が保護層中に体積平均粒径が0.05〜2.
0μmである無機粒子を含有し、かつ前記感光層の電荷
輸送物質を含有する層中に、前記電荷輸送物質に対する
量比が0.001〜1.0となるようにヒンダードフェ
ノール誘導体を含有せしめた感光体であり、該感光体と
前記像形成手段としての帯電手段、現像手段、転写手段
及びクリーニング手段の少なくとも1つとが一体的に支
持され、装置本体に着脱自在に装着されていることを特
徴とする装置ユニットにより達成される。
【0019】さらに又本発明の目的は、導電性支持体上
に感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
前記保護層中に体積平均粒径が0.05〜2.0μmで
ある無機粒子を含有し、かつ前記感光層の電荷輸送物質
及びバインダー樹脂を含有する層中に前記電荷輸送物質
に対する量比が0.001〜1.0となるようにヒンダ
ードアミン誘導体を含有せしめたことを特徴とする電子
写真感光体により達成される。
【0020】さらに又本発明の目的は、導電性支持体上
に感光層及び保護層を有する電子写真感光体、静電潜像
形成手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を
有する電子写真装置において、前記感光体が保護層中に
体積平均粒径が0.05〜2.0μmである無機粒子を
含有し、かつ前記感光層の電荷輸送物質を含有する層中
に、前記電荷輸送物質に対する量比が0.001〜1.
0となるようにヒンダードアミン誘導体を含有せしめた
感光体であり、前記クリーニング手段が弾性ブレードク
リーニング手段であることを特徴とする電子写真装置に
より達成される。
【0021】さらに又本発明の目的は、導電性支持体上
に感光層及び保護層を有する電子写真感光体及び複数の
像形成手段の少なくとも2つを有する装置ユニットにお
いて、前記感光体が保護層中に体積平均粒径が0.05
〜2.0μmである無機粒子を含有し、かつ前記感光層
の電荷輸送物質を含有する層中に、前記電荷輸送物質に
対する量比が0.001〜1.0となるようにヒンダー
ドアミン誘導体を含有せしめた感光体であり、該感光体
と前記像形成手段としての帯電手段、現像手段、転写手
段及びクリーニング手段の少なくとも1つとが一体的に
支持され、装置本体に着脱自在に装着されていることを
特徴とする装置ユニットにより達成される。
【0022】なお本発明の前記感光体の好ましい実施態
様として、該感光体の感光層の電荷輸送物質及びバイン
ダー樹脂を含有する層中に、前記バインダー樹脂に対す
る量比が0.001〜1.0となるようにヒンダードフ
ェノール誘導体又はヒンダードアミン誘導体を含有せし
める。
【0023】又前記感光体の保護層の膜厚は0.1〜1
0.0μmとされ、好ましくは0.1〜5μmとされ、
該保護層中に含有される無機粒子は実質に球形粒子とさ
れ、疎水化されたものが好ましい。
【0024】又特には前記無機粒子はシリカ粒子とさ
れ、好ましくは疎水化されたシリカ粒子とされる。
【0025】又本発明の前記電子写真装置の好ましい実
施態様としては、前記弾性ブレードクリーニング手段の
弾性ブレードが前記装置内に組み込まれた電子写真感光
体に対してカウンター方向で5〜50g/cmの圧接力
で圧接して使用される。
【0026】又本発明の前記装置ユニットの好ましい実
施態様としては、前記クリーニング手段が弾性ブレード
クリーニング手段とされ、少なくとも該クリーニング手
段と電子写真感光体とが前記装置ユニット内に一体的に
支持され、装置本体に着脱自在に装着されている。
【0027】本発明の電子写真感光体の保護層に含有さ
れる無機粒子としては、好ましくはモース硬度で4以上
の硬質の粒子とされ、電子写真性能に悪影響を与えない
ものとされる。
【0028】このような無機粒子としては、例えば酸化
セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化
鉄、酸化チタンなどの酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウムなどの珪酸塩;チッ化ホウ素、チ
ッ化チタンなどのチッ化物;炭化ケイ素、炭化チタン、
炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウムなど
の炭化物;ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタンなどのホ
ウ化物などが挙げられ、これらのうち1種を、又は、必
要に応じて2種以上が用いられる。
【0029】前記無機粒子は体積平均粒径が0.05〜
2.0μmとされ、好ましくは長径/短径の比が2.0
未満の実質的球形粒子とされる。
【0030】前記無機粒子の体積平均粒径が0.05μ
mを下回ると感光体表面の十分な機械的強度が得られ
ず、又粒子の表面積が大きくなる結果、吸着水量等が増
大し繰り返し像形成の過程で前記感光体表面が摩耗、損
傷して電子写真性能が劣化する。又2.0μmを上回る
と感光体表面粗さが大となりクリーニングブレードが摩
耗、損傷してクリーニング特性が悪化し、クリーニング
不良を生じ、かつ画像ボケが発生し易くなる。前記無機
粒子が実質的に球形とは、電子顕微鏡で10,000倍
に拡大した粒子が不定形ではなく前記長径/短径の比が
2.0未満の球形と見做されるものである。その場合感
光体表面の摩耗係数を低減することができ、従来問題と
されてきた弾性クリーニングブレードの反転を防止する
ことができる等利点を生ずる。
【0031】なお、前記無機粒子の体積平均粒径はレー
ザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−700(掘場
製作所製)により測定される。
【0032】又前記無機粒子としては、例えばチタンカ
ップリング剤、シランカップリング剤、高分子脂肪酸又
はその金属塩等の疎水化処理剤により疎水化されたもの
が好ましい。
【0033】前記チタンカップリング剤としては、テト
ラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス
(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテート
チタネートなどがある。さらに、シランカップリング剤
としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベン
ジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメト
キシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルト
リメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オク
チルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、
ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メ
チルフェニルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0034】又、脂肪酸及びその金属塩としては、ウン
デシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、ヘプタ
デカン酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸があげられ、そ
の金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウ
ム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との
塩があげられる。
【0035】これら化合物は、前記無機粒子に対して重
量で1〜10%添加し被覆することが良く、好ましくは
重量で3〜7%である。また、これらの材料を組み合わ
せて使用することもでき、通常前記無機粒子表面に単分
子層又はそれに近い層で形成される。
【0036】本発明においては、前記感光体の保護層中
に含有される無機粒子としては特にシリカ粒子が好まし
く用いられ、さらには吸湿性が小さく、表面の活性水酸
基が少ないシリカ粒子が好ましく用いられる。
【0037】このようなシリカ粒子としては、示差走査
熱量分析法で40〜200℃の範囲に吸熱ピークを有
し、かつRH80%の環境下において、該吸熱ピークの
エネルギーの変化量ΔHが20J/g以下のものとされ
る。さらに好ましくは前記シリカ粒子を前記シランカッ
プリング剤等の疎水化処理剤で処理して前記エネルギー
変化量ΔHが10J/g以下としたものが用いられる。
【0038】前記シリカ粒子の疎水化処理は、シリカ表
面のシラノール基を化学反応により前記した疎水化処理
剤と反応させることにより達成される。
【0039】前記シリカ粒子の疎水化処理方法として
は、例えばシラノール基を高圧下でトリメチルクロロシ
ランと反応させる方法(Kolloid−Z,149,
39(1956))、アルコールとのエステル化(DB
P 1074559)オートクレーブ中でのエステル
化、(Bull.Chem.Soc.Jpn.49(1
2),3389(1976))などがしられているが、
特にシランカップリング剤による処理法が一般的であ
る。シランカップリング剤による処理方法については例
えば「シランカップリング剤」(信越化学工業)、「技
術資料No.Z003」(東芝シリコーン)等に記載さ
れている方法によって行う事ができる。
【0040】前記したような吸湿性が小さく、表面の活
性種の少ないシリカ粒子は例えば化学炎CVD(CV
D:Chemical Vapor Depositi
on)法により製造されるが、その中でも金属ケイ素粉
末を燃焼用混合ガス中に投入し、爆発的に燃焼、反応さ
せて製造するのが好ましい。
【0041】この製造法の詳細は例えば特開昭60−2
55602号、特開平5−193908号、同5−19
3909号、同5−193910号、同5−19392
8号、同5−196614号、同6−107406号の
各公報に詳細に記載されている。
【0042】前記各号公報記載の製造方法では、予め原
料となる硅素金属素材を高純度の水で複数回洗浄して溶
解成分を除去すると共に、加熱処理して気相成分を除去
して高純度の硅素微粉末を得る。次に製造装置頭部のバ
ーナーにLPG等の可燃ガスと酸素ガス等の支燃ガスを
導入して着火用の火炎を形成しておき、該着火用の火炎
中に前記高純度の硅素粉末を分散含有する空気等のキャ
リアガスを導入して着火燃焼を開始する。その後前記支
燃ガスを多段に供給して前記硅素粉末を爆発的に酸化燃
焼させて高純度のシリカ粒子を得るようにしている。
【0043】以上の製造方法によれば、前記示差走査熱
量分析法での吸熱ピークのエネルギー変化量ΔHが通常
10J/g以下であり、かつシャープな粒度分布を有す
る高純度のシリカ粒子をうることができると共に、目的
に応じて前記粒度分布を広範囲に変化させて製造するこ
とができる。
【0044】前記のようにして製造されたシリカ粒子は
含有される不純物が極めて少なくアルミニウム成分が1
000ppm以下、好ましくは200〜1ppm、カル
シウム成分が300ppm以下、好ましくは50〜1p
pm、鉄成分が1000ppm以下、好ましくは200
〜1ppmの範囲とされる。なお前記シリカ粒子中のA
l及びFeはICP発光分析法により、Caはフレーム
レス原子吸光法により測定される。
【0045】前記無機粒子、特にはシリカ粒子を含有す
る保護層を有する本発明の電子写真感光体としては、セ
レン、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等を用い
た無機感光体であってもよいが、好ましくは有機の電荷
発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)とを含有
する感光層を有する感光体とされ、本発明では前記感光
層中の少なくとも前記CTMを含有する層にヒンダード
フェノール誘導体又はヒンダードアミン誘導体から成る
酸化防止剤が含有される。
【0046】本発明に用いられる前記ヒンダードフェノ
ール誘導体とは下記一般式〔A〕で示されるものであ
る。
【0047】
【化1】
【0048】〔式中、R1は水素原子又は有機基、R2
はR6の少なくとも一方が炭素数3以上の有機基、残り
の1つとR3、R4、R5は水素原子又は有機基であ
る。〕前記一般式〔A〕で示されるヒンダードフェノー
ル誘導体のうち特に好ましいものとしては、下記一般式
〔1A〕、〔2A〕、〔3A〕、〔4A〕及び〔5A〕
で示されるものがある。
【0049】
【化2】
【0050】〔一般式〔1A〕中、R8は分岐状アルキ
ル基、R9、R10、R11は水素原子又はヒドロキシ基、
アルキル基、アリール基を表し、R10及びR11は相互に
連結して環を形成してもよい。R7は水素原子、アルキ
ル基又はアルキリデン基を表す。
【0051】前記R8は炭素数3〜40のtert-若しくはse
c-アルキル基が好ましい。
【0052】R9、R10及びR11のアルキル基として
は、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基として
はフェニル、ナフチル、ピリジル基等が挙げられる。
【0053】またR10とR11が環となる場合にはクロマ
ン環が好ましい。
【0054】R7の表すアルキル基、アルキリデン基と
しては、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好ましい
のは、炭素数1〜18のものである。
【0055】Y1は水素原子又は有機残基、好ましくは
有機残基である。〕 〔一般式〔2A〕中、R12は水素原子又はアルキル基、
アリール基、アラルキル基、R13、R17は分岐状アルキ
ル基、R14、R15、R16及びR18、R19、R20は水素原
子又は置換基を表す。
【0056】m、pは0又は正の整数であり、且つm+
pは2〜4である。またWは連絡基である。
【0057】前記R12の表すアルキル基としては、炭素
原子数1〜40個のアルキル基であって置換基を有しても
よい。R12に対する置換基としては、アリール基、アル
コキシ基、カルボキシル基、アミド基、ハロゲン原子等
任意のものが可能である。
【0058】またアラルキル基としては、ベンジル基、
フェネチル基等が挙げられる。
【0059】またR13、R17の表す分岐状アルキル基と
しては炭素数1〜40個の分岐状アルキル基であり、例え
ば(t)ブチル、(sec)ブチル、(sec)オクチル、(t)オクチ
ル基等が挙げられる。
【0060】R14〜R16及びR18〜R20のとりうる置換
基としては、例えばアリール基、アルコキシ基、カルボ
キシル基、アミド基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0061】また連結基Wはm、pの値如何によって変
化する。Wとしては例えばメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、フェニレン基、スルフィド、ポリスルフィ
ド基が代表的なものとして挙げられる。
【0062】なお、上記においてはWがなくフェニル基
同士が直接結合する場合も含まれる。〕 〔一般式〔3A〕中、R21、R22及びR23で表される炭
素原子数1〜4のアルキル基は直鎖でも分岐していても
よく、具体的には例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、i-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル
基等が挙げられる。
【0063】これらの基の中で特にt-ブチル基が好まし
い。R21、R22及びR23は同じでも異なっていてもよ
い。〕 〔一般式〔4A〕中、R24及びR25は各々、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又は
複素環基を表し、R26、R27、R28及びR29は各々、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル
基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカ
ルボニル基又はスルホンアミド基を表す。〕 〔又、一般式〔5A〕中、R30は炭素原子数1〜18のア
ルキル基を表し、R31及びR32は各々、水素原子又は炭
素原子数1〜18のアルキル基を表す。R33は水素原子又
は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
【0064】更に、一般式〔5A〕において、R30、R
31及びR32で表される炭素原子数1〜18のアルキル基は
直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、オク
チル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0065】R33で表される炭素原子数1〜10のアルキ
ル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、sec-ペンチル
基、ヘキシル基、ノニル基等を挙げることができる。〕 前記一般式〔1A〕〜〔5A〕に含まれるヒンダードフ
ェノール誘導体のうち特に重要な化合物例を以下に示
す。
【0066】
【化3】
【0067】さらに前記ヒンダードフェノール誘導体に
含まれるその他の重要な化合物例を以下に示す。
【0068】
【化4】
【0069】
【化5】
【0070】次に本発明に用いられるヒンダードアミン
誘導体とは下記一般式〔B〕で示されるものである。
【0071】
【化6】
【0072】〔一般式〔B〕中、R32、R35、R36、R
37及びR38は水素原子又は有機基であり、R33、R34
39及びR40の少なくとも1つが水素原子以外の有機基
であり、残りは水素原子又は有機基、Xは酸素原子、C
(R41)R42又はN−R43であり、R41、R42及びR43
は水素原子又は有機基である。〕 前記一般式〔B〕で示されるヒンダードアミン誘導体の
うち特に好ましいものとしては、下記一般式〔1B〕及
び〔2B〕で示されるものがある。
【0073】
【化7】
【0074】〔前記一般式〔1B〕、〔2B〕の各式
中、R41〜R52は水素原子又はアルキル基であり、該ア
ルキル基としては炭素数1〜40個であることが好まし
く、また置換基(例えばアリール、アルコキシ、アミ
ド、ハロゲン等)を有してもよい。又R41〜R52の少な
くとも1つは水素原子以外のアルキル基であることが好
ましい。
【0075】またY1〜Y4は水素原子又は有機残基であ
り、好ましくは有機残基である。〕 前記一般式〔1B〕、〔2B〕のうち一般式〔1B〕が
重要であり、該一般式〔1B〕に含まれるヒンダードア
ミン誘導体のうち、特に重要な化合物例を以下に示す。
【0076】
【化8】
【0077】
【化9】
【0078】さらに本発明に用いられる分子内に下記一
般式〔3B〕及び〔6A〕を有する共重合体から成るヒ
ンダードフェノール誘導体〔C〕がある。
【0079】
【化10】
【0080】〔前記一般式〔3B〕及び〔6A〕におい
て、式中、R52、R53、R54及びR55は水素原子又はア
ルキル基、アリール基を表し、Zは含窒素脂環を構成す
るに必要な原子団を表す。またR52、R53の組及び
54、R55の組の夫々の組においてその1つはZの中に
組込まれて二重結合を与えてもよい。
【0081】更に、R56は分岐状アルキル基、R57、R
58及びR59は水素原子又はヒドロキシ基、アルキル基、
アリール基を表し、R58及びR59は相互に連結して環を
形成してもよい。R60は水素原子、アルキル基又はアル
キリデン基を表す。
【0082】前記R52、R53、R54及びR55は好ましく
は炭素数1〜40個のアルキル基であって、該アルキル基
は置換基を有してもよく置換基としては、例えばアリー
ル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミド基、ハロ
ゲン原子等任意のものが挙げられる。
【0083】Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団
であり、好ましくは5員環、6員環を構成する原子団で
ある。
【0084】好ましい環構造としては、ピペリジン、ピ
ペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、
オキサゾリジン、チアゾリジン、セレナゾリジン、ピロ
リン、イミダゾリン、イソインドリン、テトラヒドロイ
ソキノリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジ
ン、ジヒドロイソキノリン、オキサゾリン、チアゾリ
ン、セレナゾリン、ピロール等の各環が挙げられ、特に
好ましくはピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びピ
ロリジンの各環である。
【0085】前記R56は炭素数3〜40のtert-もしくはs
ec-アルキル基が好ましい。
【0086】R57、R58及びR59はアルキル基として
は、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基として
はフェニル、ナフチル、ピリジル基等が挙げられる。
【0087】またR58とR59が環となる場合にはクロマ
ン環が好ましい。
【0088】R60の表すアルキル基、アルキリデン基と
しては、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好ましい
のは、炭素数1〜18のものである。〕 前記一般式〔3B〕に含まれるヒンダードアミン構造単
位と前記一般式〔6A〕に含まれるヒンダードフェノー
ル構造単位との共重合体から成る化合物〔C〕のうち特
に重要な化合物例としては、以下のものが挙げられる。
【0089】
【化11】
【0090】
【化12】
【0091】
【化13】
【0092】以下本発明の電子写真感光体の層構成を図
1により説明する。
【0093】図1(イ)は導電性支持体1上に中間層2
を介して電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CT
M)を共に含有する単層構成の感光層6と該感光層上に
保護層5を有する感光体であり、図1(ロ)は導電性支
持体1上に中間層2を介してCTMを主成分として含有
する電荷輸送層(CTL)3とCGMを主成分として含
有する電荷発生層(CGL)4とをこの順に積層して成
る感光層6と該感光層上に保護層5を有する感光体であ
る。又図1(ハ)は導電性支持体1上に中間層2を介し
てCGL4とCTL3とをこの順に積層して成る感光層
6と該感光層上に保護層5を有する感光体である。
【0094】前記保護層5中には前記無機粒子、特には
シリカ粒子がバインダー樹脂に対して0.001〜2.
0の量比(重量比)で含有され、該保護層5の膜厚は
0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmとされ
る。
【0095】前記無機粒子のバインダー樹脂に対する量
比が0.001より小さいと保護層5の機械的強度が不
十分となり、又電子写真特性も劣化し易く2.0より大
きいとクリーニング時クリーニングブレードの感光体に
接する端面が摩耗、損傷し、かつ画像ボケが発生し易く
なる。
【0096】又前記保護層5の膜厚が0.1μmより小
さいと、矢張り該保護層の機械的強度が不足し、10μ
mより大きいと画質が劣化し易い。
【0097】次に前記図1(イ)の感光体の単層構成の
感光層6には後記するCGM、CTM及び必要に応じて
添加されるバインダー樹脂、さらには前記したヒンダー
ドフェノール誘導体又はヒンダードアミン誘導体からな
る酸化防止剤が前記CTMに対して0.001〜1.0
の量比で含有される。
【0098】又図1(ロ)及び図1(ハ)の感光体のC
TL3には、後記するCTM及びバインダー樹脂さらに
は前記酸化防止剤が前記CTMに対して同様0.001
〜1.0の量比で含有され、CGL4には後記するCG
M及び必要によりバインダー樹脂、さらに必要により前
記酸化防止剤が適量含有される。
【0099】前記感光体(イ)の感光層6及び感光体
(ロ)、(ハ)のCTL3に含有される酸化防止剤の量
が0.001より小さいと、感光体の繰り返し使用の際
感度低下及び残留電位の上昇を招き、電子写真性能が劣
化する。又1.0より大きいと、同様の感度低下及び残
留電位の上昇を招く。
【0100】なお前記感光層6及びCTL3に含有され
る酸化防止剤は前記各層中のバインダー樹脂に対しても
同様0.001〜1.0の範囲とされるのが好ましく、
それによって帯電及び像露光の際発生するオゾン、No
Xその他の活性種によるバインダー樹脂の疲労劣化が防
止される。
【0101】前記図1(イ)〜(ハ)の各感光体の感光
層6に含有されるCGMとしては、例えばフタロシアニ
ン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、イ
ンジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、ス
クワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チ
オピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタ
ン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらのCGMは
単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われ
る。
【0102】前記感光層6に含有されるCTMとして
は、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導
体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、
スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合
物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導
体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベ
ンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフ
ラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、ア
ミノスチルベン誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、
ポリ-1-ビニルピレン、ポリ-9-ビニルアントラセン等が
挙げられこれらのCTMは通常バインダーと共に層形成
が行われる。
【0103】これらの中で特に好ましいCTMとしては
下記一般式で示される化合物のものがあげられる。
【0104】
【化14】
【0105】(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は置換、無置
換の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R2は水
素原子もしくは置換、無置換の芳香族炭化水素基または
複素環基を表す。nは1もしくは2である。Ar4とR2
互いに結合していてもよい。)
【0106】
【化15】
【0107】(式中、R3、R4は置換、無置換の芳香族
炭化水素基、複素環基またはアルキル基を表し、互いに
連結していてもよい。R5は水素原子もしくは置換、無
置換の芳香族炭化水素基、複素環基、アルキル基を表
し、Ar5は置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素
環基を表す。mは0もしくは1である。)
【0108】
【化16】
【0109】(式中、Yは置換、無置換のベンゼン、ナ
フタレン、ピレン、フルオレン、カルバゾール及び4,
4′-アルキリデンジフェニル基を表し、Ar6、Ar7は置
換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
lは1〜3の整数である。)
【0110】
【化17】
【0111】(式中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11の置換、無
置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。) これらの内、本発明の感光体に好ましく用いられる具体
的化合物例を以下に例示する。
【0112】
【化18】
【0113】
【化19】
【0114】
【化20】
【0115】
【化21】
【0116】
【化22】
【0117】
【化23】
【0118】前記単層構成の感光層6及び積層構成の場
合のCGL3、CTL4に含有されるバインダー樹脂と
しては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン
-ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共
重合体樹脂、塩化ビニル-無水マレイン酸共重合体樹
脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂エポキシ樹脂、シリコ
ン-アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹
脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0119】なお前記図1(イ)〜図1(ハ)の各感光
体の保護層に含有されるバインダー樹脂は好ましくは機
械的衝撃に強く耐摩耗性が大であり、かつ電子写真性能
を阻害しないものがよい。好ましいバインダー樹脂とし
ては下記一般式〔I〕〜〔IV〕の構造単位を有するポリ
カーボネート樹脂があげられる。
【0120】
【化24】
【0121】(式中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、
シクロアルキル基又はアリール基、jは4〜11の整数、
9は炭素原子数1〜9のアルキル基又はアリール基で
ある。)
【0122】
【化25】
【0123】(式中、R35からR42はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を
表す。)
【0124】
【化26】
【0125】(式中、R63〜R70はそれぞれ独立した水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無
置換のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基
を表す。)
【0126】
【化27】
【0127】(式中、R83〜R98はそれぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、置換、無置換アルキル基はアリ
ール基を表し、kおよびmは正の整数であって、k/m
が1〜10になるように選択される。) なお前記一般式で示される構造単位を有するポリカーボ
ネート樹脂は好ましくは重量平均分子量30,000以上のも
のとされる。
【0128】次に、前記各層を形成する際に用いられる
溶媒又は分散媒としては、n-ブチルアミン、ジエチルア
ミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、ト
リエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメ
チルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,1,
2-トリクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピ
ナール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれら
に限定されるものではないが、ケトン系溶媒を用いた場
合に感度、繰り返し使用時に電位変化等が更に良好とな
る。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0129】本発明に於いてCGL4中のCGMとバイ
ンダー樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1が好まし
いが、バインダーは必ずしも必要ではない。また電荷発
生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.05〜2μm
が好ましい。
【0130】又、CTL3の前記のCTMとバインダー
樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥するこ
とによって形成される。CTMとバインダー樹脂との混
合割合は重量比で10:1〜1:10が好ましく、特に
は5:1〜1:5が好ましい。
【0131】また、CTL3の膜厚は5〜50μm、特に
は10〜40μmが好ましい。
【0132】感光体が単一層型の場合、上述したような
CGMとCTMをバインダー樹脂に分散および溶解した
溶液を塗布乾燥することによって得ることができる。
【0133】本発明の感光体の前記保護層は樹脂及び本
発明に用いられるシリカ粒子を溶媒と共に溶解、分散さ
せ、前記した感光層上に塗布することにより形成され
る。
【0134】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体1としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板 2)紙あるいはプラスチックフィルムなどの支持体上
に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラ
ミネートもしくは蒸着によって設けたもの 3)紙あるいはプラスチックフィルムなどの支持体上
に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導
電性化合物の層を塗布もしくは蒸着によって設けたもの
等が挙げられる。
【0135】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型塗布等の塗布加工方法を用いるのが好まし
い。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3-90
250号及び特開平3-269238号公報に詳細にされ、前記円
型量規制型塗布については例えば特開昭58-189061号公
報に詳細に記載されている。
【0136】なお前記スプレー塗布及び円形量規制型塗
布によれば、前記浸漬塗布等に比して塗布液の無駄な消
費がなく、下層を溶解、損傷することがなく、かつ均一
塗布が達成される等の利点を有する。
【0137】本発明においては導電性支持体1と感光層
6との間に、バリヤー機能と接着樹脂を兼備した中間層
2を設けることもできる。
【0138】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン-アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等
が挙げられる。中間層2の膜厚は、0.1〜10μmが好まし
く、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0139】本発明においては、更に、支持体1と中間
層2との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施す
ことや、特に画像入力がレーザー光の場合には問題とな
る干渉縞の発生を防止することなどを目的とした図示し
ない導電層を設けることができる。この導電層は、カー
ボンブラック、金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性
粉体を適当なバインダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾
燥して形成することができる。導電層の膜厚は1〜40μ
mが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。
【0140】上述した各種層は、ディッピング法、スプ
レーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビー
ドコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコ
ーティング法等の塗布方法によって塗布されることがで
きる。
【0141】また、支持体1の形状はドラム状でもシー
ト状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最
適した形状であることが好ましい。
【0142】本発明の電子写真感光体は、アナログ複写
機、デジタル複写機、レーザープリンター、LEDプリ
ンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置
一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を
応用したディスプレイ、記録、軽印刷、ファクシミリ等
の装置にも広く適用し得るものである。
【0143】図2は本発明の電子写真感光体が組み込ま
れたデジタルカラー複写機の一例を表す構成断面図であ
る。図中10は感光体ドラムで矢印方向(時計方向)に
回転、駆動され、帯電器12により一様の帯電が付与さ
れる。
【0144】前記感光体10への一様帯電ののち、像露
光手段13により画像信号に基づく像露光が行われる。
前記像露光手段13では、原稿走査光学系133により
読み取られた画像信号により、図示しないレーザー光源
からのレーザービームを変調し、得られた変調レーザー
ビームを高速で回転するポリゴンミラー131により感
光体ドラム10上を主走査し、かつ該感光体ドラム10
の回転により副走査して、該感光体10上に静電潜像が
形成される。
【0145】まず感光体ドラム10の1回転目に、前記
原稿走査光学系133によりイエロー(Y)画像信号が
読み取られ、該Y画像信号により変調されたレーザービ
ームを用いて感光体上に像露光して静電潜像を形成し、
該潜像をYトナーを含む現像剤(Y現像剤)を収容した
現像器14Yにより現像され、前記感光体10にYトナ
ー像が形成される。
【0146】次に前記感光体ドラム10の2回転目に、
マゼンタ(M)画像信号が読み取られ、再帯電された前
記ドラム10上に該M画像信号に基づくレーザー像露光
が行われて、静電潜像が形成され、Mトナーを含むM現
像剤を収容した現像器14Mにより現像されて、前記感
光体ドラム10上のYトナー像に重ね合わせてMトナー
像が形成される。
【0147】以後、同様にして感光体ドラム3回転目及
び4回転目においてシアン(C)画像信号及び黒(K)
画像信号に基づくレーザー像露光が行われ、かつC現像
剤を収容した現像器14C及びK現像剤を収容した現像
器14Kによりそれぞれ現像されて前記感光体ドラム1
0上のYトナー像及びMトナー像に重ね合わせてCトナ
ー像及びKトナー像が形成される。
【0148】前記のようにして得られた感光体ドラム1
0上の4色トナーから成るカラートナー像は給紙装置1
6から給送され、タイミングローラ17によりタイミン
グを合わせて搬送された転写材P上に転写ローラ18の
作用で一括転写され、次いで前記カラートナー像が転写
された転写材Pは分離ブラシ19により除電されること
により前記感光体ドラム10から分離され、定着装置2
0へ搬送されて熱ローラ201と加圧ローラ202の圧
接下に熱定着され、カラー画像が形成される。
【0149】転写後の感光体ドラム10は除電器23に
より除電された後、クリーニング装置22の弾性クリー
ニングブレード221により清掃され、LED等の除電
ランプ(PCL)11により除電されて次の像形成に備
えられる。
【0150】なお222はトナーガイドローラであり、
又前記弾性クリーニングブレード221及びトナーガイ
ドローラ222は不使用時、矢印方向に回動して感光体
ドラム10面への圧接が解除される。
【0151】又、前記帯電器12、PCL11、クリー
ニング装置22、除電器23、分離ブラシ19、転写ロ
ーラ18及び感光体ドラム10はユニット30として一
体的支持され、装置本体100に着脱自在に装着されて
いる。
【0152】又前記現像器14Y、14M、14C、1
4Kに含有される各現像剤は、フェライトをコアとして
そのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は層形成手段によって現像スリーブ1
41上に100〜600μmの層厚(現像剤)に規制さ
れて現像域へと搬送され、感光体ドラム10と現像スリ
ーブ141との間に直流或いは交流バイアス電位をかけ
て現像が行われる。
【0153】なお前記説明では1例としてカラー複写機
の構成を説明したが、レーザービームを変調する画像信
号をコンピューター、ファクシミリその他の外部通信手
段から入力してカラープリンターとしてもよく、又モノ
クロ画像信号に基づくモノクロ複写機又はモノクロプリ
ンターとして使用することもできる。
【0154】本発明の感光体ドラム10は、転写ドラム
を用いて、該感光体ドラム10上に各色トナー像を形成
する度に転写ドラム上の転写材Pに転写し、該転写材P
上に各色トナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する
カラー複写機又はカラープリンターにも適用することが
できる。
【0155】又感光体ドラム10周縁に帯電器、露光
器、現像器を複数組配置して1パスでカラー画像を形成
するカラー複写機又はカラープリンターにも適用するこ
とができる。
【0156】さらに又通常のアナログのモノクロ複写機
に適用できるのは勿論である。
【0157】又前記カラー複写機では帯電機12、PC
L11、クリーニング装置22、除電器23、分離ブラ
シ19、転写ローラ18及び感光体ドラム10等の像形
成手段をユニット化しているが、現像器を含む像形成手
段の少なくとも2つをユニット化するようにしてもよ
い。
【0158】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が本発明の実施の態様はこれにより限定されるものでは
ない。
【0159】〔実施例A群〕 〈無機粒子の作製〉アドマテックス社製等の5種類のシ
リカ粒子SOC1、SOC2、試作品No1、試作品N
o2及び試作品No3のそれぞれを理論量のトリメチル
シリルメトキシシランから成るシランカップリング剤で
処理して表1に示す実施例用の疎水性シリカA1〜A4
及び比較例用の疎水性シリカA7を得た。又石原産業社
製酸化チタン粒子A−100を前記と同様、理論量のト
リメチルメトキシシランで処理して表1に示す実施例用
の疎水性酸化チタン粒子A5を得た。
【0160】又日本アエロジル社製の疎水化されたアエ
ロジルR972を表1の比較例用シリカ粒子A6とし
た。
【0161】
【表1】
【0162】なお前記理論量とは粒子表面に単分子層を
形成するに必要な量であり下記式により算出される。
【0163】
【数1】
【0164】(Ws:シランカップリング剤添加量
(g)、Wf:粒子使用量(g)、SE:粒子比表面積
(m2/g)、MCA:シランカップリング剤1g当た
りの最小被覆面積(m2/g))。
【0165】〈実施例用感光体1の作製〉直径80mm
のアルミニウムドラム上にポリアミド樹脂から成る膜厚
0.3μmの中間層を設けた。次に下記構造式で示され
るCGM−1の3重量部、ブチラール樹脂「エスレック
(BX−L)」(積水化学社製)10重量部、メチルエ
チルケトン1600重量部から成る塗布液を前記中間層
上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚0.3μmのCGLを形
成した。
【0166】
【化28】
【0167】次いでCTMとしての例示化合物(T−
1)を500重量部、バインダー樹脂としてのポリカー
ボネート樹脂「ユーピロンZ300」(三菱瓦斯化学社
製)500重量部及びヒンダードフェノール系酸化防止
剤(H.P.AO剤)としての例示化合物(A)−3を
25重量部(H.P.AO剤/CTMの量比及びH.
P.AO剤/バインダー樹脂の量比は共に0.05)を
ジメチルメタン3000重量部に溶解して成る塗布液を
前記CGL上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚が25μmの
CTLを形成した。さらにバインダー樹脂としてのポリ
カーボネート樹脂「ユーピロンZ800」(三菱瓦斯化
学社製)100重量部をジクロロエタン2000重量部
に溶解した溶液に表1のシリカ粒子A1の10重量部
(シリカ粒子A1/バインダー樹脂の量比0.1)を混
合、分散して成る塗布液を前記CTL上に円形量規制型
塗布機により塗布して乾燥後の膜厚1.0μmの保護層
を形成し、表2に示す実施例用の感光体1を得た。
【0168】〈実施例用感光体2〜8、10及び比較例
用感光体1〜4の作製〉感光体1の保護層の膜厚、該保
護層中の無機粒子の種類(粒径)、CTL中のCTMに
対する酸化防止剤(H.P.AO剤)の量比及びバイン
ダー樹脂に対する酸化防止剤(H.P.AO剤)の量比
を表2の如く変化した他は感光体1と同様にして、実施
例用の感光体2〜8、10及び比較例用感光体1〜4を
得た。
【0169】〈実施例用感光体9の作製〉感光体1のシ
リカ粒子A1に代えてシリカ粒子A4を用いると共にC
GL中に酸化防止剤(H.P.AO剤)を表2の如く含
有せしめた他は感光体1と同様にして実施例用の感光体
9を得た。
【0170】〈比較例用感光体5の作製〉感光体1の保
護層中の無機粒子を除いた他は感光体1と同様にして比
較例用感光体5を得た。
【0171】
【表2】
【0172】〈実施例1〜10及び比較例1〜5〉以上
のようにして得た15種類の感光体を少なくとも該感光
体とクリーニング手段とが一体的にユニット化されてい
る帯電、像露光、現像、転写、除電及びクリーニングの
各手段を有するKonica U−BIX 4145
(コニカ社製)に装着して常温、常湿(20℃、RH6
0%)下で各感光体毎に像形成テストを行い、得られた
画像の画像評価を行い、かつ電位変動量測定を行った。
【0173】〈画像評価〉前記15種類の感光体を順次
前記複写機に装着し、中間調を有する原稿を用いて10
万回の画出しを行った。この際帯電器はスコロトロン帯
電器が用いられ、グリッド制御により感光体上には−7
50Vの一定帯電条件を付与して像形成が行われた。
【0174】前記10万回の像形成において、クリーニ
ング不良による地カブリ発生の有無、クリーニングブレ
ードのめくれによる筋故障の有無、画像の鮮明度等を目
視により観察し、その結果を表3に示した。
【0175】〈電位変動測定〉前記像形成テスト前後の
黒紙電位(Vb)と白紙電位(Vw)を測定し、その差
ΔVb及びΔVwからテスト前後の各感光体の電位変動
量を求め、その結果を表3に示した。
【0176】なお、測定用原稿として反射濃度1.3の
ベタ黒領域と反射濃度0.0のベタ白領域を半々に有す
る原稿を用い、前記スコロトロン帯電器による−750
Vの帯電後、前記原稿からの像露光により形成された静
電潜像を現像器の位置に配置された電位計により測定し
て黒紙電位(Vb)及び白紙電位(Vw)を測定するよ
うにした。
【0177】
【表3】
【0178】表3より実施例用の感光体を用いた各実施
例では、繰り返し像形成の過程で黒紙電位及び白紙電位
等の電位変動がなく、地カブリ、筋故障等のない鮮明な
画像が得られるが、比較例用の感光体を用いた各比較例
では繰り返し像形成の過程で地カブリや筋故障が発生
し、良好な画像が得られないことがわかる。
【0179】〔実施例B群〕 〈実施例用感光体11の作製〉直径80mmのアルミニ
ウムドラム上にポリアミド樹脂から成る硬膜0.3μm
の中間層を設けた。次に前記CGM−1を30重量部及
びバインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂「ユー
ピロンZ300」100重量部を1,2−ジクロロエタ
ン500重量部に混合し、サンドミルを用いて分散し、
得られた分散液にCTMとしての例示化合物(T−2)
を100重量部(CGM/CTMの量比0.3)及びヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤(H.P.AO剤)と
しての例示化合物(A)−1を5.0重量部(H.P.
AO剤/CTMの量比及びH.P.AO剤/バインダー
樹脂の量比が共に0.05)を混合溶解して成る塗布液
を前記中間層上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚23μmの
感光層を形成した。
【0180】次にバインダー樹脂としてのポリカーボネ
ート樹脂「ユーピロンZ800」100重量部をジクロ
ロエタン2000重量部に溶解した溶液に表1のシリカ
粒子A1の20重量部(シリカ粒子A1/バインダー樹
脂の量比0.2)を混合、分散して乾燥後の膜厚1.0
μmの保護層を形成して実施例用感光体11を得た。
【0181】〈実施例用感光体12〜16及び比較例用
感光体6〜10の作製〉感光体16の保護層膜厚、該保
護層中の無機粒子の種類(粒径)、感光層中のCTMに
対する酸化防止剤(H.P.AO剤)の量比及びバイン
ダー樹脂に対する酸化防止剤(H.P.AO剤)の量比
を表4の如く変化した他は感光体16と同様にして、実
施例用の感光体12〜16及び比較例用感光体6〜10
を得た。
【0182】
【表4】
【0183】〈実施例11〜16及び比較例6〜10〉
前記U−BIX 4145を正帯電用に改造した改造機
を用い、前記のようにして得た11種類の感光体を順次
装着し、正帯電により実施例1の場合と同様にして10
万回の像形成テストを行い、得られた画像の画像評価及
び初期に対する10万回コピー後の感光体の電位変動量
の測定を行い、それらの評価を表5に示した。
【0184】
【表5】
【0185】表5より実施例用の感光体を用いて像形成
を行った各実施はいづれも電位変動量が少なく、かつ地
カブリや筋故障のない鮮明な画像が得られたが、比較例
用の感光体を用いた比較例はいづれも地カブリ又は筋故
障が発生し、かつ鮮明な画像が得られなかった。
【0186】〔実施例C群〕 〈実施例用感光体17の作製〉感光体1の保護層中のシ
リカ粒子A1の含有量を5重量部(シリカ粒子A1/バ
インダー樹脂の量比0.05)とし、CTL中に含有さ
れるヒンダードフェノール系酸化防止剤(H.P.AO
剤)として例示化合物〔5A〕−1を用い、CGL中に
含有されるCGMとしてCuKα特性X線を用いたX線
回折図において、ブラック角(2θ±0.2℃)が2
7.3°に最大ピークを有し、その他に9.5°、1
1.6°、15.0°及び24.1°に少なくとも1つ
以上のピークを有する下記構造のオキシチタニウムフタ
ロシアニン(CGM−2)を用いた他は感光体1と同様
にして表6の実施例用の感光体17を得た。
【0187】
【化29】
【0188】保護層中の無機粒子として酸化チタン粒子
A5を用い、該保護層の膜厚を0.5μmとし、CTL
中に含有されるヒンダードフェノール系酸化防止剤とし
て、例示化合物〔3A〕−1を用いた他は感光体17と
同様にして表6の実施例用の感光体18を得た。
【0189】
【表6】
【0190】〈実施例17,18〉前記のようにして得
た感光体17及び18を、感光体ドラム及び帯電極、A
C除電極、クリーニングブレード、トナー回収ローラ、
PCL(帯電前除電極)を含む装置ユニットが着脱自在
に装着されたカラープリンターLP−7010(コニカ
社製)に順次装着し、20℃、RH60%の条件下で黒
画像プリントを行い、実施例1の場合と同様の画像評価
及び電位変動量の測定を行い、その結果を表7に示し
た。
【0191】なお前記黒画像プリントでは、−750V
の帯電、レーザー像露光及びDC−600V、AC5k
Hzで2.3KV(p−p)のバイアス印加下の反転現
像により像形成が行われた。
【0192】又前記電位変動量の測定では、10万回の
黒画像プリントテストの初期と10万回プリント後の感
光体の未露光部電位Vhの差ΔVh及び露光部電位Vl
差ΔVlを求めるようにした。
【0193】
【表7】
【0194】表7より実施例用の感光体をカラープリン
ターに装着して像形成を行った場合でも電位変動が極め
て少なく、優れたプリント像が得られることが理解され
る。
【0195】〔実施例D群〕 〈実施例用感光体19〜28及び比較例用感光体11〜
15の作製〉CTL中のフィンダードフェノール系酸化
防止剤としての例示化合物(A)−3に代えてフィンダ
ードアミン系酸化防止剤(H.A.AO剤)としての例
示化合物〔C〕−4を用いた他は〔実施例A群〕で用い
られた実施例用感光体1〜10及び比較例用感光体1〜
5と同様にしてそれぞれ対応する実施例用感光体19〜
28及び比較例用感光体11〜15を得た。
【0196】〈実施例19〜28及び比較例11〜1
5〉前記のようにして得た15種類の感光体を〔実施例
A群〕の場合と同様Konica U−BIX 414
5に順次装着して10万回の像形成テストを行い初期と
10万回コピー後の感光体電位変動量ΔVb(V)及び
ΔVw(V)の測定及びコピー画像の画像評価を行い、
その結果を表8に示した。
【0197】
【表8】
【0198】表8より実施例用の感光体を用いた各実施
例では、繰り返し像形成の過程で黒紙電位及び白紙電位
等の電位変動が少なく、又地カブリ、筋故障等のない鮮
明な画像が得られるが比較例用の感光体を用いた各比較
例では繰り返し像形成の過程で地カブリや筋故障が発生
し、又電位特性の変動も大きい。
【0199】〔実施例E群〕 〈実施例用感光体29〜34及び比較例用感光体16〜
20の作製〉感光層中のヒンダードフェノール系酸化防
止剤としての例示化合物(A)−1に代えてヒンダード
アミン系酸化防止剤(H.A.AO剤)としての例示化
合物〔C〕−5を用いた他は〔実施例B群〕で用いられ
た実施例用感光体11〜16及び比較例用感光体6〜1
0と同様にして実施例用感光体29〜34及び比較例用
の感光体16〜20を得た。
【0200】〈実施例29〜34及び比較例16〜2
0〉前記のようにして得た11種類の感光体を〔実施例
B群〕の場合と同様Konica U−BIX 414
5を正帯電用に改造した改造機に順次装着して10万回
の像形成テストを行い、初期と10万回コピー後の感光
体の電位変動量ΔVb(V)及びΔVw(V)の測定及
びコピー画像の画像評価を行い、その結果を表9に示し
た。
【0201】
【表9】
【0202】表9より実施例用の感光体を用いて像形成
を行った各実施例はいずれも電位特性変動量が少なく且
つ地カブリや筋故障等のない鮮明な画像が得られたが比
較例用の感光体を用いた各比較例ではいずれも地カブリ
又は筋故障が発生し、又電位特性の変動も大きい。
【0203】〔実施例F群〕 〈実施例用感光体35,36の作製〉CTL中のヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤としての例示化合物〔5
A〕−1に代えてヒンダードアミン系酸化防止剤(H.
A.AO剤)としての例示化合物〔C〕−7を用いた他
は〔実施例C群〕で用いられた実施例用感光体17と同
様して実施例用感光体35を得た。又前記ヒンダードア
ミン系酸化防止剤(H.A.AO剤)としての例示化合
物〔3B〕−2を用いた他は実施例用感光体18と同様
にして実施例用感光体36を得た。
【0204】〈実施例35及び36〉前記のようにして
得た2種類の感光体を〔実施例C群〕の場合と同様のカ
ラープリンターLP−7010に順次装着して10万回
の黒画像のプリントテストを行い、初期と10万プリン
ト後の感光体の電位変動量ΔVh及びΔVlの測定及び
プリント画像の画像評価を行い、その結果を表10に示
した。
【0205】
【表10】
【0206】表10より実施例用の感光体をカラープリ
ンターに装置して像形成を行った場合でも、電位変動が
極めて少なく、優れたプリント像が得られる事が判る。
【0207】
【発明の効果】本発明によれば、繰り返し像形成の過程
で感光体表面の機械的摩耗、損傷がなくかつ帯電及び像
露光の繰り返しの際発生するオゾン、NoXその他の活
性種による疲労劣化がなく長期に亘り高濃度、鮮明な画
像が得られる電子写真感光体を提供することが出来る。
【0208】又本発明の前記感光体と共に特定のクリー
ニング手段を組み合わせて用いることにより繰り返し像
形成の過程で前記感光体表面の摩耗、損傷がなく、クリ
ーニング不良による画像欠陥の発生もなく、高耐久性で
あり、高濃度、鮮明な画像が安定して得られる電子写真
装置を提供することができる。
【0209】さらに又、組み込まれる感光体が高耐久性
とされることから該感光体の交換を行うことなく繰り返
し安定して像形成が可能であり、若し感光体以外の像形
成手段に欠陥を生じたとしても感光体表面に傷などを発
生させずに速やかにかつ容易に交換可能であり、長期に
亘り高画質の画像が安定して得られる装置ユニットを提
供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる感光体の層構成を示す断面図。
【図2】本発明に係わる画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 電荷輸送層(CTL) 4 電荷発生層(CGL) 5 保護層 6 感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/02 101 G03G 15/00 554 (72)発明者 松浦 克巳 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 武居 良明 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
    する電子写真感光体において、前記保護層中に体積平均
    粒径が0.05〜2.0μmである無機粒子を含有し、
    かつ前記感光層の電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含
    有する層中に、前記電荷輸送物質に対する量比が0.0
    01〜1.0となるようにヒンダードフェノール誘導体
    を含有せしめたことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記無機粒子が実質的に球形であること
    を特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記無機粒子が疎水化処理されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記感光層の電荷輸送物質及びバインダ
    ー樹脂を含有する層中に、前記バインダー樹脂に対する
    量比が0.001〜1.0となるようにヒンダードフェ
    ノール誘導体を含有せしめたことを特徴とする請求項
    1、2又は3に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記保護層の膜厚が0.1〜10.0μ
    mであることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記
    載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記無機粒子がシリカ粒子であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の電子写
    真感光体。
  7. 【請求項7】 前記シリカ粒子が示差走査熱量分析法で
    40〜200℃の範囲に吸熱ピークを有し、かつ相対湿
    度80%の環境下において該吸熱ピークのエネルギー変
    化量ΔHが20J/g以下であることを特徴とする請求
    項6に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
    する電子写真感光体、静電潜像形成手段、現像手段、転
    写手段及びクリーニング手段を有する電子写真装置にお
    いて、前記感光体が保護層中に体積平均粒径が0.05
    〜2.0μmである無機粒子を含有し、かつ前記感光層
    の電荷輸送物質を含有する層中に、前記電荷輸送物質に
    対する量比が0.001〜1.0となるようにヒンダー
    ドフェノール誘導体を含有せしめた感光体であり、前記
    クリーニング手段が弾性ブレードクリーニング手段であ
    ることを特徴とする電子写真装置。
  9. 【請求項9】 前記クリーニング手段の弾性ブレードが
    前記感光体に対してカウンター方向で5〜50g/cm
    の圧接力で圧接されることを特徴とする請求項8に記載
    の電子写真装置。
  10. 【請求項10】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有する電子写真感光体及び複数の像形成手段の少なくと
    も2つを有する装置ユニットにおいて、前記感光体が保
    護層中に体積平均粒径が0.05〜2.0μmである無
    機粒子を含有し、かつ前記感光層の電荷輸送物質を含有
    する層中に、前記電荷輸送物質に対する量比が0.00
    1〜1.0となるようにヒンダードフェノール誘導体を
    含有せしめた感光体であり、該感光体と前記像形成手段
    としての帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニン
    グ手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、装置本
    体に着脱自在に装着されていることを特徴とする装置ユ
    ニット。
  11. 【請求項11】 前記クリーニング手段が弾性ブレード
    クリーニング手段であり、少なくとも前記クリーニング
    手段と前記感光体とが一体的に支持され、装置本体に着
    脱自在に装着されていることを特徴とする請求項10に
    記載の装置ユニット。
  12. 【請求項12】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有する電子写真感光体において、前記保護層中に体積平
    均粒径が0.05〜2.0μmである無機粒子を含有
    し、かつ前記感光層の電荷輸送物質及びバインダー樹脂
    を含有する層中に、前記電荷輸送物質に対する量比が
    0.001〜1.0となるようにヒンダードアミン誘導
    体を含有せしめたことを特徴とする電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 前記無機粒子が実質的に球形であるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 前記無機粒子が疎水化処理されている
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の電子写真
    感光体。
  15. 【請求項15】 前記感光層の電荷輸送物質及びバイン
    ダー樹脂を含有する層中に、前記バインダー樹脂に対す
    る量比が0.001〜1.0となるようにヒンダードア
    ミン誘導体を含有せしめたことを特徴とする請求項1
    2、13又は14に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 前記保護層の膜厚が0.1〜10.0
    μmであることを特徴とする請求項12、13、14又
    は15に記載の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】 前記無機粒子がシリカ粒子であること
    を特徴とする請求項12、13、14、15又は16に
    記載の電子写真感光体。
  18. 【請求項18】 前記シリカ粒子が示差走査熱量分析法
    で40〜200℃の範囲に吸熱ピークを有し、かつ相対
    湿度80%の環境下において、該吸熱ピークのエネルギ
    ー変化量ΔHが20J/g以下であることを特徴とする
    請求項17に記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有する電子写真感光体、静電潜像形成手段、現像手段、
    転写手段及びクリーニング手段を有する電子写真装置に
    おいて、前記感光体が保護層中に体積平均粒径が0.0
    5〜2.0μmである無機粒子を含有し、かつ前記感光
    層の電荷輸送物質を含有する層中に、前記電荷輸送物質
    に対する量比が0.001〜1.0となるようにヒンダ
    ードアミン誘導体を含有せしめた感光体であり、前記ク
    リーニング手段が弾性ブレードクリーニング手段である
    ことを特徴とする電子写真装置。
  20. 【請求項20】 前記クリーニング写真の弾性ブレード
    が前記感光体に対してカウンター方向で5〜50g/c
    mの圧接力で圧接されることを特徴とする請求項19に
    記載の電子写真装置。
  21. 【請求項21】 導電性支持体上に感光層及び保護層を
    有する電子写真感光体及び複数の像形成手段の少なくと
    も2つを有する装置ユニットにおいて、前記感光体が保
    護層中に体積平均粒径が0.05〜2.0μmである無
    機粒子を含有し、かつ前記感光層の電荷輸送物質を含有
    する層中に、前記電荷輸送物質に対する量比が0.00
    1〜1.0となるようにヒンダードアミン誘導体を含有
    せしめた感光体であり、該感光体と前記像形成手段とし
    ての帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手
    段の少なくとも1つとが一体的に支持され、装置本体に
    着脱自在に装着されていることを特徴とする装置ユニッ
    ト。
  22. 【請求項22】 前記クリーニング手段が弾性ブレード
    クリーニング手段であり、少なくとも前記クリーニング
    手段と前記感光体とが一体的に支持され、装置本体に着
    脱自在に装着されていることを特徴とする請求項21に
    記載の装置ユニット。
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JPH1039525A (ja) * 1996-07-26 1998-02-13 Konica Corp 電子写真感光体
JP2001296694A (ja) * 2000-04-13 2001-10-26 Konica Corp 画像形成方法、及び画像形成装置
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