JP3694941B2 - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子写真法により画像形成を行うには、感光体表面に帯電、像露光及び現像を施してトナー像を形成し、該トナー像を転写材上に転写、定着して画像を得ると共に、転写後の感光体は残留トナーのクリーニング及び除電が行われて長期に亘り繰り返し使用される。
【0003】
従って前記感光体としては、帯電電位、感度、暗減衰及び残留電位特性等の電子写真性能は勿論、繰り返し使用時の耐刷性、耐摩耗性、耐湿性等の物性や、コロナ放電時に発生するオゾンや像露光への耐性においても良好であることが要求される。
【0004】
他方、従来電子写真感光体としては、アモルファスシリコン、セレン、硫化カドミウム等を用いた無機光導電性感光体が多く用いられてきたが、近年低コストで毒性がなく、かつ加工性に優れていて、目的に応じて選択の自由度が大きい有機光導電性感光体(以下、単に有機感光体またはOPCと称する)が主流となっている。
【0005】
これらの電子写真感光体の繰り返し使用による疲労劣化は、感光体上に形成されたトナー像の転写材上への転写、分離及び転写後の感光体上の残留トナーのクリーニングの各工程における摺擦による感光層表面の摩擦、損傷及び感光体表面への帯電、像露光、除電等の各工程における感光層の分解、変質等によるものと推定されている。
【0006】
従って前記感光体の疲労劣化を防止するには感光層表面の改良が重要課題となる。特に有機感光体の感光層は無機感光体に比して軟質であり、かつ光導電性物質が有機質であるため感光体の繰り返し使用時の疲労劣化が大であり、前記感光層表面の改良がより重要となる。
【0007】
そこで例えば特開平1−205171号公報又は特開平3−155558号公報等には感光層表面層中にシリカ等の無機微粒子を含有せしめ、又特開平4−368953号公報には感光層最表面層中にフッ素樹脂の微粒子を含有せしめて感光体の機械的強度を大ならしめると共に潤滑性を付与して繰り返し使用時の感光体の摩耗、損傷に基づく疲労劣化を防止する提案がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記各号公報記載の感光体は、機械的耐摩耗性には強いが、反面繰り返して画像形成を行う過程で発生するオゾン、NOX等の活性ガスによる疲労劣化を受け易いと云う問題がある。
【0009】
即ち感光層表面に有機又は無機の微粒子が含有されているため、それだけ表面積が大となり活性ガスの作用を受け易い。さらには、感光層表面が前記微粒子の存在により強化されているため繰り返し画像形成を行う過程で現像ブラシ又はクリーニングブレード等による感光層表面の研磨、再生作用が不十分となり結果的に電子写真性能が劣化し良質の画像が得られないと云う問題を生ずる。
【0010】
従来前記帯電、露光の繰り返しの際、発生する活性ガスによる感光体の疲労劣化を防止する方法として感光層中に酸化防止剤を含有せしめる方法が多数提案されている。
【0011】
しかしながら前記酸化防止剤による感光体の疲労劣化を防止する作用は必ずしも安定せず、前記感光体の製造条件によって変動し、場合によっては、逆に感光層の電子写真性能を低下せしめることがある。
【0012】
本発明者等は、この問題について鋭意検討の結果、酸化防止剤の感光体の疲労防止作用は感光層中の残留溶媒の量と密接な関係があり、それだけ製造工程中の乾燥条件の十分な制御、管理が必要不可欠であることに気付き本発明を完成したのである。
【0013】
本発明は前記実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、機械的耐摩耗性に優れ、かつオゾン、NOX等の活性ガスによる疲労劣化が少なく高耐久性であり、繰り返し画像形成の過程で高濃度、鮮明な画像が安定して得られる電子写真感光体およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記構成により達成された。
【0015】
(1).導電性支持体上に少なくとも、電荷発生層、第一の電荷輸送、更に第二の電荷輸送層をこの順に積層した感光層を有する電子写真感光体上に、コロナ帯電器により前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体に画像露光を行うことにより前記感光体の表面に静電潜像を形成させる画像露光手段と、前記感光体の表面に形成された静電潜像に現像剤を付与することにより前記感光体の表面に現像剤像を形成させる現像手段と、前記感光体の表面に形成された現像剤像を転写材上に転写させる転写手段とを有し、かつ前記感光体及び前記帯電手段における帯電極性が負帯電である画像形成装置に用いられる電子写真感光体において、前記第二の電荷輸送層中に酸化防止剤を該層の電荷輸送物質の2.5〜5.0質量%とシリカ微粒子を該層のバインダーに対して10〜40質量%とを含有し、かつ該感光層の残留溶媒量が1%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【0019】
).前記シリカ微粒子が化学炎CVD法で気相中で合成され、該シリカ微粒子相対湿度80%の環境下で調湿された後、40〜200℃の温度範囲における示差走査分析の吸熱エネルギー変化量ΔHが0〜20(J/g)であることを特徴とする()に記載の電子写真感光体。
【0020】
).前記シリカ微粒子が体積平均粒径0.05〜2μmの無機シリカ微粒子であることを特徴とする()または()に記載の電子写真感光体。
【0021】
).(1)〜()のいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造するに際して、感光層を100℃以上で乾燥することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明の感光体では、感光層の表面に無機の比較的硬い微粒子を含有させて、前記感光層の膜強度を大ならしめ、耐摩耗性を強化すると共に、前記感光体の帯電露光の繰り返しの際発生する活性ガスによる疲労劣化を防止するため酸化防止剤を含有せしめ、かつ感光体製造時の乾燥条件を感光層の残留溶媒が1%以下となるよう制御して製造するようにした点に特徴がある。
【0024】
即ち前記感光体の残留溶媒の量を1%以下とすることにより前記感光層表面に比較的硬い無機粒子を含有させたことによる膜強度を大ならしめる作用をより一層効果的に発揮せしめる。若し前記残留溶媒の量が1%を越えると前記膜強度を弱くする方向に作用して、繰り返し像形成の過程で感光層が摩耗、損傷しやすくなる。
【0025】
又前記感光体の残留溶媒の量を1%以下とすることにより前記感光層中に酸化防止剤を含有せしめたことによる活性ガスによる前記感光体の疲労劣化を防止する作用をより一層効果的に発揮せしめる。若し前記残留溶媒の量が1%を越えると前記酸化防止剤の疲労劣化防止作用を著しく低下せしめる。
【0026】
なお感光層中の残留溶媒の量は1〜0.001%の範囲とされるのが好ましい。又前記感光層中の残留溶媒の量は、感光体製造時の乾燥条件と密接な関係があり、特に乾燥温度との関係が重要である。
【0027】
本発明者等の実験によれば、感光層の膜厚、溶媒の種類等により異なるが、感光層中の残留溶媒量を1%以下とするためには、乾燥感度を少なくとも100℃とする必要があり、100℃より低い乾燥温度では乾燥時間を長くかけても前記残留溶媒量を1%以下とするのが困難であることがわかった。
【0028】
又乾燥温度が250℃より大きいと、感光層が過度に乾燥され易く、感光層の残留溶媒量が0.001%より小さくなり易く、その結果感光層を構成する光導電性物質及びバインダー樹脂が変質して電子写真性能が悪化することがわかった。
【0029】
本発明の感光体において、感光層の最上層に含有される無機微粒子はバインダー樹脂と共に含有され、その含有量は、バインダー樹脂に対して10〜40wt%である。
【0032】
又本発明に用いられる無機微粒子としては、シカがあり、かつ無機微粒子はモース硬度5以上が好ましい。
【0033】
前記無機微粒子のなかでは、シリカ微粒子が重要であり、その体積平均粒径が0.05〜2μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲でシャープな粒度分布を有するものが好ましい。
【0034】
本発明において、シリカ微粒子の体積平均粒径が0.05μmを下廻ると感光層表面に必要な機械的強度が得られず、繰り返し像形成の過程で摩耗、損傷し易く、かつ電子写真性能が劣化する。又、2μmを上廻ると感光層表面の表面粗さが大きくなり、クリーニング不良が起こる。
【0035】
又、前記シリカ微粒子は実質的に球形であることが好ましく、特に長径/短径の比が2.0未満の実質的に球形とされるのが好ましく、ここで球形とは、電子顕微鏡で10,000倍に拡大した微粒子が不定形でなく球形であると云う事を示す。その場合感光層表面の摩擦係数を低減することができ、従来問題とされてきた弾性クリーニングブレードの反転(ブレードめくれ)が防止されるなどの利点を有する。又、前記シリカ粒子の粒度分布がシャープであることが好ましく、その場合感光層表面への粗大粒子の混入或いは小径粒子の凝集による膜欠陥の発生等が防止される。
【0036】
本発明に係るシリカ微粒子を製造する方法として化学炎CVD法(CVD:Chemical Valpor Deposition)が好ましい。この方法は酸素−水素混合ガス又は炭化水素−酸素混合ガスの燃焼により高温の火炎を作り、この中で気相反応を起こさせて製造する方法であり、その一例としてはクロルシランガスを前記混合ガスの高温火炎中で気相反応させてシリカ粒子を得る方法がある。
【0037】
本発明に係るシリカ微粒子は前記化学炎CVD法により製造されるのが好ましいが、その中でも金属硅素粉末を前記混合ガス中に投入し爆発的に燃焼反応させて製造するのが好ましい。
【0038】
この製造法の詳細は例えば特開昭60−255602号、特開平5−193908号、同5−193909号、同5−193910号、同5−193928号、同5−196614号、同6−107406号の各公報に詳細に記載されている。
【0039】
前記各号公報記載の製造方法では、予め原料となる硅素金属素材を高純度の水で複数回洗浄して溶解成分を除去すると共に、加熱処理して気相成分を除去して高純度の硅素微粉末を得る。次に製造装置頭部のバーナーにLPG等の可燃ガスと酸素ガス等の支燃ガスを導入して着火用の火炎を形成しておき、該着火用の火炎中に前記高純度の硅素粉末を分散含有する空気等のキャリアガスを導入して着火燃焼を開始する。その後前記支燃ガスを多段に供給して前記硅素粉末を爆発的に酸化燃焼させて高純度のシリカ粒子を得るようにしている。
【0040】
前記製造方法によれば、シャープな粒度分布を有する高純度のシリカ微粒子をうることができると共に、目的に応じて前記粒度分布を広範囲に変化させて製造することが可能とされている。
【0041】
又前記シリカ微粒子の体積平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−700(掘場製作所製)により測定される。なお前記フッ素系有機微粒子の体積平均粒径も該装置LA−700で測定される。
【0042】
本発明に係るシリカ微粒子の示差走査熱量分析(DSC)は、熱的に安定な標準物質と共に試料を一定速度で加熱したときの両者の温度差を打ち消すために必要なエネルギーを加える方法で、DSCのピーク面積が吸熱量に比例していることにより次式に従って定量できる。
【0043】
M・ΔH=K・A
ここでMは試料の質量、ΔHは試料の単位質量あたりのエネルギー変化量、Kは装置定数、Aはピーク面積である。シリカ粉末は、相対湿度80%の環境下に24時間放置し、調湿した。その後DSC測定までは、密封容器中に同一条件下に保存し、調湿終了後60分以内に測定をした。
【0044】
本発明で用いられたDSCの測定条件を以下に示す。
【0045】
Figure 0003694941
本発明に係るシリカ微粒子のΔHは0〜20ジュール/gが好ましいが、より好ましくは0.1〜10ジュール/gである。
【0046】
次に本発明に用いられる前記シリカ微粒子は例えばチタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸又はその金属塩等の疎水化処理剤により処理して成る疎水性シリカ粒子がより好ましい。
【0047】
これらのカップリング剤はバインダー樹脂に配合して用いても良いが、シリカ微粒子をあらかじめカップリング剤で表面処理して用いるのが望ましい。これにより本発明の粒子表面とバインダー樹脂との親和性が増大し、分散性や接着性の向上が図れる。
【0048】
前記化合物による処理は粒子表面の活性基と反応させることにより達成される。処理方法としては例えばシラノール基を高圧下で反応させる方法(Kolloid−Z,149,39(1956))、アルコールとのエステル化(DBP 1074559)、オートクレーブ中でのエステル化(Bull.Chem.Soc.Jpn,49(12),3389(1976))など「シランカップリング剤」(信越化学工業)、「技術資料No.Z003」(東芝シリコーン)等に記載されている方法によって行うことができる。
【0049】
シロキサンを有する化合物の使用量は粒子100重量部に対し0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜10重量部であるが、一般的には表面を十分被覆するための理論量は次式で算出することができる。但し、理論量とは粒子表面に単分子層を形成するのに必要な量である。
【0050】
Ws=(Wf×SE)/(MCA)
(Ws:シロキサン構造を有する化合物添加量(g)
Wf:微粒子使用量(g)
SE:微粒子比表面積(m2/g)
MCA:シロキサン構造を有する化合物1g当たりの最小被覆面積(m2/g))
実際にはこの値を基準にして、用途に応じた処理量を設定することができる。
【0051】
なお前記粒子に施される疎水化処理膜は単分子量又はそれに近い薄層とされるため、処理後の有機又は無機粒子の不純物の量及び体積平均粒径は実質的に処理前の該粒子と同様とされる。
【0052】
次に本発明の感光体の感光層中には帯電、露光の繰り返しの際発生する活性ガスによる疲労劣化を防止するため酸化防止剤が含有される。前記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール誘導体又はヒンダードアミン誘導体が好ましく用いられ、前記感光層の最上層に、感光層の最上層のCTMに対して2.55.0wt%含有される。
【0053】
本発明において、酸化防止剤として好ましいヒンダードフェノール誘導体としては、下記一般式〔A〕で表されるものが挙げられる。
【0054】
【化1】
Figure 0003694941
【0055】
〔式中、R1は水素原子または有機基を表し、R2,R6の少なくとも一方は炭素原子数3以上の有機基を表し、残りの一つとR3,R4,R5は水素原子または有機基を表す。〕
前記一般式〔A〕で表されるヒンダードフェノール誘導体のうち特に好ましいものとしては、下記一般式〔1A〕、〔2A〕、〔3A〕、〔4A〕および〔5A〕で表されるものが挙げられる。
【0056】
【化2】
Figure 0003694941
【0057】
〔一般式〔1A〕中、R13は分岐状アルキル基、R14、R15、R16は水素原子又はヒドロキシ基、アルキル基、アリール基を表し、R15及びR16は相互に連結して環を形成してもよい。R17は水素原子、アルキル基又はアルキリデン基を表す。
【0058】
前記R13は炭素数3〜40のtert−若しくはsec−アルキル基が好ましい。
【0059】
14、R15及びR16のアルキル基としては、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基としてはフェニル、ナフチル、ピリジル基等が挙げられる。
【0060】
またR15とR16が環となる場合にはクロマン環が好ましい。
【0061】
17の表すアルキル基、アルキリデン基としては、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好ましいのは、炭素数1〜18のものである。
【0062】
1は水素原子又は有機残基、好ましくは有機残基である。〕
〔一般式〔2A〕中、R18は水素原子又はアルキル基、アリール基、アラルキル基、R19、R23は分岐状アルキル基、R20、R21、R22及びR24、R25、R26は水素原子又は置換基を表す。
【0063】
m、pは0又は正整数であり、且つm+pは2〜4である。またWは連絡基である。
【0064】
前記R18の表すアルキル基としては、炭素原子数1〜40個のアルキル基であって置換基を有してもよい。R18に対する置換基としては、アリール基、アルコキシル基、カルボキシル基、アミド基、ハロゲン原子等任意のものが可能である。
【0065】
またアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0066】
またR19、R23の表す分岐状アルキル基としては炭素数1〜40個の分岐状アルキル基であり、例えば(t)ブチル、(sec)ブチル、(sec)オクチル、(t)オクチル基等が挙げられる。
【0067】
20〜R22及びR24〜R26のとりうる置換基としては、例えばアリール基、アルコキシル基、カルボキシル基、アミド基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0068】
また連結基Wはm、pの値如何によって変化する。Wとしては例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、フェニレン基、スルフィド、ポリスルフィド基が代表的なものとして挙げられる。
【0069】
なお、上記においてはWがなくフェニル基同士が直接結合する場合も含まれる。〕
〔一般式〔3A〕中、R27、R28及びR29で表される炭素原子数1〜4のアルキル基は直鎖でも分岐していてもよく、具体的には例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0070】
これらの基の中で特にt−ブチル基が好ましい。R27、R28及びR29は同じでも異なっていてもよい。〕
〔一般式〔4A〕中、R30及びR31は各々、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R32、R33、R34及びR35は各々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基又はスルホンアミド基を表す。〕
〔又、一般式〔5A〕中、R36は炭素原子数1〜18のアルキル基を表し、R37及びR38は各々、水素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。R39は水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
【0071】
更に、一般式〔5A〕において、R36、R37及びR38で表される炭素原子数1〜18のアルキル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0072】
39で表される炭素原子数1〜10のアルキル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、sec−ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等を挙げることができる。〕
前記一般式〔1A〕〜〔5A〕に含まれるヒンダードフェノール誘導体のうち特に重要な化合物例を以下に示す。
【0073】
【化3】
Figure 0003694941
【0074】
更に前記ヒンダードフェノール誘導体に含まれるその他の有用な化合物例を以下に挙げる。
【0075】
【化4】
Figure 0003694941
【0076】
【化5】
Figure 0003694941
【0077】
次に、本発明において、酸化防止剤として好ましいヒンダードアミン誘導体としては、下記一般式〔B〕で表されるものが挙げられる。
【0078】
【化6】
Figure 0003694941
【0079】
〔式中、R10,R13,R14,R15およびR16は水素原子または有機基を表し、R11,R12,R17およびR18の少なくとも一つは水素原子以外の有機基を表し、残りは水素原子または有機基を表し、Xは酸素原子、>CR1920または>N−R21を表し、R19,R20およびR21は水素原子または有機基を表す。〕
前記一般式〔B〕で表されるヒンダードアミン誘導体のうち、特に好ましいものとしては、下記一般式〔1B〕および〔2B〕で表されるものが挙げられる。
【0080】
【化7】
Figure 0003694941
【0081】
〔式中、R19〜R30は水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基としては、炭素原子数1〜40のものが好ましく、また例えばハロゲン原子、アルコキシル基、アリール基またはアミド基等の置換基を有していてもよい。またR19〜R30の少なくとも一つは水素原子以外のアルキル基であることが好ましい。またY1〜Y4は水素原子または有機基を表し、好ましくは有機基である。〕
前記一般式〔1B〕および〔2B〕で表されるヒンダードアミン誘導体のうち、一般式〔1B〕で表されるものが好ましく、該一般式〔1B〕で表されるヒンダードアミン誘導体のうち、特に好ましく有用な具体的例示化合物を以下に示す。
【0082】
【化8】
Figure 0003694941
【0083】
【化9】
Figure 0003694941
【0084】
さらに本発明ににおいて、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位との共重合成分を分子内に有する化合物として下記一般式〔3B〕で示されるヒンダードアミン構造単位と一般式〔6A〕で表されるヒンダードフェノール構造単位の共重合体から成る化合物〔C〕が酸化防止剤として挙げられる。
【0085】
【化10】
Figure 0003694941
【0086】
〔式中、R31、R32、R33及びR34は水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団を表す。またR31、R32の組及びR33、R34の組の夫々の組においてその1つはZの中に組込まれて二重結合を与えてもよい。
【0087】
更に、R35は分岐状アルキル基、R36、R37及びR38は水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基またはアリール基を表し、R37及びR38は相互に連結して環を形成してもよい。R39は水素原子、アルキル基又はアルキリデン基を表す。
【0088】
前記R31、R32、R33及びR34は好ましくは炭素数1〜40個のアルキル基であって、該アルキル基は置換基を有してもよく置換基としては、例えばアリール基、アルコキシル基、カルボキシル基、アミド基、ハロゲン原子等任意のものが挙げられる。
【0089】
Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団であり、好ましくは5員環、6員環を構成する原子団である。
【0090】
好ましい環構造としては、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、セレナゾリジン、ピロリン、イミダゾリン、イソインドリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロイソキノリン、オキサゾリン、チアゾリン、セレナゾリン、ピロール等の各環が挙げられ、特に好ましくはピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びピロリジンの各環である。
【0091】
前記R35は炭素数3〜40のtert−もしくはsec−アルキル基が好ましい。
【0092】
36、R37及びR38はアルキル基としては、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基としてはフェニル、ナフチル、ピリジル基等が挙げられる。
【0093】
またR37とR38が環となる場合にはクロマン環が好ましい。
【0094】
39の表すアルキル基、アルキリデン基としては、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好ましいのは、炭素数1〜18のものである。〕
前記一般式〔3B〕に含まれるヒンダードアミン構造単位と前記一般式〔6A〕に含まれるヒンダードフェノール構造単位との共重合体から成る化合物〔C〕のうち特に重要な化合物例としては、以下のものが挙げられる。
【0095】
【化11】
Figure 0003694941
【0096】
【化12】
Figure 0003694941
【0097】
【化13】
Figure 0003694941
【0098】
前記無機微粒子を含有し、かつ前記酸化防止剤を含有する感光層を有する本発明の感光体は、セレン、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等を用いた無機感光体であってもよいが、好ましくは有機のCGMとCTMを含有する有機感光体である。
【0099】
前記有機感光体の層構成としては、図1の(イ)に示す帯電性支持体1上に必用に応じて中間層2を設け、この上にCGMとCTMを共に含有する単層構成の感光層3を有する感光体、図1の(ロ)に示すように感光層3としてCGMを含有する電荷発生層4(CGL4)と、CTMを含有する電荷輸送層5(CTL5)とをこの順に有する2層構成の感光体、又は図1の(ハ)に示すように、感光層3として電荷発生層4(CGL4)と第1電荷輸送層6(CTL6)と第2電荷輸送層7(CTTL7)とをこの順に有する3層構成の感光体(前記電荷輸送層は3層以上からなってもよい)等がある。
【0100】
なお前記有機又は無機の微粒子は感光層の最上層、即ち図1の(イ)の感光層3、図1の(ロ)のCTL4、図1の(ハ)のCLLT7に含有される。
【0101】
又前記酸化防止剤は少なくとも感光層の最上層に含有されるが、感光層全体に含有されてもよい。
【0102】
なお、本発明の好ましい実施態様としては、前記図1の(ハ)の3層構成の感光層を有する感光体が好ましい。
【0103】
前記図1の(イ)の感光層3、図1の(ロ)および(ハ)の電荷発生層4に含有される電荷発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CGM)は単独で又は適当なバインダ樹脂と共に層形成が行われる。
【0104】
前記感光層6に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの電荷輸送物質(CTM)は通常バインダ樹脂と共に層形成が行われる。
【0105】
これらの中で特に好ましい電荷輸送物質(CTM)としては下記一般式で示される化合物のものがあげられる。
【0106】
【化14】
Figure 0003694941
【0107】
式中、Ar1、Ar2、Ar4は各々置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Ar3は各々置換、無置換の2価の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R3は水素原子又は各々置換、無置換の芳香族炭化水素基もしくは複素環基を表す。nは1もしくは2である。Ar4とR3は互いに結合して環を形成してもよい。
【0108】
【化15】
Figure 0003694941
【0109】
式中、R4、R5は各々置換、無置換の芳香族炭化水素基、複素環基またはアルキル基を表し、互いに連結して環を形成してもよい。R6は水素原子または各々置換、無置換の芳香族炭化水素基、複素環基もしくはアルキル基を表し、Ar5は各々置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。mは0若しくは1である。
【0110】
【化16】
Figure 0003694941
【0111】
式中、Yは各々l価の置換、無置換のフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジフェニル基又は4,4′−アルキリデンジフェニル基を表し、Ar6、Ar7は各々置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。lは1〜3の整数を表す。
【0112】
【化17】
Figure 0003694941
【0113】
式中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11は各々置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。Ar1、Ar2、Ar3は前述の通りである。
【0114】
これらの内、本発明の感光体に好ましく用いられる具体的化合物例を以下に例示する。
【0115】
【化18】
Figure 0003694941
【0116】
【化19】
Figure 0003694941
【0117】
【化20】
Figure 0003694941
【0118】
【化21】
Figure 0003694941
【0119】
【化22】
Figure 0003694941
【0120】
【化23】
Figure 0003694941
【0121】
前記積層構成の場合の最表面層以外の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0122】
前記各層を形成する際に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピナール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ケトン系溶媒を用いた場合、感光体製造時の乾燥条件の制御および感光層中の残留溶媒の管理が容易であり、電子写真性能に優れた感光体が得られる。
【0123】
次に、本発明の感光体では、図1(イ)の単層構成の感光体に比べて図1(ロ)または図1(ハ)の多層構成の感光体が重要であり、前記多層構成の感光体のCGL4中のCGMとバインダー樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1、特には1:2〜3:1が好ましく、CGL4の膜厚は5μm以下、好ましくは0.05〜2μmである。また前記多層構成の感光体のCTL5、CTL6またはCTTL7中のCTMとバインダーの個混合割合は重量比で3:1〜1:3、好ましくは2:1であり、CTL5の膜厚は5〜50μm、好ましくは5〜40μmであり、CTL6の膜厚は5〜50μm、好ましくは5〜40μmであり、CTTL7の膜厚は0.1〜40μm、好ましくは1〜30μmである。
【0124】
次に、本発明の電子写真感光体の導電性支持体としては、
1)アルミニウム、ステンレス、スチール等の金属板または金属ドラム
2)紙、プラスチックフィルム、プラスチックドラム上にアルミニウム、パラジウム、金等の金属薄層をラミネート、スパッタ、蒸着等により設けたもの
3)紙、プラスチックフィルム、プラスチックドラム上に、導電性ポリマー、酸化錫、酸化インジウム、カーボン等の導電性材料の層を塗布、スパッタ、蒸着により設けたもの等が挙げられる。
【0125】
次に本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円型量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0126】
なお前記スプレー塗布及び円形量規制塗布によれば、前記浸漬塗布等に比して塗布液の無駄な消費がなく、下層を溶解、損傷することがなく、かつ均一塗布および均一乾燥が達成される等の利点を有する。
【0127】
本発明においては導電性支持体の感光層の間に、バリヤー機能と接着樹脂を兼備した中間層を設けることもできる。
【0128】
中間層用の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0129】
本発明においては、更に、支持体と中間層との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すことや、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設けることができる。この導電層は、カーボンブラック、金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当な結着剤樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。
【0130】
また、支持体の形状はドラム状でもシート状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に適した形状であることが好ましい。
【0131】
本発明の感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0132】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0133】
《実施例用感光体1の作製》
直径80mmのアルミニウムドラム上に共重合タイプのポリアミド樹脂「アミランCM−8000」(東レ社製)1.5重量部をメタノール90容量部とブタノール10容量部との混合溶媒中に溶解してなる塗布液を浸漬塗布して膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0134】
次に、ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−S」(積水化学社製)0.8重量部をメチルエチルケトン80重量部とシクロヘキサノン20重量部との混合溶媒中に溶解し、得られた溶液中にキャリヤ発生物質(CGM)としての下記構造式で示されるCGM−1を14重量部混合、分散してなる塗布液を前記中間層上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚0.2μmのキャリヤ発生層を形成した。
【0135】
【化24】
Figure 0003694941
【0136】
次いで、バインダとしてポリカーボネート樹脂「ユービロンZ300」(三菱ガス化学社製)15重量部とキャリヤ輸送物質(CTM)としての化合物T−9を10重量部をメチレンクロライド100容量部に溶解してなる塗布液を前記キャリヤ発生層上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚が25μmの第一のキャリヤ輸送層を形成した。
【0137】
次いで、バインダとしてポリカーボネート樹脂「TS−2050」(帝人化成社製)1.5重量部と、キャリヤ輸送物質(CTM)としての化合物T−9を1重量部と、酸化防止剤(AO剤)としての例示化合物(A)−3を0.05重量部と、無機微粒子としてのアドマテックス社製アドマファインSO−C1(S−1)0.6重量部とを1,2−ジクロロエタン(EC)100容量部に溶解、分散した。
【0138】
この塗布液を用いて、前記第一のキャリヤ輸送層上に円形量規制型塗布機を用いて塗布し、110℃で1時間乾燥して、膜厚が1μmの第二のキャリヤ輸送層を形成し、表1に示す実施例用感光体1を得た。この時の残留溶媒量は0.8重量%であった。
【0139】
《実施例用感光体2〜および比較例用感光体1〜の作製》
実施例用感光体1の作製における、第2のキャリヤ輸送層の溶媒の種類、乾燥温度および時間、感光層に対する残留溶媒量(wt%)、AO剤の種類およびCTMに対する量(wt%)、膜厚、有機または無機微粒子の有無、種類、粒径およびバインダー樹脂に対する量(wt%)を表1の如く変化した他は同様にして実施例用感光体2〜および比較例用感光体1〜を得た。
【0140】
なお、前記残留溶媒量は下記の方法により測定された。
【0141】
《残留溶媒測定法》
1.サンプル ドラムより感光層を剥離(下記▲2▼に記載。)
2.測定機器 ガスクロマトグラフィー使用
機器:HP5890A(ヒューレットパッカード社製)
カラム:TC−WAX MEGABORE 30m
キャリアー:N2ガス
昇温速度:10℃/min
3.測定手順
▲1▼塗布溶媒の一定量を計りとり、ガスクロマトグラフィー分析(上記2.の機器、測定条件)して、注入量とピーク面積の間の検量線作成する
▲2▼感光体から一定量の感光層を引き剥がし、この感光層を高沸点溶媒に溶解させて▲1▼と同様にしてガスクロマトグラフィー分析する
▲3▼上記▲2▼で得られた面積値より、▲1▼で得た検量線から残留溶媒量を算出する
▲4▼残留溶媒の重量%を下式より求める。
【0142】
残留溶媒の重量%={(一定量の感光層中の残留溶媒の重量)/(一定量の感光層の重量)}×100
【0143】
【表1】
Figure 0003694941
【0145】
《評価》
以上のようにして得た感光体を、少なくとも該感光体とクリーニング手段とが一体的にユニット化されている、帯電、像露光、現像、転写、除電(PCL)、およびクリーニングの各工程を有するアナログ複写機「Konica U−BIX4145」(コニカ(株)製)に装着して常温常湿(20℃、60%)下で各感光体毎に5万回の像形成テストを行い、得られた画像の画像評価、残留電位の変動量および膜厚減耗量の測定をおこなった。
【0146】
(1)画像評価
前記感光体を順次前記複写機「Konica U−BIX4145」(コニカ(株)製)に装着し中間調を有する原稿を用いて5万回の画出しをおこなった。このとき帯電器はスコロトロン帯電器が用いられ、グリッド制御により前記感光体上には−750Vの一定帯電下に画像形成が行われ、画像の地カブリ、画像ボケの発生の有無を観察した。
【0147】
(2)残留電位変動量(ΔVr)の測定
前記複写機のPCLと帯電器との間に電位計のプローブを配置し、前記5万回の画出しの初期の残留電位Vr1(−V)と5万回目の残留電位Vr2(−V)とを測定し、それらの差から残留電位変動量Vr(ボルト)を求め、その絶対値│Vr│を表3に示す。
【0148】
(3)膜厚減耗量の測定
前記複写機による5万回の画出しの初期の感光体のランダム10ケ所の膜厚を測定しておき、5万回目の感光体の前記場所の膜厚を測定し、それらの差から膜厚減耗量を求めた。
【0149】
なお、膜厚測定器EDDY 560 C(HELMUT FISCHER GMBHT CO社製)により膜厚を測定した。
【0150】
以上の結果を表3に示す。
【0151】
【表3】
Figure 0003694941
【0153】
3から明らかなように、本発明(実施例用)の各感光体では、いずれも5万回の繰り返し画像形成の過程で画像ボケの発生や、残留電位上昇によるカブリ発生や感光層の摩耗、損傷による電子写真性能の劣化や擦り傷の発生等がなく良質の画像が安定して得られるが、比較用の感光体では画像ボケ、カブリ発生、擦り傷発生のいずれかが発生していることが理解される。
【0154】
【発明の効果】
本発明により、機械的耐摩耗性に優れ、かつオゾン、NOX等の活性ガスによる疲労劣化が少なく高耐久性であり、繰り返し画像形成の過程で高濃度、鮮明な画像が安定して得られる電子写真感光体およびその製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 中間層
3 感光層
4 電荷発生層(CGL)
5 電荷輸送層(2層構成感光体)
6 第1の電荷輸送層(3層構成感光体)
7 第2の電荷輸送層(3層構成感光体)

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に少なくとも、電荷発生層、第一の電荷輸送、更に第二の電荷輸送層をこの順に積層した感光層を有する電子写真感光体上に、コロナ帯電器により前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体に画像露光を行うことにより前記感光体の表面に静電潜像を形成させる画像露光手段と、前記感光体の表面に形成された静電潜像に現像剤を付与することにより前記感光体の表面に現像剤像を形成させる現像手段と、前記感光体の表面に形成された現像剤像を転写材上に転写させる転写手段とを有し、かつ前記感光体及び前記帯電手段における帯電極性が負帯電である画像形成装置に用いられる電子写真感光体において、前記第二の電荷輸送層中に酸化防止剤を該層の電荷輸送物質の2.5〜5.0質量%とシリカ微粒子を該層のバインダーに対して10〜40質量%とを含有し、かつ該感光層の残留溶媒量が1%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記シリカ微粒子が化学炎CVD法で気相中で合成され、該シリカ微粒子は相対湿度80%の環境下で調湿された後、40〜200℃の温度範囲における示差走査熱量分析の吸熱エネルギー変化量ΔHが0〜20(J/g)であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記シリカ微粒子が体積平均粒径0.05〜2μmの無機シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造するに際して、感光層を100℃以上で乾燥することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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