JPH09160268A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JPH09160268A
JPH09160268A JP31920995A JP31920995A JPH09160268A JP H09160268 A JPH09160268 A JP H09160268A JP 31920995 A JP31920995 A JP 31920995A JP 31920995 A JP31920995 A JP 31920995A JP H09160268 A JPH09160268 A JP H09160268A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的耐摩耗性に優れ、かつオゾン、NOX
等の活性ガスによる疲労劣化が少なく高耐久性であり、
繰り返し画像形成の過程で高濃度、鮮明な画像が安定し
て得られる電子写真感光体およびその製造方法を提供す
ることにある。 【構成】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質と
電荷輸送物質とを含有する感光層を有する電子写真感光
体において、該感光層に有機微粒子および無機微粒子か
ら選ばれる少なくとも一種の微粒子と酸化防止剤とを含
有し、かつ該感光層の残留溶媒量が1%以下であること
を特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真法により画像形成を行う
には、感光体表面に帯電、像露光及び現像を施してトナ
ー像を形成し、該トナー像を転写材上に転写、定着して
画像を得ると共に、転写後の感光体は残留トナーのクリ
ーニング及び除電が行われて長期に亘り繰り返し使用さ
れる。
【0003】従って前記感光体としては、帯電電位、感
度、暗減衰及び残留電位特性等の電子写真性能は勿論、
繰り返し使用時の耐刷性、耐摩耗性、耐湿性等の物性
や、コロナ放電時に発生するオゾンや像露光への耐性に
おいても良好であることが要求される。
【0004】他方、従来電子写真感光体としては、アモ
ルファスシリコン、セレン、硫化カドミウム等を用いた
無機光導電性感光体が多く用いられてきたが、近年低コ
ストで毒性がなく、かつ加工性に優れていて、目的に応
じて選択の自由度が大きい有機光導電性感光体(以下、
単に有機感光体またはOPCと称する)が主流となって
いる。
【0005】これらの電子写真感光体の繰り返し使用に
よる疲労劣化は、感光体上に形成されたトナー像の転写
材上への転写、分離及び転写後の感光体上の残留トナー
のクリーニングの各工程における摺擦による感光層表面
の摩擦、損傷及び感光体表面への帯電、像露光、除電等
の各工程における感光層の分解、変質等によるものと推
定されている。
【0006】従って前記感光体の疲労劣化を防止するに
は感光層表面の改良が重要課題となる。特に有機感光体
の感光層は無機感光体に比して軟質であり、かつ光導電
性物質が有機質であるため感光体の繰り返し使用時の疲
労劣化が大であり、前記感光層表面の改良がより重要と
なる。
【0007】そこで例えば特開平1−205171号公
報又は特開平3−155558号公報等には感光層表面
層中にシリカ等の無機微粒子を含有せしめ、又特開平4
−368953号公報には感光層最表面層中にフッ素樹
脂の微粒子を含有せしめて感光体の機械的強度を大なら
しめると共に潤滑性を付与して繰り返し使用時の感光体
の摩耗、損傷に基づく疲労劣化を防止する提案がなされ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記各号
公報記載の感光体は、機械的耐摩耗性には強いが、反面
繰り返して画像形成を行う過程で発生するオゾン、NO
X等の活性ガスによる疲労劣化を受け易いと云う問題が
ある。
【0009】即ち感光層表面に有機又は無機の微粒子が
含有されているため、それだけ表面積が大となり活性ガ
スの作用を受け易い。さらには、感光層表面が前記微粒
子の存在により強化されているため繰り返し画像形成を
行う過程で現像ブラシ又はクリーニングブレード等によ
る感光層表面の研磨、再生作用が不十分となり結果的に
電子写真性能が劣化し良質の画像が得られないと云う問
題を生ずる。
【0010】従来前記帯電、露光の繰り返しの際、発生
する活性ガスによる感光体の疲労劣化を防止する方法と
して感光層中に酸化防止剤を含有せしめる方法が多数提
案されている。
【0011】しかしながら前記酸化防止剤による感光体
の疲労劣化を防止する作用は必ずしも安定せず、前記感
光体の製造条件によって変動し、場合によっては、逆に
感光層の電子写真性能を低下せしめることがある。
【0012】本発明者等は、この問題について鋭意検討
の結果、酸化防止剤の感光体の疲労防止作用は感光層中
の残留溶媒の量と密接な関係があり、それだけ製造工程
中の乾燥条件の十分な制御、管理が必要不可欠であるこ
とに気付き本発明を完成したのである。
【0013】本発明は前記実情に鑑みて提案されたもの
であり、本発明の目的は、機械的耐摩耗性に優れ、かつ
オゾン、NOX等の活性ガスによる疲労劣化が少なく高
耐久性であり、繰り返し画像形成の過程で高濃度、鮮明
な画像が安定して得られる電子写真感光体およびその製
造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成された。
【0015】(1).導電性支持体上に少なくとも電荷
発生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層を有する電
子写真感光体において、該感光層に有機微粒子および無
機微粒子から選ばれる少なくとも一種の微粒子と酸化防
止剤とを含有し、かつ該感光層の残留溶媒量が1%以下
であることを特徴とする電子写真感光体。
【0016】(2).前記感光層の最上層に前記有機微
粒子および無機微粒子から選ばれる少なくとも一種の微
粒子を含有することを特徴とする(1)に記載の電子写
真感光体。
【0017】(3).前記有機微粒子が含フッ素樹脂か
らなることを特徴とする(2)に記載の電子写真感光
体。
【0018】(4).前記無機微粒子がシリカ微粒子で
あることを特徴とする(2)に記載の電子写真感光体。
【0019】(5).前記シリカ微粒子が化学炎CVD
法で気相中で合成され、該シリカ微粒子を含有する感光
層が相対湿度80%の環境下で調湿された後、40〜2
00℃の温度範囲における示差熱分析の吸熱エネルギー
変化量ΔHが0〜20(J/g)であることを特徴とす
る(4)に記載の電子写真感光体。
【0020】(6).前記シリカ微粒子が体積平均粒径
0.05〜2μmのシリカ微粒子であることを特徴とす
る(4)または(5)に記載の電子写真感光体。
【0021】(7).感光層を100℃以上で乾燥する
ことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載
の電子写真感光体の製造方法。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明の感光体では、感光層の表面に無機
又は有機の比較的硬い微粒子を含有させて、前記感光層
の膜強度を大ならしめ、耐摩耗性を強化すると共に、前
記感光体の帯電露光の繰り返しの際発生する活性ガスに
よる疲労劣化を防止するため酸化防止剤を含有せしめ、
かつ感光体製造時の乾燥条件を感光層の残留溶媒が1%
以下となるよう制御して製造するようにした点に特徴が
ある。
【0024】即ち前記感光体の残留溶媒の量を1%以下
とすることにより前記感光層表面に比較的硬い有機又は
無機粒子を含有させたことによる膜強度を大ならしめる
作用をより一層効果的に発揮せしめる。若し前記残留溶
媒の量が1%を越えると前記膜強度を弱くする方向に作
用して、繰り返し像形成の過程で感光層が摩耗、損傷し
やすくなる。
【0025】又前記感光体の残留溶媒の量を1%以下と
することにより前記感光層中に酸化防止剤を含有せしめ
たことによる活性ガスによる前記感光体の疲労劣化を防
止する作用をより一層効果的に発揮せしめる。若し前記
残留溶媒の量が1%を越えると前記酸化防止剤の疲労劣
化防止作用を著しく低下せしめる。
【0026】なお感光層中の残留溶媒の量は1〜0.0
01%の範囲とされるのが好ましい。又前記感光層中の
残留溶媒の量は、感光体製造時の乾燥条件と密接な関係
があり、特に乾燥温度との関係が重要である。
【0027】本発明者等の実験によれば、感光層の膜
厚、溶媒の種類等により異なるが、感光層中の残留溶媒
量を1%以下とするためには、乾燥感度を少なくとも1
00℃とする必要があり、100℃より低い乾燥温度で
は乾燥時間を長くかけても前記残留溶媒量を1%以下と
するのが困難であることがわかった。
【0028】又乾燥温度が250℃より大きいと、感光
層が過度に乾燥され易く、感光層の残留溶媒量が0.0
01%より小さくなり易く、その結果感光層を構成する
光導電性物質及びバインダー樹脂が変質して電子写真性
能が悪化することがわかった。
【0029】本発明の感光体において、感光層の最上層
に含有される有機又は無機微粒子はバインダー樹脂と共
に含有され、その含有量は、バインダー樹脂に対して
0.1〜200wt%、好ましくは1〜100wt%で
ある。
【0030】本発明で用いられる有機微粒子は、体積平
均粒径が0.05〜10μmが好ましく、これらの有機
微粒子としては、フッ素樹脂微粒子、シリコーン系樹脂
微粒子、オレフィン系樹脂微粒子、その他ポリマー微粒
子などが挙げられ、特に好ましくは下記フッ素系樹脂が
用いられる。
【0031】フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、ポリ3フッ化エチレン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフルオロア
ルキルビニルエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリジフルオロジ
クロロエチレンまたはこれの共重合体が挙げられる。
【0032】又本発明に用いられる無機微粒子として
は、例えばシリカ、酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水
酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タ
ルク、マイカ、ウオラスナイト、チタン酸カリウム、モ
スハイジ、セピオライト、ソツトライト、ホウ酸アルミ
ニウム等があり、かつこれらの無機微粒子はモース硬度
5以上が好ましい。
【0033】前記無機微粒子のなかでは、シリカ微粒子
が重要であり、その体積平均粒径が0.05〜2μm、
好ましくは0.1〜2μmの範囲でシャープな粒度分布
を有するものが好ましい。
【0034】本発明において、シリカ微粒子の体積平均
粒径が0.05μmを下廻ると感光層表面に必要な機械
的強度が得られず、繰り返し像形成の過程で摩耗、損傷
し易く、かつ電子写真性能が劣化する。又、2μmを上
廻ると感光層表面の表面粗さが大きくなり、クリーニン
グ不良が起こる。
【0035】又、前記シリカ微粒子は実質的に球形であ
ることが好ましく、特に長径/短径の比が2.0未満の
実質的に球形とされるのが好ましく、ここで球形とは、
電子顕微鏡で10,000倍に拡大した微粒子が不定形
でなく球形であると云う事を示す。その場合感光層表面
の摩擦係数を低減することができ、従来問題とされてき
た弾性クリーニングブレードの反転(ブレードめくれ)
が防止されるなどの利点を有する。又、前記シリカ粒子
の粒度分布がシャープであることが好ましく、その場合
感光層表面への粗大粒子の混入或いは小径粒子の凝集に
よる膜欠陥の発生等が防止される。
【0036】本発明に係るシリカ微粒子を製造する方法
として化学炎CVD法(CVD:Chemical V
alpor Deposition)が好ましい。この
方法は酸素−水素混合ガス又は炭化水素−酸素混合ガス
の燃焼により高温の火炎を作り、この中で気相反応を起
こさせて製造する方法であり、その一例としてはクロル
シランガスを前記混合ガスの高温火炎中で気相反応させ
てシリカ粒子を得る方法がある。
【0037】本発明に係るシリカ微粒子は前記化学炎C
VD法により製造されるのが好ましいが、その中でも金
属硅素粉末を前記混合ガス中に投入し爆発的に燃焼反応
させて製造するのが好ましい。
【0038】この製造法の詳細は例えば特開昭60−2
55602号、特開平5−193908号、同5−19
3909号、同5−193910号、同5−19392
8号、同5−196614号、同6−107406号の
各公報に詳細に記載されている。
【0039】前記各号公報記載の製造方法では、予め原
料となる硅素金属素材を高純度の水で複数回洗浄して溶
解成分を除去すると共に、加熱処理して気相成分を除去
して高純度の硅素微粉末を得る。次に製造装置頭部のバ
ーナーにLPG等の可燃ガスと酸素ガス等の支燃ガスを
導入して着火用の火炎を形成しておき、該着火用の火炎
中に前記高純度の硅素粉末を分散含有する空気等のキャ
リアガスを導入して着火燃焼を開始する。その後前記支
燃ガスを多段に供給して前記硅素粉末を爆発的に酸化燃
焼させて高純度のシリカ粒子を得るようにしている。
【0040】前記製造方法によれば、シャープな粒度分
布を有する高純度のシリカ微粒子をうることができると
共に、目的に応じて前記粒度分布を広範囲に変化させて
製造することが可能とされている。
【0041】又前記シリカ微粒子の体積平均粒子径はレ
ーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−700(掘
場製作所製)により測定される。なお前記フッ素系有機
微粒子の体積平均粒径も該装置LA−700で測定され
る。
【0042】本発明に係るシリカ微粒子の示差走査熱量
分析(DSC)は、熱的に安定な標準物質と共に試料を
一定速度で加熱したときの両者の温度差を打ち消すため
に必要なエネルギーを加える方法で、DSCのピーク面
積が吸熱量に比例していることにより次式に従って定量
できる。
【0043】M・ΔH=K・A ここでMは試料の質量、ΔHは試料の単位質量あたりの
エネルギー変化量、Kは装置定数、Aはピーク面積であ
る。シリカ粉末は、相対湿度80%の環境下に24時間
放置し、調湿した。その後DSC測定までは、密封容器
中に同一条件下に保存し、調湿終了後60分以内に測定
をした。
【0044】本発明で用いられたDSCの測定条件を以
下に示す。
【0045】 本発明に係るシリカ微粒子のΔHは0〜20ジュール/
gが好ましいが、より好ましくは0.1〜10ジュール
/gである。
【0046】次に本発明に用いられる前記シリカ微粒子
は例えばチタンカップリング剤、シランカップリング
剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸又はそ
の金属塩等の疎水化処理剤により処理して成る疎水性シ
リカ粒子がより好ましい。
【0047】これらのカップリング剤はバインダー樹脂
に配合して用いても良いが、シリカ微粒子をあらかじめ
カップリング剤で表面処理して用いるのが望ましい。こ
れにより本発明の粒子表面とバインダー樹脂との親和性
が増大し、分散性や接着性の向上が図れる。
【0048】前記化合物による処理は粒子表面の活性基
と反応させることにより達成される。処理方法としては
例えばシラノール基を高圧下で反応させる方法(Kol
loid−Z,149,39(1956))、アルコー
ルとのエステル化(DBP1074559)、オートク
レーブ中でのエステル化(Bull.Chem.So
c.Jpn,49(12),3389(1976))な
ど「シランカップリング剤」(信越化学工業)、「技術
資料No.Z003」(東芝シリコーン)等に記載され
ている方法によって行うことができる。
【0049】シロキサンを有する化合物の使用量は粒子
100重量部に対し0.1〜100重量部、好ましくは
0.5〜10重量部であるが、一般的には表面を十分被
覆するための理論量は次式で算出することができる。但
し、理論量とは粒子表面に単分子層を形成するのに必要
な量である。
【0050】Ws=(Wf×SE)/(MCA) (Ws:シロキサン構造を有する化合物添加量(g) Wf:微粒子使用量(g) SE:微粒子比表面積(m2/g) MCA:シロキサン構造を有する化合物1g当たりの最
小被覆面積(m2/g)) 実際にはこの値を基準にして、用途に応じた処理量を設
定することができる。
【0051】なお前記粒子に施される疎水化処理膜は単
分子量又はそれに近い薄層とされるため、処理後の有機
又は無機粒子の不純物の量及び体積平均粒径は実質的に
処理前の該粒子と同様とされる。
【0052】次に本発明の感光体の感光層中には帯電、
露光の繰り返しの際発生する活性ガスによる疲労劣化を
防止するため酸化防止剤が含有される。前記酸化防止剤
としては、ヒンダードフェノール誘導体又はヒンダード
アミン誘導体が好ましく用いられ、前記感光層のCTM
に対して通常0.1〜10wt%含有される。
【0053】本発明において、酸化防止剤として好まし
いヒンダードフェノール誘導体としては、下記一般式
〔A〕で表されるものが挙げられる。
【0054】
【化1】
【0055】〔式中、R1は水素原子または有機基を表
し、R2,R6の少なくとも一方は炭素原子数3以上の有
機基を表し、残りの一つとR3,R4,R5は水素原子ま
たは有機基を表す。〕 前記一般式〔A〕で表されるヒンダードフェノール誘導
体のうち特に好ましいものとしては、下記一般式〔1
A〕、〔2A〕、〔3A〕、〔4A〕および〔5A〕で
表されるものが挙げられる。
【0056】
【化2】
【0057】〔一般式〔1A〕中、R13は分岐状アルキ
ル基、R14、R15、R16は水素原子又はヒドロキシ基、
アルキル基、アリール基を表し、R15及びR16は相互に
連結して環を形成してもよい。R17は水素原子、アルキ
ル基又はアルキリデン基を表す。
【0058】前記R13は炭素数3〜40のtert−若
しくはsec−アルキル基が好ましい。
【0059】R14、R15及びR16のアルキル基として
は、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基とし
てはフェニル、ナフチル、ピリジル基等が挙げられる。
【0060】またR15とR16が環となる場合にはクロマ
ン環が好ましい。
【0061】R17の表すアルキル基、アルキリデン基と
しては、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好まし
いのは、炭素数1〜18のものである。
【0062】Y1は水素原子又は有機残基、好ましくは
有機残基である。〕〔一般式〔2A〕中、R18は水素原
子又はアルキル基、アリール基、アラルキル基、R19
23は分岐状アルキル基、R20、R21、R22及びR24
25、R26は水素原子又は置換基を表す。
【0063】m、pは0又は正整数であり、且つm+p
は2〜4である。またWは連絡基である。
【0064】前記R18の表すアルキル基としては、炭素
原子数1〜40個のアルキル基であって置換基を有して
もよい。R18に対する置換基としては、アリール基、ア
ルコキシル基、カルボキシル基、アミド基、ハロゲン原
子等任意のものが可能である。
【0065】またアラルキル基としては、ベンジル基、
フェネチル基等が挙げられる。
【0066】またR19、R23の表す分岐状アルキル基と
しては炭素数1〜40個の分岐状アルキル基であり、例
えば(t)ブチル、(sec)ブチル、(sec)オク
チル、(t)オクチル基等が挙げられる。
【0067】R20〜R22及びR24〜R26のとりうる置換
基としては、例えばアリール基、アルコキシル基、カル
ボキシル基、アミド基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0068】また連結基Wはm、pの値如何によって変
化する。Wとしては例えばメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、フェニレン基、スルフィド、ポリスルフィ
ド基が代表的なものとして挙げられる。
【0069】なお、上記においてはWがなくフェニル基
同士が直接結合する場合も含まれる。〕 〔一般式〔3A〕中、R27、R28及びR29で表される炭
素原子数1〜4のアルキル基は直鎖でも分岐していても
よく、具体的には例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、i−プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t
−ブチル基等が挙げられる。
【0070】これらの基の中で特にt−ブチル基が好ま
しい。R27、R28及びR29は同じでも異なっていてもよ
い。〕 〔一般式〔4A〕中、R30及びR31は各々、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又は
複素環基を表し、R32、R33、R34及びR35は各々、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルキ
ルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル
基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカ
ルボニル基又はスルホンアミド基を表す。〕 〔又、一般式〔5A〕中、R36は炭素原子数1〜18の
アルキル基を表し、R37及びR38は各々、水素原子又は
炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。R39は水素
原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
【0071】更に、一般式〔5A〕において、R36
37及びR38で表される炭素原子数1〜18のアルキル基
は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、オクチル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0072】R39で表される炭素原子数1〜10のアル
キル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、sec−
ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等を挙げることがで
きる。〕 前記一般式〔1A〕〜〔5A〕に含まれるヒンダードフ
ェノール誘導体のうち特に重要な化合物例を以下に示
す。
【0073】
【化3】
【0074】更に前記ヒンダードフェノール誘導体に含
まれるその他の有用な化合物例を以下に挙げる。
【0075】
【化4】
【0076】
【化5】
【0077】次に、本発明において、酸化防止剤として
好ましいヒンダードアミン誘導体としては、下記一般式
〔B〕で表されるものが挙げられる。
【0078】
【化6】
【0079】〔式中、R10,R13,R14,R15およびR
16は水素原子または有機基を表し、R11,R12,R17
よびR18の少なくとも一つは水素原子以外の有機基を表
し、残りは水素原子または有機基を表し、Xは酸素原
子、>CR1920または>N−R21を表し、R19,R20
およびR21は水素原子または有機基を表す。〕 前記一般式〔B〕で表されるヒンダードアミン誘導体の
うち、特に好ましいものとしては、下記一般式〔1B〕
および〔2B〕で表されるものが挙げられる。
【0080】
【化7】
【0081】〔式中、R19〜R30は水素原子またはアル
キル基を表し、該アルキル基としては、炭素原子数1〜
40のものが好ましく、また例えばハロゲン原子、アル
コキシル基、アリール基またはアミド基等の置換基を有
していてもよい。またR19〜R30の少なくとも一つは水
素原子以外のアルキル基であることが好ましい。またY
1〜Y4は水素原子または有機基を表し、好ましくは有機
基である。〕 前記一般式〔1B〕および〔2B〕で表されるヒンダー
ドアミン誘導体のうち、一般式〔1B〕で表されるもの
が好ましく、該一般式〔1B〕で表されるヒンダードア
ミン誘導体のうち、特に好ましく有用な具体的例示化合
物を以下に示す。
【0082】
【化8】
【0083】
【化9】
【0084】さらに本発明ににおいて、ヒンダードフェ
ノール構造単位とヒンダードアミン構造単位との共重合
成分を分子内に有する化合物として下記一般式〔3B〕
で示されるヒンダードアミン構造単位と一般式〔6A〕
で表されるヒンダードフェノール構造単位の共重合体か
ら成る化合物〔C〕が酸化防止剤として挙げられる。
【0085】
【化10】
【0086】〔式中、R31、R32、R33及びR34は水素
原子、アルキル基またはアリール基を表し、Zは含窒素
脂環を構成するに必要な原子団を表す。またR31、R32
の組及びR33、R34の組の夫々の組においてその1つは
Zの中に組込まれて二重結合を与えてもよい。
【0087】更に、R35は分岐状アルキル基、R36、R
37及びR38は水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基ま
たはアリール基を表し、R37及びR38は相互に連結して
環を形成してもよい。R39は水素原子、アルキル基又は
アルキリデン基を表す。
【0088】前記R31、R32、R33及びR34は好ましく
は炭素数1〜40個のアルキル基であって、該アルキル
基は置換基を有してもよく置換基としては、例えばアリ
ール基、アルコキシル基、カルボキシル基、アミド基、
ハロゲン原子等任意のものが挙げられる。
【0089】Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団
であり、好ましくは5員環、6員環を構成する原子団で
ある。
【0090】好ましい環構造としては、ピペリジン、ピ
ペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、
オキサゾリジン、チアゾリジン、セレナゾリジン、ピロ
リン、イミダゾリン、イソインドリン、テトラヒドロイ
ソキノリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジ
ン、ジヒドロイソキノリン、オキサゾリン、チアゾリ
ン、セレナゾリン、ピロール等の各環が挙げられ、特に
好ましくはピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びピ
ロリジンの各環である。
【0091】前記R35は炭素数3〜40のtert−も
しくはsec−アルキル基が好ましい。
【0092】R36、R37及びR38はアルキル基として
は、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基とし
てはフェニル、ナフチル、ピリジル基等が挙げられる。
【0093】またR37とR38が環となる場合にはクロマ
ン環が好ましい。
【0094】R39の表すアルキル基、アルキリデン基と
しては、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好まし
いのは、炭素数1〜18のものである。〕前記一般式
〔3B〕に含まれるヒンダードアミン構造単位と前記一
般式〔6A〕に含まれるヒンダードフェノール構造単位
との共重合体から成る化合物〔C〕のうち特に重要な化
合物例としては、以下のものが挙げられる。
【0095】
【化11】
【0096】
【化12】
【0097】
【化13】
【0098】前記無機又は有機微粒子を含有し、かつ前
記酸化防止剤を含有する感光層を有する本発明の感光体
は、セレン、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等
を用いた無機感光体であってもよいが、好ましくは有機
のCGMとCTMを含有する有機感光体である。
【0099】前記有機感光体の層構成としては、図1の
(イ)に示す帯電性支持体1上に必用に応じて中間層2
を設け、この上にCGMとCTMを共に含有する単層構
成の感光層3を有する感光体、図1の(ロ)に示すよう
に感光層3としてCGMを含有する電荷発生層4(CG
L4)と、CTMを含有する電荷輸送層5(CTL5)
とをこの順に有する2層構成の感光体、又は図1の
(ハ)に示すように、感光層3として電荷発生層4(C
GL4)と第1電荷輸送層6(CTL6)と第2電荷輸
送層7(CTTL7)とをこの順に有する3層構成の感
光体(前記電荷輸送層は3層以上からなってもよい)等
がある。
【0100】なお前記有機又は無機の微粒子は感光層の
最上層、即ち図1の(イ)の感光層3、図1の(ロ)の
CTL4、図1の(ハ)のCLLT7に含有される。
【0101】又前記酸化防止剤は少なくとも感光層の最
上層に含有されるが、感光層全体に含有されてもよい。
【0102】なお、本発明の好ましい実施態様として
は、前記図1の(ハ)の3層構成の感光層を有する感光
体が好ましい。
【0103】前記図1の(イ)の感光層3、図1の
(ロ)および(ハ)の電荷発生層4に含有される電荷発
生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワ
リリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピ
リリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダ樹脂と共に層形
成が行われる。
【0104】前記感光層6に含有される電荷輸送物質
(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾー
ル誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダ
ゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、
ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合
物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾ
ール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘
導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナ
ジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−
ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの電荷輸送物
質(CTM)は通常バインダ樹脂と共に層形成が行われ
る。
【0105】これらの中で特に好ましい電荷輸送物質
(CTM)としては下記一般式で示される化合物のもの
があげられる。
【0106】
【化14】
【0107】式中、Ar1、Ar2、Ar4は各々置換、
無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Ar
3は各々置換、無置換の2価の芳香族炭化水素基または
複素環基を表し、R3は水素原子又は各々置換、無置換
の芳香族炭化水素基もしくは複素環基を表す。nは1も
しくは2である。Ar4とR3は互いに結合して環を形成
してもよい。
【0108】
【化15】
【0109】式中、R4、R5は各々置換、無置換の芳香
族炭化水素基、複素環基またはアルキル基を表し、互い
に連結して環を形成してもよい。R6は水素原子または
各々置換、無置換の芳香族炭化水素基、複素環基もしく
はアルキル基を表し、Ar5は各々置換、無置換の芳香
族炭化水素基または複素環基を表す。mは0若しくは1
である。
【0110】
【化16】
【0111】式中、Yは各々l価の置換、無置換のフェ
ニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、カ
ルバゾリル基、ジフェニル基又は4,4′−アルキリデ
ンジフェニル基を表し、Ar6、Ar7は各々置換、無置
換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。lは1〜
3の整数を表す。
【0112】
【化17】
【0113】式中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11は各
々置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表
す。Ar1、Ar2、Ar3は前述の通りである。
【0114】これらの内、本発明の感光体に好ましく用
いられる具体的化合物例を以下に例示する。
【0115】
【化18】
【0116】
【化19】
【0117】
【化20】
【0118】
【化21】
【0119】
【化22】
【0120】
【化23】
【0121】前記積層構成の場合の最表面層以外の電荷
発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有される
バインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート
樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール樹
脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げ
られる。
【0122】前記各層を形成する際に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、イソプロピナール、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げ
られる。本発明はこれらに限定されるものではないが、
ケトン系溶媒を用いた場合、感光体製造時の乾燥条件の
制御および感光層中の残留溶媒の管理が容易であり、電
子写真性能に優れた感光体が得られる。
【0123】次に、本発明の感光体では、図1(イ)の
単層構成の感光体に比べて図1(ロ)または図1(ハ)
の多層構成の感光体が重要であり、前記多層構成の感光
体のCGL4中のCGMとバインダー樹脂との割合は重
量比で1:5〜5:1、特には1:2〜3:1が好まし
く、CGL4の膜厚は5μm以下、好ましくは0.05
〜2μmである。また前記多層構成の感光体のCTL
5、CTL6またはCTTL7中のCTMとバインダー
の個混合割合は重量比で3:1〜1:3、好ましくは
2:1であり、CTL5の膜厚は5〜50μm、好まし
くは5〜40μmであり、CTL6の膜厚は5〜50μ
m、好ましくは5〜40μmであり、CTTL7の膜厚
は0.1〜40μm、好ましくは1〜30μmである。
【0124】次に、本発明の電子写真感光体の導電性支
持体としては、 1)アルミニウム、ステンレス、スチール等の金属板ま
たは金属ドラム 2)紙、プラスチックフィルム、プラスチックドラム上
にアルミニウム、パラジウム、金等の金属薄層をラミネ
ート、スパッタ、蒸着等により設けたもの 3)紙、プラスチックフィルム、プラスチックドラム上
に、導電性ポリマー、酸化錫、酸化インジウム、カーボ
ン等の導電性材料の層を塗布、スパッタ、蒸着により設
けたもの等が挙げられる。
【0125】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型塗布等の塗布加工方法を用いるのが好まし
い。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−
90250号及び特開平3−269238号公報に詳細
に記載され、前記円型量規制型塗布については例えば特
開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0126】なお前記スプレー塗布及び円形量規制塗布
によれば、前記浸漬塗布等に比して塗布液の無駄な消費
がなく、下層を溶解、損傷することがなく、かつ均一塗
布および均一乾燥が達成される等の利点を有する。
【0127】本発明においては導電性支持体の感光層の
間に、バリヤー機能と接着樹脂を兼備した中間層を設け
ることもできる。
【0128】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等
が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好
ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0129】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当な結
着剤樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成すること
ができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特
には10〜30μmが好ましい。
【0130】また、支持体の形状はドラム状でもシート
状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に適し
た形状であることが好ましい。
【0131】本発明の感光体は、複写機、レーザープリ
ンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンタ
ー等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更
には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印
刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るも
のである。
【0132】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0133】《実施例用感光体1の作製》直径80mm
のアルミニウムドラム上に共重合タイプのポリアミド樹
脂「アミランCM−8000」(東レ社製)1.5重量
部をメタノール90容量部とブタノール10容量部との
混合溶媒中に溶解してなる塗布液を浸漬塗布して膜厚
0.3μmの中間層を形成した。
【0134】次に、ポリビニルブチラール樹脂「エスレ
ックBL−S」(積水化学社製)0.8重量部をメチル
エチルケトン80重量部とシクロヘキサノン20重量部
との混合溶媒中に溶解し、得られた溶液中にキャリヤ発
生物質(CGM)としての下記構造式で示されるCGM
−1を14重量部混合、分散してなる塗布液を前記中間
層上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚0.2μmのキャリヤ
発生層を形成した。
【0135】
【化24】
【0136】次いで、バインダとしてポリカーボネート
樹脂「ユービロンZ300」(三菱ガス化学社製)15
重量部とキャリヤ輸送物質(CTM)としての化合物T
−9を10重量部をメチレンクロライド100容量部に
溶解してなる塗布液を前記キャリヤ発生層上に浸漬塗布
して乾燥後の膜厚が25μmの第一のキャリヤ輸送層を
形成した。
【0137】次いで、バインダとしてポリカーボネート
樹脂「TS−2050」(帝人化成社製)1.5重量部
と、キャリヤ輸送物質(CTM)としての化合物T−9
を1重量部と、酸化防止剤(AO剤)としての例示化合
物(A)−3を0.05重量部と、無機微粒子としての
アドマテックス社製アドマファインSO−C1(S−
1)0.6重量部とを1,2−ジクロロエタン(EC)
100容量部に溶解、分散した。
【0138】この塗布液を用いて、前記第一のキャリヤ
輸送層上に円形量規制型塗布機を用いて塗布し、110
℃で1時間乾燥して、膜厚が1μmの第二のキャリヤ輸
送層を形成し、表1に示す実施例用感光体1を得た。こ
の時の残留溶媒量は0.8重量%であった。
【0139】《実施例用感光体2〜11および比較例用
感光体1〜8の作製》実施例用感光体1の作製におけ
る、第2のキャリヤ輸送層の溶媒の種類、乾燥温度およ
び時間、感光層に対する残留溶媒量(wt%)、AO剤
の種類およびCTMに対する量(wt%)、膜厚、有機
または無機微粒子の有無、種類、粒径およびバインダー
樹脂に対する量(wt%)を表1および表2の如く変化
した他は同様にして実施例用感光体2〜11および比較
例用感光体1〜8を得た。
【0140】なお、前記残留溶媒量は下記の方法により
測定された。
【0141】《残留溶媒測定法》 1.サンプル ドラムより感光層を剥離(下記に記
載。) 2.測定機器 ガスクロマトグラフィー使用 機器:HP5890A(ヒューレットパッカード社製) カラム:TC−WAX MEGABORE 30m キャリアー:N2ガス 昇温速度:10℃/min 3.測定手順 塗布溶媒の一定量を計りとり、ガスクロマトグラフィ
ー分析(上記2.の機器、測定条件)して、注入量とピ
ーク面積の間の検量線作成する 感光体から一定量の感光層を引き剥がし、この感光層
を高沸点溶媒に溶解させてと同様にしてガスクロマト
グラフィー分析する 上記で得られた面積値より、で得た検量線から残
留溶媒量を算出する 残留溶媒の重量%を下式より求める。
【0142】残留溶媒の重量%={(一定量の感光層中
の残留溶媒の重量)/(一定量の感光層の重量)}×1
00
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】《評価》以上のようにして得た感光体を、
少なくとも該感光体とクリーニング手段とが一体的にユ
ニット化されている、帯電、像露光、現像、転写、除電
(PCL)、およびクリーニングの各工程を有するアナ
ログ複写機「Konica U−BIX4145」(コ
ニカ(株)製)に装着して常温常湿(20℃、60%)
下で各感光体毎に5万回の像形成テストを行い、得られ
た画像の画像評価、残留電位の変動量および膜厚減耗量
の測定をおこなった。
【0146】(1)画像評価 前記感光体を順次前記複写機「Konica U−BI
X4145」(コニカ(株)製)に装着し中間調を有す
る原稿を用いて5万回の画出しをおこなった。このとき
帯電器はスコロトロン帯電器が用いられ、グリッド制御
により前記感光体上には−750Vの一定帯電下に画像
形成が行われ、画像の地カブリ、画像ボケの発生の有無
を観察した。
【0147】(2)残留電位変動量(ΔVr)の測定 前記複写機のPCLと帯電器との間に電位計のプローブ
を配置し、前記5万回の画出しの初期の残留電位V
r1(−V)と5万回目の残留電位Vr2(−V)とを測定
し、それらの差から残留電位変動量Vr(ボルト)を求
め、その絶対値│Vr│を表3、表4に示す。
【0148】(3)膜厚減耗量の測定 前記複写機による5万回の画出しの初期の感光体のラン
ダム10ケ所の膜厚を測定しておき、5万回目の感光体
の前記場所の膜厚を測定し、それらの差から膜厚減耗量
を求めた。
【0149】なお、膜厚測定器EDDY 560 C
(HELMUT FISCHER GMBHT CO社
製)により膜厚を測定した。
【0150】以上の結果を表3、表4に示す。
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】表3、表4から明らかなように、本発明
(実施例用)の各感光体では、いずれも5万回の繰り返
し画像形成の過程で画像ボケの発生や、残留電位上昇に
よるカブリ発生や感光層の摩耗、損傷による電子写真性
能の劣化や擦り傷の発生等がなく良質の画像が安定して
得られるが、比較用の感光体では画像ボケ、カブリ発
生、擦り傷発生のいずれかが発生していることが理解さ
れる。
【0154】
【発明の効果】本発明により、機械的耐摩耗性に優れ、
かつオゾン、NOX等の活性ガスによる疲労劣化が少な
く高耐久性であり、繰り返し画像形成の過程で高濃度、
鮮明な画像が安定して得られる電子写真感光体およびそ
の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 感光層 4 電荷発生層(CGL) 5 電荷輸送層(2層構成感光体) 6 第1の電荷輸送層(3層構成感光体) 7 第2の電荷輸送層(3層構成感光体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G03G 5/00 101 G03G 5/00 101 (72)発明者 江藤 嘉彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 武居 良明 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物
    質と電荷輸送物質とを含有する感光層を有する電子写真
    感光体において、該感光層に有機微粒子および無機微粒
    子から選ばれる少なくとも一種の微粒子と酸化防止剤と
    を含有し、かつ該感光層の残留溶媒量が1%以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記感光層の最上層に前記有機微粒子お
    よび無機微粒子から選ばれる少なくとも一種の微粒子を
    含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】 前記有機微粒子が含フッ素樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記無機微粒子がシリカ微粒子であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記シリカ微粒子が化学炎CVD法で気
    相中で合成され、該シリカ微粒子は相対湿度80%の環
    境下で調湿された後、40〜200℃の温度範囲におけ
    る示差走査熱量分析の吸熱エネルギー変化量ΔHが0〜
    20(J/g)であることを特徴とする請求項4に記載
    の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記シリカ微粒子が体積平均粒径0.0
    5〜2μmの無機シリカ微粒子であることを特徴とする
    請求項4または5に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 感光層を100℃以上で乾燥することを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写
    真感光体の製造方法。
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