JP3684857B2 - 電子写真感光体、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体としては無機光導電性物質を含有する感光層を有する無機感光体及び有機光導電性物質を含有する感光層を有する有機感光体とがあるが、近年該有機感光体は加工が容易であり、毒性が少なく、用途に応じて選択の自由度が大であり、かつ電子写真特性にも優れていることから盛んに開発が進められている。
【0003】
他方、上記有機感光体は、無機感光体に比して軟質であるため、耐摩耗性が弱いという欠点があり、該有機感光体(以下単に感光体ともいう)の膜減耗の問題が該感光体の高耐久化を阻害する要因の一つに挙げられている。この耐摩耗性を改善するために従来、感光層を構成するバインダー樹脂骨格の選択や高分子量化による粘弾性挙動の制御やガラス転移温度、絡み合い密度の調整などが行われてきた。また異なった視点から少なくとも表面層を含む層中に無機或いは有機の微粉体を含有させることによる表面強度向上や固体潤滑剤の添加などの複合化技術なども数多く検討されてきた。しかしながら現在主流であるブレードクリーニング(単にブレードともいう)方式においては感光体の耐摩耗性を向上させる一方で、逆に該ブレードのエッジ摩耗や該ブレードの反転などが起こり易くなる等の問題も発生している。
【0004】
また、上記無機或いは有機の微粉体を添加する粉体添加系においても感光体の表面粗さの増大により上記ブレードの振動が増大し、トナーのすり抜けやエッジ摩耗の増大などの問題が起こっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、この点に関して鋭意検討を加えた結果、感光体のバインダー樹脂に改良を加えることにより該感光体の耐摩耗性その他の電子写真特性を大きく向上させることができることに気付き本発明を完成したのである。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて提案されたものであり、その目的とするところは、感光層の耐摩耗性が改良され、帯電露光の繰り返しによる電位特性の劣化が少なく、かつレーザー光を照射して画像形成を行った時の干渉縞に基づくモアレの発生が防止されて、高品質の画像が得られる感光体、該感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記構成により達成される。
【0008】
1.互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層を導電性支持体上に設けてなる電子写真感光体において、該非相溶状態にあるドメインを構成するバインダー樹脂の少なくとも1種以上が下記構造式1で表される繰り返し構造単位有することを特徴とする電子写真感光体。
【0010】
【化3】
Figure 0003684857
【0011】
(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R3、R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表し、X1はSi原子を含有する基を表し、nは20〜500を表す。)
.互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層を導電性支持体上に設けてなる電子写真感光体において、該非相溶状態にあるドメインを構成するバインダー樹脂の少なくとも1種以上が下記構造式2で表される繰り返し構造単位有することを特徴とする電子写真感光体。
【0013】
【化4】
Figure 0003684857
【0014】
(式中、R5、R6は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R7、R8は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表し、X2はF原子を含有する基を表し、nは20〜500を表す。)
.前記非相溶状態にあるドメインを含む層がキャリア輸送層であり、該キャリア輸送層が複数の層から構成され、かつ該非相溶状態にあるドメインを含む層が該複数の層のうちの最表面層であることを特徴とする前記1または2に記載の電子写真感光体。
【0015】
.前記非相溶状態にあるドメインを含む層が粘度平均分子量40,000以上のポリカーボネートを含有することを特徴とする前記1〜の何れか1項に記載の電子写真感光体。
【0016】
.互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層を導電性支持体上に設けてなる電子写真感光体において、該感光層がキャリア発生物質としてチタニルフタロシアニンを用いることを特徴とする電子写真感光体。
【0017】
.前記チタニルフタロシアニンがCu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有することを特徴とする前記に記載の電子写真感光体。
【0018】
.前記非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層が円形量規制型塗布方法により形成されることを特徴とする前記1〜の何れか1項に記載の電子写真感光体。
【0019】
.前記1〜の何れか1項に記載の電子写真感光体上に少なくとも帯電、像露光、現像、転写、分離及びクリーニングの各手段を有し、多数枚の画像を形成するための画像形成方法において、像露光の光源がレーザー光であり、現像手段が反転現像方式であり、クリーニング手段がブレードクリーニング方式であることを特徴とする画像形成方法。
【0020】
.前記1〜の何れか1項に記載の電子写真感光体上に少なくとも帯電、像露光、現像、転写、分離及びクリーニングの各手段を有し、多数枚の画像を形成するための画像形成装置において、像露光光源がレーザー光であり、現像手段が反転現像方式であり、クリーニング手段がブレードクリーニング方式であることを特徴とする画像形成装置。
【0021】
以下本発明を詳細に説明する。
【0022】
〔発明1(請求項1)の感光体〕
本発明の電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)は、導電性支持体上に設けられた感光層中に、互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層(以下、単に非相溶層ともいう)を有する感光体であり、該非相溶層は後述するキャリア輸送物質(CTM)を相溶して含有するバインダー樹脂1と該バインダー樹脂1と相溶せずドメインを形成するバインダー樹脂2とから構成され、かつ該バインダー樹脂2の少なくとも1種以上が繰り返し構造単位中にSi原子を含有することを特徴とする感光体であり、好ましくは該Si原子を含むバインダー樹脂2が下記構造式1で表される。
【0023】
【化5】
Figure 0003684857
【0024】
(式中、R1、R2は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、R3、R4は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、X1はSi原子を含み、かつ炭素原子数3〜15の基を表し、nは20〜500を表す。)
上記構造式1の好ましい化合物例としては、下記の物が挙げられる。なお、化合物例を表す構造式中、nは20〜500、mは0〜10を表す。
【0025】
【化6】
Figure 0003684857
【0026】
〈非相溶層の判別〉
なお、本発明でいう非相溶層は通常、海に例えられるバインダー樹脂1中にバインダー樹脂2が島状に含有されてドメイン(海−島構造)が形成されている層であり、理論的には高分子−高分子間の接触エネルギー変化Δεが正である状態と定義されるが、具体的な判別の方法としては非相溶層を構成する2種以上のバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)がそれぞれ独立に観察できることで判別することができる。相溶状態の場合、ガラス転移温度は通常それぞれの中間領域にピークとして観測される。この識別の方法は示差熱分析(DSC)で測定される。
【0027】
《ガラス転移温度の測定》
感光層のガラス転移温度は示差熱分析(DSC)により測定される。測定条件は以下のようである。
【0028】
測定機器:7Series Thermal Analysis System(パーキンエルマー社製)
昇温条件:rate=10℃/min、
測定範囲:0〜200℃
〔発明2(請求項)の感光体〕
発明2の感光体では、発明1の前記感光体の非相溶層のドメインを構成するバインダー樹脂2(島)の少なくとも1種以上が繰り返し構造単位中にSi原子を含有する感光体であることに対して、バインダー樹脂2(島)の少なくとも1種以上が繰り返し構造単位中にF原子を含有する感光体とした点に特徴があり、その場合の該F原子を含有するバインダー樹脂2は下記構造式2で表される。
【0029】
【化7】
Figure 0003684857
【0030】
(式中、R5、R6は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、R7、R8は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、X2はF原子を含有する基を表し、nは20〜500を表す。)
上記構造式2の好ましい化合物例としては、下記の物が挙げられる。
【0031】
【化8】
Figure 0003684857
【0032】
なお、化合物例を表す構造式中、nは、20〜500、p及びqはp+qが20〜500となる範囲で選択される値を表す。
【0033】
〈バインダー樹脂1〉
上記発明1及び発明2において非相溶層の海−島構造のバインダー樹脂1(海)は、特に限定はなく、従来公知の電子写真用の任意のバインダー樹脂を用いることができるが、好ましくは下記粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂が用いられ。なお、上記ポリカーボネート樹脂と共に他の樹脂を混合して用いることができ、例えば疎水性で、かつ誘電率が高く、電気絶縁性のフィルム形成性高分子重合体を用いることができ、例えば、ポリエステル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール等を挙げることができる。
【0034】
《粘度平均分子量の測定》
上記バインダー樹脂1(ポリカーボネイト)の粘度平均分子量の範囲は好ましくは5,000〜300,000、より好ましくは40,000以上であり、該粘度平均分子量はサンプル(分岐BPZ)6.0(g/l)のジクロロメタン溶液を調整し、20℃で測定されるηSP(高分子希薄溶液の比粘度)から次式により求められる。
【0035】
ηSP/C=〔η〕(1+K′ηSP)
〔η〕=K(Mv)α
C:ポリマー濃度(g/l)、K′=0.28、K=1.23×10-3
α=0.83、〔η〕:極限粘度、Mv:粘度平均分子量
〈感光層〉
上記発明1及び2の感光体の感光層中に含有されるCTM及びキャリア発生物質(CGM)としては以下のものが好ましく用いられる。
【0036】
《CTM》
上記感光層中に含有されるCTMとしては、例えば、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのCTMは単独でも、2種以上混合して用いてもよい。
【0037】
《CGM》
上記CGMとしては、例えばアゾ系染料、ペリレン系染料、インジゴ系染料、多環状キノン系染料、キナクリドン系染料、ビスベンゾイミダゾール系染料、インダンスロン系染料、スクエアリリウム系染料、金属フタロシアニン系顔料、無金属フタロシアニン系顔料、ピリリウム塩系染料、チアピリリウム塩系染料等が用いられる。
【0038】
また、本発明の感光体における感光層の非相溶層が好ましくはキャリア輸送層(CTL)であり、さらに好ましくは該CTLが複数の層から構成され、かつ該非相溶層が、該複数の層の中の最表面層であることがより好ましい。さらには、上記非相溶層中のバインダー樹脂1が粘度平均分子量40,000以上のポリカーボネートを主成分として含有することが好ましい。
【0039】
〔発明3(請求項)の感光体〕
本発明の感光体は、発明1及び発明2と同様に導電性支持体上に設けられた感光層中に、互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びCTMを含有する塗布液により形成された非相溶層を有する感光体であるが、該感光層中にCGMとしてチタニルフタロシアニンを含有することを特徴としており、特に好ましくは該チタニルフタロシアニンがCu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有する。更に又発明1及び発明2とは異なり非相溶層を構成するバインダー樹脂1(海)及びバインダー樹脂2(島)に用いられる樹脂の種類について限定されない。従って上記バインダー樹脂1(海)の樹脂としては、前記発明1及び2で挙げたバインダー樹脂から任意に選択して用いられ、バインダー樹脂2(島)の樹脂としては、上記バインダー樹脂1(海)と共に海−島構造のドメインを形成できる樹脂が選択して用いられる。
【0040】
〈感光層の層構成〉
図1は上記発明1、発明2及び発明3の感光体における感光層の層構成を示す図であり、図1(1)は導電性支持体1上にCGMを含有するキャリア発生層(CGL)2及び該CGL2上にCTMを含有するCTL3を設けた積層構成の感光層4を設けたものであり、図1(2)はこれに更にCGL2と導電性支持体1との間に中間層5を設けたものである。また、図1(3)は導電性支持体1上にCTMを含有するCTL3及び該CTL3上にCGMを含有するCGL2を設けた積層構成の感光層4を設け、該感光層4上に保護層8を設けたものであり、図1(4)はこれに更にCT3と導電性支持体1との間に中間層5を設けたものである。また、図1(5)は導電性支持体1上にCTM6及びCGM7を共に含有する単層構成の感光層4を設けたものであり、図1(6)はこれに更に該単層構成の感光層4と導電性支持体1との間に中間層5を設けたものである。また、図1(7)は導電性支持体1上にCGMを含有するCGL2及び該CGL2上にCTMを含有するCTL3を設けた積層構成の感光層4を設けたもので、かつ該CTL3が上側CTL3′及び下側CTL3″とから構成されている。上記図1(1)〜図1(7)の各感光体において、図1(1)及び図1(2)のCTL3、図1(3)及び図1(4)の保護層8、図1(5)及び図1(6)の感光層4、図1(7)の上側CTL3′が前記非相溶層からなっている場合が好ましい。
【0041】
なお、本発明の感光体においては、感光層4を図1(1)〜(4)及び(7)に示した積層構成としたときに優れた電子写真特性を有する感光体が得られ、後述するCGMを含有するCGL2は、導電性支持体1又はCTL3上に直接、或いは必要に応じて接着用若しくはブロッキング用の中間層5を介して、次の方法によって形成することができる。
【0042】
(1)真空蒸着法
(2)CGMを適当な溶剤に溶解した溶液を塗布する方法
(3)CGMをボールミル、サンドグラインダ等によって分散媒中で微細粒子状とし必要に応じて、バインダと混合分散して得られる分散液を塗布する方法。即ち具体的には、真空蒸着、スパッタリング、CVD等の気相推積法あるいはディッピング、スプレー、ブレード、ロール等の塗布方法を任意に用いることができる。このようにして形成されたCGL2の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜3μmであり、該CGL2は通常微粒子状のCGM1重量部をバインダー樹脂5重量部以下に分散して形成される。
【0043】
また、CTL3の厚さは、必要に応じて変更し得るが通常5〜30μmであることが好ましく、通常該CTL3の1重量部に対してバインダー樹脂0.1〜5重量部を混合相溶させて形成される。またCTL3をCTL3′及びCTL3″の2層構成としたとき特に耐摩耗性が強化され、感光体の多数回の繰り返し使用時に疲労劣化がなく高耐久性の感光体が得られる。
【0044】
なお、上記感光体の感光層4には前記CTM及びCGMの他に、必要により酸化防止剤、電子受容性物質、その他を含有せしめることができる。さらにまた、本発明に係わる前記非相溶層以外の層には必要により、前記バインダー樹脂1で記載した物と同様のバインダー樹脂を含有することができる。
【0045】
〈酸化防止剤〉
上記感光体の感光層には、オゾン劣化防止の目的で酸化防止剤を添加することができ、該酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等を挙げることができる。
【0046】
これらの具体的化合物としては、特開昭63−14154号、同63−18355号、同63−44662号、同63−50848号、同63−50849号、同63−58455号、同63−71856号、同63−71857号及び同63−146046号等の各号公報に記載されている。酸化防止剤の添加量はCTM100重量部に対し0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、特に好ましくは5〜25重量部である。
【0047】
〈電子受容性物質〉
上記感光体の感光層には感度の向上、残留電位の上昇及び反復使用時の疲労低減等を目的として、一種又は二種以上の公知の電子受容性物質を含有せしめることができる。
【0048】
上記電子受容性物質の添加量は、好ましくは重量比でCGM:電子受容性物質=100:(0.01〜200)、より好ましくは100:(0.1〜100)である。
【0049】
また、上記電子受容性物質はCTL3に添加してもよく、かかる層への電子受容性物質の添加量は好ましくは重量比でCTM:電子受容性物質=100:(0.01〜100)、より好ましくは100:(0.1〜50)である。
【0050】
上記電子受容性物質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、パラニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブルマニル、ジクロルジシアノパラベンゾキノン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデン[ジシアノメチレンマロノジニトリル]、ポリニトロ−9−フルオレニリデン−[ジシアノメチレンマロノジニトリル]、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和力の大きい化合物を挙げることができる。
【0051】
又、本発明に係わる感光体の感光層4又はCGL2中にはCGMの電荷発生機能を改善する目的で有機アミン類を添加することができ、特に2級アミンを添加するのが好ましい。
【0052】
これらの化合物は特開昭59−218447号、同62−8160号等の各号公報に記載されている。
【0053】
又、上記感光体の感光層4中には、その他、必要により感光層を保護する目的で紫外線吸収剤等を含有してもよく、また感色性補正の染料を含有してもよい。
【0054】
〈CGL2、CTL3用溶媒又は分散媒〉
上記CGL2の形成に使用される溶媒あるいは分散媒としては、ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロルプロパン、1,1,2−トリクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエタン、ジクロルメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。また、上記CTL3はCGL2の場合と同様の溶媒を用いて形成することができる。
【0055】
〈補助層〉
本発明の上記感光体では、更に必要に応じ、該感光体の保護層8や前記中間層5等の補助層を設けてもよい。
【0056】
また、上記保護層8中には加工性及び物性の改良(亀裂防止、柔軟性付与等)を目的として、必要により熱可塑性樹脂を50wt%未満含有せしめることができる。また、上記中間層5は導電支持体1と感光層4との接着層又はブロッキング層等として機能するもので、上記バインダー樹脂の外に、例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、N−アルコキシメチル化ナイロン、澱粉等が用いられる。
【0057】
〈感光層の加工方法〉
本発明の前記図1の層構成の感光層4を有する感光体には、電性支持体1上に中間層5、CGL2、CTL3、CTL3′、CTL3″又は保護層8等を有する積層型感光体及びCTMとCGMを共有する単層構成の感光層4を有する感光体があるが、これらの感光体は塗布加工方法により製造されるのが好ましく、更には円形量規制型塗布方法により製造されるのが好ましく、特に図1(7)のCTL3′、CTL3″を有する多層構成のCTLを有する場合に優れた加工性を有する点から好ましい。
【0058】
図2は、上記塗布方法に好ましく用いられる円形量規制型塗布装置の一例であり、10は矢印方向に搬送される円筒状の感光体であり、11は該感光体を囲むように配置された円形量規制型塗布器であり、12は塗布液供給口、13は塗布液分配室、14はスリット、15は塗布液流出口、16は塗布液スライド面、17は塗布ヘッド、18は唇状部である。図中塗布液供給口12に供給された塗布液は塗布液分配室13、スリット14及びは塗布液流出口15を経由して、塗布液スライド面16から流下して塗布ヘッド17に到達し、垂直上方に搬送される円筒状の感光体10に均一に塗布加工される。なお、図中19は液溜り部である。また本発明の感光体のように多層塗布が行われる場合は先の塗布層が半乾燥時に後の塗布層を重ねて塗布する方法が用いられる。上記円形量規制型塗布装置を用いた塗布方法は特に図1(7)の感光体の塗布加工に有利である。
【0059】
〔画像形成方法及びその装置〕
本発明の画像形成方法は、好ましくは図1(1)、(2)及び(7)の層構成のドラム状の感光体を用いて行われ、画像形成装置として好ましくは該感光体を装着した電子写真複写機により、帯電、像露光、現像、転写、定着、クリーニング及び除電光による帯電前の感光体表面の除電等を含む像形成プロセスを、長期に亘り繰り返して画像形成が行われる。
【0060】
図3は本発明の画像形成方法を説明する画像形成装置の一例であり、図中、20は導電性基体上に、少なくとも表面層に非相溶層を有し、CGMとしてY型チタニルフタロシアニン化合物を含有するか、又は好ましくは680〜780μmの波長領域に主たる感光波長域を有する顔料を含有する円筒状の感光体、21は帯電器、22は像露光、23は現像器、24はバイアス電源、25は送り出しローラー、26はタイミングローラー、27は転写器、28は分離器、29は熱ローラー定着器、30はクリーニング装置、31はクリーニングブレード、32は帯電前除電光である。
【0061】
図3において、感光体20は、その表面に帯電器21により一様な帯電が付与された後、像露光22により静電潜像が形成される。該静電潜像は例えば磁気ブラッシ現像器23により現像されてトナー像が形成され、該トナー像は送り出しローラー25により送り出され、タイミングローラー26により感光体と同期して搬送された転写紙P上に転写器27、分離器28の作用で転写、分離され、熱ローラー定着器29の作用で定着画像が得られる。
【0062】
上記本発明の画像形成方法及び画像形成装置のクリーニング装置に用いられるクリーニングブレードは、好ましくは弾性ゴムブレード、特に好ましくはウレタンゴムブレードであり、従来のブラッシクリーニング等に比して構造が簡単で、かつ高耐久性であり、しかもクリーニング効率が優れている等の利点を有する。
【0063】
なお、上記画像形成方法及び画像形成装置はアナログ複写機又はスキャナを備えたデジタル複写機、外部画像信号により画像形成を行うプリンター及び複写機とプリンターの両方の機能を兼ね備えたデジタル画像形成装置であってもよい。またモノクロ用でもカラー用でもよい。
【0064】
なお、上記画像形成方法及び画像形成装置において、ドット状のデジタル方式の画像を形成する画像形成装置では、好ましくは非接触で反転現像方式とするのが好ましく、特にはカラー画像を形成するとき、かぶりがなく色彩鮮明な画像が得られる。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれにより限定されるものではない。
【0066】
実施例1
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、長さ355mmのアルミニウム支持体を用い、該導電性支持体上に下記の下引き層(中間層)塗布液UCL−1を調製し、乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した。
【0067】
1.下引き層塗布液UCL−1
エルバックス4260(三井デュポンポリケミカル(株)社製) 14g
トルエン 300ml
シクロヘキサン 300ml
この下引き層上に、下記CGL塗布液CGL−1を分散調製し、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0068】
2.CGL塗布液CGL−1
τ型無金属フタロシアニン(CGM−1)(東洋インキ社(社)製)
6.2g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学(株)社製) 30g
2−ブタノン 300ml
上記塗布液をサンドミルを用いて2時間分散したもの。このCGL上に下記のCTL塗布液CTL−1を調製し、乾燥膜厚23μmになるように塗布した後、100℃、1時間乾燥して感光体1を得た。
【0069】
3.CTL塗布液CTL−1
CTM−1 420g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(三菱ガス化学(社)社製:Mv=30,000) 560g
Si原子含有樹脂(A) 33g
サノールLS2626(三共(株)社製) 21g
1,2−ジクロロエタン 2800ml
この感光体のDSCでのTgは64℃と76℃に観測された。
【0070】
実施例2
実施例1において、感光体の処方を以下のように変更した。
【0071】
前記支持体上に下記の下引き層塗布液UCL−2を調製し、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布した。
【0072】
1.下引き層塗布液UCL−2
チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬(株)社製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503 信越化学(株)社製) 17g
2−プロパノール 150ml
この下引き層上に、下記CGL塗布液CGL−2を分散調液し、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0073】
2.CGL塗布液CGL−2
チタニルフタロシアニン(CGM−2)(CGM−2のX線スペクトルを
図4に示す。) 10g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学(株)社製) 10g
酢酸−t−ブチル 1000ml
上記塗布液をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0074】
このCGL上に下記のCTL塗布液CTL−2を調製し、乾燥膜厚23μmになるように塗布した後、100℃、1時間乾燥して感光体2を得た。
【0075】
3.CTL塗布液CTL−2
CTM−2 420g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(三菱ガス化学(株)社製:Mv=30,000) 560g
Si原子含有樹脂(A) 33g
1,2−ジクロロエタン 2800ml
この感光体のDSCでのTgは66℃と76℃に観測された。
【0076】
実施例3
実施例2においてCGMとして図4に示すX線スペクトルを有する結晶型のチタニルフタロシアニン(CGM−2)に変えて図5に示すX線スペクトルを有する結晶型のチタニルフタロシアニン(CGM−3)を用いて得たCGL−3を設けた他は実施例2と同様にして感光体3を作製した。
【0077】
この感光体のDSCでのTgは66℃と76℃に観測された。
【0078】
実施例4
実施例2においてCGMとして図4に示すX線スペクトルを有する結晶型のチタニルフタロシアニン(CGM−2)に変えて図6に示すX線スペクトルを有する結晶型のチタニルフタロシアニン(CGM−4)を用いて得たCGL−4を設けたに他は実施例2と同様にして感光体4を作製した。
【0079】
この感光体のDSCでのTgは66℃と76℃に観測された。
【0080】
実施例5
実施例2においてCTL塗布液CTL−2のSi原子含有樹脂(A)からF原子を含有する樹脂(B)に変えて得たCTL−3を設けた他はた実施例2と同様にして感光体5作製した。
【0081】
この感光体のDSCでのTgは69℃と76℃に観測された。
【0082】
実施例6
実施例3においてCTL塗布液CTL−2のSi原子含有樹脂(A)からF原子を含有する樹脂(B)に変えて得たCTL−3を設けた他は実施例3と同様にして感光体6を作製した。
【0083】
この感光体のDSCでのTgは69℃と76℃に観測された。
【0084】
実施例7
実施例4においてCTL塗布液CTL−2のSi原子含有樹脂(A)からF原子を含有する樹脂(B)に変えて得たCTL−3を設けた他は実施例4と同様にして感光体7を作製した。
【0085】
この感光体のDSCでのTgは69℃と76℃に観測された。
【0086】
実施例8
実施例3において感光体の処方を以下のように変更した。
【0087】
前記支持体上に下記の下引き層塗布液UCL−2を調製し、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布した。
【0088】
1.下引き層塗布液UCL−2
チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬(株)社製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503 信越化学(株)社製) 17g
2−プロパノール 150ml
この下引き層上に、下記CGL塗布液CGL−3を分散調液し、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0089】
2.CGL塗布液CGL−3
チタニルフタロシアニン(CGM−3)(図5に示すX線スペクトルを
有する結晶型チタニルフタロシアニン) 10g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 10g
酢酸−t−ブチル 1000ml
上記塗布液をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0090】
得られたCGL上に下記の第一のCTL塗布液CTL−3を調製し、乾燥膜厚20μmになるように塗布した。
【0091】
3.第一のCTL塗布液CTL−3
CTM−3 420g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(三菱ガス化学(株)社製:Mv=30,000) 560g
1,2−ジクロロエタン 2800ml
この第一のCTL上に下記の第二のCTL塗布液CTL−4を調製し、図2のタイプの円形量規制型塗布方式により乾燥膜厚5μmになるように塗布した後、100℃、1時間乾燥して感光体8を得た。
【0092】
4.第二のCTL塗布液CTL−4
CTM−3 420g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(三菱ガス化学社製:Mv=30,000) 140g
Si原子含有樹脂(A) 14g
Irganox1010 21g
1,2−ジクロロエタン 2800ml
この感光体のDSCでのTgは66℃と76℃に観測された。
【0093】
実施例9
実施例8において第二のCTL塗布液CTL−4のSi原子を含有する樹脂(A)をF原子を含有する樹脂(B)に変えて得た第二のCTL塗布液CTL−5を用いた他は実施例8と同様にして感光体9を作製した。
【0094】
この感光体のDSCでのTgは69℃と76℃に観測された。
【0095】
実施例10
実施例8において第二のCTL塗布液CTL−4中のビスフェノールZ型ポリカーボネートの粘度平均分子量を30,000から80,000に変えて得た第二のCTL塗布液CTL−6を用いた他は実施例8と同様にして感光体10を作製した。
【0096】
この感光体のDSCでのTgは66℃と78℃に観測された。
【0097】
実施例11
実施例10において第二のCTL塗布液CTL−6のSi原子含有樹脂(A)からF原子を含有する樹脂(B)に変えて得た第二のCTL塗布液CTL−7を用いた他は実施例10と同様にして感光体11を作製した。
【0098】
この感光体のDSCでのTgは69℃と76℃に観測された。
【0099】
実施例12
実施例10において第二のCTL塗布液CTL−6のSi原子含有樹脂(A)から樹脂(C)に変えて得たCTL−8を設けた他は実施例10と同様にして感光体12を作製した。
【0100】
この感光体のDSCでのTgは60℃と76℃に観測された。
【0101】
比較例1
実施例1においてCTL中のSi原子含有樹脂(A)の代わりにビスフェノールA型ポリカーボネート(パンライトK−1300:帝人化成(株)社製)を用いた他は実施例1と同様にして感光体13を作製した。
【0102】
この感光体のDSCでのTgは70℃にのみ1ピークで観測された。
【0103】
比較例2
実施例1においてCTL中のSi原子含有樹脂(A)の代わりにポリスチレン(スタイロン666R:旭化成工業(株)社製)を用いた他は実施例1と同様にして感光体14を作製した。
【0104】
この感光体のDSCでのTgは59℃と76℃に観測された。
【0105】
〈評価1〉
このようにして得た感光体1〜14をコニカ社製複写機Konica U−BIX4045を半導体レーザー光源(680nm)で露光、反転現像を行うプロセスに改造して以下のような感光体特性評価を行った。
【0106】
上記複写機を改造して表面電位計を備え付けて帯電→露光→除電のプロセスを行い、未露光電位及び露光後の電位(それぞれVH、VL)を測定した。
【0107】
次にクリーニングユニットにはゴム硬度JIS A 65°、反発弾性40%、厚さ2mm、自由長9mmの弾性ゴムブレードを当接角20°で感光体の回転に対してカウンター方向に押圧力18g/cmで当接し、50,000コピーの実写試験を行い画像品質の評価を行った。50,000コピー終了後、感光体の膜厚減耗とハーフトーン画像による干渉縞の発生度合いを目視で「○」、「×」方式で下記評価基準で評価し、その結果を表1に示した。
【0108】
○:発生なし、△:軽微な干渉縞発生、×:干渉縞多発
【0109】
【表1】
Figure 0003684857
【0110】
実施例13、実施例14及び比較例3
感光体1(本発明用)、感光体12(本発明用)及び感光体14(比較用)を用いコニカ社製複写機Konica U−BIX4045を半導体レーザー光源(780nm)で露光、反転現像を行うプロセスに改造して以下のような感光体特性評価を行った。
【0111】
上記複写機を改造して表面電位計を備え付けて帯電→露光→除電のプロセスを行い、未露光電位及び露光後の電位(それぞれVH、VL)を測定した。
【0112】
次にクリーニングユニットにはゴム硬度JIS A 65°、反発弾性40%、厚さ2mm、自由長9mmの弾性ゴムブレードを当接角20°で感光体の回転に対してカウンター方向に押圧力18g/cmで当接し、50,000コピーの実写試験を行い画像品質の評価を行った。50,000コピー終了後、感光体の膜厚減耗とハーフトーン画像による干渉縞の発生度合いを目視で「○」、「×」方式で上記評価基準で評価し、その結果を表2に示した。
【0113】
【表2】
Figure 0003684857
【0114】
なお、上記実施例1〜14及び比較例1〜3に用いられたCTM−1、樹脂(A)、CTM−2、樹脂(B)、CTM−3及び樹脂(C)を下記に示す。
【0115】
【化9】
Figure 0003684857
【0116】
【化10】
Figure 0003684857
【0117】
表1及び表2より、実施例の感光体を用いて画像形成を行った場合は、いずれも、感光体の耐摩耗性が改良されて膜厚減耗量が少なく、帯電露光の繰り返しによる電位特性の劣化が少なく、かつレーザー光を照射して画像形成を行った時の干渉縞に基づくモアレの発生が防止されていて、高品質の画像が得られるが。比較例の感光体を用いて画像形成を行った場合は、上記膜厚減耗量、帯電露光の繰り返しによる電位特性の劣化、レーザー光を照射して画像形成を行った時の干渉縞に基づくモアレの発生等が悪く実用性に乏しいことが分かる。
【0118】
【発明の効果】
実施例により実証された如く本発明の感光体、該感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置によれば、感光体の耐摩耗性が改良されて膜厚減耗量が少なく、帯電露光の繰り返しによる電位特性の劣化が少なく、かつレーザー光を照射して画像形成を行った時の干渉縞に基づくモアレの発生が防止されていて高品質の画像が得られる等優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光層の層構成を示す図である。
【図2】塗布装置の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置の一例を示す図である。
【図4】CGM−2のX線スペクトルを示す図である。
【図5】CGM−3のX線スペクトルを示す図である。
【図6】CGM−4のX線スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 CGL
3,3′,3″ CTL
4 感光層
5 中間層
6 CTM
7 CGM
8 保護層
10,20 円筒状の感光体
11 円形量規制型塗布器
12 塗布液供給口
13 塗布液分配室
14 スリット
15 塗布液流出口
16 塗布液スライド面
17 塗布ヘッド
18 唇状部
19 液留り部
21 帯電器
22 像露光
23 現像器
24 バイアス電源
25 送り出しローラー
26 タイミングローラー
27 転写器
28 分離器
29 熱ローラー定着器
30 クリーニング装置
31 クリーニングブレード
32 帯電前除電光

Claims (9)

  1. 互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層を導電性支持体上に設けてなる電子写真感光体において、該非相溶状態にあるドメインを構成するバインダー樹脂の少なくとも1種以上が下記構造式1で表される繰り返し構造単位有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003684857
    (式中、R 1 、R 2 は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R 3 、R 4 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表し、X 1 はSi原子を含有する基を表し、nは20〜500を表す。)
  2. 互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層を導電性支持体上に設けてなる電子写真感光体において、該非相溶状態にあるドメインを構成するバインダー樹脂の少なくとも1種以上が下記構造式2で表される繰り返し構造単位を有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003684857
    (式中、R 5 、R 6 は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R 7 、R 8 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表し、X 2 はF原子を含有する基を表し、nは20〜500を表す。)
  3. 前記非相溶状態にあるドメインを含む層がキャリア輸送層であり、該キャリア輸送層が複数の層から構成され、かつ該非相溶状態にあるドメインを含む層が該複数の層のうちの最表面層であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記非相溶状態にあるドメインを含む層が粘度平均分子量40,000以上のポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 互いに異なる構造部分を含む2種以上のバインダー樹脂及びキャリア輸送物質を含有する塗布液により形成された非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層を導電性支持体上に設けてなる電子写真感光体において、該感光層がキャリア発生物質としてチタニルフタロシアニンを用いることを特徴とする電子写真感光体。
  6. 前記チタニルフタロシアニンがCu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有することを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記非相溶状態にあるドメインを含む層を有する感光層が円形量規制型塗布方法により形成されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記請求項1〜7の何れか1項に記載の電子写真感光体上に少なくとも帯電、像露光、現像、転写、分離及びクリーニングの各手段を有し、多数枚の画像を形成するための画像形成方法において、像露光の光源がレーザー光であり、現像手段が反転 現像方式であり、クリーニング手段がブレードクリーニング方式であることを特徴とする画像形成方法。
  9. 前記請求項1〜8の何れか1項に記載の電子写真感光体上に少なくとも帯電、像露光、現像、転写、分離及びクリーニングの各手段を有し、多数枚の画像を形成するための画像形成装置において、像露光光源がレーザー光であり、現像手段が反転現像方式であり、クリーニング手段がブレードクリーニング方式であることを特徴とする画像形成装置。
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