JP2008292882A - 電子写真感光体用基体及びその製造方法、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体用基体及びその製造方法、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体 Download PDF

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純一 山崎
Hiroyuki Goto
浩之 後藤
Osamu Ito
修 伊藤
Sakae Suzuki
栄 鈴木
Fumio Miyamoto
文夫 宮本
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Abstract

【課題】軟質なアルミニウム合金製の薄肉円筒体の表面を旋盤で切削加工して電子写真感光体用基体を製造する際に、その内径に変動が有っても、切削加工時の被加工物の把持による変形、及び切削加工時の把持力不足によるスリップが生じない良好な切削を可能とし、寸法精度が極めて高い電子写真感光体用基体及びその製造方法、並びに電子写真感光体の提供。
【解決手段】円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で該円筒体の外周面の切削加工を行う切削加工工程を少なくとも含み、前記円筒体が前記チャックの把持爪で把持され、該把持爪の開度が調整可能である電子写真感光体用基体の製造方法である。該チャックが、エアーバルーンチャック及びダイアフラムチャックのいずれかである態様、該円筒体の内径に応じて把持爪の開度を調整する態様などが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、肉厚が薄く変形を起こしやすいアルミニウム合金製円筒体の外周面を切削加工する電子写真感光体用基体の製造方法及び該方法により製造される電子写真感光体用基体、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真装置に使用されている。近年、電子写真装置の性能向上は著しく、1200dpi又はそれ以上の解像度を有し、フルカラー出力が可能な電子写真装置が市場に提供されている。
このような電子写真装置において使用される電子写真感光体には、従来よりも高い振れ精度、及び高い寸法精度が要求される。ここで、前記振れ精度とは、JIS B0021で定めた全振れ交差を意味する。
また、近年の電子写真装置におけるコスト競争から、電子写真感光体を低コストで提供する要請があり、その方法として電子写真感光体用基体の肉厚を薄肉化して材料コストを下げることが試みられており、肉厚1.5mm以下の電子写真感光体用基体が提供されるようになってきている。
前記電子写真感光体用基体の材料としては、コスト及び加工の容易性から、ほとんどの場合アルミニウム合金が使用されている。しかし、肉厚1.5mm以下のアルミニウム合金製管は軟質で変形しやすいので、精度良く切削加工を行うことは困難である。
例えば、アルミニウム合金製管は、一般に、アルミニウム合金製ビレットを、例えば非特許文献1等に示された方法で押出加工、抽伸加工等により管状に成形し、これを所定の寸法に切断し、必要に応じて端面加工を行った後、その表面を旋盤で切削加工して作製されている。本願明細書においては、このような切削加工する前の管を粗素管と称することがある。
現状では、抽伸加工により製造した粗素管は、その内径が必ずしも精度良く一定でないという問題がある。その原因について以下に説明する。
電子写真感光体用基体を製造する場合、始めに、アルミニウム合金製のビレットを600℃程度に誘導加熱等の方法で加熱し、それをマンドレル押出し法又はポートポール押出し法でアルミニウム合金製管とする。
次に、作製したアルミニウム合金製管を抽伸加工装置に取り付け、抽伸加工により更に引き伸ばし、これを所定の長さに切断して粗素管を作製する。
前記抽伸加工工程では、抽伸加工されるアルミニウム合金製管の内部にマンドレルを入れ、ダイスを通過させて引っ張るが、該マンドレルの外径により粗素管の内径が決まる。また、ダイスの開口径により粗素管の外形が決まる。
前記抽伸加工では、マンドレル及びダイスの材質は超鋼であるが、抽伸加工時にアルミニウムが高い圧力で通過するので、その表面が僅かずつであるが、磨耗する。このようなマンドレル又はダイスの磨耗が生じると、粗素管の内径及び外径の少なくともいずれかに変化が生じる。このような場合、マンドレル又はダイスを交換するが、製造コストとの兼ね合いから頻繁な交換はできず、作製した粗素管に外径変化及び内径変化があることは不可避である。
更に、電子写真感光体用基体の製造工程は、通常、アルミニウム合金製管の押出し加工、抽伸加工、切断加工、及び表面の切削加工を一連の流れで行う。
この製造工程において、加工数量は1つの加工ラインで1日当たり数千本になるが、抽伸加工では、抽伸加工装置のマンドレルの磨耗により、抽伸加工を行って得た粗素管の内径は抽伸加工数の増加に伴って僅かずつ減少することになる。即ち、抽伸加工を行って得た粗素管の内径は、抽伸加工装置のマンドレルが新しい時は大きく、マンドレルが磨耗するに従って小さくなる。
抽伸加工装置のマンドレルの磨耗は1日では極くわずかであり問題とはならないが、数日から数週間では磨耗量が大きく、磨耗は外径で0.03mm〜0.1mmになることがある。
このように切削加工では、抽伸加工装置のマンドレルが新しい時は粗素管の内径が大きく、抽伸加工数の増加に伴って粗素管の内径が徐々に小さくなるので、内径が一定でない粗素管を切削加工することになる。
したがって切削加工においては、内径が一定でない粗素管の両端内面をコレットチャックで安定に把持することが課題となる。以下に粗素管をコレットチャックで把持し、切削加工を行う際における問題について説明する。
例えば、特許文献1では、切削によって素管両端部に内径拡大部を設けて、コレットチャックのような保持部材を素管内部に挿入して保持部材の円周を拡大して素管を保持している。この方法では、内周両端の内径拡大加工を行い、この内径拡大部をコレットチャックで把持して切削加工を行っているので、上述した粗素管の内径変化が有っても、切削加工時の把持部位の寸法精度を高くすることが可能である。
しかし、前記特許文献1に記載の方法は、内径拡大加工のコストがかかるという問題がある。また、切削加工時には、コレットチャックで素管を把持しているが、長期間の切削加工の繰り返しによりコレットチャックの把持部に磨耗が生じ、把持状態が変化して、コレットチャックが粗素管を把持する力が弱くなり、切削加工時に切削不良が発生するおそれがある。
また、特許文献2では、基体の再生加工法であるが、有機感光体(OPC)の塗布膜外径を加工基準として塑性加工のままの内径に振れ取りのためのインロー加工を施して外径振れ精度を良くし、そのインロー加工を高精度のチャックにて握持して外径加工を行い、除去困難な熱硬化性樹脂である下引き層の除去と最小限の旋削代による外径加工を同時に行い、有機感光体用基体の再利用を可能としている。
しかし、この提案では、インロー加工のコストがかかるという問題がある。また、切削加工時に、両端のインロー加工部を、内周を把持するコレットチャックで把持しているが、長期間のコレットチャックの使用により該コレットチャックの把持部に磨耗が生じ、把持状態が変化して、該コレットチャックが粗素管を把持する力が弱くなり、切削加工時に切削不良が発生することがある。
また、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、及び特許文献7では、支持体の外側又は内側をコレットチャックで把持し、支持体又は刃物を回転して切削加工する方法が提案されている。これらの提案によれば、コレットチャックの把持部がインロー加工で形成した部分であれば寸法精度は高いが、インロー加工に手間のかかるという問題がある。また、長期間のコレットチャックの使用によりそのコレットチャックの把持部に磨耗が生じ、把持状態が変化した結果、コレットチャックが粗素管を把持する力が弱くなり、切削加工時に切削不良が発生することがある。
また、特許文献8では、両端面に隣接する部分を切削加工によりテーパー状に仕上げた上で、該テーパー部をテーパー状のクランプ面を持つ保持手段で軸方向に押圧することによって両端を押え、前記円筒部材を保持し、外周面をバイトによって切削加工し、所定の表面粗さの円筒面に仕上げる方法が提案されている。この方法によれば、円筒部材のテーパー部のみを高精度で加工すれば済むため、円筒部材の製作費も安価である。また、円筒部材保持手段のメンテナンスのコストと円筒部材の製作費を削減して円筒部材の製造コストを大幅に低減でき、コレットチャックのように円筒部材を径方向の押圧力によって保持する機構の円筒部材保持手段のように組み付け誤差等を厳密に管理する必要もないため、切削装置の設備費を大幅に削減できるという利点がある。
しかし、前記特許文献8の方法では、被加工物の材質が軟質のアルミニウム合金で、その肉厚が1.5mm以下の場合、粗素管の端面をテーパー加工し、切削時にテーパー状のクランプ面でこれを保持すると、被加工物の端面が変形し、甚だしい場合には、端面が変形してしまうという問題がある。
したがって内径に変化がある粗素管であっても、旋盤での切削加工時のチャックの把持爪による把持状態を一定にすることにより、粗素管の把持部におけるチャックの把持爪による変形、又は把持力不足による切削時の被加工物のスリップ、及び、被加工物のスリップによる傷付きが生じることがない電子写真感光体用基体の製造方法及びその関連技術の速やかな提供が望まれているのが現状である。
特許第2810999号公報 特開2001−92157号公報 特許第3583272号公報 特許第2905672号公報 特開2003−75362号公報 特開2003−15325号公報 特開2004−70242号公報 特開平9−66401号公報 特許庁作成 技術分野別特許マップ 機械16 「引抜・押出による金属成形」
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、第1に、少なくとも、押出し加工、抽伸加工を連続的に行って作製したため、内径に変化がある粗素管であっても、旋盤での切削加工時のチャックの把持爪による把持状態を一定にすることにより、粗素管の把持部におけるチャックの把持爪による変形、又は把持力不足による切削時の被加工物のスリップ、及び、被加工物のスリップによる傷付きが生じることがなく、また、粗素管を抽伸法で作製したとき、その内径は抽伸回数によって僅かずつ増加するが、そのような粗素管であっても、旋盤での切削加工時のチャックの把持爪による把持状態を一定にすることができる電子写真感光体用基体の製造方法及び該方法により製造される電子写真感光体用基体、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体を提供することを目的とする。
また、本発明は、第2に、少なくとも、押出し加工、抽伸加工を連続的に行って作製したため、内径に変化がある粗素管であっても、インロー加工を行うこと無く、チャックの把持爪による把持を可能にして、高精度な切削加工を行うことができる電子写真感光体用基体の製造方法及び該方法により製造される電子写真感光体用基体、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体を提供することを目的とする。
また、本発明は、第3に、旋盤を使用した切削加工において、粗素管の両端を把持するチャックの把持爪の繰り返し使用によりチャックの把持爪の磨耗が有っても、チャックの把持爪による一定の把持状態を可能とし、把持力不足による切削時の被加工物のスリップが生じることが無く、また、被加工物のスリップによる傷付きが生じない電子写真感光体用基体の製造方法及び該方法により製造される電子写真感光体用基体、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体を提供することを目的とする。
また、本発明は、第4に、粗素管の材質が軟質のアルミニウム合金であり、その厚みが1.5mm以下であっても、旋盤での切削加工時のチャックの把持爪による把持力が適切であり、粗素管の把持部におけるチャックの把持爪による変形、あるいは把持力不足による切削時の被加工物のスリップ、及び被加工物のスリップによる傷付きが生じない電子写真感光体用基体の製造方法及び該方法により製造される電子写真感光体用基体、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で該円筒体の外周面の切削加工を行う切削加工工程を少なくとも含む電子写真感光体用基体の製造方法であって、
前記円筒体が前記チャックの把持爪で把持され、該把持爪の開度が調整可能であることを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方法である。
該<1>に記載の電子写真感光体用基体の製造方法においては、円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で外周面の切削加工を行う際に、チャックが円筒体を把持するときの把持爪の開度が、外部から調整可能になっているので、被加工物の内径が変化するものであっても、それぞれに対して最適な状態での把持が可能になり、高精度で高品質な切削加工が可能になる。
<2> チャックが、エアーバルーンチャック及びダイアフラムチャックのいずれかである前記<1>に記載の電子写真感光体用基体の製造方法である。
該<2>に記載の電子写真感光体用基体の製造方法においては、チャックとしてエアーバルーンチャック又はダイアフラムチャックを用いているので、チャックの把持爪の開度がチャックへ供給する加圧気体の圧力で調整可能であり、容易に外部から把持爪の開度を調整することが可能になる。
<3> 円筒体の内径に応じて把持爪の開度を調整する前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法である。
該<3>に記載の電子写真感光体用基体の製造方法においては、被加工物である円筒体の内径に応じてチャックの把持爪の開度を調整するので、円筒体の内径が変化するものであっても、それぞれに対して最適な状態での把持が可能になり、高精度で高品質な切削が可能になる。
<4> 旋盤による円筒体の切削本数を計数しておき、該切削本数の増加に応じて、把持爪の開度を大きくする前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法である。
該<4>に記載の電子写真感光体用基体の製造方法においては、旋盤の切削本数を計数し、切削本数の増加に応じて、チャックの把持爪の開度を大きくするので、チャックの把持爪の磨耗があっても、磨耗量を補正した被加工物の把持が可能になり、高精度で高品質な切削が可能になる。
<5> 円筒体の材質がアルミニウム合金であり、切削加工前の円筒体の肉厚が1.5mm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法である。
該<5>に記載の電子写真感光体用基体の製造方法においては、材質が軟質はアルミニウム合金であり、切削加工前の肉厚が1.5mm以下であっても、被加工物を変形させることなく、高精度で高品質な切削が可能になる。
<6> 円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で該円筒体の外周面の切削加工を行う切削加工手段を少なくとも有する電子写真感光体用基体の製造装置であって、
前記円筒体が前記チャックの把持爪で把持され、該把持爪の開度が調整可能であることを特徴とする電子写真感光体用基体の製造装置である。
該<6>に記載の電子写真感光体用基体の製造装置においては、円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で外周面の切削加工を行う際に、チャックが円筒体を把持するときの把持爪の開度が、外部から調整可能になっているので、被加工物の内径が変化するものであっても、それぞれに対して最適な状態での把持が可能になり、高精度で高品質な切削が可能になる。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法により製造されることを特徴とする電子写真感光体用基体である。
該<7>に記載の電子写真感光体用基体においては、前記電子写真感光体用基体の製造方法を用いているので、材質がアルミニウム合金であり、肉厚が1mm以下であっても、寸法精度が優れている。
<8> 前記<7>に記載の電子写真感光体用基体上に、少なくとも感光層を有することを特徴とする電子写真感光体である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、押出し加工、抽伸加工を連続的に行って作製したため、内径に変化がある粗素管であっても、旋盤での切削加工時のチャックの把持爪による把持状態を一定にすることにより、最適な状態での把持が可能であり、粗素管の把持部におけるチャックの把持爪による変形、又は把持力不足による切削時の被加工物のスリップ、及び被加工物のスリップによる傷付きが生じず、高精度で高品質な切削加工が行える電子写真感光体用基体及びその製造方法、電子写真感光体用基体の製造装置、並びに電子写真感光体を提供することができる。
(電子写真感光体用基体の製造方法及び電子写真感光体の製造装置、並びに電子写真感光体用基体)
本発明の電子写真感光体用基体の製造方法は、切削加工工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の電子写真感光体用基体の製造装置は、切削加工手段を少なくとも有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の電子写真感光体用基体は、本発明の電子写真感光体用基体の製造方法により製造される。
以下、本発明の電子写真感光体用基体の製造方法及び電子写真感光体用基体の製造装置の説明を通じて、本発明の電子写真感光体用基体の詳細についても明らかにする。
<切削加工工程及び切削加工手段>
前記切削加工工程は、円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックの把持爪で把持し、旋盤で該円筒体の外周面の切削加工を行う工程である。
−旋盤−
前記旋盤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば図1は、本発明の電子写真感光体用基体の製造方法を実施するのに好適な旋盤の構成図である。
この図1の旋盤において、1は被加工物である粗素管、2は主軸を駆動するモーター、3は主軸側のバルーンチャック、4は主軸と反対側のバルーンチャックである。5は刃物台であり、該刃物台5には切削工具(不図示)が取り付けられている。
6は刃物台5を被加工物である粗素管に沿って移動させる移動機構、7は芯押し台、8は芯押し台を移動させる移動機構、9は旋盤のベースである。
11aは主軸側のバルーンチャック3への加圧気体供給配管、12aは圧力計、13aは電磁弁、14は加圧気体供給源である。
11bは主軸と反対側のバルーンチャック4への加圧気体供給配管、12bは圧力計、13bは電磁弁、14は加圧気体供給源である。
なお、図1では主軸を駆動するモーターが一つの場合を示しているが、被加工物の両端にモーターのある、いわゆる両軸旋盤でも構わない。
−チャック−
前記チャックとしては、被加工物としての円筒体を把持爪で把持し、該把持爪の開度が調整可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばエアーバルーンチャック、ダイアフラムチャックなどが挙げられる。
前記チャックの把持爪の数は、4〜40が好ましく、8〜32がより好ましい。
前記チャックの把持爪の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば一般の機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼、モリブデン鋼、クロム鋼、炭素工具鋼、高速度工具鋼等一般の鋼などが使用できる。
また、ダイアフラムの材質としては、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼、モリブデン鋼、クロム鋼、ステンレス鋼が適している。
前記チャックの把持爪の被加工物との接触面の面積は、被加工物の内径をAmmとした場合に、(13×A)mm以上、(65×A)mm以下が好ましい。また、チャックの把持爪の被加工物との接触面は、耐磨耗性加工を行っていることが好ましい。
本発明において、前記チャックにおける把持爪の開度が調整可能である。前記チャックがエアーバルーンチャックである場合、加圧気体供給コネクタから供給する加圧気体の圧力を調整することにより、ダイアフラムの膨らみ方を変えることができ、その結果、把持爪の開度を任意に調整することができる。前記把持爪の開度を調整することにより、チャックする被加工物である粗素管の内径が変化しても、チャックの把持爪の被加工物に対する把持力を一定にすることが可能になる。
前記円筒体の内径に応じて把持爪の開度を調整することが好ましく、例えば、被加工物である円筒体(粗素管)の内径が細い場合には、チャックの把持爪の開度は少なくてもよい。この場合、チャックへ供給する加圧気体の圧力を下げることにより可能となり、チャックの把持爪は過度に開かず、内径の細い粗素管を変形させずに把持することが可能になる。
一方、被加工物である円筒体(粗素管)の内径が太い場合には、チャックの把持爪の開度は大きなものが必要になる。この場合、チャックへ供給する加圧気体の圧力を上げることにより、チャックの把持爪の開度が大きくなり、把持力不足無く把持することが可能になる。
本発明を実施するに当たり、旋盤による粗素管の切削本数(旋盤加工の切削回数)を計数できることが好ましい。その単位は百単位でよく、百以下は切り捨て、あるいは切り上げても支障ない。
この場合、粗素管の内径を抜き取り検査で測定し、把握しておいてもよく、又は抽伸回数と粗素管の内径寸法の関係を把握しておき、抽伸回数から把持爪の開度を調整してもよい。これにより、把持爪が磨耗しても、常に同じ把持爪の開度に設定することが可能となり、同じ把持条件を得ることができる。
ここで、図2は、図1に示す旋盤の被加工物保持機構であるバルーンチャックを示した片側の部分断面図である。
1は被加工物である粗素管、20はダイアフラム、21は被加工物の内面を把持する把持爪、22は気室、23は加圧気体導入口、24は加圧気体供給コネクタである。
このような構造のチャックをダイアフラムチャック又はバルーンチャックと言う。
なお、図2は気室22に圧力をかけていない状態、即ち被加工物を把持していない状態を示す。
図2に示す構造のバルーンチャックにおいて、加圧気体供給コネクタ24から加圧気体を供給すると、気室22の圧力が高まり、ダイアフラム20が膨らむ。図3はこの状態を示した図であり、ダイアフラム20が膨らんだことにより、ダイアフラム20に取り付けられた把持爪21が開いて被加工物を内側から把持する。
このような構造のバルーンチャックでは、加圧気体供給コネクタ24から供給する加圧気体の圧力を調整することにより、ダイアフラム20の膨らみ方を変えることができ、結果的に把持爪の開度を任意に調整することが可能になる。
前記チャックに供給する加圧気体の圧力の調整範囲は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3Pa〜0.5Paが好ましい。
−円筒体−
前記円筒体の材質がアルミニウム合金であり、切削加工前の円筒体の肉厚は1.5mm以下が好ましく、1.0mm〜1.3mmがより好ましい。本発明の電子写真感光体用基体の製造方法によれば、粗素管の材質が軟質なアルミニウム合金であり、その肉厚が1.5mm以下であっても、常に最適な把持力で把持することが可能になる。
前記アルミニウム合金製円筒体(基体)としては、アルミニウム合金であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、JIS H4000に定める1000番系アルミニウム合金、JIS H4000に定める3000番系アルミニウム合金、JIS H4000に定める6000番系アルミニウム合金、などが使用可能であり、3000番系アルミニウム合金、6000番系アルミニウム合金が特に好適である。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、アルミニウム管の押出し加工、抽伸加工、切断工程などが挙げられる。
具体的には、始めに、アルミニウム合金製ビレットを600℃程度に誘導加熱等の方法で加熱し、それをマンドレル押出し法又はポートポール押出し法でアルミニウム合金製管とする。
次に、作製したアルミニウム合金製管を抽伸加工装置に取り付け、抽伸加工により更に引き伸ばし、これを所定の長さに切断して粗素管を作製する。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、本発明の前記電子写真感光体用基体上に、少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記電子写真感光体としては、第一の形態では、電子写真感光体用基体と、該基体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
また、前記電子写真感光体としては、第二の形態では、電子写真感光体用基体と、該基体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
−複層型感光層−
前記複層型感光層は、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系材料と有機系材料とのいずれかを用いることができる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、などが挙げられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスC.I.21180)、シーアイピグメントレッド41(C.I.21200)、シーアイシッドレッド52(C.I.45100)、シーアイベーシックレッド3(C.I.45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等のアゾ顔料;シーアイピグメントブルー16(C.I.74100)等のフタロシアニン系顔料;シーアイバットブラウン(C.I.73410)、シーアイバットダイ(C.I.730.50)等のインジゴ系顔料;アルゴールスカーレット5(バイエル社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料;スクエリック染料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、更に必要に応じて、電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
前記電荷発生層形成用塗工液に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電荷発生層の厚みは、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、高分子電荷輸送物質、などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
また、前記高分子電荷輸送物質としては、上記以外にも、例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂、などが挙げられる。前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、等に記載の化合物が挙げられる。
また、電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には、例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記電荷輸送層は、これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。前記電荷輸送層には、更に必要に応じて、前記電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
前記電荷輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5μm〜100μmが好ましく、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、5μm〜30μmがより好ましい。
−単層型感光層−
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、前記積層型感光層と同様の材料を用いることができる。
前記その他の成分としては、例えば可塑剤、微粒子、各種添加剤、などが挙げられる。
前記単層型感光層の厚みは、5μm〜100μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。前記厚みが、5μm未満であると、帯電性が低下することがあり、100μmを超えると感度の低下をもたらすことがある。
前記感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。該保護層は、少なくともバインダー樹脂、電荷輸送物質、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前バインダー樹脂、及び電荷輸送物質としては、上述した材料を用いることができる。
前記保護層には、更に必要に応じて接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えてもかまわない。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1μm〜15μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましい。
前記基体と前記感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
前記下引き層は、少なくとも樹脂、及び微粉末を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
前記微粉末としては、例えば酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
前記下引き層の厚みについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記感光体においては、必要に応じて前記基体上に、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために中間層を設けてもよい。該中間層は樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
前記樹脂としては、前記下引き層と同様のものを適宜選択して用いることができる。
本発明の電子写真感光体は、スリップによる傷付き及び変形がなく、高い寸法精度を有する本発明の前記電子写真感光体用基体を用いているので、高解像度化、フルカラー出力可能な電子写真装置に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、粗素管の抽伸加工本数増加に伴う内径変化に対して、本発明の製造方法が有効であるかどうかの確認を行った。
この実施例1で使用する粗素管としては、抽伸加工装置に使用するマンドレルを更新した後から1000±50本目のグループ、50000±50本目のグループ、及び120000±50本目のグループから各30本を用意した。これらの内径及び外径の結果を表1に示す。なお、切削する粗素管の長さは346mmであった。
次に、図2に示す把持爪の開度を調整可能なバルーンチャックを有する図1に示す旋盤に、表1に示す粗素管1〜3を取り付け、表2に示すようにバルーンチャックへ供給する加圧気体の圧力を変えて把持爪の開度を変えて、主軸回転数3,000rpmで外径が40.00mmになるように切削加工を行った。
切削加工後の各素管(電子写真感光体用基体)について、切削加工状態、及び切削結果を評価した。結果を表2に示す。
表2の結果から、実施例1−1〜実施例1−3のすべての切削加工において、切削加工時のスリップの発生は無かった。また、素管(電子写真感光体用基体)の変形も無かった。
(比較例1)
実施例1において、従来のコレットチャック(開度の規制ができない)を有する図1に示す旋盤に、表1に示す粗素管1〜3を取り付けた以外は、実施例1と同様にして、切削加工を行った。
切削加工後の各素管について、切削加工状態、及び切削結果を評価した。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の作製>
次に、切削加工後の実施例1及び比較例1の各素管(電子写真感光体用基体)を水系洗剤で洗浄し、以下に示す方法により電子写真感光体を作製した。
まず、下記組成の下引き層塗工液を調製し、各電子写真感光体用基体に浸漬塗工を行った後、120℃にて20分間乾燥して、厚み3.0μmの下引き層を形成した。
−下引き層塗工液の組成−
・アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
メチルエチルケトン・・・200質量部
次に、ビーズミリング分散により顔料の平均粒径が0.2μmになるように調製した下記組成の電荷発生層用塗工液を浸漬塗工装置に入れ、浸漬塗布した。続いて、80℃にて20分間乾燥し、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷発生層用塗工液の組成−
・下記構造式で表される電荷発生物質・・・15質量部
・ポリビニルブチラール・・・10質量部
・メチルエチルケトン・・・600質量部
次に、下記組成の電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗布し、130℃にて20分間乾燥して、厚み25μmの電荷輸送層を形成した。以上により、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3の各電子写真感光体を作製した。
−電荷輸送層塗工液の組成−
・Zタイプのポリカーボネート樹脂・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・8質量部
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
<画像形成及び評価>
作製した実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3の各電子写真感光体の両端にフランジを取り付け、これを電子写真装置(株式会社リコー製、imagio MP C3500)にセットして、ハーフトーン、及び7%文字パターンの画像出しを行った。結果を表4に示す。
(実施例2)
実施例2では、バルーンチャックの把持爪の磨耗変化に対し、本発明が有効であるかどうかの確認を比較例2と対比して評価した。
切削する粗素管としては、表1に示す粗素管2を使用した。
図2に示すバルーンチャックの把持爪の磨耗状態が異なるもの3種を用意し、図1に示す旋盤により、表5に示すようにバルーンチャックへ供給する加圧気体の圧力を変えて、主軸回転数3,000rpmで外径が40.00mmになるように切削加工を行った。
切削加工後の各素管(電子写真感光体用基体)について、切削加工状態、及び切削結果を評価した。結果を表5に示す。
表5の結果から、実施例2−1〜2−3は、すべての切削加工を正常に行うことができ、切削加工時のスリップの発生は無かった。また、素管(電子写真感光体用基体)の変形も無かった。
(比較例2)
実施例2において、従来のコレットチャック(開度の規制ができない)を有する図1に示す旋盤に、表1に示す粗素管2を取り付けた以外は、実施例1と同様にして、切削加工を行った。
切削加工後の各素管について、切削加工状態、及び切削結果を評価した。結果を表6に示す。
<電子写真感光体の作製>
次に、切削加工後の実施例2及び比較例2の各素管(電子写真感光体用基体)を水系洗剤で洗浄し、実施例1及び比較例1と同様にして、実施例2−1〜2−3及び比較例2−1〜2−3の各電子写真感光体を作製した。
<画像形成及び評価>
作製した実施例2−1〜2−3及び比較例2−1〜2−3の各電子写真感光体の両端にフランジを取り付け、これを電子写真装置(株式会社リコー製、imagio MP C3500)にセットして、ハーフトーン、及び7%文字パターンの画像出しを行った。結果を表7に示す。
本発明の電子写真感光体用基体の製造方法により製造された本発明の電子写真感光体用基体は、スリップによる傷付き及び変形がなく、高い寸法精度を有しており、電子写真感光体に好適に用いられる。
本発明の電子写真感光体は、本発明の前記電子写真感光体用基体を用いているので、画像欠陥の発生がなく、高解像度化、フルカラー出力可能な各種電子写真装置に好適に用いられる。
図1は、本発明の電子写真感光体用基体の製造方法に用いられる旋盤の構成図である。 図2は、図1の旋盤の被加工物保持機構を示した片側の部分断面図である 図3は、図2の動作を説明するための図である。
符号の説明
1 粗素管(円筒体)
2 主軸を駆動するモーター
3 主軸側のバルーンチャック
4 主軸と反対側のバルーンチャック
5 刃物台
6 刃物台を被加工物である粗素管に沿って移動する機構
7 芯押し台
8 芯押し台を移動する機構
9 旋盤のベース
11a 主軸側のバルーンチャックへの加圧気体供給配管
11b 主軸側のバルーンチャックへの加圧気体供給配管
12a 圧力計
12b 圧力計
13a 電磁弁
13b 電磁弁
14 加圧気体供給源
21 把持爪
22 気室
23 加圧気体導入口
24 加圧気体供給コネクタ

Claims (8)

  1. 円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で該円筒体の外周面の切削加工を行う切削加工工程を少なくとも含む電子写真感光体用基体の製造方法であって、
    前記円筒体が前記チャックの把持爪で把持され、該把持爪の開度が調整可能であることを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方法。
  2. チャックが、エアーバルーンチャック及びダイアフラムチャックのいずれかである請求項1に記載の電子写真感光体用基体の製造方法。
  3. 円筒体の内径に応じて把持爪の開度を調整する請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法。
  4. 旋盤による円筒体の切削本数を計数しておき、該切削本数の増加に応じて、把持爪の開度を大きくする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法。
  5. 円筒体の材質がアルミニウム合金であり、切削加工前の円筒体の肉厚が1.5mm以下である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法。
  6. 円筒体の両端内面の少なくとも一方をチャックで把持し、旋盤で前記円筒体の外周面の切削加工を行う切削加工手段を少なくとも有する電子写真感光体用基体の製造装置であって、
    前記円筒体が前記チャックの把持爪で把持され、該把持爪の開度が調整可能であることを特徴とする電子写真感光体用基体の製造装置。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の製造方法により製造されることを特徴とする電子写真感光体用基体。
  8. 請求項7に記載の電子写真感光体用基体上に、少なくとも感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
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