JP4667270B2 - 円筒状電子写真感光体用支持体の切削方法 - Google Patents

円筒状電子写真感光体用支持体の切削方法 Download PDF

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Description

本発明は、円筒状電子写真感光体用支持体の切削方法に関する。詳しくは、円筒体の外周面を切削する切削方法、外周面が切削された円筒体を支持体として有する電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置、所謂電子写真装置は、帯電手段及び露光手段により電子写真感光体の表面に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段により可視化するというプロセス(電子写真プロセス)を採用したものが一般的である。
上記電子写真プロセスにより高画質の画像を得るためには、電子写真感光体と現像部材(現像スリーブや現像ローラ)との距離が一定に保たれていることが必要であり、そのためには、電子写真感光体や現像部材が高精度でなければならない。
特に、カラー画像出力を行う電子写真装置では、各色の画像を重ね合わせる必要があり、色ズレ、色ムラ、モワレを防止するためには、より高精度な電子写真感光体や現像部材が求められる。更には、ハーフトーンの画像出力が多く、支持体上の欠陥に起因する画像不良に関しても厳しい。
電子写真感光体や現像部材は、一般的に、高精度の円筒状支持体の表面に、必要に応じて表面処理や塗膜形成を行って製造される。円筒状支持体には、一般的に、押出し加工や引抜き加工によって製造された管材を所定の長さに切断して得られる円筒体(素管)が用いられる。また、必要に応じて、円筒体(素管)端部を所定形状に処理する(端部加工)。その後、円筒体(被加工物:素管に端部加工を施したもの)を保持手段(チャック)により保持した状態で、円筒体(被加工物)外周面を所定精度・表面粗さに仕上げる(外周面加工)。
高精度円筒状支持体を得るための外周面加工としては、旋盤加工がよく用いられる。それは、端部加工後の円筒体(被加工物)を回転させながら、切削バイトを当接し、該円筒体(被加工物)の回転軸と平行に該切削バイトを移動させながら、該円筒体(被加工物)の外周面を切削加工する方式である。
図1を参照して、旋盤加工例を説明する。
押出し加工や引抜き加工などによって得られた円筒体(素管)両端面を所定の形状に整えた円筒体(被加工物)101を準備する。
円筒体101について、切削開始時に切削バイト109が当接する側102(以下、切削開始側)を保持手段103により、切削終了時に切削バイト109が当接する側104(以下、切削終了側)を保持手段105により保持する。
次に回転手段106により保持手段103を介して、円筒体101を回転させる。ガイドレール107上に設置された切削バイト固定台108上に切削バイト109を固定し、切削バイト109を円筒体101に当接させながら切削開始側102より切削終了側104に移動させ、円筒体101の外周面を切削加工する。保持手段103、105には、保持手段としてコレットチャック(開きヤトイ)を用いる方法(特許文献1、特許文献2を参照)が挙げられる。しかしながら、コレットチャックによる保持方法は、円筒体内側から爪を開いて円筒体101を保持するため、円筒体101の爪が当接している部分が局所的に外側に変形しやすい。この状態で外周面を真円に加工しても保持手段を外すと変形が戻り、保持された部分は真円状に加工されず、支持体の真円度が低下してしまい高精度の円筒状支持体を得ることが出来なかった。旋盤加工において高精度の円筒状支持体を得るためには円筒体(被加工物)を変形させない保持手段が必要である。変形の少ない保持手段の例として、円筒体(被加工物)両端内側の稜線を円錐状(テーパー状)保持手段で固定する方法(特許文献3参照)が知られている。円筒体(被加工物)両端内側の稜線を円錐状保持手段で固定する方法では、端部に面取りを施すだけで素管の真直度、偏肉に関わらず高精度なシリンダが得られるという利点がある。しかしながら、円筒体101切削終了側端部近傍104に段差キズ111が発生するという問題が生じていた。特に高画質カラー画像出力を行う電子写真装置では、この段差キズが原因となって画像上にスジ状のムラ等の画像欠陥が生じ、良好な画像が得られないという問題が起こる。
段差キズ111発生メカニズムを、図1、図2A、図2Bを参照して説明する。図1において円筒体101は、切削開始側102を保持手段103により、切削終了側104を保持手段105により保持させる。そのとき、保持手段105は加圧手段112により母線方向に圧力を受け、それによる摩擦力で円筒体101を保持している。旋盤加工により特に高精度の円筒状支持体を得ようとした場合、円筒体101を強く保持すると、保持力により円筒体101に変形が生じ、加工精度が高くても、加工後に保持手段を外すと円筒体101の変形が戻り、円筒状支持体の精度が低下してしまう。そのため、円筒体(被加工物)101の変形を避けるため、適切な圧力で円筒体を保持する必要が生じる。つまり、切削中に変形が少なく、且つ円筒体101と保持手段103が滑らないという条件を満たさなければならない。
一方、円筒体101が押出し加工や引抜き加工によって製造された円筒体であるときは、円筒体101の内径断面は完全な真円でなく、必ずゆがみが残留する。一方、円錐状保持手段103,105の断面は高精度の真円の連続で構成される。その場合、円筒体101を保持手段103,105によって保持したとき、図2Aで示すように、円筒体101の内径と保持手段103、105の外周の間に隙間201が出来る。この時点では円錐状保持手段の中心203と円筒体101の内径中心202はずれたまま保持される。円筒体101の内径中心202は、ずれた保持状態で切削バイト109により、切削開始側102から矢印110の方向へ切削される。切削バイト109が切削終了側端部近傍104に近づくと、切削バイト109の切削抵抗により円筒体101の外側から中心に向け力が加わる。円筒体101の外側からの力と、保持手段105が加圧手段112によって母線方向に受ける力により、図2Bに示すように円筒体101が保持手段105に隙間無く嵌るようになる。そうなることで、ずれていた保持手段の中心203と円筒体101の中心202が一致する。しかしこのとき、切削終了側104の円筒体101の中心202が保持手段の中心の方向に移動するため、円筒体(被加工物)101の切削面がずれて、段差キズが発生する。段差キズは切削終了側104近傍に生じ、そのキズの段差は0.1〜2.0μm、幅は0.1〜1.5mm程度となる。その段差が0.2μmより大きくなると画像欠陥が生じ、高画質電子写真感光体用支持体として適さなくなる。切削開始側102には、切削バイト109が接した直後に円筒体101が保持手段に隙間無く嵌るため、段差は生じない。保持手段103,105によって保持したときに、隙間が出来ないような強い力で円筒体101を母線方向に押さえて保持すると、円筒体101の端部に変形が発生し、良好な精度の電子写真感光体用支持体は得られない(特許文献3参照)。上記の問題を解決するための従来技術としては以下の例が挙げられる。
従来技術(1)として、円筒体101の端部の内径保持部を切削加工前に予め真円状に加工しておく方法(以下インロー加工)(特許文献4参照)が挙げられる。インロー加工を施した円筒体101においては、それが押出し加工や引抜き加工によって製造された円筒体(素管)であったとしても、その端部内径を真円に近づけることが可能である。よってインロー加工を行えば、保持するときに円筒体101と保持手段103、105の間の隙間201を小さくすることが可能であり、段差キズは発生しにくくなる。
また従来技術(2)として(特許文献5参照)、仕上げ切削を2回に分けて保持手段から外さずに粗切削、仕上げ切削とも円筒体全体を切削する方法も知られている。2回に分けて保持手段から外さずに粗切削、仕上げ切削をする目的は残留応力緩和、切削切粉巻き込みによるキズ低減、バイトの負荷低減である。
特開平2−110570号公報 特開2001−121327号公報 特開平9−066401号公報 特開平11−160901号公報 特開2004−70242号公報
しかしながら以下の理由により、従来技術(1)のインロー加工を行ったとしても完全に段差キズを無くすことは出来ない。
インロー加工を端部に施すためは、円筒体101を保持する必要が生じる。その際、円筒体101の端部を変形させないように弱い力、又は変形が及ばないように端部より離れた場所を保持する方法がある。しかし、弱い力によって、又は端部より離れた場所を保持すると、端部に十分な保持力が得られず、加工面にビビリが発生する等の問題が生じる。そのためインロー加工をする際に、円筒体101をある程度強く保持しなければならないが、強く保持すると円筒体101に変形が生じ、加工精度が高くても、保持手段を外すと変形が戻ってしまい、端部内径が真円状に加工されない。即ち現状では完全に変形無く円筒体101を保持してインロー加工を施す方法は無く、従って完全な真円状のインロー加工面を得ることが出来ない。よって、インロー加工面を保持しても完全に段差キズを無くすことは出来ない。またインロー加工を行うと、製造工程が増えコストアップにつながる。また浸漬塗布で感光層を形成する場合は、インロー加工面と非加工面の間の段差に塗料が入り込んで残留しやすく、フランジ接合時に障害となるという問題も生じる。
また従来技術(2)を用いても、円筒体全体を2回にわたり切削するため切削中の円筒体101温度変化が大きく外径が安定しない。更に切削タクトが長く生産性が低いという問題が発生する。また粗切削後円筒体を保持したまま蓄積した熱を放出させた後、仕上げ切削をおこなう方式もあるが、生産性が極端に低下するという問題が生じる。
本発明の目的は、切削バイトを有する旋盤を用いて円筒体の外周面を切削する切削方法において生じる上記課題を解決し、低コストで段差キズがなく、且つ外周面均一性の高い円筒体を提供することにある。
また、本発明の目的は、該低コストで段差キズがなく、且つ外周面均一性の高い円筒体を支持体として有し、スジ状の色ムラなどの発生が抑制された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
円筒体(被加工物)に円錐状クランプ面を当接する保持手段を有する旋盤装置により前記円筒体外周面に切削加工を施す工程を有する円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法において、(1)長Lmmの前記円筒体を保持手段により旋盤装置に固定する工程、(2)記円筒体の一端より、下記式1を満たす長さLmmに渡って外周面に切削加工を行う工程(L/4≧L≧1mm ・・・式1)、(3)(2)の工程の後、前記円筒体を保持手段より外すことなく他端部より切削加工を開始し、もう一方の端部に渡って前記円筒体外周全面に切削を施す工程、を含み、且つ前記の工程は1)、2)、3)の順で行なわれる方法により製造されることを特徴とする円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法を提供する。
本発明によれば、円錐状クランプ面を当接する保持手段を有する旋盤装置により、前記被切削物外周面に切削加工を施す工程を有する、円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法において生じる上記課題を解決する。そして低コストで段差キズがなく、且つ外周面均一性の高い円筒体を提供することが出来る。
また、本発明によれば、該段差キズがなく、且つ外周面均一性の高い円筒体を支持体として有し、スジ状の色ムラなどの発生が抑制された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが出来る。
更には本発明ではインロー加工を必要とせずに、コストが安く高精度の円筒状電子写真感光体用支持体が製造出来る。更にまた、円筒体(被加工物)外周全体を2回旋盤によって切削をする必要がないため、コストが安く、切削中の円筒体101の温度変化が小さく、外径が均一な電子写真感光体用支持体が得られる。更に本発明の電子写真感光体用支持体を用いた電子写真感光体は画像均一性が高く、段差キズによる画像欠陥がない。
本発明の切削方法を図3で説明する。図1と同様に円筒体(被加工物)101について、切削開始側102を保持手段103により、切削終了側104を保持手段105により保持する。保持手段105は加圧手段112により、母線方向に圧力を受けて、円筒体101を保持している。従来技術で説明した内容と同様に、押出し引抜き工程により製造された円筒体101と円錐状保持手段103、105の間に隙間201が出来ている。このときは、円錐状保持手段の中心203と円筒体101の内径の中心202は、ずれたまま保持されている。回転手段106により、保持手段103を介して円筒体101を回転させ、切削バイト109を円筒体101の切削終了側104に移動させ、円筒体101の外周面を切削終了側104端部からLmmの範囲に切削加工(以下予備切削という)を行う。円筒体101は切削抵抗による力を、外周側から中心方向へと受ける。更に保持手段105が加圧手段112から受ける力によって図2Bに示すように、円筒体101が保持手段105に隙間無く嵌る。よって、ずれていた保持手段の中心203と円筒体101の中心202が一致するようになる。このような保持状態を維持したままで、図4に示すように、バイト固定台108を切削開始側に移動させる。切削開始側102から切削終了側104へ向かって円筒体外周全面の切削(以下本切削という)を行うと、円筒体101の中心202は既に保持手段の中心201と一致しているために段差キズが発生しない。
本発明において、予備切削加工を行う長さLmmは、円筒体(被加工物)の全長Lmmに対して、下記式1を満たす長さである。そしてLmmに渡って外周面に切削加工が行われる。
/4≧L≧1mm・・・式1
即ち、予備切削は端部よりLmmの位置から、端部まで行われることが好ましい。それは、円筒体(被加工物)の保持部材で保持されている部分の外周面を含むことで、効果が高まる。図5に示すように、予備切削加工を行う長さは1mm以上で円筒体101全長の1/4以下が好ましい。特に好ましくは端部より10〜30mmであり、その範囲は効果的であり予備切削距離が短く発熱が少ない。予備切削加工を行う長さLmmが長いと予備切削加工による発熱が大きく、円筒体(被加工物)に熱が蓄積したまま本切削を行うことになる。よって、本切削中の円筒体101の切削開始側102と切削終了側104の温度差が大きくなる。すると円筒体の回転軸と完全に平行にバイト先端を移動させて切削を行ったとしても、円筒体が冷却して室温に戻ると高温部(切削終了側)の収縮が大きくなり、切削開始側の外径と切削終了側の外径の差も大きくなる。また、予備切削長Lは1mm以上で効果がある。というのも、長さLmmが1mm以下では予備切削加工のときに、円筒体101の外側からの切削による力が小さく、円筒体101が保持手段105に隙間無く嵌るのに十分ではなく、段差キズを無くす効果が弱いからである。
本発明において加工前の前記円筒体(被加工物)の外径がDmm、予備切削加工部の予備切削後の外径がDmm、本切削後の中心部の外径がDmmとなるとき、下記の式2を満たすことが好ましい(図5参照)。
−0.03≧D>D・・・式2
即ち予備切削の取代が小さいと予備切削の効果が十分ではなく、0.03mm以上であることが好ましい。0.03mm未満では予備切削加工のときに、円筒体101の外周から中心方向へ向けた切削抵抗による力が小さく、円筒体101が保持手段105に隙間無く嵌るのに十分ではない。従って、段差キズを無くす効果が弱く、キズが残る可能性がある。
また、予備切削加工後の外径Dは外周全面切削後の外径Dmmより大きい必要がある。というのも、予備切削加工後の外径Dが外周全面切削後の外径Dmmより小さいと、予備切削の切削部分が本切削で取りきれずに、切削終了側端部近傍に予備切削部が残留するからである。
本発明の切削方法に用いる円筒体(被加工物)101は、図7に示すように予め円筒体(素管)の外周部の外径を削り、外径Dの粗切削加工部分701が設けられる。粗切削加工部分701を設ける目的を説明する。旋盤加工においては切削加工において円筒体から切削された部材(切粉)を排出するために、切粉排出手段を必要とする。切粉排出手段としては切削バイト近傍に排出管(エアダクト)を設置し、吸引装置に接続して、切削中に切粉を連続して吸引排出する方法が用いられる。この方法によって、切削時の切粉の巻き込みが少なく良好な外周面の支持体が得られる。しかしながらそれは、厚い切粉が排出されると排出管内に詰まりが生じ、不良の原因となるという欠点を有する。切削前及び切削後の外径差(切削代)が大きいと厚い切粉が排出される。また厚い切粉が排出されると、切粉が切削された面に接触したり、切削部に巻き込まれ、キズが発生する。上記のような厚い切粉により発生する問題を防止するために、切削代を小さくして薄い切粉が排出されるようにすることを目的としている。
上記の粗切削は、本発明の予備切削では、粗切削加工後に円筒体をいったん保持手段より外すので、従来技術(2)(特許文献5参照)とは区別される。粗切削加工後、予備切削加工まで時間を十分とり、円筒体に蓄積した熱を放出して円筒体温度を室温になじませてから予備切削及び本切削を行う。粗切削加工は両端加工の工程と一連で行うことが好ましい。即ち、粗切削は本切削より精度を必要としないため、両端加工機で充分加工可能である。更に旋盤で2回外周全面に加工を行うと加工時間が2倍となるが、両端加工は所要時間が短い。また、両端加工機により粗切削加工を行えば、旋盤で2回外周全面をするよりも生産性を落さずに粗切削加工が可能である。
円筒体全面に均一に粗切削加工を行った後、本発明の予備切削及び本切削を行ってもよい。更に、粗切削加工において、本発明の予備切削の効果を高めるために、予備切削部分301に図7のように粗切削加工をせず、残す部分702を設けることが好ましい。粗切削加工をせず残す部分702を設ける粗切削方法は、予備切削における切削代を大きくすることが出来、円筒体101が予備切削のとき外周より中心に向けて受ける切削抵抗を大きくして予備切削の効果を高める効果がある。また、粗切削加工をせず残す部分702を設けることにより、本切削後の外径Dmmと粗切削加工部分701の外径Dが小さい場合でも予備切削の効果を高めることが出来る。
このとき、D、D、Dは下記の式4を満たす必要がある(図7参照)。
>D>D・・・式4
粗切削加工後の外径D4は本切削後の外径Dmmより大きい必要がある。粗切削加工後の外径D4は、本切削後の外径Dmmとの差が小さいと本切削後に粗切削加工部が残り、円筒状支持体外周面に欠陥が発生する可能性がある。粗切削加工後の外径Dと予備切削部切削後の外径Dはどちらが大きくてもかまわないが、同一外径にすると本切削のときに、切削抵抗が一定になり切削面の均一性が高まるので好ましい。
又は粗切削のときに予備切削部分を、粗切削加工をせずに残すのではなく、予備切削部分にも粗切削は行うけれども、粗切削後の外径を太くする例も挙げられる。粗切削のときに予備切削部分として残す部分の外径をDとしたとき、D、D、Dは下記の式5を満たすことが好ましい(図7参照)。
−0.03≧D>D・・・式5
粗切削のときに予備切削部分として残す部分の外径Dは、通常の粗切削加工部分の粗切削加工後の外径D4より0.03mm以上大きいことが好ましい。
本発明の予備切削の効果を高めるために、粗切削加工をせず残す部分702の長さ、又は外径を通常の粗切削加工部分の外径より大きくする長さLは、下記条件の式を満たすことが好ましい。
≧L≧1mm・・・式3
予備切削後に粗切削されていない部分が残留するとその部分は粗切削の効果が作用しないので切粉詰まりや、切粉による切削キズが入りやすくなる。更にLとLは、同一又は10mm以内の差にすることが好ましい。
粗切削加工後に予備切削及び本切削を行う切削方法は、切粉排出手段であるエアダクトの詰りを防止する。従って安定生産が可能であり、また切粉によるキズを防止することが出来ると同時に、本発明の予備切削の効果を高めて段差キズがなく高精度で欠陥のない電子写真感光体用支持体を得ることが出来る。更に粗切削加工を両端加工の工程と一連で行うことで、生産性の低下が少なくなる。
本発明に用いる切削バイトは超鋼等の金属、セラミック、ダイヤモンド(焼結ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンド)等の材料で構成される。切削バイト先端形状は角(剣バイト)円弧状(Rバイト)、直線状(平バイト)、平と角の組み合わせ(ミラクルバイト)が使用可能である。更に切削切粉巻き込みによるキズの低減、及びバイトによる負荷の低減を目的として、粗バイト、仕上げバイトの2本を所定の間隔でバイト台に固定し、粗バイトが先行し、その後に粗バイトを仕上げバイトが追うという1走査、2バイトで切削を行う方法もある。
本発明の旋盤装置においては、両側の保持手段に回転手段を有する、所謂両軸駆動の旋盤を用いることで、円筒体(被加工物)を変形させること無く低い圧力で保持し、且つ充分に回転力を伝達して円筒体(被加工物)を回転及び切削することが可能である。それはより高精度円筒体を得るのに適している。
本発明の円筒体の材料には、電子写真用部材の支持体として用いる場合、導電性を有するものであればよい。例えば、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタンなどの金属及びこれらの合金、また、プラスチック、セラミック、ガラスなどに導電性処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、アルミニウム又は3000(Al−Mn)系、5000(Al−Mg)系あるいは6000(Al−Mg−Si)系のアルミニウム合金が特に好ましい。
円筒体の元になる管材の製造方法としては、例えば、深絞り加工によってカップ状に加工し、次にそのカップの壁をしごき加工によって伸ばし、底付きの管材を製造する方法(DI法)がある。また、衝撃押し出し加工によってカップ状に加工し、次にそのカップの壁をしごき加工によって伸ばし、底付きの管材を製造する方法(II法)もある。更には、押出し加工によって得られた管材をしごき加工によって伸ばし、薄肉の管材を製造する方法(EI法)もある。また更には、マンドレル方式又はポートホール方式等の押出し加工された中空パイプを、更に1段又は1段以上の引抜き加工により、薄肉の管材を製造する方法(ED法)なども挙げられる。このようにして製造した管材を所定の長さに切断して円筒体(素管)とする。
円筒体(素管)には旋盤加工を行う際に保持手段で保持するため、また端部にフランジを接合するため、また全長を整えるために、円筒体両端部に所定の精度(直角度、平行度)の端面加工がなされる。
本発明の切削方法により、外周面が切削された円筒体を電子写真感光体の支持体として用いる場合、支持体上に設ける感光層は、無機光導電性物質を用いた無機感光層であっても、有機光導電性物質を用いた有機感光層であってもよい。また、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層であってもよい。また、支持体と感光層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止、支持体の傷の被覆を目的とした導電層や、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。
保護層としては電子線、紫外線、熱で硬化する樹脂、更には樹脂中に潤滑材を分散したものが挙げられる
以上説明したように、本発明の切削方法によれば、電子写真部材用の支持体として好適に用いられる円筒体を得ることが出来る。本発明の切削方法によって外周面が切削された円筒体は、段差キズが無く、外周面の均一性が良好である。本発明の切削方法によって外周面が切削された円筒体を、電子写真感光体や現像部材(現像スリーブや現像ローラ)の支持体として用いることが出来る。それらを電子写真装置に装着した場合には、画像欠陥がない、高画質な画像を出力することが出来る。特に、カラー画像出力用の電子写真装置に、本発明の切削方法によって外周面が切削された円筒体を支持体として用いた電子写真感光体や現像部材を装着すれば、高品質の画像を得ることが出来る。
なお、本発明の切削方法によって外周面が切削された円筒体は、電子写真感光体や現像部材の支持体としてだけでなく、その他の電子写真用部材、例えば帯電ローラ、送りローラ、定着ローラなどにも好適に用いることが出来る。
図9に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図9において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラなど)により、正又は負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光4(画像露光光)を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像部材(現像スリーブや現像ローラなど)を有する現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段6(転写ローラなど)からの転写バイアスによって形成される。そして、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材P(紙など)に、順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて、像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7(クリーニングブレードなど)によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。更に前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図9に示すように、帯電手段3が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成することが出来る。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図9では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、実施例中の幾何偏差の定義はJIS−B0021、JIS−B0621による。
(実施例1)
押出し加工、引抜き加工により製造された中空パイプ(アルミニウム合金JIS−A3003)を切断して、外径D=60.3mm、内径56.6mm、長さ364mmの円筒体(素管)を得た。
次に両端加工機(エグロ(株)製 SD―500)により円筒体(素管)の内径部(端部より30mm位置)をコレットチャックにより保持した。次に両端部に切削加工を施して、全長L=360mm、端面直角度10μm以下に仕上げ、更に円筒体(素管)端部外側、内側とも全周に0.4Cの面取りを行った。
次に、両軸駆動の旋盤加工用の装置(商品名:RL−700、エグロ(株)製、図3に示されるような構成)によって上記円筒体(被加工物)101の外周面を切削加工した。室温は23℃で切削前の円筒体(被加工物)の温度も同じく23℃であった。なお、旋盤装置の装置構成は図3中、円筒体101、円筒体切削開始側102、保持手段103及び105、円筒体切削終了側104、回転手段106、ガイドレール107、切削バイト固定台108、切削バイト109、加圧手段112である。保持手段としては図3に示すような円錐形状(円錐の角度は保持手段の中心線に対して3°で円錐の中心と保持手段の回転中心は一致している)の保持手段を用いた。
予備切削工程としてまず始めに、円筒体(被加工物)101の切削開始側102を保持手段103で、切削終了側104を保持手段105で円筒体(被加工物)101の内径面取部に当接した。更に加圧手段112であるエアシリンダを用い8kgfの圧力をかけ保持手段105を介して円筒体(被加工物)101を母線方向に押して保持した。
回転手段106により保持手段103を介して円筒体101を4000rpmで回転させた。更にガイドレール107上のバイト固定台108に固定された切削バイト109を円筒体101の切削終了側104に移動させた。次に、円筒体101の外周面、予備切削部分301を端部よりL=15mm部分を切削バイト109により矢印302の方向に向かって端部まで切削した。予備切削後の外径 D=60.14(半径での切削取代0.08mm)となった。切削条件は円筒体(被加工物)1回転あたりの送りピッチは0.12mm/revとし、天然ダイヤモンド製ミラクルバイト(東京ダイヤモンド工具製作所製)を用いた(予備切削中の被加工物寸法は図5参照)。
次に本切削工程として、円筒体(被加工物)101を脱着せず保持したまま図4のように、切削開始側102から矢印401の方向に切削終了側104端部まで円筒体全体の本切削402を行った。切削条件は主軸回転速度4000rpm、円筒体(被加工物)1回転あたりの切削バイトの送りピッチは0.12mm/revとした。切削バイトは一つの切削バイト固定台108にR0.2の焼結ダイヤモンド製Rバイト(東京ダイヤモンド工具製作所製)と天然ダイヤモンド製ミラクルバイト(東京ダイヤモンド工具製作所製)を用いた。それらを10mmの間隔で固定し、Rバイトが先行しその後をミラクルバイトが追うような方法で切削した。切削深さは(半径での切削取代はRバイト0.05mm、ミラクルバイト0.05mm、合計0.10mm)とした(本切削中の被加工物寸法は図5参照)。
円筒体101の外周面601の外観を目視検査した結果、段差キズが見られなかった(切削終了の円筒体の寸法、形状は図6参照)。
更に連続で実施例1と同様の方法で10000本の切削を行ったが切粉詰まりで0.3%の円筒体(支持体)が不良となった。
このようにして外周面の切削を行った円筒体(支持体)は、中央部分での外径D3=59.940mm(レーザー測長機((株)シンコウ製)で45度回転させて4点測定した平均値)、長さ360.0mmであった。同様の方法で切削開始側端部から20mm部分と切削終了側端部から20mm部分の外径を測定した。更に切削開始側端部から20mm部分と切削終了側端部から20mm部分の外径の差を求め、結果を後述の表1に示した。
次に、旋盤加工を施した円筒体を界面活性剤(商品名:バンライズ20S、常盤化学(株)製)の10%水溶液に浸漬し、超音波をかけながら2分間脱脂洗浄した。更に、脱イオン水のシャワーによるリンス後、80℃の脱イオン水中に浸漬加温した後、30mm/sで引き上げて乾燥した(温水引き上げ法)。
乾燥後の円筒体を支持体とした。
次に、SnOコート処理硫酸バリウム(導電性粒子)9部、酸化チタン(抵抗調整用)5部、フェノール樹脂6部、及び、メタノール3部/メトキシプロパノール23部の混合溶剤を分散して、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、150℃で20分間熱硬化して、膜厚が11μmの導電層を形成した。
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)8部、及び、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)12部を用意した。それらをメタノール300部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解して、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を、導電層上に浸漬塗布し、100℃で10分間熱風乾燥して、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアゾ顔料(電荷発生物質)6部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)5部、及び、シクロヘキサノン70部を用意した。それらを、ガラスビーズを用いたサンドミル装置で8時間分散し、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して、膜厚が0.23μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物8部、
下記式で示される構造を有するアミン化合物4部、
及び、ビスフェノールZ型のポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部を用意した。それらをモノクロロベンゼン80部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、130℃で40分間乾燥して、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体は外径60.0mm、長さ360.0mmとなった。
次に、ポリカーボネート製の端部係合部材(商品名:ユーピロン、三菱ガス化学(株)製)を、作製した電子写真感光体の端部に装着した。これをシアノアクリレート系接着剤(商品名:アロンアルファ:東亞合成(株)製)で固定し、電子写真感光体ユニットとした。
このようにして作製した電子写真感光体ユニットを、4色タンデム式カラー複写機(製品名:カラーレーザーコピア5000、キヤノン(株)製改造機)に装着して、ハーフトーン画像を出力して評価を行った。結果を表1に示す。なお、ハーフトーン画像の評価方法は、有効線1本と白線2本分が交互に縦方向、横方向に連続走査した画像を出力し、画像ムラとしては画像濃度差ΔE≦2を基準とした。
(実施例2〜7)
実施例1において、円筒体(被加工物)101の予備切削後の外径D2、予備切削の長さL、本切削後の外径Dを表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例6では予備切削の切削代が少なく0.2μm以下の段差の段差キズが10%程度発生したが電子写真装置の出力画像で全て良品レベルであることが確認された。
(実施例8)
ポ−トホ−ル方式による押出し加工、引抜き加工により製造された中空パイプ(アルミニウム合金JIS−A5005)を切断して、外径D=84.3mm、内径78.0mm、長さ402mmの円筒体(素管)を得た。
次に、両端加工機(エグロ(株)製 SD−500)により円筒体101(素管)の内径部(端部より41mm位置)をコレットチャックにて保持し、両端部に切削加工を施して、全長L=400mm、端面直角度15μm以下に仕上げた。更に端部外側、内側とも0.4Cの面取りを行った。更に円筒体101(素管)外周部を一端部より長さL−L=380mmに渡って粗切削加工701(切削前に予め外周部を削っておく加工)を行い粗切削加工後の外径を84.15mm(半径での切削取代0.075mm)とした。円筒体(被加工物)は図7のように粗切削加工部分701が380mmまた粗切削加工をせず残す部分702をL=20mm設けた。
円筒体101(被加工物)を実施例1と同様の旋盤に粗切削加工をせず残した部分702ある方を切削終了端部側にして円筒体101(被加工物)を保持した。予備切削工程としてまず始めに切削終了側の粗切削加工をせず残した部分702、L=20mmを外径D=84.15になるように予備切削を行った。更に本切削工程としてより円筒体(被加工物)101を脱着せず保持したまま図8のように切削開始側102より切削終了側104端部まで円筒体全体の本切削402を行った。切削条件は主軸回転速度3000rpm、円筒体(被加工物)1回転あたりの切削バイトの送りピッチは0.10mm/revとした。切削バイトは実施例1同様とした。切削深さは、半径での切削取代はRバイト0.05mm、ミラクルバイト0.025mm、合計0.075mmとして(本切削中の被加工物寸法は図5参照)円筒体101の外観を目視検査した結果、段差キズが見られなかった。
円筒体101の外周面601の外観を目視検査した結果、段差キズが見られなかった(切削終了の円筒体の寸法、形状は図6参照)。
更に連続で実施例8と同様の方法で10000本切削をおこなったが切粉詰まりは1本も発生しなかった。
このようにして外周面の切削を行った円筒体(支持体)は、中央部分での外径D=84.000mm(レーザー測長機((株)シンコウ製)で45度づつ回転させて4点測定した平均値)であった。同様の方法で切削開始側端部から20mm部分と切削終了側端部から20mm部分の外径を測定し、更に切削開始側端部から20mm部分と切削終了側端部から20mm部分の外径の差を求め、結果を表1に示した。
更に実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電子写真感装置(図9の構成の試作機)にて評価した結果を表1に示す。
実施例13では0.2μm以下の段差の段差キズが5%程度発生したが電子写真装置の出力画像で良品レベルであることが確認された。
(実施例9〜14)
実施例8において、粗切削加工をせず残す部分702の長さL=Lとした、予備切削後の外径D2、予備切削の長さL、本切削後の外径Dを表1に示すようにした以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例13では0.2μm以下の段差の段差キズが5%程度発生したが電子写真装置の出力画像で良品レベルであることが確認された。
(実施例15)
実施例8において両端加工機による粗切削加工工程において実施例8では粗切削加工をせず残した部分702を更に外径D=84.20になるように粗切削を行った。更に実施例8同様に粗切削加工で外径の太い部分702を切削終了端部側にして円筒体101(被加工物)を旋盤に保持した。以下実施例8同様にして予備切削後、本切削をおこなった後、電子写真感光体を作製し、電子写真感装置(図9の構成の試作機)にて評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、予備切削を行わずに外周面全体を1回の切削で仕上げた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、円筒体(被加工物)の予備切削の長さLを表1に示すように円筒体(被加工物)の1/2に渡ってした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、円筒体(被加工物)の全域を予備切削した後、切削後の外径Dになるように仕上げ切削を行った以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。電子写真感装置にて評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例8において、予備切削を行わずに外周面全体を1回の切削で仕上げた以外は実施例8と同様にして電子写真感光体用支持体を作製した。更に実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例8と同様に電子写真感装置にて評価した結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例8において、円筒体(被加工物)の予備切削の長さL=Lを表1に示すように円筒体(被加工物)の1/2に渡ってした以外は、実施8と同様にして電子写真感光体支持体を作製した。更に実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例8と同様に電子写真感装置にて評価した結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例8において、円筒体(素管)の全域を予備切削した後、切削後の外径Dになるように仕上げ切削を行った以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。電子写真感装置にて評価した結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例1において、両端加工と一連で円筒体(素管)内面に切削代0.1mm 長さ20mmのインロー加工を行った円筒体(被加工物)を用い予備切削を行わずに比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した結果を表1に示す。
(比較例8)
実施例8において、両端加工と一連で円筒体(素管)内面に切削代0.1mm 長さ20mmのインロー加工を行った円筒体(被加工物)を用い予備切削を行わずに実施例8と同様にして電子写真感光体用支持体を作製した。更に実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例8と同様に電子写真感装置にて評価した結果を表1に示す。
段差キズ ◎:特に良好まったく発生しない。
○:段差キズはあるが0.1μm以下で出力画像で確認の結果良品レベル
△:段差キズはあるが0.2μm以下で出力画像で確認の結果良品レベル
×:ほとんど不良
比較例1、4では、切削中に段差キズが発生し、電子写真装置の出力画像には段差に相当する部分にスジ状の濃度ムラがあった。
比較例2,5円筒体の外径均一性が実施例より劣っていたため、それを支持体として用いた電子写真感光体の外径均一性も実施例より劣っており、電子写真装置の出力画像には濃度ムラがあった。出力画像には濃度ムラを基準内(画像濃度差ΔE≦2)にするためには円筒状支持体内での外径の最大と最小の差を0.020mm以内に押さえる必要がある。
比較例7,8では、比較例1、6より小さいが切削中に段差キズが発生し、電子写真装置の出力画像には段差に相当する部分にスジ状の濃度ムラがあった。
従来の旋盤加工、段差キズの例を説明する図である。 保持手段と円筒体101内周の嵌りの状態を説明する図である。Aは初期状態、Bは完全に嵌った状態である。 本発明の円筒体の切削方法(予備切削工程)を説明する図である。 本発明の円筒体の切削方法(本切削工程)を説明する図である。 本発明の実施例1〜7の円筒体(本切削途中)の寸法を説明する図である。 本発明円筒体切削完了後(電子写真感光体用支持体)の寸法を説明する図である。 本発明実施例8〜15円筒体(切削前被加工物)の寸法を説明する図である。 本発明実施例8〜15円筒体(本切削中被加工物)の寸法を説明する図である。 電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
101 円筒体
102 切削開始時に切削バイト109が当接する側
103 保持手段(切削開始側)
104 切削終了時に切削バイト109が当接する側
105 保持手段(切削終了側)
106 回転手段
107 ガイドレール
108 切削バイト固定台
109 切削バイト
110 切削バイト109の移動方向
111 段差キズ
112 加圧手段
201 隙間
202 円筒体101の中心
203 保持手段の中心
301 予備切削部分
302 予備切削における切削バイト109の移動方向
401 本切削における切削バイト109の移動方向
402 本切削における切削部分
601 切削後の外周面
701 粗切り部分
702 粗切り残し部分
円筒体(被加工物)全長
予備切削の長さ
粗切削で予備切削のために径を太くした部分又は粗切削せず残した部分の長さ
加工前の前記円筒体(素管)外径
予備切削部の予備切削後の外径
外周全面切削(本切削)後の外径(支持体の外径)
粗切削後の外径
粗切削で予備切削のために径を太くした部分の外径
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (4)

  1. 円筒体(被加工物)に円錐状クランプ面を当接する保持手段を有する旋盤装置により前記円筒体外周面に切削加工を施す工程を有する円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法において、
    1)全長Lmmの前記円筒体を保持手段により旋盤装置に固定する工程と、
    2)前記円筒体の一端から、下記式1を満たす長さLmmに渡って外周面に切削加工を行う工程と、
    /4≧L≧1mm・・・式1
    3)2)の工程の後、前記円筒体を保持手段より外すことなく他端部より切削加工を開始し、もう一方の端部に渡って前記円筒体外周全面に切削を施す工程と、
    を含み、且つ前記の工程は1)、2)、3)の順で行なわれる方法により製造されることを特徴とする円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法において、加工前の前記円筒体の外径がDmm、前記円筒体の請求項1に記載の工程2)における一端部からの長さLmm部分の切削後の外径がDmm、3)の工程の外周全面切削後の外径がDmmとなるとき、下記式2を満たすことを特徴とする円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法。
    −0.03≧D2>D・・・式2
  3. 請求項1に記載の円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法において、請求項1に記載の工程1)、2)、3)の工程を行う前に、前記円筒体外周部に前記円筒体の一端からの長さが下記式3を満たす長さLmmを残して、下記式4を満たす外径Dになるように粗切削を行う工程を有し、前記粗切削を行う工程後に円筒体を一旦保持手段より外した後、請求項1に記載の工程1)、2)、3)の切削を行うことを特徴とする円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法。
    ≧L≧1mm・・・式3
    >D>D・・・式4
  4. 請求項1に記載の円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法において、請求項1に記載の工程1)、2)、3)の工程を行う前に、円筒体外周部に前記円筒体の一端からの長さが前記式3を満たす長さLmmの部分を外径Dに、その他の部分は外径Dになるように粗切削を行う工程を有し、前記粗切削工程後に円筒体を一旦保持手段より外した後、請求項1に記載の工程1)、2)、3)の外周全面切削後の外径がDmmとなる切削を行い、D、D、Dの関係が下記式5を満たすことを特徴とする円筒状電子写真感光体用支持体の製造方法。
    −0.03≧D>D・・・式5
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IT201800010579A1 (it) * 2018-11-26 2020-05-26 General Preziosi S R L Macchina per la smussatura degli angoli di elementi tubolari per articoli di oreficeria, argenteria e bigiotteria e al suo metodo di smussatura

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