JPH08328376A - 画像形成装置用円筒部材およびその製造方法 - Google Patents

画像形成装置用円筒部材およびその製造方法

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JPH08328376A
JPH08328376A JP15854695A JP15854695A JPH08328376A JP H08328376 A JPH08328376 A JP H08328376A JP 15854695 A JP15854695 A JP 15854695A JP 15854695 A JP15854695 A JP 15854695A JP H08328376 A JPH08328376 A JP H08328376A
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cylindrical member
roughness
grinding
image forming
surface roughness
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JP15854695A
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Shigeto Tanaka
成人 田中
Toshie Kaneko
利衛 金子
Tomohiro Kimura
知裕 木村
Yusuke Yamada
祐介 山田
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Canon Inc
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  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の表面粗さ、振れ、真直度、真円度等を
高精度にしかも安価に製造することができる画像形成装
置用円筒部材およびその製造方法を実現する。 【構成】 円筒部材1を、両端部が表面粗さの小さい研
削を行なう砥石部2bからなり、中間部が表面粗さの大
きい研削を行なう砥石部2bからなる粗さ違い砥石2を
備えたセンタレス研削機により一工程で研削する。この
場合、所定の研削代でまず粗研削を行なって所定の研削
代だけ研削したのち、粗さ違い砥石2の切り込み速度を
落として仕上げ研削し、サンドブラスト処理を行なうこ
となく、両端部5bの周面の表面粗さが中間部5aの周
面の表面粗さよりも小さい画像形成装置用円筒部材5を
作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真方式の複写機、
レーザービームプリンタ、ファクシミリ、印刷機等の画
像形成装置における電子写真用の感光ドラムや現像スリ
ーブ等に用いられる画像形成装置用円筒部材およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ、印刷機等の画像形成装
置における電子写真用の感光ドラムや現像スリーブは、
表面が所定の表面粗さに仕上げられた円筒部材を基体と
するものである。電子写真用感光ドラムは、所定の表面
粗さに仕上げられた円筒部材の表面に感光膜を施すこと
によって製造されるが、円筒部材の表面精度あるいは寸
法精度が低いと感光膜に凹凸が生じ、このため画像形成
装置の画像に欠陥が発生する。また、レーザービームプ
リンタ等の装置ではレーザー光の干渉に依るモアレ現象
が発生してしまうため、基体の十点平均粗さをRz=
0.5〜0.8μmの範囲にしなければならず、しかも
表面精度はある程度以上良くなければ画像に画像欠陥と
して現われ悪影響を与える。従って精度の高い画像形成
装置を得るためには、所定の表面粗さに加工され、か
つ、真直度および真円度等にも高い精度を有する円筒部
材が必要である。
【0003】また、現像スリーブについても、電子写真
方式や静電記録方式等によって前記感光膜に形成された
潜像を顕像化するために、一成分または二成分現像剤、
磁性または非磁性現像剤、さらには絶縁性または誘電性
現像剤等の現像剤を担持して搬送するために、高い表面
精度、真直度および真円度等を有する円筒部材が必要で
ある。
【0004】現像スリーブは複写機やプリンター等の現
像器の中にあって現像剤を現像器の中から外の感光ドラ
ムへと搬送する役目をしている。このとき現像スリーブ
は、表面形状が滑らかであると表面積が小さく現像剤の
搬送性が悪くなり、充分に感光ドラムに現像剤を供給で
きなくなるため、ある程度(十点平均粗さRz=5〜2
0μm)の表面粗さが必要になる。
【0005】一方、現像スリーブの両端部10〜20m
m程は、感光ドラムとの距離を一定にするためにスペー
サーコロ(すき間調節部材)が当たっている。このスペ
ーサーコロの厚みは200〜300μm程度であり、十
点平均粗さRz=5〜10μm程度の精度を必要として
いる。そのために現像スリーブの端部の表面粗さが粗い
とその凹凸を拾ってしまい、感光ドラムとの距離を精度
良く出せなくなってしまう。そのために現像スリーブの
端部の表面粗さは、中央部(画像領域)よりも表面粗さ
を小さく(Rz=4μm以下)しなければならない。現
像スリーブの軸部についても同様に表面粗さは小さくし
なければならない。
【0006】感光ドラムの場合は中央部画像域の表面粗
さがあまり大きくないため、両端部との表面粗さの差が
少なく現像スリーブほどは顕著な効果は見られないが、
やはり中央部と両端部の表面粗さの差は必要なものであ
る。
【0007】さらに現像スリーブの場合、こうしてでき
た円筒部材に現像スリーブとしての機能を持たせるため
に円筒部材表面にサンドブラスト加工等を行なって表面
に凹凸を形成させて、現像剤(トナー)の搬送性を高め
たり、さらにその後、トナーの帯電付与性を向上させる
目的で、熱硬化性樹脂に導電性カーボンを分散した塗料
をスプレー塗布により凹凸を形成した表面に塗布し、約
150℃〜170℃の恒温槽に20〜30分間乾燥させ
て塗膜を硬化させる方法が知られている。
【0008】一般に係る円筒部材の材料には、純度9
9.5%以上のAlや、0.05〜0.20%のCuを
含むCu−Al合金や、0.05〜0.20%のCuと
1.0〜1.5%のMnを含むCu−Mn−Al合金、
あるいは0.20〜0.60%のSiと0.45〜0.
90%のMgを含むSi−Mg−Al合金等が用いら
れ、これら材料を押出、引抜工程を経て、ある程度の寸
法精度にする。しかし、このようなアルミ引抜素管のま
までは曲がりが大きく残っているため、通常はこの後ロ
ール矯正などを行ない所望の寸法精度(真直度、振れ)
にまで仕上げる。その後所定の長さに切断し、両端部の
バリ除去、端面精度の向上の目的で切削加工により端部
を仕上げる。
【0009】このようにしてできた円筒部材に、最終的
には円筒部材の両端部にフランジ部材を接着、圧入、そ
の他の方法により結合する。また、このときに使用する
現像剤(トナー)の種類により円筒部材内部にトナーを
磁力により搬送するためのマグネットローラーを挿入す
る場合もある。これはトナーが磁性トナーの場合に用い
られる。こうして両端部のフランジ部材を結合させた後
にはじめて現像スリーブユニットとして完成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法では次のような問題点があった。
【0011】その一つはサンドブラストによる円筒部材
の変形である。サンドブラスト加工(以後、「ブラス
ト」という。)は、ノズルから噴射される超高速の圧縮
気体流に砥粒(研磨材)をのせて円筒部材表面を激しく
叩きつけるため、円筒部材表面に非常に大きな衝撃力が
発生し、この衝撃力により円筒部材が全体的に大きく変
形してしまう。
【0012】従って、あらかじめブラストによる変形量
を見込んで、ブラスト前の円筒部材の振れ、真直度の精
度を厳しい規格値に設定する必要があり、そのため歩留
まりが悪いという問題点があった。
【0013】その他に、現像スリーブ用の円筒部材は、
その両端部近傍と中央部の表面粗さが異なる必要がある
という問題がある。つまり、現像スリーブの両端部近傍
およびフランジ部材の軸部は回転精度および感光ドラム
との距離の点から十点平均粗さがRz=4μm以下でな
ければならず、また、現像スリーブの中央部は、トナー
搬送性の点から十点平均粗さがRz=10〜15μmと
適度に粗れている必要があった。一方の現像スリーブ用
の円筒部材にブラストによる変形量を見込んで高い精度
にするための要求を満たそうとするならば、製造工程が
非常に複雑になりコストアップの原因にもなっている。
【0014】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、所定の表面粗さ、振
れ、真直度、真円度等を高精度にしかも安価に製造する
ことができる現像スリーブあるいは感光ドラム等に用い
られる画像形成装置用円筒部材およびその製造方法を実
現することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の画像形成装置用円筒部材は、円筒部材を粗
さ違い砥石を備えたセンタレス研削機を用いて一工程で
研削したものであって、その両端部周面の表面粗さが中
間部周面の表面粗さよりも小さいことを特徴とするもの
である。
【0016】また、本発明の画像形成装置用円筒部材
は、両端から軸方向へ突出する突出部を備えた円筒部材
を段付きの粗さ違い砥石を備えたセンタレス研削機を用
いて一工程で研削したものであって、前記突出部周面の
表面粗さが円筒部材周面の表面粗さよりも小さいことを
特徴とするものである。
【0017】また、本発明の画像形成装置用円筒部材の
製造方法は、円筒部材を、両端部の研削能力が中間部よ
りも表面の粗さが小さい研削を行なうことができる粗さ
違い砥石を備えたセンタレンス研削装置により一工程で
研削し、その両端部周面の表面粗さが中間部周面の表面
粗さよりも小さくなるように研削することを特徴とする
ものである。
【0018】さらに、本発明の他の画像形成装置用の円
筒部材の製造方法は、両端から軸方向へ突出する突出部
を備えた円筒部材を、小径の中間部とその両端に設けら
れた大径部とを備えるとともに、前記大径部の研削能力
が前記中間部よりも表面粗さが小さい研削を行なうこと
ができる段付きの粗さ違い砥石とを備えたセンタレス研
削装置により一工程で研削して、前記突出部周面の表面
粗さが前記円筒部材周面の表面粗さよりも小さくなるよ
うに研削することを特徴とするものである。
【0019】さらに、本発明の他の画像形成装置用円筒
部材の製造方法は、両端から軸方向へ突出する突出部を
備えた円筒部材を、小径部とその両端に設けられた大径
部とを備えるとともに、前記小径部の両端部の研削能力
がその中間部よりも表面粗さが小さい研削を行なうこと
ができる段付きの粗さ違い砥石を備えたセンタレス研削
装置により一工程で研削し、前記円筒部材の両端部周面
の表面粗さが中間部周面の表面粗さよりも小さくなるよ
うに研削することを特徴とするものである。
【0020】
【作用】円筒部材を粗さ違い砥石を備えたセンタレス研
削機を用いて一工程で研削したものであってサンドブラ
スト処理を行なわないので、上述した従来例のようなサ
ンドブラストによる悪影響を受けない。このため外径の
小さな円筒部材でも、振れや真直度等が高精度でかつ両
端部周面の表面粗さが中間部周面の表面粗さよりも小さ
い画像形成装置用円筒部材を簡単に作製することができ
る。
【0021】本発明の画像形成装置用円筒部材を例えば
現像スリーブに用いる場合には、その中間部の十点平均
粗さRzを5ないし20μmの範囲以内とすると、現像
剤の搬送性が良好になる。また、感光ドラムに用いる場
合にはその周面の十点平均粗さRzを0.5ないし0.
8μmの範囲以内にすることが好ましく、0.8μmよ
りも大きいと画像欠陥が発生し、0.5μmよりも小さ
くすることは画像欠陥は発生しにくくなるが加工が困難
になるばかりでなく、レーザービームプリンタ装置にお
いてはレーザー光の干渉縞が発生し、モアレ現象を起こ
してしまう。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1は第1実施例の画像形成装置用円筒
部材を用いた現像スリーブの製造工程を示す説明図であ
る。
【0023】 図1の(a)に示すように、金属製の
管材を所定の長さに切断した円筒部材1を作製する。
【0024】本工程において、管材としてアルミニウム
合金からなる押出管材等を用いた場合には、内部応力を
除去するために、素管1を150〜230℃の範囲の温
度で2〜4時間程度加熱する熱処理を行なうとよい。
【0025】 上記ののち、図1の(b)および図
2に示すように、円筒部材1を粗さ違い砥石2と、これ
に対向して配設された調整砥石3と、両者の間に配設さ
れたブレード4とを備えたセンタレス研削機にセットす
る。
【0026】ここで、粗さ違い砥石2は、研削能力の異
なる砥石部を一体化したものであって、両端部が表面粗
さの小さい研削を行なう砥石部2bからなり、中間部が
表面粗さの大きい研削を行なう砥石部2aからなる。
【0027】 上記ののち、図1の(b)および図
2に示すように、調整砥石3を矢印方向へ回転させて円
筒部材1を接触回転させ、矢印方向へ回転する粗さ違い
砥石2を円筒部材1に対して直交方向へ移動させて円筒
部材1に押圧し、所定の研削代でまず粗研削を行なう。
そして所定の研削代だけ研削したのち粗さ違い砥石2の
切り込み速度を落として仕上げ研削を行なって、図1の
(c)に示すような、両端部5bの周面の表面粗さが中
間部5aの周面の表面粗さよりも小さい画像形成装置用
円筒部材5を作製する。
【0028】この場合、粗研削と仕上げ研削の違いは、
粗さ違い砥石2の切り込み速度の違いによるものであっ
て、この切り込み速度や研削代を適宜設定することによ
って、作製される画像形成装置用円筒部材5の寸法精度
や表面粗さを制御することが可能である。
【0029】本発明において、所定の表面粗さを得るた
めには、粗研削の切り込み速度は20μm/秒以下と
し、仕上げ研削の切り込み速度は10μm/秒以下、好
ましくは5μm/秒以下の条件にて研削するのが適当で
ある。
【0030】 上記ののち、図1の(d)に示すよ
うに、画像形成装置用円筒部材5内にマグネットローラ
ー6を挿入し、ついで図1の(e)に示すように、マグ
ネットローラー6が挿入された画像形成装置用円筒部材
5の両端部にそれぞれフランジ部材7を矢印方向に圧入
することにより結合部7bを嵌合し、マグネットローラ
ー6を内蔵した現像スリーブを作製する。
【0031】なお、フランジ部材7を画像形成装置用円
筒部材5の両端部に結合する方法としては、上記圧入以
外に公知の接着やカシメ等のいずれでもよい。 (第2実施例)図3は本発明の画像形成装置用円筒部材
の製造方法の第2実施例の工程を示す説明図である。
【0032】 第1実施例における上記の工程と同
様に円筒部材11を作製する。
【0033】 上記ののち、図3の(b)に示すよ
うに、円筒部材11内にマグネットローラー16を挿入
し、このマグネットローラー16が挿入された円筒部材
11の両端部にフランジ部材17を矢印方向に圧入する
ことによりその結合部17bを結合して、図3の(c)
に示すような両端部から軸方向へ突出する突出部を備え
た円筒部材であるワークW1 を製造する。
【0034】 上記ののち、ワークW1 を図3の
(d)に示すように、段付き粗さ違い砥石12と、これ
に対向して配設された調整砥石13と、両者の間に配設
された図示しないブレードとを備えたセンタレス研削装
置にセットする。
【0035】ここで、段付き粗さ違い砥石12は、ワー
クW1 の円筒部の長さと同じ長さの小径部S1 と、その
両端の突出部である軸部17aの長さよりも長い大径部
2とを備え、小径部S1 は表面粗さの大きな面(以
下、「粗し面」という。)を形成する研削能力を有し、
大径部S2 は表面粗さの小さい面(以下、「精密面」と
いう。)を形成する研削能力を有する。
【0036】 上記ののち、第1実施例の上記の
工程と同様に、調整砥石13を回転させさてワークW1
を接触回転させ、回転する段付き粗さ違い砥石12をワ
ークW1 に対して直交方向へ移動させてワークW1 に押
圧し、所定の研削代でまず粗研削を行なう。そして所定
の研削代だけ研削したのち、段付き粗さ違い砥石12の
切り込み速度を落として仕上げ研削を行なって、図3の
(e)に示すような、円筒部材15aの周面が粗し面で
あって両端から突出する突出部15bの周面が精密面で
ある画像形成装置用円筒部材15を作製する。
【0037】この粗研削および仕上げ研削の切り込み速
度や研削代を適宜設定することによって、上記第1実施
例と同様に円筒部材15の寸法精度や加工表面の表面粗
さを制御することが可能である。 (第3実施例)図4は本発明の画像形成装置用円筒部材
の製造方法の第3実施例の工程を示す説明図である。
【0038】 第1実施例における上記の工程と同
様に円筒部材21を作製する。
【0039】 上記ののち、第2実施例の上記の
工程と同様に、円筒部材21内にマグネットローラー2
6を挿入し、このマグネットローラー26が挿入された
円筒部材21の両端部にフランジ部材27を圧入するこ
とによりその結合部27bを結合することにより、図4
の(c)に示すような、両端から軸方向へ突出する突出
部を備えた円筒部材であるワークW2 を作製する。
【0040】 上記ののち、ワークW2 を図4の
(d)に示すように、段付き粗さ違い砥石22と、これ
に対向して配設された調整砥石23と、両者の間に配設
された図示しないブレードとを備えたセンタレス研削装
置にセットする。
【0041】ここで、段付き粗さ違い砥石22は、ワー
クW2 の円筒部の長さと同じ長さの小径部S1 と、その
両端の突出部である軸部27aの長さよりも長い大径部
2とを備え、小径部S1 はその両端部の精密研削砥石
部22bおよび中間部の粗し面研削砥石部22aからな
り、大径部S2 が精密面研削砥石部22cからなる。
【0042】 上記ののち、第1実施例の上記の
工程と同様に、調整砥石23を回転させさてワークW2
を接触回転させ、回転する段付き粗さ違い砥石22をワ
ークW2 に対して直交方向へ移動させてワークW2 に押
圧し、所定の研削代でまず粗研削を行なう。そして所定
の研削代だけ研削したのち、段付き粗さ違い砥石22の
切り込み速度を落として仕上げ研削を行なって、図4の
(e)に示すような、円筒部材25aの両端部周面が精
密面であるとともに中間部周面が粗し面であり、その両
端から突出する突出部25bの周面が精密面である画像
形成装置用円筒部材25を作製する。
【0043】この粗研削および仕上げ研削の切り込み速
度や研削代を適宜設定することによって、上記第1実施
例と同様に画像形成装置用円筒部材25の寸法精度や加
工表面の表面粗さを制御することが可能である。 (第4実施例)感光ドラムのように十点平均粗さRz=
0.5〜0.8μm範囲以内でしかも均一な面が要求さ
れる画像形成装置用円筒部材については、上記第1実施
例ないし第3実施例に準じて素管またはワークの外周面
を研削したのち、ローラーバニシング加工を行なって局
部的な突起を塑性変形により小さくするとよい。
【0044】ローラーバニシング加工は、固くて滑らか
なローラーを金属表面に圧縮回転接触させ、表面に局部
的な塑性変形を与えて仕上げる塑性加工法の一種であ
る。表面の凸部をつぶして平滑な表面を得ることがで
き、ローラーバニシング加工を行なった表面はRmax
で0.5〜1μmのより均一な表面精度に仕上げられる
とともに表面が加工硬化されて耐久性が向上する。
【0045】感光ドラムは所定の表面精度に仕上げられ
たドラム基体の表面に感光膜を施すことによって製造さ
れるが、ドラム基体の表面精度が低い(表面粗さが大き
い)と感光膜に凹凸が生じ、それが画像欠陥の原因とな
るため、最大表面粗さで0.8〜1μm以下の精度が要
求される。しかし、一般に送り込みセンタレス研削では
アルミニウム等のような金属としては比較的柔らかいも
のに対してはここまでの精度を達成することは難しい。
そこで研削加工後にローラーバニシング加工を行ない表
面精度を仕上げることが望ましい。
【0046】次に、画像形成装置用円筒部材の表面に樹
脂層を被覆するが、これは図5に示すように、ローラー
バニシング加工を終えたワークWを図示上下一対のマス
キング治具30によって保持して矢印方向へ回転させな
がら、スプレーノズル31より樹脂塗料31aを吹き付
けることによって行なわれる。
【0047】樹脂塗料には、例えばフェノール樹脂に導
電性カーボン、グラファイト等を混合し、イソプロピル
アルコール(IPA)で希釈して所定の固形分に調整
し、そののちボールミルなどで分散を行なったものを用
いる。
【0048】スプレーノズル31は樹脂塗料31aを噴
出しながらガイド32に案内されてその図示下方部から
上方部(矢印方向)へ移動してワークWの全長に均一な
塗膜を形成させる。
【0049】そののち、塗布された塗膜を硬化させるた
め、ワークWを150〜160℃の恒温乾燥炉に入れて
熱硬化させる。
【0050】上記各実施例によれば、サンドブラスト処
理を行なわないので、上述した従来例のようなサンドブ
ラストによる悪影響を受けないため、外径の小さな円筒
部材でも、研削加工後の寸法精度(振れや真直度)を維
持できるため非常に高精度な画像形成装置用円筒部材を
提供できる。
【0051】現像スリーブ用円筒部材において、中間部
の十点平均粗さRzが10〜15μmを得るためには研
削砥石として#30〜300を用いる。また、端部の十
点平均粗さRz4μm以下を得るためには研削砥石とし
て#300〜1500を用いる。
【0052】現像スリーブ用円筒部材において、中間部
の十点平均粗さRzが0.5〜0.8μm範囲以内を得
るためには研削砥石として#1000〜1500を用い
る。また、端部の十点平均粗さRz0.4μm以下を得
るためには研削砥石として#2000〜3000を用い
る。
【0053】ここで、本発明による画像形成装置用円筒
部材を用いた転写式電子写真装置の一例について説明す
る。
【0054】図6に本発明による画像形成装置用円筒部
材を用いた転写式電子写真装置の概略構成を示した。
【0055】図6において、像担持体としての感光ドラ
ム101は軸101aを中心に矢印方向に所定の周速度
で回転駆動される。感光ドラム101はその回転過程で
帯電手段102によりその周面に正または負の所定電位
の均一帯電を受け、ついで露光部103にて不図示の像
露光手段により光像露光L(スリット露光、レーザービ
ーム走査露光等)を受ける。これにより感光ドラム周面
に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0056】ついで、その静電潜像は、トナーを転送す
るための現像スリーブ109を備えた現像手段104で
トナー現像され、そのトナー現像像が転写手段105に
より不図示の給紙部から感光ドラム101と転写手段1
05との間に感光ドラム101の回転と同期取りされて
給送された転写材Pの面に順次転写されていく。
【0057】像転写を受けた転写材Pは感光ドラム周面
から分離されて像定着手段108へ導入されて像定着を
受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトさ
れる。
【0058】像転写後の感光ドラム101の表面はクリ
ーニング手段106にて転写残りトナーの除去を受けて
清浄化されて、さらに、前露出手段107により除電処
理されて繰り返して像形成に使用される。
【0059】感光ドラム101の均一帯電手段102と
してはコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置105もコロナ転写手段が一般に広く使用
されている。電子写真装置として、上述の感光ドラムや
現像手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数
のものをユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に着脱自在に構成してもよい。例え
ば、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段の少な
くとも1つを感光体とともに一体に支持してユニットを
装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレ
ール等の案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよ
い。さらに、光像露光Lは電子写真装置を複写機やプリ
ンタとして使用する場合には、原稿からの反射や透過
光、あるいは原稿を読み取り信号化し、この信号による
レーザービームの操作、LEDアレイの駆動、または液
晶シャッターアレイ駆動などにより行なわれる。
【0060】また、ファクシミリのプリンタとして使用
する場合には光像露光Lは受信データをプリントするた
めの露光になる。図7はこの場合の1例をブロック図で
示したものである。
【0061】コントローラ111は画像読取部110と
プリンタ119を制御する。コントローラ111の全体
はCPU117により制御されている。画像読取部から
の読取データは、送信回路113を通して相手局に送信
される。相手局から受けたデータは受信回路112を通
してプリンタ119に送られる画像メモリには所定の画
像データが記憶される。プリンタコントローラ118は
プリンタ119を制御している。114は電話である。
【0062】回線115から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路112で復調された後、CPU117は画像情報の
復号処理を行ない順次画像メモリ116に格納される。
そして、少なくとも1ページの画像がメモリ116に格
納されると、そのページの画像記録を行なう。CPU1
17はメモリ116より1ページの画像情報を読み出し
プリンタコントローラ118に復号化された1ページの
画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行な
うべく、プリンタ119を制御する。
【0063】なお、CPU117はプリンタ119によ
る記録中に次のページ受信を行なっている。
【0064】本発明の画像形成装置用円筒部材に係る具
体例と従来の円筒部材に係る比較例との比較実験を行な
ったので、以下に説明する。
【0065】(具体例1) ・外径:φ20.16mm ・内径:φ18.4(+0.052、−0)mm ・長さ:L=330mm ・材質:A6063 からなるアルミニウム合金製押出円筒部材を準備し、該
円筒部材を温度180℃の乾燥炉で4時間加熱してアニ
ール処理を行なった。
【0066】そののち、以下の研削条件で中間部外周面
および両端部外周面を同時に研削して現像スリーブ用円
筒部材を作製した。 「中間部外周面および両端部外周面の研削条件」 ・粗研削切り込み速度 :0.0076mm/sec. ・仕上げ研削切り込み速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代(中間部) :0.16mm (両端部) :0.08mm ・仕上げ研削代(中間部):0.02mm (両端部):0.02mm ・粗さ違い砥石(中間部):炭化珪素質(SiC)#100 (両端部12mm):炭化珪素質(SiC)#400 ・粗さ違い砥石回転数 :20S-1(1200rpm) その後現像スリーブ用円筒部材の表面粗さを測定したと
ころ、6箇所平均で両端部のRaは0.32μm、Rz
は2.41μmで、中間部のRaは2.38μm、Rz
は14.1μmであった。
【0067】さらに、得られた現像スリーブ用円筒部材
に帯電付与性能を向上するために導電性カーボン10重
量部、グラファイト(平均粒径7μm)90重量部、フ
エノール樹脂100重量部とIPA溶剤を固形分35%
となるように混合し、ペイントシェーカーにガラスビー
ズとともに入れ、5時間の分散を行なって調製し、この
塗工液をエアースプレーガンにより上述の円筒部材に吹
き付け、コート層を形成し、150℃の乾燥炉に約30
分間入れて塗工液を熱硬化させた。
【0068】コート後の現像スリーブ用円筒部材の表面
粗さを測定したところ、Raは2.14μm、Rzは1
2.87μmであった。そして、第1図(d)に示すよ
うにマグネットローラを現像スリーブの円筒部材に挿入
したのち、その両端部に下記寸法フランジ部材を圧入し
て現像スリーブを作製した。 ・嵌合部外径:φ18.44±0.005mm ・軸部外径:φ12.10mm 上述の方法により現像スリーブを50本作製し、それぞ
れについて表面粗さおよび寸法精度の測定を行なった。
測定方法は、非接触レーザー測定機を使用して現像スリ
ーブの両端部を基準に、現像スリーブを回転させたとき
のフランジ部材の振れを測定した。その結果、振れは5
0本の平均値で2.8μmであった。
【0069】その後、現像スリーブをキャノン製レーザ
ービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、間
欠による10000枚の画出しを行なった結果、ハーフ
トーン、ベタ黒いずれの画像上もスリーブによるピッチ
ムラ等の問題もなく、非常に良好な画像が得られた。
【0070】(具体例2)具体例1と同様の円筒部材に
マグネットローラーを挿入したのち、その両端に具体例
1と同様のフランジ部材を圧入して両端部から突出する
突出部を備えた円筒部材であるワークを作製した。
【0071】ついで、小径部からなる段付き粗さ違い砥
石により、ワークの円筒部およびその両端部から軸方向
へ突出する突出部の外径研削を行なって現像スリーブ用
円筒部材を作製した。
【0072】本具体例において前記突出部の外径研削を
行なう段付きの粗さ違い砥石における大径部は粗さ#8
00の細かい砥石を用いた以外は、具体例1と同様の研
削条件で研削した。
【0073】(具体例3)小径部が具体例1に準じた粗
さ違い砥石であり、その両端の大径部が粗さ#800の
細かい砥石からなる段付き粗さ違い砥石を使用し、具体
例2と同様のワークの外径研削を行なって現像スリーブ
用円筒部材を作製した。
【0074】本具体例における研削条件は具体例1と同
様である。
【0075】(具体例4)本具体例では、円筒部材の径
と粗さ違い砥石の粗さを変えた以外は、具体例1と同様
の条件で現像スリーブ用円筒部材を作製した。 「円筒部材」 ・外径:φ16.16mm ・内径:φ14.4(+0.052,−0)mm ・長さ:L=250mm ・材質:A6063 「粗さ違い砥石」 ・粗さ違い砥石(中間部) :炭化硅素質(SiC)#150 (両端部12mm):炭化硅素質(SiC)#500 ・粗さ違い砥石回転数 :20S-1(1200rpm) (具体例5)本具体例では、円筒部材の径と粗さ違い砥
石の粗さを変えた以外は、具体例2と同様の条件で現像
スリーブ用円筒部材を作製した。 「円筒部材」 ・外径:φ12.16mm ・内径:φ10.4(+0.052,−0)mm ・長さ:L=250mm ・材質:A6063 「粗さ違い砥石」 ・粗さ違い砥石(中間部) :炭化硅素質(SiC)#200 (両端部12mm):炭化硅素質(SiC)#500 ・粗さ違い砥石回転数 :20S-1(1200rpm) さらに、得られた現像スリーブ用円筒部材にマグネット
ローラーを挿入したのち、両端部に下記寸法のフランジ
部材を圧入して現像スリーブを作製した。 ・嵌合部外径:φ10.44±0.005mm ・軸部外径:φ6.10mm (具体例6)本具体例では、感光ドラム用円筒部材を作
製し、その評価を行なった。 「円筒部材」 ・外径:φ30.16mm ・内径:φ28.4(+0.052,−0)mm ・長さ:L=330mm ・材質:A6063 「中間部外周面および両端部外周面の研削条件」 ・粗研削切り込み速度 :0.0076mm/sec ・仕上げ研削切り込み速度 :0.0022mm/sec ・粗研削代(素管外径部) :0.16mm ・粗研削代(両端部外径部) :0.08mm ・仕上げ研削代(素管外径部) :0.02mm ・仕上げ研削代(両端部外径部):0.02mm ・粗さ違い砥石(中間部) :炭化硅素質(SiC)#600 ・粗さ違い砥石回転数 :20S-1(1200rpm) その後感光ドラム用円筒部材の表面粗さを測定したとこ
ろ、6点平均で両端部のRaは0.08μm、Rzは
0.41μmで、中間部のRaは0.12μm、Rzは
0.65μmであった。
【0076】このようにして得られた感光ドラム用円筒
部材を溶剤で超音波洗浄した後に、チタニルフタロシア
ニン顔料4重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品
名:BX−1、積水化学工業製)2重量部に、シクロヘ
キサノン34重量部からなる溶液を8時間サンドミルで
分散したのち、テトラヒドロフラン60重量部を加えて
電荷発生層用の分散液を調合した。
【0077】この分散液にシクロヘキサノン100重量
部とテトラヒドロフラン100重量部を加えて希釈し、
前記感光ドラム用円筒部材上に浸漬塗布し、90℃で1
0分間加熱乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。
【0078】ついで、下記構造で示されるスチリル化合
物50重量部と、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユー
ピロンZ−200、三菱瓦斯化学製)50重量部をモノ
クロルベンゼン400重量部に溶解した溶液を前記電荷
発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥し
て厚さ20μmの電荷輸送層を形成することで、電子写
真感光体を得た。
【0079】
【化1】 このようにして作製した本発明の電子写真感光体を、解
像度600dpiのレーザービームプリンターに装着し
て、ハーフトーン画像を出して画像評価を行なった。ハ
ーフトーン画像は、黒線1本と白線2本分が交互に連続
しているものであり、縦方向、横方向それぞれに走査し
たものを使用した。
【0080】さらに同じ装置にてベタ白画像における黒
点欠陥の評価も行なった。
【0081】しかしいずれの場合においても画像欠陥は
見られず、鮮明で良好な画像が得られた。
【0082】(具体例7)粗さ違い砥石の粗さを変えた
以外は具体例6と同様の工程で、電子写真感光体を作製
した。 ・粗さ違い砥石(中間部) :炭化硅素質(SiC)#800 ・ (両端部20mm):炭化硅素質(SiC)#1200 この電子写真感光体の表面粗さを測定したところ6点平
均で両端部のRaは0.06μm、Rzは0.38μm
で、中間部のRaは0.11μm、Rzは0.55μm
であった。
【0083】同様にこの電子写真感光体を、解像度60
0dpiのレーザービームプリンターに装着して、ハー
フトーン画像を出して画像評価を行なった。
【0084】さらに、同じ装置にてベタ白画像における
黒点欠陥の評価も行なった。
【0085】この場合においても画像欠陥は見られず、
鮮明で良好な画像が得られた。
【0086】(比較例1)#400の単一粗さの研削砥
石で素管を研削し、前記素管の中間部を所定の表面粗度
に仕上げるために以下の条件でサンドブラスト加工を行
なってブラストスリーブを作製した。 ・砥粒 :アランダム#100 ・吐出圧力 :3.43×105 Pa(3.5kgf
/cm2 ) ・ノズル距離 :200mm ・ブラスト時間:60秒(30秒×2回) ・素管回転数 :1S-1(60rpm) さらに、得られたブラストスリーブに帯電付与性能を向
上するために導電性カーボン10重量部、グラファイト
(平均粒径7μm)90重量部、フェノール樹脂100
重量部とIPA溶剤を固形分35%となるように混合
し、ペイントシェーカーにガラスビーズとともに入れ、
5時間の分散を行なって調整し、この塗工液をエアース
プレーガンにより上述のブラストスリーブに吹き付け、
コート層を形成し、150℃の乾燥炉に約30分間入れ
て塗工膜を熱硬化させて現像スリーブを作製した。
【0087】このブラストスリーブにマグネットローラ
ーを挿入したのち、両端にフランジ部材を圧入して結合
させた。ついで、具体例1と同様の工程を経て現像スリ
ーブユニットを作製し、同様な測定、評価を行なった。
【0088】その結果、現像スリーブユニットのスリー
ブの振れは50本の平均値で22.8μmであった。ま
た、画像評価はハーフトーン、ベタ黒の画像上に軽微な
スリーブ周期のピッチムラが発生した。
【0089】(比較例2)素管にマグネットローラーを
挿入したのち両端にフランジ部材を圧入して結合し、つ
いで、比較例1と同じ研削をしたのち、素管に比較例1
と同じ表面粗度に仕上げるために同様の条件でサンドブ
ラスト加工を行なってブラストスリーブを作製した。
【0090】さらに、得られたブラストスリーブに帯電
付与性能を向上するために比較例1と同様にカーボンコ
ート層を形成し、同様に塗工膜を熱硬化させた。その後
は同様の工程を経て現像スリーブユニットを作製し、同
様に測定、評価を行なった。その結果、現像スリーブユ
ニットのスリーブの振れは50本の平均値で22.5μ
mであった。また、画像評価はハーフトーン、ベタ黒の
画像上に軽微なスリーブ周期のピッチムラが発生した。
【0091】(比較例3) ・外径:φ30.16mm ・内径:φ28.4(+0.052,−0)mm ・長さ:L=330mm ・材質:A6063 からなるアルミニウム合金製押出円筒素管を準備し、該
素管を従来の研削砥石を用いて次の研削条件で研削し、
ドラムシリンダーを作製した。 「素管の研削条件」 ・粗研削切り込み速度 :0.0076mm/sec ・仕上げ研削切り込み速度:0.0022mm/sec ・粗研削代 :0.16mm ・仕上げ研削代 :0.02mm ・研削砥石 :炭化硅素質(SiC)#3
0 ・研削砥石回転数 :20S-1(1200rp
m) その後ドラムシリンダーの表面粗さを測定したところ、
6箇所平均でのRaは0.42μm、Rzは2.58μ
mであった。
【0092】このようにして得られたドラムシリンダー
を溶剤で超音波洗浄した後に、導電性酸化チタン(商品
名:ECT−62、チタン工業製)50重量部と表面を
アルミナ処理した酸化チタン(商品名:SRI−T、堺
化学製)50重量部とフェノール樹脂50重量部および
フッ素樹脂粉末0.1重量部からなる導電層塗料をガラ
スビーズ入りのサンドミルにて30分間分散し、メタノ
ールを加えて固形分30%の塗料として前記シリンダー
上に浸漬塗布し、150℃で20分間加熱乾燥し、20
μmの導電層(conductive pigment layer=CPL)を
得た。
【0093】このときのCPL上の表面粗さを測定した
ところRaは0.13μm、Rzは0.62μmであっ
た。その後ポリアミド樹脂をメタノールで溶解した固形
分5%の塗料をこの上に浸漬塗布し、下引き層として
0.5μmの層を得た。そして、その後に具体例6と同
様の方法で電荷発生層と電荷輸送層を塗布し、電子写真
感光体を得た。
【0094】このようにして作製した電子写真感光体の
両端に次の寸法のフランジ部材を圧入したのち、解像度
600dpiのレーザービームプリンターに装着して、
ハーフトーン画像を出して画像評価を行なった。 嵌合部外径:φ28.44±0.005mm 軸部外径 :φ12.10mm さらに同じ装置にてベタ白画像における黒点欠陥の評価
も行なった。いずれの場合においても画像欠陥は見られ
ず、鮮明で良好な画像が得られた。しかし1本の感光体
作製のために27.5分の時間を要した。
【0095】(比較例4)本比較例では、粗さ違い砥石
の粗さを変えた以外は具体例6と同様の工程によりドラ
ムシリンダーを作製した。 「粗さ違い砥石の粗さ」 ・粗さ違い砥石(中間部):炭化硅素質(SiC)#4
00 その後のドラムシリンダーの表面粗さを測定したとこ
ろ、6点平均で両端部のRaは0.08μm、Rzは
0.41μmで、中間部のRaは0.35μm、Rzは
2.51μmであった。
【0096】具体例6と同様の工程で作製した電子写真
感光体を、解像度600dpiのレーザービームプリン
ターに装着して、ハーフトーン画像を出して画像評価を
行なった。さらに同じ装置にてベタ白画像における黒点
欠陥の評価も行なったところ、ハーフトーン画像では問
題がなかったが、ベタ白画像において画像欠陥と見られ
る黒い斑点が多数現れた。
【0097】(比較例5)粗さ違い砥石砥石の粗さを変
えた以外は具体例6と同様の工程によりドラムシリンダ
ーを作製した。 ・粗さ違い砥石(中間部):炭化硅素質(SiC)#1000 ・ (両端部):炭化硅素質(SiC)#1200 その後ドラムシリンダーの表面粗さを測定したところ、
6点平均で両端部のRaは0.06μm、Rzは0.3
8μmで、中央部のRaは0.08μm、Rzは0.4
2μmであった。
【0098】具体例6と同様の工程により作製した電子
写真感光体を、解像度600dpiのレーザービームプ
リンターに装着して、ハーフトーン画像を出して画像評
価を行なった。さらに同じ装置にてベタ白画像における
黒点欠陥の評価も行なったところ、ハーフトーン画像で
は、画像欠陥と見られる干渉縞が現れたが、ベタ白画像
においては問題がなかった。
【0099】上記具体例1〜7並びに比較例1〜5それ
ぞれの評価結果を表1に示す。
【0100】表1において、粗さおよび振れの測定値は
各50本の平均値とした。
【0101】
【表1】 この結果から、ブラスト加工を行なわずに表面粗さを得
る方法を行なうことが良好な画像を得るために必要であ
り、かつ加工時間が大幅に短縮されることがわかった。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を奏す
る。
【0103】(1)ブラスト加工を必要としないため、
ブラスト加工による円筒部材の変形等の悪影響を受けな
いため高精度なものとなる。そのため、このような高精
度な円筒部材を現像スリーブ等に利用した場合、ハーフ
トーンなどの微妙な色合いも忠実に再現することがで
き、高精彩で高画質な画像を得ることができる。
【0104】(2)円筒部材の周面を一工程で研削する
ことによって、短時間で所定の表面粗さ、振れ精度、真
円度に加工することができるためコストダウンが可能で
ある。
【0105】(3)感光度ドラムの場合、干渉縞防止の
ためのCPLを必要としないため塗工工程時間の大幅な
短縮が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置用円筒部材の第1実施例
を用いた現像スリーブの製造工程を示す説明図である。
【図2】図1に示すセンタレス研削装置の模式断面図で
ある。
【図3】本発明の画像形成装置用円筒部材の第2実施例
の製造工程を示す説明図である。
【図4】本発明の画像形成装置用円筒部材の第3実施例
の製造工程を示す説明図である。
【図5】塗工工程の説明図である。
【図6】電子写真方式の画像形成装置の説明図である。
【図7】図6に示す電子写真方式の画像形成装置の動作
を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1,11,21 円筒部材 2 粗さ違い砥石 3,13,23 調整砥石 4 ブレード 5,15,25 画像形成装置用円筒部材 6,16,26 マグネットローラー 7,17,27 フランジ部材 7a,17a,27a 軸部 7b,17b,27b 結合部 12,22 段付き粗さ違い砥石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒部材を粗さ違い砥石を備えたセンタ
    レス研削機を用いて一工程で研削したものであって、そ
    の両端部周面の表面粗さが中間部周面の表面粗さよりも
    小さいことを特徴とする画像形成装置用円筒部材。
  2. 【請求項2】 両端から軸方向へ突出する突出部を備え
    た円筒部材を段付きの粗さ違い砥石を備えたセンタレス
    研削機を用いて一工程で研削したものであって、前記突
    出部周面の表面粗さが円筒部材周面の表面粗さよりも小
    さいことを特徴とする画像形成装置用円筒部材。
  3. 【請求項3】 円筒部材の両端部周面の表面粗さが中間
    部周面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする請求項
    2記載の画像形成装置用円筒部材。
  4. 【請求項4】 円筒部材の中間部の十点平均粗さRzが
    5ないし20μmの範囲以内であることを特徴とする請
    求項1または3記載の画像形成装置用円筒部材。
  5. 【請求項5】 円筒部材の中間部の十点平均粗さRzが
    0.5ないし0.8μmの範囲以内であることを特徴と
    する請求項1または3記載の画像形成装置用円筒部材。
  6. 【請求項6】 円筒部材を、両端部の研削能力が中間部
    よりも表面の粗さが小さい研削を行なうことができる粗
    さ違い砥石を備えたセンタレンス研削装置により一工程
    で研削し、その両端部周面の表面粗さが中間部周面の表
    面粗さよりも小さくなるように研削することを特徴とす
    る画像形成装置用円筒部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 両端から軸方向へ突出する突出部を備え
    た円筒部材を、小径の中間部とその両端に設けられた大
    径部とを備えるとともに、前記大径部の研削能力が前記
    中間部よりも表面粗さが小さい研削を行なうことができ
    る段付きの粗さ違い砥石とを備えたセンタレス研削装置
    により一工程で研削して、前記突出部周面の表面粗さが
    前記円筒部材周面の表面粗さよりも小さくなるように研
    削することを特徴とする画像形成装置用円筒部材の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 両端から軸方向へ突出する突出部を備え
    た円筒部材を、小径部とその両端に設けられた大径部と
    を備えるとともに、前記小径部の両端部の研削能力がそ
    の中間部よりも表面粗さが小さい研削を行なうことがで
    きる段付きの粗さ違い砥石を備えたセンタレス研削装置
    により一工程で研削し、前記円筒部材の両端部周面の表
    面粗さが中間部周面の表面粗さよりも小さくなるように
    研削することを特徴とする画像形成装置用円筒部材の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 円筒部材の中間部の十点平均粗さRzが
    5ないし20μmの範囲以内であることを特徴とする請
    求項6または8記載の画像形成装置用円筒部材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 円筒部材の中間部の十点平均粗さRz
    が0.5ないし0.8μmの範囲以内であることを特徴
    とする請求項6または8記載の画像形成装置用円筒部材
    の製造方法。
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