JPH09239649A - 電子写真用円筒部材の研削装置 - Google Patents

電子写真用円筒部材の研削装置

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JPH09239649A
JPH09239649A JP4618896A JP4618896A JPH09239649A JP H09239649 A JPH09239649 A JP H09239649A JP 4618896 A JP4618896 A JP 4618896A JP 4618896 A JP4618896 A JP 4618896A JP H09239649 A JPH09239649 A JP H09239649A
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blade
grinding
cylindrical member
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work
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JP4618896A
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Yusuke Yamada
祐介 山田
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用円筒部材について、高品位な表面
精度と高い加工精度を得ることができ、しかも、連続的
な作業性に優れた電子写真用円筒部材の研削装置を提供
する。 【解決手段】 研削砥石と調整砥石の間に被加工物を支
持するブレードを有し、前記ブレードと研削砥石と調整
砥石との3点で、被加工物である電子写真用円筒部材を
支持しながら、研削加工を行う心無し研削装置におい
て、前記ブレードが、前記被加工物の軸線方向に点接触
する多数の接触部を有する形状を持ち、かつ、各接触部
の頂点にラウンドを形成しているブレードであることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に使
用される、例えば、感光ドラム、搬送ローラー、定着ロ
ーラーおよび現像スリーブなどの円筒部材の表面を研削
する研削装置に関するものであり、特に、前記円筒部材
を心無し研削加工によって、その外周面の真円度、真直
度、振れ精度、表面粗度を高精度に加工する際に使用す
る研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ、印刷機などの画像形成
装置において、その電子写真用の感光ドラムや現像スリ
ーブなどには、その基体として、表面が高精度(真円
度、真直度および表面粗度)で、所定の表面粗さに仕上
げられた円筒部材が用いられる。
【0003】そして、例えば、電子写真用感光ドラムの
場合は、研削加工にて仕上げられた円筒部材の表面に感
光膜を施すが、円筒部材の加工精度が低くて、表面に起
伏があったり、真円度や真直度が十分でないと、感光膜
に凹凸が生じ、このために、画像形成装置の使用に際し
て、画像に様々な欠陥が発生する。
【0004】従って、精度の高い画像形成装置を得るた
めには、まず、円筒部材の表面を起伏のない円筒面に加
工することが厳しく要求され、表面粗さ、真直度および
真円度にも極めて高い精度が必要である。
【0005】また、電子写真法、静電記録法などによっ
て、感光ドラムの感光膜では、その潜像担持体上に形成
された潜像は、現像スリーブに担持されて、潜像担持体
の表面に運ばれる現像剤によって、顕像化されるため
に、一成分、二成分現像剤、磁性、非磁性現像剤、さら
には、絶縁性、誘電性現像剤を問わず、これら現像剤を
担持して搬送する現像スリーブなどにも、その円筒部材
の表面粗さ、真直度、真円度などに、極めて高い精度が
必要である。
【0006】一般に、このような円筒部材の材料には、
純度が99.5%以上のAlやCuを0.05〜0.2
0%含むCu−Al合金や、Cuを0.05〜0.20
%とMnを1.0〜1.5%含むCu−Mn−Al合
金、あるいは、Siを0.20〜0.60%とMgを
0.45〜0.90%含むSi−Mg−Al合金などが
用いられる。そして、これら材料を押出、引抜工程を経
て、ある程度の形状精度に成った円筒を得るのである。
【0007】しかし、このような引抜き円筒のままで
は、曲がりが大きく残っているため、通常は、この後に
ロール矯正などを行い、所望の形状精度にまで仕上げる
必要がある。しかる後、この円筒を所定の長さに切断
し、両端部のバリ除去、端面精度の向上の目的で、切削
加工により、円筒部材の端部を仕上げ、さらに、必要に
応じて、円筒部材の外周面に、切削加工や研削加工を行
って、所望の寸法精度を得るのである。特に、感光ドラ
ムや現像スリーブなどは、その表面性状や寸法精度が画
像の優劣を左右する重要なポイントになるため、非常に
高精度な加工方法を用いている。
【0008】この切削加工の最も一般的なものとして
は、旋盤による精密切削がある。これは、所謂、通常の
旋盤による切削加工のことであるが、特に、電子写真用
の円筒部材、例えば、感光ドラム用基体のように、加工
表面精度に対する要求が厳しい場合に、この精密切削が
行われる。
【0009】具体的な加工方法としては、ワーク(被加
工物)の両端を旋盤にチャッキングし、焼結ダイヤモン
ドあるいは天然単結晶ダイヤモンドのバイトで切削を行
う。このような特殊バイトを使用することにより、その
加工面は非常にきれいで、所謂、鏡面のような加工面を
得ることができる。
【0010】また、その他の方法としては、心無し研削
盤を用いた心無し研削(センターレス研削)加工があ
る。この心無し研削は、一般には、図8に示すように、
ほぼ円柱状または円筒状に粗仕上された被加工物を、ブ
レードの斜面に対して接触させると共に、矢印A方向に
回転している調整砥石に接触した状態で支持し、矢印B
方向に高速回転する研削砥石によって、被加工物の表面
に切り込み、被加工物の研削を行なう。ここでは、被加
工物は、調整砥石とブレードの斜面とに接した位置で安
定に保持され、調整砥石の回転によって、矢印C方向に
回転される。
【0011】このように、矢印C方向に回転している被
加工物を、その周速よりも僅かに大きい周速で矢印B方
向に回転している研削砥石に対して、矢印E方向に進ま
せることで、切り込みを行なうが、研削砥石、調整砥
石、ブレードは、それぞれ、回転軸の軸線方向に関して
真直度、平行度とも、予め、高精度に仕上げられ、取り
付けられているため、被加工物の外周面が、真円度、真
直度とも、高精度に研削加工され、正確な、円筒面に研
削加工される。
【0012】これら、あるいは、その他の、種々の加工
方法は、円筒部材に要求される精度や加工コストなどに
よって、適宜、使い分けられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の円筒部材の加工方法には、以下に述べるような、幾つ
かの欠点を有していた。例えば、旋盤による精密切削
は、高い表面精度を得る上で有効であるが、単結晶ダイ
ヤモンドバイトあるいは焼結ダイヤモンドバイトなどの
加工具が非常に高価であり、また、その加工コストが高
い。また、被加工物の両端をチャックしてから切削する
ので、被加工物が細く、長くなるほど、被加工物自体の
剛性が低下し、バイトによる切削抵抗で、被加工物が曲
がるという問題があり、加工精度(真直度、振れ精度な
ど)が損なわれる。
【0014】一方、このような加工精度に対する欠点を
補う他の方法として、上述のような心無し研削加工があ
げられる。即ち、この心無し研削加工は、他の研削方法
や旋盤による切削のように、スピンドルによるセンタリ
ングを必要とせず、被加工物自体は、研削砥石、調整砥
石、ブレードの3点によって、しっかりと支持されなが
ら研削されるために、仮に、細長いものでも、非常に精
度の高い加工が可能である。
【0015】この心無し研削装置におけるブレードは、
図8に示すように、被加工物の摺面に接する傾斜面を持
った、細長い板状体で構成されたものが一般的であり、
被加工物は、このブレード表面上を摺動回転しながら研
削される。心無し研削装置における、このブレードの役
割は極めて重要で、被加工物を支持するとともに、その
位置を規制することで、この心無し研削装置の、極めて
高い加工精度を確保する。
【0016】心無し研削加工は、被加工物の位置を、研
削砥石、調整砥石、ブレードの3要素により規制する
が、この3者により構成される3接円は、理論上、一つ
しか存在しないため、被加工物が、この3要素で支持さ
れながら、研削されることは、極めて真円度の高い加工
精度を得る上で、重要かつ有効である。
【0017】換言すれば、研削加工中に、この3要素の
位置、形状が変動すると、これが前記加工精度の変動要
因となるため、この3要素には、その形状、寸法の安定
な材料を用いる必要がある。そこで、特に、ブレード材
料としては、高い剛性や耐摩耗性を有する超硬合金など
の金属材料が、主として使用されてきた。
【0018】しかしながら、このようなブレードでは、
アルミニウムや黄銅などの軟質金属材料の円筒部材を研
削した場合、加工表面に、所謂、スクラッチと呼ばれ
る、細かなキズが発生するという問題があった。このス
クラッチが発生する理由は、幾つかあるが、一般的に
は、次の2つが主な原因として知られている。
【0019】第1の原因は、研削中に脱落した微細な砥
粒や切粉が、ブレードと被加工物との摺擦によって、被
加工物表面に傷を付けることである(図9を参照)。こ
れは個々の微細な切粉によって形成される傷であり、傷
の大きさとしては、比較的小さい傷である。
【0020】また、第2の原因は、研削中に脱落した微
細な砥粒や切粉が、ブレードと被加工物との摺擦によっ
て発熱・溶融し、ブレード表面に切粉が融着し、その融
着物によって、被加工物表面に傷を付けることである。
ここでは、ブレード表面に一度、切粉が融着してしまう
と、それ以降、継続してスクラッチが発生してしまうた
め、連続的な量産加工においては、重大な問題となるの
である。更に、この融着によって発生するスクラッチの
大きさは、融着物の大きさに比例するため、加工の経過
で、漸次、融着物が増加すると、スクラッチの大きさ、
数が増加し、被加工物の表面粗さが著しく劣化する。
【0021】このブレード表面に融着が発生するメカニ
ズムについて、図10を用いて説明すると、先ず、研削
砥石によって、被加工物の研削が行なわれると、切粉が
発生する。この切粉は、上から流れてくる研削液と共
に、ブレード表面を伝わって、落下し、回転している被
加工物とブレードとの間に滞留し、この間に被加工物の
表面に摺擦されて、その時に発生した摺擦熱により、瞬
間的に溶解して、ブレード表面に融着する。最初は、小
さかった融着物が、摺擦の過程で、核となり、さらに連
続して落下してくる切粉によって、徐々に成長して行
く。
【0022】やがて、それらは、恰も、構成刃先のよう
な役割を果たし、被加工物表面を傷付けるのである。特
に、アルミニウムや黄銅といった、軟質で低融点の金属
材料は、ブレードとの摺擦熱により、その微細な切粉が
軟化、溶融し易いので、簡単に融着が発生する。そのた
め、従来は、感光ドラムのような、非常に高い表面精度
が要求される円筒部材には、この心無し研削加工を用い
ることが、事実上、困難であった。
【0023】このようなスクラッチの発生を防止するた
めに、従来、例えば、ブレードの表面にテフロン(登録
商標)テープなどの、滑性の良いものを貼り付けて、被
加工物表面とブレードとの摺擦を低減していたが、しか
し、数百本も研削を行なうと、テフロン(登録商標)テ
ープなどの滑性材料が摩耗し、頻繁に貼り替えを行なう
必要に迫られる。
【0024】以上、説明したように、従来の心無し研削
加工では、円筒部材にアルミニウムや黄銅などの軟質金
属材料が用いられる場合、その円筒部材は、均一で高品
質な表面粗さや高い加工精度を得ることが困難であっ
た。更に、それらの精度を維持するためには、頻繁に滑
性テープの貼り替えや、ブレード自体の交換を行わなけ
ればならず、連続作業の妨げになるという問題があっ
た。
【0025】本発明は、上述の技術的課題を解決し、電
子写真用円筒部材について、高品位な表面精度と高い加
工精度を得ることができ、しかも、連続的な作業性に優
れた電子写真用円筒部材の研削装置を提供することを、
その目的としている。
【0026】即ち、本発明の第1の目的は、ブレードと
円筒部材との摺動による傷発生を防ぎ、高い表面精度を
有する電子写真用円筒部材を得ることである。
【0027】また、本発明の第2の目的は、円筒部材の
長さが、その直径に比べ著しく大きい場合でも、円筒部
材の外径の真直度、振れ精度、表面粗さを、高精度に維
持できるように、仕上げた電子写真用円筒部材を得るこ
とである。
【0028】更に、本発明の第3の目的は、量産工程に
おいて、安定した加工精度を得るために、ブレード交換
や樹脂テープの貼り替え作業を頻繁に行うことなく、連
続的な作業性を確保し、生産性を高めることで、ローコ
ストな電子写真用円筒部材を得ることである。
【0029】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、研
削砥石と調整砥石の間に被加工物を支持するブレードを
有し、前記ブレードと研削砥石と調整砥石との3点で、
被加工物である電子写真用円筒部材を支持しながら、研
削加工を行う心無し研削装置において、前記ブレード
が、前記被加工物の軸線方向に点接触する多数の接触部
を有する形状を持ち、かつ、各接触部の頂点にラウンド
を形成しているブレードであることを特徴とする。
【0030】これによって、切粉がブレードと被加工物
との間に残留するのを回避し、スクラッチの発生を防止
するのである。
【0031】また、本発明は、研削砥石と調整砥石の間
に被加工物を支持するブレードを有し、前記ブレードと
研削砥石と調整砥石との3点で、被加工物である電子写
真用円筒部材を支持しながら、研削加工を行う心無し研
削装置において、前記ブレードが、被加工物と接触する
摺接面に樹脂をコーティングして、所要厚さの摺擦層を
形成していることを特徴とする。
【0032】これによって、ブレードと被加工物との摩
擦抵抗を大幅に低減するとともに、ブレードの耐磨耗性
を向上する。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下、本発明の第1の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。図1には、本発明における
円筒部材を研削する心無し研削装置の概略構成が示され
ている。図1の(a)は、その心無し研削装置の正面
図、(b)は斜視図である。図1において、符号1は研
削砥石、2は調整砥石、3は本発明に係わるブレード、
4は被加工物(以後、ワークと称する)である。また、
符号5は研削装置本体側に固定されているブレードベー
スで、ブレード3をボルトで結合しており、ブレードを
交換する際には、容易に交換できるように、取外し可能
な構造にしてある。
【0034】なお、本発明における、この実施の態様で
は、インフィード方式(送り込み研削)の心無し研削装
置を用いたが、その他のスルーフィード方式(通し送り
研削)の研削装置でも、同様の効果を発揮するものであ
り、特に、その方式は限定されない。
【0035】次に、本発明の第1の実施の形態における
ブレードの構成について、図2を用いて説明する。図2
は、本発明に係わるブレードの特徴を最もよく表したも
のである。ここでは、まず、調整砥石の回転により、ブ
レード3上に支持されたワーク4が連れ回り、所定の周
速度に達する。やがて、研削砥石1側に徐々に送り込ま
れて、研削が開始される。なお、この研削が開始される
前に、ワーク4の上方から研削液が流されている。研削
が開始されると、切粉や砥石から脱落した微細な砥粒な
どが、ブレード3の下方(A方向)またはブレード3の
上方(B方向)に流れて、研削装置の下部にある循環槽
(図示せず)に貯め込まれ、後に、循環して、使用され
る。
【0036】従来は、このブレード3上を流れる切粉や
砥粒は、ワーク4とブレード3との間に挟まれて、摺擦
→発熱→融着という現象を引き起こしていたが、本発明
によるブレード構造ならば、このような問題は発生しな
い。即ち、その理由は、図2に示すように、ブレード3
の表面の接触面の形状が、ワーク4の軸線方向に点接触
する多数の接触部を有する形状、例えば、山切り形状に
なっているためである。ここでは、ワーク4は、この山
切り形状の山の頂点で接しており、ここでブレード3に
支持されている。
【0037】この頂点は、点接触であるため、ワークと
ブレードの間に、切粉や砥粒が堆積することがなく、そ
れらは、全て、ブレード3の溝部3aにスムーズに流れ
て、排出される。従って、従来のブレードのように、ブ
レード表面に切粉が融着するという問題が発生しないの
である。
【0038】このワーク4と接触している山部の頂点に
は、微小なRを設けている。これは、接触先端が鋭利で
あると、ワーク4の表面に傷を付けてしまう虞があるた
めである。この先端部の曲率半径Rは、小さい程、ワー
ク4と接触する面積が少なくなるので、切粉が堆積しに
くくなり、融着の発生防止に関して有利であるが、逆
に、Rが小さ過ぎると、前述したように、ワーク4の表
面に傷を付けるといた弊害が生じる。そこで、Rの寸法
も、適正な範囲内に抑えた方が好ましく、本発明におけ
る実験の検討結果からは、好ましくは、曲率半径Rが
0.2〜2.0mm、より好ましくは、Rが0.5〜
0.8mmの範囲がよい。また、溝部の深さ:h、と溝
部の幅:bについては、ここを研削液や切粉が通過する
ので、これらの流れを妨げない程度に設定するのがよ
い。
【0039】また、本発明によるブレード構造は、図2
の形状に限定されるものではなく、図4に示したよう
に、種々の形状をとってもよい。即ち、図4の(a)
は、本発明によるブレードの、最もシンプルな形状であ
り、連続する山部と谷部(溝部)で構成されている。ま
た、図4の(b)は、(a)の谷部(溝部)を拡大する
ことにより、切粉や脱落した砥粒、さらには、研削液な
どの流れを、よりスムーズにしたものである。また、図
4の(c)は、山部のR形状を大きくした場合の例であ
る。これらの形状は、加工するワークの材質、要求され
る形状精度などを勘案して、適宜、使いわけるのがよ
い。
【0040】本発明による研削装置で得られる電子写真
用円筒部材としては、感光ドラムをはじめとし、現像ス
リーブ、搬送ローラー、定着ローラーなどの各種、円筒
部材が含まれるのであり、また、これらのみに限定され
るものでもない。
【0041】図13には、本発明の研削装置で作られた
円筒部材を用いた、転写式電子写真装置の概略構成が示
されている。図において、符号101は、像担持体とし
ての感光ドラムであり、その軸101aを中心に、矢印
方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0042】感光ドラムは、その回転過程で、帯電手段
102により、その周面に正または負の所定電位の均一
帯電を受け、次いで、露光部103にて、像露光手段
(図示せず)により、光像露光L(スリット露光、レー
ザービーム走査露光など)を受ける。これにより、感光
ドラム周面には、露光像に対応した静電潜像が順次、形
成される。
【0043】その静電潜像は、次いで、現像手段104
でトナー現像され、そのトナー現像像が、転写手段10
5により、感光ドラムの回転と同期して、給紙部(図示
せず)から感光ドラム101と転写手段105との間に
取り出され、給送された転写材Pの面に、順次、転写さ
れる。この、像転写を受けた転写材Pは、感光ドラム面
から分離されて、像定着手段108へ導入され、像定着
を受けて、複写物(コピー)として、機外へプリントア
ウトされる。
【0044】像転写後の感光ドラムの表面は、クリーニ
ング手段106にて、転写残りトナーを除去され、清浄
面となり、さらに、前露出手段107により、除電処理
されて、再び、繰り返して、像形成に使用される。
【0045】感光ドラムの均一帯電手段102として
は、コロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置5にも、コロナ転写手段が一般に広く使用
されている。なお、電子写真装置として、上述の感光ド
ラムや現像手段、クリーニング手段などの構成要素の
内、複数のものを、ユニットとして一体に結合して構成
し、このユニットを装置本体に着脱自在に構成してもよ
い。例えば、帯電手段、現像手段およびクリーニング手
段の少なくとも1つを、感光体とともに一体に支持し
て、ユニットを、装置本体に着脱自在の単一ユニットと
し、装置本体のレールなどの案内手段を用いて、着脱自
在の構成にしてもよい。
【0046】また、光像露光Lは、電子写真装置を、複
写機やプリンタとして使用する場合に、原稿からの反射
光や透過光により、あるいは、原稿を読み取り信号化
し、この信号によるレーザービームの走査、LEDアレ
イの駆動、または、液晶シャッターアレイの駆動などに
より、行うことができる。また、ファクシミリのプリン
タとして使用する場合には、光像露光Lは受信データを
プリントするための露光になる。図14は、この場合の
1例をブロック図で示したものである。
【0047】コントローラ111は、画像読み取り部1
10とプリンタ119とを制御する。また、コントロー
ラ111の全体は、CPU117により制御されてい
る。画像読取部からの読取データは、送信回路113を
通して、相手局に送信される。相手局から受けたデータ
は、受信回路112を通して、プリンタ110に送ら
れ、画像メモリには、所定の画像データが記憶される。
プリンタコントローラ118は、プリンタ119を制御
している。なお、符号114は電話である。
【0048】回線115から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路112で復調された後、CPU117において、復
号処理され、順次、画像メモリ116に格納される。そ
して、少なくとも1ページ分の画像がメモリ116に格
納されると、そのページの画像記録(プリントアウト)
を行なう。
【0049】即ち、CPU117は、メモリ116より
1ページ分の画像情報を読み出し、プリンタコントロー
ラ118に、復合化された1ページ分の画像情報を送出
する。プリンタコントローラ118は、CPU117か
らの1ページ分の画像情報を受け取ると、そのページの
画像情報記録(プリントアウト)を行なうために、プリ
ンタ119を制御する。なお、CPU117は、プリン
タ119による記録中には、既に次のページ受信を行な
っている。以上のように、画像の受信と記録が行なわれ
る。 (実施の形態2)図5には、本発明の第2の実施の形態
が示されている。ここでは、先述の実施の形態とは異
り、ブレード3の形状は、被加工物の軸線方向に線接触
する形状であるが、その表面には樹脂のコーティングに
よって、摺擦層が形成されている。その他の点は、第1
の実施の形態と同様である。
【0050】先ず、本発明の第2の実施の形態における
心無し研削装置を使用した電子写真用円筒部材の製造工
程について説明する。ここでは、ブレード3上に支持さ
れた被加工物4(ワーク)は、ブレード3の傾斜面によ
り、調整砥石2側に寄せられて接している。調整砥石2
の回転に伴い、ワーク4も連れ回りを開始し、ある一定
の周速度に達し、徐々に、研削砥石1側で、切り込まれ
て、研削が行われる。この時、図示してはいないが、ワ
ーク4の上方からは研削液が予め流入しており、研削面
での良好な研削状態を維持するとともに、装置本体下部
にある循環タンク(図示せず)に流され、その後、随
時、循環して、再使用される。
【0051】従来は、このブレード3上を流れる切粉や
砥粒が、ワーク4とブレード3との間に挟まれて、摺擦
→発熱→融着という現象を引き起こしていたが、本発明
によるブレードの構造(以下に説明)ならば、このよう
な問題は発生しない。
【0052】即ち、図6に示すように、本発明の第2の
実施の形態では、ブレード3の表面には、樹脂のコーテ
ィングによる摺擦層6が形成されているため、ワーク4
との、ブレード3の摩擦抵抗が減少し、その摩擦による
発熱を抑え、融着を防止するのである。
【0053】かくして、先述したように、従来のブレー
ドでは、ブレード3とワーク4との間の摺擦により、ブ
レード3の表面に切粉が融着して、それらがワーク4の
表面に傷を付けているが、この解決には、融着が発生す
るのを防止しなければならないのであり、この点、我々
が鋭意検討を重ねた結果として、上述のように、ワーク
4とブレード3との摺動性を向上させることが効果的で
あることを解明したのである。
【0054】本発明における摺擦層の樹脂材料として
は、ポリベンゾイミダゾール(PBI樹脂)、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE樹脂)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP
樹脂)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニールエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などの各
種、樹脂材料が用いられる。
【0055】これら樹脂材料による摺擦層を、金属のブ
レード3に形成させる方法として、溶剤に溶解・分散さ
せて、ディッピング、スプレー、静電塗装などの公知の
コーティング方法を採用し、ブレード3の表面に直接、
製膜させてもよい。製膜されるブレード表面には、予
め、洗浄を行い、十分に脱脂を行うことは勿論である
が、必要に応じて、プライマー処理やブラスト処理を施
しておくことで、塗膜の密着性を高めておくのが好まし
い。
【0056】また、耐磨耗性を向上させるために、ニッ
ケルやクローム合金、または、チタニア、ジルコニア、
アルミナなどのセラミック(硬い材料)を、溶射方式に
より溶着させ、その上に、前記樹脂のコーティングを行
い、摺擦層6を形成させるとことも有効である。なお、
形成する樹脂層の膜厚は、特に限定されるものではない
が、ある程度の耐久性を持たせるためには、少なくとも
10μm以上、必要であり、好ましくは20〜50μm
程度が良い。
【0057】なお、本発明の第1の実施の形態において
説明したように、本実施の形態においても、電子写真用
円筒部材は、感光ドラムをはじめとし、現像スリーブ、
搬送ローラー、定着ローラーなど、各種円筒部材に適用
できるものであり、例えば、図13の転写式写真装置の
感光ドラムとして有効である。なお、その使用態様は第
1の実施の形態と同様であるから、図13および図14
については、その説明を省略する。
【0058】
【実施例】
(第1の実施例)本発明による円筒部材の製法(第1の
実施の形態)を用いて、現像スリーブを作成した事例に
ついて、以下に説明する。現像スリーブ用の基体とし
て、アルミニウム合金製の引抜円筒素管を、図4(a)
に示したブレード3を用いて、以下の条件で、心無し研
削加工を行なった。 (ワーク) ・外径:φ16.10mm ・内径:φ14.8mm ・長さ:L=260mm ・材質:A3003 (研削条件) ・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.006mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.002mm/sec. ・粗研削代:0.10mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304(クレノートン社
製) ・研削砥石回転数:1100rpm (ブレード) ・形状:三角形状 ・頂点部のR:0.6mm ・溝深さ:h=3mm ・溝幅:b=4mm ・材質:超硬合金G10 研削加工後にワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本研
削した時の平均値は、真直度:2.2μm、真円度:
3.2μm、振れ:4.6μm、表面粗度:Ra=0.
4μmであった。また、ワークを取り出した後、ローラ
ーブレードの表面を観察したところ、ローラー表面に
は、融着物や付着物もなく、加工前と何等、変わらない
状態であった。
【0059】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も、上記のように、非常に良く、5000本の連続研削
においても、研削の進行に伴う精度の低下も認められ
ず、安定した加工精度が得られた。
【0060】次に、このようにして得られたワークに、
その後、所定の表面粗さを仕上げるために、以下の条件
でサンドブラスト加工を行った。 ・砥粒:昭和電工製 アランダム#100 ・吐出圧力:2.8kg/cm2 (27.44×103
Pa、27.44N/cm2 ) ・ノズル距離:120mm ・ブラスト時間:60秒(30秒×2回) ・回転数:60rpm さらに、ワークの円筒面に帯電付与性能を向上するため
に ・導電性カーボン:100重量部 ・グラファイト(平均粒径7μm):90重量部 ・フェノール樹脂:100重量部 とIPA(イソプロピルアルコール)溶剤を固形分35
%となるように混合し、ペイントシェーカーにガラスビ
ーズと共に入れ、5時間の分散を行って調成し、この塗
工液をエアースプレーガンにより円筒表面に吹き付け、
樹脂の摺擦層を形成し、このブレードを150℃の乾燥
炉に約30分間入れて、塗膜を熱硬化させた。次いで、
マグネットローラーをワーク内に挿入し、最後に、フラ
ンジ部材を圧入して現像スリーブを作製した。
【0061】上述の方法により、現像スリーブを作製
し、キャノン製レーザービームプリンターのプロセスカ
ートリッジに装着し、間欠による10000枚の画出し
評価を行った結果、ハーフトーン、ベタ黒いずれの画像
上も、ピッチムラなどの欠陥を発生していない状態であ
り、非常に良好な画像が得られた。
【0062】なお、振れの測定では、図7に示したよう
に、ワークの両端から5mmの位置を基準にワークを回
転させて、軸方向に5箇所の位置を、テストインジケー
ターを用いて測定し、その最大値を振れの値とした。ま
た、表面粗度:Raの測定は1本のワークについて、軸
方向に任意の3箇所、さらに、周方向に任意の3箇所を
測定し、全ての値の平均値をRaの値とした。 (第2の実施例)次に、図4(b)に示したブレードを
用いて、第1の実施例と同様にアルミニウム合金製の円
筒素管を研削加工した(この時の研削条件および加工す
るワーク形状は第1の実施例と同一である)。 (ブレード) ・形状:三角形状+深溝 ・頂点部のR:0.6mm ・溝深さ:h=5mm ・溝幅:b=2.5mm ・材質:超硬合金G10 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察行なった。その結果、連続5000本の平
均値は、真直度:1.9μm、真円度:2.5μm、振
れ:2.8μm、表面粗度:Ra0.5μmであった。
また、ワークを取り出した後、ローラーブレードの表面
を観察したところ、ローラー表面には融着物や付着物な
どもなく、加工前と何等変わらない状態であった。
【0063】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、第1の実施例と同様に、非常に良好な表面状態が得
られた。
【0064】このようにして得られた円筒部材に、その
後、第1の実施例と同様に、サンドブラスト処理、塗工
処理を行い、現像スリーブを作製した。そして、これを
キャノン製レーザービームプリンターのプロセスカート
リッジに装着し、間欠による10000枚の画出し評価
を行った。その結果、第1の実施例と同様に、ハーフト
ーン、ベタ黒いずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥
が認められず、非常に良好な画像が得られた。 (第3の実施例)次に、図4(c)に示したようなブレ
ードを用いて、第1の実施例と同様に、現像スリーブを
作製し、評価を行った。 (ワーク)…第1の実施例と同じ (研削条件)…第1の実施例と同じ (ブレード) ・形状:半円形状 ・頂点部のR:1.5mm ・溝深さ:h=5mm ・溝幅:b=2mm ・材質:超硬合金G10 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:2.3μm、真円度:3.5μm、
振れ:3.7μm、表面粗度:Ra0.5μmであっ
た。また、ワークを取り出した後、ローラーブレードの
表面を観察したところ、ローラー表面には融着物や付着
物などもなく、加工前と何等変わらない状態であった。
【0065】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、第1の実施例と同様に、非常に良好な表面状態が得
られた。
【0066】このようにして得られた円筒部材に、その
後、第1の実施例と同様に、サンドブラスト処理、塗工
処理を行い、現像スリーブを作製した。そして、これを
キャノン製レーザービームプリンターのプロセスカート
リッジに装着し、間欠による10000枚の画出し評価
を行った。その結果、実施例1と同様に、ハーフトー
ン、ベタ黒いずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥を
認めることができず、非常に良好な画像が得られた。 (第4の実施例)本発明による円筒部材の製法(第1の
実施の形態)を用いて、感光ドラムを作成する事例につ
いて、以下に説明する。ここでは、感光ドラム用の基体
として、アルミニウム合金製の引抜円筒素管を、図4
(a)に示したブレードを用いて、以下の条件で、心無
し研削加工を行なった。 (ワーク) ・外径:φ24.12mm ・内径:φ22.5mm ・長さ:L=260mm ・材質:A3063 (研削条件) ・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.006mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.002mm/sec. ・粗研削代:0.12mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304(クレノートン社
製) ・研削砥石回転数:1200rpm (ブレード) ・形状:三角形状 ・頂点部のR:0.6mm ・溝深さ:h=3mm ・溝幅:b=4mm ・材質:超硬合金G10 研削加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真
直度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均
粗さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、
測定および観察を行なった。その結果、連続5000本
を研削した時の平均値は、真直度:2.0μm、真円
度:2.8μm、振れ:3.1μm、表面粗度:Ra=
0.6μmであった。また、ワークを取り出した後、ブ
レードの表面を観察したところ、ブレード表面には、融
着物や付着物などもなく、加工前となんら変わるところ
がなかった。
【0067】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って微細なスクラッチなどの発生を全く認めること
がなく、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工
精度も非常に良く、5000本の連続研削においても、
研削の進行に伴う精度の低下もみられず、安定した加工
精度が得られた。
【0068】そして、得られた基体としての円筒部材上
に、カゼインのアンモニア水溶液(カゼイン:11.2
g、28%のアンモニア水:1g、水:222ml)を
浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、塗工量1.0
g/cm2 の下引層を形成した。次に、アルミニウムク
ロライドフタロシアニン:1重量部、ブチラール樹脂
(商品名:エスレックBM−2/積水化学(株)製):
1重量部、イソプロピルアルコール:30重量部を、ボ
ールミル分散機で4時間分散し、この分散液を下引層の
上に、浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、電荷発
生層を形成した。この時の膜厚は0.3μmであった。
【0069】次に、ヒドラゾン化合物:1重量部、ポリ
スルフォン樹脂(商品名:P1700/ユニオンカーバ
イト社製):1重量部、モノクロルベンゼン:6重量部
を混合し、撹拌機で撹拌し、溶解して、この液を電荷発
生層の上に、浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、
電荷輸送層を形成した。この時の膜厚は12μmであっ
た。
【0070】このようにして作成した感光体と、ポリア
セタール樹脂(商品名:「ジュラコンM90−02」ポ
リプラスチック(株)製コポリマー)とを、射出成形に
より作成したドラムギアに結合し、感光ドラムを構成し
た。この感光ドラムを、キャノン製レーザービームプリ
ンターのプロセスカートリッジに装着し、間欠による1
0000枚の画出し評価を行った。その結果、第1の実
施例と同様に、ハーフトーン、ベタ黒いずれの画像上
も、ピッチムラなどの欠陥がなく、非常に良好な画像が
得られた。 (比較例)次に、本発明に係わる第1の実施の形態にお
ける、第1ないし第4の実施例と対比するために、図1
1を用いて、先ず、比較例1について説明する。ここで
採用されるブレードは、従来からの一般的なブレードで
ある。即ち、ブレード材質:超硬、ブレード先端角度:
θ=60°であり、ワーク当接面には研磨加工を施して
おり、表面粗度:Ra=0.3μmである。
【0071】このブレードを有する心無し研削装置を用
いて、第1の実施例と同一の加工条件により、現像スリ
ーブ用円筒部材を研削加工し、その結果を評価した。即
ち、その結果によれば、研削開始後、僅か5本目で、ワ
ーク表面の全周に亘って、スクラッチが発生した。従っ
て、途中で連続の加工を中止して、目視にて、ブレード
表面を観察したところ、ブレード表面の、ワークとの摺
動部には、図12に示すように、アルミニウムの微細な
切粉の融着物が発生していた。そして、ワーク表面のス
クラッチが発生した位置と、ブレード上に発生した融着
物の位置との関係を調べてみると、両者の位置が対応し
ていることが解った。このようにして、スクラッチが発
生し、ワーク表面に傷が発生しているので、現像スリー
ブとして使用することは困難であると判断し、製作を中
止した。
【0072】次に、心無し研削装置ではなく、普通の旋
盤を用いて、円筒部材を作成した比較例2について説明
する。加工手順としては、先ず、第1の実施例1で使用
したものと同じアルミニウム素管を、ワークとして、旋
盤にチャッキングして、これを3000rpmの回転数
にて回転させ、送り速度:5mm/sec.で、ワーク
の軸方向にバイトを送りながら、精密切削加工を行い、
現像スリーブ用円筒部材を作成した。 (ワーク)…第1の実施例と同じ (切削条件)…切削装置:精密旋盤 ・切削工具:粗(焼結ダイヤモンド、工具ノーズ半径
0.05mm、すくい角10°) ・切り込み量:粗(0.15mm)、仕上げ(0.02
mm) ・ワーク回転数:3000rpm ・工具送り速度:5mm/sec(粗、仕上げとも) 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、真直度:15μ
m、真円度:10μm、振れ:27μm、表面粗度:
0.4μmであった。また、ワーク洗浄した後に、目視
にて、加工表面を観察したところ、微細なスクラッチな
どの発生が全く認められず、良好な表面状態が得られて
いた。
【0073】こうして得られた円筒部材に、その後、第
1の実施例と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を
行い、現像スリーブを作成した。そして、これをキャノ
ン製レーザービームプリンターのプロセスカートリッジ
に装着し、間欠的な作業順序で、10000枚の画出し
評価を行った。その結果、ハーフトーンの画像におい
て、スリーブ周期の濃度ムラ(ピッチムラ)が顕著に発
生した。また、ベタ黒画像においても、軽微なピッチム
ラが確認された。
【0074】以上、第1ないし第4の実施例および比較
例1および2までの結果をまとめて表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】(第5の実施例)本発明の第2の実施の形
態におけるブレードを用いて、電子写真用円筒部材とし
ての現像スリーブを作成した事例について、以下に説明
する。ここでは、ポリベンゾイミダゾール(PBI)樹
脂をN,N−ジメチルアセトアミドに、その樹脂濃度が
10%になるように希釈し、塗料化し、これを超硬合金
製のブレードの摺面に、スプレー法によりコーティング
して、樹脂層(摺擦層)を形成した。そして、約300
℃の酸化雰囲気中で、2時間乾燥させて、塗膜を硬化さ
せた。この時の樹脂層の膜厚は30μmであった。
【0077】このブレードを用いた心無し研削装置によ
り、現像スリーブ用の基体としたアルミニウム合金製の
引抜円筒素管を、以下の条件で、心無し研削加工した。 (ワーク) ・外径:φ20.15mm ・内径:φ18.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件) ・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304(クレノートン社
製) ・研削砥石回転数:1250rpm (ブレード) ・母材材質:超硬合金G10 ・樹脂層材質:ポリベンゾイミダゾール(PBI) ・樹脂層膜厚:30μm 研削加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真
直度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均
粗さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、
測定および観察を行なった。その結果、連続5000
本、研削したときの平均値は、真直度:2.2μm、真
円度:3.2μm、振れ:4.6μm、表面粗度:Ra
=0.4μmであった。また、ワークを取り出した後、
ブレードの表面を観察したところ、ブレード表面には、
融着物や付着物などが認められなかった。
【0078】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も上記のように、非常に良く、5000本の連続研削に
おいても、研削の進行に伴う精度の低下もみられず、安
定した加工精度が得られた。
【0079】次に、こうして得られたワークに、その
後、所定の表面粗さを仕上げるために、以下の条件で、
サンドブラスト加工を行った。
【0080】・砥粒:昭和電工製 アランダム#100 ・吐出圧力:2.8kg/cm2 (27.44×103
Pa、27.44N/cm2 ) ・ノズル距離:120mm ・ブラスト時間:60秒(30秒×2回) ・回転数:60rpm さらに、ワークの円筒面に帯電付与性能を向上するため
に、導電性カーボン:100重量部、グラファイト(平
均粒径7μm):90重量部、フェノール樹脂:100
重量部と、IPA(イソプロピルアルコール)溶剤と
を、固形分35%となるように混合し、ペイントシェー
カーにガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行って
調成し、この塗工液を、エアースプレーガンにより、円
筒表面に吹き付け、樹脂の摺擦層を形成した。そして、
150℃の乾燥炉に、ワーク(円筒部材)を約30分間
入れて、その表面の塗膜を熱硬化させた。次いで、マグ
ネットローラーをワーク内に挿入し、最後にフランジ部
材を圧入して現像スリーブを作成した。
【0081】上述の方法により、作成した現像スリーブ
を、キャノン製レーザービームプリンターのプロセスカ
ートリッジに装着し、間欠的な作業順序で、10000
枚の画出し評価を行った。その結果、ハーフトーン、ベ
タ黒いずれの画像上もピッチムラなどの欠陥を発生する
ことなく、非常に良好な画像が得られた。
【0082】なお、振れの測定は、図7に示したよう
に、ワークの両端から5mmの位置を基準にワークを回
転させて、軸方向に5箇所の位置を、テストインジケー
ターを用いて測定し、その最大値を振れの値とした。ま
た、表面粗度:Raの測定は、1本のワークについて、
軸方向に任意に3箇所、さらに、周方向に任意に3箇所
を測定し、全ての値の平均値をRaの値とした。 (第6の実施例)次に、ブレードの樹脂層(摺擦層)の
材質を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とし
た以外は、第5の実施例と同様に、これを採用した研削
装置で、アルミニウム合金製の円筒素管を研削加工し、
同様に評価を行った(この時の研削条件および加工する
ワーク形状は、第5の実施例と同一である)。 (ブレード) ・母材材質:超硬合金G10 ・樹脂層材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E) ・樹脂層膜厚:30μm 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:1.9μm、真円度:2.5μm、
振れ:2.8μm、表面粗度:Ra0.5μmであっ
た。 (第7の実施例)次に、ブレードの樹脂層(摺擦層)の
材質を、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)とした以外は、第5の実施例
と同様に、これを採用した研削装置で、アルミニウム合
金製の円筒素管を研削加工し、同様に評価を行った(こ
の時の研削条件および加工するワーク形状は、第5の実
施例と同一である)。 (ブレード) ・母材材質:超硬合金G10 ・樹脂層材質:テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP) ・樹脂層膜厚:30μm 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:1.9μm、真円度:2.5μm、
振れ:2.8μm、表面粗度:Ra0.5μmであっ
た。 (第8の実施例)次に、ブレードの樹脂層(摺擦層)の
材質を、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニールエーテル共重合体(PFA)とした以外は、
第5の実施例と同様に、これを採用した研削装置で、ア
ルミニウム合金製の円筒素管を研削加工し、同様に評価
を行った(この時の研削条件および加工するワーク形状
は、第5の実施例と同一である)。 (ブレード) ・母材材質:超硬合金G10 ・樹脂層材質:テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニールエーテル共重合体(PFA) ・樹脂層膜厚:30μm 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:1.9μm、真円度:2.5μm、
振れ:2.8μm、表面粗度:Ra0.5μmであっ
た。 (第9の実施例)次に、ブレードの樹脂層(摺擦層)の
材質を、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体
(ETFE)とした以外は、第5の実施例と同様に、こ
れを採用した研削装置で、アルミニウム合金製の円筒素
管を研削加工し、同様に評価を行った(この時の研削条
件および加工するワーク形状は、第5の実施例と同一で
ある)。 (ブレード) ・母材材質:超硬合金G10 ・樹脂層材質:テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE) ・樹脂層膜厚:30μm 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:1.9μm、真円度:2.5μm、
振れ:2.8μm、表面粗度:Ra0.5μmであっ
た。
【0083】なお、上述の第6ないし第9の実施例にお
いては、いずれも、第5の実施例の場合と同様に、ワー
クを取り出した後、ブレードの表面を観察したところ、
ブレード表面には融着物や付着物などが認められなかっ
た。
【0084】その後に、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、第5の実施例と同様に、非常に良好な表面状態が得
られた。
【0085】こうして得られた円筒部材に、その後、第
5の実施例と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を
行い、現像スリーブを作成した。そして、これを、キャ
ノン製レーザービームプリンターのプロセスカートリッ
ジに装着し、間欠的な作業順序で、10000枚の画出
し評価を行った。その結果、第5の実施例と同様に、ハ
ーフトーン、ベタ黒いずれの画像上もピッチムラなどの
欠陥を発生することなく、非常に良好な画像が得られ
た。 (第10の実施例)次に、本発明による円筒部材の製法
(第2の実施の形態)を用いて、感光ドラムを作成した
事例について、以下に説明する。ここでは、感光ドラム
用の基体として、アルミニウム合金製の引抜円筒素管
を、第5の実施例にて使用したブレードを用いて、以下
の条件で、心無し研削加工を行なった。 (ワーク) ・外径:φ30.15mm ・内径:φ28.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件) ・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304(クレノートン社
製) ・研削砥石回転数:1250rpm (ブレード) ・母材材質:超硬合金G10 ・樹脂層材質:ポリベンゾイミダゾール(PBI) ・樹脂層膜厚:30μm 研削加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真
直度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均
粗さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、
測定および観察を行なった。その結果、連続5000
本、研削したときの平均値は、真直度:2.0μm、真
円度:2.8μm、振れ:3.1μm、表面粗度:Ra
=0.6μmであった。また、ワークを取り出した後、
ブレードの表面を観察したところ、ブレード表面には融
着物や付着物などが認められなかった。
【0086】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も非常に良く、5000本の連続研削においても、研削
の進行に伴う精度の低下がみられず、安定した加工精度
が得られた。
【0087】そこで、得られた基体としての円筒部材上
に、カゼインのアンモニア水溶液(カゼイン:11.2
g、28%のアンモニア水:1g、水:222ml)を
浸漬コーティング法で、塗工し、乾燥して、塗工量1.
0g/m2 の下引層を形成した。
【0088】次に、アルミニウムクロライドフタロシア
ニン:1重量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレック
BM−2/積水化学(株)製):1重量部、イソプロピ
ルアルコール:30重量部を、ボールミル分散機で、4
時間分散した。この分散液を、下引層の上に、浸漬コー
ティング法で塗工し、乾燥して、電荷発生層を形成し
た。この時の膜厚は0.3μmであった。
【0089】次に、ヒドラゾン化合物:1重量部、ポリ
スルフォン樹脂(商品名:P1700/ユニオンカーバ
イト社製):1重量部、モノクロルベンゼン:6重量部
を、混合し、撹拌機で撹拌、溶解した。この液を電荷発
生層の上に、浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、
電荷輸送層を形成した。この時の膜厚は12μmであっ
た。
【0090】このようにして作成した感光体とポリアセ
タール樹脂(商品名:「ジュラコンM90−02」ポリ
プラスチック(株)製コポリマー)とを、射出成形によ
り作成したドラムギアに結合し、感光ドラムを構成し
た。この感光ドラムを、キャノン製レーザービームプリ
ンターのプロセスカートリッジに装着し、間欠的な作業
順序で、10000枚の画出し評価を行った。その結
果、第5の実施例と同様に、ハーフトーン、ベタ黒いず
れの画像上も、ピッチムラなどの欠陥が発生せず、非常
に良好な画像が得られた。 (比較例)次に、本発明に係る第2の実施の形態におけ
る、第5ないし第10の実施例と対比するために、既に
引用した図11のブレードを用いて、比較例3について
説明する。このブレードを有する心無し研削装置を用い
て、第5の実施例と同一の加工条件により、現像スリー
ブ用円筒部材を研削加工し、評価を行なった。
【0091】その結果、研削開始後、わずか5本目で、
ワーク表面全周にわたって、スクラッチが発生した。途
中で、加工を中止して、目視にて、ブレード表面を観察
したところ、ブレード表面の、ワークとの摺動部には、
図7に示すように、アルミニウムの微細な切粉の融着物
が発生していた。そして、ワーク表面のスクラッチが発
生した位置とブレード上に発生した融着物の位置との関
係を調べてみると、両者の位置が対応していることが解
った。そこで、スクラッチが発生し、ワーク表面に傷が
発生したことから、現像スリーブとして使用することは
困難であると判断し、ここで、製作を中止した。
【0092】次に、心無し研削装置ではなく、普通の旋
盤を用いて、円筒部材を作成した比較例4について説明
する。加工手順としては、まず、第5の実施例で使用し
たものと同じアルミニウム素管を、ワークとして、旋盤
にチャッキングして、3000rpmの回転数にて回転
させ、送り速度:5mm/sec.で、ワークの軸方向
にバイトを送りながら、精密切削加工を行い、現像スリ
ーブ用円筒部材を作製した。 (ワーク)…第5の実施例と同じ (切削条件)…切削装置:精密旋盤 ・切削工具:粗(焼結ダイヤモンド、工具ノーズ半径
0.05mm、すくい角10°) ・切り込み量:粗(0.15mm)、仕上げ(0.02
mm) ・ワーク回転数:3000rpm ・工具送り速度:5mm/sec(粗、仕上げとも) 加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、真直度:15μ
m、真円度:10μm、振れ:27μm、表面粗度:
0.4μmであった。
【0093】また、ワーク洗浄した後に、目視にて、加
工表面を観察したところ、微細なスクラッチなどの発生
が全く認められず、良好な表面状態が得られていた。
【0094】こうして得られた円筒部材に、その後、第
5の実施例と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を
行い、現像スリーブを作成した。そして、これをキャノ
ン製レーザービームプリンターのプロセスカートリッジ
に装着し、間欠的な作業順序で、10000枚の画出し
評価を行った。その結果、ハーフトーンの画像におい
て、スリーブ周期の濃度ムラ(ピッチムラ)が顕著に発
生した。また、ベタ黒画像においても、軽微なピッチム
ラが確認された。
【0095】以上の第5の実施例ないし第10の実施
例、および、比較例3および4までの結果をまとめて表
2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果を奏する。即ち、円筒面が高い形状精度
に仕上げられており、しかも、従来は高精度な研削加工
が困難であったアルミニウムや黄銅などの、軟質金属材
料の心無し研削加工において、スクラッチの発生を防止
し、非常に高い表面精度を得ることができる。このよう
な円筒部材を、電子写真用の現像スリーブや感光ドラム
の基体として用いれば、円筒面の真円度、真直度および
表面精度が極めて高く、従って、円筒面の凹凸などによ
って、画質を低下させるおそれがない上に、振れが小さ
いために、安定して回転する、高性能な現像スリーブや
感光ドラムを得ることが容易である。その結果、高い画
質の画像を安定して得ることのできる画像形成装置を、
容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による心無し研削装
置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるブレードを使
用した研削加工時の様子を示した図である。
【図3】同じく、上記ブレードにおける切り粉、研削液
の排出の様子を示した図である。
【図4】同じく、上記ブレード形状の応用例と各部の寸
法関係を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による心無し研削装
置の概略構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるブレードの断
面図である。
【図7】円筒部材の振れ測定方法を示した図である。
【図8】従来の心無し研削装置の概略構成図である。
【図9】スクラッチが発生した被加工物表面およびブレ
ード表面に融着した様子を示した図である。
【図10】スクラッチ発生のメカニズムを示した図であ
る。
【図11】比較例の超硬合金製のブレードの概略図であ
る。
【図12】本発明における円筒部材を使用した転写式電
子写真装置の概略構成図である。
【図13】本発明における円筒部材を用いた電子写真装
置をプリンターとして使用したファクシミリのブロック
図である。
【符号の説明】
1 研削砥石 2 調整砥石 3 ブレード 4 被加工物(円筒部材:ワーク) 5 ブレードベース

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削砥石と調整砥石の間に被加工物を支
    持するブレードを有し、前記ブレードと研削砥石と調整
    砥石との3点で、被加工物である電子写真用円筒部材を
    支持しながら、研削加工を行う心無し研削装置におい
    て、前記ブレードが、前記被加工物の軸線方向に点接触
    する多数の接触部を有する形状を持ち、かつ、各接触部
    の頂点にラウンドを形成しているブレードであることを
    特徴とする電子写真用円筒部材の研削装置。
  2. 【請求項2】 前記ラウンドは、曲率半径が0.2ない
    し2.0mm、好ましくは、0.5ないし0.8mmで
    あることを特徴とする電子写真用円筒部材の研削装置。
  3. 【請求項3】 研削砥石と調整砥石の間に被加工物を支
    持するブレードを有し、前記ブレードと研削砥石と調整
    砥石との3点で、被加工物である電子写真用円筒部材を
    支持しながら、研削加工を行う心無し研削装置におい
    て、前記ブレードが、被加工物と接触する摺接面に樹脂
    をコーティングして、所要厚さの摺擦層を形成している
    ことを特徴とする電子写真用円筒部材の研削装置。
  4. 【請求項4】 前記摺擦層の厚さは、10μm以上、好
    ましくは、20ないし50μmであることを特徴とする
    請求項3に記載の電子写真用円筒部材の研削装置。
  5. 【請求項5】 前記摺擦層の樹脂がポリベンゾイミダゾ
    ールであることを特徴とする請求項3記載の電子写真用
    円筒部材の研削装置。
  6. 【請求項6】 前記摺擦層の樹脂がポリテトラフルオロ
    エチレンであることを特徴とする請求項3記載の電子写
    真用円筒部材の研削装置。
  7. 【請求項7】 前記摺擦層の樹脂がテトラフルオロエチ
    レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であることを
    特徴とする請求項3記載の電子写真用円筒部材の研削装
    置。
  8. 【請求項8】 前記摺擦層の樹脂がテトラフルオロエチ
    レン−パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体
    であることを特徴とする請求項3記載の電子写真用円筒
    部材の研削装置。
  9. 【請求項9】 前記摺擦層の樹脂がテトラフルオロエチ
    レン−エチレン共重合体であることを特徴とする請求項
    1記載の電子写真用円筒部材の研削装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9の何れかに記載の研
    削装置によって研削される、被加工物としての円筒部材
    の材質が、アルミニウムまたはアルミニウム合金である
    ことを特徴とする電子写真用円筒部材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048155A (ja) * 2001-08-03 2003-02-18 Clariant (Japan) Kk 化学的機械的研磨装置用ウェハー保持リング
JP2012129257A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 立体的回路基板の製造方法
JP2013215822A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Ngk Spark Plug Co Ltd センタレス研削装置
CN114002260A (zh) * 2021-11-04 2022-02-01 江苏富乐华半导体科技股份有限公司 一种dpc陶瓷镀铜基板结合力检测方法

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