JP3406939B2 - 円筒部材の製法 - Google Patents

円筒部材の製法

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JP3406939B2 JP11051394A JP11051394A JP3406939B2 JP 3406939 B2 JP3406939 B2 JP 3406939B2 JP 11051394 A JP11051394 A JP 11051394A JP 11051394 A JP11051394 A JP 11051394A JP 3406939 B2 JP3406939 B2 JP 3406939B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は複写機、プリンタ、ファ
クシミリ、印刷機等の画像形成装置における電子写真用
の感光ドラムや現像スリーブ等の基体となる円筒部材
製法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、レーザビ
ームプリンタ、ファクシミリ、印刷機等の画像形成装置
における電子写真用の感光ドラムや現像スリーブ等は、
その基体として表面が高い形状精度(真円度、真直度お
よび面精度)で所定の表面粗さに仕上げられた円筒部材
を用いる。電子写真用感光ドラムはこのように仕上げら
れた円筒部材の表面に感光膜を施すことによって製造さ
れるが、円筒部材の形状精度が低くて表面に起伏があっ
たり真円度や真直度が充分でないと感光膜に凹凸が生
じ、このために画像形成装置の画像に様々な欠陥が発生
する。従って、精度の高い画像形成装置を得るために
は、まず、円筒部材の表面を起伏のない円筒面に加工す
ることが要求され、また、表面粗さや真直度および真円
度にも極めて高い精度が必要である。 【0003】また、電子写真法や静電記録法等によって
感光ドラムの感光膜等の潜像担持体上に形成された潜像
は、現像スリーブに担持されて潜像担持体の表面に運ば
れる現像剤によって顕像化されるが、一成分、二成分現
像剤、磁性、非磁性現像剤、さらには絶縁性、誘電性現
像剤を問わず、これら現像剤を担持して搬送する現像ス
リーブにも表面粗さ、真直度および真円度等に極めて高
い精度が必要である。 【0004】一般に係る円筒部材の材料には、純度9
9.5%以上のAlや0.05〜0.20%のCuを含
むCu−Al合金や、0.05〜0.20%のCuと
1.0〜1.5%のMnを含むCu−Mn−Al合金、
あるいは0.20〜0.60%のSiと0.45〜0.
90%のMgを含むSi−Mg−Al合金等が用いら
れ、これら材料を押出、引抜工程を経て、ある程度の形
状精度にする。しかし、このようなアルミ引抜円筒のま
までは曲がりが大きく残っているため通常はこの後ロー
ル矯正等を行い所望の形状精度にまで仕上げる必要があ
る。その後所定の長さに切断し、両端部のバリ除去、端
面精度の向上の目的で切削加工により端部を仕上げる。 【0005】また、現像スリーブの場合、こうしてでき
た円筒部材に現像スリーブとしての機能を持たせるため
に円筒面にサンドブラスト加工等を行い表面を粗面化し
て現像剤(トナー)の搬送性を高めたり、サンドブラス
ト加工を施したうえで、前記円筒面のトナーの帯電付与
性を向上させる目的で、熱硬化性樹脂に導電性カーボン
を分散した塗料をスプレー塗布し、約150℃〜170
℃の高温槽で20〜30分間乾燥硬化させて塗膜を形成
させるのが一般的である。 【0006】図13は、一従来例による現像スリーブの
製法を示すもので、前述の方法で(a)に示すようなア
ルミ引抜円筒からなる円筒部材101を製作し、(b)
に示すようにその一端に第1のフランジ部材102を圧
入して結合させ、サンドブラスト加工等のブラスト工程
と導電性塗料の塗工工程を経て、(c)に示すようにマ
グネットローラー103を挿入し、続いて円筒部材10
1の他端に(d)に示すように第2のフランジ部材10
4を圧入して結合させ、(e)に示すような現像スリー
ブを完成する。なお、マグネットローラー103は使用
する現像剤(トナー)が磁性トナーであるときにこれを
磁力によって現像スリーブの表面に吸着させるために用
いる。第1のフランジ部材102の軸部102bは現像
スリーブを回転させる回転機構の駆動軸に結合され、第
2のフランジ部材104の軸部104bは前記駆動軸と
反対側で現像スリーブを支持する軸受の軸頸(ジャーナ
ル)を構成する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術によれば以下のような問題があった。 【0008】基体となる円筒部材にロール矯正を行った
後に、両フランジ部材を後から結合させるために、各フ
ランジ部材と円筒部材との同軸度が著しく低い。つま
り、個別に製作された円筒部材とフランジ部材という単
部品どうしの結合であるために結合精度にも限界があ
り、特に電子写真装置等に使用されるような高精度な円
筒部材としては不適であった。フランジ部材は、円筒部
材を駆動軸に連結するための軸部やその反対側で軸受の
軸頸(ジャーナル)となる軸部を構成するものであるた
め、両フランジ部材の結合精度が悪いと、現像スリーブ
や感光ドラムを回転させたときに大きな振れが発生し、
画像上に現像スリーブの回転と同じ周期の濃度むらとな
って表われる。 【0009】このような欠点を補う方法として図14に
示す方法が提案されている。 【0010】すなわち、前述の方法で(a)に示すよう
なアルミ引抜円筒からなる円筒部材201を製作し、
(b)に示すようにその一端に第1のフランジ部材20
2を圧入して結合させ、(c)に示すようにマグネット
ローラー203を挿入し、続いて円筒部材201の他端
に(d)に示すように第2のフランジ部材204を圧入
して結合させ、(e)に示すような円筒部材201と両
フランジ部材202,204を一体化したものをまず完
成させ、続いて(f)に示すように旋盤205等によっ
て円筒部材201の表面と各フランジ部材202,20
4の軸部202b,204bの表面を切削して所定の表
面粗さに仕上げたのち、円筒部材201の表面にブラス
ト処理を施し、続いて塗工を行う。 【0011】この方法であれば、フランジ部材と円筒部
材の円筒面との同軸度は旋盤の加工精度に依存するので
比較的容易に同軸度の高いものが得られる。 【0012】しかし、この方法も次のような欠点があ
る。例えば、塗工した後の乾燥工程においてマグネット
ローラーが組み込まれた円筒部材が150〜170℃の
高温下におかれたとき、その熱によりマグネットローラ
ーが変形を起こし、円筒部材の内部で大きく曲がりその
内面に接触するという問題がある。マグネットローラー
が変形することで磁力曲線が狂ったり、円筒部材の内面
に接触することで現像スリーブの回転挙動に影響を与え
るために画像上に大きな影響を及ぼす。 【0013】また、旋盤等による切削加工の際、円筒部
材の内部にマグネットローラーを挿入しているため、切
削加工において円筒部材を高速度で回転させると振動が
発生しやすい。従って回転数を約3,000rpm以下
に限定せざるを得ず、切削工程の高速化が困難であり、
その結果、全体の加工サイクルタイムが長くなり、製造
コストが上昇する。 【0014】また、その他の問題点としてブラストによ
る現像スリーブの変形がある。ブラスト加工はノズルか
ら噴射される超高速の圧縮気体流に砥粒(研磨剤)をの
せて現像スリーブの表面を激しく叩きつけるため、その
表面に非常に大きな衝撃力が発生し、この衝撃力により
現像スリーブが全体的に大きく変形してしまうという問
題がある。従って、あらかじめブラストによる変形量を
見込んで、ブラスト前の円筒部材の真円度、真直度の精
度を厳しい規格値に設定する必要があり、そのため歩止
りが悪く、従ってコスト高であるという問題があった。 【0015】本発明は、上記従来の有する問題点に鑑み
てなされたものであって、円筒面が高い形状精度に仕上
げられており、しかも円筒面と軸部の同軸度が極めて高
く回転中に大きな振れを生じるおそれのない安価な円筒
部材製法を提供することを目的とするものである。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
本発明の円筒部材の製法は、筒状の本体と該本体
一端に結合された軸部材を有するワークを製作し、該ワ
ークの前記本体と前記軸部材のそれぞれの表面を互に一
体的に回転する第1および第2のセンタレス研削手段に
よってそれぞれ削すると同時に前記本体の内面の所定
の端部を内面研削手段によって研削する工程を有し、前
記本体の表面の研削を、前記軸部材の研削と前記本体の
前記内面の所定の端部の研削とが開始される前に開始す
ことを特徴とする。 【0017】 【作用】センタレス研削は他の研削方法や旋盤による切
削のようにスピンドルによるセンタリングを必要とせ
ず、ワーク本体と軸部材の間の同軸度が低くても回転が
不安定になるおそれがないために両者を高い形状精度
(真円度および面精度)に加工できる。加えて、第2の
センタレス研削手段による軸部材の研削が開始される前
に第1のセンタレス研削手段による本体の研削を開始
し、第1のセンタレス研削手段によるワークのセンタリ
ングを正確に行い、ワークの回転が安定したのちに第2
のセンタレス研削手段による研削を開始すれば、ワーク
の本体と軸部材のセンタレス研削はともに極めて安定し
た回転のもとで行われ、研削中のワークの振動や軸ぶれ
のためにワークの表面が荒れるおそれがない。その結
果、ワークの本体と軸部材を高い形状精度に安定して加
工できるため生産性が高い。また、第1および第2の研
削手段が一体的に回転するものであるためワークの本体
と軸部材の間には極めて高い同軸度を得ることができ
る。その結果、高い形状精度を有しかつ振れが小さくて
しかも安価な円筒部材を実現できる。 【0018】また、筒状の本体とその一端に結合された
軸部材を有するワークを製作し、該ワークの前記本体と
前記軸部材のそれぞれの表面を互に一体的に回転する第
1および第2のセンタレス研削手段によってそれぞれ所
定の形状精度に研削すると同時に前記本体の内面の所定
の端部を内面研削手段によって所定の形状精度に研削す
ることによって得られた振れの小さい円筒部材であれ
ば、ワークの軸部材と本体の表面と該本体の内面の所定
の端部とを極めて高い同軸度で研削できるため、第2の
軸部材を本体の内面に結合させたとき、第1および第2
の軸部材と本体の3者間に極めて高い同軸度を実現し、
円筒部材を回転させたときの振れを一層大幅に低減でき
る。 【0019】 【実施例】本発明の実施例を図面に基いて説明する。 【0020】図1は本発明による円筒部材の製法を用い
た現像スリーブの製造工程を示すもので、まず(a)に
示すようにアルミニウム管材を押出によって所定の外径
寸法に縮小し、所定の長さに切断した本体である筒状体
1を用意する。 【0021】該筒状体1の一端1aに、(b)に示すよ
うに円筒部材の駆動側の軸部となる第1の軸部材である
フランジ部材2のフランジ部2aを圧入して両者を一体
的に結合させ、筒状体1とフランジ部材2からなるワー
クWを製作する。結合方法は、圧入以外に公知の接着、
カシメ等いずれでもよい。 【0022】続いて、(c)に示すように、互に一体的
に回転する第1および第2のセンタレス研削手段を構成
する段付き外面研削砥石G1 によってワークWの筒状体
1の表面である円筒面(以下、「ワークの円筒面」とも
いう)1bと第1のフランジ部材2の軸部(以下、「ワ
ークの軸部」ともいう)2bを研削し、その工程中に筒
状体1の内面のうちで他端に隣接する所定の端部(以
下、「内端面」という)1cを内面研削手段である内面
研削砥石G2 によって研削することで、ワークWの円筒
面1bと軸部2bと内端面1cを同時にそれぞれ所定の
表面粗さに加工する。公知のアニール処理を施したの
ち、後述するようにブラスト処理と導電性塗膜の塗工を
行う。 【0023】次いで、(d)に示すように、マグネット
ローラー3をワークWに挿入し、(e)に示すように、
ワークWの内端面1cに円筒部材の他端の軸部となる第
2の軸部材であるフランジ部材4のフランジ部4aを圧
入して一体的に結合させて(f)に示すような現像スリ
ーブQを完成する。 【0024】図2は図1の(c)に示す研削工程に用い
る研削装置Eを示すもので、これは、前述の段付き外面
研削砥石G1 および内面研削砥石G2 と、両者を個別に
回転駆動するモータD1 ,D2 と、調整砥石Cと、これ
を回転させるモータRと、段付き外面研削砥石G1 と調
整砥石Cの間に配設されたブレードBを有し、ワークW
は、筒状体1の円筒面1bを支持するブレードBと調整
砥石Cによってその中心軸に沿って保持され、調整砥石
Cの回転によっていわゆるつれ回り回転(接触回転)さ
れる。 【0025】段付き外面研削砥石G1 を回転させるモー
タD1 は、これとともに段付き外面研削砥石G1 を径方
向に送る径方向送り装置F1 に搭載され、内面研削砥石
2を回転させるモータD2 は、内面研削砥石G2 とと
もにテーブルT2 に支持され、テーブルT2 は図示しな
いテーブル駆動装置によって調整砥石Cの軸方向に進退
自在である。 【0026】段付き外面研削砥石G1 は図3に示すよう
に、ワークWの円筒面1bの長さより長尺である小径部
1 とワークWの軸部2bの長さより長尺である大径部
2を有し、ワークWの研削工程中に軸送りを必要とせ
ずにその全長を研削できるように構成されている。ま
た、小径部S1 と大径部S2 の間に成形される段差Sの
径方向の寸法はワークWの円筒面1bと軸部2bの径方
向の仕上げ寸法の差に等しく設定される。 【0027】次に、研削装置EによるワークWの研削工
程を説明する。 【0028】まず、ワークWを構成する筒状体1と第1
のフランジ部材2をそれぞれ個別に製作するときに筒状
体1の円筒面1bの研削代X1 と第1のフランジ部材2
の軸部2bの研削代X2 が以下の関係を満足するように
配慮する。 【0029】 X1 >X2 ・・・・・(1) 図1の(b)に示す組立工程を経たワークWを研削装置
EのブレードBと調整装置Cに支持させ、図4に示すよ
うに段付き外面研削砥石G1 を回転させながら所定の送
り速度で径方向へ移動させてまず粗研削を行い、次いで
送り速度を落として仕上げ研削を行うことでワークWの
円筒面1bと軸部2bを所定の表面粗さに仕上げる。ワ
ークWの円筒面1bの研削代X1 と軸部2bの研削代X
2 は式(1)に示すように設定されているため、前記粗
研削の初期には、図4の(a)に示すように、まず、段
付き外面研削砥石G1 の小径部S1 のみがワークWの円
筒面1bの全長に接触することで円筒面1bの粗研削と
ともにワークWの正確なセンタリング(心出し)が行わ
れ、その後に大径部S2 が軸部2bの粗研削を開始す
る。従って、以後の粗研削および仕上研削によるワーク
Wの仕上げは軸振れ等を発生させることなく円滑に行わ
れる。 【0030】このようにして、ワークWの円筒面1bと
軸部2bはセンタレス研削によって極めて高い形状精度
に安定して加工され、しかも円筒面1bと軸部2bの間
には極めて高い同軸度が保証される。 【0031】実験によれば、円筒面1bの研削代X
1 と、軸部2bの研削代X2 の差は20〜100μm、
できれば50〜80μmに設定するのが望ましいことが
判明した。さらに、前述の粗研削における径方向の送り
速度は20μm/sec以下、仕上げ研削における送り
速度は10μm/sec以下、できれば5μm/sec
以下であるのが望ましい。 【0032】また、図1の(b)に示す組立工程におい
て筒状体1と第1のフランジ部材2の同軸度があまり低
いとワークWのセンタリングが完了する前に軸部2bの
粗研削が開始されるおそれがある。従って第1のフラン
ジ部材2を製作するときにはそのフランジ振れが60μ
m以下になるように留意するのが望ましい。 【0033】なお、ワークWの円筒面1bと軸部2bの
研削代が前述のように設定されていないときあるいは第
1のフランジ部材2のフランジ振れが過大であるとき
は、図5の(a)に示すように、ワークWの円筒面1b
に段付き外面研削砥石G1 の小径部S1 が接触してワー
クWのセンタリングが行われる前に大径部S2 が軸部2
bに接触し、これによって発生する回転モーメントによ
って(b)に示すようにワークWが振動し、加工精度が
著しく損なわれる。その結果、円筒面1bや軸部2bの
表面が荒れて高い形状精度を得ることができない。 【0034】また、研削装置Eの段付き外面研削砥石G
1 がワークWの円筒面1bの全長に接触してワークWの
センタリングが行われ、続いて、図4の(b)に示すよ
うにワークWの軸部2bの粗研削が開始されたのちある
いはこれと同時に、内面研削砥石G2 によるワークWの
内端面1cの研削が開始される。内端面1cの研削代は
内面研削砥石G2 の径方向の送りによって調節され、送
り速度は、ワークWの円筒面1bと軸部2bの仕上げが
完了する前あるいはこれと同時に内端面1cの仕上げが
完了するように制御される。 【0035】図6はこの間の内面研削砥石G2 の移動を
説明するもので、前述のようにワークWのセンタリング
が行われたのちに(a)に示すようにテーブルT2 をワ
ークWの軸方向へ移動させ、続いて内面研削砥石G2
回転させながら(b)に示すように径方向へ移動させて
ワークWの内端面1cに接触させ、ひき続き径方向へ送
ることで所定の研削代を研削したのち、(c)に示すよ
うに径方向へ後退させ、(d)に示すようにワークWの
外へ引出す。 【0036】このように、円筒面1bと軸部2bの研削
中にワークWを正確にセンタリングした状態で内端面1
cの研削を行うことで、内端面1cと円筒面1bの間に
高い同軸度を実現できる。従って、ワークWの内端面1
cに圧入されて円筒部材の軸受側の軸部となる第2のフ
ランジ部材4と円筒面1bの間にも高い同軸度を確保で
きる。また、前述のように、ワークWの円筒面1bと軸
部2bは段付き外面研削砥石G1 によって一体的に同時
に研削されるため、両者の間にも極めて高い同軸度を実
現できる。その結果、円筒面とその駆動側および軸受側
の両軸部の3者間に極めて高い同軸度を有する円筒部材
を得ることができる。このような円筒部材を用いて現像
スリーブや感光ドラムを製作すれば、回転中に回転挙動
が不規則になって濃度むら(ピッチむら)等の画像欠陥
を発生するおそれがない。 【0037】なお、円筒部材の円筒面と両端部の同軸度
については、円筒部材を回転させて後述する方法で円筒
面と駆動側の軸部のそれぞれの振れを測定したときに両
者が10μm以下であるときに欠陥のない極めて良好な
画像を得られることが後述する具体例による実験で判明
している。また、円筒部材の駆動側と反対側の軸部の振
れが15μm以下であるときに良好な画質を得られるこ
とも実験によって判明している。 【0038】感光ドラムの基体となる円筒部材を製作す
る場合は、このようにして研削による仕上げを完了した
のちに、さらにローラーバニシング加工等の表面仕上げ
加工を行ってワークWの表面粗さをRmax1〜2μm
以下に改善する。その理由は、感光ドラムは円筒部材の
表面に感光膜を施すことによって製造されるが、研削に
よって仕上げられたままのアルミニウムの円筒部材は表
面精度(表面粗さ)が不充分で感光膜に凹凸を生じ、こ
れが画像に欠陥を発生させるもとになるおそれがあるた
めである。 【0039】図7は、ローラーバニシング加工を説明す
るもので、(a)に示すように周方向に所定の間隔で配
設された複数の軽くて滑らかなローラー10を筒状のフ
レーム11に回転自在に支持させ、その外側に配設され
た筒状のヘッド12によって被加工物の円筒面すなわち
ワークWの筒状体1の円筒面1bに押圧する。各ローラ
ー10は、(b)に示すように、その中心軸O1 がヘッ
ド12の中心軸O0 に対して所定の角度(フィードアン
グル)θだけ傾斜しており、各ローラー10を回転させ
て筒状体1を軸方向へ送りながら、円筒面1bを圧縮し
てその表面に局部的な塑性変形を起こさせることで表面
の凸部をつぶし平滑化する。このような方法で被加工物
の表面を加工硬化させてその耐久性を向上させるととも
に、Rmax0.1〜0.8μmの鏡面にまで仕上げる
ことができる。 【0040】次にこのようにして研削した円筒部材を約
150〜230℃の環境に2〜4時間保存して熱処理を
加える。これは、次にブラスト処理を行う場合、ブラス
トによる円筒部材の変形を防止するために行うものであ
る。 【0041】ブラスト処理による円筒部材の変形要因は
大きく分けると2つある。1つはブラストノズルから超
高速に加速された圧縮気体流に研磨材(砥粒)をのせて
円筒部材の表面に激しく叩きつける際に発生する衝撃力
によるものと、2つめは元々、円筒部材そのものが持っ
ている内部応力がブラストにより変化するためである。
一般にアルミニウム押出・引抜円筒管等はその製造工程
において熱応力、圧縮応力、引張応力等がかけられてお
り、その内部には様々な内部応力が存在している。この
ような円筒管から作られた円筒部材にブラスト処理のよ
うな無数の微細な砥粒が円筒表面に激しく叩きつけられ
ると円筒面に新たな残留応力を発生すると共に、元々円
筒部材内に存在していた圧縮、引張応力が開放されるた
め円筒部材が全体的に変形するという現象が発生する。
このような変形を防止するためにブラスト処理を行う前
に円筒部材にあらかじめ150℃〜230℃の範囲で2
〜4時間程度、熱処理を行い、円筒部材の内部応力を除
去してやるのである。この時の熱処理条件(温度、熱処
理時間等)は円筒部材の材質によりそれぞれ適宜設定を
行えば良い。 【0042】ブラスト処理は図8に示すブラストノズル
21を用いて行われる。すなわち、ワークWの円筒面1
bの両端部をマスキング治具20によって保持し、ワー
クWを回転させながらブラストノズル21から加速され
た空気流とともに研磨材(ブラスト)をワークWの円筒
面1bに吹きつける。ブラストノズル21は所定の軸の
まわりに揺動して円筒面1b全体を均一に研磨する。 【0043】続いて、ブラスト処理したワークWの円筒
面1bの表面に樹脂層を被覆する。これは、図9に示す
ように、ブラスト処理を終えたワークWをひき続きマス
キング治具20によって保持して回転させながら、その
円筒面1bにスプレーノズル31から樹脂塗料を吹きつ
けることによって行われる。スプレーノズル31は樹脂
塗料を噴出しながらワークWの軸方向に移動してその全
長に均一な塗膜を形成させる。こののち、ワークWを1
50〜160℃の恒温乾燥炉に入れて樹脂層を熱硬化さ
せる。 【0044】また、円筒部材の直径が細い(例えばφ1
2mm以下)場合等は機械的剛性が弱いため、アニール
処理を行ってもブラストによる影響のほうが大きく、変
形することがある。このような場合はブラスト処理を行
わない次に説明するような方法も効果的である。 【0045】まず、先に説明した方法で研削加工を行い
円筒部材を作製する。次いでブラストを行わずに円筒部
材表面に直接、塗料を塗布して樹脂層を形成する。この
とき塗料としてバインダーとなるフェノール樹脂に導電
性カーボン、グラファイトの他に球状粒子を添加する。
この球状粒子の役割はブラストによる凹凸形成の代わり
に樹脂中に球状粒子を添加することで凹凸を形成するた
めである。球状粒子の種類としてはポリアミド、シリコ
ン、フェノール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリエチレン等の球状粒子を用いる。また、表面
粗さの制御は球状粒子の添加量や球状粒子の粒径を変え
ることによって制御できる。実験によれば、現像スリー
ブとしては1〜30μmの範囲の粒径が好ましいことが
判明している。その理由は粒径が1μm以下の場合は希
望とする表面粗さが得られにくいためであり、また30
μm以上の粒径の場合は粒径が大きすぎるため樹脂との
密着性が悪くなり、球状粒子が剥離するためである。 【0046】このような方法を用いればブラストによる
影響を全く受けないために直径の細い円筒部材でも研削
加工後の形状精度や同軸度を維持できるため非常に高精
度な円筒部材を提供できる。 【0047】図10円筒部材を基体とする現像スリー
ブや感光ドラムを用いた転写式電子写真装置の概略構成
を示した。 【0048】本図において、像担持体としての感光ドラ
ム51は軸51aを中心に矢印方向に所定の周速度で回
転駆動される。感光ドラム51はその回転過程で帯電手
段52によりその周囲に正または負の所定電位の均一帯
電を受け、次いで露光部53にて不図示の像露光手段に
より光像露光L(スリット露光、レーザビーム走査露光
等)を受ける。これにより感光ドラム周面に露光像に対
応した静電潜像が順次形成されていく。 【0049】その静電潜像は次いで現像スリーブを有す
る現像手段54でトナー現像され、そのトナー現像が転
写手段55により不図示の給紙部から感光ドラム51と
転写手段55との間に感光ドラム51の回転と同期取り
されて給送された転写材Pの面に順次転写されていく。 【0050】像転写を受けた転写材Pは感光ドラム面か
ら分離されて像定着手段58へ導入されて像定着を受け
て複写物(コピー)として機外へプリントアウトされ
る。像転写後の感光ドラム51の表面はクリーニング手
段56にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され
て、さらに、前露出手段57により除電処理されて繰り
返して像形成に使用される。 【0051】感光ドラム51の均一帯電手段52として
はコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また、
転写手段55もコロナ転写手段が一般に広く使用されて
いる。電子写真装置として、上述の感光ドラムや現像手
段、クリーニング手段等の構成要素の内、複数のものを
ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを
装置本体に着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手
段、現像手段およびクリーニング手段の少なくとも1つ
を感光体とともに一体に支持してユニットを装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレール等の案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。 【0052】また、光像露光Lは電子写真装置を複写機
やプリンタとして使用する場合には、原稿からの反射光
や透過光、あるいは原稿を読取信号化し、この信号によ
るレーザビームの走査、LEDアレイの駆動、または液
晶シャッターアレイ駆動等により行われる。 【0053】また、ファクシミリのプリンタとして使用
する場合には光像露光Lは受信データをプリントするた
めの露光になる。図11はこの場合の一例をブロック図
で示したものである。 【0054】コントローラ61は画像読取部60とプリ
ンタ69を制御する。コントローラ61の全体はCPU
67により制御されている。画像読取部からの読取デー
タは送信回路63を通して相手局に送信される。相手局
から受けたデータは受信回路62を通してプリンタ69
に送られる画像メモリ66には所定の画像データが記憶
される。プリンタコントローラ68はプリンタ69を制
御している。64は電話である。 【0055】回線65から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモータ端末からの画像情報)は、受信回
路62で復調された後、CPU67は画像情報の復号処
理を行い、順次画像メモリ66に格納される。そして、
少なくとも1ページの画像メモリ66に格納されると、
そのページの画像記録を行う。CPU67は画像メモリ
66より1ページの画像情報を読出し、プリンタコント
ローラ68に復号化された1ページの画像情報を送出す
る。プリンタコントローラ68はCPU67からの1ペ
ージの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録
を行うべく、プリンタ69を制御する。以上のように、
画像の受信と記録が行われる。 【0056】(第1具体例) 本発明による円筒部材の製法を用いて現像スリーブを作
製し、その評価を行った。まず、外径:20.16m
m、内径:18.4(+0〜0.052)mm、長さ:
330mm、材質:6000系アルミニウム合金製押出
円筒素管からなる円筒体の駆動側の端部にフランジ部外
径:18.44±0.005mm、軸部外径:12.1
0mmの第1のフランジ部材を圧入して、ワークを製作
し、以下の研削条件で円筒面と軸部および、内端面を研
削した。 【0057】 「円筒面および軸部外径研削条件」 ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec ・粗研削代(円筒面):0.16mm ・ 〃 (軸部):0.08mm ・仕上研削代(円筒面):0.02mm ・ 〃 (軸部):0.02mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC)#120 ・研削砥石回転数:1250rpm 「内端面研削条件」 ・研削代:0.1mm ・研削送り速度:0.016mm/sec 次に、こうして研削加工を施したワークを温度180℃
の乾燥炉に4時間保存してアニール処理を行った。 【0058】得られたワークにその後、所定の表面粗さ
に仕上げるために以下の条件でサンドブラスト加工を行
った。 【0059】 ・砥粒:昭和電工製 アランダム#100 ・吐出圧力:2.8kg/cm2 (27.44×103 Pa、27.44N/cm2 ) ・ノズル距離:120mm ・ブラスト時間:60秒(30秒×2回) ・回転数:60rpm さらに、ワークの円筒面に帯電付与性能を向上するため
に導電性カーボン10重量部グラファイト(平均粒径7
μ)90重量部、フェノール樹脂100重量部とIPK
溶剤を固形分35%となるように混合し、ペイントシェ
ーカーにガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行っ
て調成し、この塗工液をエアースプレーガンにより円筒
面に吹き付け、樹脂層を形成し、150℃の乾燥炉に約
30分間入れて塗膜を熱硬化させた。 【0060】次いで、マグネットローラーをワークに挿
入し、最後に第2のフランジ部材を内端面に圧入して現
像スリーブを作製した。 【0061】上述の方法により現像スリーブを50本作
製し、それぞれを回転させて振れの測定を行った。測定
方法は図12に示すように、非接触レーザ測定機を使用
して現像スリーブQをその両端部のA,B点を基準にし
て回転させたときの駆動側の軸部の振れf、円筒面の振
れpの2箇所を測定した。測定の結果、軸部の振れは5
0本の平均値で1.3μm、円筒面の振れは2.4μm
であった。 【0062】その後、現像スリーブQをキヤノン製レー
ザビームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、間
欠による10000枚の画出しを行った結果、ハーフト
ーン、ベタ黒いずれの画像上もピッチむら等の欠陥を発
生することなく、非常に良好な画像が得られた。 【0063】本具体例の評価結果を以下に述べる第2な
いし第5具体例および第1、第2比較例の評価結果とと
もに表1に示す。 【0064】(第2具体例) 仕上研削送り速度を0.005mm/secに設定した
以外は第1具体例と同様の方法で現像スリーブを作製・
評価した。 【0065】(第3具体例) 粗研削送り速度を0.0094mm/sec、仕上研削
送り速度を0.0022mm/secに設定した以外は
第1具体例と同様の方法で現像スリーブを作製・評価し
た。 【0066】(第4具体例) 粗研削送り速度を0.013mm/sec、仕上研削送
り速度を0.0022mm/secに設定した以外は第
1具体例と同様の方法で現像スリーブを作製・評価し
た。 【0067】(第5具体例) 粗研削送り速度を0.013mm/sec、仕上研削送
り速度を0.005mm/secに設定した以外は第1
具体例と同様の方法で現像スリーブを作製・評価した。 【0068】(第1比較例) 図13に示した従来例によって現像スリーブを製造し
た。すなわち、アルミニウム引抜円筒素管を押出後、引
抜工程を経て曲がりを除去するためにロール矯正を行っ
たものによって第1具体例と同じ寸法および材質の円筒
体を製作した。 【0069】これに第1のフランジ部材を圧入後、サン
ドブラスト加工により表面を粗面化し、スプレー塗布に
より表面に塗膜を形成させて現像スリーブを作製し、前
述と同様の評価を行った。その結果、軸部の振れは50
本の平均値で20.8μm、円筒面の振れは15,3μ
mであった。また、画像評価はハーフトーン、ベタ黒の
画像上に軽微なスリーブ周期のピッチむらが発生した。 【0070】(第2比較例) 図14に示した従来例によって現像スリーブを製造し
た。すなわち、アルミニウム引抜円筒素管からなる第1
具体例と同じ寸法および材質の円筒体に第1のフランジ
部材を圧入して結合させ、その後、マグネットローラー
を挿入し、さらに第2のフランジ部材を圧入した。この
ようにして円筒部材を製作したうえで、旋盤によって両
軸部塗円筒部を切削により所定の表面粗さに仕上げた。 【0071】次いで、サンドブラスト加工を行い、表面
を粗面化し、第1具体例と同様に塗膜を形成させて現像
スリーブを作製し評価を行ったところ、軸部の振れは5
0本の平均値で4.9μm、円筒面の振れは11.3μ
mであった。また、画像評価については画出しの初期か
らかなりひどいスリーブピッチの濃度むらが発生した。
これはハーフトーン、ベタ黒いずれの場合にも発生し
た。その後、レーザビームプリンター本体からプロセス
カートリッジを取り外し、カートリッジを分解して現像
スリーブを調べたところ、現像スリーブ内部でマグネッ
トローラーが大きく変形しており、スリーブ内面にマグ
ネットローラーが接触していた形跡が見られた。 【0072】 【表1】※測定値は各50本の平均値とした。 【0073】 ◎:非常に良好である ○:良好である △:多少欠点があるが実用上問題ない ×:実用上問題がある (第6〜第8具体例) 第1具体例と同様の方法で円筒面と軸部の研削量の差を
様々に変化させて現像スリーブを製作し、前述と同様に
評価し、加えて軸部と円筒面の振れを測定した結果を以
下に述べる第3、第4比較例とともに表2に示す。な
お、研削前第1のフランジ部材のフランジ振れはすべて
30μm以下のものを用いた。 【0074】(第3比較例) 円筒面と軸部の研削量を同じ100μmにした以外は第
1具体例と同様に現像スリーブを作製・評価した。 【0075】(第4比較例) 円筒面と軸部の研削量を円筒面研削量よりも軸部研削量
の方が20μm大きくなるようにした以外は第1具体例
と同様に現像スリーブを作製・評価した。 【0076】 【表2】 ※測定値は各50本の平均値とした。 【0077】表2から円筒面と軸部の研削量の差が20
μm以上、より好ましくは40μm以上、さらに好まし
くは60μm以上の場合は、軸部および円筒面の振れが
極めて少なく、画像評価もピッチむらのない良好な画像
が得ることが判明した。円筒面と軸部の研削量が全く同
じ第3比較例の場合や、逆に軸部の研削量の方が円筒面
の研削量より多い第4比較例の場合については精度も悪
く、画像上もピッチむら2の目立つ結果となった。この
理由は円筒面と軸部の研削代の差が小さいほど研削砥石
が先に軸部に接触しやすく、研削中にワークが不安定な
状態になるからである。従って、円筒面より先に軸部に
研削砥石が接触しないように研削量に差を持たせておく
ことが重要であることが判る。 【0078】(第9〜第12具体例) 第1のフランジ部材の研削前のフランジ振れを60μm
以下の範囲で様々に変化させて第1具体例と同様の現像
スリーブを製作し、研削前の軸部のフランジ振れが研削
後の円筒面の振れにどのような影響を与えるのか調べ
た。その評価結果を以下に示す第5、第6比較例の評価
結果とともに表3に示す。 【0079】(第5、第6比較例) 第1のフランジ部材の研削前のフランジ振れをそれぞれ
70μm、90μmのものを用いて第1具体例と同様の
現像スリーブを製作し、評価した。 【0080】 【表3】 ※測定値は各50本の平均値とした。 【0081】表3から研削前のフランジ部材のフランジ
振れが60μm以下の場合は研削後の円筒面の振れも1
0μm以下となり画像上もハーフトーン、ベタ黒いずれ
の画像においても良好な結果が得られることが判かる。 【0082】(第13具体例) 外径:12.16mm、内径:10.4mm、長さ:2
46mm、材質3000系アルミニウム合金製押出円筒
素管からなる円筒体の駆動側の端部にフランジ部外径:
10.44mm、軸部外径:6.6mmの第1のフラン
ジ部材を圧入してワークを製作し、以下の研削条件で円
筒面と軸部および内端面を第1具体例と同様の研削条件
で研削した。 【0083】得られた円筒部材の帯電性を向上させるた
めに、フェノール樹脂100重量部、導電性カーボン5
重量部、グラファイト45重量部、ポリメチルメタクリ
レート球状粒子(平均粒径10μm)20重量部をIP
A(イソプロピルアルコール)溶剤に投入して固形分3
0%の溶液を作り、ペイントシェーカーにガラスビーズ
とともに入れて5時間の分散調整を行って塗工液を作
り、エアースプレーガンによって円筒部材の円筒面に塗
工して樹脂層を形成した。 【0084】次いで150℃の恒温乾燥炉に入れて約3
0分の熱硬化処理を施したのち、マグネットローラーと
第2のフランジ部材を取付けて現像スリーブを完成し
た。このようにして得られた現像スリーブを第1具体例
と同様の方法で評価した結果を、以下に述べる第14〜
第17具体例および第7比較例とともに表4に示す。 【0085】(第14具体例) 球状粒子をポリアミド粒子とした以外は第13具体例と
同様に現像スリーブを作製、測定、評価した。 【0086】(第15具体例) 球状粒子をシリコン粒子とした以外は第13具体例と同
様に現像スリーブを作製、測定、評価した。 【0087】(第16具体例) 球状粒子をポリスチレン粒子とした以外は第13具体例
と同様に現像スリーブを作製、測定、評価した。 【0088】(第17具体例)球状粒子をポリエチレン
粒子とした以外は第13具体例と同様に現像スリーブ を作製、測定、評価した。 【0089】(第7比較例) 第13具体例において研削した円筒部材に第1具体例と
同条件で熱処理を施し、さらにその後所定の表面粗さに
仕上げるために以下の条件でサンドブラスト加工を行っ
た。 【0090】 ・砥粒:アランダム#100 ・吐出圧力:2.8kg/cm2 (27.94×103 Pa、27.49 N/cm2 ) ・ノズル距離:200mm ・ブラスト時間:60秒(30×2回) ・回転数:60rpm さらに、円筒部材に帯電付与性能を向上するために導電
性カーボン10重量部、グラファイト(平均粒径7μ
m)90重量部、フェノール樹脂100重量部とIPA
溶剤を固形分35%となるように混合し、ペイントシェ
ーカーにガラスビーズとともに入れ、5時間の分散を行
って調成し、この塗工液をエアースプレーガンにより上
述のブラストスリーブに吹き付け、樹脂層を形成し、1
50℃の乾燥炉に約30分間入れて塗工膜熱硬化させて
現像スリーブを作製し、評価した。 【0091】 【表4】 ※測定値は各50本の平均値とした。 【0092】表4から円筒部材の直径が小径のものでも
第13〜第17具体例に示したように塗料に球状粒子を
添加することで希望とする表面粗さが得られるととも
に、ブラストによる影響を受けないため研削後の高精度
な形状精度が維持され、画像評価結果もハーフトーン、
ベタ黒いずれにおいても良好であることが判る。 【0093】 【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。 【0094】本体の円筒面が高い形状精度に仕上げられ
ており、しかも円筒面と軸部の同軸度が極めて高く回転
中に大きな振れを生じるおそれのない安価な円筒部材を
実現できる。このような円筒部材を電子写真用の現像ス
リーブや感光ドラムの基体として用いれば、円筒面の真
円度、真直度および表面精度が極めて高く、従って円筒
面の凹凸等によって画質を低下させるおそれがないうえ
に、振れが小さいために安定して回転する高性能な現像
スリーブや感光ドラムを得ることが容易である。その結
果、高い画質の画像を安定して得ることのできる画像形
成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】一実施例による円筒部材の製法を用いた現像ス
リーブの製造工程を示すもので、(a)は筒状体、
(b)は筒状体に第1のフランジ部材を結合させてワー
クを製作する工程、(c)はワークを研削する工程、
(d)はワークにマグネットローラーを挿入する工程、
(e)はワークに第2のフランジ部材を結合させた状態
をそれぞれ示す断面図である。 【図2】研削装置を説明するもので、(a)は一部断面
平面図、(b)は立面図である。 【図3】段付き外面研削砥石と研削後のワークの寸法の
関係を示す部分拡大断面図である。 【図4】研削工程を説明するもので、(a)は研削開始
直後、(b)はワークの円筒面と軸部と内端面を同時に
研削している状態をそれぞれ示す断面図である。 【図5】段付き外面研削砥石がワークの円筒面に接触す
る前に軸部に接触した場合を説明するもので、(a)は
段付き外面研削砥石が軸部にはじめて接触した状態、
(b)はワークが軸振れを起こした状態をそれぞれ示す
断面図である。 【図6】内面研削砥石による内端面の研削を説明するも
ので、(a)は内面研削砥石をワーク内へ前進させると
ころ、(b)は内端面を研削中、(c)は内端面の研削
後に内面研削砥石を径方向に後退させるところ、(d)
はワークから内面研削砥石を引出すところをそれぞれ示
す断面図である。 【図7】ローラーバニシング加工に用いる装置を示すも
ので、(a)はその断面図、(b)はローラーのフィー
ドアングルを説明する説明図である。 【図8】ブラスト処理を説明する図である。 【図9】塗工を説明する図である。 【図10】転写式電子写真装置を説明する説明図であ
る。 【図11】ファクシミリのプリンタを説明するブロック
図である。 【図12】現像スリーブの寸法精度の測定方法を説明す
る説明図である。 【図13】一従来例によって現像スリーブを製造すると
きの各工程を説明するものである。 【図14】別の従来例によって現像スリーブを製造する
ときの各工程を説明するものである。 【符号の説明】 E 研削装置 G1 段付き外面研削砥石 G2 内面研削砥石 W ワーク 1 筒状体 1b 円筒面 2,4 フランジ部材 2b 軸部 3 マグネットローラー
フロントページの続き (72)発明者 金子 利衛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−93161(JP,A) 特開 平6−55423(JP,A) 特開 昭48−77492(JP,A) 特開 昭54−125591(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 5/00 - 5/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 筒状の本体と該本体の一端に結合された
    軸部材を有するワークを製作し、該ワークの前記本体と
    前記軸部材のそれぞれの表面を互に一体的に回転する第
    1および第2のセンタレス研削手段によってそれぞれ
    削すると同時に前記本体の内面の所定の端部を内面研削
    手段によって研削する工程を有し、前記本体の表面の研
    削を、前記軸部材の研削と前記本体の前記内面の所定の
    端部の研削とが開始される前に開始することを特徴とす
    る円筒部材の製法
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