JP2000288879A - 円筒状ワークおよびその製法 - Google Patents

円筒状ワークおよびその製法

Info

Publication number
JP2000288879A
JP2000288879A JP9643399A JP9643399A JP2000288879A JP 2000288879 A JP2000288879 A JP 2000288879A JP 9643399 A JP9643399 A JP 9643399A JP 9643399 A JP9643399 A JP 9643399A JP 2000288879 A JP2000288879 A JP 2000288879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical
grinding
work
outer peripheral
cylindrical body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9643399A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Yamada
祐介 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP9643399A priority Critical patent/JP2000288879A/ja
Publication of JP2000288879A publication Critical patent/JP2000288879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】主として、電子写真用円筒部材について、高品
位な表面精度と高い加工精度を得ることができ、高精細
・高画質化を達成することができる円筒状ワークおよび
その製法を提供する。 【解決手段】 円筒体の端部に軸部材を備えた円筒状ワ
ークにおいて、前記軸部材は、前記円筒体の外端に位置
するフランジ部、および、前記円筒体内に嵌合・固着す
る嵌合部を有し、その嵌合・固着状態で、そのフランジ
部の外周部分と前記円筒体の外周部分を同時に研削さ
れ、同軸精度の高い状態を得るように構成したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、電子写
真装置に使用される、例えば、感光ドラム、現像スリー
ブ、搬送ローラー、定着ローラーなどの、円筒体の外周
面が、その軸部中心に対して同心性のよい円筒状ワー
ク、および、その製法に関し、特に、前記円筒体を、心
無し研削(以後、センタレス研削と称す)加工によっ
て、その外周面の真円度、真直度、振れ精度、表面粗度
などを、高く保持できる円筒状ワーク、および、その製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ、印刷機などの画像形成
装置において、電子写真用の感光ドラムや現像スリーブ
などには、その基体として、表面が高精度(真円度、真
直度及び表面粗度)で、所定の表面粗さに仕上げられた
円筒状部材(ワーク)が用いられている。
【0003】例えば、電子写真用感光ドラムの場合は、
切削加工または研削加工にて仕上げられた円筒部材の表
面に感光膜を施すが、この円筒部材の加工精度が低く
て、表面に傷や凹凸があったり、真円度や真直度が十分
でないと、感光膜に凹凸が生じ、このために、画像形成
装置の使用に際して、画像にさまざまな欠陥が発生する
畏れがある。
【0004】従って、精度の高い画像形成装置を得るた
めには、まず、円筒部材の表面を傷や凹凸のない円筒面
に加工することが厳しく要求され、表面粗さ、真直度及
び真円度にも、きわめて高い精度が必要とされている。
【0005】また、この他の電子写真用円筒部材として
は、現像スリーブが挙げられる。現像スリーブは、感光
ドラムに対向して配置され、摩擦帯電により、現像スリ
ーブの表面上で、現像剤(トナー)に電荷を付与すると
ともに、トナーを担持し、その状態で、搬送して、感光
ドラムへ飛翔させ、その感光ドラム上で、顕像化させる
役割を果しているが、この現像スリーブの真円度、真直
度、振れ精度などの形状精度が悪いと、感光ドラムと現
像スリーブとの間隔(S−D間)が変動し、所謂、スリ
ーブ周期の濃度ムラという問題が発生する畏れがある。
また、現像スリーブの表面粗度も、トナーの電荷付与
性、搬送性に大きく影響するため、非常に重要なファク
ターとなっている。最近では、特に、スリーブ表面上に
トナー層を薄く形成させる、所謂、薄層コートが、画像
表示における高画質化に有効な手段であることが解って
きており、これには、スリーブ表面の粗度を、より低粗
度化することが要求されている。
【0006】このように、近年の電子写真の高画質化に
対応するためには、感光ドラムや現像スリーブといった
各種電子写真用円筒部材の形状精度(同軸精度)や表面
粗度にきわめて高い精度が要求されている。
【0007】一般に、このような円筒部材の材料には、
その純度が99.5%のAlやCuを0.05〜0.2
0%含むCu−Al合金や、Cuを0.05〜0.20
%とMnを1.0〜1.5%含むCu−Mn−Al合
金、あるいは、Siを0.20〜0.60%とMgを
0.45〜0.90%含むSi−Mg−Al合金などが
用いられる。そして、これら材料を押し出し、引抜き工
程を経て、ある程度の形状精度になった円筒体を得るの
である。
【0008】しかし、このような引抜き円筒(円筒体)
のままでは、曲がりが大きく残っているため、通常は、
この後にロール矯正などを行い、所望の形状精度にまで
仕上げる必要がある。しかる後、この円筒を所定の長さ
に切断し、両端部のバリ除去、端面精度の向上の目的
で、切削加工により、円筒部材の端部を仕上げ、さら
に、必要に応じて、円筒部材の外周面に、切削加工や研
削加工を行って、所望の寸法精度を得るのである。特
に、感光ドラムや現像スリーブなどは、その表面性状や
寸法精度が画像の優劣を左右する重要なポイントになる
ため、非常に高精度な加工方法を用いている。
【0009】このような切削加工の最も一般的なものと
して、旋盤による精密切削がある。これは、所謂、通常
の旋盤による切削加工のことであるが、特に、電子写真
用の円筒部材、例えば、感光ドラム用基体のように、加
工表面精度に対する要求が厳しい場合に、この精密切削
が行われる。
【0010】具体的な加工方法としては、ワーク(被加
工物)の両端を旋盤にチャッキングし、焼結ダイヤモン
ドあるいは天然結晶ダイヤモンドのバイトを用いて、切
削を行う。このような特殊バイトを使用することによ
り、そのワーク加工面は、非常にきれいで、所謂、鏡面
のような加工面を得ることができる。
【0011】また、その他の方法としては、心無し研削
盤を用いた心無し研削(センタレス研削)加工がある。
この心無し研削加工には、大きく分けて二種類の方法が
ある。その一つは、インフィードセンタレス研削で、も
う一つはスルーフィードセンタレス研削である。
【0012】インフィードセンタレス研削は、一般に
は、図3に示すように、ほぼ円柱状または円筒状に粗仕
上げされた被加工物を、ブレードの斜面に対して接触さ
せるとともに、矢印a方向に回転している調整砥石に接
触した状態で支持し、高速回転する研削砥石によって、
矢印b方向に被加工物の研削を行う。ここでは、被加工
物が調整砥石とブレード斜面とに接した位置で、安定に
保持され、調整砥石の回転によって、矢印c方向に回転
される。
【0013】このように、矢印c方向に回転している被
加工物を、その周速よりも僅かに大きい周速で、矢印b
方向に回転している研削砥石に対して、矢印e方向に進
ませることで、切込みを行うが、研削砥石、調整砥石、
ブレードは、それぞれ、回転軸の軸線方向に関して、真
直度、平行度とも、予め、高精度に仕上げられ、取り付
けられているため、被加工物の外周面が、真円度、真直
度とも、高精度に研削加工され、正確な円筒面に研削加
工される。
【0014】上述したインフィードセンタレス研削で
は、図3の矢印e方向に切込みを行って研削を行うのに
対して、一方、スルーフィードセンタレス研削では、ワ
ークを研削砥石と調整砥石との間を通す、送り(スルー
フィード)をしながら、研削を行う方法である。このと
き、研削砥石と調整砥石との間の距離は、予め、加工後
のワークの寸法に調節されており、インフィードセンタ
レスのように、ワークに対して切込みを行うというもの
ではない。即ち、ワークがこの間を通過しながら加工が
行われた結果、通過後には、ワークが所望の外径寸法に
仕上がるというものである。
【0015】これら、あるいは、その他の、種々の加工
方法は、円筒部材に要求される精度や加工コストなどに
よって、適宜、使い分けられている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の円筒部材の加工方法には、以下に述べるような幾つか
の欠点を有していた。
【0017】例えば、旋盤による精密切削は、高い表面
精度を得る上で有効であるが、単結晶ダイヤモンドバイ
トあるいは焼結ダイヤモンドバイトなどの加工工具が非
常に高価であり、また、その加工コストが高い。また、
被加工物の両端をチャックしてから切削するので、被加
工物が細く、長くなるほど、被加工物自体の剛性が低下
し、バイトによる切削抵抗で、被加工物が曲がるという
問題があり、加工精度(真直度、振れ精度など)が損な
われる。
【0018】一方、このような加工精度に対する欠点を
補う他の方法として、上述のようなセンタレス研削加工
があげられる。即ち、このセンタレス研削加工は、他の
研削方法や旋盤による切削のように、スピンドルによる
センタリングを必要とせず、被加工物自体は、研削砥
石、調整砥石、ブレードの3点によって、しっかりと支
持されながら研削されるために、仮に、細長いもので
も、全体として、曲がりのない、非常に精度の高い加工
が可能である。
【0019】しかしながら、近年の電子写真に対する要
求は、ますます厳しくなっており、このようなセンタレ
ス研削による加工精度でも、十分満足できない場合があ
る。例えば、インフィードセンタレス研削の場合、ワー
クを長手方向に停止した状態で、研削加工を行うため、
研削砥石の同一箇所で、何度も繰り返し、研削されるの
で、ワークの円周方向に微細なスジが発生しやすい。つ
まり、研削砥石がワークに対して直角方向に切込みを与
えるために、研削砥石の表面形状が、ワークの表面に転
写されるような状態となる。したがって、研削砥石の表
面状態がワークの表面粗度を左右する要因となりやす
い。また、脱落した砥粒がブレードに固着して、スクラ
ッチ(掻きキズ)の原因となることが多い。特に、アル
ミニウムなどの軟質金属材料は、非常にスクラッチが発
生しやすく、インフィードセンタレス研削だけで、感光
ドラムのような、表面粗度に厳しい円筒部材を加工する
のは困難であった。
【0020】一方、スルーフィードセンタレス研削は、
インフィードセンタレス研削に比較すると、表面粗度を
低粗度化しやすい。その理由は、ワークが研削砥石に対
して長手方向に移動しながら研削されるため、研削砥石
全体で、均一に研削が行われて、表面がならされるから
である。また、ワークが移動していることにより、脱落
した砥粒も、ワークの流れとともに流され、ブレード上
に滞留しにくいから、スクラッチの発生も比較的少な
い。このように、スルーフィード研削は、インフィード
研削に比べて、表面粗度を低粗度化するには有効である
が、逆に、以下に述べるような欠点も持っている。
【0021】それは、大径部と小径部を持つ異なる外径
を有する段付き形状の円筒部材の研削加工を行う時に、
大径部しか、加工できない点である。つまり、スルーフ
ィード(通し送り)させるためには、小径部に研削砥石
と調整砥石の間隔を設定すると、大径部がスルーフィー
ドされた時に、そこの段差で、ワークが引っかかってし
まうため、常に、ワークが通過できる大径部に合わせ
て、研削砥石と調整砥石の間隔を設定せざるを得ないか
らである。したがって、このような段付き形状を持つワ
ークの加工の場合、小径部と大径部の同軸精度を出すと
いうことは、スルーフィードセンタレス研削だけでは、
困難であった。逆に、このような段付き形状を持つワー
クの加工は、インフィードセンタレス研削の方が好適で
ある。それは、段付き形状に合わせて、研削砥石の形状
を設定すれば、容易に異なる径を持つが同軸精度が高い
円筒部材の表面を研削加工できるからである。
【0022】また、スルーフィードセンタレス研削は、
研削砥石と調整砥石の間隔は、固定であるため、一度
に、多くの切込量で研削することはできず、たくさん切
込みを入れたい場合には、その都度、砥石間の間隔を設
定して、何パスかスルーして、少しずつ研削するという
方法を採らないと研削できない。したがって、加工前の
ワークの振れ精度が非常に大きい場合など、1パスで
は、振れを取り除くことすらできない場合があるので、
このようなワークの加工には、不適であった。
【0023】これに対して、インフィードセンタレス研
削の場合、切込量の設定は、ワークに対して、研削砥石
を移動すればよいだけなので、自由に切込量を設定する
ことができることから、比較的加工前のワークの振れ精
度が悪くても、その影響を受けることなく、高精度加工
できるのである。
【0024】このように、インフィードセンタレス、ス
ルーフィードセンタレス研削は、それぞれに長所と短所
を持っているが、その両者の長所を満足した形での製法
は実施されていない。
【0025】そこで、本発明は、上述の技術的課題を解
決し、主として、電子写真用円筒部材について、高品位
な表面精度と高い加工精度を得ることができ、高精細・
高画質化を達成することができる円筒状ワークおよびそ
の製法を提供することを目的としている。
【0026】本発明の他の目的は、従来にも増して、品
位の高い画像を得ることができる、電子写真用各種円筒
部材、プロセスカートリッジなどの円筒状ワークを提供
することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
円筒体の端部に軸部材を備えた円筒状ワークにおいて、
前記軸部材は、前記円筒体の外端に位置するフランジ
部、および、前記円筒体内に嵌合・固着する嵌合部を有
し、その嵌合・固着状態で、そのフランジ部の外周部分
と前記円筒体の外周部分を同時に研削され、同軸精度の
高い状態を得るように構成したことを特徴とする。
【0028】この場合、本発明の実施の形態として、前
記軸部材の軸心を中心とした前記円筒体の表面の振れ
を、それぞれ、10μm以下にしていること、また、前
記円筒体は、その外周面が現像スリーブまたは感光ドラ
ムの基体の円筒面として構成されていることが好まし
い。
【0029】また、本発明では、円筒体とその端部に結
合された軸部材を有する円筒状ワークを製作する際に、
該ワークの円筒面、および、前記ワークの外端に位置す
る前記円筒体のフランジ部の各外周面を、第一工程とし
て、インフィードセンタレス研削手段によって、粗研削
すると共に、次いで、第二工程として、スルーフィード
センタレス研削手段によって、仕上研削し、それぞれ、
前記軸部材の回転中心からの前記各外周の形状精度を所
定値内に保持することを特徴とする。
【0030】この場合も、本発明の実施の形態として、
前記の研削手段による研削するで得られる形状精度は、
前記軸部材の回転中心に対する、円筒体の外周の振れ
で、10μm以下であること、前記円筒体の外周面の研
削を、前記軸部材のフランジ部の外周面の研削が開始さ
れる前に、開始することで、前記形状精度を安定させる
こと、更には、第一工程のインフィードセンタレス研削
手段が、段付き外面研削砥石の小径部分と大径部分によ
って構成されており、前記円筒本体の外周面の研削代
が、前記軸部材のフランジ部の外周面の研削代より大で
あること、また、第一工程および第二工程のセンタレス
研削手段による研削を終了した後に、円筒体外周面に樹
脂層を被覆することが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、円筒部材(円筒状ワーク)
として、現像スリーブを製作する場合について、図1お
よび図2を参照して、具体的に説明する。図1および図
2は、本発明による、円筒体および軸支部材を用いて、
現像スリーブを製造する工程を、順次示すものであり、
まず、図1の(a)に示すように、アルミニウム管材を
押し出し成形で、所定の外径寸法に縮小し、所定の長さ
に切断した円筒体1を用意する。
【0032】この円筒体1の一端に、図1の(b)に示
すように、円筒部材の駆動側の軸部となる第一の軸支部
材2を嵌合させるが、その嵌合部2aは、圧入の手段で
実現する。そして、軸支部材2の中間に形成したフラン
ジ部を、円筒体1の外端に当接させる。このように、円
筒体1と軸支部材2とを一体的に結合させ、円筒状ワー
ク(半製品)Wを製作する。なお、円筒体1と軸支部材
2との結合方法は、圧入以外にも、公知の接着、カシメ
などの手段を採用することができる。
【0033】続いて、図1の(c)に示すように、段付
き外面研削砥石G1を用いて、インフィードセンタレス
研削手段で、円筒状ワークWの筒状体の外周面と、第一
の軸支部材2のフランジ部の外周面および軸部2bを研
削し、所定の表面粗さに加工する。
【0034】次に、第二工程として、図1の(d)に示
すように、スルーフィードセンタレス研削手段により、
円筒状ワークWの円筒体の外周面と、第一の軸支部材2
のフランジ部の外周面の仕上げ研削を行う。このよう
に、インフィードセンタレス研削を行った後に、スルー
フィードセンタレス研削を行うのには、以下のような理
由がある。
【0035】即ち、インフィードセンタレス研削によ
り、軸支部材2の軸部2bと円筒体1の外周面との同軸
精度が保証されており、しかも、この同軸精度は、非常
に高精度が確保される。こうして、先に、インフィード
センタレス研削により、円筒部材としての精度を出した
後に、最後の仕上げとして、スルーフィードセンタレス
研削にて、ワークWの円筒面の表面研削を行うことで、
軸部2bと、円筒体1の外周面の、2点の同軸精度を確
保しつつ、前記円筒面の表面粗度を、低粗度に加工する
ことができるのである。
【0036】特に、インフィードセンタレス研削によ
り、ワークWの円筒面の真直度、真円度、同軸度を、ほ
ぼ満足できる高い精度に粗研削して置くことにより、次
の工程の、スルーフィードセンタレス研削が、少ない切
込量で、1パスあるいは数パス(可能な限り少ない数)
で、表面研削を行うことができるのである。
【0037】このようにして製作したワークWは、中間
に塗工工程を入れて、外周面をコーティングした後、次
いで、図2の(e)に示すように、マグネットローラー
3をワークWに挿入し、図2の(f)に示すように、ワ
ークWの他端に、円筒部材の他端の軸部となる、第2の
軸支部材4を嵌合・固着するのである。即ち、軸支部材
4の嵌合部4aを円筒体1の他端に圧入して、一体的に
結合させて、図2の(g)に示すような形として、現像
スリーブQを完成するのである。
【0038】次に、インフィードセンタレス研削、及
び、スルーフィードセンタレス研削の詳細について説明
する。図3には、図1の(c)に示すインフィードセン
タレス研削工程に用いる研削装置Eが示されており、こ
の研削装置Eは、前述の段付き外面研削砥石G1と、そ
れを回転駆動するモータD1と、調整砥石Cと、これを
回転させるモータRと、段付き外面研削砥石G1と調整
砥石Cの間に配設されたブレードBを有し、ワークW
は、円筒体1の外周面1bを支持するブレードBと調整
砥石Cによって、その回転中心軸において保持され、調
整砥石Cの回転によって、所謂、つれ回りによる回転力
(摩擦接触回転)を受ける。
【0039】段付き外面研削砥石G1を回転させるモー
タD1は、この回転を確保するものである。また、研削
装置Eは、外面研削砥石G1およびモータD1を、同時
に径方向に送る径方向送り装置F1に搭載しており、架
台上を水平に移動する。なお、調整砥石Cを支持するテ
ーブルF2は、図示しない駆動装置で、調整砥石Cの軸
方向に進退自在である。
【0040】段付き外面研削砥石G1は、図4に示すよ
うに、ワークWの円筒面(円筒体1の外周面)1bの長
さより長尺である小径部S1と、ワークWの軸部(軸支
部材2の軸部)2bの長さより長尺である大径部S2と
を有し、ワークWの研削工程中に、軸送りを必要とせず
に、その全長を研削できるように構成されている。ま
た、小径部S1と大径部S2の間に成形される段差Sの
径方向の寸法は、ワークWの円筒面1bと軸部2bの径
方向の仕上げ寸法の差に等しく設定される。
【0041】次に、研削装置EによるワークWの研削工
程を説明する。まず、ワークWを構成する円筒体1と第
1の軸支部材2をそれぞれ個別に製作する。そして、こ
のときに、円筒体1の外周面1bの研削代X1と、第1
の軸支部材2の軸部2bの研削代X2が、以下の関係を
満足するように配慮する。
【0042】X1>X2……(1) 図1の(b)に示す組立工程を経たワークWを、研削装
置EのブレードBと調整砥石Cに支持させ、図3に示す
ように、段付き外面研削砥石G1を回転させながら、所
定の送り速度で径方向へ移動させて、まず、粗研削を行
い、ワークWの円筒面1b(軸支部材2のフランジ部も
含めて)と軸部2bを、所定の表面粗さに仕上げる。ワ
ークWの円筒面1bの研削代X1と軸部2bの研削代X
2は、式(1)に示すように設定されているため、前記
粗研削の初期には、まず、段付き外面研削砥石G1の小
径部S1のみがワークWの円筒面1bの全長に接触する
ことで、円筒面1bの粗研削とともにワークWの正確な
センタリング(心出し)が行われ、その後に、大径部S
2が軸部2bの粗研削を開始する。従って、以後の粗研
削および仕上研削によるワークWの仕上げは、軸振れな
どを発生させることなく、円滑に行われる。
【0043】このようにして、ワークWの円筒面1bと
軸部2bはセンタレス研削によって極めて高い形状精度
に安定して加工され、しかも、円筒面1bと軸部2bの
間には、極めて高い同軸度が保証される。
【0044】実験によれば、円筒面1bの研削代X1お
よび軸部2bの研削代X2の差は、20〜100μm
に、好ましくは、50〜80μmに設定するのが望まし
いことが判明した。さらに、前述の粗研削における径方
向の送り速度は、20μm/s以下、仕上げ研削におけ
る送り速度は10μm/s以下、できれば、5μm/s
以下であるのが望ましい。
【0045】また、図1の(b)に示す組立工程におい
て、円筒体1と第1の軸支部材2の同軸精度が、相当程
度、低いと、ワークWのセンタリングが完了する前に、
軸部2bの粗研削が開始される畏れがある。従って、第
1の軸支部材2を製作するときには、その振れが60μ
m以下になるように留意するのが望ましい。
【0046】なお、ワークWの円筒面1bと軸部2bの
研削代が前述のように設定されていないとき、あるい
は、第1の軸支部材2の軸振れが過大であるとき(図5
の(a)を参照)は、ワークWの円筒面1bに、段付き
外面研削砥石G1の小径部S1が接触して、ワークWの
センタリングが行われる前に、大径部S2が軸部2bに
接触し、これによって発生した回転モーメントによっ
て、ワークWが振動し(図5の(b)を参照)、加工精
度が著しく損なわれる。その結果、円筒面1bや軸部2
bの表面が荒れて、高い形状精度を得ることができな
い。
【0047】また、前述のように、ワークWの円筒面1
bと軸部2bは、段付き外面研削砥石G1によって、一
体的に同時に研削されるため、両者の間では、極めて高
い同軸度を実現できる。その結果、円筒体1とその駆動
側、軸受側の両軸部の3者間に、極めて高い同軸度が得
られる。このような円筒体1、軸部材2からなるワーク
Wを用いて、現像スリーブや感光ドラムを製作すれば、
回転中に回転挙動が不規則になって、濃度むら(ピッチ
むら)などの画像欠陥を発生する畏れがない。
【0048】なお、円筒体1の外周面1bと両端の軸支
部材の同軸度については、円筒体1を回転させて、後述
する方法で、円筒面1bと駆動側の軸部2bのそれぞれ
の振れを測定したときに、両者が10μm以下であれ
ば、実用上、欠陥のない、極めて良好な画像を得られる
ことが、後述する具体例による実験で、既に判明してい
る。また、円筒体1の駆動側の軸部1bと反対側の軸部
(後述)の振れが15μm以下であるときに、良好な画
質を得られることも、実験によって判明している。
【0049】次に、第二工程のスルーフィードセンタレ
ス研削について説明する。図6は本発明に使用されるス
ルーフィードセンタレス研削装置の概略図である。基本
構成は、先に説明したインフィードセンタレス研削装置
とほぼ同様であるが、ワークを通し送りするために、ガ
イド部材10とワーク送り装置(ワークフィーダー)1
1が装備されている。このガイド部材10は、研削開始
側と研削終了側との、両サイドに設けられ、ワークW
を、それぞれの側で保持すると共に、順次、ワークWを
通し送りさせて、研削加工の連続作業ができるようにな
っている。
【0050】第一工程にて粗研削されたワークWは、図
6に示すような、スルーフィードセンタレス研削装置の
ワークフィーダー11に送られる。ここで示すワークフ
ィーダー11は、導入側のガイド部材10内にワークW
をガイドするための押圧部材を備えており、これによっ
て、ワークWの後端側からワークWを研削砥石と調整砥
石の間(ブレードB上)へ送るのである。ワークフィー
ダー11に置かれたワークWは、前記押圧部材により、
研削砥石側へ送られて、研削が開始される。このとき、
研削砥石Gと調整砥石Cの間隔は、ワークの加工仕上が
り寸法に等しくセットされており、両砥石間を通過した
後では、ワークWは、所要の仕上がり寸法に加工されて
いるのである。
【0051】また、調整砥石Cは、図7に示すように、
ワークWに推力を与えるために、ワークWに対して、微
少角度θだけ、その軸線を傾斜させている。傾斜を設け
ることで、矢印方向の推力を与えることができるのであ
る。このときのワークWの送り速度は次式で表される。
【0052】V=π・Rd・sinθ・N V:送り速度(mm/min) Rd:調整砥石の直径(mm) θ:送り角(°) N:調整砥石の回転数(rpm) 一般に、調整砥石Cの傾斜角度を大きくとると、送り速
度は速くなるが、あまり大きくとり過ぎても不都合なの
で、およそ2〜3°に設定する。また、調整砥石は加工
の際、ワークWを安定保持させるために、ワーク全幅に
わたり、線接触するように、調整砥石Cの表面は鼓状に
なっている。
【0053】この仕上げ研削に使用する研削砥石Gは、
その粒度が#200〜#2000の比較的、細かい粒の
ものを使用する。この砥石の選択は、必要とする仕上げ
表面の粗度により、適宜、選択すればよく、特に、上述
の粒度に限定するものではない。
【0054】次に、このようにして研削したワークWの
円筒面1bに樹脂層を被覆する。これは、図8に示すよ
うに、マスキング治具20によって、ワークWの両端を
保持した状態で、これを回転させながら、その円筒面1
bに、スプレーノズル31から樹脂塗料を吹きつけるこ
とで、実現される。スプレーノズル31は、樹脂塗料を
噴出しながら、ワークWの軸方向に往復移動して、その
全長に、均一な塗膜を形成させる。この後、ワークWを
150〜160℃の恒温乾燥炉に入れて、樹脂層を熱硬
化させる。
【0055】図9には、本発明による円筒部材を基体と
する現像スリーブや感光ドラムを用いた転写式電子写真
装置の概略構成が示されている。ここで、像担持体とし
ての感光ドラム51は、軸51aを中心に、矢印方向に
所定の周速度で回転駆動される。感光ドラム51は、そ
の回転過程で、帯電手段52により、その周囲に正また
は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、露光部53
において、像露光手段(図示せず)により、光像露光L
(スリット露光、レーザビーム走査露光など)を受け
る。これにより、感光ドラム周面に、露光像に対応した
静電潜像が順次、形成される。
【0056】その静電潜像は、次いで、現像スリーブを
有する現像手段54で、トナー現像され、そのトナー現
像が、転写手段55により、感光ドラム51の回転と同
期取りながら、給紙部(図示せず)から感光ドラム51
と転写手段55との間に給送された転写材Pの面に、順
次、転写される。
【0057】像転写を受けた転写材Pは、感光ドラム面
から分離されて、像定着手段58へ導入され、像定着を
受けて、複写物(コピー)として、機外へ送られ、プリ
ントアウトを完了する。一方、像転写後の感光ドラム5
1の表面は、クリーニング手段56にて、転写残りトナ
ーの除去を受けて、清浄となり、さらに、前露出手段5
7により除電処理されて、元に戻り、繰り返して像形成
に使用される。
【0058】感光ドラム51の均一帯電手段52として
は、コロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写手段55も、コロナ転写手段が一般に広く使用
されている。なお、電子写真装置として、上述の感光ド
ラムや現像手段、クリーニング手段などの構成要素の
内、複数のものを、ユニットとして、一体に結合して構
成し、このユニットを、装置本体に着脱自在に構成して
もよい。例えば、帯電手段、現像手段およびクリーニン
グ手段の少なくとも1つを、感光体とともに一体に支持
して、そのユニットを、単一物として、装置本体に着脱
自在としてもよい(例えば、装置本体のレールなどの案
内手段を用いて着脱自在の構成にする)。
【0059】また、電子写真装置を複写機やプリンタと
して使用する場合には、光像露光Lを、原稿からの反射
光や透過光に代えて検出し、この検出信号を、原稿の読
取信号として、この信号によるレーザビームの走査、L
EDアレイの駆動、または、液晶シャッターアレイ駆動
などを行わせる。
【0060】また、ファクシミリのプリンタとして使用
する場合には、光像露光Lは受信データをプリントする
ための露光になる。図10は、この場合の一例をブロッ
ク図で示したものである。
【0061】ここでは、コントローラ61は画像読取部
60とプリンタ69とを制御する。なお、コントローラ
61の全体は、CPU67により制御されている。画像
読取部からの読取データは、送信回路63を通して、相
手局に送信される。相手局から受けたデータは、受信回
路62を通して、プリンタ69に送られる。画像メモリ
66には、所定の画像データが記憶される。プリンタコ
ントローラ68は、プリンタ69を制御している。な
お、符号64は電話である。
【0062】回線65から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモータ端末からの画像情報)は、受信回
路62で復調される。その後、CPU67は、画像情報
の復号処理を行い、順次、情報を画像メモリ66に格納
する。そして、少なくとも、1ページ分が画像メモリ6
6に格納されると、そのページの画像記録を行う。
【0063】CPU67は、画像メモリ66より1ペー
ジの画像情報を読出し、プリンタコントローラ68に復
号化された1ページの画像情報を送出する。プリンタコ
ントローラ68は、CPU67からの1ページの画像情
報を受け取ると、そのページの画像情報記録を行うた
め、プリンタ69を制御する。以上のように、画像の受
信と記録が行われる。
【0064】(実施例1)次に、本発明の円筒状ワーク
およびその製法の具体例について説明する。本実施例で
は、先述の製法による円筒状ワークを用いて、現像スリ
ーブを作製し、その評価を行った。
【0065】まず、外径:20.16mm、内径:1
8.4mm、長さ:330mm、材質:6000系アル
ミニウム合金製の、押出成形の円筒素管からなる円筒体
の駆動側の端部に、フランジ部の外径:18.44±
0.05mm、軸支部の外径:12.10mmの第1の
軸支部材を圧入して、ワークWを製作し、まず、第一工
程としてインフィードセンタレス研削により、以下の研
削条件で、ワークWの円筒面と軸支部材の軸部、およ
び、ワークの内端面を研削した。
【0066】[円筒面および軸部外径研削条件]: ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec ・粗研削代(円筒面):0.16mm ・粗研削代(軸部):0.08mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC)#120 ・研削砥石回転数:1250rpm 次に、このようにして、インフィードセンタレス研削加
工にて、粗研削を終えたワークWを、次の第二工程で、
スルーフィードセンタレス研削にて、以下の条件で円筒
部の仕上げ研削加工を行った。
【0067】 ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec ・仕上研削代(円筒面):0.02mm ・研削砥石:炭化珪素質(SiC)#400 ・研削砥石回転数:1250rpm 次に、こうして得られたワークWの円筒面に、帯電付与
性能を向上するために導電性カーボン:10重量部、グ
ラファイト(平均粒径7μ):90重量部、フェノール
樹脂:100重量部、IPA溶剤を固形分35%となる
ように混合し、ペイントシェーカーにガラスビーズと共
に入れ、5時間の分散を行って調成し、この塗工液を、
エアースプレーガンにより、前記円筒面に吹き付け、樹
脂層を形成し、150℃の乾燥炉に、約30分間入れ
て、塗膜を熱硬化させた。そして、完全に硬化させた後
に、スリーブ表面の粗さを測定したところ、Ra=0.
26μmであった。
【0068】次いで、マグネットローラーをワークに挿
入し、最後に、第2の軸支部材を内端面に圧入して、現
像スリーブを作製した。
【0069】上述の方法により、現像スリーブを50
本、作製し、それぞれを回転させて、軸振れの測定を行
った。測定方法は、図11に示すように、非接触レーザ
測定機を使用して、現像スリーブQを、その両端部の
A,B点を基準にして回転させたときの、駆動側の軸部
の振れfおよび円筒面の振れpの2箇所を測定するもの
である。測定の結果、50本の平均値で、軸部の振れは
1.3μm、円筒面の振れは2.4μmであった。
【0070】その後、現像スリーブQを、キヤノン製レ
ーザビームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、
間欠による10000枚の画出しを行った結果、ハーフ
トーン、ベタ黒のいずれの画像上も、ピッチむらなどの
欠陥を発生することなく、非常に良好な画像が得られ
た。
【0071】本具体例の評価結果を、以下に述べる実施
例2〜5、および、比較例1、2の評価結果とともに表
1に示す。
【0072】(実施例2)ここでは、実施例1におけ
る、第二工程のスルーフィードセンタレス研削の仕上研
削砥石の粒度を、#400にした以外は、実施例1と同
様の方法で、現像スリーブを作製・評価した。
【0073】(実施例3)ここでは、実施例1におけ
る、第二工程のスルーフィードセンタレス研削の仕上研
削砥石の粒度を、#600にした以外は、実施例1と同
様の方法で、現像スリーブを作製・評価した。
【0074】(実施例4)ここでは、実施例1におけ
る、第二工程のスルーフィードセンタレス研削の仕上研
削砥石の粒度を、#800にした以外は、実施例1と同
様の方法で、現像スリーブを作製・評価した。
【0075】(実施例5)ここでは、実施例1におけ
る、第二工程のスルーフィードセンタレス研削の仕上研
削砥石の粒度を、#1000にした以外は、実施例1と
同様の方法で、現像スリーブを作製・評価した。
【0076】(比較例1)ここでは、図12および図1
3に示した従来例によって現像スリーブを製造した。す
なわち、アルミニウム引抜円筒素管を押出した後、引抜
工程を経て、曲がりを除去するために、ロール矯正を行
い、これを実施例1と同じ寸法および材質の円筒体10
1に仕上げて、ワークを製作した。そして、これに、第
1の軸支部材102を圧入し、その後、サンドブラスト
加工により、表面を粗面化し、スプレー塗布により、表
面に塗膜を形成させて現像スリーブを作製し、前述と同
様の評価を行った。その結果、軸部102bの同軸精度
は、21.4μm、円筒面の振れは17.4μmであっ
た。また、画像評価は、ハーフトーン、ベタ黒の画像上
に、軽微なスリーブ周期のピッチむらが発生した。
【0077】(比較例2)ここでは、図14および図1
5に示した従来例によって現像スリーブを製造した。即
ち、アルミニウム引抜円筒素管からなる実施例1と同じ
寸法および材質の円筒体201に、第1の軸支部材20
2を圧入して、結合させ、その後、マグネットローラー
を挿入し、さらに、第2の軸支部材204を圧入した。
このようにして、円筒状ワークWを製作した上で、旋盤
による切削で、両軸部と円筒部とを所定の表面粗さに仕
上げた。
【0078】次いで、サンドブラスト加工を行い、表面
を粗面化し、実施例1と同様に塗膜を形成させて、現像
スリーブを作製し、評価を行ったところ、軸部202b
の同軸精度は、5.43μm、円筒面の振れは11.2
μmであった。また、画像評価については、画出しの初
期から、かなりひどい、スリーブピッチの濃度むらが発
生した。これはハーフトーン、ベタ黒いずれの場合にも
発生した。その後、レーザビームプリンター本体からプ
ロセスカートリッジを取り外し、カートリッジを分解し
て現像スリーブを調べたところ、現像スリーブ内部でマ
グネットローラーが大きく変形しており、スリーブ内面
にマグネットローラーが接触していた形跡が見られた。
【0079】
【表1】 ◎:非常に良好である ○:良好である △:多少欠点があるが実用上問題ない ×:実用上問題がある
【0080】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。即ち、円筒状
ワークの円筒面が高い形状精度に仕上げられており、し
かも、円筒面と軸部の同軸精度が極めて高く、使用に際
して、回転中に大きな振れを生じる畏れがない。そし
て、その製造も容易である。
【0081】また、このような円筒状ワークを電子写真
用の現像スリーブや感光ドラムの基体として用いれば、
円筒面の真円度、真直度および表面粗さ度が極めて高
く、従って、円筒面の凹凸などによって画質を低下させ
る畏れがない上、振れが小さいために、安定して回転す
る高性能な現像スリーブや感光ドラムを得ることが容易
である。その結果、高い画質の画像を安定して得ること
のできる画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す現像スリーブの製造
工程の説明図で、(a)は円筒体、(b)は円筒体に第
一の軸支部材を結合させて、円筒状ワークを製作する工
程、(c)は第一工程としてワークをインフィードセン
タレス研削する工程、(d)は第二工程としてワークを
スルーフィードセンタレス研削する工程を示す。
【図2】同じく、前記製造工程の説明図で、(e)はワ
ークにマグネットロールを挿入する工程、(f)および
(g)はワークに第二の軸支部材を結合させる工程を示
す。
【図3】第一工程に使用するインフィードセンタレス研
削装置を説明するもので、(a)は一部断面平面図、
(b)は立面図である。
【図4】段付き外面研削砥石と研削後のワークの寸法の
関係を示す部分拡大断面図である。
【図5】段付き外面研削砥石がワークの円筒面に接触す
る前に軸部に接触した場合を説明するもので、(a)は
段付き外面研削砥石が軸部にはじめて接触した状態、
(b)はワークが軸振れを起こした状態をそれぞれ示す
断面図である。
【図6】第二工程のスルーフィードセンタレス研削装置
を説明するもので、(a)は一部断面平面図、(b)は
立面図である。
【図7】研削砥石、調整砥石、ワークの位置関係を示す
図である。
【図8】塗工を説明する図である。
【図9】転写式電子写真装置を説明する説明図である。
【図10】ファクシミリのプリンタを説明するブロック
図である。
【図11】現像スリーブの寸法精度の測定方法を説明す
る説明図である。
【図12】一従来例によって現像スリーブを製造すると
きの各工程の内、最初の2工程を説明するものである。
【図13】同じく、次の3工程を説明するものである。
【図14】別の従来例によって現像スリーブを製造する
ときの各工程の内、最初の3工程を説明するものであ
る。
【図15】同じく、次の3工程を説明するものである。
【符号の説明】
E 研削装置 G1 段付き外面研削砥石 G2 内面研削砥石 W ワーク 1 円筒体 1b 円筒面(外周面) 2,4 軸支部材 2b 軸部 3 マグネットローラー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒体の端部に軸部材を備えた円筒状ワ
    ークにおいて、前記軸部材は、前記円筒体の外端に位置
    するフランジ部、および、前記円筒体内に嵌合・固着す
    る嵌合部を有し、その嵌合・固着状態で、そのフランジ
    部の外周部分と前記円筒体の外周部分を同時に研削さ
    れ、同軸精度の高い状態を得るように構成したことを特
    徴とする円筒状ワーク。
  2. 【請求項2】 前記軸部材の軸心を中心とした前記円筒
    体の表面の振れを、それぞれ、10μm以下にしている
    ことを特徴とする円筒状ワーク。
  3. 【請求項3】 前記円筒体は、その外周面が現像スリー
    ブまたは感光ドラムの基体の円筒面として構成されてい
    ることを特徴とする円筒状ワーク。
  4. 【請求項4】 円筒体とその端部に結合された軸部材を
    有する円筒状ワークを製作する際に、該ワークの円筒
    面、および、前記ワークの外端に位置する前記円筒体の
    フランジ部の各外周面を、第一工程として、インフィー
    ドセンタレス研削手段によって、粗研削すると共に、次
    いで、第二工程として、スルーフィードセンタレス研削
    手段によって、仕上研削し、それぞれ、前記軸部材の回
    転中心からの前記各外周の形状精度を所定値内に保持す
    ることを特徴とする円筒状ワークの製法。
  5. 【請求項5】 前記の研削手段による研削で得られる形
    状精度は、前記軸部材の回転中心に対する、円筒体の外
    周の振れで、10μm以下であることを特徴とする請求
    項4に記載の円筒状ワークの製法。
  6. 【請求項6】 前記円筒体の外周面の研削を、前記軸部
    材のフランジ部の外周面の研削が開始される前に、開始
    することで、前記形状精度を安定させることを特徴とす
    る請求項4あるいは5に記載の円筒状ワークの製法。
  7. 【請求項7】 第一工程のインフィードセンタレス研削
    手段が、段付き外面研削砥石の小径部分と大径部分によ
    って構成されており、前記円筒本体の外周面の研削代
    が、前記軸部材のフランジ部の外周面の研削代より大で
    あることを特徴とする請求項6記載の円筒状ワークの製
    法。
  8. 【請求項8】 第一工程および第二工程のセンタレス研
    削手段による研削を終了した後に、円筒体外周面に樹脂
    層を被覆することを特徴とする請求項6あるいは7に記
    載の円筒状ワークの製法。
JP9643399A 1999-04-02 1999-04-02 円筒状ワークおよびその製法 Pending JP2000288879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9643399A JP2000288879A (ja) 1999-04-02 1999-04-02 円筒状ワークおよびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9643399A JP2000288879A (ja) 1999-04-02 1999-04-02 円筒状ワークおよびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000288879A true JP2000288879A (ja) 2000-10-17

Family

ID=14164887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9643399A Pending JP2000288879A (ja) 1999-04-02 1999-04-02 円筒状ワークおよびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000288879A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100368150C (zh) * 2005-03-07 2008-02-13 贵州西南工具(集团)有限公司 圆环类零件外圆的加工方法及装置
JP2009279724A (ja) * 2008-05-24 2009-12-03 Koyo Mach Ind Co Ltd 円筒状工作物の曲り取り方法、センタレス研削方法および装置
JP2010128269A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Panasonic Corp 現像ロールとその製造方法と印字装置
US8178188B2 (en) 2001-04-20 2012-05-15 Panasonic Corporation Base layer for manufacturing an electronic component by an etching process
CN102601695A (zh) * 2012-04-12 2012-07-25 沙市轻工机械有限公司 一种可控中高辊动态模拟磨削工装

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8178188B2 (en) 2001-04-20 2012-05-15 Panasonic Corporation Base layer for manufacturing an electronic component by an etching process
US8247474B2 (en) 2001-04-20 2012-08-21 Panasonic Corporation Method of manufacturing base layer, ink for inkjet and electronic components
US8507076B2 (en) 2001-04-20 2013-08-13 Panasonic Corporation Combination of base layer and ink for inkjet for manufacturing electronic component
CN100368150C (zh) * 2005-03-07 2008-02-13 贵州西南工具(集团)有限公司 圆环类零件外圆的加工方法及装置
JP2009279724A (ja) * 2008-05-24 2009-12-03 Koyo Mach Ind Co Ltd 円筒状工作物の曲り取り方法、センタレス研削方法および装置
JP2010128269A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Panasonic Corp 現像ロールとその製造方法と印字装置
CN102601695A (zh) * 2012-04-12 2012-07-25 沙市轻工机械有限公司 一种可控中高辊动态模拟磨削工装

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06328303A (ja) 円筒部材およびその製法
CN1041133C (zh) 铝管制造方法和由该方法制造的电子照相光敏部件
JP2810999B2 (ja) 感光体ドラム用基体の製造方法
JPH08328376A (ja) 画像形成装置用円筒部材およびその製造方法
US5842086A (en) Photosensitive body drum unit
JP3406939B2 (ja) 円筒部材の製法
JP2000288879A (ja) 円筒状ワークおよびその製法
JP2007226146A (ja) 円筒状電子写真感光体用支持体の切削方法
JP2000122310A (ja) 複写機等感光ドラム用鏡面管の製造方法
JP2000141225A (ja) 被加工物表面の処理方法
JP3799153B2 (ja) 円筒体の製造方法及び円筒体及び現像スリーブ及び現像装置
JPH09239649A (ja) 電子写真用円筒部材の研削装置
JPH09185291A (ja) 電子写真感光体の支持方法および駆動方法並びに画像 形成装置
JP3039907B2 (ja) 均一微細凹凸表面形状を有する現像スリーブ及びその製造方法
JP4174388B2 (ja) 電子写真感光ドラムユニットの製造方法
JP3320272B2 (ja) 円筒部材およびその製造方法
JP2000127006A (ja) 円筒部材の製法、この円筒部材を備える現像装置及び画像形成装置
JP3566607B2 (ja) 電子写真用円筒部材の研削装置及び研削方法及び電子写真用円筒部材
JP2007015044A (ja) ゴムロールの研削方法およびゴムロール
JPH08211679A (ja) 円筒部材およびその製造方法
JP3840178B2 (ja) 電子写真感光体の支持体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JPH09239648A (ja) 電子写真用円筒部材の研削装置
JP2005266271A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH11291146A (ja) 電子写真用円筒部材の研削装置
JPH0874839A (ja) 軸付き現像スリーブおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070717