JP3799153B2 - 円筒体の製造方法及び円筒体及び現像スリーブ及び現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真法において、電子写真感光体等の潜像保持体上に形成された潜像を現像して顕像化するための現像スリーブ等の円筒体の製造方法及び円筒体及び現像スリーブ及び現像装置及び電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体に関するものである
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2297691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されているごとく、多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質からなる感光体を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤(トナー)を用いて現像し、トナー画像を必要に応じて紙などの転写材に転写した後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るものである。
【0002】
潜像を現像する方法は、一般に乾式現像法と湿式現像法とに分類されるが、湿式現像法は、溶剤蒸発が伴うことから、現在では殆ど使われていない。乾式現像材として1成分2成分現像材、磁性、非磁性現像剤、さらには絶縁性、誘電性現像剤が使用されているが、これら現像剤を担持して潜像を忠実に顕像化するために、潜像が形成された感光体へ現像剤を担持して搬送するための現像スリーブが用いられる。
【0003】
一般に、係る現像スリーブのような円筒体には、純度99.5%以上のAlや、0.05〜0.20%のCuと1.0〜1.5%のMnを含むCu−Mn−Al合金、あるいは0.20〜0.60%のSiと0.45〜0.90のMgを含むSi−Mg−Al合金等が用いられ、これら材料を押出、引抜工程を経て、ある程度の寸法精度にする。しかし、このようなアルミ引抜円筒のままでは曲がりが大きく残っているため、通常は、この後ロール矯正などを行い所望の寸法精度(真直度、振れ)にまで仕上げる。その後、所定の長さに切断し、両端部のバリ除去、端面精度の向上の目的で切削加工により端部を仕上げる。
【0004】
例えば、現像スリーブの場合、こうしてできた基体円筒に現像スリーブとしての機能を持たせるために円筒表面にサンドブラスト加工等を行い、表面に凹凸を形成して現像剤(トナー)の搬送性を高めたり、さらにその後、トナーの帯電付与性を向上させる目的で、凹凸を形成した表面に、熱硬化性樹脂に導電性カーボンを分散した塗料をスプレー塗布により塗布し、約150℃〜170℃の恒温漕で20〜30分間乾燥させて塗膜を硬化させる方法が知られている。
【0005】
最後に、このようにしてできた円筒部材の両端部に、現像スリーブを回転支持するためのフランジ部材を接着、圧入、その他の方法により結合する。また、使用する現像剤(トナー)の種類により、円筒部材内部にトナーを磁力により搬送するためのマグネットローラを挿入する場合もある。これは、トナーが磁性トナーである場合である。こうして、円筒部材の両端部にフランジ部材を結合させることによって、現像スリーブとして完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、基体円筒にフランジ部材を結合させるため、フランジ部材と円筒部材との同軸度が悪くなるという欠点がある。つまり、円筒部品とフランジ部品という単部品同士の結合であるために、それらの結合精度にどうしても限界があり、特に、電子写真装置等に使用されるような高精度な円筒部材としては不適であった。フランジ部材の精度が悪いと、円筒部材にフランジ部材が曲がって結合されることがあり、このような場合には、現像スリーブの回転挙動が不規則になり、画像上にスリーブ周期の濃度むらとなって現れることがある。
【0007】
このような欠点を補う方法として、次のような方法もある。
【0008】
すなわち、現像スリーブの基体となる円筒部材の片側に、予めフランジ部材を圧入、接着、その他の方法により結合させる。そして、ブラスト、塗工工程を経る前に、先にマグネットローラを挿入し、円筒部材の他の片側のフランジ部材を同様に結合させた後に、旋盤などによってフランジ部材と円筒部材外面を同時に切削加工を行い、フランジ部材と円筒部材との同軸度を高精度に仕上げる。そして、最後に、塗工を行うというものである。この方法であれば、フランジ部材の軸受け部と円筒部材との同軸度は、旋盤の加工精度に依存することになり、比較的容易に高い精度のものが得られる。
【0009】
しかし、この方法には次のような問題がある。たとえば、塗工した後の乾燥工程において、マグネットローラが組み込まれた円筒部材が150〜170℃の高温下に置かれたとき、その熱により円筒部材の内部に挿入されたマグネットローラが変形を起こし、それが円筒部材の内部で大きく曲がって、円筒部材の内面に接触するという現象が起こる場合もある。また、マグネットローラが変形することにより、磁力曲線が狂ったり、マグネットローラが円筒部材の内面に接触することで現像スリーブの回転挙動に影響を与えて、形成する画像に悪影響を及ぼす。また、旋盤等による切削加工の際、円筒内部にマグネットローラが挿入されているため、切削加工においてワークを高速度で回転させると振動が発生しやすい。したがって、ワークの回転数は約3,000rpm以下に限定せざるを得ず、切削工程の高速化が困難である。加えて、各ワークを切削機械に着脱するときは、モータの回転を停止させなければならず、各ワークの加工サイクル毎にモータの立ち上がり時間を必要とするため待機時間が長くなる。その結果、ワーク自体の加工サイクルタイムが長くなり、製造コストの上昇を招く。
【0010】
また、現像スリーブの円筒部材とフランジ部材の結合方法として、(A)アルミニウム製の円筒部材の端部に対してプラスチック製のフランジ部材を圧入してから、その円筒部材の端部をかしめた場合、または(B)アルミニウム製の円筒部材の端部に対してアルミニウム製のフランジ部材を圧入した場合には、それぞれ次のような問題がある。
【0011】
(A)の方法の問題点
アルミニウム製の円筒部材の端部にプラスチック製のフランジ部材を圧入して、高精度の結合を得るためには、フランジ部材を圧入するための装置として、かなり高精度に調整された圧入装置が必要となり、その調整は難しく、その圧入装置も高価となる。また、高精度の圧入装置を用いても、円筒部材の外径基準に対してのフランジ部材のふれが大きくなる。さらにフランジ部材の抜け防止のために、それを圧入した後に、円筒部材の結合部位をかしめる必要がある。
【0012】
また、フランジ部材のふれが15μm以上になると、この現像スリーブを用いて画像を形成した場合に、円筒部材とフランジ部材との軸芯が合わず、円筒部材に不要な力が作用して、現像スリーブと感光ドラムとの間のギャップを一定に保てなくなり、ピッチむらが顕著に現れてしまう。
【0013】
また、このような方法によって結合した現像スリーブと、感光ドラムとの間のギャップを一定に保つために、現像スリーブの円筒部材の両端にスリーブコロを装着して、そのスリーブコロを一定の予圧によって感光ドラムに押し付けるようにした場合には回転のフレによって次のような問題が発生する。すなわち、このスリーブコロは、現像スリーブの円筒部材や感光ドラムの表面を傷つけないような柔軟な樹脂でできているため、回転のフレによって不均一に削られる結果、耐久性が乏しく、感光ドラムに対しての現像スリーブの高速回転を妨げる要因となってしまい、記録動作の高速化の妨げとなる。
【0014】
(B)の方法の問題点
アルミニウム製の円筒部材にアルミニウム製のフランジ部材を圧入するため、上記(A)の場合における円筒部材の結合部位のかしめが不要とはなるものの、円筒部材とフランジ部材とのカジリによって不均一に圧入されて、フランジ部材のフレが悪い。
【0015】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、円筒部材とフランジ部材との同軸度およびふれ精度を高精度に設定することができる円筒体の製造方法及び円筒体及び現像スリーブ及び現像装置及び電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる円筒体の製造方法は、円筒部材の端部内側にシャフト状部材が挿入結合された円筒体の製造方法であって、前記シャフト状部材は、前記円筒部材の端部内側に結合される結合部と、先端の凸部と、前記結合部に垂直であって前記シャフト状部材を保持する保持治具の端面が当接する外周部とを備え、前記円筒部材の端部内側と前記円筒部材の端面とが垂直になるように加工するとともに、前記円筒部材の端部内側と前記シャフト状部材の結合部とを締まりばめの関係となる寸法に加工する加工工程と、前記円筒部材の端部を加熱して、前記シャフト状部材の結合部とすきまばめの関係となる寸法に前記円筒部材の内径を拡径させる加熱工程と、前記シャフト状部材を、前記シャフト状部材の軸線と前記保持治具の端面とが垂直になるように前記保持治具により保持する保持工程と、前記円筒部材の端部内側に前記保持治具により保持した前記シャフト状部材を挿入し、前記保持治具の前記端面を前記円筒部材の端面に当接させながら前記円筒部材を冷却する挿入工程とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、この発明に係わる円筒体の製造方法において、前記保持治具は、前記シャフト状部材が前記円筒部材の内周面に倣って挿入されるように、前記シャフト状部材を該シャフト状部材の軸線と略直交する方向に移動可能に保持することを特徴としている。
【0018】
また、この発明に係わる円筒体の製造方法において、前記保持治具は、前記シャフト状部材の軸線と前記端面との直角度が5μm以下となるように設定されていることを特徴としている。
【0022】
また、この発明に係わる円筒体の製造方法において、前記円筒部材の肉厚は0.5mm〜2.0mmであり、前記円筒部材の端部内側と前記シャフト状部材の結合部とのしめしろが、前記円筒部材の基準内径の0.04〜0.2%であり、前記円筒部材を回転させたときの前記円筒部材の端部内側のふれが10μm以下であり、前記円筒部材の端部内側と前記シャフト状部材の結合部との結合長さが2mm〜6mmであり、前記円筒部材の端部内側は前記加熱工程において前記基準内径の0.3〜0.5%拡径されることを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係わる円筒体は、上記の製造方法により製造されたことを特徴としている。
【0024】
また、本発明に係わる現像スリーブは、上記の製造方法により製造されたことを特徴としている。
【0025】
また、本発明に係わる現像装置は、静電潜像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムに現像剤を供給して前記静電潜像を現象する現象スリーブとを有する現像装置であって、前記現像スリーブは上記の現像スリーブであることを特徴としている。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0043】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の具体的な説明に先立ち、本実施形態の背景技術および概要について説明する。
【0044】
「背景技術および概要」
従来より、円筒部材とフランジ部材との結合においては、フランジ部材を曲げることなく高精度に結合する方法が種々試みられている。例えば、実開昭56−154007号公報には、フランジ部材の嵌合部の外周に複数個の穴を設け、円筒部材をかしめて結合するロールが開示され、また実開昭57−79862号公報には、フランジ部材の端部に環状の溝を設け、そこに円筒部材の端部を巻き込むようにかしめたロールが開示され、さらに特開平6−175504号公報には、円筒部材にインロー加工を行い、そのインロー内径より小さい嵌合部を有するフランジ部材を挿入して接着剤により結合したロールが開示されている。
【0045】
しかしながら、これらの方法のうちかしめを用いる方法では、かしめによってフランジ部材の結合強度は得られるものの、かしめのための外部圧力によって偏心が起こり、フランジ部材の曲がりのない円筒体が得られがたい。また、接着による結合方法では、接着剤を均一に塗布してフランジ部材を曲がりの少ないように固定することが難しく、また経時変化による接着強度の低下がみられる場合もあり、フランジ部材の結合強度と、フランジ部材の曲がりの少ない結合とを同時に得ることができない。
【0046】
かかる問題を解決するために鋭意検討したところ、円筒部材の結合部位を加熱により拡径し、その部位にフランジ部材をすきまばめの状態で挿入して冷却し、結合するいわゆる焼きばめが有効であることを見いだした。
【0047】
しかし、このように単に、円筒部材とフランジ部材とを焼きばめしただけでは、結合強度は得られるものの、それらの曲がりの少ない結合は得られない。それは、以下の理由による。
【0048】
すなわち、一般に、金属の熱伝導性は大きく、円筒部材の内面にフランジ部材が接触すると、速やかに熱の移動が起こり、円筒部材は元の大きさに戻る。このときに、フランジ部材が円筒部材の中心軸からずれて挿入されたり、曲がって挿入されてしまう。かかる問題を解決するためには、速やかに、円筒部材とフランジ部材の中心軸の水平方向の位置ずれを調整し、さらに円筒部材の端面とフランジ部材の対向部とを確実に接触させて押さえつけることが重要となる。
【0049】
一般に、円筒体としての現像スリーブは、電子写真法や静電記録法等によって形成される潜像担持体上の潜像を現像するために、その内部にマグネットローラが挿入される。これは磁力によって現像剤を搬送するためであり、マグネットローラの磁力の関係から、現像スリーブにおける円筒部材の肉厚は0.5mm〜2.0mmの範囲とされている。また、現像スリーブにおけるフランジ部材の結合強度は、駆動回転によるフランジの曲がり、ハズレの関係から、5kg〜50kgが必要であり、かかる点から次のような寸法が有効であることを見いだした。
【0050】
すなわち、結合しめしろは基準内径の0.04〜0.2%の範囲が必要である。また結合長さは、結合後のフランジ部材の倒れ防止、および結合強度を確保する点から1mm〜5mmの範囲とする。結合しめしろが基準内径の0.04%以下では、必要とする結合強度が得られず、基準内径の0.2%の結合しめしろ以上では必要以上の強度となる。結合長さが1mm以下では、結合後のフランジ部が倒れるおそれがあり、またそれを5mm以上とすることは不必要である。また、加熱による円筒部材の拡径は基準内径の0.3〜0.5%の範囲が好ましく、0.3%以下では、円筒部材とフランジ部材との接触により、フランジ部材が曲がって結合されるおそれがあり、0.5%以上では、加熱温度が高くなりすぎて材料の熱劣化のおそれがある。
【0051】
また、現像スリーブを用いて良好な画像を得るためには、フランジ部材のふれを15μm以下にすることが好ましい。それを15μm以下の精度にすることにより、現像スリーブを回転駆動させるための手段との連結において、現像スリーブ全体のふれの発生を抑えるためである。このような精度を得るためには、円筒部材の結合部位のインローフレを10μm以下とし、端面直角度を5μm以下とすることが必要である。さらにはフランジ部材単品のふれを5μm以下とすることが必要である。かかる結合条件により、フランジ部材のふれが15μm以下となる。
【0052】
また、現像フランジや感光ドラムのような円筒体は、それが備わる複写機やプリンタの環境条件を考慮し、特に高温高湿、低温低湿などのあらゆる環境においても好ましい結合強度を得るために、円筒部材とフランジ部材を同質材料とすることが好ましい。特に、軽量性、加工性の点から、アルミニウムであることが好ましい。ただし、アルミニウムは高温時の熱的な条件に対して熱変形しやすいという欠点があるため、アルミニウム製の円筒部材の拡径範囲を基準内径の0.3〜0.5%とするようにその加熱温度を抑えることが必要となる。
【0053】
また、現像スリーブにおいては、円筒部材両端に結合される2つのフランジ部材の内の一方をプラスチックフランジとして、それを圧入、かしめ、接着等の手段によって簡易に結合させたものもある。しかし、耐久性が要求される複写機やプリンタ等の現像スリーブにおいては、円筒部材の両端に対して、フランジ部材を高精度に結合する必要があり、かかる場合には、円筒部材の内部にマグネットローラを収容させた状態でフランジ部材を結合させる必要が生じる。この場合には、円筒部材の一端に一方のフランジ部材を結合し、切削またはセンターレス切削により円筒部材の他端と他方のフランジ部材を同時または別々に加工して、同軸度のよい円筒部材を用意してから、その円筒部材の内部にマグネットローラを挿入し、そして円筒部材の他端に他方のフランジ部材を結合する。円筒部材内におけるマグネットローラの存在下において、円筒部材にフランジ部材を結合する場合には、円筒部材を拡径させるための加熱によるマグネットローラの磁力の変動を回避するために、円筒部材の加熱温度を抑える必要がある。マグネットローラに磁力の変化があると画像が悪化する。かかる必要性からも円筒部材の拡径範囲を基準内径の0.3〜0.5%とする。また、加熱温度を200℃以下とすることにより、マグネットローラの磁力の変化は抑えられることを本願出願人は先に出願した。
【0054】
しかしながら、かかる結合方法において、高精度な結合精度を得るには、フランジのつば部の端面直角度の精度を高精度に加工することが必要である(図33参照)。
【0055】
ここにおいて、フランジのつば部の端面直角度を高精度に加工するには、高精度加工装置が必要であり、加工コストが高いという欠点がある。
【0056】
かかる加工コストの低減と高精度な結合の両立を目的として鋭意検討したところ、本実施形態のようにフランジのつば部の無い形状のフランジ部材を用いることにより、加工コストの大幅な削減が可能となることが分かった。
【0057】
具体的には、フランジを保持する保持治具を、フランジのつば部と同様な作用効果を有する形状にすることにより、高精度の結合が得られるものである。
【0058】
即ち、保持治具の形状において、フランジ部材の結合部の外径より大きい部分を有する形状とすることにより、フランジ部材の結合部とすきまばめの関係となるように所定の温度に熱されて拡径された後、該円筒部材の端部の冷却中に前記円筒部材の軸芯に対して調芯されつつ該円筒部材の端部に嵌入されて、前記円筒部材の端面に前記保持治具の端面が当接することにより、つば有りフランジのつば部と同様な作用効果により高精度が得られるものである。
【0059】
かかる方法により、保持治具の端面精度を高精度に加工することにより高精度な結合が安定して得られるものである。
【0060】
ここにおいて、かかる保持治具の端面直角度は1〜5μmとする。5μm以上では結合精度が悪くなる。
【0061】
かかる結合方法により、つば有りフランジの端面直角度のバラツキによる結合精度のバラツキが無くなることとなり、安定な精度が得られることとなり、工程能力の向上が計られる。
【0062】
ここにおいて、保持治具の外径は、円筒部材が加熱されて拡径された外径より大きくすることが必要である。
【0063】
かかる結合により、更なる効果として、結合の長さがつば分だけ長くなるので結合の向上が計られる。
【0064】
一般に現像スリーブの場合、特に、マグローラを用いる現像において、現像領域と本体の大きさとの観点から、スリーブの長さはある制限があり、又マグローラも必要長さが有る。このような制限からフランジの結合長さはある制限があり、結合力の制限があった。ここにおいて、本結合法はつば部の長さ分だけ結合長さを長くできるので、結合力の向上も計られるものである。
【0065】
まとめると、本実施形態では、フランジ保持治具の形状において、フランジ部材の結合部の外径より大きい部分を有する形状とすることにより、フランジ部材の結合部と隙間嵌めの関係となるように所定の温度に加熱されて拡径された後、該円筒部材の端部の冷却中に前記円筒部材の軸芯に対して調芯されつつ該円筒部材の端部に嵌入されて前記円筒部材の端面に前記保治治具の端面が当接することにより、つば有りフランジのつば部と同様な作用効果により高精度が得られるものである。
【0066】
かかる結合方法により、つば有りフランジの端面直角度のバラツキによるフランジ結合精度のバラツキが無くなり、安定な精度が得られることとなり工程能力の向上が図られる。
【0067】
次に、本発明の第1の実施形態を「画像形成装置の全体構成」、「現像スリーブの製造装置」、「現像スリーブの製造方法の具体例」に分けて説明する。
【0068】
「画像形成装置」
図26に、円筒部材としての現像スリーブおよび感光ドラムを備えた転写式電子写真装置の概略構成を示す。
【0069】
図26において1101は感光ドラムであり、軸1101aを中心として矢印A方向に所定の周速度で回転駆動される。感光ドラム1101は、その回転過程で帯電手段1102により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部1103にて不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光、レーザービーム走査露光等)を受ける。これにより、感光ドラム1101の周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0070】
その静電潜像は、ついで現像手段1104でトナー現像され、そのトナー現像された像は、転写手段1105により、不図示の給紙部から感光ドラム1101と転写手段1105との間に感光ドラム1101の回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写されていく。1020は現像手段1104に備わる現像スリーブである。像転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1101の面から分離され、像定着手段1108へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0071】
像転写後の感光ドラム1101の表面は、クリーニング手段1106にて、転写残りトナーの除去を受けて清浄面とされ、さらに前露出手段1107により除電処理されて繰り返し像形成に使用される。
【0072】
感光ドラム1101の均一帯電手段1102としては、コロナ帯電装置または接触帯電が一般に広く使用されている。また、転写手段1105としてもコロナ帯電転写手段が一般に広く使用されている。また、電子写真装置として、上述の感光ドラム1101、現像手段1104、クリーニング手段1106等の構成要素の内、複数のものをユニットとして一体に結合し、このユニットを装置本体に着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段l102、現像手段l104、およびクリーニング手段1106の少なくともlつを感光ドラム1101と共に一体に支持したユニットを装置本体に着脱自在の単一ユニット(現像装置)とし、それを装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
【0073】
また、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは原稿を読み取って信号化し、この信号によるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッターアレイ駆動などにより行われる。
【0074】
また、ファクシミリのプリンタとして使用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントするための露光となる。図27は、この場合の構成例を示すブロック図である。
【0075】
図27において、コントローラ1111は、画像読み取り部1110とプリンタ1119を制御する。コントローラ1111の全体はCPU1117により制御される。画像読み取り部1110からの読み取りデータは、送信回路1113を通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは、受信回路1112を通してプリンタ1119に送られる。画像メモリ1116には、所定の画像データが記憶される。プリンタコントローラll18はプリンタ1119を制御する。1114は電話である。
【0076】
回線1115から受信された画像(回線1115を介して接続されたリモート端末からの画像情報)が受信回路1112で復調された後、CPU1117は、画像情報の復号処理を行い順次画像メモリ1116に格納する。そして、少なくとも1ページ分の画像がメモリ1116に格納されると、そのページの画像記録を行う。CPU1117は、メモリ1116より1ページ分の画像情報を読み出し、プリンタコントローラ1118に復号化された1ページ分の画像情報を送出する。プリンタコントローラ1118は、CPU1117からの1ページ分の画像情報を受け取ると、そのべ一ジの画像情報の記録を行うべくプリンタ1119を制御する。なお、CPU1117は、プリンタ1119による記録中に、次のべ一ジ受信を行っている。
【0077】
以上のようにして、画像の受信と記録が行われる。
【0078】
ところで、現像手段1104は、現像スリーブ1020の回転によって、感光ドラム1101上の静電潜像に現像剤を供給して、その静電潜像を現象するため、その現像剤を感光ドラム1101に良好に供治するためには現像スリーブ1020を感光ドラム1101に対して所定の間隔で対向させる必要がある。
【0079】
図28は、現像スリーブ1020と感光ドラム1101との位置関係を示す斜視図、図29は現像スリーブ1020の非駆動側端部の断面図である。
【0080】
図28に示すように、現像スリーブ1020は、その両端のフランジ部材1022が滑り軸受け1023によって回転自在に軸支されている。また、現像スリーブ1020の両端部には、感光ドラム1101の表面と現像スリーブ1020の表面との距離δを一定に保つためのスペーサコロ1021が回転自在に備えられている。このスペーサコロ1021は、摺動製のよい樹脂材料で構成されており、その外径は現像スリーブ1020の外径よりも離間間隔δの2倍(2δ)だけ大きく設定されている。したがって、図29に示すように、スペーサコロ1021を感光ドラム1101の周面に当接させることにより、感光ドラム1101の表面と現像スリーブ1020の表面との間の距離δが一定に保たれる。
【0081】
図30は現像手段1104の側面図、図31は現像スリーブ1020の駆動軸側端部の断面図である。
【0082】
図30、図31において、駆動軸側のフランジ部材1022には駆動ギア1017が取り付けられており、その駆動ギア1017に対して、装置本体の駆動軸1019側の駆動ギア1018が選択的に歯合することにより、現像スリーブ1020が回転駆動される。
【0083】
図32は、現像スリーブ1020内にマグネットローラ1025を備えた場合の断面図であり、停止状態に保持されたマグネットローラ1025の外側にて現像スリーブ1020が矢印A方向に回転駆動され、また感光ドラム1101は矢印B方向に回転する。
【0084】
「現像スリーブの製造装置」
図1は、円筒体としての現像スリーブの製造装置の側面図、図2はその製造装置の正面図、図3はその製造装置の平面図である。以下においては、前述した現像スリーブの主体を成す円筒部材をスリーブW2、フランジ部材22をフランジW1という。
【0085】
これらの図において、1はNC組立ロボット、2はロボットハンド、3は高精度に加工されたフランジW1を供給するためのストッカ、4は高精度に加工されたスリーブW2の端部を加熱するための高周波加熱装置、5は、図示しないコンベアラインからスリーブW2を搬入および搬出するターンテーブルである。
【0086】
図4はロボットハンド2の概略構成を示す図である。ロボットハンド2は、水平コンプライアンスユニット(調芯ユニット)Y1と、水平、角度調整ユニットY2と、フランジ把持ユニットY3とによって構成されており、クッションユニット9を介してロボット1のアーム1Aに取り付けられている。
【0087】
図5はロボットハンド2の全体の断面図、図6は、ロボットハンド2の下側部分の拡大断面図である。
【0088】
図5において、まず、クッションユニット9は、ロボット1のアーム1Aから垂下するロッド8に、ばね6によって下方に付勢される直線摺勤部材7が上下方向摺動自在にガイドされている。ロボットハンド2は、直線摺動部材7に取り付けられて、常時、下方に付勢されている。10は、ユニットY1としての水平方向コンプライアンスであり、例えば、図7(a)のように平行板状のばね10Aによって水平テーブル10Bの水平方向の変位を許容する構成、あるいは図7(b)のように引張りばね10Cによって水平テーブル10Bの水平方向の変位を許容する構成となっている。上下方向の剛牲を必要とするときは、図7(b)のコンプライアンスを利用するとよい。ばね10A,10Cによる水平テーブル10Bの求心力は、0.1kg以下がよい。
【0089】
11はロックシリンダ、12はロック板であり、これらの間に水平コンプライアンス10が構成されている。ロック坂12は、水平コンプライアンス10の水平テーブル10Bに相当する。ロックシリンダ11は、図示しない電磁弁を介して加圧エアーが供給されたときに、シリンダロッド13を下方に突出させ、その先端をロック板12のロック穴14内に嵌入させることにより、ロック板12つまりは水平コンプライアンス10を固定する。したがって、ロボット1の高速動作中に、このように水平コンプライアンス10を固定することにより、ロボットハンド2を振動させることなく位置決めできることになる。
【0090】
ロボットハンド2は、フランジW1を真空吸着する吸着ヘッド151を有する。この吸着ヘッド151には、回転自在のボール150Aを有するボールスクリュウ150が取り付けられ、その吸着ヘッド151に装着された複数の吸着ヘッドロックシリンダ152によってテーパーコマ153が下方に引き込まれることにより、そのテーパーコマ153が平行ハンド固定部材17の嵌入穴17A内に嵌入固定される。つまり、吸着ヘッドロックシリンダ152によって、吸着ヘッド151が平行ハンド固定部材17に引込み固定されるようになっている。
【0091】
フランジW1の挿入開始時は、図6(a)のように、平行ハンドロックシリンダ18がテーパコマ20を嵌入穴21内に嵌入固定すると共に、吸着ヘッドロックシリンダ152がテーパーコマ153を嵌入穴17A内に嵌入固定している。そして、フランジW1の挿入後は、図6(b)のように、直ちに平行ハンドロックシリンダ18がロック解除動作して、ロック板12と平行ハンド固定部材17との間の相対変位を許容すると共に、吸着ヘッドロックシリンダ152がロック解除動作して、平行ハンド固定部材17と吸着ヘッド151との間の相対変位を許容する。したがって、フランジW1はスリーブW2の内径加工穴130にならうようにして結合することになる。
【0092】
フランジW1の結合時には、クッションユニット9のばね6の力FによりフランジW1が下方に押圧され、図6(b)のように、平行ハンド固定部材17は、ロック板12に対してスラストベアリング22を介してΔxだけ位置ずれが吸収され、さらに吸着ヘッド151は、平行ハンド固定部材17に対してΔθだけ角度が吸収される。
【0093】
ところで、マグネットローラW3の外径はスリーブW2の内径よりも小さいため、スリーブW2内にてマグネットローラW3の位置が定まらず、それが傾いてしまう場合には、このマグネットローラW3の傾きが大きいと、フランジW1結合時に、フランジW1の内径φd(図19参照)内にマグネットローラW3の瑞部が入らない。そこで、ターンテーブル5に設置された磁性体114を利用し、その磁性体l14とマグネットローラW3との間の吸引力によって、マグネットローラW3をスリーブW2内の片側に寄せ、マグネットローラW3をスリーブW2と平行に位置決めする。これにより、フランジW1とマグネットローラW2との間の干渉が回避され、フランジW1がスリーブW2の内径加工穴130内に挿入できることになる。
【0094】
図1から図3において、ストッカ3はロボット1にフランジW1を供給するための装置であり、図3に示すパレット120を多段に収納しており、それらのパレット120内にはフランジW1がマトリックス状に多数収納されている。フランジW1がロボット1に供給されることによって空となったパレット120は自動的に排出され、それに代わって、フランジW1が敷き詰められた新たなパレット120が供給位置にセットされる。
【0095】
図8は、高周波加熱装置4の詳細図である。高周波加熱装置4は、後述するようにターンテーブル5によってスリーブW1がコイル113内に位置されたときに、コイル113に高周波の電流I1が流される。これにより、そのコイル113に磁界121が発生し(図8(c)参照)、スリーブW2に誘導電流I2が生じて、スリーブW2が自己発熱する。また、電流I1の周波数を変化させることにより、コイル113内に位置するスリーブW2の表面から中心方向への加熱状態を変えることができ、スリーブW2の肉厚が変わった場合の汎用性がある。
【0096】
図9および図10は、ターンテーブル5の詳細図である。
【0097】
これらの図において、100はベース板、101は上下動シリンダ、102はガイドブロックであり、ガイドブロック102には、ガイド棒104を上下方向に摺動自在にガイドするリニアブッシュ103が内蔵されている。上下動シリンダ101のロッドの先端には、ハイロータブロック107の下部に連結する連結部材105が取り付けられている。ハイロータブロック107にはハイロータ106が収納されている。ハイロータブロック107は、ガイド棒104に連結されており、上下動シリンダ101によって精度よく上下動する。ハイロータ106は、カップリング108を介してターンテーブルベース109に連結されている。ターンテーブルベース109は、クロスローラベアリング110により支持されておりハイロータ106の回転が精度よくターンテーブル109に伝えられる。
【0098】
ターンテーブル109上には、スリーブW2を位置決めするための断面V字状の受け111(図3参照)と、その受け111にスリーブW2を押圧して周定するためのロータリーシリンダ112が設置されており、ロータリーシリンダ112の動作に応じて、スリーブW2の位置決め保持および出し入れが可能となっている。
【0099】
また、図10において113は、前述した高周波加熱装置4のコイルであり、受け111とロータリーシリンダ112によって位置決め保持されたスリーブW2が、ターンテーブルベース109と共に上下動シリンダ101によって上下動されることによって、スリーブW2の上端がコイル113内に位置されるようになっている。図10において114は鉄製等の磁性板であり、後述するようにスリーブW2内にマグネットローラW3を挿入した後にフランジW1を結合するときに、マグネットローラW3をスリーブW2内にて片寄せして位置決めする。
【0100】
ターンテーブルベース109は、ハイロータ106により回転駆動され、ターンテーブルベース109に取り付けられたストッパ115(図10参照)がハイロータブロック107に固定された回転位置決め用ショックアブソーバ116(図10参照)に当接することによって、ターンテーブルベース109の回転方向の位置が規制される。
【0101】
図11は、本製造装置の制御系のブロック構成図である。
【0102】
図11において、50は中央演算処理装置(CPU)であり、52は、CPU50とバス結合されて、一連の制御アルゴリズムのプログラムおよびマンマシーンインターフェースプログラムを含む不揮発性のメモリ(ROM)である。54は、教示データを記憶可能な電源バックアップされたメモリ(RAM)である。56はカウンタであり、ロボット1を駆動するサーボモータ58に連結されたエンコーダ60に接続されて、サーボモータ58の現在位置を検出すべくカウントする。62は、トルクアンプ64を介してサーボモータ58に接続されるD/Aコンバータであり、CPU50の制御下において電流指示をトルクアンプ64へ出力する。66は、高周波加熱装置4等の他の制御装置68、ソレノイドバルブ70、センサー72等の情報をCPU50へ取り込むためのI/Oインターフェースである。74は、外部教示装置76、表示装置78、および入力キーボード80と、CPU50とを結ぶ通信用インターフェースである。また、ROM52、RAM54、カウンタ56、コンバータ62、インターフェース66,74は、バス82によってCPU50に接続されている。
【0103】
図12(a)はフランジW1の側面図、図12(b)はスリーブW2の側面図である。
【0104】
フランジW1において、スリーブW2の端部の加工穴130内に結合される結合部131と、先端の凸部134は、それぞれ高精度な真円度2μm、同軸度3μmがでるように加工が施されている。また、保持治具の端面が当接する外周部133は、結合部131に対して高精度な直角度がでるように加工されている。スリーブW2の端部は内径加工が施され、その内径加工穴130とスリーブW2の外径の同軸度は高精度に設定されており、図13(b)のような偏肉の不均一は少なく、図13(a)のように肉厚は均一となっている。好ましい範囲は10μm以下である。また、この内径加工穴130とスリーブW2の端面132は、高精度な直角度がでるように加工されている。
【0105】
したがって、このようなフランジW1とスリーブW2の加工面をかじることなく、それらを結合し、さらにフランジW1の外周部133を保持する吸着ヘッド151の端面151A(図5及び図6参照)とスリーブW2の端面132とを当接させることによって、スリーブW2の両端部に対してフランジW1の凸部134の同軸度を高精度に定める(フランジに倒れがない状態にする)ことが可能となる。
【0106】
次に、フランジW1とスリーブW2との結合動作について説明する。
【0107】
図14は、ロボット1側の動作を説明するためのフローチャート、図15はターンテーブル5側の動作を説明するためのフローチャートである。
【0108】
まず、ストッカ3上の供給位置にフランジW1がセットされるとロボット1のアーム1Aが旋回して、ロボットハンド2の吸着ヘッド151がフランジW1をクランプする(ステップSA1)。その後、ロボットハンド2が高周波加熱装置4のコイル113の上方に移動し(ステップSA2)、ロックシリンダ11によるロック板12のロックを解除して待機する(ステップSA3)。
【0109】
一方、スリーブW2がターンテーブル5にセットされると、ロータリーシリンダ112の動作により、スリーブW2をV字状の受け111に押圧して位置決めする(ステップSB1)。その後、ハイロータ106により、ターンテーブルベース109などと共にスリーブW2が回転し(ステップSB2)、ストッパ115がショックアブソーバ116に当接する。これらが当接したときに、スリーブW2はコイル113の下方に位置する。その後、上下動シリンダ101がONとなって、ターンテーブルベース109、ハイロータブロック107等が上昇し、図16に示すようにスリーブW2の上端がコイル113の内部に位置決めされる(ステップSB3)。このようなスリーブW2の位置決めを待って、高周波加熱装置4に駆動信号が送られ、コイル113が通電されて加熱を開始する。これにより、前述したようにスリーブW2の開口部、つまり上端側の内径加工穴130部分が誘導電流により自己発熱し、その内径加工穴130が熱膨張により拡径する。
【0110】
図17は、スリーブW2の上端部が時刻t1から加熱されたときの温度変化を示し、また図18は、スリーブW2の温度と膨張量との関係を示す。
【0111】
スリーブW2の内径加工穴130の拡径により、その内経加工穴130とフランジW1の結合部131は、しまりばめの関係から隙間ばめの関係となり、以下のように、内径加工穴130に対して結合部131が隙間挿入できることになる。
【0112】
スリーブW2の加熱終了後は、コイル113への通電が停止し、高周波加熱装置4からロボット1へ加熱終了信号が送られて、ロボットハンド2が下降する(ステップSA4)。これにより、吸着ヘッド151にクランプされたフランジW1がスリーブW2の内径加工穴130内に徐々に挿入され、そして吸着ヘッド151の端面151AがスリーブW2の瑞面132に当接した後、クッションユニット9内のばね6の力によって吸着ヘッド151の端面151AがスリーブW2の端面132に押圧されることになる。
【0113】
ところで、スリーブW2に対するフランジW1の挿入時に、それらの軸芯にずれがあった場合には、それらの面取り相当分内のずれであれば、水平コンプライアンス10により吸収されて、フランジW1の結合部131がスムーズにスリーブW2の内経加工穴130内に挿入される。また、フランジW1の挿入開始時は、図16(a)のように平行ハンドロックシリンダ18がテーパコマ20を嵌入穴21内に嵌入固定しており、フランジW1の挿入後は、図16(b)のように直ちに平行ハンドロックシリンダ18がロック解除動作して(ステップSA5)、ロック板12と平行ハンド固定部材17との間の相対変位を許容する(ステップSA6)。
【0114】
また、このようなロボットハンド2における平行ハンドロック解除(ステップSA5)と平行クランプ解除(ステップSA6)により、フランジW1は、スリーブW2の端面132に押圧されて位置規制され、それと同時に、常温のフランジW1が急速にスリーブW2の上端部の温度に近づいて結合が終了する。このようにして、フランジW1とスリーブW2の加工精度に応じた高精度な結合が行われる。
【0115】
このような結合の終了後は、ロボットハンド2が上昇し(ステップSA7)、平行ハンドロックシリンダ18のロック動作によりロック板12と平行ハンド固定部材17とをロック状態とする。同時に、ターンテーブル5へフランジW1の挿入終了信号が送られ、ターンテーブル5は、上下動シリンダ101をOFFにして下降し(ステップSB4)、ハイロータ106がスリーブW2の排出ステーションまで回転してから(ステップSB5)、ロータリーシリンダ112がOFFとなってスリーブW2を離すことにより(ステップSB6)、そのスリーブW2を排出する(ステップSB7)。一方、ロボットハンド2は、ロックシリンダ11によって水平コンプライアンス10をロックしてから、次のフランジW1をクランプすべくスタッカ3上に高速移動する(ステップSA9)。
【0116】
なお、加熱装置4は、高周波加熱装置のみに限定されず、例えば、カートリッジヒータ、ハロゲンランプ、キセンノンランプ等によって加熱するものを用いることも可能である。
【0117】
また、本実施例のようなレーザービームプリンタの現像スリーブの製造装置では、スリーブW2の外径に対して、結合後のスリーブW1の同芯度を15マイクロメータ以内にするために、スリーブW2とフランジW1の材質は、Al,Fe等の焼きばめ可能な金属であればよい。また、本発明は、レーザービームプリンタの現像スリーブの他、高精度な組立を要する8ミリVTRドラムの組立、ポリゴンミラーの製造装置などとしても適用することが可能である。
【0118】
(第1実施例)
本実施例の現像スリーブは、前述した第1の実施形態の製造装置によってスリーブの一端部にフランジを焼きばめした後、そのスリーブの他瑞部に他のフランジを圧入して製造した。治具151の端面151AのフランジW1の軸心に対する直角度は2μmであった。
【0119】
アルミニウム合金押出し引抜管を素材としてスリーブW2は、外径12mm、内径10.4mm、長さ246mmで、切削加工面のその一端に、内径10.610mm長さ5mmの内径加工穴130を切削加工した。このように切削加工したスリーブW2は、図20(c)のようにスリーブW2の両端の位置A,Bを保持して回転させたときのa点のふれ、つまりインローフレが8μm、端面の直角度が3μmであった。そして、このスリーブW2を、その内径加工穴130を上方にして前述した第1の実施形態の製造装置にセットした。一方、フランジW1は、結合部131の外径を10.618mm、その結合部131の長さを2.5mmとした。
【0120】
フランジW1とスリーブW2の結合に際しては、高周波加熱装置4によってコイル通電電力0.7kw、通電時間1秒としてスリーブW2の上端から5mmの範囲を約200℃に加熱して、スリーブW2の内径加工穴130を42μm拡径した。そして、フランジW1をスリーブW2に挿入して結合した。
【0121】
このように、スリーブW2の一端側(内径加工穴130側)にフランジW1を結合した現像スリーブ素材に対して、図20(b)のように、スリーブW2の両端の位置A,Bを保持して回転させたときのフランジW1のa位置のふれを測定した。そのふれは10μmであった。また、フランジW1をスリーブW2から強制的に引き抜くには16Kgの力を要した。
【0122】
さらに、このような現像スリーブ資材に対して、図21に示すようなサンドブラスト処理を行った。図21において、Wは現像スリーブ素材、208は砥粒211を吐出するブラストノズル、210は上下のマスキング治具であり、現像スリーブ素材を回転させつつ、砥粒211を吹き掛けた。サンドブラスト条件を下記に示す。
【0123】
砥粒;アルミナ粉(昭和電工社製、#100)
吐出圧力;2.8kg/cm2
ノズル距離;120mm
ブラスト時間;60秒
スリーブ回転数;60rpm
その後、このようにブラスト処理(Ra=2〜2.5μm)した現像スリーブ素材Wに対して、図22に示すように、帯電付与性を向上させるための塗料212をスプレー211から吹き付けてコート層を形成し、その後、150℃の乾燥炉に約30分間入れて、塗膜を熱硬化させた。塗料212は、導電性カーボン10重量部、グラファイト(平均砥粒7μm)90重量部、およびフェノール樹脂100重量部に対して、MEK溶剤を固形分10%となるように混合し、ペイントシェーカ(塗料混合装置)にガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行って調整した。
【0124】
その後、このようにスリーブW2の一端側にのみフランジW1が結合された現像スリーブ素材Wに対し、図23に示すように、マグネットローラW3を挿入してから、スリーブW2の他端側にフランジW4を圧入して現像スリーブを完成した。このように、スリーブW2の表面に塗布した樹脂を加熱硬化させた後に、マグネットローラW3を組み込むことにより、その加熱硬化時の熱によるマグネットローラW3の磁力曲線の変化や熱変形が回避される。
【0125】
そして、このようにして完成した現像スリーブをキャノン社製のレザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、画像を形成した結果、スリーブW2によるピッチむら等の問題もなく良好な画像が得られた。
【0126】
なお、図21のブラスト処理による凹凸形成の代わりに、図22の塗装工程において、塗料212の中に1μmから30μmの球状粒子を添加して凹凸を形成することも可能である。その球状粒子としては、ナイロン、シリコーン、フェノール、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等の球状粒子を用いる。また、表面粗度は、球状粒子の添加量や球状粒子の粒径などを変えることにより制御が可能である。その粒径が1μm以下の場合は所望の表面粗度が得られず、30μm以上では粒径が大きすぎて樹脂との密着性が悪くなる。
【0127】
(第2実施例)
上述した第1実施例と同材料、同方法により、スリーブW2の一端部にフランジW1を結合して現像スリーブ素材を作成した。その内径フレインローフレは7μm、端面直角度は4μmであった。その後、前述した第1実施例と同様にブラスト処理と、帯電付与性を向上させるためのコート層を形成した。ただし、コート層を形成するための塗料は、導電性カーボン10重量部、グラファイト(平均砥粒7μm)90重量部、PMMA球状粒子(平均粒径10μm)、およびフェノール樹脂100重量部を混合し、それを前述した第1実施例と同様にペイントシェーカにて調整した。
【0128】
その後、前述した実施例と同様に、スリーブW2内にマグネットローラW3を挿入してから、そのスリーブW2の他端側にフランジW4を圧入して現像スリーブを完成した。
【0129】
そして、このようにして完成した現像スリーブを前述した第1実施例と同様に使用して画像を形成した結果、良好な画像が得られた。
【0130】
(第3実施例)
本実施例の現像スリーブは、スリーブの一端にフランジが結合されたスリーブの他端に対して、前述した第1の実施形態の製造装置によってフランジを焼きばめすることにより製造した。
【0131】
スリーブW2は、外径20mm、内径18.4mm、長さ330mmのアルミニウム合金製押出引抜円筒管をセンターレス加工したものであり、その一端に、内径8mmの貫通孔を有するフランジが結合されている。このスリーブW2の他端に、内径18.635mm、長さ4mmの内径加工穴130を切削加工した。このように切削加工したスリーブW2は、図20(c)のようにスリーブW2の両端の位置A,Bを保持して回転させたときのa点のふれ、つまりインローフレが7μm、端面の直角度が4μmであった。
【0132】
そして、このように一端部にフランジが結合されたスリーブW2に対して、前述した第2実施例と同様に、塗工液をコーティングした。
【0133】
その後、前述した第1の実施形態の製造装置によって、図24に示すように、スリーブW2内にマグネットローラW3を挿入し、磁性体114によって位置決め保持しつつ、スリーブW2の他端の内径加工穴130にフランジW1を焼きばめした。フランジW1は、結合部131の外径を18.645mm、その結合部131の長さを5.5mm、マグネットローラW3の端部が貫通する貫通孔の内径を10mmとした。フランジW1とスリーブW2の結合に際しては、高周波加熱装置4によって通電電力2kw、通電時間1秒としてスリーブW2の他端の内径加工穴130を約200℃に加熱し75μm拡径した。そして、フランジW1をスリーブW2に挿入して結合した。
【0134】
このように、スリーブW2の一端側(内径加工穴130側)にフランジW1を結合した現像スリーブ素材に対して、図20(b)のように、スリーブW2の両端の位置A,Bを保持して回転させたときのフランジW1のa位置のふれを測定した。そのふれは11μmであった。また、フランジW1をスリーブW2から強制的に引き抜くには、30Kg以上の力を要した。
【0135】
そして、このようにして完成した現像スリーブを前述した第1実施例と同様に使用した結果良好な画像が得られた。
【0136】
(第4,第5,第6実施例)
図25に、現像スリーブとしての第4,第5,および第6実施例についてデータを示す。これらの実施例は、前述した第3実施例において、結合しめしろ等の寸法を変更して作製したものである。また、比較例1〜5も作製して評価した。以上説明したように、上記の第1の実施形態によれば、現像スリーブとしては、結合されたフランジのふれを15μm以下とすることができ、現像スリーブを回転駆動させるための手段との連結において、現像スリーブ全体のふれの発生を少なくでき、良好な画像が得られる。
【0137】
また、現像装置としては、第1の実施形態の現像スリーブを用いることにより、回転駆動させるための手段との連結において、ふれの発生が少なく、現像スリーブと感光ドラムとの間のギャップの変動が少なく、良好な画像が得られる。
【0138】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。
【0139】
既に、第1の実施形態の「背景技術及び概要」の欄で説明したように従来の円筒体の製造方法においてはいくつかの問題点が有った。
【0140】
これらの問題を解決するために本願発明者らが鋭意検討したところ、円筒部材の端部嵌合部内側とその内径よりも嵌合部径の大きい熱可塑性の樹脂から成り、前記円筒部材の端部内側と前記フランジ部材の結合部は締まり嵌めの関係となる大きさに設定され、前記円筒部材の端部または全部を前記フランジ部材の結合部と隙間嵌めの関係となるように所定の温度に加熱されて拡径させた後、前記フランジ部材を嵌入させて、前記円筒体の外側の軸芯に対して該フランジの軸部を調芯されるように移動させ、該円筒体の端部嵌合部の中央に位置するようにフランジ嵌合部を熱溶融させ嵌入し、その後、前記円筒部材の端部または全部を冷却し位置を固定する方法が有効であることを見い出した。
【0141】
一般に、円筒体としての現像スリーブは、電子写真法や静電記録法等によって形成される潜像坦持体上の潜像を現像するために、その内部にマグネットローラが挿入される。これは磁力によって現像剤を搬送するためであり、マグネットローラの磁力の関係から現像スリーブにおける円筒部材の肉厚は0.5mm〜2.0mmの範囲とされている。また現像スリーブにおけるフランジ部材の結合強度は駆動回転によるフランジの曲がり、外れの関係から5kg〜50kgが必要であり、かかる点から次のような寸法が有効であることを見い出した。
【0142】
すなわち、結合締めしろは基準内径の0.04〜0.2%の範囲が必要である。また結合長さは、結合後のフランジ部材の倒れ防止、および結合強度を確保する点から1mm〜6mmの範囲とする。結合締めしろが基準内径の0.04%以下では必要とする結合強度が得られず、基準内径の0.2%の結合締めしろ以上では必要以上の強度となる。結合長さが1mm以下では結合後のフランジ部が倒れる恐れがあり、またそれを6mm以上とすることは不必要である。
【0143】
また、加熱による円筒部材の拡径は基準内径の0.3〜0.5%の範囲が好ましく、0.3%以下では円筒部材とフランジ部材との接触により、フランジ部材が曲がって結合される恐れがあり、0.5%以上では加熱温度が高くなりすぎて材料の熱劣化の恐れがある。
【0144】
また、現像スリーブを用いて良好な画像を得るためには、フランジ部材の振れを15μm以下にすることが好ましい。それを15μm以下の精度にすることにより、現像スリーブを回転駆動させるための手段との連結において、現像スリーブ全体の振れの発生を抑えるためである。このような精度を得るためには、従来、円筒部材の結合部位のインロー振れを10μm以下とし、端面直角度を5μm以下とすることが必要であった。さらにはフランジ部材単品の振れを5μm以下とすることが必要であった。かかる結合条件によりフランジ部材の振れが15μm以下となっていた。また、感光ドラムを用いて良好な潜像を得るためには、フランジ部材の振れを20μm以下にすることが好ましかった。20μm以下の精度にすることにより、感光ドラムを回転駆動させるための手段との連結において、感光ドラム全体の振れ発生を抑えていたのである。しかし、このような精度を得るためには、円筒部材の結合部位の内径振れ(インロー振れ)を10μm以下とし、端面直角度を10μm以下とすることが必要である。さらにフランジ部材単品の振れを5μm以下とすることが必要であった。さらにはフランジ結合のための精密なロボットハンド装置と軸ずれ防止のための複雑な機構が必要であった。
【0145】
しかし本実施形態においてはフランジ単品の精度はそれほど必要でなく同軸度60μm以下、嵌合部円筒度70μm以下、パイプ偏肉300μm以下で良く、しかもフランジ結合のためのロボットハンドはパイプに当接する部分の直角度が2〜3μm以下で水平出しの機構があれば良い。
【0146】
また、現像スリーブや感光ドラムのような円筒体は、それが備わる複写機やプリンタの環境条件を考慮し、特に高温高湿、低温低湿等のあらゆる環境においても好ましい結合強度を得るために、円筒部材と片一方のフランジ部材を同質材料とする場合もある。特に、軽量性、加工性の点から、アルミニウムであることが好ましい。ただし、アルミニウムは高温時の熱的な条件に対して熱変形しやすいという欠点があるため、アルミニウム製の円筒部材の拡径範囲を基準内径の0.3〜0.5%とするようにその加熱温度を抑えることが必要となる。
【0147】
現像スリーブにおいては円筒部材両端に結合される2つのフランジ部材の内の一方をプラスチックフランジとして、耐久性が要求される複写機やプリンタ等の現像スリーブにおいては、円筒部材の両端に対して、フランジ部材を高精度にする必要があり、かかる場合には、円筒部材の内部にマグネットローラを収容させた状態でフランジ部材を結合させる必要が生じる。この場合には、円筒部材の一端に一方のフランジ部材を結合し、切削またはセンタレス研削により円筒部材の他端と他方のフランジ部材を同時または別々に加工して、同軸度の良い円筒部材を用意してから、その円筒部材の内部にマグネットローラを挿入し、そして円筒部材の他端に他方のフランジ部材を結合する。円筒部材内におけるマグネットローラの存在下において、円筒部材にフランジ部材を結合する場合には、円筒部材を拡径させるための加熱によるマグネットローラの磁力の変動を回避するために、円筒部材の加熱温度を抑える必要がある。マグネットローラに磁力の変化があると画像が悪化する。かかる必要性からも、円筒部材の拡径範囲を基準内径の0・3〜0.5%とする。また加熱温度を200℃以下とすることにより、マグネットローラの磁力の変化は抑えられる。
【0148】
まとめると、本実施形態は、締まり嵌めの関係にある円筒部材とフランジ部材に対し、円筒部材の結合部位を加熱により拡径して、それらを隙間嵌めの関係にしてから、嵌入させて円筒部材の加熱温度をフランジ部材に伝達させながら嵌合部を溶融軟化させ、調芯しつつ、円筒部材とフランジ部材の軸部の中心とスリーブ外径部の中心を合致させることにより、結合フランジ振れを高精度にする。
【0149】
すなわち、フランジ保持治具の形状において、フランジ部材の結合部の外径より大きい部分を有する形状とすることにより、フランジ部材の結合部と隙間嵌めの関係となるように所定の温度に加熱されて拡径された後、該円筒部材の端部の冷却中に前記円筒部材の軸芯に対して調芯されつつ該円筒部材の端部に嵌入されて前記円筒部材の端面に前記保治治具の端面が当接することにより、つば有りフランジのつば部と同様な作用効果により高精度が得られるものである。
【0150】
さらに高精度なインロー部がない場合でも高精度なロボットハンドにより、パイプの外径軸芯とフランジの軸芯の位置を精度良く合致させ、パイプのインロー部分の加熱によりパイプ内径部分およびフランジの軸部と嵌合部分の同軸度のずれがあった場合でもパイプインロー部の熱がフランジの嵌合部に伝わり、その部分の熱可塑性樹脂が溶融軟化することにより結合するフランジの軸芯がパイプ外径の軸芯と合致する位置に移動することができるのである。このときフランジ全体が熱可塑性樹脂であると、加熱条件によってはフランジの全体が軟化してしまうこともある。そのため、熱可塑性樹脂はフランジの嵌合部分のみでありフランジの軸の部分は非熱可塑性樹脂またはアルミニウムなどの金属製にした方が好ましい。
【0151】
かかる結合方法により、つば有りフランジの端面直角度のバラツキやパイプインロー部の偏肉によるバラツキによるフランジ結合精度バラツキが無くなり、安定な精度が得られることとなり工程能力の向上が図られる。ここにおいて、フランジ保持治具の外径は、フランジの嵌合部分の外径より大きくすることが必要であり、さらにフランジの嵌合部分は150〜200℃の温度で溶融軟化する熱可塑性樹脂であることが必要である。
【0152】
本実施形態に使用される150°〜200℃の温度で溶融軟化する熱可塑性樹脂としては、一般公知の樹脂を用いることができるが、好ましくは、強度、耐疲労性、耐摩耗正、成形性から、熱可塑性のエンジニアリングプラスチックが好ましく、特にポリカネードやポリアセタールのホモポリマー、コーポリマータイプが好ましい。
【0153】
なお、この第2の実施形態では、「画像形成装置の全体構成」、「現像スリーブの製造装置」は第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0154】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、フランジW1とスリーブW2の精度が第1の実施形態ほど高くなくてよい点と、フランジW1の材質が異なる点である。
【0155】
以下、第2の実施形態における現像スリーブの製造方法の具体例について説明する。
【0156】
(第1実施例)
本実施例の現像スリーブは、前述した第1の実施形態の製造装置によってスリーブの一端部にフランジを焼嵌めした。このときのフランジ保持持具(吸着ヘッド151)の端面151の直角度は2μmであった。
【0157】
アルミニウム合金押出し引抜き管を素材とするスリーブW2は、外径20mm、内径18.500mmで長さ335mmの切削加工品で、インロー加工なし、端部の肉厚ムラ50μmつまりインロー振れが50μm、端面の直角度が5μmである。このスリーブW2を第1の実施形態の製造装置にセットした。
【0158】
一方、フランジW1は、嵌合部131の外径を18・530mm、その嵌合部の長さを5mmとした。このフランジW1は、図34に示すように軸部F2がアルミニウム合金、嵌合部F1が熱可塑性樹脂ポリアセタールでできてている。このフランジの軸部と嵌合部の同軸度は40μmで嵌合部の円筒度は35μmである。
【0159】
フランジW1とスリーブW2の結合に際しては、高周波加熱装置4によってコイル通電時間1砂、通電電力1kwとしてスリーブW2の上端5mmの範囲を約180℃に加熱して、スリーブW2の内径を32μm拡径した。そして、フランジW1をスリーブW2に挿入して結合した。このとき、フランジW1の軸部の軸芯をスリーブW2の外径の軸芯と合致する位置に設定し、フランジW1の同軸度やスリーブW1の偏肉度に関係なくフランジW1の軸芯とスリーブW2の外径の軸芯とを合致させる。
【0160】
さらに、得られたスリーブに帯電付与性能を向上するためにカーボン+樹脂層をコートする。これは、導電性カーボン、グラファイト(平均粒径7μm)、フェノール樹脂を混合し、IPA溶剤を加えて固形分35%となるように調整し、ペイントシェーカーにガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行なって、この塗工液をエアースプレーガンにより図21の装置にて加工したブラストスリーブに吹き付け、コート層を形成し、150℃の乾燥炉に約20分間入れて塗工膜を熱硬化させて現像スリーブを作製するものである。
【0161】
そしてさらにこのスリーブを反対向きにして、マグネットローラを挿入後、もう一方の端部に同様にして同様のフランジW1を結合した。
【0162】
このように、スリーブの端部両側にフランジW1を結合した現像スリーブに対して、図20のようにスリーブW2の両端の位置A,Bを保持して回転させたときのフランジW1のaの位置の振れを測定したところ、その振れは両側とも10μmであった。
【0163】
その後、この現像スリーブをキャノン製レーザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、初期画像および間欠による10000枚の画出しを行なった結果、ハーフトーン、べ夕黒いずれの画像上にもスリーブによるピッチムラ等の問題もなく、非常に良好な画像が得られた。
【0164】
(第2実施例)
第2実施例では、スリーブの外径を12mm、内径10.400mm、長さ246mm、端部の肉厚のムラを60μm、端面直角度を6μmとした。結合するフランジの嵌合部外径が10.430mm、軸部と嵌合部の同軸度が20μm、嵌合部の円筒度が45μmで、フランジは、図35に示すように嵌合部F1が熱可塑性樹脂で軸部分F3が非熱可塑性樹脂で出来たものを使用した。
【0165】
実施例1と同様に現像スリーブの表面に樹脂層をコートし、マグネット挿入後、フランジを結合した。結合後の両側のフランジ振れは、それぞれ8μmと11μmであった。
【0166】
この現像スリーブをキャノン製レーザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、初期画像および間欠による10000枚の画出しを行なった結果、ハーフトーン、ベタ黒いずれの画像上にもスリーブによるピッチムラ等の問題もなく、非常に良好な画像が得られた。
【0167】
(第3実施例)
外径30mm、内径28.400mm、長さ280mmで、端部の肉厚のムラが80μmで端面直角度が5μmであるドラムシリンダーを溶剤で超音波洗浄した後に、チタニルフタロシアニン顔料4重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業製)2重量部、シクロヘキサノン34重量部からなる溶液を8時間サンドミルで分散した後、テトラヒドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。
【0168】
この分散液にシクロヘキサノン100重量部とテトラヒドロフラン100重量部を加えて希釈し、前記シリンダー上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して、膜厚0・2μmの電荷発生層を形成した。
【0169】
ついで、図36に示される構造のスチリル化合物50重量部と、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱瓦斯化学製)50重量部をモノクロルベンゼン400重量部に溶解した溶液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成することで、電子写真感光体を得た。
【0170】
この感光ドラムに実施例1と同様にフランジを結合した。結合するフランジの嵌合部外径が28.450mm、軸部と嵌合部の同軸度が60μm、嵌合部の円筒度が75μmでフランジは嵌合部が熱可塑性樹脂で軸部分がSUS(ステンレス)で出来たものを使用した。
【0171】
結合後の両側のフランジ振れは、それぞれ24μmと28μmであった。
【0172】
この感光ドラムをキャノン製レーザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、初期画像および間欠による10000枚の画出しを行なった結果、ハーフトーン、べ夕黒いずれの画像上もドラムによるピッチムラ、等の問題もなく、非常に良好な画像が得られた。
【0173】
(第1比較例)
本比較例の現像スリーブは、前述した第1の実施形態の製造装置によってスリーブの端部にフランジを加熱嵌めした。このときのフランジ保持持具(吸着ヘッド151)の端面151Aの直角度は3μmであった。
【0174】
アルミニウム合金押出し引抜き管を素材とするスリーブW2は、外径20mm、内径18.500mmで長さ335mmの切削加工品で、インロー加工なし、端部の肉厚ムラ45μmつまりインロー振れが45μm、端面の直角度が6μmである。このスリーブW2を第1の実施形態の製造装置にセットした。一方、フランジW1は、嵌合部131の外径を18.530mm、その嵌合部の長さを5mmとした。このフランジW1は軸部嵌合部ともがアルミニウム合金で出来ている。このフランジの軸部と嵌合部の同軸度は40μmで、嵌合部の円筒度は50μmであった。
【0175】
フランジW1とスリーブW2の結合に際しては、高周波加熱装置4によってコイル通電時間1秒、通電電力1kwとしてスリーブW2の上端5mmの範囲を約180℃に加熱して、スリーブW2の内径を42μm拡径した。そして、フランジW1をスリーブW2に挿入して結合した。
【0176】
さらに、得られたスリーブに帯電付与性能を向上するためにカーボン+樹脂層をコートする。これは、導電性カーボン、グラファイト(平均粒径7μm)、フェノール樹脂を混合し、IPA溶剤を加えて固形分35%となるように調整し、ペイントシェーカーにガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行なって、この塗工液をエアースプレーガンにより上述のブラストスリーブに吹き付け、コート層を形成し、150℃の乾燥炉に約20分間入れて塗工膜を熱硬化させて現像スリーブを作製するものである。
【0177】
そしてさらにこのスリーブを反対向きにして、マグネットを挿入後、もう一方の端部に同様にして同様のフランジW1を結合した。
【0178】
このように、スリーブの端部両側にフランジW1を結合した現像スリーブに対して図20のように、スリーブW2の両端の位置A、Bを保持して回転させたときのフランジW1のaの位置の振れを測定したところその振れは両側とも120μmであった。
【0179】
その後、この現像スリーブをキャノン製レーザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し初期の画出しを行なった結果、ハーフトーン、べ夕黒いずれの画像上もスリーブによるピッチムラが起きており非常に劣悪な画像となった。
【0180】
(第2比較例)
第2比較例では、スリーブの外径を12mm、内径10.400mm、長さ246mm、端部の肉厚のムラを62μm、端面直角度を6μmとし、結合するフランジの嵌合部外径を10・430mm、軸部と嵌合部の同軸度を23μm、嵌合部の円筒度を42μmとして、フランジは全体がアルミニウム合金で出来たものを使用した。
【0181】
この現像スリーブの表面に樹脂層をコートし、マグネット挿入後フランジを結合した。
【0182】
結合後の両側のフランジ振れは、それぞれ85μmと130μmであった。
【0183】
この現像スリーブをキャノン製レーザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し、初期の画出しを行なった結果、ハーフトーン、ベタ黒いずれの画像上にもスリーブによるピッチムラが起きており、非常に不鮮明な画像となった。
【0184】
(第3比較例)
外径を30mm、内径28.400mm、長さ280mmで、端部の肉厚のムラが80μm、端面直角度が5μmであるドラムシリンダーを溶剤で起音波洗浄した後に、チタニルフタロシアニン顔料4重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業製)2重量部、シクロヘキサノン34重量部からなる溶液を8時間サンドミルで分散した後、テトラヒドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。
【0185】
この分散液にシクロヘキサノン100重量部とテトラヒドロフラン100重量部を加えて希釈し、前記シリンダー上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0186】
ついで、図36に示される構造のスチリル化合物50重量部と、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱瓦斯化学製)50重量部をモノクロルベンゼン400重量部に溶解した溶液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成することで、電子写真感光体を得た。
【0187】
この感光ドラムに第1実施例と同様にフランジを結合した。結合するフランジの嵌合部外径が28.450mm、軸部と嵌合部の同軸度が60μm、嵌合部の円筒度が75μmでフランジは嵌合部がアルミニウム合金で軸部分がSUSで出来たものを使用した。
【0188】
結合後の両側のフランジ振れは、それぞれ180μmと200μmであった。
【0189】
この感光ドラムをキャノン製レーザービームプリンタのプロセスカートリッジに装着し初期の画出しを行なった結果、ハーフトーン、べ夕黒いずれの画像上もフランジ振れによるピッチムラが起きていた。
【0190】
なお、第1乃至第3実施例、及び第1乃至第3比較例の結果をまとめた表を図37に示す。
【0191】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、次のような効果がえられる。(1)高精度なフランジや高精度のインロー付パイプを必要としないで、マグネットローラーを挿入した後に樹脂製のフランジ部材も高精度に結合が可能であり、両端のフランジ部材と円筒部材の結合精度が良い。そのため、このような高精度な円筒部材を現像スリーブ等に利用した場合、ハーフトーンなどの微妙な色合いも忠実に再現することができ、高精彩で高画質な画像を得ることができる。
(2)素管インロー部が不要で、比較的ラフな精度の樹脂製フランジを使用するためコストダウンができる。装置もフランジ部に水平出しの機構があれば良く、それほど複雑な機構を必要としない。
【0192】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態の説明に先立ち、第3の実施形態の背景技術及び概要について説明する。
【0193】
「背景技術及び概要」
従来より、円筒部材とフランジ部材との結合においては、フランジ部材を曲げることなく高精度に結合する方法が種々試みられている。
【0194】
例えば、実開昭56−154007号公報には、フランジ部材の嵌合部の外周に複数個の穴を設け、円筒部材を加締めて結合するロールが開示され、また実開昭57−79862号公報にはフランジ部材の端部に環状の溝を設け、そこに円筒部材の端部を巻き込む様に加締めたロールが開示され、さらに特開平6−175504号公報には、円筒部材にインロー加工を行ない、そのインロー内径より小さい嵌合部を有するフランジ部材を挿入して接着剤により結合したロールが開示されている。
【0195】
しかしながら、これらの方法では、結合方法や円筒部とフランジとの隙間のために、フランジ挿入時のズレや、結合後のズレが生じ、精度の点や結合強度の点で完全ではなかった。
【0196】
フランジの嵌合部の外径が円筒部材の内径より大きい場合には、フランジ部材の嵌合部が樹脂でできているのであれば圧入する際にアルミニウムの場合と異なり、カジリが生じずに圧入することができる。
【0197】
但し、圧入の際に、円筒部材の嵌合部内径とフランジ部材の嵌合部の外径との位置関係が適正であれば、真直ぐに入り、円筒部材の端部と、フランジ部材の円筒部材端面への対向部分が正確に当接されるが、実際には適正な位置関係を、数ミクロンから数十ミクロンのオーダーで保ち続けることは機械的に極めて困難である。
【0198】
従って、上記のような問題を解決するためには、フランジ圧入の際に円筒部材の嵌合部とフランジ部材の嵌合部の位置的なズレを調整してフランジ部材のたおれがないようにして、円筒部材の端面とフランジ部材の対向部とを確実に接触させ押さえつけることが必要となる。
【0199】
次に、第3の実施形態を「感光ドラムの製造装置」、「感光ドラムの製造方法の具体例」に分けて説明する。なお、画像形成装置の全体構成については、第1及び第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0200】
「感光ドラムの製造装置」
図38は円筒体としての感光ドラム製造装置の正面図、図39はその装置の側面図、図40はその製造装置の平面図である。
【0201】
以下においては前述した感光体円筒部材を感光体W2、フランジ部材をフランジW1と呼ぶ。
【0202】
これらの図において、501はロボットハンドであり、図41にこのロボットハンド501の概略構成を示す。
【0203】
ロボットハンド501は水平コンプライアンスユニット(調芯ユニット)Y11と、水平・角度調整ユニットY12と、フランジ把持ユニットY13とによって構成されており、クッションユニット503を介してエアーシリンダー502に接続されている。504及び505はロボットハンド501が上下に移動する際のガイド、506は感光ドラムW2を本機に設置する際の位置決め板である。
【0204】
図42はロボットハンド501の全体の断面図、図43はロボットハンド501の下側部分の拡大図である。
【0205】
図42において、まずクッションユニット503は装置上部の加圧用エアーシリンダー502のピストンロッド502Aの先にバネ507によって下方に付勢される直線摺動部材508が上下方向摺動自在にガイドされている。ロボットハンド501の下部は直線摺動部材508に取り付けられており、常時、下方に付勢されている。
【0206】
510はユニットY11としての水平方向コンプライアンスであり、例えば、図44(a)の様に平行板状のバネ510Aによって水平テーブル510Bの水平方向の変位を許容する構成、あるいは図44(b)の様に引っ張りバネ510Cによって水平テーブル510Bの水平方向の変位を許容する構成となっている。上下方向の剛性を必要とするときは図44(b)のコンプライアンスを利用するとよい。
【0207】
バネ510A、510Cによる水平テーブル510Bの求心力は0.1kg以下が良い。
【0208】
511はロックシリンダ、512はロック板であり、これらの間に水平コンプライアンス510が構成されている。ロック板512は、図44における水平コンプライアンス510の水平テーブル510Bに相当する。
【0209】
ロックシリンダ511は図示しない電磁弁を介して加圧エアーが供給されたときにシリンダロッド513を下方に突出させ、その先端をロック板512のロック穴514内に嵌入させることによりロック板512、つまりは水平コンプライアンス510を固定する。従って、装置が高速度動作してロボットハンドが上下しても、この様に水平コンプライアンス510を固定することによりロボットハンドを振動させることなく位置決めできることになる。
【0210】
515は平行ハンドであり、フランジW1を保持するための爪516が取り付けられている。517は平行ハンド固定部材であり、平行ハンド515を固定すると共に、複数の平行ハンドロックシリンダー518が取り付けられている。
【0211】
平行ハンドロックシリンダー518の上端にはテーパーコマ520が取り付けられている。平行ハンドロックシリンダー518は図示しない電磁弁を通して加圧エアーが供給されたときに、テーパーコマ520を下方に引き込み、そのテーパーコマ520をロック板512の嵌入穴521内に嵌入させることによってロック板512に対して平行ハンド515が引き込み固定される。また、ロック板512と平行ハンド固定部材517との間にはスラストベアリング522が挟みこまれており、平行ハンドロックシリンダー518の引き込み動作により、平行ハンド515の傾きも矯正される。
【0212】
また、平行ハンド固定部材517には図43に示す様に、フランジW1を感光体W2に押入して押し付けるために、押付支持部材523が取り付けられている。
【0213】
この支持部材523には、回転自在のボール524Aを有するスクリューボール524が取り付けられている。
【0214】
スクリューボール524の取り付け位置は平行ハンド515の中心とほぼ一致し、平行ハンド515がフランジW1を把持したときに、そのフランジW1の軸芯と一致するようになっている。
【0215】
フランジW1において、感光ドラムW2の端部の加工穴630内に結合される結合部631と、先端の凸部634は、図46に示すように、それぞれ高精度な真円度、同軸度が出る様に造られている。
【0216】
また、スリーブW2の端面632に当接する部分633は結合部に対して高精度な直角度が出る様に構成されている。
【0217】
感光ドラムW2の端部は内径加工を行ない、内径加工穴630と感光ドラムW2の外径の同軸度を高精度に設定しておいてもよい。内径加工を行なった場合は、加工部分の肉厚はより均一になる。
【0218】
またこの感光ドラムW2の端部内径と端面632あるいは内径加工を行なった内径加工穴630と端面632は高精度な直角度が出ている様に加工されているのが良い。
【0219】
この様なフランジW1と感光ドラムW2をかじることなく結合し、さらにフランジの外周部当接部633と感光ドラムW2の端面632を当接させることによって、感光ドラムW2の両端部に対してフランジW1の凸部634の同軸度を高精度に定めることが可能となる。
【0220】
ここで、感光ドラムW2に対するフランジW1の挿入時に、それらの軸芯にズレがあった場合には、ズレが面取り相当分内のズレであれば、水平コンプライアンス510により吸収されて、フランジW1の結合部631がスムーズに感光ドラムW2の内径加工穴630内に挿入される。また、フランジW1の挿入開始時は図45(a)のように平行ハンドロックシリンダ518がテーパコマ520を嵌入穴521内に嵌入固定しており、フランジW1の挿入後は、図45(b)のように直ちに平行ハンドロックシリンダー518がロック動作解除して、ロック板512と平行ハンド固定部材517との間の相対変位を許容し、また平行ハンド515がフランジW1のクランプを解除して、爪516の間からフランジW1を離す。このとき、フランジW1はクッションユニット503のバネ507の力Fによって、下方に押圧され、その押圧力Fは、ボール524Aを支点として垂直力F1と水平力F2になる。
【0221】
また、このようなロボットハンド501における平行ハンドロック解除と平行クランプ解除によりフランジW1は感光ドラムW2の端面632に押圧されて位置規制され、このようにしてフランジW1と感光ドラムW2の加工精度に応じた高精度な結合が行なわれる。
【0222】
また、これまで述べたロボットハンド501においては、フランジW1の凸部634をクランプして嵌合し、この凸部634の先端をスクリューボール524Aで押圧していたが、例えばフランジW1において凸部634がない場合にも同様にフランジW1を把持可能な構造であり、同様に高精度な嵌合が可能なロボットハンド501’を有する圧入装置について説明する。
【0223】
図47においてロボットハンド501’は角度吸収機構が内蔵されている。
【0224】
ロボットハンド501’はフランジW1を真空吸着する吸着ヘッド651を有する。この吸着ヘッド651には、回転自在のボール650Aを有するボールスクリュー650が取り付けられ、その吸着ヘッド651に装着された複数の吸着ヘッドロックシリンダー652によってテーパーコマ653が下方に引き込まれることにより、そのテーパーコマ653が平行ハンド固定部材517の嵌入穴517A内に嵌入固定される。
【0225】
つまり、吸着ヘッドロックシリンダー652によって、吸着ヘッド651が平行ハンド固定部材517に引き込み固定されるようになっている。
【0226】
フランジW1の挿入開始時は、図48(a)のように、平行ハンドロックシリンダー518がテーパーコマ520を嵌入穴521内に嵌入固定すると共に、吸着ヘッドロックシリンダー652がテーパーコマ653を嵌入穴517A内に嵌入固定している。
【0227】
そして、フランジW1の挿入後は、図48(b)のように、直ちに平行ハンドロックシリンダー518がロック解除動作して、平行ハンド固定部材517と吸着ヘッド651との間の相対変位を許容する。従って、フランジW1は感光ドラムW2の内径加工穴630にならうようにして結合することになる。
【0228】
フランジW1の結合時には、クッションユニット503のバネ507の力FによりフランジW1が下方に押圧され、図48(b)のように平行ハンド固定部材517は、ロック板512に対してスラストベアリング522を介して、Δxだけ位置ズレが吸収され、さらに吸着ヘッド651は平行ハンド固定部材517に対してΔθだけ角度が吸収される。
【0229】
「感光ドラムの具体的な製造方法」
(第1実施例)
JISA3003アルミニウム合金をポートホール押出し法にて押し出し加工を行い円筒状とし、さらにこれを引き抜き加工することにより外径30.0mm、内径28.0mm、長さ254mmの円筒とした(以下ドラムシリンダーと呼ぶ)。
【0230】
このドラムシリンダーの一端内部に、内径28.5mm、長さ7mmの切削加工を行ったものを計10本作製した。
【0231】
次に、10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50重量部、レゾール型フェノール樹脂25重量部、メチルセロソルブ20重量部、メタノール5重量部及びシリコーンオイル(ポリシメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002重量部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調整した。
【0232】
アルミニウムシリンダー上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0233】
この上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体樹脂5重量部をメタノール70重量部とブタノール25重量部の混合溶媒に溶解した溶液をディッピング法で塗布乾燥して1μm厚の下引き層を設けた。
【0234】
次に、オキシチタニウムフタロシアニン4重量部とポリビニルブチラール樹脂2重量部をシクロヘキサノン100重量部に添加し、1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これに100重量部のメチルエチルケトンを加えて希釈し、これを下引き層上に塗布した後、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0235】
次に図49に示される構造の電荷輸送材料10重量部とビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部をモノクロルベンゼン60重量部に溶解した溶液を作成し、電荷発生層上にディッピング法により塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥して20μm厚の電荷輸送層を形成して、感光ドラムW2とした。
【0236】
この感光ドラム10本のうち5本に対して、図42に示した爪によってフランジを把持するタイプの圧入装置によって、感光ドラムの一端にフランジW1を挿入結合した。
【0237】
用いたドラムシリンダーのインローふれ、端面直角度及びフランジの軸部分と嵌合部との同軸度、嵌合部の真円度、フランジのドラムシリンダーへの当接面のふれの値は図50に示す通りである。
【0238】
更に結合後のドラムシリンダーW2を基準としたフランジW1の軸部のふれを測定したところ、図50の通りとなった。
【0239】
(第2実施例)
JISA6063アルミニウム合金をポートホール押出し法により押し加工して、外径40.2mm、内径38.0mm、長さ254mmのシリンダーとし、これを外径鏡面切削仕上げを行い外径40.0mmとし、このドラムシリンダーの一端内部に内径38.5mm、長さ10mm切削加工を行ったものを10本作成した。
【0240】
このドラムシリンダーに第1実施例と同様に感光層を設け感光ドラムとした。
【0241】
この10本のうち、5本についてロボットハンドのフランジW1の把持方式を図47に示す真空吸着により把持するタイプの圧入装置を用いてフランジを感光ドラムに圧入した。
【0242】
このフランジはポリアセタール樹脂と、直径7mm、長さ25mmのステンレス製の軸をインサート成形したもので、感光ドラムとの嵌合部の外径が38.53mm、嵌合長7mm、ステンレス軸の長さが20mmである。
【0243】
この5本の感光ドラムについて、感光ドラムの外径を基準として、このフランジW1は結合部の直径が28.55mm、結合長さ5mmであり、材質はポリカーボネート樹脂でできているものである。
【0244】
用いたドラムシリンダーのインローふれ、端面直角度及びフランジの軸部分と嵌合部との同軸度、嵌合部の真円度、フランジのドラムシリンダーへの当接面のふれの値は図51に示す通りである。
【0245】
更に結合後のドラムシリンダーW2を基準としたフランジW1の軸部のふれを測定したところ、図51の通りとなった。
【0246】
(第1比較例)
第1実施例で残った5本の感光ドラムに対して、今度は調芯機構を持たない圧入装置にてフランジを挿入嵌合した場合の同様の結果を図52に示す。
【0247】
図50と図52を比較して分かる通り、使用したフランジW1と感光ドラムの部品精度は同程度であるのにもかかわらず、本実施形態の装置を用いて結合したものは結合精度が全体的に向上している。
【0248】
回転させたときのフランジの軸の振れを測定したところ図52に示すような値が得られた。
【0249】
(第2比較例)
第2実施例で残りの5本の感光ドラムに対して、調芯機構を持たない圧入治具によりフランジの軸を保持しながら圧入嵌合を行った。このフランジ嵌合した感光ドラムについて、同様にフランジ軸の振れを測定したところ、図53のような結果となった。
【0250】
これらの結果からわかるように本実施形態の調芯機構を有するフランジW1の圧入装置を使用した場合には、使用した部品の精度が同程度であっても高精度のフランジ結合を行うことができる。
【0251】
以上の第1実施例及び第2実施例で製造したフランジ付き感光ドラムを実際にレーザビームプリンタに設置して画像出しを行ったところ、全ての感光ドラムで良好な画像が得られた。
【0252】
一方、第1比較例及び第2比較例で製造した感光ドラムも同様の評価を行ったところ、フランジ振れの大きいものにおいて、画像の一部で現像のむらが発生した。
【0253】
実際に製造することを考えた場合には、この画像のむらのある感光ドラムは不良品となるため、比較例は実施例と比較して不良率が高くなるものと推測される。
【0254】
以上説明したように、本実施形態によれば、フランジ部材を感光ドラム端部に調芯しつつ嵌入させ、精度良く結合させることができるため、これを画像形成装置に組み込んだ場合に、良好な画像を得ることができる。
【0255】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1)現像スリーブとしては、結合されたフランジのふれを小さく抑えることができ、良好な画像が得られる。
(2)高精度なフランジや高精度のインロー付パイプを必要としないで、マグネットローラーを挿入した後に樹脂製のフランジ部材も高精度に結合が可能であり、両端のフランジ部材と円筒部材の結合精度が良い。そのため、このような高精度な円筒部材を現像スリーブ等に利用した場合、ハーフトーンなどの微妙な色合いも忠実に再現することができ、高精彩で高画質な画像を得ることができる。
(3)素管インロー部が不要で、比較的ラフな精度の樹脂製フランジを使用するためコストダウンができる。装置もフランジ部に水平出しの機構があれば良く、それほど複雑な機構を必要としない。
(4)フランジ部材を感光ドラム端部に調芯しつつ嵌入させ、精度良く結合させることができるため、これを画像形成装置に組み込んだ場合に、良好な画像を得ることができる。
【0256】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像スリーブの製造装置の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1に示す製造装置の正面図である。
【図3】図1に示す製造装置の平面図である。
【図4】図1に示すロボットハンドの概略構成図である。
【図5】図1に示すロボットハンドの断面図である。
【図6】フランジ部材をスリーブ部材に挿入する様子を示す図である。
【図7】図4に示す水平コンプライアンスの概略構成図である。
【図8】図1に示す高周波加熱装置の拡大図である。
【図9】図1に示すターンテーブルの側面図である。
【図10】図1に示すターンテーブルの側面図である。
【図11】図1に示す製造装置の制御系のブロック構成図である。
【図12】図1の製造装置によって結合されるフランジとスリーブの側面図である。
【図13】図12に示すスリーブの断面形状の説明図である。
【図14】図1に示す製造装置のロボットハンドの動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】図1に示す製造装置のターンテーブルの動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】図1の製造装置によって結合されるスリーブとフランジの断面図である。
【図17】図1の製造装置によるスリーブの加熱時間と温度との関係を説明するための図である。
【図18】図1の製造装置によって加熱されるスリーブの温度と膨張量との関係を説明するための図である。
【図19】本発明に係る現像スリーブの製造装置の第2の実施形態による加熱動作状態を説明するための要部の断面図である。
【図20】現像スリーブにおける測定位置の説明図である。
【図21】現像スリーブに対するブラスト処理動作を説明するための側面図である。
【図22】現像スリーブに対する塗装処理動作を説明するための側面図である。
【図23】現像スリーブの製造方法を説明するための図である。
【図24】現像スリーブの製造方法の他の例を説明するための要部の断面図である。
【図25】第4乃至第6の実施例と第1乃至第5の比較例の結果を示した図である。
【図26】画像形成装置の要部の概略構成図である。
【図27】図26に示す画像形成装置のブロック構成図である。
【図28】図26に示す画像スリーブと感光ドラムの斜視図である。
【図29】図26に示す画像スリーブの端部の断面図である。
【図30】図26に示す画像スリーブの駆動機構の側面図である。
【図31】図26に示す画像スリーブの駆動機構の要部の断面図である。
【図32】図26に示す画像スリーブと感光ドラムとの位置関係を説明するための側面図である。
【図33】従来の画像スリーブの一例を説明するための側面図である。
【図34】熱可塑性樹脂とアルミニウム合金のフランジの側面図および平面図である。
【図35】熱可塑性樹脂と非熱可塑性樹脂とのフランジの側面図および平面図である。
【図36】スチリル化合物の構造を示す図である。
【図37】第1乃至第3の実施例と第1乃至第3の比較例の結果を示す図である。
【図38】第3の実施形態の製造装置の正面図である。
【図39】第3の実施形態の製造装置の側面図である。
【図40】第3の実施形態の製造装置の平面図である。
【図41】第3の実施形態の製造装置のロボットハンドの概略構成図である。
【図42】ロボットハンドの断面図である。
【図43】図42に示すロボットハンドの先端部分の拡大断面図である。
【図44】図41に示す水平コンプライアンスの概略構成図である。
【図45】第3の実施形態の製造装置によるフランジと感光ドラムの結合動作を説明するための図である。
【図46】第3の実施形態の製造装置によって結合されるフランジと感光ドラムの関係図である。
【図47】第3の実施形態の製造装置のロボットハンドの他の例の断面図である。
【図48】図47のロボットハンドを用いたときのフランジと感光ドラムの結合動作を説明するための図である。
【図49】電荷輸送材料の化学構造を示す図である。
【図50】第1の実施例の結果を示す図である。
【図51】第2の実施例の結果を示す図である。
【図52】第1の比較例の結果を示す図である。
【図53】第2の比較例の結果を示す図である。
【符号の説明】
W1 フランジ部材
W2 円筒部材
W3 マグネットローラ
1A ロボットハンド
4 高周波加熱装置
9 クッションユニット
10 コンプライアンス(調芯手段)
F1 熱可塑性樹脂部分
F2 アルミニウム合金部分
F3 非熱可塑性樹脂部分
Claims (7)
- 円筒部材の端部内側にシャフト状部材が挿入結合された円筒体の製造方法であって、
前記シャフト状部材は、前記円筒部材の端部内側に結合される結合部と、先端の凸部と、前記結合部に垂直であって前記シャフト状部材を保持する保持治具の端面が当接する外周部とを備え、
前記円筒部材の端部内側と前記円筒部材の端面とが垂直になるように加工するとともに、前記円筒部材の端部内側と前記シャフト状部材の結合部とを締まりばめの関係となる寸法に加工する加工工程と、
前記円筒部材の端部を加熱して、前記シャフト状部材の結合部とすきまばめの関係となる寸法に前記円筒部材の内径を拡径させる加熱工程と、
前記シャフト状部材を、前記シャフト状部材の軸線と前記保持治具の端面とが垂直になるように前記保持治具により保持する保持工程と、
前記円筒部材の端部内側に前記保持治具により保持した前記シャフト状部材を挿入し、前記保持治具の前記端面を前記円筒部材の端面に当接させながら前記円筒部材を冷却する挿入工程とを具備することを特徴とする円筒体の製造方法。 - 前記保持治具は、前記シャフト状部材が前記円筒部材の内周面に倣って挿入されるように、前記シャフト状部材を該シャフト状部材の軸線と略直交する方向に移動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の円筒体の製造方法。
- 前記保持治具は、前記シャフト状部材の軸線と前記端面との直角度が5μm以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒体の製造方法。
- 前記円筒部材の肉厚は0.5mm〜2.0mmであり、前記円筒部材の端部内側と前記シャフト状部材の結合部とのしめしろが、前記円筒部材の基準内径の0.04〜0.2%であり、前記円筒部材を回転させたときの前記円筒部材の端部内側のふれが10μm以下であり、前記円筒部材の端部内側と前記シャフト状部材の結合部との結合長さが2mm〜6mmであり、前記円筒部材の端部内側は前記加熱工程において前記基準内径の0.3〜0.5%拡径されることを特徴とする請求項1に記載の円筒体の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする円筒体。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする現像スリーブ。
- 静電潜像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムに現像剤を供給して前記静電潜像を現象する現象スリーブとを有する現像装置であって、前記現像スリーブは請求項6に記載の現像スリーブであることを特徴とする現像装置。
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