JPH091265A - 円筒体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

円筒体の製造方法及び製造装置

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JPH091265A
JPH091265A JP14871295A JP14871295A JPH091265A JP H091265 A JPH091265 A JP H091265A JP 14871295 A JP14871295 A JP 14871295A JP 14871295 A JP14871295 A JP 14871295A JP H091265 A JPH091265 A JP H091265A
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temperature
cylindrical
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Taku Konuma
卓 小沼
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】乾燥工程と加熱工程との間の常温に戻す工程を
省略して生産性を向上させることの出来る円筒体の製造
方法を提供する。 【構成】円筒部材W2の端部内側とフランジ部材W1の
結合部をしまりばめの関係となる大きさに加工する加工
工程と、円筒部材W2の端部を所定の温度に加熱して拡
径させ、円筒部材W2の端部内側とフランジ部材W1の
結合部とをすきまばめの関係とする拡径工程と、円筒部
材W2の端部の冷却中に、円筒部材W2の端部内側にフ
ランジ部材W1の結合部を嵌入させる嵌入工程とを具備
し、拡径工程において、円筒部材W1の温度を測定し、
測定位置の温度から得られる円筒部材W2の端部の予測
温度と所望の温度との差分だけ円筒部材W2の端部を加
熱し、拡径する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば複写機、プリン
タ、ファクシミリ、印刷機等の画像形成装置における電
子写真感光ドラムや現像スリーブ等の円筒体の製造方法
及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式の複写機、レー
ザービームプリンタ、ファクシミリ、印刷機等の画像形
成装置における電子写真感光ドラムや現像スリーブとし
ては、表面が所定の表面粗さに仕上げられた円筒部材が
用いられている。
【0003】電子写真用感光ドラムは、所定の表面粗さ
に仕上げられたドラム基体の表面に感光膜を施すことに
よって製造されるが、ドラム基体の表面精度あるいは寸
法精度が低いと感光膜に凹凸が生じ、このために画像形
成装置の画像に欠陥が発生する。したがって、精度の高
い画像形成装置を得るためには、ドラム基体の表面精度
は所定の表面粗さに加工されることが要求され、また真
直度および真円度等にもきわめて高い精度が必要とな
る。
【0004】また、例えば、電子写真法や静電記録法等
によって形成される潜像担持体上の潜像を担持するため
に、潜像が形成された潜像担持体へ現像液を担持して搬
送する現像スリーブは、一成分、二成分現像剤、磁性、
非磁性現像剤、さらには絶縁性、誘電性現像剤を問わ
ず、これら現象剤を担持して潜像を忠実に顕像化するた
めには、表面粗さ、真直度および振れ防止にきわめて高
い精度が必要となる。
【0005】一般に、係る円筒部材には、純度99.5
%以上のAlや、0.05〜0.20%のCuと1.0
〜1.5%のMuを含むCu−Mu−Al合金、あるい
は0.20〜0.60%のSiと0.45〜0.90の
Mgを含むSi−Mg−Al合金等が用いられ、これら
材料を押出、引抜工程を経て、ある程度の寸法精度にす
る。しかし、このようなアルミ引抜円筒のままでは曲が
りが大きく残っているため、通常はこの後ロール矯正な
どを行い所望の寸法精度(真直度、振れ)にまで仕上げ
る。その後、所定の長さに切断し、両端部のバリ除去、
端面精度の向上の目的で切削加工により端部を仕上げ
る。
【0006】例えば、現像スリーブの場合、こうしてで
きた基体円筒に現像スリーブとしての機能を持たせるた
めに円筒表面にサンドブラスト加工等を行い、表面に凹
凸を形成して現像剤(トナー)の搬送性を高めたり、さ
らにその後、トナーの帯電付与性を向上させる目的で、
凹凸を形成した表面に、熱硬化性樹脂に導電性カーボン
を分散した塗料をスプレー塗布により塗布し、約150
℃〜170℃の恒温漕で20〜30分間乾燥させて塗膜
を硬化させる方法が知られている。
【0007】最後に、このようにしてできた円筒部材の
両端部に、現像スリーブを回転支持するためのフランジ
部材を焼きばめ結合方法により結合する。また、使用す
る現像剤(トナー)の種類により、円筒内部にトナーを
磁力により搬送するためのマグネットローラを挿入する
場合もある。これは、トナーが磁性トナーである場合で
ある。こうして、円筒部材の両端部にフランジ部材を焼
きばめ結合させることによって、現像スリーブとして完
成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、現像スリーブの円筒部材とフランジ部材の焼
きばめ結合工程において、加熱される円筒部材の端部
は、円筒であること、精密な加工により光沢があるこ
と、により、放射温度計による温度測定ができなかっ
た。また、円筒コイルを用いた高周波誘導加熱方法によ
り円筒部材を加熱していたため、熱電対を接触させる温
度測定では、加熱時に円筒部材から熱電対側に熱が逃げ
るため使用できないという問題点があった。。以上のよ
うに、焼きばめ結合前に、円筒部材の温度測定ができな
かったため、乾燥工程(約150℃〜170℃、20〜
30分)後の円筒部材を一度常温(25℃)に戻した後
に、一定の高周波誘導加熱条件により、円筒部材の端部
を所定の温度にする工程をとっていた。そのため、乾燥
工程で高温になった円筒部材を、一度常温にもどす冷却
工程を必要とし、生産上、むだな工程を入れざるをえな
かった。
【0009】従って、本発明は、上述した課題に鑑みて
なされたものであり、その目的は、乾燥工程と加熱工程
との間の常温に戻す工程を省略して生産性を向上させる
ことの出来る円筒体の製造方法及び製造装置を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し目
的を達成するために、本発明に係わる円筒体の製造方法
は、円筒部材の端部内側にフランジ部材の結合部が嵌合
された円筒体を製造する円筒体の製造方法において、前
記円筒部材の端部内側と前記フランジ部材の結合部をし
まりばめの関係となる大きさに加工する加工工程と、前
記円筒部材の端部を所定の温度に加熱して拡径させ、該
円筒部材の端部内側と前記フランジ部材の結合部とをす
きまばめの関係とする拡径工程と、前記円筒部材の端部
の冷却中に、該円筒部材の端部内側に前記フランジ部材
の結合部を嵌入させる嵌入工程とを具備し、前記拡径工
程において、前記円筒部材の温度を測定し、測定位置の
温度から得られる前記円筒部材の端部の予測温度と所望
の温度との差分だけ前記円筒部材の端部を加熱し、拡径
することを特徴としている。
【0011】また、この発明に係わる円筒体の製造方法
において、前記円筒部材は、表面に樹脂層が形成されて
おり、前記円筒部材の温度の測定は、前記表面の樹脂層
で行なわれることを特徴としている。
【0012】また、この発明に係わる円筒体の製造方法
において、前記円筒部材の温度を測定する測定位置は、
前記円筒部材の端部近辺で、該円筒部材の表面に形成さ
れた樹脂層上であることを特徴としている。
【0013】また、本発明に係わる円筒体の製造装置に
おいて、円筒部材の端部内側にフランジ部材の結合部を
嵌合した円筒体を製造する円筒体の製造装置において、
前記フランジ部材の結合部に対してしまりばめの関係と
なる大きさに加工されている前記円筒部材の端部を所定
の温度に加熱して、該円筒部材の端部を前記フランジ部
材の結合部に対してすきまばめの関係となるように拡径
させるための加熱手段と、前記円筒部材の端部の冷却中
に、該円筒部材の端部内側に前記フランジ部材の結合部
を嵌入させる嵌入手段と、前記円筒部材の表面に形成さ
れた樹脂層の温度を測定する温度測定手段と、該温度測
定手段が測定した前記樹脂層の温度から得られる前記円
筒部材の端部の予測温度と所望の温度との差分だけ、前
記円筒部材の端部を加熱する様に前記加熱手段の加熱動
作を制御する制御手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0014】また、この発明に係わる円筒体の製造装置
において、前記加熱手段は高周波誘導加熱装置であるこ
とを特徴としている。
【0015】また、この発明に係わる円筒体の製造装置
において、前記温度測定手段は、放射温度計であること
を特徴としている。
【0016】また、この発明に係わる円筒体の製造装置
において、前記円筒部材は、画像形成装置に用いられる
現象スリーブであることを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わる円筒体の製造装置
において、前記円筒部材は、画像形成装置に用いられる
感光ドラムであることを特徴としている。
【0018】
【作用】以上の様に構成される本発明においては、円筒
部材を加熱して拡径する前に、円筒部材の端部近辺の表
面に形成された樹脂層の温度を測定し、その温度から得
られる円筒部材の端部の予測温度と、結合部位の加熱す
べき所望の温度との差分だけ加熱することにより、結合
工程に投入される円筒部材に温度ばらつきがあっても、
そのまま加熱工程に移行することができる。そのため、
乾燥工程(150℃〜170℃,20〜30分)を経た
円筒部材を一度常温に戻す工程をなくすことができ、生
産性を向上させることが出来る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例の説明に先立ち、本発
明の背景技術および概要について説明する。
【0020】(背景技術および概要)従来より、円筒部
材とフランジ部材との結合においては、フランジ部材を
曲げることなく高精度に結合する方法が種々試みられて
いる。例えば、実開昭56−154007号公報には、
フランジ部材の嵌合部の外周に複数個の穴を設け、円筒
部材をかしめて結合するロールが開示され、また実開昭
57−79862号公報には、フランジ部材の端部に環
状の溝を設け、そこに円筒部材の端部を巻き込むように
かしめたロールが開示され、さらに特開平6−1755
04号公報には、円筒部材にインロー加工を行い、その
インロー内径より小さい嵌合部を有するフランジ部材を
挿入して接着剤により結合したロールが開示されてい
る。
【0021】しかしながら、これらの方法は、かしめに
よってフランジ部材の結合強度は得られるものの、かし
めのための外部圧力によって偏心が起こり、フランジ部
材の曲がりのない円筒体が得られがたい。また、接着に
よる結合方法では、接着剤を均一に塗布してフランジ部
材を曲がりの少ないように固定することが難しく、また
経時変化による接着強度の低下がみられる場合もあり、
フランジ部材の結合強度と、フランジ部材の曲がりの少
ない結合とを同時に得ることができない。
【0022】かかる問題を解決するために鋭意検討した
ところ、円筒部材の結合部位を加熱により拡径し、その
部位にフランジ部材をすきまばめし結合するいわゆる焼
きばめが有効であることを見いだした。
【0023】しかし、このように単に、円筒部材とフラ
ンジ部材とを焼きばめしただけでは、結合強度は得られ
るものの、それらの曲がりの少ない結合は得られない。
それは、以下の理由による。
【0024】すなわち、一般に、金属の熱伝導性は大き
く、円筒部材の内面にフランジ部材が接触すると、速や
かに熱の移動がおこり、円筒部材は元の大きさに戻る。
このときに、フランジ部材が円筒部材の中心軸からずれ
て挿入されたり、曲がって挿入されてしまう。かかる問
題を解決するためには、速やかに、円筒部材とフランジ
部材の中心軸の水平方向の位置ずれを調整し、さらに円
筒部材の端面とフランジ部材の対向部とを確実に接触さ
せて押さえつけることが重要となる。
【0025】一般に、円筒体としての現像スリーブは、
電子写真法や静電記録法等によって形成される潜像担持
体上の潜像を現像するために、その内部にマグネットロ
ーラが挿入される。これは磁力によって現像剤を搬送す
るためであり、マグネットローラの磁力の関係から、現
像スリーブにおける円筒部材の肉厚は0.5mm〜1.
5mmの範囲とされている。また、現像スリーブにおけ
るフランジ部材の結合強度は5kg〜50kgが必要で
あり、かかる点から次のような寸法が有効であることを
見いだした。
【0026】すなわち、結合しめしろは基準内径の0.
04〜0.2%の範囲が必要である。また結合長さは、
結合後のフランジ部材の倒れ防止、および結合強度を確
保する点から1mm〜5mmの範囲とする。結合しめし
ろが基準内径の0.04%以下では必要とする結合強度
が得られず、基準内径の0.2%の結合しめしろ以上で
は必要以上の強度となる。結合長さが1mm以下では、
結合後のフランジ部が倒れるおそれがあり、またそれを
5mm以上とすることは不必要である。また、加熱によ
る円筒部材の拡径は基準内径の0.3〜0.5%の範囲
が好ましく、0.3%以下では、円筒部材とフランジ部
材との接触により、フランジ部材が曲がって結合される
おそれがあり、0.5%以上では、加熱温度が高くなり
すぎて材料の熱劣化のおそれがある。
【0027】また、現像スリーブを用いて良好な画像を
得るためには、フランジ部材のふれを15μm以下にす
ることが好ましい。それを15μm以下の精度にするこ
とにより、現像スリーブを回転駆動させるための手段と
の連結において、現像スリーブ全体のふれの発生を抑え
るためである。このような精度を得るためには、円筒部
材の結合部位のインローフレを10μm以下とし、端面
直角度を5μm以下とすることが必要である。さらには
フランジ部材単品のふれを5μm以下とすることが必要
である。かかる結合条件により、フランジ部材のフレが
15μm以下となる。
【0028】また、現像フランジや感光ドラムのような
円筒体は、それが備わる複写機やプリンタの環境条件を
考慮し、特に高温高湿、低温低湿などのあらゆる環境に
おいても好ましい結合強度を得るために、円筒部材とフ
ランジ部材を同質材料とすることが好ましい。特に、軽
量性、加工性の点から、アルミニウムであることが好ま
しい。ただし、アルミニウムは高温時の熱的な条件に対
して熱変形しやすいという欠点があるため、アルミニウ
ム製の円筒部材の拡径範囲を基準内径の0.3〜0.5
%とするようにその加熱温度を抑えることが必要とな
る。
【0029】また、現像スリーブにおいては、円筒部材
両端に結合される2つのフランジ部材の内の一方をプラ
スチックフランジとして、それを圧入、かしめ、接着等
の手段によって簡易に結合させたものもある。しかし、
耐久性が要求される複写機やプリンタ等の現像スリーブ
においては、円筒部材の両端に対して、フランジ部材を
高精度に結合する必要があり、かかる場合には、円筒部
材の内側にマグネットローラを収容させた状態でフラン
ジ部材を結合させる必要が生じる。この場合には、円筒
部材の一端に一方のフランジ部材を結合し、切削または
センターレス切削により円筒部材の他端と他方のフラン
ジ部材を同時または別々に加工して、同軸度のよい円筒
部材を用意してから、その円筒部材の内部にマグネット
ローラを挿入し、そして円筒部材の他端に他方のフラン
ジ部材を結合する。円筒部材内におけるマグネットロー
ラの存在下において、円筒部材にフランジ部材を結合す
る場合には、円筒部材を拡径させるための加熱によるマ
グネットローラの磁力の変動を回避するために、円筒部
材の加熱温度を抑える必要がある。マグネットローラに
磁力の変化があると画像が悪化する。かかる必要性か
ら、円筒部材の拡径範囲を基準内径の0.3〜0.5%
とする。また、加熱温度を200℃以下とすることによ
り、マグネットローラの磁力の変化は抑えられる。
【0030】次に、本発明の実施例を「画像形成装置の
全体構成」、「現像スリーブの製造装置」、「現像スリ
ーブの製造方法の具体例」、「現像スリーブの構成
例」、および「感光ドラムの製造方法の具体例」に分け
て説明する。
【0031】[画像形成装置]図35に、円筒部材として
の現像スリーブおよび感光ドラムを備えた転写式電子写
真装置の概略構成を示す。
【0032】図35において1101は感光ドラムであ
り、軸1101aを中心として矢印方向に所定の周速度
で回転駆動される。感光ドラム1101はその回転過程
で帯電手段1102により、その周面に正または負の所
定電位の均一帯電を受け、ついで露光部1103にて不
図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光、レ
ーザービーム走査露光等)を受ける。これにより、感光
ドラム1101の周面に露光像に対応した静電潜像が順
次形成されていく。
【0033】その静電潜像は、ついで現像手段1104
でトナー現像され、そのトナー現像は、転写手段110
5により、不図示の給紙部から感光ドラム1101と転
写手段1105との間に感光ドラム1101の回転と同
期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写されて
いく。1020は現像手段1104に備わる現像スリー
ブである。像転写を受けた転写材Pは、感光ドラム11
01の面から分離され、像定着手段1108へ導入され
て像定着を受けて被写物(コピー)として機外へプリン
トアウトされる。
【0034】像転写後の感光ドラム1101の表面は、
クリーニング手段1106にて、転写残りトナーの除去
を受けて清浄面とされ、さらに前露出手段1107によ
り除電処理されて繰り返し像形成に使用される。
【0035】感光ドラム1101の均一帯電手段110
2としては、コロナ帯電装置または接触帯電が一般に広
く使用されている。また、転写手段1105としてもコ
ロナ帯電転写手段が一般に広く使用されている。また、
電子写真装置として、上述の感光ドラム1101、現像
手段1104、クリーニング手段1106等の構成要素
の内、複数のものをユニットとして一体に結合し、この
ユニットを装置本体に着脱自在に構成してもよい。例え
ば、帯電手段1102、現像手段1104、およびクリ
ーニング手段1106の少なくとも1つを感光ドラム1
101と共に一体に支持したユニットを装置本体に着脱
自在の単一ユニット(現像装置)とし、それを装置本体
のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としても
よい。
【0036】また、光像露光Lは、電子写真装置を複写
機やプリンタとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光、あるいは原稿を読み取って信号化し、この
信号によるレーザービームの走査、LEDアレイの駆
動、または液晶シャッターアレイ駆動などにより行なわ
れる。
【0037】また、ファクシミリのプリンタとして使用
する場合には、光像露光Lは受信データをプリントする
ための露光となる。図36は、この場合の構成例を示す
ブロック図である。
【0038】図36において、コントローラ1111
は、画像読み取り部1110とプリンタ1119を制御
する。コントローラ1111の全体はCPU1117に
より制御される。画像読み取り部1110からの読み取
りデータは、送信回路1113を通して相手局に送信さ
れる。相手局から受けたデータは、受信回路1112を
通してプリンタ1119に送られる。画像メモリ111
6には、所定の画像データが記憶される。プリンタコン
トローラ1118はプリンタ1119を制御する。11
14は電話である。
【0039】回線1115から受信された画像(回線1
115を介して接続されたリモート端末からの画像情
報)が受信回路1112で復調された後、CPU111
7は、画像情報の復号処理を行い順次画像メモリ111
6に格納する。そして、少なくとも1ページ分の画像が
メモリ1116に格納されると、そのページの画像記録
を行なう。CPU1117はメモリ1116より1ペー
ジ分の画像情報を読み出し、プリンタコントローラ11
18に復号化された1ページ分の画像情報を送出する。
プリンタコントローラ1118は、CPU1117から
の1ページ分の画像情報を受け取ると、そのページの画
像情報の記録を行うべくプリンタ1119を制御する。
なお、CPU1117は、プリンタ1119による記録
中に、次のページ送信を行っている。
【0040】以上のようにして、画像の受信と記録が行
われる。
【0041】ところで、現像手段1104は現像スリー
ブ1020の回転によって、感光ドラム1101上の静
電潜像に現像剤を供給して、その静電潜像を現像するた
め、その現像剤を感光ドラム1101に良好に供給する
ためには現像スリーブ1020を感光ドラム1101に
対して所定の間隔で対向させる必要がある。
【0042】図37は、現像スリーブ1020と感光ド
ラム1101との位置関係を示す斜視図、図38は現像
スリーブ1020の非駆動側端部の断面図である。
【0043】図37に示すように、現像スリーブ102
0は、その両端のフランジ部材1022が滑り軸受け1
023によって回転自在に軸支されている。また、現像
スリーブ1020の両端部には、感光ドラム1101の
表面と現像スリーブ1020の表面との距離δを一定に
保つためのスペーサコロ1021が回転自在に備えられ
ている。このスペーサコロ1021は、摺動性のよい樹
脂材料で構成されており、その外径は現像スリーブ10
20の外径よりも離間間隔δの2倍(2δ)だけ大きく
設定されている。したがって、図38に示すように、ス
ペーサコロ1021を感光ドラム1101の周面に当接
させることにより、感光ドラム1101の表面と現像ス
リーブ1020の表面との間の距離δが一定に保たれ
る。
【0044】図39は現像手段1104の側面図、図4
0は現像スリーブ1020の駆動軸側端部の断面図であ
る。
【0045】図39、40において、駆動軸側のフラン
ジ部材1022には駆動ギア1017が取り付けられて
おり、その駆動ギア1017に対して、装置本体の駆動
軸1019側の駆動ギア1018が選択的に歯合するこ
とにより、現像スリーブ1020が回転駆動される。
【0046】図41は、現像スリーブ1020内にマグ
ネットローラ1025を備えた場合の断面図であり、停
止状態に保持されたマグネットローラ1025の外側に
て現像スリーブ1020が矢印A方向に回転駆動され、
また感光ドラム1101は矢印B方向に回転する。
【0047】[現像スリーブの製造装置] (第1実施例)図1は、円筒体としての現像スリーブの
製造装置の側面図、図2はその製造装置の正面図、図3
はその製造装置の平面図である。以下においては、前述
した現像スリーブの主体を成す円滑部材をスリーブW
2、フランジ部材22をフランジW1という。
【0048】これらの図において、1はNC組立ロボッ
ト、2はロボットハンド、3は高精度に加工されたフラ
ンジW1を供給するためのストッカ、4は高精度に加工
されたスリーブW2の端部を加熱するための高周波加熱
装置、5は、図示しないコンベアラインからスリーブW
2を搬入および搬出するターンテーブルである。
【0049】図4はロボットハンド2の概略構成を示
す。ロボットハンド2は、水平コンプライアンスユニッ
ト(調芯ユニット)Y1と、水平、角度調整ユニットY
2と、フランジ把持ユニットY3とによって構成されて
おり、クッションユニット9を介してロボット1のアー
ム1Aに取り付けられている。
【0050】図5はロボットハンド2の全体の断面図、
図6は、ロボットハンド2の下側部分の拡大断面図であ
る。
【0051】図5において、まず、クッションユニット
9は、ロボット1のアーム1Aから垂下するロッド8
に、ばね6によって下方に付勢される直線摺動部材7が
上下方向摺動自在にガイドされている。ロボットハンド
2は、直線摺動部材7に取り付けられて、常時、下方に
付勢されている。10は、ユニットY1としての水平方
向コンプライアンスであり、例えば、図7(a)のよう
に平行板状のばね10Aによって水平テーブル10Bの
水平方向の変位を許容する構成、あるいは図7(b)の
ように引張りばね10Cによって水平テーブル10Bの
水平方向の変位を許容する構成となっている。上下方向
の剛性を必要とするときは、図7(b)のコンプライア
ンスを利用するとよい。ばね10A、10Cによる水平
テーブル10Bの求心力は、0.1kg以下がよい。
【0052】11はロックシリンダ、12はロック板で
あり、これらの間に水平コンプライアンス10が構成さ
れている。ロック板12は、水平コンプライアンス10
の水平テーブル10Bに相当する。ロックシリンダ11
は、図示しない電磁弁を介して加圧エアーが供給された
ときに、シリンダロッド13を下方に突出させ、その先
端をロック板12のロック穴14内に嵌入させることに
より、ロック板12つまりは水平コンプライアンス10
を固定する。したがって、ロボット1の高速動作中に、
このように水平コンプライアンス10を固定することに
より、ロボットハンド2を振動させることなく位置決め
できることになる。
【0053】15は平行ハンドであり、フランジW1を
把持するためのつめ16が取り付けられている。17は
平行ハンド固定部材であり、平行ハンド15を固定する
と共に、複数の平行ハンドロックシリンダ18が取り付
けられている。平行ハンドロックシリンダ18の上端に
はテーパーコマ20が取り付けられている。そして、平
行ハンドロックシリンダ18は、図示しない電磁弁を通
して加圧エアーが供給されたときに、テーパーコマ20
を下方に引き込み、そのテーパーコマ20をロック板1
2の嵌入穴21内に嵌入させることによって、ロック板
12に対して平行ハンド15が引き込み固定される。ま
た、ロック板12と平行ハンド固定部材17との間には
スラストベアリング22が挟み込まれており、平行ハン
ドロックシリンダ18の引き込み動作により、平行ハン
ド15の傾きも矯正される。
【0054】また、平行ハンド固定部材17には、図6
に示すように、フランジW1をスリーブW2に挿入して
押し付けるための押し付け支持部材23が取り付けられ
ている。この支持部材23には、回転自在のボール24
Aを有するスクリュウボール24が取り付けられてい
る。スクリュウボール24の取り付け位置は、平行ハン
ド15の中心とほぼ一致し、平行ハンド15がフランジ
W1を把持したときに、そのフランジW1の中空穴25
の軸芯と一致するようになっている。
【0055】図1から図3において、ストッカ3はロボ
ット1にフランジW1を供給するための装置であり、図
3に示すパレット120を多段に収納しており、それら
のパレット120内にはフランジW1がマトリックス状
に多数収納されている。フランジW1がロボット1に供
給されることによって空となったパレット120は自動
的に排出され、それに代わって、フランジW1が敷き詰
められた新たなパレット120が供給位置にセットされ
る。
【0056】図8は、高周波加熱装置4の詳細図であ
る。高周波加熱装置4は、後述するようにターンテーブ
ル5によってスリーブW2がコイル113内に位置され
たときに、コイル113に高周波の電流I1が流され
る。これにより、そのコイル113に磁界121が発生
し(図8(c)参照)、スリーブW2に誘導電流I2が
生じて、スリーブW2が自己発熱する。また、電流I1
の周波数を変化させることにより、コイル113内に位
置するスリーブW2の表面から中心方向への加熱状態を
変えることができ、スリーブW2の肉厚が変わった場合
の汎用性がある。
【0057】図9および図10は、ターンテーブル5の
詳細図である。
【0058】これらの図において、100はベース板、
101は上下動シリンダ、102はガイドブロックであ
り、ガイドブロック102には、ガイド棒104を上下
方向に摺動自在にガイドするリニアブッシュ103が内
蔵されている。上下動シリンダ101のロッドの先端に
は、ハイロータブロック107の下部に連結する連結部
材105が取り付けられている。ハイロータブロック1
07にはハイロータ106が収納されている。ハイロー
タブロック107は、ガイド棒104に連結されてお
り、上下動シリンダ101によって精度よく上下動す
る。ハイロータ106は、カップリング108を介して
ターンテーブルベース109に連結されている。ターン
テーブルベース109は、クロスローラベアリング11
0により支持されておりハイロータ106の回転が精度
よくターンテーブル109に伝えられる。
【0059】ターンテーブル109上には、スリーブW
2を位置決めするための断面V字状の受け111(図3
参照)と、その受け111にスリーブW2を押圧して固
定するためのロータリーシリンダ112が設置されてお
り、ロータリーシリンダ112の動作に応じて、スリー
ブW2の位置決め保持および出し入れが可能となってい
る。
【0060】また、図10において113は、前述した
高周波加熱装置4のコイルであり、受け111とロータ
リーシリンダ112によって位置決め保持されたスリー
ブW2が、ターンテーブルベース109と共に上下動シ
リンダ101によって上下動されることによって、スリ
ーブW2の上端がコイル113内に位置されるようにな
っている。図10において114は鉄製等の磁性板であ
り、後述するようにスリーブW2内にマグネットローラ
W3を挿入した後にフランジW1を結合するときに、マ
グネットローラW3をスリーブW2内にて片寄せして位
置決めする。
【0061】ターンテーブルベース109は、ハイロー
タ106により回転駆動され、ターンテーブルベース1
09に取り付けられたストッパ115(図10参照)が
ショックアブソーバ116(図10参照)に当接するこ
とによって、ターンテーブルベース109の回転方向の
位置が規制される。
【0062】図11は、本製造装置の制御系のブロック
構成図である。
【0063】図11において、50は中央演算処理装置
(CPU)であり、52は、CPU50とバス結合され
て、一連の制御アルゴリズムのプログラムおよびマンマ
シーンインターフェースプログラムを含む不揮発性のメ
モリ(ROM)である。54は、教示データを記憶可能
な電源バックアップされたメモリ(RAM)である。5
6はカウンタであり、ロボット1を駆動するサーボモー
タ58に連結されたエンコーダ60に接続されて、サー
ボモータ58の現在位置を検出すべくカウントする。6
2は、トルクアンプ64を介してサーボモータ58に接
続されるD/Aコンバータであり、CPU50の制御下
において電流指示をトルクアンプ64へ出力する。66
は、高周波加熱装置4等の他の制御装置68、ソレノイ
ドバルブ70、センサー72等の情報をCPU50へ取
り込むためのI/Oインターフェースである。74は、
外部教示装置76、表示装置78、および入力キーボー
ド80と、CPU50とを結ぶ通信用インターフェース
である。また、ROM52、RAM54、カウンタ5
6、コンバータ62、インターフェース66,74は、
バス82によってCPU50に接続されている。
【0064】図12(a)はフランジW1の側面図、図
12は(b)はスリーブW2の側面図である。
【0065】フランジW1において、スリーブW2の端
部の加工穴130内に結合される結合部131と、先端
の凸部134は、それぞれ高精度な真円度、同軸度がで
るように加工が施されている。また、スリーブW2の端
面132に当接する外周部133は、結合部131に対
して高精度な直角度がでるように加工されている。スリ
ーブW2の端部は内径加工がほどこされ、その内径加工
穴130とスリーブW2の外径の同軸度は高精度に設定
されており、図13(b)のような偏肉の不均一はな
く、図13(a)のように肉厚は均一となっている。ま
た、この内径加工穴130とスリーブW2の端面132
は、高精度な直角度がでるように加工されている。
【0066】したがって、このようなフランジW1とス
リーブW2の加工面をかじることなく、それらを結合
し、さらにフランジW1の外周部133とスリーブW2
の端面132とを当接させることによって、スリーブW
2の両端部に対してフランジW1の凸部134の同軸度
を高精度に定めることが可能となる。
【0067】次に、フランジW1とスリーブW2との結
合動作について説明する。
【0068】図14は、ロボット1側の動作を説明する
ためのフローチャート、図15はターンテーブル5側の
動作を説明するためのフローチャートである。
【0069】まず、ストッカ3上の供給位置にフランジ
W1がセットされるとロボット1のアーム1Aが旋回し
て、ロボットハンド2の爪16がフランジW1をクラン
プする(ステップSA1)。その後、ロボットハンド2
が高周波加熱装置4のコイル113の上方に移動し(ス
テップSA2)、ロックシリンダ11によるロック板1
2のロックを解除して待機する(ステップSA3)。
【0070】一方、スリーブW2がターンテーブル5に
セットされると、ロータリーシリンダ112の動作によ
り、スリーブW2をV字状の受け111に押圧して位置
決めする(ステップSB1)。その後、ハイロータ10
6により、ターンテーブルベース109などと共にスリ
ーブW2が回転し(ステップSB2)、ストッパ115
がショックアブソーバ116に当接する。これらが当接
したときに、スリーブW2はコイル113の下方に位置
する。その後、上下動シリンダ101がONとなって、
ターンテーブルベース109、ハイロータブロック10
7等が上昇し、図16に示すようにスリーブW2の上端
がコイル113の内部に位置決めされる(ステップSB
3)。このようなスリーブW2の位置決めを待って、高
周波加熱装置4に駆動信号が送られ、コイル113が通
電されて加熱を開始する。これにより、上述したように
スリーブW2の開口部、つまり上端側の内径加工穴13
0部分が誘導電流により自己発熱し、その内径加工穴1
30が熱膨張により拡径する。
【0071】図17は、スリーブW2の上端部が時刻t
1から加熱されたときの温度変化を示し、また図18は
スリーブW2の温度と膨張量との関係を示す。
【0072】スリーブW2の内径加工穴130の拡径に
より、その内径加工穴130とフランジW1の結合部1
31は、しまりばめの関係から隙間ばめの関係となり、
以下のように、内径加工穴130に対して結合部131
が隙間挿入できることになる。
【0073】スリーブW2の加熱終了後は、コイル11
3への通電が停止し、高周波加熱装置4からロボット1
へ加熱終了信号が送られて、ロボットハンド2が下降す
る(ステップSA4)。これにより、爪16にクランプ
されたフランジW1がスリーブW2の内径加工穴130
内に徐々に挿入され、そしてフランジW1の外周部がス
リーブW2の端面132に当接した後、クッションユニ
ット9内のばね6の力によってフランジW1が押圧され
ることになる。
【0074】ところで、スリーブW2に対するフランジ
W1の挿入時に、それらの軸芯にずれがあった場合に
は、それらの面取り相当分内のずれであれば、水平コン
プライアンス10により吸収されて、フランジW1の結
合部131がスムーズにスリーブW2の内径加工穴13
0内に挿入される。また、フランジW1の挿入開始時
は、図19(a)のように平行ハンドロックシリンダ1
8がテーパコマ20を嵌入穴21内に嵌入固定してお
り、フランジW1の挿入後は、図19(b)のように、
直ちに平行ハンドロックシリンダ18がロック解除動作
して(ステップSA5)、ロック板12と平行ハンド固
定部材17との間の相対変位を許容し、また平行ハンド
15がフランジW1のクランプを解除して(ステップS
A6)、爪16の間からフランジW1を離す。このと
き、フランジW1はクッションユニット9のばね6の力
Fによって下方に押圧され、その押圧力Fは、ボール2
4Aを支点として垂直力F1と水平力F2になる。
【0075】また、このようなロボットハンド2におけ
る平行ハンドロック解除(ステップSA5)と平行クラ
ンプ解除(ステップSA6)により、フランジW1は、
スリーブW2の端面132に押圧されて位置規制され、
それと同時に、常温のフランジW1が急速にスリーブW
2の上端部の温度に近づいて結合が終了する。このよう
にして、フランジW1とスリーブW2の加工精度に応じ
た高精度な結合が行われる。
【0076】このような結合の終了後は、ロボットハン
ド2が上昇し(ステップSA7)、平行ハンドロックシ
リンダ18のロック動作によりロック板12と平行ハン
ド固定部材17とをロック状態とする。同時に、ターン
テーブル5へフランジW1の挿入終了信号が送られ、タ
ーンテーブル5は、上下動シリンダ101をOFFにし
て下降し(ステップSB4)、ハイロータ106がスリ
ーブW2の排出ステーションまで回転してから(ステッ
プSB5)、ロータリーシリンダ112がOFFとなっ
てスリーブW2を離すことにより(ステップSB6)、
そのスリーブW2を排出する(ステップSB7)。一
方、ロボットハンド2は、ロックシリンダ11によって
水平コンプライアンス10をロックしてから、次のフラ
ンジW1をクランプすべくスタッカ3上に高速移動する
(ステップSA9)。
【0077】なお、加熱装置4は、高周波加熱装置のみ
に限定されず、例えば、カートリッジヒータ、ハロゲン
ランプ、キセンノンランプ等によって加熱するものを用
いることも可能である。
【0078】また、本実施例のようなレーザービームプ
リンタの現像スリーブの製造装置では、スリーブW2の
外径に対して、結合後のフランジW1の同芯度を15マ
イクロメータ以内にするために、スリーブW2とフラン
ジW1の材質は、Al,Fe等の焼きばめ可能な金属で
あればよい。また、本発明は、レーザービームプリンタ
の現像スリーブの他、高精度な組立てを要する8ミリV
TRドラムの組立、ポリゴンミラーの製造装置などとし
ても適用することが可能である。
【0079】(第2実施例)本実施例の製造装置は、図
20、図21に示すようにマグネットローラW3を収容
したスリーブW2に対して、フランジW1を焼きばめに
より結合するための装置としての構成例である。
【0080】本例のようなマグネットローラW3を内蔵
したスリーブW2にフランジW1を結合した場合には、
図20に示すように、マグネットローラW3の端部がフ
ランジW1を貫通して外部に突出することになる。その
ため、前述した実施例のロボットハンド2では、ボール
24AによってフランジW1を直接押圧することができ
ない。そこで、本実施例では、前述したロボットハンド
2に代わって、角度吸収機構を内蔵した図22のロボッ
トハンド2’が装着される。以下、ロボットハンド2’
について、前述したロボットハンド2と相違する点につ
いて説明する。
【0081】ロボットハンド2’は、フランジW1を真
空吸着する吸着ヘッド151を有する。この吸着ヘッド
151には、回転自在のボール150Aを有するボール
スクリュウ150が取り付けられ、その吸着ヘッド15
1に装着された複数の吸着ヘッドロックシリンダ152
によってテーパーコマ153が下方に引き込まれること
により、そのテーパーコマ153が平行ハンド固定部材
17の嵌入穴17A内に嵌入固定される。つまり、吸着
ヘッドロックシリンダ152によって、吸着ヘッド15
1が平行ハンド固定部材17に引き込み固定されるよう
になっている。
【0082】フランジW1の挿入開始時は、図23
(a)のように、平行ハンドロックシリンダ18がテー
パコマ20を嵌入穴21内に嵌入固定すると共に、吸着
ヘッドロックシリンダ152がテーパーコマ153を嵌
入穴17A内に嵌入固定している。そして、フランジW
1の挿入後は、図23(b)のように、直ちに平行ハン
ドロックシリンダ18がロック解除動作して、ロック板
12と平行ハンド固定部材17との間の相対変位を許容
すると共に、吸着ヘッドロックシリンダ152がロック
解除動作して、平行ハンド固定部材17と吸着ヘッド1
51との間の相対変位を許容する。したがって、フラン
ジW1はスリーブW2の内径加工穴130にならうよう
にして結合することになる。
【0083】フランジW1の結合時には、クッションユ
ニット9のばね6の力FによりフランジW1が下方に押
圧され、図23(a)のように、平行ハンド固定部材1
7は、ロック板12に対してスラストベアリング22を
介してΔxだけ位置ずれが吸収され、さらに吸着ヘッド
151は、平行ハンド固定部材17に対してΔθだけ角
度が吸収される。
【0084】ところで、マグネットローラW3の外径は
スリーブW2の内径よりも小さいため、スリーブW2内
にてマグネットローラW3の位置が定まらず、それが傾
いてしまう。このマグネットローラW3の傾きが大きい
と、フランジW1結合時に、フランジW1の内径φd
(図21参照)内にマグネットローラW3の端部が入ら
ない。そこで、ターンテーブル5に設置された磁性体1
14を利用し、その磁性体114とマグネットローラW
3との間の吸着力によって、マグネットローラW3をス
リーブW2内の片側に寄せ、マグネットローラW3をス
リーブW2と平行に位置決めする。これにより、フラン
ジW1とマグネットローラW2との間の干渉が回避さ
れ、フランジW1がスリーブW2の内径加工穴130内
に挿入できることになる。
【0085】(第3の実施例)前述した、実施例は、ス
リーブW2が一定温度で供給されている場合であった。
【0086】本実施例では、次々に供給されてくるスリ
ーブW2の温度が異なる場合を想定している。
【0087】図1〜図3の現像スリーブ製造装置のライ
ン上流には、図示されない洗浄槽及び乾燥炉がある。乾
燥炉には、洗浄されたスリーブW2が25本セットでカ
ゴに収納された状態で投入され、25本セットで排出さ
れる。このカゴから、1本ずつ図1〜図3に示す現像ス
リーブ製造装置ヘスリーブW2を投入し、フランジW1
と焼きばめ結合を行う。供給されるスリーブW2の温度
は、乾燥炉から排出された時に25本すべてが180℃
近辺となっているが、製造装置に投入するときは、自然
冷却により、例えば1本目が約100℃、25本目が約
40℃と温度差がある。このため、高周波加熱装置4
は、加熱直前に、設置してある放射温度計400(図1
〜図3)により、供給されてきたスリーブW2の端部付
近のすでに放射率の既知であるスリーブ表面コート層C
の温度を計測し、図42のように、温度計アンプ401
からの出力を、A/D変換ボード402を介して、パソ
コン403に取り込む。ここで、パソコン403に取り
込まれたスリーブコート温度測定値により、スリーブW
2の端部温度を予測し、所定の加熱温度とこの予測温度
の差分だけ出力をD/A変換ボード404を介して、高
周波加熱装置4へ出力する。高周波加熱装置4へ入力さ
れた電流値(4〜20wA)により、高周波加熱装置4
は、一定時間スリーブW2を加熱する。
【0088】この流れの中で、放射温度計400による
スリーブコート温度測定値及びアンプ401の出力は、
図43のようにリニアな関係にある。また、アンプ40
1の出力とパソコンからの出力は、図44のような関係
にある。
【0089】これにより、例えば、製造装置4に供給さ
れるスリーブコート温度が高いa(℃)場合と、低いb
(℃)場合について、フランジW1と結合するまでのス
リーブW2の開口部の温度をみてみると、a(℃)のス
リーブW2に対して、a’のアンプ出力が出る。a’の
アンプ出力を受けたパソコンから、Aの出力が出る。パ
ソコン出力Aを受けた、高周波加熱装置4により、スリ
ーブ温度a℃のスリーブは、一定時間t(sec)内
に、200℃まで加熱される(図45)。また、スリー
ブ温度b℃のものについても、同様の過程により、図4
5のように、フランジ結合開始前に、一定時間で、a℃
のものと同様200℃まで加熱される。
【0090】このようにすることにより、乾燥工程で温
度が上昇したスリーブW2の温度を一旦常温にまで低下
させることなく、次の焼ばめ工程が行えるので、スリー
ブW2の冷却工程を省略することができ、生産性を向上
させることが出来る。
【0091】[現像スリーブの製造方法の具体例] (第1実施例)本実施例の現像スリーブは、前述した第
1実施例の製造装置によってスリーブの一端部にフラン
ジを焼きばめした後、そのスリーブの他端部に他のフラ
ンジを圧入して製造した。
【0092】スリーブW2は、外径12mm、内径1
0.4mm、長さ246mmのアルミニウム合金製押出
引き抜き円筒管を素材として、その一端に、内径10.
610mm、長さ5mmの内径加工穴130を切削加工
した。このように切削加工したスリーブW2は、図24
(c)のようにスリーブW2の両端の位置A、Bを保持
して回転させたときのa点のふれ、つまりインローフレ
が8μm、端面の直角度が3μmであった。そして、こ
のスリーブW2を、その内径加工穴130を上方にして
前述した第1実施例の製造装置にセットした。一方、フ
ランジW1は、結合部131の外径を10.618m
m、その結合部131の長さを1.5mmとした。
【0093】フランジW1とスリーブW2の結合に際し
ては、高周波加熱装置4によってスリーブW2の上端か
ら5mmの範囲を加熱して、スリーブW2の内径加工穴
130を42μm拡径した。そして、フランジW1をス
リーブW2に挿入して結合した。
【0094】このように、スリーブW2の一端側(内径
加工穴130側)にフランジW1を結合した現像スリー
ブ素材に対して、図24(b)のように、スリーブW2
の両端の位置A、Bを保持して回転させたときのフラン
ジW1のa位置のふれを測定した。そのふれは10μm
であった。また、フランジW1をスリーブW2から強制
的に引き抜くには10Kgの力を要した。
【0095】さらに、このような現像スリーブ素材に対
して、図25に示すようなサンドブラスト処理を行っ
た。図25において、Wは現像スリーブ素材、208は
砥粒211を吐出するブラストノズル、210は上下の
マスキング治具であり、現像スリーブ素材Wを回転させ
つつ、砥粒211を吹き掛けた。サンドブラスト条件を
下記に示す。
【0096】 砥粒;アルミナ粉(昭和電工社製、#100) 吐出圧力;2.8kg/cm2 ノズル距離;120mm ブラスト時間;60秒 スリーブ回転数;60rpm その後、このようにブラスト処理した現像スリーブ素材
Wに対して、図26に示すように、帯電付与性を向上さ
せるための塗料212をスプレー211から吹き付けて
コート層を形成し、その後、150℃の乾燥炉に約30
分間入れて、塗工膜を熱硬化させた。塗料212は、導
電性カーボン10重量部、グラファイト(平均砥粒7
μ)90重量部、およびフェノール樹脂100重量部に
対して、MEK溶剤を固形分10%となるように混合
し、ペイントシェーカにガラスビーズと共に入れ、5時
間の分散を行って調整した。
【0097】その後、このようにスリーブW2の一端側
にのみフランジW1が結合された現像スリーブ素材Wに
対し、図27に示すように、マグネットローラW3を挿
入してから、スリーブW2の他端側にフランジW4を圧
入して現像スリーブを完成した。このように、スリーブ
W2の表面に塗布した樹脂を加熱硬化させた後に、マグ
ネットローラW3を組み込むことにより、その加熱硬化
時の熱によるマグネットローラW3の磁力曲線の変化や
熱変形が回避される。
【0098】そして、このようにして完成した現像スリ
ーブをキャノン社製のレーザービームプリンタのプロセ
スカートリッジに装着し、画像を形成した結果、スリー
ブW2によるピッチむら等の問題もなく良好な画像が得
られた。
【0099】なお、図25のブラスト処理による凹凸形
成の代わりに、図26の塗装工程において、塗料212
の中に1μm〜30μmの球状粒子を添加して凹凸を形
成することも可能である。その球状粒子としては、ナイ
ロン、シリコーン、フェノール、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート、ポリエチレン等の球状粒子を用い
る。また、表面粗度は、球状粒子の添加量や球状粒子の
粒径などを変えることにより制御が可能である。その粒
径が1μm以下の場合は所望の表面粗度が得られず、3
0μm以上では粒径が大きすぎて樹脂との密着性が悪く
なる。
【0100】また、フランジW1の挿入時の曲がりを抑
えるために、マグネットローラW3が組み込まれたスリ
ーブW2をセンターレスや切削加工してもよい。
【0101】(第2実施例)上述した第1実施例と同材
料、同方法により、スリーブW2の一端部にフランジW
1を結合して現像スリーブ素材を作成した。そのインロ
ーフレは7μm、端面直角度は4μmであった。その
後、前述した第1実施例と同様にブラスト処理と、帯電
付与性を向上させるためのコート層を形成した。ただ
し、コート層を形成するための塗料は、導電性カーボン
10重量部、グラファイト(平均砥粒7μm)90重量
部、PMMA球状粒子(平均粒径10μm)、およびフ
ェノール樹脂100重量部を混合し、それを前述した第
1実施例と同様にペイントシェーカにて調整した。
【0102】その後、前述した実施例と同様に、スリー
ブW2内にマグネットローラW3を挿入してから、その
スリーブW2の他端側にフランジW4を圧入して現像ス
リーブを完成した。そのフランジW4のフレは10μm
であった。
【0103】そして、このようにして完成した現像スリ
ーブを前述した第1実施例と同様に使用して画像を形成
した結果、良好な画像が得られた。
【0104】(第3実施例)本実施例の現像スリーブ
は、スリーブの一端にフランジが結合されたスリーブの
他端に対して、前述した第2実施例の製造装置によって
フランジを焼きばめすることにより製造した。
【0105】スリーブW2は、外径20mm、内径1
8.4mm、長さ330mmのアルミニウム合金製押出
引き抜き円筒管であり、その一端に、内径8mmの貫通
孔を有するフランジが結合されている。このスリーブW
2の他端に、内径18.635mm、長さ4mmの内径
加工穴130を切削加工した。このように切削加工した
スリーブW2は、図24(c)のようにスリーブW2の
両端の位置A、Bを保持して回転させたときのa点のふ
れ、つまりインローフレが7μm、端面の直角度が4μ
mであった。
【0106】そして、このように一端部にフランジが結
合されたスリーブW2に対して、前述した第2実施例と
同様に、塗工液をコーティングした。
【0107】その後、前述した第2実施例の製造装置に
よって、図28に示すように、スリーブW2内にマグネ
ットローラW3を挿入し、磁性体114によって位置決
め保持しつつ、スリーブW2の他端の内径加工穴130
にフランジW1を焼きばめした。フランジW1は、結合
部131の外径を18.645mm、その結合部131
の長さを3.5mm、マグネットローラW3の端部が貫
通する貫通孔の内径を10mmとした。フランジW1と
スリーブW2の結合に際しては、高周波加熱装置4によ
ってスリーブW2の他端の内径加工穴130を75μm
拡径した。そして、フランジW1をスリーブW2に挿入
して結合した。
【0108】このように、スリーブW2の一端側(内径
加工穴130側)にフランジW1を結合した現像スリー
ブ素材に対して、図24(a)のように、スリーブW2
の両端の位置A、Bを保持して回転させたときのフラン
ジW1のa位置のふれを測定した。そのふれは11μm
であった。また、フランジW1をスリーブW2から強制
的に引き抜くには20Kg以上の力を要した。
【0109】そして、このようにして完成した現像スリ
ーブを前述した第1実施例と同様に使用した結果、良好
な画像が得られた。
【0110】(第4実施例)本実施例の現像スリーブ
は、前述した第3実施例と同様に、一端にフランジが結
合されたスリーブの他端に対して、前述した第2実施例
の製造装置によってフランジを焼きばめすることにより
製造した。
【0111】スリーブW2は、外径20mm、内径1
8.8mm、長さ330mmのアルミニウム合金製押出
引き抜き円筒管であり、その一端に結合されたフランジ
内には、内径寸法が5.01〜5.04の範囲内にある
焼結含油軸受けが固定され、その軸受けによってマグネ
ットローラW3の一端側の軸部が軸支されるようになっ
ている。スリーブW2の他端の内側には、図29(a)
に示すように、2段のインロー加工を行った。そして、
このように一端部にフランジが結合されたスリーブW2
に対して、前述した第2実施例と同様に、塗工液をコー
ティングした。
【0112】その後、スリーブW2内にマグネットロー
ラW3を挿入してから、図29(a)のように、そのマ
グネットローラW3の他端の軸部を内径寸法が5.01
〜5.04の範囲内にある焼結含油軸受け150によっ
て軸支した。マグネットローラW3の他端の軸部は、外
径5mm、軸受け150との寸法公差がf8である。ま
た、マグネットローラW3の一端側の軸部も同様に軸支
される。スリーブW2において、フランジW1と結合す
るインロー部は、内径19.003、長さ2.5mmで
あり、図24(c)のようにスリーブW2の両端の位置
A、Bを保持して回転させたときのa点のフレ、つまり
インローフレが6μm、端面の直角度が3μmであっ
た。
【0113】そして、このようなスリーブW2を前述し
た第2実施例の製造装置にセットし、そのスリーブW2
の他端にフランジW1を焼きばめした。そのフランジW
1は、結合部131の外径が19.017mm、その長
さが2.5mm、内径が6±0.2mmである。スリー
ブW2の他端部は加熱装置4によって76μm拡径させ
た。
【0114】このようにしてスリーブW2にフランジW
1を焼きばめした現像スリーブに対して、図24(a)
のように、スリーブW2の両端の位置A、Bを保持して
回転させたときのフランジW1のa位置のフレを測定し
た。そのフレは9μmであった。また、フランジW1を
スリーブW2から強制的に引き抜くには15Kg以上の
力を要した。
【0115】そして、このようにして完成した現像スリ
ーブを前述した第1実施例と同様に使用した結果、良好
な画像が得られた。
【0116】なお、軸受け150としては、焼結含油軸
受けの他、ポリアセタール樹脂製、耐熱製のあるエンプ
ラ等のものを採用することができ、何ら限定されない。
【0117】(実施例5)本実施例の現像スリーブは、
前述した第4実施例と同様に、一端にフランジが結合さ
れたスリーブの他端に対して、前述した第2実施例の製
造装置によってフランジを焼きばめすることにより製造
した。
【0118】スリーブW2は、外径20mm、内径1
8.8mm、長さ330mmのアルミニウム合金製押出
引き抜き円筒管であり、その一端に結合されたフランジ
内には、内径寸法が5.01〜5.04の範囲内にある
焼結含油軸受けが固定され、その軸受けによってマグネ
ットローラW3の一端側の軸部が軸支されるようになっ
ている。スリーブW2の他端の内部には、図29(b)
に示すようにインロー加工し、その内径を18.903
mm、長さを5mm、インローフレを6μm、端面直角
度を4μmとした。そして、このように一端部にフラン
ジが結合されたスリーブW2に対して、前述した第2実
施例と同様に、塗工液をコーティングした。
【0119】その後、スリーブW2内にマグネットロー
ラW3を挿入してから、図29(b)のように、そのマ
グネットローラW3の他端の軸部を内径寸法が5.01
〜5.04の範囲内にある焼結含油軸受け151によっ
て軸支した。マグネットローラW3の他端の軸部は、外
径5mm、軸受け150との寸法公差がf8である。ま
た、マグネットローラW3の一端側の軸部も同様に軸支
される。
【0120】そして、このようなスリーブW2を前述し
た第2実施例の製造装置にセットし、そのスリーブW2
の他端にフランジW1を焼きばめした。そのフランジW
1は、結合部131の外径が18.915mm、その長
さが3.5mmであり、その内部に、内径が5.01〜
5.04mmの範囲内にある焼結含油軸受け152が固
定されている。スリーブW2の他端部は、前述した第4
実施例と同様に加熱装置4によって76μm拡径させ
た。
【0121】このようにしてスリーブW2にフランジW
1を焼きばめした現像スリーブに対して、図24(a)
のように、スリーブW2の両端の位置A、Bを保持して
回転させたときのフランジW1のa位置のふれを測定し
た。そのふれは9μmであった。また、フランジW1を
スリーブW2から強制的に引き抜くには20Kg以上の
力を要した。
【0122】そして、このようにして完成した現像スリ
ーブを前述した第1実施例と同様に使用した結果、良好
な画像が得られた。
【0123】(第6、第7、第8実施例)図46に、現
像スリーブとしての第6、第7、および第8実施例につ
いてデータを示す。これらの実施例は、前述した第3実
施例において、結合しめしろ等の寸法を変更して作製し
たものである。また、比較例1〜5も作製して評価し
た。
【0124】なお、比較例6、7、8として、次のよう
な現像スリーブも作製して評価してみた。
【0125】比較例6は、前述した第3実施例の現像ス
リーブの作製に際し、マグネットローラW3を磁性体1
14によって位置決めすることなく、フランジW1を焼
きばめした。この結果、フランジW1が斜めに挿入、結
合され、フランジW1のふれは40μmとなって、形成
した画像にピッチムラが生じ、実用上問題があった。
【0126】比較例7は、前述した第4実施例の現像ス
リーブの作製に際し、マグネットローラW3を固定する
ことなく、フランジW1を焼きばめした。この結果、フ
ランジW1が斜めに挿入され、途中までしか入らなかっ
た。フランジW1の引き抜きに要する力も5kg以下で
あった。
【0127】(第9実施例)外径20.0mm、内径1
8.8mm、長さ321.4mmのSUS304のスリ
ーブW2の一端に、内径が5.01mm〜5.04mm
の範囲にある焼結含油軸受けを備えたフランジを取り付
けておいてから、そのスリーブW2の他端に、図29
(a)のように2段のインロー加工を行った。その後、
前述した第1実施例と同様に塗工液をコートした。次
に、スリーブW2内にマグネットローラW3を挿入して
から、それを焼結含油軸受けで保持した。その軸受け
は、外径5mm、スリーブW2の他端内部との寸法公差
はf8、内径は5.01mm〜5.04mmの範囲にあ
る。フランジW1が結合するスリーブW2の他端のイン
ロー部は、内径19.003mm、長さ2.5mm、イ
ンローフレ7μm、端面直角度4μmであった。
【0128】そして、スリーブW2の他端を加熱して、
76μm拡径し、先述した第1実施例と同様にして、ス
リーブW1を挿入して結合した。スリーブW1は、結合
部の外径19.016mm、結合長さ2.3mm、内径
6±0.2mmである。
【0129】フランジW1とスリーブW2とを結合した
後、フランジW1のふれを測定した結果、11μmであ
り、またフランジW1を強制的に引き抜くには15kg
以上の引き抜き力を要した。また、このようにして製造
した現像スリーブを前述した第1実施例と同様に使用し
た結果、ピッチムラ等の問題もなく良好な画像が得られ
た。
【0130】(第10実施例)前述した第5実施例のス
リーブW2をアルミニウム製からSUS304製に変更
して、同第5実施例と同様に現像スリーブを作製した。
その結果、フランジW1のふれは10μm、引き抜き力
は20kgであった。
【0131】[現像スリーブの構成例]図30から図34
のそれぞれは、現像スリーブの異なる構成例を示す。こ
れらの図において160は、マグネットローラW3を軸
支するための焼結含油軸受けである。
【0132】図30のものは、現像スリーブの駆動側
(左方のフランジW1側)にのみ軸受け160が備えら
れている。なお、図中右方の非駆動側のフランジW1と
してはプラスチック製のものを採用し、また図中左方の
駆動側のフランジW1としてはアルミニウム製のものを
採用することができる。図31(a)のものは、両端に
軸受け160が備えられている。なお、同図中左側の軸
受け160は、図31(b)のように2段にインロー形
成されたスリーブW2の内部に取り付けてもよい。図3
2のものは、現像スリーブの非駆動軸側(右方のフラン
ジW1側)に2つの軸受け160を備えた構成となって
いる。図33(a)のものは、図31のものにおける左
方フランジW1をスリーブW2内にはめ合わせた構成と
なっており、また同図(b)のものは、2段にインロー
成形されたスリーブW2の左側内部に軸受け160を取
り付けた構成となっている。図34のものは、左側のフ
ランジW1の内部に軸受け160を取り付けた構成とな
っている。
【0133】これら図31から図34の現像スリーブ
は、いずれも前述した第1、第2実施例の製造装置を用
いて製造することができる。
【0134】[感光ドラムの製造方法の具体例]外径2
8.5mm、内径27.1mm、長さ260.5mmの
アルミニウム合金の押し出し、引き抜き品としての円筒
管を感光ドラムの円筒部材(以下、「スリーブ」とい
う)とし、この一端内部に、内径26.900mm、長
さ7mmの切削加工を行った。このときのインローフレ
は8μm、端面直角度は3μmであった。
【0135】次に、セガインのアンモニア水溶液(セガ
イン11.2g、28%アンモニア水1g、水222m
l)を浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、塗工量
1.0g/cm2の下引層を形成した。
【0136】次に、アルミニウムクロライドフタロシア
ニン1重量部、ブリラール樹脂(商品名;エスレックB
M−2;積水化学(株)製)1重量部とイソプロピルア
ルコール30重量部をボールミル分散機で4時間分散し
た。この分散液を、先に形成した下引層の上に浸漬コー
ティング法で塗工し、乾燥して電荷発生層を形成した。
このときの膜厚は0.3μmであった。
【0137】また、1重量部のヒドラゾン化合物、ポリ
スルフォン樹脂(商品名;P1700;ユニオンカーバ
イト社製)1重量部とモノクロルベンゼン6重量部を混
合し、攪拌機で攪拌溶解した。この液を電荷発生層の上
に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して膜厚2μmの
電荷輸送層を形成して、感光ドラムのスリーブW2を作
製した。
【0138】そして、このスリーブW2の一端部に対
し、前述した第1実施例の製造装置によってフランジW
1を結合した。フランジW1は、結合部の直径が26.
913mm、結合長さが2.0mmであり、スリーブW
2の一端から3mmの範囲を加熱装置4によって加熱し
て108μm拡径し、フランジW1の挿入、結合を行っ
た。
【0139】そして、前述した図24と同様にして、フ
ランジW1のふれを測定した結果、10μmであった。
また、フランジW1の引き抜きに要する引き抜き力は1
5kg以上であった。その後、スリーブW2の他端側に
フランジを圧入して感光ドラムを完成した。
【0140】このようにして制作した感光ドラムをキャ
ノン(株)製のレーザービームプリンタのプロセスカー
トリッジに装着して、画像形成を行った。この結果、ド
ラムのピッチムラ、カブリ等の問題もなく良好な画像が
得られた。
【0141】なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範
囲で、上記実施例を修正または変更したものに適用可能
である。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現像スリーブ及び感光ドラム等の円筒体の製法におい
て、焼きばめ結合前に、円筒部材端部近辺の表面に形成
された樹脂層の温度を測定し、その温度から得られる円
筒部材端部の予測温度と、結合部位の加熱すべき所望の
温度との差分だけ加熱する方法をとるため、結合工程に
投入される円筒部材に温度ばらつきがあった場合でも、
そのまま加熱工程に移行することができる。そのため、
乾燥工程(150℃〜170℃,20〜30分)を経た
円筒部材を一度常温に戻す工程をなくすことができ、生
産性を向上させることが出来る。
【0143】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像スリーブの製造装置の第1実
施例を示す側面図である。
【図2】図1に示す製造装置の正面図である。
【図3】図1に示す製造装置の平面図である。
【図4】図1に示すロボットハンドの概略構成図であ
る。
【図5】図1に示すロボットハンドの断面図である。
【図6】図5に示すロボットハンドの先端部分の拡大断
面図である。
【図7】図4に示すクッションユニットの概略構成図で
ある。
【図8】図1に示す高周波加熱装置の拡大図である。
【図9】図1に示すターンテーブルの断面図である。
【図10】図1に示すターンテーブルの側面図である。
【図11】図1に示す製造装置の制御系のブロック構成
図である。
【図12】図1の製造装置によって結合されるフランジ
とスリーブの側面図である。
【図13】図12に示すスリーブの断面形状の説明図で
ある。
【図14】図1に示す製造装置のロボットハンドの動作
を説明するためのフローチャートである。
【図15】図1に示す製造装置のターンテーブルの動作
を説明するためのフローチャートである。
【図16】図1の製造装置によって結合されるスリーブ
とフランジの断面図である。
【図17】図1の製造装置によるスリーブの加熱時間と
温度との関係を説明するための図である。
【図18】図1の製造装置によって加熱されるスリーブ
の温度と膨張量との関係を説明するための図である。
【図19】図1の製造装置によるスリーブとフランジの
結合動作を説明するための要部の拡大図である。
【図20】図1の製造装置によって製造可能な現像スリ
ーブの断面図である。
【図21】本発明に係る現像スリーブの製造装置の第2
実施例による加熱動作状態を説明するための要部の断面
図である。
【図22】本発明に係る現像スリーブの製造装置の第2
実施例におけるロボットハンドの断面図である。
【図23】図22の製造装置によるスリーブとフランジ
の結合動作を説明するための要部の拡大図である。
【図24】現像スリーブにおける測定位置の説明図であ
る。
【図25】現像スリーブに対するブラスト処理動作を説
明するための側面図である。
【図26】現像スリーブに対する塗装処理動作を説明す
るための側面図である。
【図27】本発明に係る現像スリーブの製造方法を説明
するための図である。
【図28】本発明に係る現像スリーブの製造方法の他の
例を説明するための要部の断面図である。
【図29】本発明に係る現像スリーブの製造方法のさら
に異なる他の例を説明するための要部の断面図である。
【図30】本発明に係る現像スリーブの他の構成例を説
明するための断面図である。
【図31】本発明に係る現像スリーブのさらに他の構成
例を説明するための断面図である。
【図32】本発明に係る現像スリーブのさらに他の構成
例を説明するための断面図である。
【図33】本発明に係る現像スリーブのさらに他の構成
例を説明するための断面図である。
【図34】本発明に係る現像スリーブのさらに他の構成
例を説明するための断面図である。
【図35】画像形成装置の要部の概略構成図である。
【図36】図35に示す画像形成装置のブロック構成図
である。
【図37】図35に示す画像スリーブと感光ドラムの斜
視図である。
【図38】図35に示す画像スリーブの端部の断面図で
ある。
【図39】図35に示す画像スリーブの駆動機構の側面
図である。
【図40】図35に示す画像スリーブの駆動機構の要部
の断面図である。
【図41】図35に示す画像スリーブと感光ドラムとの
位置関係を説明するための側面図である。
【図42】本発明に係る現像スリーブの製造装置の第3
実施例の構成を示すブロック図である。
【図43】スリーブコートの温度測定値と温度計アンプ
の出力との関係を示す図である。
【図44】温度計アンプの出力とパソコン電圧出力との
関係を示す図である。
【図45】スリーブ温度と時間の関係を示す図である。
【図46】第6乃至第9実施例と比較例の測定結果を示
した図である。
【符号の説明】
W1 フランジ部材 W2 円筒部材 W3 マグネットローラ 1A ロボットハンド 4 高周波加熱装置 9 クッションユニット 10 コンプライアンス(調芯手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒部材の端部内側にフランジ部材の結
    合部が嵌合された円筒体を製造する円筒体の製造方法に
    おいて、 前記円筒部材の端部内側と前記フランジ部材の結合部を
    しまりばめの関係となる大きさに加工する加工工程と、 前記円筒部材の端部を所定の温度に加熱して拡径させ、
    該円筒部材の端部内側と前記フランジ部材の結合部とを
    すきまばめの関係とする拡径工程と、 前記円筒部材の端部の冷却中に、該円筒部材の端部内側
    に前記フランジ部材の結合部を嵌入させる嵌入工程とを
    具備し、 前記拡径工程において、前記円筒部材の温度を測定し、
    測定位置の温度から得られる前記円筒部材の端部の予測
    温度と所望の温度との差分だけ前記円筒部材の端部を加
    熱し、拡径することを特徴とする円筒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記円筒部材は、表面に樹脂層が形成さ
    れており、前記円筒部材の温度の測定は、前記表面の樹
    脂層で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の円
    筒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記円筒部材の温度を測定する測定位置
    は、前記円筒部材の端部近辺で、該円筒部材の表面に形
    成された樹脂層上であることを特徴とする請求項2に記
    載の円筒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 円筒部材の端部内側にフランジ部材の結
    合部を嵌合した円筒体を製造する円筒体の製造装置にお
    いて、 前記フランジ部材の結合部に対してしまりばめの関係と
    なる大きさに加工されている前記円筒部材の端部を所定
    の温度に加熱して、該円筒部材の端部を前記フランジ部
    材の結合部に対してすきまばめの関係となるように拡径
    させるための加熱手段と、 前記円筒部材の端部の冷却中に、該円筒部材の端部内側
    に前記フランジ部材の結合部を嵌入させる嵌入手段と、 前記円筒部材の表面に形成された樹脂層の温度を測定す
    る温度測定手段と、 該温度測定手段が測定した前記樹脂層の温度から得られ
    る前記円筒部材の端部の予測温度と所望の温度との差分
    だけ、前記円筒部材の端部を加熱する様に前記加熱手段
    の加熱動作を制御する制御手段とを具備することを特徴
    とする円筒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱手段は高周波誘導加熱装置であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の円筒体の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 前記温度測定手段は、放射温度計である
    ことを特徴とする請求項4に記載の円筒体の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記円筒部材は、画像形成装置に用いら
    れる現象スリーブであることを特徴とする請求項4に記
    載の円筒体の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記円筒部材は、画像形成装置に用いら
    れる感光ドラムであることを特徴とする請求項4に記載
    の円筒体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104061308A (zh) * 2014-06-19 2014-09-24 济南大学 一种新型顶杆装置

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