JP3840178B2 - 電子写真感光体の支持体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体の支持体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体の支持体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用した複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、印刷機などの画像形成装置、いわゆる電子写真装置においては、一般に、帯電手段による帯電、露光手段による露光によって電子写真感光体上に静電潜像を形成し、さらにこの静電潜像を現像手段により現像して静電潜像を可視画像化する。電子写真感光体としては、ドラム形状のもの(感光ドラムとも呼ばれる)が一般的に用いられている。
【0003】
この場合、電子写真感光体用の支持体に用いられる素管は、所定の表面粗さで、かつ、真直度、真円度、円筒度、偏肉など所定の精度に仕上げられる必要がある。例えば、感光ドラムが、所定の真直度、真円度、円筒度、偏肉度を満たしていない場合は、静電潜像の現像時に感光ドラムと現像スリーブの距離が一定せず、画像ムラが生じる。
【0004】
また、支持体上に感光層などの層を形成する工程の効率化のため、また、製造コストの抑制のために、素管を所定の精度に仕上げて支持体とし、その支持体の上に感光層などの層を形成した後、電子写真感光体を回転させるためのギアやフランジを支持体端部に装着することが一般的に行われている。
【0005】
このとき、支持体の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とが一致していないと、電子写真感光体の回転軸と、ギアおよびフランジの中心軸とが一致しなくなってしまう。この状態だと、電子写真感光体は偏心して回転することになり、外周面の周速が一定せず、出力された画像に微妙な歪みを生じさせることになる。
【0006】
特に、フルカラー電子写真装置では、各色の画像を重ね合わせる必要があり、色ズレ、色ムラ、モワレを防止するためには、電子写真感光体に対して、極めて高い精度が要求される。そして、支持体に対しては、真直度、真円度、偏肉などにおいて極めて高い精度が要求される。
【0007】
一般的に、電子写真感光体用支持体の素材としては、アルミニウム、アルミニウム合金などの材料でできた素管が用いられる。その他にも、銅、鉄、ニッケル、チタンなどの金属およびこれらの合金や、プラスチック、セラミック、ガラスなどに導電性処理をしたものなどが挙げられる。
【0008】
このような材料でできた素管から支持体を製造する方法としては、
(1)押し出し、引き抜きおよび曲がりの矯正などを行って素管を製造し、これを所望の長さに切断し、両端部の内周面を切削することによって支持体を製造する方法(特開平6−264920号公報)
(2)押し出し、引き抜きによって素管を製造し、これを所望の長さに切断し、両端部の内周面を切削し、外周面を切削することによって仕上げることによって支持体を製造する方法(特開平2−110570号公報)
などが知られている。
【0009】
しかしながら、上記(1)の支持体の製造方法は、曲がり矯正などの工程に高精度の制御を必要とするため、支持体の製造コストが高いという問題がある。
【0010】
また、上記(2)の支持体の製造方法は、素管の偏肉や真直度の不足、または、両端部のギアやフランジを嵌合するための内径の精度が不足するために、切削加工において素管を高速度で回転させると振動が発生しやすい。したがって、素管の回転速度は3000rpm以下程度に限定せざるを得ず、切削工程の高速化が困難であり、加えて、素管を切削機械に着脱するときはモーターの回転を停止しなければならず、各素管の加工サイクルごとに、モーターの立ち上がり時間を必要とするため、待機時間が長くなる。その結果、全体の加工サイクルタイムが長くなり、製造コストが上昇する。
【0011】
また、所定の軸をもって保持された素管の外周面を、軸周りで回転する切削部材によって切削する工程を有し、素管の内周面の一部分は所定の内径に加工されており、該内周面に係合する保持手段によって保持される切削方法が知られている(特開平6−328303号公報)。
【0012】
この切削方法は、素管を所定の軸をもって保持し、その周りを回転する切削部材によって素管の外周面を切削するため、素管自体を回転させる必要がなく、切削速度を高くしても、素管を回転させる旋盤のように素管の偏肉や真直度の不足のために振動を発生するおそれがない。したがって、切削工程の高速化が容易である。また、切削部材を回転させたままで素管を交換できるため、待機時間も短くてすみ、全体の加工サイクルタイムを短縮できる。その結果、製造コストを大幅に低減できる。
【0013】
この方法の素管内周面に係合する保持手段の第1の例としては、押し出し、引き抜きによって製造された素管を所望の長さに切断して、素管両端部の直角度を出すために両端部を切削し、さらに、素管の両端部内側に円筒状の治具(保持部材)を押し込み、治具のクランプ面を軸方向に押圧することによって素管の両端を押さえて素管を保持する保持手段が挙げられる(特開平2−110570号公報)。
【0014】
しかしながら、このようにして保持した素管の外周面を切削する場合、素管内周面の真円度・寸法制度が高くないとガタが生じてしまうので、高精度のものが得られない。
【0015】
第2の例としては、切削によって素材両端部に内径拡大部を設けて、コレットチャックのように保持部材を素管内部に挿入して保持部材の円周を拡大して素管を保持する保持手段が挙げられる(特開平2−110570号公報)。
【0016】
このようにして保持した素管の外周面を切削すれば、高い形状精度(表面精度、真円度および真直度)のものが得られるが、内径拡大部の形成には高いコストがかかり、また、素管の内周面には段差ができるため、感光層などの層を塗工する際に支持体内周面に付着した余剰の塗料をブレードなどで剥離する場合に、その剥離ブレードが傷んだり、塗料を剥離しきれずにアースをつけたときの不良になったりする。
【0017】
第3の例としては、切削によって素管両端部内周面をテーパー面に仕上げて、そのテーパー面に係合する形状を有する保持部材で軸方向に押圧することによって素管を保持する保持手段が挙げられる(特開平9−66401号公報)。
【0018】
この保持手段を採用すれば、テーパー面のみを高精度で加工すればすむため、支持体の製作費も安価になる。
【0019】
また、コレットチャックのように、素管を径方向の押圧力によって保持する手段のように、組み付け誤差などを厳密に管理する必要もないため、設備費を大幅に削減できる。これによって、支持体の製造コストを、より一層低減できる。
【0020】
つまり、この方法は、コストが安く、高い形状精度(表面精度、真円度、および真直度)の円筒面に仕上げることが可能である。
【0021】
また、感光層などの層を塗工する際に、剥離ブレードを傷めたり、塗料が残ってアースをつけたときの不良になったりするという問題がないという利点もある。
【0022】
【特許文献1】
特開平6−264920号公報
【特許文献2】
特開平2−110570号公報
【特許文献3】
特開平6−328303号公報
【特許文献4】
特開平9−66401号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第3の例として示した技術を採用した場合は、素管両端部にテーパー面を設けるときに、外周面をクランプせざるをえない。
【0024】
素管の外周面をクランプしてテーパー部を加工すると、テーパー面を延長してできる円錐の中心(テーパー面の中心軸)は、素管の外周面基準の中心(外周面基準中心軸)となる。保持部材を両端から押さえつけることで素管を保持し、切削部材を回転させながら素管外周面を削ると、外周面基準中心軸をもつ支持体が作製される。
【0025】
しかしながら、ギアやフランジは支持体の内周面基準中心軸に装着され、支持体は該内周面基準中心軸で回転することになるため、もし、支持体に大きな偏肉があって、外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とが大きくずれている場合、支持体の外周面の周速が一定にならず、良好な画像を得ることができない。特に、各色の色重ねを行っているフルカラー電子写真装置では、色ズレが発生してしまう。
【0026】
本発明の目的は、上記技術課題を解決し、良好な画像が得られ、特にフルカラー電子写真装置に用いても色ズレが発生しない電子写真感光体用の支持体の製造方法、該製造方法で製造した支持体を用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、外周面基準中心軸と内周面基準中心軸との最大距離が50μm以下になるように支持体を製造することで、上記技術課題が実質的に発生しないことを見いだし、本発明に至った。
【0028】
すなわち、本発明は、素管の軸周りに旋廻する削り部材によって該素管の外周面を削って電子写真感光体の支持体を製造する支持体の製造方法において、
該素管の両端部内面に端部加工面を形成する端部加工面形成工程と、
該削り部材によって外周面を削る前の素管の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とを測定して、該素管の中心軸データを得る中心軸測定工程と、
該端部加工面形成工程により形成された素管の両端部の端部加工面に、該端部加工面に係合する形状を有する保持部材を嵌合して、該素管を保持する素管保持工程と、
該中心軸測定工程により得られた中心軸データに基づいて、該外周面基準中心軸と該内周面基準中心軸との最大距離が50μm以下になるように、該削り部材と該素管保持工程により保持された素管とを相対的に移動させて、該削り部材によって該素管保持工程により保持された素管の外周面を削る削り工程と
を有し、
該端部加工面形成工程により設けられた端部加工面の中心軸は、該素管の外周面基準中心軸と略同一であり、
該素管保持工程により該素管に嵌合された保持部材の中心軸も該素管の外周面基準中心軸と略同一である
ことを特徴とする支持体の製造方法である。
【0029】
また、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該支持体が上記製造方法により製造された支持体であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0030】
また、本発明は、電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段および
クリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に指示し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が上記電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0031】
また、本発明は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が上記電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置である。
【0032】
ここでいう「略同一」とは、実質的に同一であるということであり、具体的には、最大距離が50μm以下であるということである。
【0033】
上記削り部材を用いた削り工程としては、切削部材や研削部材などを用いた工程が挙げられるが、加工後の支持体表面の表面粗さが小さく良好であり、さらに削り工程中に削り部材の一部がかけて小破片が生じて、その小破片が加工中に削り部材と支持体の間に巻き込まれて支持体にキズをつけるようなことが少ないという点で、切削部材を用いた切削工程が好ましい。
【0034】
上記端部加工面としては、テーパー面以外にも、単に直角に端面を仕上げたもの、内径拡大部を設けたものなどが挙げられるが、単に直角に端面を仕上げるものでは、素管内周面の真円度・寸法制度が高くないとガタが生じてしまうので、高精度のものが得られにくい。また、内径拡大部を設けたものでは、内径拡大部の形成には高いコストがかかり、また、素管の内周面には段差ができるため、感光層などの層を塗工する際に支持体内周面に付着した余剰の塗料をブレードなどで剥離する場合に、その剥離ブレードが傷んだり、塗料を剥離しきれずにアースをつけたときの不良になったりする場合がある。したがって、端部加工面としては、テーパー面が好ましい。
【0035】
また、上記素管の保持の方法としては、上記素管の両端部の端部加工面に上記保持部材を嵌合して素管の両端部から圧力をかけて素管を保持する方法が好ましい。素管を径方向の押圧力によって保持する手段のように、組み付け誤差などを厳密に管理する必要もないため、設備費を大幅に削減できる。これによって、支持体の製造コストを、より一層低減できる。つまり、この方法は、コストが安く、高い形状精度(表面精度、真円度、および真直度)の円筒面に仕上げることが可能である。
【0036】
また、上記端部加工面形成工程は、端部加工面形成工程中に支持体を変形させてしまう場合があるので、上記中心軸測定工程よりも前の工程であることが好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1および2は、支持体の製造方法の実施形態の一例を説明する図である。図2はフローチャートである。ただし、本発明はこの一例に限定されるわけではない。
【0039】
図1(a)には、公知の押し出しや引き抜きなどによって製造された管材を所定の長さに切断して得られる素管101を示す(図2の201)。コストを重視し、素管の精度は高くなくてもよい。
【0040】
図1(b)には、図1(a)に示した素管101の両端部内面に端部加工面(テーパー面)102を形成したものを示す(図2の202)。端部加工面(テーパー面)102の中心軸は、素管101の外周面基準中心軸と略同一である。
【0041】
図1(b)に示した素管101の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とを測定する(図2の203)。
【0042】
図1(c)には、図1(b)に示した素管101の両端部の端部加工面(テーパー面)102に、該端部加工面(テーパー面)102に係合する形状を有する保持部材103を嵌合して、素管101を保持したものを示す(図2の204)。保持部材103の中心軸も素管101の外周面基準中心軸と略同一である。
【0043】
図1(d)には、図1(c)に示した素管101の外周面を、切削部材(不図示)により切削したものを示す。104は切削によって削り落とされた部分である。切削する際、上記外周面基準中心軸と上記内周面基準中心軸との最大距離が50μm以下になるように、素管101と切削部材とを相対的に移動させる(図2の205)。このようにして、電子写真感光体の支持体101’が製造される。
【0044】
上記支持体101’上に感光層などの層を塗工などで形成する(図2の206)。
【0045】
図1(d)には、感光層などの層(不図示)を形成後に、ギア105、フランジ106などの駆動部に繋がる部材を支持体101’の内周面に挿入したものを示す(図2の207)。
【0046】
図3は、素管の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とを測定する装置の一例を説明する図である。ただし、本発明はこの一例に限定されるわけではない。
【0047】
定盤301上にスライダーテーブル303およびスライダー支持体302からなるスライダー機構が設けられている。スライダー機構上にはポスト304があり、ポスト304に、外周面基準中心軸測定手段305および内周面基準中心軸測定手段306が取り付けられている。外周面基準中心軸測定手段305および内周面基準中心軸測定手段306としては、それぞれ、静電容量を利用したもの、渦電流を利用したもの、レーザーなど光学手段を利用したものなどが挙げられる。
【0048】
定盤301上には測定対象の素管101の長さにあわせてコロ307が配置されており、コロ307はコロ用軸308によって精度良く固定されている。コロ307上に測定対象の素管101が載せられ、素管101はローラー用駆動部310に接続されたローラー309によって回転される。
【0049】
測定方法は次のとおりである。
【0050】
すなわち、コロ307上に測定対象の素管101を載せ、外周面基準中心軸測定手段305および内周面基準中心軸測定手段306を素管101の端部に配置する。素管101をローラー309によって回転させながら、素管101の外周面および内周面の変位を測定して、外周面基準中心軸および内周面基準中心軸、そしてそれらの変位の方向を導き出す。
【0051】
図4は、素管の外周面を切削する装置の一例を説明する図である。ただし、本発明はこの一例に限定されるわけではない。
【0052】
床面などに固定された定盤(ベッド)401には門形コラム402が固定されており、門形コラム402には軸受け403が保持されており、軸受け403には中空軸と一体である環状の切削工具保持具(バイトホルダー)404が回転自在に支持されており、切削工具保持具404には切削工具(バイト)405が保持されている。
【0053】
定盤401と一体であるスライダー機構テーブル支持体406上に支持されたスライダー機構テーブル407は、素管101の中心軸のズレを修正するための、素管101の長手方向と直交する方向に平行移動が可能なスライド機構を備える。また、スライダー機構テーブル408は、切削の際に素管101を切削方向に送るための、素管101の長手方向と同方向の平行移動が可能なスライド機構を備える。
【0054】
スライダー機構テーブル408上のスライダー支持体409およびスライダー410を介して支持されたポスト411と、スライダー機構テーブル408上に支持されたポスト412とには、素管101の端部加工面(テーパー面)に係合する形状を有する保持部材103が取り付けてある。
【0055】
スライダー410は、切削の際、素管101を保持(固定)するために、保持部材103を介して素管101の両端部から圧力をかけるためのものである。そして、スライダー410は、スライダー支持体409によって摺動自在に支持されており、エアーシリンダーなどの定圧駆動機構を内蔵するスライダー駆動装置(不図示)によって、スライダー支持体409の両端間を往復移動可能である。この機構によって、図4上左側の保持部材103を図4上右側の保持部材103へ近づけたり、または、遠ざけたりすることができる。
【0056】
図5は、切削工具周りの構成の一例を説明する図である。ただし、本発明はこの一例に限定されるわけではない。
【0057】
切削刃物501とそれを固定するバイトシャンク502とを有する切削工具(バイト)405は、切削工具保持具(バイトホルダー)404に固定されており、回転軸を横切る直径上に配設されている。例えば、図5上上側の切削刃物501を荒削り用として、同下側の切削刃物501を仕上げ用とすることもできる。
【0058】
また、ビス503を緩めれば、切削工具405を案内溝504に沿わせながら回転軸に向かう方向に前進および後退させて、切り込み深さを調節することができる。
【0059】
図5に示すとおり、切削工具保持具404は中空になっており、そこに素管101を貫通させて切削する。
【0060】
保持部材103の材質としては、高硬度の鉄などの金属やそれら合金などが挙げられる。
【0061】
保持部材103は、素管101の端部加工面102に係合する形状を有している。端部加工面として図1〜4で例示したのはテーパー面である。素管101の端部加工面102がテーパー面の場合、保持部材103における端部加工面102に係合する形状もテーパー面が好ましく(図1、3、4ではテーパー面を例示)、その面は素管101をクランプ(固定)するクランプ面となる。
【0062】
次に、切削の手順の一例を、図1〜5および図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
図1で示したとおり、図1上右側からは、図1上右側テーパー面102と素管101の図1上右側端部のテーパー面でない面とが交差する周方向の円形稜線部に、図1上右側保持部材103のクランプ面が当接する。つまり、テーパー面102に保持部材103が嵌合する。図1上左側も同様である(図6の601)。
【0064】
次に、スライダー410を駆動して、図1上左側の保持部材103を同右側の保持部材103に向かって前進させることで、図1上左側の保持部材103から素管101の図1上左側テーパー面102に圧力がかかる。図1上右側の保持部材103は固定されているため、素管101の両端部には、図1上左側および右側双方の保持部材103から圧力がかかり、その押圧力で素管101は保持される(図6の602)。
【0065】
保持後、図2に例示した装置で測定された素管の外周面基準中心軸および内周面基準中心軸のデータ(中心軸データ)にしたがって、切削後素管の偏肉が減少する方向に素管を固定する(図6の603)。
【0066】
次いで、スライダー機構テーブル407を素管101の長手方向と直交する方向に平行移動して、切削工具405の旋廻中心軸と素管101の内周面基準中心軸との調整を行う。この調整は、切削後の完成する支持体101’の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とを略同一にするための調整である(図6の604)。
【0067】
調整後、スライダー機構テーブル408を素管101の長手方向と同方向に平行移動させながら、素管101の外周面を切削工具405に取り付けた切削刃物501により連続的に切削して、支持体101’を作製する(図6の605)。
【0068】
切削完了後、スライダー機構テーブル408の移動を停止させ、支持体101’(素管101)に対する保持を解除し、支持体101’は機外に搬出される(図6の606)。
【0069】
搬出後、次の素管を保持し、次の切削を行って、次の支持体を作製する。
【0070】
切削完了から次の素管の保持・切削開始までの間も、切削工具405の旋廻が中断することはない。
【0071】
本発明に用いられる素管(支持体)は、導電性を有していればよく、材質としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタンなどの金属およびこれらの合金や、プラスチック、セラミック、ガラスなどに導電性処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、アルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金としては、たとえば、JIS3000系、JIS6000系などのアルミニウム合金が挙げられる。
【0072】
素管を製造する方法は、精度やコストなどが考慮されて決定されるが、例えば、押し出し、引き抜きなどによって製造されたアルミニウム合金などの管材を所定の長さに切断したり、さらに切断されたものの端面などを加工(切削加工など)したりして製造する方法が挙げられる。
【0073】
また、露光手段の露光光(画像露光光)としてレーザービームを用いる電子写真装置(デジタル方式の電子写真装置)用の電子写真感光体に用いる支持体の場合、支持体表面でレーザービームが反射することによって生じる干渉縞を防止するために、製造された支持体表面を粗面化処理してもよい。
【0074】
支持体の表面粗さは、Rzで0.6μm以上であることが好ましい。
【0075】
粗面化処理の方法としては、本発明の製造方法で得られた良好な支持体を活かす方法が好ましく、例えば、ホーニング処理や陽極酸化処理が好ましい。
【0076】
ホーニング処理には、湿式(液体)ホーニング処理および乾式ホーニング処理があるがどちらを用いてもよい。
【0077】
湿式ホーニング処理は、水などの液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、それを高速度で支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重、懸濁温度などにより制御することができる。
【0078】
乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアにより高速度で支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。
【0079】
湿式ホーニング処理および乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ、プラスティックショットなどの粒子があげられる。
【0080】
本発明の製造方法により製造された支持体を用いて電子写真感光体を作製する場合、支持体上に形成される感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを単一の層に含有させた単層型感光層と、電荷発生物質を含有させた電荷発生層と電荷輸送物質を含有させた電荷輸送層とを積層した積層型感光層に大別される。積層型感光層の場合、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であっても、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。電子写真特性的には、積層型感光層が好ましく、その中でも順層型感光層がより好ましい。
【0081】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、ピリリウム染料、チアピリリウム染料、フタロシアニン顔料、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、アゾ顔料(トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料など)、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニンなどが挙げられる。特に、デジタル方式の電子写真装置用の電子写真感光体の場合、上記電荷発生物質の中でも、赤外レーザーや可視光レーザーへの対応において、それらの波長への感光依存性の広さから、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく、その中でもフタロシアニン顔料がより好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、より高感度という観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンがより一層好ましい。
【0082】
また、本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、各種ヒドラゾン類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物、トリアリルアミン化合物、ポリアリールアルカン類などの化合物が挙げられる。
【0083】
上記電荷発生物質、電荷輸送物質は、適当な結着樹脂と組み合わせて、支持体上に塗工して成膜を行うことで感光層とする。
【0084】
感光層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニールアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
【0085】
本発明の電子写真感光体は、感光層上に該感光層を保護することを目的として保護層を設けてもよい。保護層を構成する主な材料としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0086】
これらの樹脂中には、クリーニング性、耐摩耗性などの改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビリニデン、フッ素原子含有グラフトポリマー、ケイ素原子含有グラフトポリマー、シリコンオイルなどの潤滑剤を含有させてもよく、また、保護層の抵抗制御のために、酸化スズや導電性酸化チタンなどの粒子を含有させてもよい。
【0087】
本発明の電子写真感光体は、支持体と感光層の間に中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、支持体の保護、支持体からの電荷注入性改良、電子写真感光体の電気的破壊に対する保護などのための層である。中間層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチンなどが挙げられる。さらに干渉縞防止のためにフィラーを含有させてもよい。
【0088】
図7に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0089】
図7において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0090】
電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0091】
形成された静電潜像は、次いで、ローラー状の現像部材(現像ローラー)51および現像容器52を有する現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0092】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0093】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニングブレード91およびクリーニング容器92を有するクリーニング手段9によって、転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。
【0094】
なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0095】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。
【0096】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0097】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0098】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0099】
【実施例】
次に、本発明を実施例にしたがってより一層詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「質量部」を意味する。
【0100】
なお、偏肉、同心度(外周面基準中心軸および内周面基準中心軸)、真直度、コロ振れ(振れ精度)、円筒振れ、両端の直角度の測定は、以下のとおり行った。
【0101】
偏肉:素管端部より5mmまでの位置を測定し、両端部の平均値を偏肉の値とした。測定装置は、真円度計(商品名:ロンドコム、(株)東京精密製)である。
【0102】
同心度:素管端部より5mmまでの位置を測定し、両端部の平均値を同心度の値とした。同心度の値は、外周面基準中心軸と内周面基準中心軸との最大距離である。測定装置は、図3に示した構成を有する装置である。
【0103】
真直度:測定装置は、真円度計(商品名:ロンドコム、(株)東京精密製)である。
【0104】
コロ振れ:素管両端部よりそれぞれ素管端部より5mmまでの位置をベアリングで受け、中心部の振れをダイヤルゲージで測定した。
【0105】
円筒振れ:測定装置はキヤノン(株)製の装置である。基準となる標準円筒を設け、測定対象である素管を回転させながら該素管の変位(外周面の8点の変位)をレーザーで測定して、標準円筒からの狂いを計算した。
【0106】
直角度:素管端部より5mmまでの位置を測定し、両端部の平均値を直角度の値とした。測定装置は、真円度計(商品名:ロンドコム、(株)東京精密製)である。
【0107】
(実施例1)
JIS−A6063の外径46.7mm、内径44.5mm、長さ286mmのアルミニウム引き抜き素管(円筒状)を準備した。
【0108】
次に、偏肉、同心度(外周面基準中心軸および内周面基準中心軸)、真直度、コロ振れ(振れ精度)、円筒振れ、両端の直角度を測定した。値を表1に示す。
【0109】
次に、(株)エグロ製の両端加工機により、素管の両端部に、素管の外周面基準中心軸と同一の中心軸を有するテーパー面を設けた。テーパー面の角度(180[°]−素管端部におけるテーパー面とテーパー面でない面との角度[°])は45°である。
【0110】
次に、テーパー面形成後の素管の同心度(外周面基準中心軸および内周面基準中心軸)を測定した。値を表1に示す。
【0111】
次に、図4に示した構成を有する装置により、外周面を削った後の素管の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸との最大距離が50μm以下になるようにスライダー機構テーブル407を、素管101の中心軸のズレを修正するための、素管101の長手方向と直交する方向に20μm平行移動した。(以下、中心軸補正ともいう)、切削加工を行った。
【0112】
切削工具(バイト)の一方は、荒削り用切削工具(バイト)として、焼結ダイヤモンド製曲率半径1mm(R1と表記する。以下同じ。)のバイトを用い、もう一方は、仕上げ用切削工具(バイト)として、R8の焼結ダイヤモンド製バイトを用いた。
【0113】
素管の両端部から圧力をかけて該素管を保持するにあたり、その押圧力を4kgfとした。
【0114】
そして、切削部材の回転速度を10000rpm、切削部材1回転あたりの切削部材の送りピッチ(該素管長手方向と同方向への平行移動の速さ)を0.08mm/rev、切削刃物の素管への切り込み量を0.07mmとして、切削部材を素管長手方向と同方向へ平行移動させながら該素管の外周面を切削し、支持体を得た。
【0115】
素管は切削部材の切削力によりつれ回されることなく安定に保持され、高精度な切削が可能であった。そして、切削のタクトは、素管(支持体)の脱着込みで20秒であった。
【0116】
次に、切削後得られた支持体の偏肉、同心度(外周面基準中心軸および内周面基準中心軸)、真直度、コロ振れ(振れ精度)、円筒振れ、両端の直角度を測定した。値を表1に示す。
【0117】
また、得られた支持体の表面粗さのRmaxおよびRaを測定した。値を表1に示す。
【0118】
Rmax(最大高さ)の測定は、JISB0601(1994)に準じ、(株)小坂研究所製の表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmで行った。また、Rz(十点平均粗さ)は、JISB0601(1994)での設定における値を示す。
【0119】
次に、この支持体に対して、(株)不二精機製造所製の湿式ホーニング装置を用いて、下記条件にて湿式ホーニング処理を行った。
・湿式ホーニング処理条件
研磨剤(砥粒):平均粒径30μmの球状アルミナビーズ(商品名:CB−A30S、昭和電工(株)製)
懸濁媒体:水、
研磨剤/懸濁媒体=0.12/0.88(体積比)
アルミニウム支持体の回転数:1.67s−1
エア吹き付け圧力:0.17MPa
ガン移動速度:15mm/s
ガンノズルとアルミニウム支持体の距離:200mm
ホーニング砥粒吐出角度:45°
研磨液投射回数:1回(片道)
湿式ホーニング処理後の支持体の表面粗さのRmaxは2.4μm、Rzは1.7μm、Raは0.26μm、Smは35μmであった。
【0120】
次に、界面活性剤(バンライズD20S:常盤化学工業(株)製)の10%溶液を満たして温度を40℃に保った槽に、上記湿式ホーニング処理を施した支持体を浸漬し、5秒周期で30mmの範囲で揺動しながら3分間洗浄を行った。
【0121】
さらに、イオン交換水を満たした槽に上記湿式ホーニング処理を施した支持体を浸漬し1分間リンス洗浄を行い、その後、支持体を槽から引き上げて、支持体をイオン交換水でシャワー洗浄した。
【0122】
次に、洗浄後の支持体を75℃のイオン交換水を満たした槽に20秒浸漬し、その後、10mm/sの速度で槽から引き上げて、支持体の乾燥状況を確認したところ、水分は残留していなかった。
【0123】
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)9部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)12部を、メタノール300部およびn−ブタノール250部の混合溶媒中に溶解した塗料を、上記支持体上に浸漬塗布法で塗布し、85℃で12分間熱風乾燥させることによって、膜厚0.55μmの中間層を形成した。
【0124】
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン6.5部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)3部およびシクロヘキサノン50部からなる溶液を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで9時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を上記中間層上に浸漬塗布法で塗布し、90℃で12分間加熱乾燥することによって、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
【0125】
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物8部、
【外1】
Figure 0003840178
【0126】
下記式で示される構造を有するアミン化合物3.2部、
【外2】
Figure 0003840178
【0127】
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学社(株)製)10部をモノクロロベンゼン80部およびジメトキシメタン20部の混合溶媒に溶解した。この塗料を上記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、125℃で1時間乾燥することによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
【0128】
このようにして、電子写真感光体を作製した。
【0129】
<評価1>
作製した電子写真感光体を、キヤノン(株)製のカラーレーザーショットLBP−2040(フルカラーレーザービームプリンター)に装着して、画像出力を行い、出力画像の評価を行った。
◎:色ズレがない。
○:多少色ズレがある。
×:色ズレがある。
×は本発明の効果が得られていないと判断した。
【0130】
評価結果を表1に示す。
【0131】
(実施例2〜6)
実施例1において、支持体を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして支持体、そして、電子写真感光体を作製し、評価した。
【0132】
評価結果を表1に示す。
【0133】
(比較例1)
実施例1の支持体の作製において、中心軸補正を行わず、一般の旋盤での切削条件と同様にするために、単に切削部材の旋廻軸と保持部材の中心軸とが一致するようにした(実施例1では、スライダー機構テーブル407を、素管101の中心軸のズレを修正するための、素管101の長手方向と直交する方向に20μm平行移動した。)以外は、実施例1と同様にして支持体、そして、電子写真感光体を作製し、評価した。
【0134】
評価結果を表1に示す。
【0135】
(実施例7)
まず、実施例1の支持体の作製において、アルミニウム引き抜き素管をJIS−3003に、素管の寸法を外径30.5mm、内径28.5mm、長さ357.5mmに変更し、仕上げ用切削工具(バイト)をR12の単結晶ダイヤモンド製バイトに変更し、スライダー機構テーブル407を、素管101の中心軸のズレを修正するための、素管101の長手方向と直交する方向に23μm平行移動した。切削部材1回転あたりの切削部材の送りピッチを0.07mm/revに変更し、切削刃物の素管への切り込み量を0.05mmに変更した以外は、実施例1と同様にして支持体を作製し、そして、湿式ホーニング処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。なお、切削のタクトは、素管(支持体)の脱着込みで20秒であった。
【0136】
<評価2>
作製した電子写真感光体を、キヤノン(株)製のPIXELCP−2120C(LEDアレー露光のフルカラー複写機)に装着して、画像出力を行い、出力画像の評価を行った。
◎:色ズレがない。
○:多少色ズレがある。
×:色ズレがある。
×は本発明の効果が得られていないと判断した。
【0137】
評価結果を表1に示す。
【0138】
(実施例8〜12)
実施例7において、支持体を表1に示すものに変更した以外は、実施例7と同様にして支持体、そして、電子写真感光体を作製し、評価した。
【0139】
評価結果を表1に示す。
【0140】
(比較例2)
実施例7の支持体の作製において、中心軸補正を行わず、一般の旋盤での切削条件と同様にするために、単に切削部材の旋廻軸と保持部材の中心軸とが一致するようにした(実施例7ではスライダー機構テーブル407を、素管101の中心軸のズレを修正するための、素管101の長手方向と直交する方向に23μm平行移動した。)以外は、実施例7と同様にして支持体、そして、電子写真感光体を作製し、評価した。
【0141】
評価結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
Figure 0003840178
【0143】
なお、表1中、Iはテーパー形成前の素管、IIはテーパー形成後の素管、IIIは切削後得られた支持体を意味する。また、切削後得られた支持体(III)において、偏肉が30μmよりも大きい場合、同心度が50μmよりも大きい場合、、コロ振れが25μmよりも大きい場合、円筒振れが50μmよりも大きい場合、直角度が0.1μmよりも大きい場合は、本発明の効果が得られていないと判断した。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な画像が得られ、特にフルカラー電子写真装置に用いても色ズレが発生しない電子写真感光体用の支持体の製造方法、該製造方法で製造した支持体を用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体の製造方法の実施形態の一例を説明する図である。
【図2】支持体の製造方法の実施形態の一例を説明するフローチャートである。
【図3】素管の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とを測定する装置の一例を説明する図である。
【図4】素管の外周面を切削する装置の一例を説明する図である。
【図5】切削工具周りの構成の一例を説明する図である。
【図6】切削の手順の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
101 素管
101’ 支持体
102 端部加工面(テーパー面)
103 保持部材
104 切削によって削り落とされた部分
105 ギア
106 フランジ
301 定盤
302 スライダー支持体
303 スライダーテーブル
304 ポスト
305 外周面基準中心軸測定手段
306 内周面基準中心軸測定手段
307 コロ
308 コロ用軸
309 ローラー
310 ローラー用駆動部
401 定盤(ベッド)
402 門形コラム
403 軸受け
404 切削工具保持具(バイトホルダー)
405 切削工具(バイト)
406 スライダー機構テーブル支持体
407 スライダー機構テーブル
408 スライダー機構テーブル
409 スライダー支持体
410 スライダー
411 ポスト
412 ポスト
501 切削刃物
502 バイトシャンク
503 ビス
504 案内溝
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光
5 現像手段
51 ローラー状の現像部材(現像ローラー)
52 現像容器
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
91 クリーニングブレード
92 クリーニング容器
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール

Claims (8)

  1. 素管の軸周りに旋廻する削り部材によって該素管の外周面を削って電子写真感光体の支持体を製造する支持体の製造方法において、
    該素管の両端部内面に端部加工面を形成する端部加工面形成工程と、
    該削り部材によって外周面を削る前の素管の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸とを測定して、該素管の中心軸データを得る中心軸測定工程と、
    該端部加工面形成工程により形成された素管の両端部の端部加工面に、該端部加工面に係合する形状を有する保持部材を嵌合して、該素管を保持する素管保持工程と、
    該中心軸測定工程により得られた中心軸データに基づいて、外周面を削った後の素管の外周面基準中心軸と内周面基準中心軸との最大距離が50μm以下になるように、該削り部材と該素管保持工程により保持された素管とを相対的に移動させて、該削り部材によって該素管保持工程により保持された素管の外周面を削る削り工程と
    を有し、
    該端部加工面形成工程により設けられた端部加工面の中心軸は、該素管の外周面基準中心軸と略同一であり、
    該素管保持工程により該素管に嵌合された保持部材の中心軸も該素管の外周面基準中心軸と略同一である
    ことを特徴とする支持体の製造方法。
  2. 前記削り部材が切削部材であり、前記削り工程が切削工程である請求項1に記載の支持体の製造方法。
  3. 前記端部加工面がテーパー面であり、前記端部加工面形成工程がテーパー面形成工程である請求項1または2に記載の支持体の製造方法。
  4. 前記素管保持工程が、前記素管の両端部の端部加工面に前記保持部材を嵌合して該素管の両端部から圧力をかけて該素管を保持する工程である請求項1〜3のいずれかに記載の支持体の製造方法。
  5. 前記端部加工面形成工程が、前記中心軸測定工程よりも前の工程である請求項1〜4のいずれかに記載の支持体の製造方法。
  6. 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該支持体が請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造された支持体であることを特徴とする電子写真感光体。
  7. 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に指示し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項6に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が請求項6に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
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