JP4078252B2 - 円筒状電子写真感光体用基体の製造方法、円筒状電子写真用基体、電子写真感光体及び円筒状電子写真用基体の製造装置 - Google Patents

円筒状電子写真感光体用基体の製造方法、円筒状電子写真用基体、電子写真感光体及び円筒状電子写真用基体の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は円筒状電子写真用基体の製造方法、円筒状電子写真用基体、電子写真感光体及び円筒状電子写真用基体の製造装置に関し、特には電子写真方式の複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いる円筒状電子写真用円筒状基体の製造方法、該製造方法により作製された円筒状電子写真用基体、電子写真感光体及び円筒状電子写真用基体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては一般に帯電手段、露光手段により感光体ドラム上に静電潜像を形成し、更にこの潜像を現像手段により現像して潜像を忠実に顕像化し、更には紙等の転写材に転写して画像として出力する。
【0003】
電子写真装置を構成する部品のうち、感光体ドラムや現像スリーブは高画質の画像を得るためには高精度に仕上げられている必要がある。例えば、電子写真感光体ドラムは所定の表面粗さに仕上げされた基体表面に感光膜を設けることによって製造されるが、基体の表面粗さが限度以上に粗いと感光膜に凹凸が生じ、このために画像にポチやカブリ等の画像欠陥が生じる。また、電子写真感光体用基体、現像スリーブ用基体が所定の真直度、真円度、偏肉度を満たしていない場合は潜像の現像時に感光ドラムと現像スリーブとの距離が一定せず画像ムラが生じる場合がある。更に、いくつかの色の画像を重ねてカラー画像を出力する装置においては、画像を重ねた時に色ずれを発生し画像品位が低下するため特に高精度の感光体ドラムが必要となる。
【0004】
そこで感光ドラムと現像スリーブに用いる円筒状電子写真用基体は、均一でかつ所定の表面粗さで更には真直度、振れ精度、真円度、偏肉等の基体の寸法が所定の精度に仕上げられている必要がある。
【0005】
そこで押し出し、引抜きによって製造された円筒部材の外周面を切削加工によって仕上げる方法が知られている(例えば、特許文献1)。この方法の例としては、旋盤加工呼ばれる方式がある。例えば、円筒部材(ワ−クともいう)の中心軸を一定に保ちながら回転させ、該円筒部材の外周部に切削工具を当て中心軸と沿うように平行に一定の速度で送りながら切削加工する方法であり、円筒部材の外周部を所定の精度になるように削り取る。
【0006】
また、所定の軸に沿って保持された円筒部材の外周面を前記軸の周りに回転する切削手段によって切削する切削方法も知られている(例えば、特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−110570号公報
【特許文献2】
特開平6−328303号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして外周面を切削加工する方法は、寸法精度の高い円筒状電子写真用基体を安価に効率良く製造することが可能であるが以下のような課題がある。
【0009】
通常、円筒状電子写真用基体を旋盤加工と呼ばれる切削加工方法において製造する場合は、円筒状被加工物を固定治具により固定し主軸中心に回転させる。更に、前記円筒状被加工物と前記工具とを相対移動させる送り軸とを有し切削工具により円筒部材外周面を切削工具がその刃先形状に従って一定の深さ、一定の幅でスパイラル状に切削していく。
【0010】
この時、切削工具(バイトともいう)は円筒状被加工物に対して切削するための圧力をかけた状態でいる。円筒状被加工物と切削工具は相対的に回転しているため回転数に従って特定の方向より圧力をかけていることになる。この振動数の整数倍と固定治具により固定された円筒状被加工物の固有振動数の整数倍が一致すると円筒状被加工物が共振してより大きな振動現象であるビビリを起こす場合があることが知られている。通常の切削状態では刃先形状に従って一定の深さ、一定の幅でスパイラル状に切削していくが円筒状被加工物が振動を起こすとスパイラルの周期、溝の深さが一定でなくなり、更には円筒状被加工物の表面粗さが部分的に大きくなる(ビビリにより加工面に発生した円筒部材表面の加工欠陥をビビリマークという)。
【0011】
このようなビビリマークを有する円筒部材を基体として用いて電子写真感光体を作製した場合、塗布ムラの発生、感光層表面が凹凸となる等の欠陥が生じたり、更には画像上スジ状の模様となる場合もある。また、レーザープリンターのようにデジタル信号に基づき光のドットで書き込む電子写真感装置においては、スパイラルの周期の乱れが書き込みドットピッチと干渉しモアレ模様が発生する場合もある。更に、現像スリーブの場合でも電子写真感光体ドラムとの距離が一定せず画像ムラが生じる場合がある。
【0012】
ビビリを防止する手段としては、例えば、刃物の送り速度を遅くして切削ピッチ(旋盤加工における円筒部材一回転あたりの送り長さ)を短くし、切削抵抗を減らす方法がある。しかしながら刃物の送り速度を遅くすると加工タクトが長くなり、基体一本当りの加工費がアップするという問題が生じる。また、円筒部材の肉厚を厚くして部材の強度を上げる方法もあるがコストアップの要因となり問題がある。更に、バイトの先端形状を選択して切削抵抗を減らす方法があるが、切削抵抗を減らすためには先端が尖ったバイトを使うようになり通常先端が尖ったバイトを使うと得られる加工面が粗くなり電子写真感光体用基体としては適さない場合もありいずれの対策も完全ではない。
【0013】
以上のようにビビリが発生せずかつ電子写真用基体として良好な切削方法は得られていないのが現状であった。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点を解決するための検討の結果得られたものであり、その目的は極めて高い外周面の面粗度、寸法精度を有する円筒面を備えており、しかも円筒面を仕上げ加工する切削装置の設備費やメンテナンスのコストが低く、基体の製作費等も大幅に低減できる円筒状電子写真用基体の製造方法を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、該製造方法により作製された電子写真用基体及び電子写真感光体、円筒状電子写真用基体の製造装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、円筒状被加工物外周面を切削加工する円筒状電子写真用基体の製造方法において、切削加工により発生する振動、変位又は発信音を監視し切削加工におけるビビリ発生を自動的に検知判断し、更には切削加工においてビビリが発生したと判断した場合、ビビリ発生時特有の発信周波数を特定し以降の切削加工で、異常発生時特有の振動の発信周波数がS(Hz)、前記工具又は円筒状被加工物を回転させる主軸の一秒当りの回転数がRであった場合、前記主軸の回転数を下記R’の範囲の値に自動的に変化させる制御を行うことを特徴とする円筒状電子写真用基体の製造方法が提供される;
R’=R−a{R/〔(S/R)+m〕
0.1≦a≦0.9、(m=1、2、3、4、5・・・)
又は
R’=R+a{R/〔(S/R)+m〕
0.1≦a≦0.9、(m=−1、−2、−3、−4、−5・・・)
【0017】
第2の本発明によれば、切削加工中のビビリ発生により切削加工で前記主軸の回転速度を変更する制御をした場合、送り軸の送り速度の値を回転速度の変化に比例して変化させる制御を行う円筒状電子写真用基体の製造方法である。
【0018】
第3の本発明によれば、軸回りに旋回する切削工具により円筒状被加工物の外周面を切削加工する工程を含む円筒状電子写真用基体の製造方法である。
【0019】
第4の本発明によれば、上記の製造方法により作製された円筒状電子写真感光体用基体である。
【0020】
第5の本発明によれば、上記の製造方法により製造された基体を用いた電子写真感光体である。
【0021】
第6の本発明によれば、切削加工により発生する振動、変位又は発信音を電気信号に変換して検出する手段、前記電気信号を周波数成分に分別する手段、切削加工における加工異常発生時特有の周波数成分を分離しビビリ発生を自動的に判断する判断手段、ビビリ発生時特有の発信周波数を検知し以降の切削加工で、ビビリ発生時特有の振動の発信周波数がS(Hz)、前記工具又は円筒状被加工物を回転させる主軸の一秒当りの回転数がRであった場合、前記主軸の回転数を下記R’の範囲の値に自動的に変化させる制御を行う手段を具備することを特徴とする円筒状電子写真用基体の製造装置;
R’=R−a{R/〔(S/R)+m〕
0.1≦a≦0.9、(m=1、2、3、4、5・・・)
又は
R’=R+a{R/〔(S/R)+m〕
0.1≦a≦0.9、(m=−1、−2、−3、−4、−5・・・)
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
本発明は、切削加工中にビビリに伴って発生する異常振動を検知しその周波数を割り出し、主軸回転数を共振周波数より外す回転数に変更することによりビビリを回避するものである。
【0024】
更に詳細に説明すると、固定治具により固定された円筒状被加工物はそれぞれ独自の固有振動数を有している。一方、切削工具(バイト)は、切削加工する時円筒状被加工物に対して振動を与えており、円筒状被加工物に対して与える振動数は主軸回転数と一致している。主軸回転数の整数倍と円筒状被加工物の固有振動数の整数倍が一致すると発信周波数S(Hz)で円筒状被加工物が共振してより大きな振動を起こす場合がある。それに伴って音波の発信、更には切削加工の周期、深さがばらつき円筒状被加工物上にビビリマークが形成され、この基体を用いて電子写真用基体を作製すると欠陥となる。発信の振動数は、それぞれの円筒状被加工物固有であり、同一の材質・形状の円筒状被加工物を用いれば毎回同一の周波数の振動で発信する。そこで共振が発生した信号を捉え円筒状被加工物又は切削工具の回転数をずらして円筒状被加工物固有の振動数と一致しない回転数に変更すればビビリの発生を防止することができる。
【0025】
主軸回転数の何倍で円筒状被加工物の固有振動と一致して共振が発生ししているか計算する方法に関して述べる。今、振動の周波数がS(Hz)、主軸の一秒当りの回転数がR(sec-1)であったとすると発信周波数を主軸回転数で割った値すなわちS/R=nが求められ、主軸回転数のn倍(n次振動)が円筒状被加工物の固有振動と一致して共振が発生していることがわかる。共振が発生する条件はこのほかにR=S/(n+m)
(m=±1、±2、±3、±4、±5・・・)の時である。
【0026】
例えば、主軸の一秒当りの回転数を連続的に減少させてRsec-1の次に共振を発生する主軸の回転数R’の条件は(R’=S/n+1)すなわち(n+1次振動)となる。その条件は、主軸の一秒当りの回転数R’=R−R/〔(S/R)+1〕つまりR/〔(S/R)+1〕減少した値である。その間の回転数では共振が発生し難い。つまり主軸の一秒当りの回転数を連続的に増加させてゆくと共振が発生し難い条件が存在し、更に増加すると再び共振を発生し易い条件となり、共振が発生し難い条件で加工を行うとビビリが発生し難い。
【0027】
主軸の一秒当りの回転数を連続的に増加させても同様である。例を挙げて具体的に説明すると、ビビリが発生した時の発信周波数が3000Hzで主軸の一秒当りの回転数が300sec-1であったするとS/R=10であり、主軸回転数の10倍(10次振動)が円筒状被加工物の固有振動と一致して共振振動している。
【0028】
主軸の一秒当りの回転数を連続的に減少させてRsec-1の次に共振を発生する条件は、主軸の回転数R’を求めると、n+1次振動(例では10+1=11次振動)の場合でR’=S/(n+1)(例では3000/11=272.7Hz)になる。その条件は、主軸の一秒当りの回転数Rsec-1を主軸の回転数変化量ΔR=R/〔(S/R)+1〕(例では300/11=27.3Hz)すなわち27.3Hz減少した値である。R、R’では共振が発生し易いが、その中間の周波数では共振が発生し難い。つまり主軸の回転数を増減させてRsec-1の次に共振を発生する回転数の間の条件で加工を行うことでビビリが発生を無くすことができる。
【0029】
この例では、主軸の回転数が300sec-1と272.7sec-1の場合、主軸の回転数の整数倍と円筒状被加工物の固有振動数一致しているためビビリが発生し易く、主軸の回転数の整数倍と円筒状被加工物の固有振動数が一致しないその中間の286.4sec-1では最も共振が発生し難い。
【0030】
ビビリが発生している場合のビビリを防止するための主軸回転数の変化量(シフト比率aと定義)は、{R/〔(S/R)+m〕}の0.1倍〜0.9倍の変化量であることが必要である。好ましくは0.3〜0.7倍の間である。1×{R/〔(S/R)+m〕}では、次の次数で主軸の回転数の整数倍と円筒状被加工物の固有振動数が一致しビビリが発生し易い条件になってしまう。
【0031】
同様にn+2、又はn+3・・・n−2、n−3・・・次の共振点を計算しその周波数を外した回転数にしてもビビリは防止できるが、回転数の変動が少なくてすむn+1次振動、又はn−1次振動との間に変動させることが好ましい。
【0032】
本発明で用いる切削加工により発生する振動の検知方法としては、振動、変位又は振動に伴って発せられる発信音より検知する。振動、変位より振動を検知する方法は、円筒部材に直接センサを設置してビビリ振動を受けるのが難しく切削装置、例えば被切削部材固定装置等にセンサを設置して振動を受けるが装置のビビリ以外の装置の振動を拾い易い。切削音より検知する方法は、マイクロホン等で発信音を電気信号に変換するがセンサの設置場所選定の自由度が高く被切削部材の近くにマイクロホンを設置し、ビビリ発信音を選択的に受け易い位置に設置することが好ましい。更に、周囲の音をなるべく受けずビビリの発信音を選択的に受けるために指向性マイクロホンを用いることことが好ましい。いずれにしても振動は、電気信号に変換されてデータ処理部に送られる。
【0033】
異常発生を自動的に検知判断する方法としては、検知手段より得られた信号の大きさで検知する例、得られた信号を周波数に弁別し特定周波数成分の信号の大きさ又は大きさの比に基づいて判断する例が挙げられる。さまざまな周囲の音の中からビビリ発信音を選択的に検知するためには、特定周波数成分の信号の大きさ又は大きさの比に基づいて判断が好ましい。
【0034】
本発明では得られた信号を周波数に弁別し振動周波数を特定する必要があり、バンドパスフィルターや高速フーリエ変換等の処理により周波数に弁別する。
【0035】
得られた信号は、主軸の制御部に送られ本発明の式に従って回転数を変更しビビリを回避する。
【0036】
なお、ビビリを検知してからビビリを回避する条件に検討する間に加工中の被切削物に初期のビビリマークが残る場合があるが、基体に要求される表面精度により不良として分別廃棄する方法の例も挙げられるが、初期のビビリが品質に問題ないレベルであれば良品に入れても差し支えない。
【0037】
本発明は円筒状電子写真用基体、特に現像スリーブ、電子写真感光体ドラムに有用である。
【0038】
更に、切削加工中の異常発生により切削加工で前記主軸の回転速度を変更する制御をした場合、送り軸の送り速度の値を回転速度の変化に比例して変化させる抑制を行う例も挙げられる。この方法により製造された電子写真感光体用基体は、主軸回転数の変動にかかわらず切削ピッチが一定となり切削ピッチが大きくなることによる面粗さの上昇、更には画像上のスジの発生を防止できる。
【0039】
次に、本発明の切削加工に用いる切削装置に関して述べる。
【0040】
本発明の切削加工に用いる切削装置は、切削加工又は円筒状被加工物を回転させる主軸と、前記円筒状被加工物と前記工具とを相対移動させる送り軸とを有する工作機械を用い、前記切削工具により前記円筒状被加工物外周面を切削加工する装置である。
【0041】
円筒部材が回転する構造の旋盤の例による円筒部材の製造方法を説明する。図1は切削加工装置の概略構成図である。この切削加工装置は、加工する円筒部材1の両端を固定する手段2−a及び2−b、円筒部材右端を固定圧力変更手段3、更に該円筒部材を中心軸中心に回転させる手段4を有す。一方、切削工具5は刃物台6に固定され切削工具の段取りの際に必要とする調整手段を持ち取つけ状態を調整することが可能である。刃物台は、送り装置7により平行移動する。
【0042】
切削中の音を切削加工を行っている近傍に設置したマイク8で電気信号に変換する。更に、信号増幅手段9で増幅、周波数分別手段10により周波数に別に分別する。判定手段11により異常振動発生の判断、振動の周波数の特定を行う。その結果に基づいて制御手段12で必要に応じて主軸回転数、送り回転数を制御する。
【0043】
本発明の製造方法において切削は荒削り、仕上げの2回に分けてもよい。荒引きは一般的なバイトでもよいが、荒ら削りは精度が出る切削工具を用いることが有効で切削抵抗が小さい剣バイト及びRバイトの例が挙げられる。仕上げは、必要とする面によりRバイト、平バイト及びミラクルバイト等の例が挙げられる。
【0044】
円筒部材が回転する方式の加工装置では、円筒部材の高速回転化には限度があり切削工程の高速化が困難である。加えて、各ワークを切削機械に着脱する時はモータの回転を停止しなければならず、各ワークの加工サイクルごとにモータの立上がり時間を必要とするため待機時間が長い。その結果、全体の加工サイクルタイムが長くなり、製造コストが上昇する。
【0045】
そこで、所定の軸に沿って保持された円筒部材の外周面を前記軸の周りを回転する切削手段によって切削する工程を有し、筒状体がその内面の一部分を所定の内径に加工されており、前記内面に係合する保持手段によって保持される切削方法を用いることも有効である。
【0046】
この切削方法は筒状部材を所定の軸に沿って保持し、その周りを回転する切削手段によって筒状部材の外周面を切削するものであり、筒状部材を回転させる必要がないため、切削速度を高くしても筒状部材を回転させる場合のように筒状部材の偏肉や真直度の不足のために振動を発生するおそれがない。従って、加工工程の高速化が容易である。また、切削手段を回転させたままで筒状部材を交換できるため待機時間が短くて済み、全体の加工サイクルタイムを短縮できる。その結果、製造コストを大幅に低減できる。加えて、筒状部材を少なくとも部分的に所定の内径に加工された内面に係合する保持手段によって保持させることで切削手段に対するセンタリングの精度を向上させ、筒状体に偏肉等があっても表面精度、真円度、真直度の向上した外周面を有する円筒部材を得ることができるという利点があり更に好ましい。
【0047】
図2に示す所定の軸に沿って保持された円筒部材の外周面を前記軸の周りに回転する切削手段によって切削するタイプの切削装置によって円筒部材の外周面を切削する工程を説明する。図2に示すように、テーブル及び送り手段13上に円筒部材固定手段14−a、14−b及び固定圧力変更手段14−cが載っている。この間に円筒部材を搬入し、左右より押圧し円筒部材中心軸と切削工具回転軸が一致するように保持する。この間、切削工具15の回転は、前回の切削加工サイクルから中断することなく続いている。次いで、テーブル13を中心軸に沿って左方向へ移動させることで、円筒部材1の外周面を切削工具15により連続的に切削し、円筒部材1の全長にわたって切削が完了した後、テーブル13の移動を停止させ、円筒部材に対する保持を解除し、円筒面の切削加工の完了した円筒部材は機外に搬出される。
【0048】
なお、図3に示すように、切削工具は回転治具16に二個の切削刃物17−a及び17−bがバイトホルダ18−a及び18−b固定されている。一つは荒削り用でもう一つは仕上げ用である。前記2個の刃物は回転軸Oを横切る直径上に配設され、ホルダの案内溝19−a及び19−bに係合するビス20−a及び20−bを緩めて、ホルダ18−a及び18−bと共に切削刃物17−a及び17−bを回転軸Oに向かって進退させることで切り込み深さを調節できるように構成されている。
【0049】
本発明における円筒状被加工物の保持方法としては、外周部を加える方法、各内径拡大部をコレットチャック等のように内部入れて円周部を拡張して円筒部材を保持して外周面をバイトによって切削加工し、所定の表面粗さの円筒面に仕上げる方法(特開平2−110570号公報参照)が挙げられるが、電子写真感光体用基体を得るためには両端面に隣接する部分を切削加工によりテーパー状に仕上げたうえで、テーパー部をテーパー状のクランプ面を持つ保持手段で軸方向に押圧することによって両端を押え前記円筒部材を保持し、外周面をバイトによって切削加工し、所定の表面粗さの円筒面に仕上げる方法(特開平9−66401号公報参照)が知られている。この方法においては、円筒部材のテーパー部のみを高精度で加工すれば済むため、円筒部材の製作費も安価である。円筒部材保持手段のメンテナンスのコストと円筒部材の製作費を削減して円筒部材の製造コストを大幅に低減でき好ましい。コレットチャックのように円筒部材を径方向の押圧力によって保持する機構の円筒部材保持手段のように組み付け誤差等を厳密に管理する必要もないため、切削装置の設備費を大幅に削減できる。これによって、電子写真感光体基体用の円筒部材の製造コストをより一層低減できる。つまりこの方法は、コストが安く、高い形状精度(表面精度、真円度及び真直度)の円筒面に仕上げることが可能である。
【0050】
本発明で用いる円筒部材の材質としては、例としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン等の金属及びこれらの合金。また、プラスチック、セラミック、ガラス等に導電性処理をしたものが挙げられる。
【0051】
広く用いられるものとしては、アルミニウム又はアルミニウム合金、例えばJIS 3000系、6000系等が挙げられる。また、円筒部材の製法としては、例えば精度やコスト等を考慮し決定するが、本発明に用いる円筒部材の例としては公知の押し出し、引抜きによって製造されたアルミニウム合金の管材を所定の長さに切断したもの、更に切断された管材の端面及びに端面に隣接する部分を切削加工したものを用いてもよい。
【0052】
本発明で用いるバイトの先端形状の例としては、平バイト、Rバイト及び剣バイトが挙げられるが、仕上げ加工には平バイト及びRバイトが好ましい。更に、本発明で用いる切削工具の材質の例としては超鋼、焼結ダイヤモンド及び単結晶ダイヤモンド等が挙げられる、特に焼結ダイヤモンドはコストが安く量産に用いるのに好ましい。
【0053】
更に、本発明の電子写真用感光体基体の製造方法において、特にレーザープリンター用の基体を製造する場合、旋盤による切削加工のみではレーザー光が基体に反射して起こる干渉縞を十分に防止することができない場合は、何らかの手段による粗面化する例もある。この粗面の粗さは形状にもよるが、およそRzが0.6μm以上必要である。粗面化の方法としては、本発明で得られた良好な基体表面を生かす方法が好ましく、ホーニング処理や陽極酸化処理が特に好ましい。ホーニング処理には、乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式(液体)ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式又は乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ及びプラスティックショット等の粒子が挙げられる。
【0054】
また、本発明の電子写真用感光体基体の製造方法において、電子写真感光体とした場合、部分的な注入により画像上にポチカブリ、黒ベタ画像の白抜け等の画像欠陥を生じる場合がある。この部分的な注入を防止して画像欠陥を無くすために使用されている手段の一例として、アルミニウム基体表面を陽極酸化処理して酸化アルミニウムの層を設けることが行われる。更に、陽極酸化処理は干渉縞を防止の働きもする。
【0055】
本発明による電子写真感光体用基体を用いて感光体を作製する場合、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなる積層構造型のもの、あるいは1層の中に電荷発生材料及び電荷輸送材料を含む単層型のものがある。
【0056】
電子写真感光体に用いられる電荷発生材料としては、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料及び非対称キノシアニン等が挙げられる。特に、デジタル用電子写真感光体の場合、これらの電荷発生材料の中で、赤外レーザー、可視光レーザーへの対応において、波長への感光依存性の広さから、フタロシアニン系が優れており、更に、フタロシアニン系の中でもオキシチタニルフタロシアニン及びヒドロキシガリウムフタロシアニンがその感度の高さから特に優れていると言える。
【0057】
また、電子写真感光体に使用される電荷輸送材料としては、例えば各種ヒドラゾン類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン系化合物、トリアリルアミン系化合物及びポリアリールアルカン類等の化合物の中から選択される。これらの電荷発生材料や電荷輸送材料は、適当な結着樹脂と組み合わせて、基体上に塗工して成膜を行うことで感光層とする。感光層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニールアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂及びセルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
【0058】
本発明にかかる電子写真感光体においては、感光層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構成される。保護層を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂及びブチラール樹脂等が挙げられる。
【0059】
これらの樹脂中には、クリーニング性や耐摩耗性等の改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビリニデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコーン系グラフトポリマー及びシリコーン系オイル等の潤滑剤や、保護層の抵抗制御の意味で酸化スズ粉体や導電性酸化チタン等を分散させることも可能である。
【0060】
本発明による導電性基体と感光層の間に、バリアー機能と下引き機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層は、感光層の接着性改良、基体の保護、基体からの電荷注入性改良、感光体の電気的破壊に対する保護等のために形成することができる。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。更に、干渉縞防止のためのフィラーを混入してもよい。
【0061】
本発明による電子写真感光体は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、等以外にもCRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、ファクシミリ、レーザー製版等の電子写真応用技術に広く用いることができる。
【0062】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
【0063】
(実施例1)
A3003の外径φ30.64mm、内径φ28.5mm、長さ260.5mm、のアルミニウム引抜基体を準備した。
【0064】
次に、図2に示す切削装置によって円筒部材の外周面を切削した。テーブル及び送り手段13上に円筒部材固定手段14−a、14−b、固定圧力変更手段14−cが載っている。この間に円筒部材1を搬入し、左右より押圧し円筒部材中心軸と切削工具回転軸が一致するように保持する。この間、切削工具15の回転は、前回の切削加工サイクルから中断することなく続いている。次いで、テーブル13を中心軸に沿って左方向へ移動させることで、円筒部材1の外周面を切削工具15により連続的に切削し、円筒部材1の全長にわたって切削が完了した後、テーブル13の移動を停止させ、円筒部材に対する保持を解除し、円筒面の切削加工の完了した円筒部材は機外に搬出される。
【0065】
ビビリの検知手段として切削中の発信音をマイク8(単一指向性コンデンサマイク)で電気信号に変換した。マイクは円筒部材中心より50mmの距離で指向性の方向は円筒部材に向けて設置した。更に、信号は増幅手段9(オペアンプ)で適当な大きさに増幅する。更に、周波数分別手段10(FFTアナライザ:富士通製パーソナルコンピュタ−FMV6450にUFE製スペクロラムアナリシスソウトを搭載)により周波数に別に分別した後、判定手段11により異常振動発生の判断、振動の周波数の特定を行う。その結果に基づいて制御手段12で必要に応じて主軸回転数、送り回転数、固定圧力を制御するような装置を作製した。
【0066】
切削刃物は以下のものを選択した。
【0067】
荒削りバイト:焼結ダイヤモンド製曲率半径0.5mmのRバイト
仕上げバイト:焼結ダイヤモンド製曲率半径4mmのRバイト
切削刃物の段取りの際に以下の調整を行った。
【0068】
旋盤の設定は、押圧力4kgfで押圧保持し、切削工具回転速度18000min-1(300sec-1)、送りピッチは30mm/秒、切り込み量0.08mmとし円筒部材外周面を切削した。連続して切削を行い300本目の円筒部材を切削したところ通常の切削では起きない発信音が発生したので、ビビリが発生したと自動的に判断した。発信音の周波数を確認したところ3000Hzであったので主軸回転数を17181min-1(286.4sec-1)になるように変更して切削を続行した。更に、送りピッチは主軸回転速度に比例して制御し28.64mm/秒とし、連続して更に700本の電子写真感光体用円筒部材外周面を切削した。目視確認の結果、ビビリの発生は無かった。円筒部材の円筒面の振れ精度は平均15μmであった、得られた切削基体の表面粗さを測定した結果Rz=0.50μmのアルミニウム基体が得られた。なお、切削タクトは円筒部材の脱着込みで30秒であった。振れ精度は、円筒部材の両端をベアリングで受部、中心部の振れをダイヤルゲージで測定した。
【0069】
表面粗さの測定は、JIS B 0601(1994)に準拠し、小坂研究所表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmで行った。
【0070】
なお、十点平均粗さRzはJIS B 0601(1994)での設定における値を示す。アルミニウム基体に対して、湿式(液体)ホーニング装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にて湿式ホーニング処理を行った。
【0071】
<湿式ホーニング処理条件>
研磨剤(砥粒):球状アルミナビーズ(平均粒径30μm)
(商品名:CB−A30S、昭和電工社製)
懸濁媒体:水
研磨剤/懸濁媒体=0.11/0.89(体積比)
アルミニウム基体の回転数:1.60s-1
エア吹き付け圧力:0.165MPa
ガン移動速度:15mm/sec.
ガンノズルとアルミニウム基体の距離:200mm
ホーニング砥粒吐出角度:45°
研磨液投射回数:1回(片道)
【0072】
ホーニング処理後の基体表面粗さは、Rmax2.3μm、Rz1.7μm、Ra0.24μm、Sm31μmであった。
【0073】
次に、界面活性剤(バンライズS:常盤化学社製)の10%溶液を満たし温度を40℃に保った槽に上記のホーニング処理を施したアルミニウム基体を浸漬し、更に5秒周期で30mmの範囲で揺動しながら3分間洗浄を行った。更に、イオン交換水を満たした槽に上記の湿式ホーニング処理を施したアルミニウム基体を浸漬し1分間リンス洗浄を行い、その後アルミニウム基体を槽から引き上げアルミニウム基体をイオン交換水でシャワー洗浄した。次に、このアルミニウム基体を75℃のイオン交換水を満たした槽に20秒間浸漬し、その後10mm/秒の速度で槽から引き上げ基体の乾燥状況を確認したところ水分は残留していなかった。
【0074】
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ社製)10部及びメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学社製)12部をメタノール300部/n−ブタノール230部の混合溶媒中に溶解した塗料を浸漬コーティング法で塗布し、95℃で12分間熱風乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの下引き層を形成した。
【0075】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°及び28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン7部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業社製)3.2部及びシクロヘキサノン55部からなる溶液を1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を中間層上に浸漬コーティング法で塗布し、95℃で10分間加熱乾燥することによって、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
【0076】
次に、下記式で示されるアミン化合物8.4部、
【0077】
【化1】
Figure 0004078252
下記式で示されるアミン化合物2.5部
【0078】
【化2】
Figure 0004078252
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学社製)10部をモノクロロベンゼン80部/ジメトキシメタン20部の混合溶媒に溶解した。この塗料を浸漬コーティング法で塗布し、125℃で1時間乾燥することによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
【0079】
<評価>
このようにして切削した基体を用いて作製した電子写真感光体を、ヒューレット・パッカード社製プリンターLaser Jet 4000に装着して、黒画像、ハーフトーン画像をそれぞれ出力し画像評価を行い、結果を表1に示した。ハーフトーン画像は、黒線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向にそれぞれ走査したものを使用した。
◎:良好
○:電子写真感光体用円筒部材上にビビリマークが見られるが画像に出ないレベルで問題なし
×:電子写真感光体用円筒部材上にビビリマークが見られ画像上にビビリマークがに対応する欠陥見られ製品として使用不可
◎、○は良品、×は不良品
結果を表1に示す。
【0080】
(実施例2〜12)
実施例1と同様のアルミニウム円筒部材を準備し、表1に示す切削における切削開始時の主軸回転数R(sec-1)、ビビリ発生後の主軸回転数R’(sec-1)、シフト比率a条件で実施例1と同様の切削装置で円筒部材の外周面を切削した。それ以外は実施例1と同様にしてホーニング処理、感光層を塗布し電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0081】
(実施例13及び14)
実施例1と同様のアルミニウム円筒部材を準備し、表1の実施例11及び12に示す切削における切削開始時の主軸回転数R(sec-1)、ビビリ発生後の主軸回転数R’(sec-1)、シフト比率a条件で実施例1と同様の切削装置で円筒部材の外周面を切削した。更に、送り軸の送り速度の値を主軸回転速度の変化に比例して変化させる抑制を行った。それ以外は実施例1と同様にしてホーニング処理、感光層を塗布し電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0082】
実施例11及び12では主軸回転速度のみを低下させたため切削ピッチが大きくなり表面粗さが大きくなり画像上にごく薄いスジが見られたが、実施例13及び14では切削ピッチ、表面粗さとも変化なく画像上も更に良好である。
【0083】
(比較例1)
実施例1と同様のアルミニウム円筒部材を準備し、ビビリが発生しても主軸回転数を変化させずに切削を続けた以外は実施例1と同様の切削装置、切削条件でによって円筒部材の外周面を切削し面粗さを測定した。それ以外は実施例1と同様にしてホーニング処理、感光層を塗布し電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。結果は表1に示す。
【0084】
(比較例2及び3)
実施例1と同様のアルミニウム円筒部材を準備し、ビビリが発生した場合の主軸回転数のシフト比率を+1.0又は−1.0とした以外は実施例1と同様の切削装置、切削条件でによって円筒部材の外周面を切削し面粗さを測定した。それ以外は実施例1と同様にしてホーニング処理、感光層を塗布し電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。結果は表1に示す。
【0085】
【表1】
Figure 0004078252
【0086】
【発明の効果】
本発明の効果は、形状精度が高く、かつビビリ発生の無い面粗さが良好な円筒状電子写真感光体用基体を製造することが可能となり、また切削装置の設備費やメンテナンスのコスト及びワークの製作費等を削減し、上記円筒状基体の製造コストを大幅に低減でき、上記の良好な円筒状電子写真感光体用基体を得ることが可能となった。
【0087】
このような円筒部材を電子写真感光体基体に用いることで、画像形成装置の高性能化と低価格化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒部材が回転する構造の旋盤の概略構成図である。
【図2】切削工具が回転する構造の旋盤の概略構成図である。
【図3】切削工具組み立て図である。
【符号の説明】
1 円筒部材
2−a 円筒部材右端を固定する手段
2−b 円筒部材左端を固定する手段
3 円筒部材右端を固定圧力変更手段
4 円筒部材を中心軸中心に回転させる手段
5 切削工具
6 刃物台
7 送り手段
8 マイク
9 信号増幅手段
10 周波数分別手段
11 判定手段
12 制御手段
13 テーブル
14−a 円筒部材右端を固定する手段
14−b 円筒部材左端を固定する手段
15 切削工具
16 回転治具
17−a、17−b 切削刃物
18−a、18−b バイトホルダ
19−a、19−b ホルダ案内溝
20−a、20−b バイトホルダ固定用ビス

Claims (6)

  1. 円筒状被加工物外周面を切削加工する円筒状電子写真用基体の製造方法において、
    切削加工により発生する振動、変位又は発信音を監視し切削加工におけるビビリ発生を自動的に検知判断し、更には切削加工においてビビリが発生したと判断した場合、
    ビビリ発生時特有の発信周波数を特定し以降の切削加工で、異常発生時特有の振動の発信周波数がS(Hz)、
    前記工具又は円筒状被加工物を回転させる主軸の一秒当りの回転数がRであった場合、
    前記主軸の回転数を下記R’の範囲の値に自動的に変化させる制御を行うことを特徴とする円筒状電子写真用基体の製造方法;
    R’=R−a{R/〔(S/R)+m〕
    0.1≦a≦0.9、(m=1、2、3、4、5・・・)
    又は
    R’=R+a{R/〔(S/R)+m〕
    0.1≦a≦0.9、(m=−1、−2、−3、−4、−5・・・)
  2. 切削加工中のビビリ発生により切削加工で前記主軸の回転速度を変更する制御をした場合、送り軸の送り速度の値を回転速度の変化に比例して変化させる制御を行う請求項1に記載の円筒状電子写真用基体の製造方法。
  3. 軸回りに旋回する切削工具により円筒状被加工物の外周面を切削加工する工程を含む請求項1又は2に記載の円筒状電子写真用基体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の円筒状電子写真用基体の製造方法により作製されたことを特徴とする円筒状電子写真感光体用基体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の円筒状電子写真用基体の製造方法により製造された基体を用いたことを特徴とする電子写真感光体。
  6. 切削加工により発生する振動、変位又は発信音を電気信号に変換して検出する手段、
    前記電気信号を周波数成分に分別する手段、
    切削加工における加工異常発生時特有の周波数成分を分離しビビリ発生を自動的に判断する判断手段、
    ビビリ発生時特有の発信周波数を検知し以降の切削加工で、ビビリ発生時特有の振動の発信周波数がS(Hz)、前記工具又は円筒状被加工物を回転させる主軸の一秒当りの回転数がRであった場合、前記主軸の回転数を下記R’の範囲の値に自動的に変化させる制御を行う手段
    を具備することを特徴とする円筒状電子写真用基体の製造装置;
    R’=R−a{R/〔(S/R)+m〕
    0.1≦a≦0.9、(m=1、2、3、4、5・・・)
    又は
    R’=R+a{R/〔(S/R)+m〕
    0.1≦a≦0.9、(m=−1、−2、−3、−4、−5・・・)
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