JP4174378B2 - 電子写真感光体用の円筒状基体の製造方法、電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体用の円筒状基体の製造方法、電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機やレーザービームプリンター、同ファクシミリに使用する基体に対する粗面化処理工程後の洗浄技術の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザービームプリンター等に代表される電子写真装置における感光体構成に関して、現在では、アルミニウム基材上に下引き層を形成し、その後電荷発生層と電荷輸送層を形成する構成が主流となっている。そしてその中でもアルミニウム基材は、コスト低減や画質欠陥の改善等を目的として、押し出し管やそれを引き抜いたED管、又は表面に切削加工を施した切削管等、各種のものが用いられるようになってきた。
【0003】
一般に、レーザープリンター用の電子写真用感光体は、その円筒としての寸法精度が非常に重要である。そのため、基体の製造においては熱間押し出しによる素管製造後、高精度な冷間引抜きを行うか、あるいはダイヤモンドバイトを用いた旋盤により切削加工して振れを抑え、かつ外径精度を出す方法が用いられる。この時、切削加工においては表面をなるべく平滑にするためにバイトの送り量を少なくしなければならず、1本の素管を切削するのに時間が掛かる。
【0004】
また、このようにして切削加工された切削管や引抜き管に、レーザー光が基体に反射して起こる干渉縞を防止するため、何らかの手段による粗面化が必要である。この粗面の粗さは形状にもよるがおよそRz0.6μm以上が必要である。しかし、切削加工では、切削の粗さが規則的であるため干渉縞は消えても切削のスジとレーザー光との干渉によるモアレ現象が起きてしまう。他に粗面化の方法としてはホーニング処理があり、乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい(例えば、特許文献1参照)。湿式(液体)ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式又は乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ及びプラスティックショット等の粒子が挙げられる。
【0005】
しかし、乾式ブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた液体ホーニングでは、砥粒が基体表面に突き刺さるか、またガラスビーズを用いた液体ホーニングでは、ガラスがすぐに割れて基体表面に突き刺さることがある。加えて、研磨材の種類に関わらず、研磨液を構成する水等の液体に混入する微小な異物の残留を生じることもある。こうした基体表面の残留物及び突起点は、感光体を作製した時に画像に白ぬけや黒点を生じてしまう。
【0006】
こうした、粗面化処理によって基体表面に生じる様々な残留物や突起点を、感光層を形成する前に除去する方法としては、これまで超音波を利用して離脱させる洗浄法や、高圧水流を衝突させて吹き飛ばす等の方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。先述の超音波を利用する方法では、洗浄すべき基体を水等の液中に保持し、これに対して超音波振動子を用いて振動波を与えることによって基体表面に生じる振動又はキャビテーションによって残留物等を離脱させることができる。また、高圧水流を用いる方法では、水等の液体に高圧エアーを加えて基体表面に衝突させることによって基体表面の残留物を吹き飛ばして除去することができる。
【0007】
そして、いずれの洗浄方式においてもその工程において水又はその他の液体を用いることが必要であることから、この一連の粗面化処理の最終工程では基体を乾燥させることが不可欠である。ここで、基体の一般的な乾燥方法としては、基体をいったん加温した水又はその他の揮発性液体に浸漬させてこれを低速にて引き上げ、基体の内外表面を乾燥させる方法や、基体の外表面を温風に晒して乾燥させる方法等が開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−216261号公報(第3項)
【特許文献2】
特開2001−296679号公報(第3〜4項)
【特許文献3】
特開平10−123737号公報(第7〜8項)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
電子写真感光体用基体の粗面化処理においては、処理後の基体表面に研磨剤(砥粒)やその他残留物等が無く、ひいては形成した感光体による画像に白ぬけや黒点等を生じない基体を得ることが重要である。この点において、先に挙げた最終的な基体の乾燥工程における乾燥方法では、基体の外表面を温風に晒して乾燥させる方法では、炉内の空気が激しく舞い上がることから、炉内に供給する温風はもとより、内壁その他の温風が触れ得る全ての個所にわたって非常に高い清浄度を維持する必要がある。また、基体をいったん加温した水又はその他の揮発性液体に浸漬させてこれを低速にて引き上げ、基体の内外表面を乾燥させる方法においても、使用する水又はその他の揮発性液体は、その清浄度が低ければ、これに含まれるゴミやブツ等の粒子その他の物質が液体乾燥時に基体表面に乾き付くことによって最終的な基体表面の品質に重大な欠陥をもたらすことから、非常に高い清浄度が維持されなければならない。加えて、基体を浸漬させるために必要な容量を有した浴槽とヒーター、循環系統も備えねばならない。しかし、使用する機器又は液体に対して非常に高い清浄度や容量を維持することはこれに伴う高いコストを生じさせ、ひいては製品コストに確実に反映されるものである。
【0010】
こうしたことから、電子写真感光体用円筒状基体の粗面化処理においては、基体表面の乾燥手段において、必要最小限のコストにて基体表面の清浄度を保って乾燥を行う手段を得ることが必要である。
【0011】
本発明の目的は、基体洗浄後の乾燥工程において、乾燥媒体の清浄度を高く保つことを必要とせずに、研磨剤(砥粒)や研磨液が基体表面を流れた痕跡等の無い電子写真感光体用円筒状基体の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、電子写真感光体用円筒状基体液体を用いて洗浄した後の、該円筒状基体を乾燥させる乾燥工程として、該円筒状基体の内表面に加熱した体を接触させ、該円筒状基体の外表面の液体を揮発させることによって該円筒状基体を乾燥させる工程を有することを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方法が提供される。
【0013】
また本発明に従って、電子写真感光体用円筒状基体液体を用いて洗浄した後の、該円筒状基体を乾燥させる乾燥工程として、該円筒状基体の内表面に温水を接触させ、該円筒状基体の外表面の液体を揮発させることによって該円筒状基体を乾燥させる工程を有することを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方法が提供される
【0014】
また本発明に従って上記の製造方法にて製造された電子写真感光体用の円筒状基体上に感光層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される
【0015】
また本発明に従って上記の製造方法にて製造されたことを特徴とする電子写真感光体が提供される
【0018】
【発明の実施の形態】
この方法において、加温を目的として基体の内表面に接触させる加熱した液体又は温水の清浄度は、それが基体の外表面の清浄度に影響を及ぼさないことから、先述の乾燥炉内にて基体の外表面を温風に晒して乾燥させる方法や、基体をいったん加温した水又はその他の揮発性液体に浸漬させてこれを低速にて引き上げ、基体の内外表面を乾燥させる方法において必要とされるものよりはるかに低い水準であればよく、また必要とする量も少量で済み、ひいてはこれに伴う生産コストや、製品コストを抑えることが可能となる。
【0019】
本発明の電子写真感光体基体の製造方法は、図2に示すように、基体上に、切削管又は引抜き管の表面を球状アルミナやジルコニア砥粒等を用い、被加工物面(アルミニウムシリンダー基体)に砥粒を吐出して液体ホーニング後、少なくとも、感光層又は下引き層及び感光層を形成する。
【0020】
図1に示す液体ホーニング方法は、砥粒を液体に懸濁させて被加工物に細いノズル1の先からエアー圧で投射させて表面を粗らす方法で、懸濁媒体7としては一般的に水を用いて、メディア(砥粒)としてはアルミナ、ジルコニア又はSUSビーズ等が用いられる。この液体ホーニングに用いられる砥粒の粒径は、5μm〜数100μm程度である。これらの種類や粒径等は使用目的に応じて使い分けられている。
【0021】
液体ホーニングは、砥粒を懸濁させた液体をポンプ11で循環し、ノズルの噴射口形状が円形の場合、口径5mm〜20mmのノズルの先から吐出させ、被加工物4に投射する。
【0022】
液体ホーニングによる基体表面の粗面化工程の後、基体上に感光層を形成する前に通常表面の洗浄を行い付着した研磨剤(砥粒)、研磨液、ごみ、油系物質、人の指紋等の除去を行う。この基体の洗浄工程においては、基体の清浄度を高めるために、界面活性剤等の補助剤を水と併用したり、超音波発振によるキャビテーション効果やジェットノズル等による高圧噴射、更にはブラシやブレード等を併用すると効果的である。
【0023】
次に、こうした洗浄工程を終了し内外表面が濡れている状態の基体を乾燥させるために、図3にて示される機器構成に代表される方式を用いて乾燥させることができる。把持具24にて略鉛直方向に把持、搬送された基体4は、吐出ノズル26、供給配管27を有する置き台28にて静置される。供給配管27−1より加温された揮発性液体が、吐出ノズル26に開けられた孔へ供給され、これが基体4の内表面に向けて吐出することによって接触又は吹き付けられる。これによって基体全体を一時的に加温し、基体外表面を乾燥させることができる。この時、目的とする基体外表面の清浄度は、前述の如く加温に使用する液体の清浄度に影響を受けることが無く、前工程での洗浄を終えた時点の清浄度を保つことができる。
【0024】
本発明による電子写真感光体基体を用いて感光体を作製する場合、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなる積層構造型のもの、あるいは1層の中に電荷発生材料及び電荷輸送材料を含む単層型のものがある。
【0025】
電子写真感光体に用いられる電荷発生材料としては、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料及び非対称キノシアニン等が挙げられる。
【0026】
特に、デジタル用電子写真感光体の場合、これらの電荷発生材料の中で、赤外レーザーや可視光レーザーへの対応において、波長への感光依存性の広さから、フタロシアニン系が優れており、更に、フタロシアニン系の中でもオキシチタニルフタロシアニン及びヒドロキシガリウムフタロシアニンがその感度の高さから更に優れていると言える。
【0027】
また、電子写真感光体に使用される電荷輸送材料としては、例えば、各種ヒドラゾン類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン系化合物、トリアリルアミン系化合物及びポリアリールアルカン類等の化合物の中から選択される。
【0028】
感光層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニールアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂及びセルロース系樹脂等が挙げられる。
【0029】
電子写真感光体においては、感光層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構成される。保護層を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂及びブチラール樹脂等が挙げられる。保護層の膜厚は、0.05μm〜15μmが好ましく、特には1μm〜10μmが好ましい。
【0030】
これらの樹脂中には、クリーニング性や耐摩耗性等の改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビリニデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコーン系グラフトポリマー及びシリコーン系オイル等の潤滑剤や、保護層の抵抗制御の意味で酸化スズ粉体や導電性酸化チタン等を分散させることも可能である。
【0031】
本発明による導電性基体と感光層の間にバリアー機能と下引き機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層は、感光層の接着性改良、基体の保護、基体からの電荷注入性改良、感光体の電気的破壊に対する保護等のために形成することができる。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。
【0032】
また、無機高分子化合物を用いたゾルゲル法による下引き層も用いてもよい。これらは、ジルコニウムとシラン化合物の混合物、シラン化合物及びジルコニウム化合物にセルロース樹脂を添加したもの、ブチラール樹脂をジルコニウム及びシランの無機成分に添加した塗工液等がある。
【0033】
また、下引き層の替わりに表面を、クロム酸を用いるクロメート化成処理、又はチタニウム塩やジルコニウム塩を用いるノンクロメート化成処理を行ない下引き層の代わりとしてもよい。
【0034】
本発明による感光体用基体に前記の各層を塗布する方法としては、浸漬塗布法、ブレードコーティング法、バーコート法及びスプレーコート法等がある。
【0035】
本発明による感光体用基体上に感光層を設ける場合に、その膜厚は単一層構造の場合、5μm〜100μmが好ましく、特には10μm〜60μmが好ましい。感光層が積層構造の場合、電荷発生層の厚さは0.001μm〜5μmが好ましく、特には0.05μm〜2μmが好ましく、電荷輸送層の厚さは1μm〜40μmが好ましく、特には10μm〜30μmが好ましい。
【0036】
本発明による電子写真感光体は、電子写真複写機、レーザービームプリンター等以外にCRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、ファクシミリ及びレーザー製版等の電子写真応用技術に広く用いることができる。
【0037】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
熱間押し出しにより得たA6063の外径φ30.5mm、内径φ28.5mm、長さ260.5mm、振れ精度100μm、表面粗さRz10μmのアルミニウム素管を100本準備した。
【0039】
この素管を施盤に装着し、ダイヤモンド焼結バイトにて、外径30.0±0.02mm、振れ精度15μm、表面粗さRz=0.2μmになるように切削加工した。この時の主軸回転数は3000rpm、バイトの送り速度は0.3mm/revで加工時間はワークの着脱を除き24秒であった。
【0040】
表面粗さの測定は、JIS B 0601に準拠し小坂研究所表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmで行った。
【0041】
得られたアルミニウム切削管に対して、図1に示す液体(湿式)ホーニング装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にて液体ホーニング処理を行った。
【0042】
<液体ホーニング条件>
研磨材砥粒=球状アルミナビーズ平均粒径30μm
(商品名:CB−A30S、昭和電工株式会社製)
懸濁媒体=水
研磨材/懸濁媒体=1/9(体積比)
アルミニウム切削管の回転数=1.67S-1
エアー吹き付け圧力=0.15MPa
ガン移動速度=13.3mm/sec.
ガンノズルとアルミニウム管の距離=200mm
ホーニング砥粒吐出角度=45°
研磨液投射回数=1回(片道)
【0043】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax2.53μm、Rz1.51μm、Ra0.23μm、Sm34μmであった。上記の様にして湿式ホーニング処理を施した直後にアルミニウムシリンダーをいったん純水を張った浸漬槽に浸漬し、引き上げ、シリンダーが乾燥する前に純水シャワー洗浄を施した。その後、図3に示す乾燥機構を用い、吐出ノズル26より85℃の温水を基体の内表面に吐出、接触させ、外表面を乾燥させた。その後、自然乾燥にて基体内表面を乾燥させた。
【0044】
ここで、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察を行った。
【0045】
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)10質量部、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)社製)30質量部をメタノール400質量部/n−ブタノール200質量部の混合溶媒中に溶解した塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間熱風乾燥させ、膜厚が0.68μmの下引き層を形成した。
【0046】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニルフタロシアニン顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業製)2質量部、シクロヘキサノン60質量部からなる溶液を1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで4時間分散した後、エチルアセテート100質量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を中間層上に浸漬塗布し、95℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0047】
次に、下記式で示されるアミン化合物9質量部、
【0048】
【化1】
下記式で示されるアミン化合物1質量部、
【0049】
【化2】
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10質量部をモノクロロベンゼン70質量部/ジクロロメタン30質量部の混合溶媒に溶解した。この塗料を浸漬法で塗布し、120℃で1時間乾燥し、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
【0050】
このようにして作製した電子写真感光体を、ヒューレット・パッカード(株)製プリンターLaserJet 4000に装着して、黒画像、白画像、ハーフトーン画像をそれぞれ出して、画像評価を行った。
【0051】
黒点の判定は、ドラム一回転分に相当する白画像上の欠陥個数・大きさで以下のような基準で行い、△又は△×の発生率を以って評価とした。
○:直径1mm未満の黒点が3個以内
△:直径1mm未満の黒点が5個以内、又は直径1mm以上の黒点が1個
△×:直径1mm未満の黒点が6個以上、又は直径1mm以上の黒点が2個以上
【0052】
濃度ムラの判定は、ハーフトーン画像(黒線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向それぞれ走査したものを使用)において以下のように判定し、△の発生率を以って評価とした。
○:ムラが確認できない場合
△:ムラが確認できる場合
(実施例2)
電荷発生材料として、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料9質量部をポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)3質量部をシクロヘキサノン100質量部に溶解した液に添加し、1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで6時間分散し、これに100部のエチルアセテートを加えて電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を電荷発生層の塗工液とし、中間層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0053】
参考例3)
実施例1と同様のホーニング処理、洗浄を実施した後に、図3に示す乾燥機構を用い、吐出ノズル26より100℃の温風を基体の内表面に吹き付け、外表面を乾燥させた。
【0054】
その後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察を行い、続いて実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0055】
参考例4)
実施例1と同様のホーニング処理、洗浄を実施した後に、図3に示す乾燥機構を用い、吐出ノズル26より100℃の温風を基体の内表面に吹き付け、外表面を乾燥させた。
【0056】
その後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察を行い、続いて実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0057】
(比較例1)
実施例1と同様のホーニング処理、洗浄を実施した後に、85℃の温水に浸漬後引き上げ、自然乾燥させた後シリンダー表面観察を行った以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0058】
(比較例2)
実施例1と同様のホーニング処理、洗浄を実施した後に、85℃の温水に浸漬後引き上げ、自然乾燥させた後シリンダー表面観察を行った以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
評価の結果、表1及び表2に示すとおり、本発明を用いた実施例のアルミニウムシリンダーには、砥粒等の付着、痕跡は認められず、それを用いた電子写真装置で出力した画像については黒点や濃度ムラの等の画像欠陥は無かった。なお、表1では作製した各100本のサンプルについて、黒点及び濃度ムラの発生率を表している。
【0062】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、基体洗浄後の乾燥工程において、乾燥媒体の清浄度を高く保つことを必要とせずに、研磨剤(砥粒)や研磨液が基体表面を流れた痕跡等の無い電子写真感光体用円筒状基体の製造方法を提供することができ、そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用した際に、画像上に白抜け、黒点、濃度ムラ等の発生の無い良好な画像を得ることができる電子写真感光体用基体、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液体ホーニング装置の概略構成図である。
【図2】本発明に使用される液体ホーニング拡大構成図である。
【図3】本発明における円筒状基体を乾燥させる装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 ホーニングのノズル
2 エアー供給管
3 ホーニング液循環管
4 ワーク(円筒基体)
5 ワーク置き台
6 ワーク回転モータ
7 ホーニング液
8 攪拌モータ
9 攪拌用プロペラ
10 ホーニング液回収管
11 ホーニング液循環ポンプ
12 ノズル移動方向
13 ホーニング砥粒
24 基体把持具
25 被処理基体
26 吐出ノズル
27 供給配管
28 置き台

Claims (5)

  1. 電子写真感光体用円筒状基体液体を用いて洗浄した後の、該円筒状基体を乾燥させる乾燥工程として、該円筒状基体の内表面に加熱した液体を接触させ、該円筒状基体の外表面の液体を揮発させることによって該円筒状基体を乾燥させる工程を有することを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
  2. 電子写真感光体用円筒状基体液体を用いて洗浄した後の、該円筒状基体を乾燥させる乾燥工程として、該円筒状基体の内表面に温水を接触させ、該円筒状基体の外表面の液体を揮発させることによって該円筒状基体を乾燥させる工程を有することを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
  3. 前記洗浄の前に、前記円筒状基体の外表面が粗面化されている請求項1又は2に記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法にて製造された電子写真感光体用の円筒状基体上に感光層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  5. 請求項に記載の製造方法にて製造されたことを特徴とする電子写真感光体。
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