JP2004077505A - 電子写真感光体用基体の処理方法、電子写真感光体並びにそれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体用基体の処理方法、電子写真感光体並びにそれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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高木 則行
Yoichi Kawamorita
川守田 陽一
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高市 桃介
Hideaki Nagasaka
長坂 秀昭
Yasuhiro Kawai
川井 康裕
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Abstract

【課題】ベタ画像上に白抜け、黒点、濃度ムラなどの発生の無い良好な画像を得ることができる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】円筒状の電子写真感光体用基体の表面に向け研磨剤および砥粒を噴射して該表面を粗面化することにより該基体を処理するに際し、該基体の母線軸に対する噴射砥粒中心軸の噴射角度を75〜90°の角度に維持する。前記砥粒を噴射するガンのノズル先端穴形状が略長方形または楕円形である。前記砥粒の噴射時に前記基体表面に前記砥粒が衝突する範囲が分極する場合において、前記基体の周方向に前記衝突範囲に隙間ができないように、前記ノズル先端穴の長軸を前記基体母線方向から傾斜させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体用基体の処理方法、電子写真感光体並びにそれを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置は、高速でかつ高印字品質が得られ、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において利用されている。電子写真装置に用いられる感光体として、有機の光導電材料を用いた有機感光体(OPC)の開発が進められ普及してきている。また感光体の構成も電荷発生能と電荷輸送能をもつ材料からなる単層型の感光体から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の感光体構成へと変遷し、性能が向上してきた。この機能分離型感光体構成において現在では、アルミニウム基材の上に、下引き層を形成しその後電荷発生層、電荷輸送層を形成する構成が主流となっている。
【0003】
また、電子写真装置の進歩に伴い、感光体の性能においてより高品位な画質が要求されるようになってきた。感光体の繰り返し安定性や環境安定性の改善に対しては、電荷発生層、電荷輸送層および下引き層のいずれの層も感度・画質や繰り返し安定性など電子写真特性それぞれに重要な影響を与えている。さらに基材はコスト低減や画質欠陥の改善などを目的として、押し出し管やED管、EI管など各種のものが用いられるようになってきた。
【0004】
一般に、レーザープリンター用の電子写真感光体用基体を製造する場合、熱間押し出しによる素管製造後、冷間引抜きにより素管の振れ抑制および外径精度を得ていたり、あるいは旋盤によりダイヤモンド切削バイトで素管を切削加工し、素管の振れ抑制と外径精度を出し、その際、表面をなるべく平滑にするためにバイトの送り量を少なくしたりしなければならず、1本の素管を切削するのに時間が掛かり、また、このようにして切削加工された切削管や引抜き管に、レーザー光が基体に反射して引き起こす干渉縞を防止するため、何らかの手段による粗面化が必要である。この粗面の粗さは形状にもよるが、およそ十点平均粗さRz0.6μm以上が必要である。しかし、切削加工では、切削の粗さが規則的であるため干渉縞は消えても切削のスジとレーザー光との干渉によるモアレ現象が起きてしまう。
【0005】
他に粗面化の方法としてはホーニング処理があり、乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式(液体)ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨材の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理(乾式ブラスト処理)は、研磨材をエアにより、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる研磨材としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレススチール、鉄、ガラスビーズ、プラスティックショット等の粒子があげられる。
【0006】
しかし、乾式ホーニングや不定形アルミナ砥粒を用いた液体ホーニングでは、砥粒が基体表面に突き刺さり易く、感光体を作製したときに画像に黒点として現れてしまうことがある。研磨材としては、球状アルミナ砥粒、ジルコニア砥粒、SUS砥粒等を用いた液体ホーニング処理方法にて、基体を粗面化した後、感光層を形成して、電子写真感光体を作製するのが一般的である。
【0007】
このように、ホーニング処理、ブラスト処理は適度な粗面を低コストで得る技術である。しかし、最近の電子写真においては更に高精細化が求められており、これまでのホーニング処理では、品質面において満足のいく電子写真感光体用基体を供給できない場合が出てきている。先ず挙げられるのは、粗面加工のムラである。
【0008】
このムラに対しては、被加工物面に対して噴射砥粒を垂直に当てるよりも角度を小さくして斜めに当てると、砥粒噴射時の加工面積が広がるなどしてムラが出にくくなる傾向にある。しかしながら、斜めに当てることで微細な突起の発生が増える傾向になる。微細な突起とは、「ササクレ」等の呼称が与えられて感光層形成時に感光層膜が凝集する核となったり、絶縁破壊強度の低下の因子になったりして、感光体製造時の品質維持、収率の維持のいずれにも問題になるものである。発生原因は、研磨剤や砥粒によって不定形に延展されたアルミ片が基体表面に隆起して観察される不具合と考えられ、形状、サイズとも多岐にわたる。比較的大きなササクレは、電子写真感光体製造時の洗浄工程で剥がれ落ちることもあるが、数μm〜数十μmのササクレは、事前に確認されにくいことも含め、ホーニング処理、ブラスト処理を高精細化した電子写真装置に供給される電子写真感光体用の基体の粗面化技術として定着させる妨げになっていた。
【0009】
このササクレの問題解決手段としては、特開平06−67441号公報ではホーニング処理を多段処理とすることによりミクロンオーダーの凸凹を除去する技術が開示されている。しかし、当該手段では、ホーニング工程で発生するササクレを本質的に避けることは出来ない。また特開平08−82939号公報では、感光層塗布前の基体を無塵性の布、紙、スポンジ、研磨テープ等で拭く事が開示されている。この手段は、ササクレを除去する手段としては効果的だが、除去したササクレ片が再付着して、結果的に良好な感光体は得られず、満足な結果は得られない。また、これらの手段を講じることでコストの上昇が懸念される。
【0010】
そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用すると、前述のようにベタ画像上に白抜け、黒点、濃度ムラなどの画像欠陥が発生するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述の問題点について考慮しなされたものであり、本発明の目的は粗面化処理をする基体において基体表面にササクレの無い電子写真感光体用基体を提供することであり、そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用した際に、ベタ画像上に白抜け、黒点、濃度ムラなど画像欠陥の発生の無い電子写真感光体及び、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に従って、円筒状の電子写真感光体用基体の表面に向け研磨剤および砥粒を噴射して該表面を粗面化することにより該基体を処理する方法において、該基体の母線軸に対する噴射砥粒中心軸の噴射角度が75〜90°の角度であることを特徴とする電子写真感光体用基体の処理方法が提供される。また、本発明の電子写真感光体用基体を用いて得られる電子写真感光体並びに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真感光体基体の製造方法は、図1に示すように、引抜き管または切削管の表面を球状アルミナ砥粒やジルコニア砥粒等を用い、被加工物(アルミシリンダー基体)の面に砥粒を噴射して液体ホーニング後、得られた基体上に感光層を形成する。
【0014】
図1に示す液体ホーニング方法は、砥粒を液体に懸濁させて被加工物に細いホーニング用ノズル1の先からエア圧で噴射させて表面をあらす方法で、懸濁媒体としては一般的に水を用いて、メディア(砥粒)としてはアルミナ砥粒、ジルコニア砥粒、SUS砥粒等が用いられる。この液体ホーニングに用いられる砥粒の粒径は、5μmから数100μm程度である。これらの種類、粒径等は使用目的に応じて使い分けられている。
【0015】
これらのメディア(砥粒)を懸濁媒体(主に水)に対して2%から30%の割合で混合させる。メディア(砥粒)の割合が少なすぎると加工の効率が落ちてしまい、多すぎるとホーニング液7の流動性が悪くなりノズルからの噴射量が少なくなり、あるいは出なくなってしまう。
【0016】
液体ホーニングは、砥粒を懸濁させたホーニング液7をポンプ11で循環し、ノズルの先から噴射させ、被加工物4に投射するのであるが、毎分5リットルから50リットル程度の循環量では、懸濁液が被加工物に当たっても表面の粗さはあまり変わらない。噴射時のエアの圧力により、大きく粗さが変化する。このエア圧力は一般には0.01MPaから0.6MPa程度である。この範囲以下では、加工の効率が落ち、この範囲以上では表面粗さが大きくなり過ぎる傾向にある。
【0017】
球状アルミナの砥粒を用いた場合、平均粒径が20〜30μmで、粒度分布としては、2〜40μmの粒径のものが含まれる。ある程度粒度分布がシャープなものを製造することは、可能ではあるが完全に小粒径の砥粒を無くす事は出来ないし、コストが高くなってしまう。
【0018】
ノズル1先端と被加工物4との距離は、近いほど効率がよいが、一般的に、円筒状のものを回転させながらノズル1を移動させていく方法では、ノズルを近付け過ぎると加工ムラがでてしまうため、10mmから400mmの距離で加工を行なっている。ノズル1の移動速度は、毎分0.2mから2m程度であり、一般に被加工物を回転させながら、ノズルを移動させてホーニングする方法が用いられる。回転数は速い程ムラが出にくいが、(1/2)s−1から10s−1程度が好ましく、ノズルの移動速度に合わせて調節する。ノズルから噴射された砥粒は、同時に噴射された水の影響で被加工物にソフトに衝突する。そのため、懸濁媒体(水)を用いない乾式サンドブラスト方法よりも、砥粒の衝撃が少なく、従って加工する表面の粗さは、乾式サンドブラスト方法よりも同じ条件では少なく、砥粒の割れる割合も少ない。
【0019】
尚、乾式サンドブラスト方法や液体ホーニング方法では、一般に表面をあらすということは表面を削ると考えられているが、実際には殆ど表面は削れておらず、主に砥粒が衝突した衝撃で表面が塑性変形を起こし凹んでいるのである。特に球状の砥粒を用いた場合にはその傾向が強い。
【0020】
それゆえに乾式サンドブラスト方法や液体ホーニング方法では表面に隈無く砥粒を噴射すれば、それ以上は同じ条件で砥粒を当てても表面の粗さは殆ど変化しないのである。
【0021】
また、通常ホーニングやブラストによる粗面化の場合、被加工物面に対して噴射砥粒を垂直に当てるよりも角度を小さくして斜めに当てると、砥粒噴射時の加工面積が広がるなどしてムラが出にくくなる傾向にあるが、一方微細な突起であるササクレの発生が増える傾向になる。
【0022】
そこで、このササクレの発生を抑えるため、あえて円筒状基体母線軸に対する噴射砥粒中心軸の噴射角度を75〜90°の角度に維持して噴射する(図2)。このとき砥粒噴射時の加工面積は狭くなり、このままだと加工ムラの発生を招き易い。そこで該加工面積を広げる手段としてガンのノズル径を大きくすることが考えられるが通常のノズル先端穴形状は円形であるため、この方法だと、加工面積は多少広がるものの図3に示すように円筒状基体に当たらない砥粒の割合が大きくなり、加工効率の低下が起こる。
【0023】
そこで図4に示すようにガンのノズルの先端穴形状を略長方形または楕円形になるように工夫することで砥粒噴射時の加工面形状を細長くすることができ、円筒状基体に当たらない砥粒の割合を減らすことができる。ところがその弊害として噴射砥粒が図5に示すように細長い加工面の端部に分極するという傾向に陥ってしまう。このような状態で加工すると円筒状基体の周方向において砥粒の衝突の希薄な部分が発生し加工ムラとなり、このような基体を用いて作製した電子写真感光体を使用した場合、画像上に濃度ムラとして画像欠陥が発生する。
【0024】
そこで更に、基体周方向に該衝突範囲に隙間ができないように、図6に示すように、ノズル先端穴長軸を基体母線方向から傾斜させることで、加工ムラをなくすことができる。図7はノズル先端穴を傾斜させることにより加工ムラが解消されることを示す図である。
【0025】
このように、問題を解決することで、ササクレの無い、加工ムラの無い電子写真感光体用基体が比較的低コストを維持しつつ、提供できる。
【0026】
液体ホーニングによる基体表面の粗面化工程、すなわち研磨工程の後、基体上に感光層を形成する前に通常表面の洗浄を行い、付着した研磨材(砥粒)、研磨液、ごみ、油系物質、人の指紋等の除去を行なう。
【0027】
本発明の電子写真感光体用基体を用いて感光体を作製する場合、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなる積層構造型のもの、あるいは1層の中に電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型のものがある。
【0028】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生材料としては、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン等を用いることができる。
【0029】
特に、デジタル用電子写真感光体の場合、これらの電荷発生材料の中で、赤外レーザー、可視光レーザーへの対応において、波長への感光依存性の広さから、フタロシアニン系が優れている。さらに、フタロシアニン系の中でもオキシチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがその感度の高さからさらに優れていると言える。
【0030】
また、本発明の感光体に使用される電荷輸送材料としては、例えば各種ヒドラゾン類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン系化合物、トリアリルアミン系化合物、ポリアリールアルカン類などの化合物の中から選択される。
【0031】
これらの電荷発生材料や電荷輸送材料は、真空蒸着あるいは適当な結着樹脂と組み合わせて、基体上に塗工して成膜を行うことで感光層とする。
【0032】
感光層の結着樹脂としては、例えばポリビニールアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
【0033】
本発明の電子写真感光体においては、感光層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構成される。保護層を構成する材料としては、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などがあげられる。
【0034】
これらの樹脂中には、クリーニング性、耐摩耗性などの改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビリニデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコン系グラフトポリマー、シリコン系オイルなどの潤滑剤や、保護層の抵抗制御の意味で酸化スズ粉体や導電性酸化チタンなどを分散させることも可能である。
【0035】
保護層の膜厚は、0.05μmから15μm、特には1μmから10μmが好ましい。
【0036】
本発明の導電性基体と感光層の間にバリアー機能と下引き機能を持つ下引き層を設けることもできる。
【0037】
下引き層は感光層の接着性改良、基体の保護、基体からの電荷注入性改良、感光体の電気的破壊に対する保護等のために形成することができる。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチンなどが使用される。
【0038】
また、無機高分子化合物を用いたゾルゲル法による下引き層も用いてもよい。これらは、ジルコニウムとシラン化合物の混合物、シラン化合物およびジルコニウム化合物にセルロース樹脂を添加したもの、ブチラール樹脂をジルコニウムおよびシランの無機成分に添加した塗工液などがある。
【0039】
また、下引き層の代わりに表面を、クロム酸を用いるクロメート化成処理、またはチタニウム塩やジルコニウム塩を用いるノンクロメート化成処理を行い下引き層の代わりとしてもよい。
【0040】
本発明の該感光体用基体に感光層を塗布する方法としては、浸漬塗布法、ブレードコーティング法、バーコート法、スプレーコート法などがある。
【0041】
本発明の該感光体用基体上に感光層を設ける場合に、その膜厚は単一層構造の場合、5μmから100μmが好ましく、特には10μmから60μmが好ましい。感光層が積層構造の場合、電荷発生層の厚さは0.001μmから5μm、特には0.05μmから2μmが好ましく、電荷輸送層の厚さは1μmから40μm、特には10μmから30μmが好ましい。
【0042】
本発明に依る電子写真感光体は電子写真複写機、レーザービームプリンター等のほかCRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、ファクシミリ、レーザー製版等の電子写真応用技術に広く用いることができる。
【0043】
次に、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群の少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジが形成される。また、前記電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置が形成される。
【0044】
図8は本発明に係る電子写真装置の一例の概略構成を示す図である。図において、14は電子写真感光体、15は帯電手段、16は像露光光、17は現像手段、18は転写手段、19は転写材、20は定着手段、21はクリーニング手段、22はプロセスカートリッジ枠体、23は案内手段、および24は軸を示す。
【0045】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0046】
本発明で言う表面粗さに関して、測定については、JIS B 0601(1994)に準じ小坂研究所表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmで行った。
【0047】
なお、算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、凹凸の平均間隔SmはJIS B 0601(1994)での設定における値を示し、最大高さRmaxはRmaxD、すなわちRmaxDINを示す。
【0048】
実施例1
A3003の外径φ30.0mm、内径φ28.5mm、長さ260.5mm、振れ精度30μm、表面粗さRz=0.8μm、RmaxD=4μm以下のアルミニウムシリンダー(ED管)を準備した。
【0049】
このアルミニウム管に対して、図1に示す液体(湿式)ホーニング装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にて液体ホーニング処理を行った。
(液体ホーニング条件)
研磨材砥粒=球状アルミナビーズ平均粒径30μm
(商品名:CB−A30S、昭和タイタニウム株式会社製)
懸濁媒体=水
研磨材/懸濁媒体=1/9(体積比)
アルミニウム管の回転数=3.33s−1
ガンノズル先端穴形状=図4−A
ガンノズル先端穴長軸傾斜角度=45°
エア吹き付け圧力=0.18MPa
砥粒の噴射角度=90°
ガン移動速度=10mm/sec.
ガンノズルとアルミニウム管の距離=100mm
ホーニング液噴射回数=1回(片道)
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmaxD=2.32μm、Rz=1.48μm、Ra=0.22μm、Sm=29μmであった。上記の様にして湿式ホーニング処理を施した直後に純水シャワー洗浄し、80℃の温純水に浸漬後引き上げ、自然乾燥させた。
【0050】
ここで、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察を行った。
【0051】
ササクレは、いずれも確認できなかった。
【0052】
次にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)10部、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)社製)30部を、を、メタノール400部、n−ブタノール200部の混合溶媒中に溶解した塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間熱風乾燥させ、膜厚0.68μmの下引き層を形成した。
【0053】
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピークを有するチタニルフタロシアニン顔料4部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業製)2部、シクロヘキサノン60部からなる溶液を1mmφのガラスビーズ入りサンドミルで4時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。
【0054】
この分散液を中間層上に浸漬塗布し、95℃で10分間加熱乾燥することにより、電荷発生層を形成した。電荷発生層の膜厚は0.3μmであった。
【0055】
次に下記構造式のアミン化合物9部、
【0056】
【化1】
Figure 2004077505
下記構造式のアミン化合物1部、
【0057】
【化2】
Figure 2004077505
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200,三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部、ジクロロメタン30部の混合溶媒に溶解した。この塗料を浸せき法で塗布し120℃で1時間乾燥し厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
【0058】
このようにして作製した本発明の電子写真感光体を、ヒューレット・パッカード(株)製プリンターLaser Jet 4000に装着して、黒画像、白画像、ハーフトーン画像をそれぞれ出して、画像評価を行なった。
【0059】
黒点の判定は、ドラム一回転分に相当する白画像上の欠陥個数、大きさで以下のような基準で行った。
○  :直径0.6mm未満の黒点が3個以内
○△ :直径0.6mm未満の黒点が4個以上
△  :直径0.6mm以上、0.8mm未満の黒点が1個
×  :直径0.6mm以上、0.8mm未満の黒点が2個以上、または0.8mm以上の黒点が1個以上
ハーフトーン画像は黒線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向それぞれ走査したものを使用した。
【0060】
濃度ムラの判定は、ハーフトーン画像において以下のように行った。
○ :ムラが確認できない場合
○△:ムラが確認できる場合(実用範囲内にある)
△ :ムラが確認できる場合
【0061】
実施例2
湿式ホーニング処理する際に、基体母線軸に対する噴射砥粒中心軸の噴射角度を75°で行った以外は実施例1と同様に粗面化処理した後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察の結果、ササクレは確認できなかった。その後、同様に電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0062】
実施例3
湿式ホーニング処理する際に、ガンノズル先端穴形状を図4−Cのように換えた以外は実施例1と同様に粗面化処理した後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察の結果、ササクレは確認できなかった。その後、同様に電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0063】
実施例4
湿式ホーニング処理する際に、ガンノズル先端穴形状が円形のもので行った以外は実施例1と同様に粗面化処理した後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察の結果、ササクレは確認できなかった。その後、同様に電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0064】
実施例5
湿式ホーニング処理する際に、ガンノズル先端穴長軸傾斜角度を0°、すなわち傾斜なしで行った以外は実施例1と同様に粗面化処理した後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察の結果、ササクレは確認できなかった。その後、同様に電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0065】
比較例1
湿式ホーニング処理する際に、砥粒の噴射角度を45°にし、ガンノズル先端穴形状が円形のもので行った以外は実施例1と同様に粗面化処理した後、シリンダーを肉眼で目視観察及び、光学顕微鏡にて表面の観察の結果、ササクレは確認できた。その後、同様に電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
【0066】
評価の結果、表1に示すとおり、本発明を用いた実施例の円筒状基体(アルミシリンダー)には、ササクレは認められず、それを用いた電子写真装置で出力した画像については黒点、濃度ムラなどの画像欠陥は無いか、あるいは実用上問題になるものではなかった。
【0067】
【表1】
Figure 2004077505
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、円筒状の電子写真感光体用基体の表面に向け研磨剤や砥粒を噴射して該表面を粗面化することにより該基体を処理する方法において、該基体の母線軸に対する噴射砥粒中心軸の噴射角度を75〜90°に維持して噴射し電子写真感光体用基体を処理することにより、ササクレの無い、加工ムラの無い電子写真感光体用基体が比較的低コストを維持しつつ提供できた。また、そのような円筒状基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用した際に、ベタ画像上に白抜け、黒点、濃度ムラなどの発生の無い良好な画像を得ることができる電子写真感光体用基体、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液体ホーニング装置の概略構成図。
【図2】本発明に使用される液体ホーニング拡大構成図。
【図3】本発明における加工効率低下を示す図。
【図4】本発明におけるガンのノズル先端穴形状図。
【図5】本発明における分極した加工面形状と加工ムラを示す図。
【図6】本発明におけるガンノズル先端穴を示す図。
【図7】本発明におけるノズル先端穴を傾斜させることにより加工ムラが解消されることを示す図。
【図8】本発明に係る電子写真装置の一例の概略構成図。
【符号の説明】
1 ホーニング用ノズル
2 エア供給管
3 ホーニング液循環管
4 被加工物(円筒基体)
5 被加工物置き台
6 被加工物回転モータ
7 ホーニング液
8 撹拌モータ
9 撹拌用プロペラ
10 ホーニング液回収管
11 ホーニング液循環ポンプ
12 ノズル移動方向
13 ホーニング砥粒
14 電子写真感光体
15 帯電手段
16 像露光光
17 現像手段
18 転写手段
19 転写材
20 定着手段
21 クリーニング手段
22 プロセスカートリッジ枠体
23 案内手段
24 軸

Claims (7)

  1. 円筒状の電子写真感光体用基体の表面に向け研磨剤および砥粒を噴射して該表面を粗面化することにより該基体を処理する方法において、該基体の母線軸に対する噴射砥粒中心軸の噴射角度が75〜90°の角度であることを特徴とする電子写真感光体用基体の処理方法。
  2. 前記砥粒を噴射するガンのノズル先端穴形状が略長方形であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体用基体の処理方法。
  3. 前記砥粒を噴射するガンのノズル先端穴形状が楕円形であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体用基体の処理方法。
  4. 前記砥粒の噴射時に前記基体表面に前記砥粒が衝突する範囲が分極する場合において、前記基体の周方向に前記衝突範囲に隙間ができないように、前記ノズル先端穴の長軸を前記基体母線方向から傾斜させることを特徴とする請求項2または3記載の電子写真感光体用基体の処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの方法により得られた電子写真感光体用基体の表面上に感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
  6. 請求項5に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項5に記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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