JP3913168B2 - 支持体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

支持体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体用の支持体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、特定の表面粗さを有する支持体の製造方法、該製造方法により製造された支持体を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真装置に用いられる電子写真感光体として、有機光導電性物質を用いた有機電子写真感光体(OPC)の開発が進められ、普及している。
【0003】
また、電子写真感光体の構成としては、アルミニウムやアルミニウム合金などの導電性の支持体上に感光層を設けた構成が主流である。
【0004】
電子写真装置の進歩に伴い、より高品位な画質が要求されるようになってきており、支持体については、コスト低減や画質欠陥の改善などを目的として、押し出し管やED管(引き抜き管)、EI管などが用いられるようになってきた。
【0005】
ED(Extrusion Drawing)管とは、先端を潰して細くした長い素管を外形の決まったダイスの中を引っ張って通し、素管の外形を減少させ、表面精度を出す冷間加工方法によって得られる管である。また、EI(Extrusion Ironing)管とは、素管の外形をダイスで扱き加工をして、素管の外形と表面精度を出す冷間加工方法によって得られる管である。
【0006】
電子写真感光体の支持体を製造する場合、熱間押し出しによる素管製造後、冷間引き抜きにより素管の振れ・外径の精度を出し、あるいは、旋盤によりダイヤモンド切削バイトで素管を切削加工して素管の振れ・外径の精度を出す。その際、表面をなるべく平滑にするためにはバイトの送り量を少なくしなければならず、1本の素管を切削するための時間が長くなる(数分程度)。また、画像露光光としてレーザー光を採用する電子写真装置に電子写真感光体を搭載する場合、レーザー光が支持体に反射して起こる干渉縞を防止しなければならない。
【0007】
そこで、素管(円筒状部材)から支持体を製造するためには、引き抜きや切削加工後の素管(円筒状部材)の表面を粗面化処理する必要がある。粗面化後の表面粗さはRzで0.6μm以上は必要である。
【0008】
粗面化処理としては、湿式または乾式ホーニング処理が挙げられる。
【0009】
湿式ホーニング処理とは、水などの液体に粒子状の研磨材(砥粒)を懸濁させ、高速度で素管(円筒状部材)に吹き付けて、素管(円筒状部材)表面を粗面化する処理であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、砥粒の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度などにより制御することができる。
【0010】
乾式ホーニング処理とは、砥粒をエアにより、高速度で素管(円筒状部材)表面に吹き付けて、素管(円筒状部材)表面を粗面化する処理であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。
【0011】
これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる砥粒としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ、プラスティックショットなどの粒子が挙げられる。
【0012】
しかしながら、乾式ホーニング処理では、素管(円筒状部材)の元々の表面粗さや傷などの影響を受けやすく、また、その傷が消えにくい。
【0013】
そのため、最近ではアルミニウムの押し出し管を旋盤により切削加工した後、砥粒として、球状アルミナ砥粒、ジルコニア砥粒、SUS砥粒などを用いた湿式ホーニング処理にて素管(円筒状部材)を粗面化して支持体とした後、該支持体上に感光層を形成して、電子写真感光体を作製するのが一般的である。
【0014】
しかしながら、旋盤による切削加工方法は、表面粗さや表面のうねりの制御方法が比較的難しい。旋盤によりアルミニウムパイプの表面を切削するときに、ダイヤモンドバイトを用いて切削するが、パイプまたはバイト1回転に付きバイトの移動する量(=切削ピッチ)が大き過ぎると表面にうねりを生じ、少な過ぎると加工時間が掛かりすぎてコストアップになってしまうのである。
【0015】
また、特殊な形状の単結晶ミラクルバイトなどを用いて切削加工を行えば、面粗さが小さく鏡面のような表面状態に切削が可能であるが、この方法では加工に時間が掛かり、また、単結晶ミラクルバイトは高価であるため、コスト的に不利になり、あまり用いられない。
【0016】
また、通常の旋盤以外に特開平6−328301号公報や特開平6−328303号公報に開示されているようなバイト回転切削方法を用いることもできる。
【0017】
通常の切削加工は切削する素管(円筒状部材)の大きさにもよるが、2000〜10000rpmの回転数でR0.5〜20バイトにおいて切削ピッチが0.02mm〜0.2mm程度の範囲であれば表面の粗さやうねりは少なく、うねり周期もあまり問題にならない。
【0018】
しかしながら、切削ピッチが大き過ぎたり、切削する厚み量(切れ込み量)が多すぎたりすると、切削ピッチが粗くなり、アルミシリンダー表面にうねりを生じ、その後、素管(円筒状部材)表面をホーニング加工して表面を粗面化して支持体を作製しても、このうねりが消えないのである。
【0019】
そして、このうねりを生じたまま支持体上に感光層を塗布して電子写真感光体を作製し、電子写真装置に組み込んで画像を出力すると、このうねりが画像にスジ状に現れる場合がある。
【0020】
一方、切削ピッチを非常に小さくすると、1本の素管(円筒状部材)を切削加工するのに時間が掛かり過ぎてコストアップになってしまう。
【0021】
ここでいう「うねり」とは、JISB0610−1987による、ろ波うねり曲線のことで、被測定面に直角な平面で被測定面を切断したときのその切り口に現れる輪郭(断面曲線)から波長が短い粗さの成分を低域フィルタによって除去して得られる曲線のことである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、素管(円筒状部材)を切削加工して、その後、ホーニング加工などによって表面加工することで作製された支持体の表面にうねりがあっても、出力された画像にうねりやスジなどが現れない電子写真感光体、それに用いる支持体を提供することであり、また、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、素管の外周面を粗面化する粗面化工程を有する支持体の製造方法であって、該支持体の表面粗さのRmaxDINが0.4〜5.0μm、Rzが0.4〜4.0μm、Raが0.05〜0.5μm、Smが31〜80μmである支持体の製造方法において、
該素管の表面のろ波うねりのWcmがcutoff fh 0.08mmで0.5μm以下で、かつ、Wc−Smが0.5mm以下または3mm以上であることを特徴とする支持体の製造方法である。
【0024】
また、本発明は、上記支持体の製造方法により製造された支持体上に感光層を有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0025】
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0026】
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
【0027】
なお、上記素管は、切削加工された素管であることが好ましい。
【0028】
また、上記粗面化工程は、湿式ホーニング処理または乾式ブラスト処理によって上記素管の外周面を粗面化する工程であることが好ましい。
【0029】
なお、本発明のうねりの規定範囲は、粗面化前の素管うねりであって、粗面化(湿式ホーニング処理や乾式ブラスト処理など)後のうねりの数値ではない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0031】
本発明の電子写真感光体用の支持体の製造方法の一例を図1〜3に示す。
【0032】
図1および2に示すように、支持体とする押し出し素管の表面を旋盤によりダイヤモンドバイトを用いて切削加工した後、図3に示すように、素管の表面を球状アルミナ砥粒やジルコニア砥粒、ガラスビーズ、SUS砥粒などを用いて素管に砥粒を吐出する湿式ホーニング処理によって支持体を作製後、該支持体を洗浄、乾燥して、感光層などの層を形成していく。
【0033】
図3に示す湿式ホーニング処理は、砥粒を液体に懸濁させて被処理物である素管に細いノズル1の先からエア圧で投射させて該素管の表面を粗面化する方法で、懸濁媒体としては水、砥粒としてはアルミナ砥粒、ジルコニア砥粒、SUS砥粒などが一般的である。この湿式ホーニングに用いられる砥粒の粒径は、5μmから数100μm程度である。これらの種類、粒径などは使用目的に応じて使い分けられている。
【0034】
湿式ホーニング処理によって支持体を作製した後は、支持体表面を水洗後、温浴乾燥させる。
【0035】
本発明の製造方法で製造された支持体上に感光層などの層を形成して電子写真感光体を作製する場合、感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とを単一の層に含有させた単層型感光層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層が挙げられる。積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層とがある。電子写真特性的には、積層型感光層が好ましく、その中でも順層型感光層がより好ましい。
【0036】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、ピリリウム染料、チアピリリウム染料、フタロシアニン顔料、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニンなどが挙げられる。
【0037】
特に、デジタル用電子写真感光体の場合、これらの電荷発生物質の中でも、赤外レーザー、可視光レーザーへの対応において、波長への感光依存性の広さから、フタロシアニン顔料が優れており、さらに、フタロシアニン顔料の中でもオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがその感度の高さから特に優れている。
【0038】
また、本発明の電子写真感光体に使用される電荷輸送物質としては、例えば、各種ヒドラゾン類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物、トリアリルアミン化合物、ポリアリールアルカン類などが挙げられる。
【0039】
これらの電荷発生物質や電荷輸送物質は、真空蒸着あるいは適当な結着樹脂と組み合わせて、支持体上に塗工して成膜を行うことで感光層とする。
【0040】
感光層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニールアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
【0041】
感光層を塗布により形成する方法としては、例えば、浸漬塗布法、ブレードコーティング法、バーコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0042】
単層型感光層の場合、その膜厚は5〜100μmが好ましく、特には10〜60μmがより好ましい。積層型感光層の場合、電荷発生層の膜厚は0.001〜5μmが好ましく、特には0.05〜2μmがより好ましく、電荷輸送層の膜厚は1〜40μmが好ましく、特には10〜30μmがより好ましい。
【0043】
本発明の電子写真感光体においては、感光層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構成される。
【0044】
保護層を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0045】
これらの樹脂中には、クリーニング性、耐摩耗性などの改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビリニデン、フッ素原子含有グラフトポリマー、ケイ素原子含有グラフトポリマー、シリコンオイルなどの潤滑剤や、保護層の抵抗制御の意味で酸化スズ粉体や導電性酸化チタンなどを分散させることも可能である。
【0046】
保護層の膜厚は、0.05〜15μmが好ましく、特には1μmから10μmがより好ましい。
【0047】
支持体と感光層との間には、バリアー機能や下引き機能を有する中間層を設けることもできる。中間層は、感光層の接着性改良、支持体の保護、支持体からの電荷注入性改良、電子写真感光体の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
【0048】
中間層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチンなどが挙げられる。
【0049】
また、無機高分子化合物を用いたゾルゲル法による中間層も採用してもよい。これには、ジルコニウムとシラン化合物の混合物、シラン化合物およびジルコニウム化合物にセルロース樹脂を添加したもの、ブチラール樹脂をジルコニウムおよびシランの無機成分に添加した塗工液などがある。
【0050】
また、支持体の表面を、クロム酸を用いるクロメート化成処理、または、チタニウム塩やジルコニウム塩を用いるノンクロメート化成処理を行って、中間層の代わりとしてもよい。
【0051】
図4に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
【0052】
図4において、101はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸102を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0053】
電子写真感光体101は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)103により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光104を受ける。こうして電子写真感光体101の表面(周面)に、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0054】
形成された静電潜像は、次いで現像手段105によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体101と転写手段106との間に電子写真感光体101の回転と同期して取り出されて給紙された転写材107に、電子写真感光体101の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段106により順次転写されていく。
【0055】
トナー画像の転写を受けた転写材107は、電子写真感光体面から分離されて定着手段108へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0056】
像転写後の電子写真感光体101の表面は、クリーニング手段109によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光110により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0057】
なお、帯電手段103が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0058】
本発明においては、上述の電子写真感光体101、帯電手段103、現像手段105およびクリーニング手段109などの構成要素のうち、複数のものを容器111に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段103、現像手段105およびクリーニング手段109の少なくとも1つを電子写真感光体101と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段112を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0059】
また、露光光104は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0060】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機やレーザービームプリンターの他にも、CRTプリンター・LEDプリンター・液晶プリンター・ファクシミリ・レーザー製版などの電子写真応用技術にも広く用いることができる。
【0061】
【実施例】
次に、実施例にしたがって、本発明をより一層詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
JISのA3003の外径30.8mm、内径28.5mm、長さ261mm、振れ精度30μm、表面粗さRz=2.5μm、RmaxDIN=5μmのアルミニウム素管(押し出し管)を準備した。
【0063】
表面粗さの測定は、JISのB0601(1994)に準じ、(株)小坂研究所製表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを8mm、測定スピード0.5mm/sで行った。
【0064】
なお、算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、凹凸の平均間隔SmはJISのB0601(1994)での設定における値を示す。最大高さRmaxDINは、Deutsches Institut fur Normung e.V. (ドイツ規格協会の規格)を示す。
【0065】
準備したアルミニウム押し出し管に対して、旋盤を用いて表面の切削加工を行った。
【0066】
始めに、両端加工を行い、長さを260.5±0.1mmにした後、このアルミニウム素管をバイト回転型旋盤に装着した。R1の焼結ダイヤモンドバイトを切れ込み量150μmに調整して荒削り用に用い、R2の焼結ダイヤモンドバイトを切れ込み量約50μmで外径30.0±0.02mm、振れ精度15μm、表面粗さRz=0.6μmになるように調整し、切削加工した。このときの主軸回転数は10000rpm、バイトの送りピッチ(切削ピッチ)は、0.06mm/revであった。
【0067】
切削後の素管の表面粗さRmaxDIN=1.02μm、Rz=0.61μm、Ra=0.12μm、Sm=32μm、ろ波最大うねりWcm=0.18μm、ろ波うねりの周期Wc−Sm=0.24mmであった。
【0068】
ここでいう「ろ波最大うねりWcm」とは、JISB0610−1987による、ろ波最大うねりのことで、被測定面に直角な平面で被測定面を切断したときのその切り口に現れる輪郭(断面曲線)から波長が短い粗さの成分を低域フィルタによって除去して得られる曲線のことである。測定長さは8mm、カットオフ値は0.08mm、測定スピード0.5mm/sで測定した。
【0069】
切削後の素管に対して、図3に示す湿式ホーニング処理装置((株)不二精機製造所製)を用いて、図3に示すように、湿式ホーニング処理し、支持体を作製した。
【0070】
(湿式ホーニング条件)
研磨材(砥粒):平均粒径30μmの球状アルミナビーズ(商品名:CB−A30S、昭和タイタニウム(株)製)
懸濁媒体:水、
研磨材(砥粒)/懸濁媒体=1/9(体積比)
アルミニウム切削管の回転数:1.67S−1
エア吹き付け圧力:0.20MPa
ガン移動速度:13.3mm/s
ガンノズルとアルミニウム管の距離:200mm
研磨液投射回数:1回(片道)
ホーニング後、流水およびスポンジロールにて10秒間回転させながらスクラブして、支持体表面に付着した砥粒、付着物、ササクレなどを除去した。
【0071】
その後、80℃の温浴槽に15秒間浸漬した後、ゆっくりと引き上げて乾燥させた。
【0072】
作製された支持体の表面粗さは、RmaxDIN=2.88μm、Rz=2.02μm、Ra=0.32μm、Sm=37μm、ろ波最大うねりWcm=0.98μm、うねりの周期Wc−Sm=0.32mmであった。
【0073】
次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10質量部、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30質量部を、メタノール400質量部、n−ブタノール200質量部の混合溶媒中に溶解した塗料を支持体上に浸漬塗布し、90℃で10分間熱風乾燥させ、膜厚0.68μmの中間層を形成した。
【0074】
次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2質量部、シクロヘキサノン60質量部からなる溶液を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで4時間分散した後、エチルアセテート100質量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を中間層上に浸漬塗布し、95℃で10分間加熱乾燥することにより、電荷発生層を形成した。電荷発生層の膜厚は0.3μmであった。
【0075】
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物9質量部、
【外1】
Figure 0003913168
【0076】
下記式で示される構造を有するアミン化合物1質量部、
【外2】
Figure 0003913168
【0077】
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200,三菱ガス化学(株)製)を10質量部を、モノクロロベンゼン70質量部およびジクロロメタン30質量部の混合溶媒に溶解した。この塗料を浸漬法で塗布し120℃で1時間乾燥して、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0078】
このようにして作製した電子写真感光体を、ヒューレット・パッカード社製プリンターLaserJet4000に装着して、黒画像、白画像、ハーフトーン画像をそれぞれ出力して、出力画像の評価を行った。
【0079】
切削スジおよびうねりの判定は、各種ハーフトーンにて、以下のような基準で行った。
○:ハーフトーン画像に切削およびうねりのスジが全くなし。
△:ハーフトーン画像に切削およびうねりのスジがやや見られる。
×:ハーフトーン画像に切削およびうねりのスジがはっきり見られる。
【0080】
ハーフトーン画像は黒線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向それぞれ走査したものを使用した。
【0081】
(実施例2〜9、参考例1
実施例1において、表1に示すように条件を変更して素管の切削加工および湿式ホーニング処理を行って支持体を作製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
【0082】
(比較例1〜4)
実施例1において、表1に示すように条件を変更して素管の切削加工および湿式ホーニング処理を行って支持体を作製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。なお、荒切削にはいずれもR1バイトを用いた。
【0083】
実施例1〜9、参考例1、比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 0003913168
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、出力された画像にうねりやスジなどが現れない電子写真感光体、それに用いる支持体を提供することができ、また、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削に用いる旋盤装置の概略構成図である。
【図2】切削に用いる旋盤装置の部分概略構成図である。
【図3】湿式ホーニング処理装置の概略構成図である。
【図4】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 素管:ワーク
2 軸部
3 砥粒供給管
4 切削シリンダー
5 回転台
6 モーター
7 スラリー(砥粒+水)
8 攪拌モーター
9 攪拌プロペラ
10 砥粒戻り管
11 循環ポンプ
12 エアガン上下動
13 吐出スラリー
20 ベッド
21 門型コラム
21b テーブル支持体
22 軸受け
23 バイトホルダー
24 荒削りバイト
25 仕上げバイト
26 テーブル
27 右アーバー
27a 右ポスト
27b 閉じコレット
28 左アーバー
28a スライダー支持体
28b スライダー
28c 左ポスト
101 電子写真感光体
102 軸
103 帯電手段(一次帯電手段)
104 露光光
105 現像手段
106 転写手段
107 転写材
108 定着手段
109 クリーニング手段
110 前露光光
111 プロセスカートリッジ
112 レール(案内手段)

Claims (6)

  1. 素管の外周面を粗面化する粗面化工程を有する支持体の製造方法であって、該支持体の表面粗さのRmaxDINが0.4〜5.0μm、Rzが0.4〜4.0μm、Raが0.05〜0.5μm、Smが31〜80μmである支持体の製造方法において、
    該素管の表面のろ波うねりのWcmがcutoff fh 0.08mmで0.5μm以下で、かつ、Wc−Smが0.5mm以下または3mm以上であることを特徴とする支持体の製造方法。
  2. 前記素管が、切削加工された素管である請求項1に記載の支持体の製造方法。
  3. 前記粗面化工程が、湿式ホーニング処理または乾式ブラスト処理によって前記素管の外周面を粗面化する工程である請求項1または2に記載の支持体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の支持体の製造方法により製造された支持体上に感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
  5. 請求項4に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項4に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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