JP2004246124A - ホーニング処理方法及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式ホーニング処理を行った円筒状基体の洗浄後において、円筒状基体の外面に研磨剤(砥粒)がない円筒状基体のホーニング処理方法を提供し、また、そのような円筒状基体を導電性基材として用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用した際に、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥の発生がない電子写真感光体の製造方法を提供することである。
【解決手段】少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とするホーニング処理方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とするホーニング処理方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒体基体の表面を粗面化するホーニング処理方法、及び該ホーニング処理方法により表面が粗面化された円筒状基体を用いた電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置は、高速でかつ高印字品質が得られるため、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において利用されている。前記電子写真装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」という場合がある)としては、有機の光導電材料を用いた有機電子写真感光体(OPC)の開発が進められ普及してきている。また、電子写真感光体の構成も、電荷移動型錯体構造や電荷発生材料を結着樹脂中に分散した単層型の電子写真感光体から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の電子写真感光体構成へと変遷し、さらに改良され性能が向上してきた。この機能分離型の電子写真感光体構成において、現在ではアルミニウム基体の表面に下引き層を形成し、その後、電荷発生層や電荷輸送層を形成する構成が主流となっている。
【0003】
また、電子写真装置の進歩に伴い、電子写真感光体の性能においてより高品位な画質が要求されるようになってきた。電子写真感光体特性の繰り返し安定性や環境安定性の改善に対しては、電荷発生層、電荷輸送層、及び下引き層のいずれの層も、感度・画質や繰り返し安定性等の電子写真特性それぞれに重要な影響を与えている。
【0004】
一般に、レーザープリンター用の電子写真感光体の基体を製造する場合、熱間押し出しによる素管製造後、冷間引抜きにより素管の振れ及び外径精度を得ていたり、あるいは旋盤によりダイヤモンド切削バイトで素管を切削加工し、素管の振れと外径精度を出したりするが、その際、基体表面をなるべく平滑にするために切削バイトの送り量を少なくしなければならず、1本の素管を切削するのに数分時間がかかる。
【0005】
また、このようにして切削加工された切削管や引抜き管に、露光としてのレーザー光が基体に反射して起こる干渉縞を防止するため、何らかの手段による粗面化が必要である。この粗面の粗さは形状にもよるが、中心線平均粗さ(Ra)でおよそ0.15μm以上であることが必要である。
【0006】
しかし、前記切削加工では、切削の粗さが規則的であるため、干渉縞は消えても切削のスジとレーザー光との干渉によるモアレ現象が起きてしまう。粗面化の方法としては他にホーニング処理があり、乾式及び湿式(液体)で行う処理方法が示されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0007】
湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、高速度で基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、あるいは研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重、または懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、前記液体ホーニング処理と同様に表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ及びプラスティックショット等の粒子が挙げられる。
【0008】
しかし、乾式ブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた湿式ホーニング処理では、砥粒が基体表面に突き刺さり、電子写真感光体を作製した時に、画像に上記砥粒が白抜けや黒点として表れてしまう。また、ガラスビーズを用いた液体ホーニング処理では、ガラスビーズがすぐに割れて基体表面に突き刺さったり、表面粗さのコントロールが難しい。そのため、研磨剤として球状アルミナ砥粒やジルコニア砥粒等を用いた湿式ホーニング処理方法にて基体を粗面化した後、感光層を形成して、電子写真感光体を作製するのが一般的である。
【0009】
この場合、従来の乾式ブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた湿式ホーニング処理では、通常感光体の基体として円筒状基体が用いられるため、研磨剤を含有する研磨液を基体(円筒状基体)に噴射する粗面化工程にて、上記円筒状基体内面に研磨剤を含有する研磨液が混入しやすかった。研磨液が基体内面に混入すると、砥粒が基体表面にこびりつき、その後洗浄しても洗い落とせずに基体外面に再付着してしまったりすることがあり、そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用すると、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥が発生するという問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開平2−37358号公報
【特許文献2】
特開平2−87154号公報
【特許文献3】
特開平2−191963号公報
【特許文献4】
特開平3−64762号公報
【特許文献5】
特開平5−216261号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、湿式ホーニング処理を行った円筒状基体の洗浄後において、円筒状基体の外面に研磨剤(砥粒)がない円筒状基体のホーニング処理方法を提供することを目的とし、また、そのような円筒状基体を導電性基材として用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用した際に、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥の発生がない電子写真感光体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とするホーニング処理方法である。
【0013】
<2> 前記粗面化処理工程が、円筒状基体の両端部を密閉した状態で、前記ホーニング処理液を吹き付ける工程であることを特徴とする<1>に記載のホーニング処理方法である。
【0014】
<3> 少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法により、円筒状基体表面を粗面化し、該粗面化された円筒状基体表面に感光層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
<ホーニング処理方法>
本発明のホーニング処理方法は、少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする。
【0016】
前述のように、研磨剤を含む研磨液(ホーニング処理液)を吹き付けることによりホーニング処理を行った場合、研磨液が基体内面に混入しやすく、研磨剤である砥粒が基体表面にこびりつき、その後洗浄しても洗い落とせずに基体外面に再付着してしまったりすることがある。
【0017】
具体的には、例えば、研磨液による粗面化処理工程後、円筒状基体表面に残った研磨剤等を洗浄浴に基体を浸漬する等の方法で最終洗浄を行う場合に、基体の表面側(外面)には研磨剤が残っていなくても、基体の内面に付着した研磨剤が前記浸漬と共に洗浄液中に浮遊し、該浮遊した研磨剤が基体の外面側に再付着することが多い。
そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用すると、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥が発生してしまう。
【0018】
本発明者らが鋭意検討した結果、ホーニング処理を行った場合でも、前記粗面化処理工程後に円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していない場合には、そのまま該円筒状基体を導電性基材として用いて電子写真感光体としても、画像欠陥の発生率が低下することが判明した。
【0019】
すなわち、粒径が10μm以上の異物が導電性基材の表面(外面)に付着している場合には、最終的にこの導電性基材を用いた電子写真感光体において、前記異物に起因する画像欠陥が発生してしまう。本発明においては、ホーニング処理液を用いて湿式ホーニング処理を行った場合に、洗浄後の円筒状基体を導電性基材として用いても画像欠陥の発生率が高かったため、その原因を追求した結果、円筒状基体の内面に付着している粒径が10μm以上の残留研磨剤が、前記画像欠陥の発生原因であることを見出したものである。
【0020】
なお、本発明においては、円筒状基体の内面に、粒径10μm以上の研磨剤が付着していないことの確認を、前記粗面化処理工程後に行っている。
【0021】
上記粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないとは、前記粗面化処理工程終了後円筒状基体を破壊し、基体の内面の全面を、CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置(富士ゼロックス社内製)を用いて観察した時に、画面上に粒径が10μm以上の研磨剤が全くないことをいう。
【0022】
また、本発明においては、前記粗面化処理工程後に円筒状基体の内面に、粒径が5μm以上の研磨剤が付着していないことがより好ましい。
【0023】
本発明における前記粗面化処理工程は、研磨液(ホーニング処理液)を用いるいわゆる湿式ホーニング処理で行われる。湿式ホーニング処理は、研磨剤を水に均一に分散した研磨液を、圧縮空気によりノズルから噴射させて、基体に衝突させることにより、基体表面を粗面化する処理法である。
【0024】
図1は、円筒状基体を用いたホーニング処理方法の一例を示す概略構成図である。図1において、1は円筒状基体、2はポンプ、3はホーニング処理用ガン、3’はノズル、4は圧縮空気導入管、5は処理容器、6は研磨液導入管、7は研磨液である。
【0025】
所定の濃度で研磨剤を水に分散し、得られた研磨液7をポンプ2の駆動によって所定の流量でホーニング処理用ガン3に送液し、図1の矢印Cの方向から挿入される所定の圧力の圧縮空気で、図1の矢印Aの方向に回転する円筒状基体1の表面に吹き付けることによって、粗面化処理を行う。
【0026】
ノズル3’は、圧縮空気噴射ノズルの周囲に配された研磨液噴射ノズルから研磨液7が供給され、圧縮空気噴射ノズルから出た空気と、その周囲から供給された研磨液7とが合流し、研磨液7がノズル先端から噴射するような構造となっている。
【0027】
また、研磨液7の液滴を無駄なく円筒状基体1に衝突させるために、曲率を有する円筒状基体1に対して最大限、研磨剤が垂直に衝突するように、ノズル3’の先端と基体表面とを結ぶ最短軸と、処理される円筒状基体1の円筒中心軸が、前記先端から最大広がり角を形成する噴射領域に含まれるように処理することが好ましい。そして、ホーニング処理用ガン3は円筒状気体1の表面が均一に粗面化されるように、図1の矢印Bの方向に一定の速度で移動する。
【0028】
研磨剤の材質としては、鉄、ガラス、アルミナ、フェライト、ジルコニア、酸化クロム、炭化珪素、炭化ほう素、窒化珪素、窒化ほう素等の無機微粉末、エポキシ樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン系粒子、メラミン樹脂粒子等の有機微粉末などが挙げられる。これらの研磨剤の中では、コスト、生産安定性の観点から、アルミナ等を用いることが好ましい。
【0029】
研磨液7としては、上記研磨剤を水等の液体に分散させ懸濁液としたものを用いることができる。研磨液7中の研磨剤の含有量は、5〜50質量%の範囲であることが好ましい。また、必要に応じて上記研磨液7には脂肪酸エステル、アルコール等の消泡剤を添加することができる。
【0030】
本発明に用いられる円筒状基体1は、特に制限はないが、後述する電子写真感光体の導電性基材に用いられるものとしては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属基体が有効である。基体表面は素管のままであっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削などの処理が行われていても構わない。また、前記粗面化処理前に脱脂処理が行われていてもよい。
【0031】
本発明のホーニング処理方法においては、粗面化処理後の円筒状基体1を例えば電子写真感光体の導電性基材として用いる場合には、干渉性抑制効果と画質欠陥との防止から、表面の粗さを中心線平均粗さRaで0.15〜0.5μmの範囲となるように処理することが好ましい。
【0032】
ホーニング処理による基体の粗度は、研磨剤の形状、大きさ、硬さ、比重、研磨液の吹き付け圧力、吹き付け速度、吹き付け量、懸濁液濃度等により適宜制御することができる。
【0033】
また、前記図1における円筒状基体1の矢印A方向の回転速度は、50〜5000rpmの範囲であることが好ましく、図1におけるホーニング処理用ガン3の矢印B方向の移動速度は、100〜10000mm/secの範囲であることが好ましい。
【0034】
既述の如く、本発明においては、粗面化処理工程後円筒状基体1の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことが必要である。これを達成する方法としては、如何なる方法を採ってもよく特に制限されるものではないが、本発明においては、前記粗面化処理工程が、円筒状基体の両端部を密閉した状態で、前記ホーニング処理液を吹き付ける工程であるホーニング処理方法であることが好ましい。
【0035】
図2は、本発明における上記好ましいホーニング処理方法の一例について、ノズルと円筒状基体との部分を拡大した概略図である。
図2において、円筒状基体1は図示しない回転装置に連結された把持具10によって、開口している両端部が密閉した状態となるように固定されている。そして、把持具10に連結された回転装置の駆動により円筒状基体1が一定速度で回転し、ホーニング処理用ガン3が研磨液7を噴射しながら矢印D方向に移動することによって、円筒状基体1の表面が粗面化される構成となっている。
【0036】
把持具10における固定部10’の構造は、固定された状態で研磨液などの液体が円筒状基体1の内部に漏れない構造であれば特に制限されないが、上下開口部を密閉するような構造であることが好ましく、例えば、円錐状の治具が円筒状基体1の両端から一定圧力で開口径まで嵌まり込む形状であってもよいし、前記開口径に合わせた大きさで円筒状基体1の両端部から嵌まり込み、エアー圧力等で円筒状基体1に固定されるチャックなどの形状であってもよい。
【0037】
前記密閉した状態の固定は、円筒状基体1の両端部で行われることが好ましく、図3に示すように、円筒状基体1の片方の端部のみを密閉状態としても、前記粗面化処理工程後に円筒状基体1の内面に粒径10μm以上の研磨剤が付着してしまう場合がある。
【0038】
また、前記密閉状態を確実なものとし、さらに生産性も考慮すると、上記円筒状基体1の両端部を密閉する方法としては、円筒状基体1の内圧を上げる方法を採ることも好ましい。
【0039】
本発明における洗浄工程は、前記粗面化処理工程において吹き付けられた研磨液7によって、円筒状基体1の表面に残った研磨剤を洗浄により取り去る工程である。上記洗浄工程では、通常水洗処理により円筒状基体1の表面に付着した研磨剤や切削粉などを除去したのち、水切り処理が行われる。
【0040】
前記水洗処理は、単にイオン交換水等を円筒状基体1に吹きかけることによって行ってもよいし、必要に応じて、水の吹きかけと同時にブラシなどで円筒状基体1の表面を擦りながら(スクラブ処理)行ってもよい。また、上記イオン交換水には、適宜界面活性剤等が添加されてもよい。
【0041】
前記水切り処理は、上記水洗処理で用いた水を円筒状基体1の表面から除くためのものであるが、例えば、円筒状基体1が後述するような電子写真感光体の基材として用いられる場合には、水切り処理での乾燥後、円筒状基体1の表面に痕が残らないようにすることが好ましい。このため、本発明における水切り処理は、最終的に洗浄浴中からゆっくり引き上げたり、エアーブローで水切りしたりした後に、加熱乾燥を行うことが好ましい。
【0042】
<電子写真感光体の製造方法>
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法により、円筒状基体表面を粗面化し、該粗面化された円筒状基体表面に感光層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする。
【0043】
すなわち、本発明の電子写真感光体の製造方法は、感光体の導電性基材として用いられる円筒状基体として、前述のホーニング処理方法により粗面化された円筒状基体を用いることにより、電子写真感光体として電子写真装置に使用した際に、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥発生のない電子写真感光体を提供することができる。
【0044】
以下、本発明のホーニング処理方法により粗面化を行った円筒状基体を導電性基材として用いた感光体の構成について例を示す。まず、本発明のホーニング処理方法により粗面化された導電性基材の表面に、必要に応じ下引き層が形成され、さらに感光体層が形成される。該感光体層はどのような感光体構成であっても有効であるが、例えば、負帯電性の電子写真感光体としては、電荷輸送層を表面層とする積層型感光体が繰り返し安定性や環境変動などの性能面で優れている。なお、本発明においては、前記感光体層以外に必要に応じて形成される下引き層などを含めて感光層と称する。
【0045】
以下、電荷輸送層を表面層とする積層型感光体の構成を主として取り上げ、本発明の製造方法を説明する。
前記導電性基材として、前述のように、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属基材が有効である。導電性基材の表面は素管のままであっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削などの処理が行われていても構わない。
【0046】
その後、導電性基材は、本発明のホーニング処理方法による粗面化が行われる。また、必要に応じて導電性基材の表面に導電層を形成することができる。この導電層は樹脂中に酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物や、金、鉄、アルミニウム、銅などの金属微粉末などの導電性物質を分散した膜を形成することにより得られる。
【0047】
前記下引き層に用いられる化合物としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
【0048】
これらの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物、または重縮合物として用いることができる。これらの化合物の中でも、ジルコニウムもしくはチタニウムを含有する有機金属化合物やシラン化合物を含有する場合、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
【0049】
前記シラン化合物の例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも特に好ましく用いられるシラン化合物は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
【0050】
有機ジルコニウム化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
【0051】
有機チタン化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0052】
有機アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
【0053】
下引き層中には電気特性の向上や光散乱性の向上などの目的により、各種の有機もしくは無機の微粉末を混合することができる。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料や、テフロン(R)樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。添加される微粉末の粒径は、0.01〜2μmの範囲のものが用いられる。微粉末は必要に応じて添加されるが、添加される場合には下引き層の固形分に対して、10〜80質量%の範囲、より好ましくは30〜70質量%の範囲で添加される。また、下引き層の厚さは、0.1〜40μmの範囲が好ましく、0.1〜30μmの範囲がより好ましい。
【0054】
下引き層塗布液の調製において、前記微粉末を混入させる場合には、樹脂成分を溶解した溶液中に微粉末を添加して分散処理が行われる。微粉末を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。
【0055】
前記感光体層は、基本的には単層構造であっても、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造であってもよい。積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層との積層順序はいずれが上層であってもよい。また、必要に応じて感光体層の表面に表面保護層を形成することも可能である。
【0056】
電荷発生層はいずれの方法により形成されてもよいが、有機感光体における電荷発生層は、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂とともに分散し塗布することにより形成される。
電荷発生物質としては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシアニン、塩化ガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、塩化インジウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、キノン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ビスベンズイミダゾール系、アズレニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン顔料では、α型、β型などをはじめとして各種の結晶型が知られているが、目的にあった感度が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。
【0057】
電荷発生層における前記結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなど、もしくはこれらの共重合体を用いることができる。これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いることが可能である。
【0058】
電荷発生層は、これらの電荷発生物質、結着樹脂等を適当な溶媒に分散および混合させて、得られた塗布液を塗布することにより形成される。溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等、通常の有機溶剤を分散に用いることができる。
【0059】
前記電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。また、電荷発生層の厚みは、0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.05〜2.0μmの範囲がより好ましい。電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
【0060】
前記電荷輸送層は、電荷輸送性物質及び結着樹脂等より構成される。
上記電荷輸送物質としては、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリンなどの芳香族第3級アミノ化合物;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物;3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質;クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;ジフェノキノン化合物などの電子輸送物質;あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合せて使用できる。
【0061】
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル樹脂、ビスフェノールAタイプ・ビスフェノールZタイプ・ビスフェノールCタイプ・ビスフェノールAPタイプなどの各種ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー、あるいはこれらの共重合体等が挙げられる。
【0062】
電荷輸送層は、前記電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し乾燥することによって形成することができる。電荷輸送層の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル、あるいはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
電荷輸送物質と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5の範囲が好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。
【0063】
電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光体層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
【0064】
また、光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジンなどの誘導体が挙げられる。
【0065】
さらに、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることもできる。本発明における感光体に使用可能な電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl、CN、NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましく用いられる。
【0066】
前記電荷発生層、電荷輸送層などの塗工は、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法を用いて行うことができる。その後、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の範囲で5分間〜2時間の範囲の時間で行うことが望ましい。
【0067】
感光層体層の表面には、必要に応じ表面保護層を形成することができる。表面保護層としては、絶縁性樹脂保護層、あるいは絶縁性樹脂の中に抵抗調整剤を添加した低抵抗保護層が挙げられる。該低抵抗保護層の場合には、例えば絶縁性樹脂中に導電性微粒子を分散した層が用いられる。導電性微粒子としては、電気抵抗が109 Ω・cm以下で白色、灰色、もしくは青白色を呈する平均粒径が0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下の微粒子が適当であり、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、あるいは酸化アンチモンとの固溶体の担体またはこれらの混合物、あるいは単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合したもの、あるいは被覆したもの等が挙げられる。中でも、酸化錫、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アンチモンとの固溶体は電気抵抗を適切に調節することが可能で、かつ、表面保護層を実質的に透明にすることが可能であるので、好ましく用いられる。
【0068】
前記絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体等が挙げられる。
【0069】
なお、単層構造電子写真感光体の場合には、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂は、前記積層構造電子写真感光体の場合で述べたものと同様のものを使用することができ、感光層の形成方法も同様である。単層構造電子写真感光体の場合、感光層の膜厚としては、10〜30μm程度の範囲であることが好ましい。
【0070】
本発明の製造方法により得られる、本発明のホーニング処理方法で粗面化された導電性基材を有する感光体は、露光源が近赤外光もしくは可視光であるレーザービームプリンター、ディジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置に用いることができる。また、前記感光体は、一成分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも組み合わせて用いることができる。さらに、前記感光体は、帯電ロールや帯電ブラシを用いた接触帯電方式においても、基材表面に研磨剤等の欠陥がないため、電流リークの発生が少ない良好な特性を発現し得る。
【0071】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、下記において「部」とあるのは特に断りのない限り「質量部」を意味する。
(実施例1)
−導電性基材(円筒状基体)のホーニング処理−
アルミニウム素管(A1050)からなる円筒状基体を、ダイヤモンドバイトを用いた旋盤により鏡面切削加工し、厚さ0.75mm、外径30mm、長さ340mmとした。その後その表面を、中心線平均粗さRaが0.03〜0.04μmの範囲となるように平滑面に仕上げた。
なお、上記表面粗さの測定は、表面粗さ測定機サーフコム(東京精密社製)を用いて行った。
【0072】
鏡面切削加工終了後、円筒状基体の表面の脱脂洗浄を行った。脱脂洗浄は2つの洗浄槽に前記円筒状基体を順次浸漬することによって行った。各洗浄槽には、底部より界面活性剤をイオン交換水に溶解させた洗浄液を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせた。前記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(ライオン(株)製:LH−600F)を用い、洗浄液中の界面活性剤の濃度は、1つ目の洗浄槽では10〜20質量%の範囲とし、2つ目の洗浄槽では1〜2質量%の範囲とした。また、洗浄液のイオン交換水としては、電気伝導度が0.1μS/cm以下のものを使用した。さらに、洗浄時円筒状基体には、超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0073】
こうして円筒状基体の脱脂洗浄を行った後、円筒状基体の濯ぎ洗浄を行った。濯ぎ洗浄は、洗浄液としてイオン交換水のみを用いた以外は、前記脱脂洗浄と同様にして行った。濯ぎ洗浄を行った後、円筒状基体を35℃に保持した温純水中に50秒間浸漬した後、300mm/minの速さで引き上げた。このときも、円筒状基体には超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0074】
こうして得られた円筒状基体に対し、湿式ホーニング処理装置によってその表面の粗面化処理を行った。湿式ホーニング処理は、円筒状基体の端部固定部として上下開口部を密閉する把持具を用い、開口径に合わせた大きさで円筒状基体の両端部から嵌まり込み、エアー圧力で円筒状基体を固定するチャックを用いることにより、図2に示すように円筒状基体の両端部を完全に密閉して行った。
【0075】
粗面化処理は、研磨剤5.7kgを水51Lに懸濁させた懸濁液を研磨液とし、この研磨液を10L/minの流量でホーニング処理用ガンに送り込み、圧縮空気圧を0.1〜0.2MPaの範囲、円筒状基体の回転数を300rpm、ホーニング処理用ガンの送り速度を1000mm/secとして円筒状基体に吹き付け、中心線平均粗さRaが0.1〜0.3μmの範囲となるように行った(粗面化処理工程)。なお、上記研磨剤としては、粒径35μmの酸化アルミニウム(昭和タイタニウム社製:アルナビーズ(CB−A35S))を用いた。
【0076】
こうして粗面化処理した円筒状基体を両端部密閉状態から開放し、続いて以下の洗浄処理を行った。まず、粗面化処理した円筒状基体に対し、25L/minの流量で60秒間井戸水を吹きかけた後、水を2L/minで吹きかけながら、ブラシでスクラブ処理を行った。ブラシとしては、棒状の軸部材と軸部材に放射状に取り付けられる多数のナイロン製繊維とから構成されるものを用いた。ナイロン製繊維の線径は65μm、ブラシ部分の外径は130mm、長さは30mmとし、軸部材が円筒状基体の回転軸と平行となり、かつブラシ(繊維)の先端が円筒状基体の表面に接触するように配置した。前記スクラブ処理は、円筒状基体及びスクラブブラシの回転方向を同一方向とし、回転速度を100rpmとして60秒間行った。
【0077】
その後、精密洗浄は4つの洗浄槽に円筒状基体を順次浸漬することにより行った。各洗浄槽には底部よりイオン交換水を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせた。なお、最終洗浄槽では、洗浄液中に円筒状基体を20秒浸漬した後、300mm/minの速度でゆっくりと引き上げて洗浄した。
次いで、乾燥室で135℃の熱風乾燥を1.5分間行った。その後、調温室に円筒状基体を搬送し、23℃にて風冷却を300秒間行った(洗浄工程)。
【0078】
なお、前記粗面化処理工程を同様に行った別の円筒状基体について、洗浄処理を行わずに破壊し、基体の内面全面を、前記CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置により観察したところ、500倍の倍率で粒径10μm以上の研磨剤が全く見られなかった。
【0079】
−電子写真感光体の作製−
次に、有機ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)100部、シランカップリング剤(商品名:A1100、日本ユニカー(株)製)10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−S、積水化学(株)製)10部、及びn−ブチルアルコール130部を混合して得られた塗布液を、前記ホーニング処理した円筒状基体表面に浸漬塗布し、140℃で15分間加熱して、厚さ1.0μmの下引き層を形成した。
【0080】
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学(株)製)の2質量%シクロヘキサノン溶液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、顔料と樹脂との比(質量比)が2:1となるように混合し、次いでサンドミルにより3時間分散処理を行った。得られた分散液を、さらに酢酸n−ブチルで希釈して前記下引き層表面に浸漬塗布し、厚さ0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0081】
続いて、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)ベンジジン4部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂6部をモノクロロベンゼン36部に溶解させた溶液を、前記電荷発生層表面に浸漬塗布し、115℃で40分間乾燥して厚さ24μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、導電性基材表面に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した電子写真感光体を800本作製した。
【0082】
得られた電子写真感光体を、前記CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置を用いて感光体表面の欠陥数を測定し、欠陥発生率を算出した。
その結果、画像上問題となるレベルの欠陥が発生した感光体は、800本中5本であり、欠陥発生率は0.6%であった。
【0083】
(比較例1)
実施例1において、円筒状基体のホーニング処理における粗面化工程(湿式ホーニング処理)を、図3に示すように円筒状基体の片面だけを把持具にて固定した以外は実施例1と同様にして、導電性基材のホーニング処理、電子写真感光体の作製を行った。
【0084】
その結果、実施例1と同様に粗面化処理工程後に洗浄処理を行わずに破壊し、基体の内面を前記CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置を用いて観察したところ、500倍の倍率で粒径10μm以上の研磨剤が1つ以上見られた。
【0085】
また、前記のようにして800本の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして全数について欠陥発生率を算出したところ、同一基準で画像上問題となるレベルの欠陥が発生した感光体は、800本中41本であり、欠陥発生率は5.1%であった。
【0086】
以上の実施例及び比較例の結果のように、画像上問題となる欠陥発生率は、実施例の場合に比べ比較例の場合の方が明らかに高く、円筒状基体のホーニング処理にあたっては、粗面化処理工程後の基体内面に存在する一定粒径以上の研磨剤粒子数を制御することにより、欠陥発生率が十分に低減されることが分かった。
【0087】
【発明の効果】
本発明の湿式ホーニング方法、電子写真感光体の製造方法によれば、円筒状基体内面への研磨剤の混入を十分に防止できるため、画質欠陥の発生がなく、極めて高品質な画像を形成できる電子写真感光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホーニング処理方法の一例を示す概略構成図である。
【図2】円筒状基体の両端部を密閉した状態でのホーニング処理を示す概略図である。
【図3】円筒状基体の片端部を密閉した状態でのホーニング処理を示す概略図である。
【符号の説明】
1 円筒状基体
2 ポンプ
3 ホーニング処理用ガン
3’ ノズル
4 圧縮空気導入管
5 処理容器
6 研磨液導入管
7 研磨液(ホーニング処理液)
10 把持具
10’ 端部固定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒体基体の表面を粗面化するホーニング処理方法、及び該ホーニング処理方法により表面が粗面化された円筒状基体を用いた電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置は、高速でかつ高印字品質が得られるため、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において利用されている。前記電子写真装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」という場合がある)としては、有機の光導電材料を用いた有機電子写真感光体(OPC)の開発が進められ普及してきている。また、電子写真感光体の構成も、電荷移動型錯体構造や電荷発生材料を結着樹脂中に分散した単層型の電子写真感光体から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の電子写真感光体構成へと変遷し、さらに改良され性能が向上してきた。この機能分離型の電子写真感光体構成において、現在ではアルミニウム基体の表面に下引き層を形成し、その後、電荷発生層や電荷輸送層を形成する構成が主流となっている。
【0003】
また、電子写真装置の進歩に伴い、電子写真感光体の性能においてより高品位な画質が要求されるようになってきた。電子写真感光体特性の繰り返し安定性や環境安定性の改善に対しては、電荷発生層、電荷輸送層、及び下引き層のいずれの層も、感度・画質や繰り返し安定性等の電子写真特性それぞれに重要な影響を与えている。
【0004】
一般に、レーザープリンター用の電子写真感光体の基体を製造する場合、熱間押し出しによる素管製造後、冷間引抜きにより素管の振れ及び外径精度を得ていたり、あるいは旋盤によりダイヤモンド切削バイトで素管を切削加工し、素管の振れと外径精度を出したりするが、その際、基体表面をなるべく平滑にするために切削バイトの送り量を少なくしなければならず、1本の素管を切削するのに数分時間がかかる。
【0005】
また、このようにして切削加工された切削管や引抜き管に、露光としてのレーザー光が基体に反射して起こる干渉縞を防止するため、何らかの手段による粗面化が必要である。この粗面の粗さは形状にもよるが、中心線平均粗さ(Ra)でおよそ0.15μm以上であることが必要である。
【0006】
しかし、前記切削加工では、切削の粗さが規則的であるため、干渉縞は消えても切削のスジとレーザー光との干渉によるモアレ現象が起きてしまう。粗面化の方法としては他にホーニング処理があり、乾式及び湿式(液体)で行う処理方法が示されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0007】
湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤(砥粒)を懸濁させ、高速度で基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、あるいは研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重、または懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、前記液体ホーニング処理と同様に表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、鉄、ガラスビーズ及びプラスティックショット等の粒子が挙げられる。
【0008】
しかし、乾式ブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた湿式ホーニング処理では、砥粒が基体表面に突き刺さり、電子写真感光体を作製した時に、画像に上記砥粒が白抜けや黒点として表れてしまう。また、ガラスビーズを用いた液体ホーニング処理では、ガラスビーズがすぐに割れて基体表面に突き刺さったり、表面粗さのコントロールが難しい。そのため、研磨剤として球状アルミナ砥粒やジルコニア砥粒等を用いた湿式ホーニング処理方法にて基体を粗面化した後、感光層を形成して、電子写真感光体を作製するのが一般的である。
【0009】
この場合、従来の乾式ブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた湿式ホーニング処理では、通常感光体の基体として円筒状基体が用いられるため、研磨剤を含有する研磨液を基体(円筒状基体)に噴射する粗面化工程にて、上記円筒状基体内面に研磨剤を含有する研磨液が混入しやすかった。研磨液が基体内面に混入すると、砥粒が基体表面にこびりつき、その後洗浄しても洗い落とせずに基体外面に再付着してしまったりすることがあり、そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用すると、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥が発生するという問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開平2−37358号公報
【特許文献2】
特開平2−87154号公報
【特許文献3】
特開平2−191963号公報
【特許文献4】
特開平3−64762号公報
【特許文献5】
特開平5−216261号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、湿式ホーニング処理を行った円筒状基体の洗浄後において、円筒状基体の外面に研磨剤(砥粒)がない円筒状基体のホーニング処理方法を提供することを目的とし、また、そのような円筒状基体を導電性基材として用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用した際に、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥の発生がない電子写真感光体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とするホーニング処理方法である。
【0013】
<2> 前記粗面化処理工程が、円筒状基体の両端部を密閉した状態で、前記ホーニング処理液を吹き付ける工程であることを特徴とする<1>に記載のホーニング処理方法である。
【0014】
<3> 少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法により、円筒状基体表面を粗面化し、該粗面化された円筒状基体表面に感光層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
<ホーニング処理方法>
本発明のホーニング処理方法は、少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする。
【0016】
前述のように、研磨剤を含む研磨液(ホーニング処理液)を吹き付けることによりホーニング処理を行った場合、研磨液が基体内面に混入しやすく、研磨剤である砥粒が基体表面にこびりつき、その後洗浄しても洗い落とせずに基体外面に再付着してしまったりすることがある。
【0017】
具体的には、例えば、研磨液による粗面化処理工程後、円筒状基体表面に残った研磨剤等を洗浄浴に基体を浸漬する等の方法で最終洗浄を行う場合に、基体の表面側(外面)には研磨剤が残っていなくても、基体の内面に付着した研磨剤が前記浸漬と共に洗浄液中に浮遊し、該浮遊した研磨剤が基体の外面側に再付着することが多い。
そのような基体を用いた電子写真感光体を電子写真装置に使用すると、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥が発生してしまう。
【0018】
本発明者らが鋭意検討した結果、ホーニング処理を行った場合でも、前記粗面化処理工程後に円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していない場合には、そのまま該円筒状基体を導電性基材として用いて電子写真感光体としても、画像欠陥の発生率が低下することが判明した。
【0019】
すなわち、粒径が10μm以上の異物が導電性基材の表面(外面)に付着している場合には、最終的にこの導電性基材を用いた電子写真感光体において、前記異物に起因する画像欠陥が発生してしまう。本発明においては、ホーニング処理液を用いて湿式ホーニング処理を行った場合に、洗浄後の円筒状基体を導電性基材として用いても画像欠陥の発生率が高かったため、その原因を追求した結果、円筒状基体の内面に付着している粒径が10μm以上の残留研磨剤が、前記画像欠陥の発生原因であることを見出したものである。
【0020】
なお、本発明においては、円筒状基体の内面に、粒径10μm以上の研磨剤が付着していないことの確認を、前記粗面化処理工程後に行っている。
【0021】
上記粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないとは、前記粗面化処理工程終了後円筒状基体を破壊し、基体の内面の全面を、CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置(富士ゼロックス社内製)を用いて観察した時に、画面上に粒径が10μm以上の研磨剤が全くないことをいう。
【0022】
また、本発明においては、前記粗面化処理工程後に円筒状基体の内面に、粒径が5μm以上の研磨剤が付着していないことがより好ましい。
【0023】
本発明における前記粗面化処理工程は、研磨液(ホーニング処理液)を用いるいわゆる湿式ホーニング処理で行われる。湿式ホーニング処理は、研磨剤を水に均一に分散した研磨液を、圧縮空気によりノズルから噴射させて、基体に衝突させることにより、基体表面を粗面化する処理法である。
【0024】
図1は、円筒状基体を用いたホーニング処理方法の一例を示す概略構成図である。図1において、1は円筒状基体、2はポンプ、3はホーニング処理用ガン、3’はノズル、4は圧縮空気導入管、5は処理容器、6は研磨液導入管、7は研磨液である。
【0025】
所定の濃度で研磨剤を水に分散し、得られた研磨液7をポンプ2の駆動によって所定の流量でホーニング処理用ガン3に送液し、図1の矢印Cの方向から挿入される所定の圧力の圧縮空気で、図1の矢印Aの方向に回転する円筒状基体1の表面に吹き付けることによって、粗面化処理を行う。
【0026】
ノズル3’は、圧縮空気噴射ノズルの周囲に配された研磨液噴射ノズルから研磨液7が供給され、圧縮空気噴射ノズルから出た空気と、その周囲から供給された研磨液7とが合流し、研磨液7がノズル先端から噴射するような構造となっている。
【0027】
また、研磨液7の液滴を無駄なく円筒状基体1に衝突させるために、曲率を有する円筒状基体1に対して最大限、研磨剤が垂直に衝突するように、ノズル3’の先端と基体表面とを結ぶ最短軸と、処理される円筒状基体1の円筒中心軸が、前記先端から最大広がり角を形成する噴射領域に含まれるように処理することが好ましい。そして、ホーニング処理用ガン3は円筒状気体1の表面が均一に粗面化されるように、図1の矢印Bの方向に一定の速度で移動する。
【0028】
研磨剤の材質としては、鉄、ガラス、アルミナ、フェライト、ジルコニア、酸化クロム、炭化珪素、炭化ほう素、窒化珪素、窒化ほう素等の無機微粉末、エポキシ樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン系粒子、メラミン樹脂粒子等の有機微粉末などが挙げられる。これらの研磨剤の中では、コスト、生産安定性の観点から、アルミナ等を用いることが好ましい。
【0029】
研磨液7としては、上記研磨剤を水等の液体に分散させ懸濁液としたものを用いることができる。研磨液7中の研磨剤の含有量は、5〜50質量%の範囲であることが好ましい。また、必要に応じて上記研磨液7には脂肪酸エステル、アルコール等の消泡剤を添加することができる。
【0030】
本発明に用いられる円筒状基体1は、特に制限はないが、後述する電子写真感光体の導電性基材に用いられるものとしては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属基体が有効である。基体表面は素管のままであっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削などの処理が行われていても構わない。また、前記粗面化処理前に脱脂処理が行われていてもよい。
【0031】
本発明のホーニング処理方法においては、粗面化処理後の円筒状基体1を例えば電子写真感光体の導電性基材として用いる場合には、干渉性抑制効果と画質欠陥との防止から、表面の粗さを中心線平均粗さRaで0.15〜0.5μmの範囲となるように処理することが好ましい。
【0032】
ホーニング処理による基体の粗度は、研磨剤の形状、大きさ、硬さ、比重、研磨液の吹き付け圧力、吹き付け速度、吹き付け量、懸濁液濃度等により適宜制御することができる。
【0033】
また、前記図1における円筒状基体1の矢印A方向の回転速度は、50〜5000rpmの範囲であることが好ましく、図1におけるホーニング処理用ガン3の矢印B方向の移動速度は、100〜10000mm/secの範囲であることが好ましい。
【0034】
既述の如く、本発明においては、粗面化処理工程後円筒状基体1の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことが必要である。これを達成する方法としては、如何なる方法を採ってもよく特に制限されるものではないが、本発明においては、前記粗面化処理工程が、円筒状基体の両端部を密閉した状態で、前記ホーニング処理液を吹き付ける工程であるホーニング処理方法であることが好ましい。
【0035】
図2は、本発明における上記好ましいホーニング処理方法の一例について、ノズルと円筒状基体との部分を拡大した概略図である。
図2において、円筒状基体1は図示しない回転装置に連結された把持具10によって、開口している両端部が密閉した状態となるように固定されている。そして、把持具10に連結された回転装置の駆動により円筒状基体1が一定速度で回転し、ホーニング処理用ガン3が研磨液7を噴射しながら矢印D方向に移動することによって、円筒状基体1の表面が粗面化される構成となっている。
【0036】
把持具10における固定部10’の構造は、固定された状態で研磨液などの液体が円筒状基体1の内部に漏れない構造であれば特に制限されないが、上下開口部を密閉するような構造であることが好ましく、例えば、円錐状の治具が円筒状基体1の両端から一定圧力で開口径まで嵌まり込む形状であってもよいし、前記開口径に合わせた大きさで円筒状基体1の両端部から嵌まり込み、エアー圧力等で円筒状基体1に固定されるチャックなどの形状であってもよい。
【0037】
前記密閉した状態の固定は、円筒状基体1の両端部で行われることが好ましく、図3に示すように、円筒状基体1の片方の端部のみを密閉状態としても、前記粗面化処理工程後に円筒状基体1の内面に粒径10μm以上の研磨剤が付着してしまう場合がある。
【0038】
また、前記密閉状態を確実なものとし、さらに生産性も考慮すると、上記円筒状基体1の両端部を密閉する方法としては、円筒状基体1の内圧を上げる方法を採ることも好ましい。
【0039】
本発明における洗浄工程は、前記粗面化処理工程において吹き付けられた研磨液7によって、円筒状基体1の表面に残った研磨剤を洗浄により取り去る工程である。上記洗浄工程では、通常水洗処理により円筒状基体1の表面に付着した研磨剤や切削粉などを除去したのち、水切り処理が行われる。
【0040】
前記水洗処理は、単にイオン交換水等を円筒状基体1に吹きかけることによって行ってもよいし、必要に応じて、水の吹きかけと同時にブラシなどで円筒状基体1の表面を擦りながら(スクラブ処理)行ってもよい。また、上記イオン交換水には、適宜界面活性剤等が添加されてもよい。
【0041】
前記水切り処理は、上記水洗処理で用いた水を円筒状基体1の表面から除くためのものであるが、例えば、円筒状基体1が後述するような電子写真感光体の基材として用いられる場合には、水切り処理での乾燥後、円筒状基体1の表面に痕が残らないようにすることが好ましい。このため、本発明における水切り処理は、最終的に洗浄浴中からゆっくり引き上げたり、エアーブローで水切りしたりした後に、加熱乾燥を行うことが好ましい。
【0042】
<電子写真感光体の製造方法>
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法により、円筒状基体表面を粗面化し、該粗面化された円筒状基体表面に感光層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする。
【0043】
すなわち、本発明の電子写真感光体の製造方法は、感光体の導電性基材として用いられる円筒状基体として、前述のホーニング処理方法により粗面化された円筒状基体を用いることにより、電子写真感光体として電子写真装置に使用した際に、画像に白抜け、黒点及び濃度ムラ等の画像欠陥発生のない電子写真感光体を提供することができる。
【0044】
以下、本発明のホーニング処理方法により粗面化を行った円筒状基体を導電性基材として用いた感光体の構成について例を示す。まず、本発明のホーニング処理方法により粗面化された導電性基材の表面に、必要に応じ下引き層が形成され、さらに感光体層が形成される。該感光体層はどのような感光体構成であっても有効であるが、例えば、負帯電性の電子写真感光体としては、電荷輸送層を表面層とする積層型感光体が繰り返し安定性や環境変動などの性能面で優れている。なお、本発明においては、前記感光体層以外に必要に応じて形成される下引き層などを含めて感光層と称する。
【0045】
以下、電荷輸送層を表面層とする積層型感光体の構成を主として取り上げ、本発明の製造方法を説明する。
前記導電性基材として、前述のように、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属基材が有効である。導電性基材の表面は素管のままであっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削などの処理が行われていても構わない。
【0046】
その後、導電性基材は、本発明のホーニング処理方法による粗面化が行われる。また、必要に応じて導電性基材の表面に導電層を形成することができる。この導電層は樹脂中に酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物や、金、鉄、アルミニウム、銅などの金属微粉末などの導電性物質を分散した膜を形成することにより得られる。
【0047】
前記下引き層に用いられる化合物としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
【0048】
これらの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物、または重縮合物として用いることができる。これらの化合物の中でも、ジルコニウムもしくはチタニウムを含有する有機金属化合物やシラン化合物を含有する場合、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
【0049】
前記シラン化合物の例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも特に好ましく用いられるシラン化合物は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
【0050】
有機ジルコニウム化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
【0051】
有機チタン化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0052】
有機アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
【0053】
下引き層中には電気特性の向上や光散乱性の向上などの目的により、各種の有機もしくは無機の微粉末を混合することができる。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料や、テフロン(R)樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。添加される微粉末の粒径は、0.01〜2μmの範囲のものが用いられる。微粉末は必要に応じて添加されるが、添加される場合には下引き層の固形分に対して、10〜80質量%の範囲、より好ましくは30〜70質量%の範囲で添加される。また、下引き層の厚さは、0.1〜40μmの範囲が好ましく、0.1〜30μmの範囲がより好ましい。
【0054】
下引き層塗布液の調製において、前記微粉末を混入させる場合には、樹脂成分を溶解した溶液中に微粉末を添加して分散処理が行われる。微粉末を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。
【0055】
前記感光体層は、基本的には単層構造であっても、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造であってもよい。積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層との積層順序はいずれが上層であってもよい。また、必要に応じて感光体層の表面に表面保護層を形成することも可能である。
【0056】
電荷発生層はいずれの方法により形成されてもよいが、有機感光体における電荷発生層は、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂とともに分散し塗布することにより形成される。
電荷発生物質としては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシアニン、塩化ガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、塩化インジウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、キノン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ビスベンズイミダゾール系、アズレニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン顔料では、α型、β型などをはじめとして各種の結晶型が知られているが、目的にあった感度が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。
【0057】
電荷発生層における前記結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなど、もしくはこれらの共重合体を用いることができる。これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いることが可能である。
【0058】
電荷発生層は、これらの電荷発生物質、結着樹脂等を適当な溶媒に分散および混合させて、得られた塗布液を塗布することにより形成される。溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等、通常の有機溶剤を分散に用いることができる。
【0059】
前記電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。また、電荷発生層の厚みは、0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.05〜2.0μmの範囲がより好ましい。電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
【0060】
前記電荷輸送層は、電荷輸送性物質及び結着樹脂等より構成される。
上記電荷輸送物質としては、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリンなどの芳香族第3級アミノ化合物;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物;3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質;クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;ジフェノキノン化合物などの電子輸送物質;あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合せて使用できる。
【0061】
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル樹脂、ビスフェノールAタイプ・ビスフェノールZタイプ・ビスフェノールCタイプ・ビスフェノールAPタイプなどの各種ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー、あるいはこれらの共重合体等が挙げられる。
【0062】
電荷輸送層は、前記電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し乾燥することによって形成することができる。電荷輸送層の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル、あるいはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
電荷輸送物質と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5の範囲が好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。
【0063】
電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光体層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
【0064】
また、光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジンなどの誘導体が挙げられる。
【0065】
さらに、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることもできる。本発明における感光体に使用可能な電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl、CN、NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましく用いられる。
【0066】
前記電荷発生層、電荷輸送層などの塗工は、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法を用いて行うことができる。その後、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の範囲で5分間〜2時間の範囲の時間で行うことが望ましい。
【0067】
感光層体層の表面には、必要に応じ表面保護層を形成することができる。表面保護層としては、絶縁性樹脂保護層、あるいは絶縁性樹脂の中に抵抗調整剤を添加した低抵抗保護層が挙げられる。該低抵抗保護層の場合には、例えば絶縁性樹脂中に導電性微粒子を分散した層が用いられる。導電性微粒子としては、電気抵抗が109 Ω・cm以下で白色、灰色、もしくは青白色を呈する平均粒径が0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下の微粒子が適当であり、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、あるいは酸化アンチモンとの固溶体の担体またはこれらの混合物、あるいは単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合したもの、あるいは被覆したもの等が挙げられる。中でも、酸化錫、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アンチモンとの固溶体は電気抵抗を適切に調節することが可能で、かつ、表面保護層を実質的に透明にすることが可能であるので、好ましく用いられる。
【0068】
前記絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体等が挙げられる。
【0069】
なお、単層構造電子写真感光体の場合には、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂は、前記積層構造電子写真感光体の場合で述べたものと同様のものを使用することができ、感光層の形成方法も同様である。単層構造電子写真感光体の場合、感光層の膜厚としては、10〜30μm程度の範囲であることが好ましい。
【0070】
本発明の製造方法により得られる、本発明のホーニング処理方法で粗面化された導電性基材を有する感光体は、露光源が近赤外光もしくは可視光であるレーザービームプリンター、ディジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置に用いることができる。また、前記感光体は、一成分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも組み合わせて用いることができる。さらに、前記感光体は、帯電ロールや帯電ブラシを用いた接触帯電方式においても、基材表面に研磨剤等の欠陥がないため、電流リークの発生が少ない良好な特性を発現し得る。
【0071】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、下記において「部」とあるのは特に断りのない限り「質量部」を意味する。
(実施例1)
−導電性基材(円筒状基体)のホーニング処理−
アルミニウム素管(A1050)からなる円筒状基体を、ダイヤモンドバイトを用いた旋盤により鏡面切削加工し、厚さ0.75mm、外径30mm、長さ340mmとした。その後その表面を、中心線平均粗さRaが0.03〜0.04μmの範囲となるように平滑面に仕上げた。
なお、上記表面粗さの測定は、表面粗さ測定機サーフコム(東京精密社製)を用いて行った。
【0072】
鏡面切削加工終了後、円筒状基体の表面の脱脂洗浄を行った。脱脂洗浄は2つの洗浄槽に前記円筒状基体を順次浸漬することによって行った。各洗浄槽には、底部より界面活性剤をイオン交換水に溶解させた洗浄液を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせた。前記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(ライオン(株)製:LH−600F)を用い、洗浄液中の界面活性剤の濃度は、1つ目の洗浄槽では10〜20質量%の範囲とし、2つ目の洗浄槽では1〜2質量%の範囲とした。また、洗浄液のイオン交換水としては、電気伝導度が0.1μS/cm以下のものを使用した。さらに、洗浄時円筒状基体には、超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0073】
こうして円筒状基体の脱脂洗浄を行った後、円筒状基体の濯ぎ洗浄を行った。濯ぎ洗浄は、洗浄液としてイオン交換水のみを用いた以外は、前記脱脂洗浄と同様にして行った。濯ぎ洗浄を行った後、円筒状基体を35℃に保持した温純水中に50秒間浸漬した後、300mm/minの速さで引き上げた。このときも、円筒状基体には超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0074】
こうして得られた円筒状基体に対し、湿式ホーニング処理装置によってその表面の粗面化処理を行った。湿式ホーニング処理は、円筒状基体の端部固定部として上下開口部を密閉する把持具を用い、開口径に合わせた大きさで円筒状基体の両端部から嵌まり込み、エアー圧力で円筒状基体を固定するチャックを用いることにより、図2に示すように円筒状基体の両端部を完全に密閉して行った。
【0075】
粗面化処理は、研磨剤5.7kgを水51Lに懸濁させた懸濁液を研磨液とし、この研磨液を10L/minの流量でホーニング処理用ガンに送り込み、圧縮空気圧を0.1〜0.2MPaの範囲、円筒状基体の回転数を300rpm、ホーニング処理用ガンの送り速度を1000mm/secとして円筒状基体に吹き付け、中心線平均粗さRaが0.1〜0.3μmの範囲となるように行った(粗面化処理工程)。なお、上記研磨剤としては、粒径35μmの酸化アルミニウム(昭和タイタニウム社製:アルナビーズ(CB−A35S))を用いた。
【0076】
こうして粗面化処理した円筒状基体を両端部密閉状態から開放し、続いて以下の洗浄処理を行った。まず、粗面化処理した円筒状基体に対し、25L/minの流量で60秒間井戸水を吹きかけた後、水を2L/minで吹きかけながら、ブラシでスクラブ処理を行った。ブラシとしては、棒状の軸部材と軸部材に放射状に取り付けられる多数のナイロン製繊維とから構成されるものを用いた。ナイロン製繊維の線径は65μm、ブラシ部分の外径は130mm、長さは30mmとし、軸部材が円筒状基体の回転軸と平行となり、かつブラシ(繊維)の先端が円筒状基体の表面に接触するように配置した。前記スクラブ処理は、円筒状基体及びスクラブブラシの回転方向を同一方向とし、回転速度を100rpmとして60秒間行った。
【0077】
その後、精密洗浄は4つの洗浄槽に円筒状基体を順次浸漬することにより行った。各洗浄槽には底部よりイオン交換水を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせた。なお、最終洗浄槽では、洗浄液中に円筒状基体を20秒浸漬した後、300mm/minの速度でゆっくりと引き上げて洗浄した。
次いで、乾燥室で135℃の熱風乾燥を1.5分間行った。その後、調温室に円筒状基体を搬送し、23℃にて風冷却を300秒間行った(洗浄工程)。
【0078】
なお、前記粗面化処理工程を同様に行った別の円筒状基体について、洗浄処理を行わずに破壊し、基体の内面全面を、前記CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置により観察したところ、500倍の倍率で粒径10μm以上の研磨剤が全く見られなかった。
【0079】
−電子写真感光体の作製−
次に、有機ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)100部、シランカップリング剤(商品名:A1100、日本ユニカー(株)製)10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−S、積水化学(株)製)10部、及びn−ブチルアルコール130部を混合して得られた塗布液を、前記ホーニング処理した円筒状基体表面に浸漬塗布し、140℃で15分間加熱して、厚さ1.0μmの下引き層を形成した。
【0080】
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学(株)製)の2質量%シクロヘキサノン溶液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、顔料と樹脂との比(質量比)が2:1となるように混合し、次いでサンドミルにより3時間分散処理を行った。得られた分散液を、さらに酢酸n−ブチルで希釈して前記下引き層表面に浸漬塗布し、厚さ0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0081】
続いて、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)ベンジジン4部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂6部をモノクロロベンゼン36部に溶解させた溶液を、前記電荷発生層表面に浸漬塗布し、115℃で40分間乾燥して厚さ24μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、導電性基材表面に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した電子写真感光体を800本作製した。
【0082】
得られた電子写真感光体を、前記CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置を用いて感光体表面の欠陥数を測定し、欠陥発生率を算出した。
その結果、画像上問題となるレベルの欠陥が発生した感光体は、800本中5本であり、欠陥発生率は0.6%であった。
【0083】
(比較例1)
実施例1において、円筒状基体のホーニング処理における粗面化工程(湿式ホーニング処理)を、図3に示すように円筒状基体の片面だけを把持具にて固定した以外は実施例1と同様にして、導電性基材のホーニング処理、電子写真感光体の作製を行った。
【0084】
その結果、実施例1と同様に粗面化処理工程後に洗浄処理を行わずに破壊し、基体の内面を前記CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置を用いて観察したところ、500倍の倍率で粒径10μm以上の研磨剤が1つ以上見られた。
【0085】
また、前記のようにして800本の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして全数について欠陥発生率を算出したところ、同一基準で画像上問題となるレベルの欠陥が発生した感光体は、800本中41本であり、欠陥発生率は5.1%であった。
【0086】
以上の実施例及び比較例の結果のように、画像上問題となる欠陥発生率は、実施例の場合に比べ比較例の場合の方が明らかに高く、円筒状基体のホーニング処理にあたっては、粗面化処理工程後の基体内面に存在する一定粒径以上の研磨剤粒子数を制御することにより、欠陥発生率が十分に低減されることが分かった。
【0087】
【発明の効果】
本発明の湿式ホーニング方法、電子写真感光体の製造方法によれば、円筒状基体内面への研磨剤の混入を十分に防止できるため、画質欠陥の発生がなく、極めて高品質な画像を形成できる電子写真感光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホーニング処理方法の一例を示す概略構成図である。
【図2】円筒状基体の両端部を密閉した状態でのホーニング処理を示す概略図である。
【図3】円筒状基体の片端部を密閉した状態でのホーニング処理を示す概略図である。
【符号の説明】
1 円筒状基体
2 ポンプ
3 ホーニング処理用ガン
3’ ノズル
4 圧縮空気導入管
5 処理容器
6 研磨液導入管
7 研磨液(ホーニング処理液)
10 把持具
10’ 端部固定部
Claims (3)
- 少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とするホーニング処理方法。
- 前記粗面化処理工程が、円筒状基体の両端部を密閉した状態で、前記ホーニング処理液を吹き付ける工程であることを特徴とする請求項1に記載のホーニング処理方法。
- 少なくとも、円筒状基体に研磨剤を含むホーニング処理液を吹き付けて円筒状基体表面を粗面化する粗面化処理工程と、該円筒状基体表面に残った前記研磨剤を洗浄する洗浄工程と、を含むホーニング処理方法により、円筒状基体表面を粗面化し、該粗面化された円筒状基体表面に感光層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、前記粗面化処理工程後、円筒状基体の内面に、粒径が10μm以上の研磨剤が付着していないことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036480A patent/JP2004246124A/ja active Pending
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