JPH08314172A - 電子写真感光体用導電性基体の処理方法 - Google Patents

電子写真感光体用導電性基体の処理方法

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JPH08314172A
JPH08314172A JP14235995A JP14235995A JPH08314172A JP H08314172 A JPH08314172 A JP H08314172A JP 14235995 A JP14235995 A JP 14235995A JP 14235995 A JP14235995 A JP 14235995A JP H08314172 A JPH08314172 A JP H08314172A
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JP
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conductive substrate
resin
tube
substrate
cleaning
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JP14235995A
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Ichiro Takegawa
一郎 竹川
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性基体の処理を効率的に行うとともに、
導電性基体の洗浄及び粗面化処理により優れた画像の得
られる感光体用導電性基体の処理方法を提供する。 【構成】 本発明の電子写真感光体用導電性基体の処理
方法は、洗浄剤を含有する水性洗浄液または水、研磨剤
及び洗浄剤を含有する水性懸濁液を、高圧の供給源に接
続されたノズルより噴射させることにより、導電性基体
の洗浄及び導電性基体表面の粗面化を同時に行うことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に使用
する導電性基体の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真装置は、複写印刷技術と
して高速でかつ高画質の画像が得られることから、複写
機及びレーザービームプリンター等の分野において広範
囲に利用されている。電子写真装置に用いられる感光体
としては、有機系光導電材料を用いた有機感光体(OP
C)の開発が進められ普及してきている。また、その感
光体の構成についても、電荷移動型錯体構造や電荷発生
材料を結着樹脂中に分散した単層型の感光体から、電荷
発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の感光体へ
と変遷し、感光体の性能が向上してきている。この機能
分離型感光体は、アルミニウム等の導電性基体上に、下
引き層を形成し、その上に電荷発生層、電荷輸送層を形
成する構成が主流となっている。ところで、電子写真装
置の進展に伴って、高品位な画質の画像形成が要望され
るようになり、感光体についてもその性能の向上が求め
られている。この感光体を構成する電荷発生層、電荷輸
送層及び下引き層等の各層は、いずれも光感度、画像の
画質、繰り返し安定性及び環境安定性等の電子写真特性
に重大な影響を及ぼすことが知られている。
【0003】感光体の導電性基体は、画質欠陥の防止及
びコストの低減等のために、押し出し管やED管、EI
管等各種のものが用いられている。この導電性基体によ
って発生する干渉縞の形成を低減させるために、導電性
基体の表面を粗面化処理する方法が検討されている。こ
の表面の粗面化処理については、例えば、高圧の水のみ
をノズルから噴出させて基体を粗面化する方法(特開昭
63−264764号公報)、粗面化処理にホーニング
を用いる方法(特開平2−37358号公報、特開平2
−87154号公報、特開平2−191963号公報、
特開平3−64762号公報、特開平5−216261
号公報)、2台以上のガンを用いて無切削アルミニウム
の粗面化を行う方法(特開平6−67441号公報)及
びセンタレスまたはローラーバニッシング加工により表
面を粗面化する方法(特開平6−35216号公報)等
が提案されている。
【0004】その導電性基体は、その製造時や切削加工
時に油等を使用することから、導電性基体上に付着した
油分や異物を除去するための洗浄が必要であり、この洗
浄法の洗浄液としては、最近の環境問題に対応して有機
溶剤ではなく、主として水が用いられている。この導電
性基体の表面洗浄法に関しては、ビロード等の摺擦部材
を用いて基体を洗浄する方法(特開平1−130160
号公報)、液体の噴射により基体を洗浄する方法(特開
平1−130159号公報)、有機溶媒中で超音波洗浄
後に蒸気洗浄を行う方法(特開平2−198449号公
報)、溶剤中でブラシを用いて摩擦を行う方法(特開平
2−201373号公報)、ドラムの外周面に摺擦する
環状のブラシを用いて洗浄液をノズル噴射する方法(特
開平3−60782号公報)、感光層表面を粗面化した
後水溶性アルカリ系洗浄剤で洗浄し、続いて純水で洗浄
する方法(特開平4−369654号公報)及びアルミ
ニウム基体の表面に陽極酸皮膜を形成した後、純水洗浄
する方法(特開平2−11955号公報)等が提案され
ている。
【0005】また、レーザープリンターやデジタル複写
機のようにレーザー光源のような可干渉性光を用いる露
光方式では、感光体の内部で反射した入射光が反射によ
って感光体の内部で干渉が生じることから、プリント上
に干渉模様に対応した木目状の濃淡が発生する。これを
防止するために、プリンター用感光体には感光体内部に
光を散乱反射する機能を保持させることが必要である。
以上の要求に対応するために、上記した従来の方法は、
まず導電性基体を水性洗浄液を用いて洗浄した後、湿式
ホーニング処理等により該基体表面の粗面化処理を行
い、さらに再度水性洗浄液により基体表面を洗浄する等
の方法が行われており、このような導電性基体の処理方
法は、粗面化と基体洗浄とを別々の異なる工程で行うた
め、多くの工程を要する等の問題を有するものであって
効率的なものではない。さらに、導電性基体の洗浄と粗
面化とを行う処理方法としては、水蒸気を凍結させて得
られる微細凍結微粒子を基体表面に噴出することにより
基体表面の汚染物質を除去するとともに基体表面を粗面
化する方法(特開平5−224437号公報)及び基体
を洗浄液中で超音波処理することにより粗面加工する方
法(特開平4−147267号公報)が提示されてい
る。しかしながら、これらの方法は、導電性基体表面の
粗面化能力が小さいことから、安定した導電性基体の粗
面化が十分に行われないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の技術における上記のような問題点に鑑みてなされた
ものである。すなわち、本発明の目的は、導電性基体の
処理を効率的に行うとともに、導電性基体の洗浄及び粗
面化処理により優れた画像の得られる感光体用導電性基
体の処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真感光体
用導電性基体の処理方法は、洗浄剤を含有する水性洗浄
液または水、研磨剤及び洗浄剤を含有する水性懸濁液
を、高圧の供給源に接続されたノズルより噴射させるこ
とにより、導電性基体の洗浄及び導電性基体表面の粗面
化を同時に行うことを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真感光体用導電性基体の処理方法において、導電
性基体としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の
金属及び合金のドラム、シート等が使用される。基体表
面は、素管のままであっても、鏡面切削、エッチング、
陽極酸化、粗切削、センタレス研削等の前処理が行われ
ているものであってもよい。本発明の導電性基体の処理
方法において、水性洗浄液中の洗浄剤としては界面活性
剤が使用される。その界面活性剤としては、アニオン型
界面活性剤、カチオン型界面活性剤、両性界面活性剤の
イオン型界面活性剤及び非イオン型界面活性剤のいずれ
も使用される。
【0009】上記洗浄剤として用いるアニオン型界面活
性剤としては、石鹸等のカルボン酸ナトリウム塩類、高
級アルコール硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸
エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化
オレフィン等の硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、パラフ
ィンスルホン酸塩、イゲポンT、エアロゾルOT等のス
ルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン
酸エステル塩類等が挙げられる。同じく、カチオン型界
面活性剤としては、アミン塩型カチオン界面活性剤や第
4級アンモニウムカチオン界面活性剤等が挙げられ、ま
た、両面界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性
剤やベタイン型両性界面活性剤等のカルボン酸塩型両性
界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホ
ン酸塩型両性界面活性剤、リン酸エステル塩型両性界面
活性剤が挙げられる。
【0010】非イオン型界面活性剤の中で使用されるも
のとしては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイ
ド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール
脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオ
キサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオ
キサイド付加物等のポリエチレングリコール型、グリセ
ロールの脂肪酸エステル、ペンタエリストールの脂肪酸
エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステ
ル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキ
ルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の
多価アルコール類が挙げられる。上記した界面活性剤の
中で、洗浄性の点からアニオン型界面活性剤と非イオン
型界面活性剤が広く使用される。これらの界面活性剤
は、1種を単独で用いることもできるし、2種以上を混
合して用いることもできる。また、洗浄助剤として、炭
酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム、珪酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機ビ
ルダー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、有機アミン等の有機ビルダーを洗浄液に添加しても
よい。上記水性洗浄液中の洗浄剤の濃度は、0.1〜3
0重量%の範囲、好ましくは2〜15重量%である。本
発明において、粗面化処理による導電性基体の表面粗さ
は、干渉性抑制効果及び画質欠陥の防止からすると中心
線平均粗さRaで0.1〜0.5μmの範囲に設定する
ことが好ましい。また、研磨剤を加えないで高圧の水と
洗浄剤からなる水性洗浄液によって処理を行う場合に
は、水の圧力は400〜1,000kg/cm2 が好ま
しい。
【0011】本発明の処理方法においては、上記した水
性洗浄液のほか、水、研磨剤及び洗浄剤を含有する水性
懸濁液が使用される。この水性懸濁液を用いる処理方法
は、湿式ホーニング処理法であって、研磨剤を水中に懸
濁させて高速度で基体に吹き付ける操作である。使用す
る研磨剤の材質としては、鉄、ガラス、アルミナ、フェ
ライト、ジルコニア、酸化クロム、炭化珪素、炭化ほう
素、窒化ほう素、エポキシ樹脂、PMMA樹脂粒子等が
挙げられる。また、その研磨剤は、粒径が10〜100
μm、硬度がヌープ硬さで800〜5,000kg/m
2 、比重が1〜10の範囲にある微粉末が用いられ、
形状は特に制限がないが球状のものが好ましく用いられ
る。ホーニング処理による導電性基体の平滑度は、研磨
剤の形状、大きさ、硬さ、比重、吹き付け圧力、吹き付
け速度、吹き付け量、懸濁液濃度等により適宜制御する
ことができる。上記の粗度を得るために、吹き付け速度
は10〜150m/sec、吹き付け圧力は0.1〜1
0kg/cm2 の範囲で調整される。
【0012】ところで、現在一般的に行われている導電
性基体の洗浄法は、洗浄液中または洗浄液のシャワー中
でブラシにより基体を摺動し洗浄するものであるため、
導電性基体の表面にこびりついた汚染物を除去すること
ができるものである。しかしながら、導電性基体が粗面
化される程度に研磨剤粒子を懸濁させた水性懸濁液を噴
射する方法によれば、ブラシによる洗浄を行わなくても
十分な洗浄効果が得られ、かつ導電性基体の粗面化も同
時に制御性よく安定して行うことができる。導電性基体
の表面を粗面化処理した後、表面上に残存する洗浄剤を
除去するために濯ぎ洗浄が行われる。濯ぎ洗浄は濯ぎ水
中に基体を浸漬してブラシ摺動や超音波洗浄等を行った
り、濯ぎ水をシャワーにより吹き付ける等の操作によ
り、導電性基体に付着した研磨剤や洗浄剤を除去するた
めに行う。濯ぎ水としては、井戸水や水道水も使用でき
るが、イオン交換水や蒸留水等の純水を用いることが好
ましい。この際、純水の電気伝導度は1μS/cm以下
に設定される。また、水温は40〜80℃に加熱して用
いればより効果的である。
【0013】次に、本発明の処理方法によって得られた
導電性基体を用いて、電子写真感光体を作製する方法に
ついて説明する。本発明の感光体は、導電性基体上に必
要に応じて下引き層が形成され、その上に感光層が形成
される構成である。感光層としては従来公知のいずれの
感光体構成を採用してもよいが、電荷輸送層を表面層と
する積層型感光体が繰り返し安定性や耐環境変動性等の
性能面で優れていることから、以下、感光層としては、
主として電荷輸送層を表面層とする積層型感光体の構成
により説明する。感光体の導電性基体としては、前記し
た金属基体、及びその金属基体を処理したものを、上記
した洗浄及び粗面化処理を行ったものを使用する。ま
た、必要に応じて、導電性基体上に導電層を形成するこ
とができる。この導電層は、樹脂中に酸化スズ、酸化ア
ンチモン、酸化チタン等のような金属酸化物や、金、
鉄、アルミニウム、銅等の金属微粉末等の導電性物質を
分散した膜を形成することにより得られる。
【0014】下引き層としては、ポリビニルブチラール
等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼ
イン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹
脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高
分子化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アル
ミニウム、マンガン、シリコン原子等を含有する有機金
属化合物等を用いて形成される。これらの化合物は、単
独でも、複数の化合物の混合物でもまたは重縮合物とし
ても用いることができる。これらの中でも、ジルコニウ
ムまたはシリコーンを含有する有機金属化合物は、残留
電位が低く環境による電位変化が少なく、また、繰り返
し使用による電位の変化が少ない等の性能上優れている
ものである。
【0015】使用されるシリコン化合物としては、例え
ば、ビニリトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,
N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。これらの中で、特に好ましく
用いられるシリコーン化合物は、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン等のシランカップリング剤である。
【0016】使用される有機ジルコニウム化合物として
は、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムア
セト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、
アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト
酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセ
テート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラク
テート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコ
ニウム、ナフテン酸ジルコニム、ラウリン酸ジルコニウ
ム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジル
コニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ス
テアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレート
ジルコニウムブトキシド等が挙げられる。また、使用さ
れる有機チタン化合物としては、例えば、テトライソプ
ロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、
ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシ
ル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチ
タンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレ
ート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテ
ート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエ
タノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレー
ト等が挙げられる。さらに、使用される有機アルミニウ
ム化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレ
ート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、
アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートア
ルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス
(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
【0017】下引き層中には、電気特性の向上や光散乱
性の向上等を目的として、各種の有機もしくは無機微粉
末を配合することができる。特に、酸化チタン、酸化亜
鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や
アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料
としての無機顔料及びテフロン樹脂粒子、ベンゾグアナ
ミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等を添加することが好
ましい。微粉末は、必要に応じて添加されるが、添加さ
れる場合には下引き層の固形分に対して、重量比で10
〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%添加さ
れる。この添加微粉末の粒径は、0.01〜2μmの範
囲のものが用いられる。下引き層の塗布液を形成する際
に、添加微粉末を混入させる場合には、樹脂成分を溶解
した溶液中に添加して分散処理される。添加微粉末を樹
脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミ
ル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロ
イドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることが
できる。下引き層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲で
形成されることが望ましい。
【0018】上記した下引き層上に形成される感光層と
しては、基本的には単層構造であっても、電荷発生層と
電荷輸送層とに機能分離された積層構造であってもよ
い。積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層の積層順
序はいずれが上層であってもよい。また、必要に応じて
表面保護層を形成することも可能である。電荷発生層
は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、有機溶
剤及び結着樹脂とともに分散し塗布することにより形成
される。電荷発生物質としては、非晶質セレン、結晶性
セレン、セレン−テルル合金・セレン−ヒ素合金、その
他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタ
ン等の無機系光導電体、無金属フタロシアニン、チタニ
ルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシアニ
ン、ガリウムフタロシアニン等の各種フタロシアニン顔
料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン
系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム
塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が用い
られる。また、この中の有機顔料は、一般に数種の結晶
型を有しているものがあり、特にフタロシアニン顔料で
はα、β等をはじめとして各種の結晶型が知られている
が、所望の光感度が得られる顔料であれば、これらのい
ずれの結晶型も使用可能である。
【0019】電荷発生層に用いる結着樹脂としては、下
記のものが例示できる。すなわち、ビスフェノールA型
あるいはビスフェノールZ型等のポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹
脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコ
ーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。これらの
結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いること
が可能である。電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重
量比)は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。ま
た、電荷発生層の膜厚は、一般には0.01〜5μm、
好ましくは0.05〜2.0μmの範囲に設定される。
電荷発生材料を樹脂中に分散させる方法としては、ロー
ルミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、
ダイノーミル、サンドミル、コロイドミル等の方法を用
いることができる。
【0020】電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質とし
ては、下記のものが例示できる。2,5−ビス(p−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェ
ニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−
(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチル
アミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、ト
リフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミ
ン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェ
ニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3
級アミノ化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、
3−[4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−
(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン
等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等
のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キ
ナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,
3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベ
ンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)
−N,N′−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘
導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカ
ルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及び
その誘導体等の正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアニ
ル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノ
キノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チ
オフェン化合物、ジフェノキノン化合物等の電荷輸送物
質、あるいは上記化合物からなる基を主鎖または側鎖に
有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料
は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0021】電荷輸送層に用いられる結着樹脂として
は、例えば、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエス
テル樹脂、ビスフェノールA型あるいはビスフェノール
Z型等のポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、アクリ
ロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−
ブタジエンコポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、
ポリアミド、塩素ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリビニ
ルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニル
ピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。電荷
輸送層は、上に示した電荷輸送物質及び結着樹脂とを適
当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し、乾燥することよっ
て形成することができる。電荷輸送層の形成に使用され
る溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロル
ベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノ
ン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エ
チレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエ
ーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル、あるいはこれ
らの混合溶剤等が挙げられる。電荷輸送材料と上記結着
樹脂との配合比は10:1〜1:5の範囲であることが
好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、一般に5〜50
μm、好ましくは10〜40μmの範囲に設定される。
【0022】感光体において、電子写真装置中で発生す
るオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の
劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤・光安定
剤・熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例え
ば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒン
ダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアル
カン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダ
ノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合
物等が挙げられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェ
ノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テト
ラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。また、感
度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減
等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有
させることができる。感光層に使用可能な電子受容性物
質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジ
ブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無
水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼ
ン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロ
フルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−
ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。こ
れらの中で、フルオレノン系、キノン系や、Cl、C
N、NO2 等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導
体が特に望ましい。
【0023】感光層を形成させるための塗工方法として
は、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレ
ード塗布法、ローラー塗布法等の塗布法を用いることが
できる。乾燥は、加湿処理方法を用いない場合には、室
温において風乾した後に加熱乾燥するのが好ましい。加
熱乾燥は、30〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲
の時間で行うことが望ましい。感光層上には、必要に応
じて表面保護層を形成することができる。表面保護層と
しては、絶縁性樹脂保護層または絶縁性樹脂の中に抵抗
調整剤を添加した低抵抗保護層が用いられる。低抵抗保
護層の場合には、例えば、絶縁性樹脂中に導電性粒子を
分散した層が挙げられ、その導電性微粒子としては、電
気抵抗が109Ω・cm以下で白色、灰色または青白色
を呈する平均粒径が0.3μm以下好ましくは0.1μ
m以下の微粒子が適当であり、例えば、酸化モリブデ
ン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化
チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモンあるいは
酸化アンチモンとの固溶体の担体またはこれらの混合
物、あるいは単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合し
たもの、あるいは被覆したものが挙げられる。これらの
中で、酸化錫、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アンチ
モンとの固溶体は、電気抵抗を適切に調節することが可
能で、かつ、保護層を実質的に透明にすることが可能で
あることから、好ましく用いられる。(特開昭57−3
0847号公報、特開昭57−128344号公報参
照)絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、
ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボ
ネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体等が挙げ
られる。
【0024】上記方法により得られた電子写真用感光体
は、ライトレンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光に
発行するレーザービームプリンター、デジタル複写機、
LEDプリンター、レーザーファクシミリ等の電子写真
装置に用いることができる。また、この感光体は、一成
分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも合
わせて用いることができるものであり、また、帯電ロー
ラーや帯電ブラシを用いた接触帯電方式においても電流
リークの発生が少ない良好な特性が得られるものであ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1 導電性基体として、1mm厚×30mmΦ×334mm
のアルミニウムED管を用意した。図1に示される装置
を用いて、このアルミニウム管の洗浄及び粗面化処理を
同時に行った。図1において、1は導電性基体、2はポ
ンプ、3はガン、4は空気導入管、5は処理容器であ
る。この処理方法としては、液体ホーニング処理法によ
って行った。研磨剤(アルミナビーズCB−A30S、
昭和タイタニウム社製)8kgを、洗浄剤として界面活
性剤(パインアルファーST−100S、荒川化学社
製)5重量%を含有する水溶液30リットルに懸濁させ
て水性懸濁液を得た。得られた水性懸濁液をポンプ2に
より6リットル/分の流量でガン3に送液し、空気導入
管4から導入される1kgf/cm2 の圧縮空気ととも
に、ガン3からアルミニウム管に吹き付けた。ガンはア
ルミニウム管の軸方向に500mm/分で移動させ、一
方、アルミニウム管は100rpmで回転させながら洗
浄及び粗面化処理を同時に行った。その後、このアルミ
ニウム管をイオン交換水で濯ぎ洗浄して、感光体作製用
の導電性基体を得た。得られた導電性基体の中心線平均
粗さ(Ra)は、0.18μmであった。
【0026】応用例1 4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM
−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール
170重量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセ
トンジルコニウムブチレート)20重量部および有機シ
ラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン)10重量部を混合撹拌し、これを下引き層の塗
布液とした。液体ホーニング処理により粗面化された実
施例1の30mmΦのアルミニウムED管基体上に、上
記塗布液を塗布し、室温で5分間の風乾を行った後、1
0分間で50℃に昇温した後、50℃、85%RHの恒
温恒湿槽中に入れて20分間加湿硬化促進処理を行い、
次いで150℃で10分間熱風乾燥機中で乾燥させた。
電荷発生材料として、クロロガリウムフタロシアニン1
5重量部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(VMC
H、日本ユニカー)10重量部、n−ブチルアルコール
300重量部からなる混合物をサンドミルを用いて4時
間分散させた。この液を上記下引き層上に浸漬塗布・乾
燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次
に、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチ
ルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−
ジアミン4重量部とビスフェノールZポリカーボネート
樹脂(分子量4万)6重量部とをクロルベンゼン80重
量部を加えて溶解した。この溶液を浸漬塗布装置を用い
て塗布乾燥することにより膜厚25μmの電荷輸送層を
形成し、110℃、40分の乾燥処理を行って、3層か
らなる電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感
光体を接触帯電方式を有するプリンター(PC−PR1
000/4R、日本電気社製)に装着し、プリント操作
を行ったところ、画質欠陥のない極めて鮮明な画像を得
ることができた。
【0027】比較例1 導電性基体として、1mm厚×30mmΦ×334mm
のアルミニウムED管を用意した。このアルミニウム管
を従来の方法により、界面活性剤(パインアルファーS
T−100S、荒川化学社製)5重量%の水溶液を用い
て該基体のブラシ洗浄を行った後、洗浄水を除去するた
めに、イオン交換水で濯ぎ洗浄した。その後、図1に示
す液体ホーニング処理装置を用いて研磨剤(アルミナビ
ーズCB−A30S、昭和タイタニウム社製)8kgを
水30リットルに懸濁させて得た水性懸濁液を、ポンプ
2で6リットル/分の流量でガン3に送液し、空気導入
管4から導入される1kgf/cm2 の圧縮空気ととも
にガン3からアルミニウム管に吹き付けた。ガンはアル
ミニウム管の軸方向に500mm/分で移動させ、一
方、アルミニウム管は100rpmで回転させながら粗
面化処理を行った。その後、このアルミニウム管をイオ
ン交換水で濯ぎ洗浄して、感光体作製用の導電性基体を
得た。得られた導電性基体の中心線平均粗さ(Ra)
は、0.18μmであった。この導電性基体を用いて、
実施例1に示す方法で感光層を形成した。感光体は実施
例1で得られた感光体と同等の鮮明な画像が得られた。
しかし、この導電性基体の処理方法は、実施例1の方法
と比べて煩雑なものであった。
【0028】実施例2 洗浄剤としてポラークリーン690(田中インポートグ
ループ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして導
電性基体の洗浄及び粗面化処理を同時に行い、次いでイ
オン交換水で濯ぎ洗浄を行った。この導電性基体を用い
て実施例1に示す方法で感光体を作製し、プリント画質
を調べたところ、画質欠陥のない極めて鮮明な画像を得
ることができた。
【0029】比較例2 洗浄剤としてポラークリーン690(田中インポートグ
ループ社製)を用い、その5重量%水性洗浄液のみを、
実施例1におけると同様に吹き付けた後、イオン交換水
で濯ぎ洗浄して導電性基体の洗浄を行ったところ、その
導電性基体の表面は洗浄処理以前と同じ粗度のままであ
った。この導電性基体上に実施例1に示す条件で下引き
層を塗布形成したところ、導電性基体の洗浄むらに起因
すると思われる塗布むらが発生した。さらに実施例1の
条件で、電荷発生層及び電荷輸送層を形成し感光体を作
製した。この感光体は、導電性基体の粗面化が不十分な
ために、照射光源の干渉に基づく木目模様状のむら(干
渉縞)が発生した。また、下引き層の塗膜むらに起因す
る画質欠陥も見られた。
【0030】実施例3 洗浄剤としてポラークリーン690(田中インポートグ
ループ社製)を用い、その5重量%の水性洗浄液を、5
00kgf/cm2 の圧縮空気とともに噴射ノズルから
吹き付けた。その後、イオン交換水で濯ぎ洗浄して導電
性基体の洗浄を行った。この導電性基体の中心線平均粗
さ(Ra)は、0.14μmであった。得られた導電性
基体上に、実施例1に示す条件で下引き層、電荷発生層
及び電荷輸送層を形成することにより感光体を作製し
た。この感光体を用いて複写したプリント画質を調べた
ところ、画質欠陥のない極めて鮮明な画像を得ることが
できた。
【0031】実施例4 導電性基体として、1mm厚×84mmΦ×340mm
のアルミニウムED管を用意した。このアルミニウム管
を、図1に示される装置を用いて洗浄及び粗面化処理を
同時に行った。この処理方法としては、液体ホーニング
処理法により行った。研磨剤(アルミナビーズCB−A
40、昭和タイタニウム社製)8kgをポリオキシアル
キレンアルキルエーテル系非イオン性界面活性剤(LH
600、ライオン社製)10重量%を含有する水溶液3
0リットルに懸濁させて水性懸濁液を得た。得られた水
性懸濁液をポンプ2で6リットル/分の流量でガン3に
送液し、空気導入管4から導入される1.5kgf/c
2 の圧縮空気とともに、ガン3から吹き付けた。ガン
はアルミニウム管の軸方向に1,000mm/分で移動
させ、一方、アルミニウム管は100rpmで回転させ
ながら処理を行った。その後、この導電性基体を純水で
濯ぎ洗浄して感光体作製用の導電性基体を得た。得られ
た導電性基体の中心線平均粗さ(Ra)は、0.15μ
mであった。
【0032】応用例2 4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM
−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール
170重量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセ
トンジルコニウムブチレート)20重量部および有機シ
ラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン)10重量部を混合撹拌し、これを下引き層の塗
布液とした。この塗布液を液体ホーニング処理により粗
面化された84mmΦのアルミニウムED管基体上に塗
布し、室温で5分間の風乾を行った後、10分間で50
℃に昇温し、さらに50℃、85%RHの恒温恒湿槽中
に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った後、15
0℃で10分間熱風乾燥機中で乾燥させた。電荷発生材
料として、無金属フタロシアニン15重量部、ポリビニ
ルブチラール樹脂(BMS、積水化学社製)10重量
部、シクロヘキサノン300重量部からなる混合物をサ
ンドミルを用いて4時間分散させた。この溶液を上記下
引き層上に浸漬塗布・乾燥して、膜厚0.2μmの電荷
発生層を形成した。次に、N,N′−ビス(3,4−ジ
メチルフェニル)ビフェニル−4−アミン4重量部とビ
スフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量4万)6
重量部とをクロルベンゼン80重量部を加えて溶解し、
得られた溶液を浸漬塗布装置を用いて塗布乾燥すること
により、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、これを1
10℃、40分の乾燥処理を行い、3層からなる電子写
真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を、富士
ゼロックス社製A−color635に装着してプリン
ト操作を行ったところ、画質欠陥のない極めて鮮明な画
像を得ることができた。
【0033】実施例5 洗浄剤として、パーフルオロアルキルスルホン酸塩(メ
ガファックF−116、大日本インキ社製)を用いた以
外は、実施例4と同様にして導電性基体の洗浄及び粗面
化処理を行い、その後純水で濯ぎ洗浄を行った。得られ
た導電性基体を用いて実施例4に示す方法で感光体を作
製し、プリント画質を調べたところ、画質欠陥のない極
めて鮮明な画像を得ることができた。得られた電子写真
感光体を、富士ゼロックス社製A−color635に
装着してプリント操作を行ったところ、画質欠陥のない
極めて鮮明な画像を得ることができた。
【0034】実施例6 洗浄剤としてパーフルオロアルキル含有オリゴマー(メ
ガファックF−177、大日本インキ社製)を用いた以
外は、実施例4と同様にして導電性基体の洗浄及び粗面
化処理を行い、その後純水で濯ぎ洗浄を行った。この基
体を用いて実施例4に示す方法で感光体を作製し、プリ
ント画質を調べたところ、画質欠陥のない極めて鮮明な
画像を得ることができた。得られた電子写真感光体を、
富士ゼロックス社製A−color635に装着してプ
リント操作を行ったところ、画質欠陥のない極めて鮮明
な画像を得ることができた。
【0035】
【発明の効果】本発明は、導電性基体の洗浄と粗面化処
理とを同時に行うことにより、プロセスの簡略化が可能
となりコスト低減を実現することができる。また、この
処理方法により得られた導電性基体を用いて作製した感
光体は、画質欠陥がなく、極めて鮮明な優れた画質の画
像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する湿式ホーニング装置の概略
構成図である。
【符号の説明】
1…導電性基体、2…ポンプ、3…ガン、4…空気導入
管、5…処理容器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄剤を含有する水性洗浄液を、高圧の
    供給源に接続されたノズルより噴射させることにより、
    導電性基体の洗浄及び導電性基体表面の粗面化を同時に
    行うことを特徴とする電子写真感光体用導電性基体の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 水、研磨剤及び洗浄剤を含有する水性懸
    濁液を、高圧の供給源に接続されたノズルより噴射させ
    ることにより、導電性基体の洗浄及び導電性基体表面の
    粗面化を同時に行うことを特徴とする電子写真感光体用
    導電性基体の処理方法。
JP14235995A 1995-05-18 1995-05-18 電子写真感光体用導電性基体の処理方法 Pending JPH08314172A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001051437A (ja) * 1998-11-27 2001-02-23 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2015166076A (ja) * 2014-01-09 2015-09-24 ナノ アンド アドバンスド マテリアルズ インスティトゥート リミテッドNano And Advanced Materials Institute Limited 鏡面仕上げの表面処理

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