JP4814701B2 - 電子写真感光体用基体の洗浄方法及び電子写真感光体 - Google Patents
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Description
しかし、前記記載のしごき加工あるいは冷間引抜き加工などにより得た基体には、塑性加工時に使用した高粘度油及び切削による金属粉が付着している。
また、旋削加工をした後に感光層を形成した基体には、旋削時に使用した切削油が付着している。
感光層を形成する際、基体に油成分、異物等が付着していると、該塗布液中に基体が浸漬されることにより、塗布液が汚染され、塗布液が劣化して所定の性質を有する感光層を形成することができなくなる。
このため、感光性物質を含有する塗布液が基体外周面に塗布される前に、その基体を洗浄する必要がある。
特許文献1(特開平6−118663号公報)には、水に界面活性剤を加えて更に超音波にて洗浄を行なうものが開示されているが、界面活性剤を大量に入れないと効果は少なく、その界面活性剤の除去に時間をとられる。
また、特許文献2(特開平9−6031号公報)には、ブラシを用い洗浄するものが開示されているが、ブラシに洗浄機能の多くを頼ると、基体へ傷が付くおそれがある。
更に、特許文献3(特開2000−225381号公報)には、有機溶剤以外の液体として、アルカリ水溶液を用いたものが開示されているが、強アルカリを扱わねばならないこと、即ちアルカリ水溶液の調整において強アルカリ物質を入れる点ならびにその除去が容易にはできないという問題がある。
それらの解決策として特許文献4(特開2004−295062号公報)には、アルカリ洗浄液の温度を規定したものが開示されているが、アルカリ洗浄液は、基体への化学的変質を起こしやすく、基体の状態及びその上に塗工される感光体の特性も変化させる影響が確認されており、問題となることがある。
基体変質の問題に関して、アルカリ洗浄水と基体との接触時間が長いと、基体の変質が発生する。基体との接触時間が長すぎると基体が黒色化するのがはっきりわかる。基体の変化が目視で判別がつかない接触時間であっても、感光体の特性に影響を与える。特に実機内で何回もの電子写真プロセスを繰り返すと感光体の残留電位の蓄積が大きくなり、その結果、露光後の電位が高くなる現象が発生する。その影響は基体との接触時間が30秒より長いと現れ始めることが判明した。
つまり、本発明では感光体品質に影響を与えず生産性も向上させることができる。
斯して、上記課題は、以下に示す本発明によって解決される。
(1)「少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、前記基体は長さ360mmのアルミドラムであり、前記(A)脱脂洗浄工程は、前記基体を洗浄液中に浸漬するものであり、該洗浄液が30℃でpHが10のアルカリイオン水であり、かつ、脱脂洗浄時間が30秒であることを特徴とする電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(2)「基体の内面と外面を別々に洗浄することを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(3)「基体の洗浄時に、ブラシを基体の洗浄面に摺接することを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(4)「少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、前記(C)乾燥工程が、温純水工程であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(5)「前記(C)乾燥工程の温純水温度が70℃であることを特徴とする前記第(4)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(6)「前記(C)乾燥工程の温純水乾燥時間が60秒であることを特徴とする前記第(4)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」
電子写真感光体基体としての基体の加工過程で用いられる各種潤滑油は、切削刃や加工用ダイで強く圧接しても、潤滑性が損なわれない程度、即ち、加工される基体材料表面の油膜が除かれない程度に、加工される基体材料に強固に付着しているが、本発明により、基体の損傷を伴わずにこのように強固に付着した潤滑油を除去することが、アルカリイオン水の温度調整や外力を加えることにより可能となった。
本発明において、このように強固に付着した潤滑油が、従来考えられていた条件よりもマイルドな(温度、処理時間の)条件で、基体の変質を伴うことなく、アルカリイオン水により洗浄、除去されることは、予想外のことであった。
(A)洗浄工程
あらかじめアルカリイオン水を入れた洗浄槽に基体を入れる。
ヒータによりアルカリイオン水が所定温度に微かに暖められ、基体に付着した油分などに作用する。油分は分離機により分離される。
(B)洗浄剤除去工程
濯ぎ工程では、純水が槽内に送られ基体に付着しているアルカリイオン水を除去する。
(C)乾燥工程
基体が乾燥される。
(A)洗浄工程
本発明の特徴は、この脱脂洗浄工程の洗浄媒体として、従来考えられていた温度よりも低い温度、具体的には20〜50℃の温度になっているアルカリイオン水を使用し、かつ、従来考えられていた処理時間よりも短時間内に処理することである。このような温度及び洗浄処理時間とすることで、基体表面に不可視でありかつ非常に実質的な変質を与えることなく、基体に付着した油分除去の効果が得られる。アルカリイオン水は別名還元水や超アルカリイオン水として知られている。そして、アルカリイオン水については、例えば、高橋裕他監修、「水の百科事典(平成9年)」丸善株式会社、第95頁に具体的に説明されている。
これは、隔膜を挟んで、陽極と陰極を設けた水槽中に、低濃度の電解質を溶解し、この低濃度の電解質を溶解した水の電気分解を行ない、陰極室側に生成するアルカリ性を示す水である。ここで、電解質は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属の塩や、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム等の有機酸の塩が使用される。
このアルカリイオン水のpHは7より大きく、そのpHは電解質の量と、電気分解時に通じた電気量によって決まる。本発明ではpH8からpH11のアルカリイオン水が適しているが、これは電気分解時にpHをモニタしながらpH8からpH11になったときの陰極側の水を使用しても良く、あるいは、pHが13以上になるまで電気分解を行ない、このアルカリイオン水を中性の水で希釈してpH8からpH11の範囲に調整しても良い。
本発明では、このアルカリイオン水により、油分等の有機系異物を効果的に除去できるが、アルミ粉や、砂塵等の無機系の異物も除去可能である。pH10よりも小さいアルカリイオン水では洗浄能力が乏しく、pH13を超えるアルカリイオン水を使用するためには、設備的に大掛かりな設備が必要となる。
図1中、符号(8)は超音波発振素子を示す。超音波の強度としては、40KHz以下の低周波超音波では、電子写真感光体用基体を切削加工した際に発生した微細な起上がり状の凸状欠陥、及び該円筒基体を塑性加工にて加工した際に発生した表面のササクレやアルミカスの付着等により長さ方向に沿って発生した微細な欠陥を起き上がらせてしまうことがあるために、アルミ基体は100KHz以上好ましくは100〜150KHzの高周波超音波発振器にて洗浄することにより、アルミ基体表面に起き上がり状の欠陥を発生させることなく洗浄を行なうことができる。
電子写真感光体用基体の材料がアルミニウムである場合は、各種組成のアルミニウムが使用可能であり、例えばA1000系のアルミニウム合金や、A3000のアルミニウム合金、A6000系のアルミニウム合金に適用可能であるが、それ以外のアルミニウム合金にも問題なく使用できる。
ここで、洗浄対象のアルミニウム合金がA1000系合金である場合は、他の合金を超音波洗浄する場合と比べ、超音波照射強度を2割程度下げることが好ましい。
シームレス材料の場合も同等に、100KHz以上好ましくは100〜150の高周波超音波発振器にて洗浄することが望ましい。
超音波発振素子(8)は、前記電解水が入った洗浄槽(1)に、少なくとも2個の超音波発振子を水平対向に設置すること、垂直に対し角度を付けて対向に設置すること、そして、取り付け角度を3度から15度の範囲で設置することでより効果は高い。
基体(5)に接触させるブラシ(12)のパイル径としては、φ1mmを超えるようなパイル径では、その強度から基体表面に傷などの欠陥を発生させる原因となる。また、ブラシのパイル長さも、3mm以下のパイル長さのブラシ(12)ではその強度から基体表面に傷などの欠陥を発生させる原因となる。しかし、逆にブラシのパイル長さが長すぎると、異物を除去する能力が低い。ブラシ(12)のパイル密度が10本/cm2以上が好ましい。
ブラシの材質にナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、アクリル、ポリエステル、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂及びこれらの合繊、獣毛等を使用することが好ましい。
ブラシ(12)の回転数については、使用するブラシの径により周速の違いにより異なるが、回転速度が低すぎると異物を除去させる能力が低い。ブラシと基体(5)の回転方向は、同一方向に回転させると良い。ブラシ(12)と基体(5)を同一回転方向とすることにより、ブラシ(12)と基体(5)が接触する位置では、ブラシ(12)と基体(5)は反対方向の進行方向となり周速が早くなり、洗浄効果が得られる。ブラシと該基体の接触面の周速が5m/分以上であることが好ましい。
また、ブラシ(12)を基体(5)に接触させて洗浄を行なう際に、基体若しくはブラシを軸方向に揺動させると、洗浄ムラを防止することができる。さらに、超音波とブラシ(12)を組み合わせることで更に洗浄効果が高まる。
次に、第2洗浄槽の濯ぎ工程について説明する。ここでは、第1洗浄槽の脱脂洗浄工程にて付着した残存するアルカリイオン水を除去するために行なう、濯ぎ工程に使用する媒体は、水若しくは純水が適している。
濯ぎ方法としては、超音波発振子による超音波濯ぎや気泡によるバブリング濯ぎが適しているが、設備投資金額を考慮するとバブリング濯ぎが有利である。
バブリングするときの気泡(11)の大きさはφ5以上φ100mm以下の気泡が混在したほうが良く、φ5mm未満及びφ100mmを超えると濯ぎ能力が劣る。気泡の大きさの調整方法は、エアーの流量による。平均気孔径は100μm以下が良く、好ましくは30μm以上60μm以下がより好ましい。このとき、エアー圧力が0.1MPaを超えると、発泡した気泡が合わさり10mm以上の気泡となるため、供給する。
また、気泡を発生させるエアーの流量は10L/min以上80L/min、好ましくは20L/min以上60L/min、更に好ましくは40L/min以上50L/minである。10L/min未満では気泡発生量が少なく、80L/minを超えると、濯ぎ槽中のエアー量が多くなってしまい、濯ぎ能力が低下する。
エアー圧力は0.1MPa以下が好ましく、3mm以上5mm以下の気泡を発泡させるためには0.03MPa以上0.07MPa以下が好ましい。
エアー用ノズルは、円形または平板状のセラミック焼結多孔質体あるいはプラスチック焼結多孔質体で形成されていることが好ましい。セラミック焼結多孔質体及びプラスチック焼結多孔質体の場合には、均一な大きさの気泡が得られる。
これらエアー用ノズル(10)のバブリングの気泡は基体(5)の表面及び内面に沿って水系洗浄剤及び異物を取り除きながら上昇する。気泡(11)は10mm以下の場合にすすぎ効果が高いが、好ましくは3mm以上5mm以下の均一な気泡がより好ましい。
使用するエアーは、純水に塵、埃、油分等を混入させないようクリーン度クラス100以下が良く、好ましくはクリーン度クラス10以下がより好ましい。
エアー用ノズル(10)の平均気孔径は、100μmを超えると3mm以上5mm以下の均一な気泡(11)が発泡できないため、円形のセラミック焼結多孔質体及びプラスチック焼結多孔質体のエアー用ノズルの場合、直径φ50mmを超えると、中心部では気泡が大量に発泡するが、外径部では気泡が発泡が少なく、ノズル内で均一な気泡が発生しない。気泡の発泡を均一にするためφ50mm以下が良く、好ましくはφ25mm以上φ35mm以下がより好ましい。平板状のセラミック焼結多孔質体及びプラスチック焼結多孔質体のエアー用ノズルの場合も同様であり、50mm角以下が良く、好ましくは25mm角以上35mm角以下がより好ましい。
エアー用ノズル(10)は、対応する基体(5)の最大のものに合わせ多数個配置することにより、品種交換時にエアー用ノズルを交換することなく、対応する全品種の基体(5)の表面および内面に均一に気泡(11)が接触することが可能となる。
次に、第3洗浄槽の温純水乾燥工程にて説明する。
温純水乾燥では、加熱した純水中に基体(5)を浸漬させ、基体が純水温度まで加熱された後に、基体を一定速度で引き上げる。これにより、基体の外周面に付着している純水が蒸発して、水切りされる。
純水温度は乾燥速度や基体表面状態の変化を考慮すると60℃以上80℃以下に設定すると良い。これより低温の場合、基体表面に乾燥シミができることが確認されている。
また、比抵抗が1MΩ・cmより大きな温純水に基体を浸漬させた場合、基体表面に水酸化被膜ができやすくなる。これは、感光層を形成した際の電気的特性に影響を与えてしまうため、好ましくない。
また、温純水中からの基体の引き上げ速度は3〜20mm/秒が好ましい。20mm/秒を超える場合、基体に付着する水が多く、乾燥しにくくなる。
また、洗浄対象の大きさにも特に制限はなく、洗浄槽に入り、保持できる寸法であれば良い。
また、前記第(2)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法のように実施することによって、基体の保持時に別々に実施できるので基体全面を洗浄することができる。
また、前記第(3)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法のように実施することによって、物理的な力で金属粉を除去できる。
また、前記第(4)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法のように実施することによって、水のみにより洗浄、乾燥を実施でき環境負荷が少なくできる。
また、前記第(5)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法のように実施することによって、基体表面の特性を変化させず乾燥できる。
また、前記第(6)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法のように実施することによって、基体表面の特性を変化させず乾燥できる。
本発明で使用する導電性基体としては、アルミニウム金属が例示できる。
図2は、本発明の電子写真感光体の構成例の一つを示す断面図であり、本発明による導電性基体(以下、支持体ともいう)(31)の上に、少なくとも下引き層(「中間層」ともいう)(33)を設け、その上に電荷発生層(34)及び電荷輸層層(35)を積層した感光層を有する機能分離型の構成をとっている。
図3は、本発明の別の構成例を示す断面図であり、本発明による導電性基体(31)の上に、下引き層(又は中間層)(33)を設け、その上に、電荷発生層(34)と電荷輸送層(35)を順に積層した機能分離型感光層を有し、該感光層上に保護層(36)を設けた構成をとっている。これらは例であって、本発明において、電荷発生層と電荷輸送層は、必ずしもこの順序に限らず、逆の順序に積層されたものであってもよく、また、電荷発生層と電荷輸送層を順に積層した機能分離型感光層に代えて、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層内に含む単層型の感光層を有するものであってもよい。
センタレス研削加工は、切削加工に比べて、被加工物の外表面が、真円度、真直度、表面状態が共に、高精度に研削加工されるので、優位な加工技術であると考えられている。
中間層に用いる無機顔料は、一般に用いられている顔料でよいが、可視光及び近赤外光に吸収のほとんど無い白色又はそれに近いものが感光体の高感度化を考えたときに望ましい。
例えば、酸化チタン、亜鉛華、硫酸亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や酸化アルミ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料等が挙げられる。
このなかでも酸化チタンは他の白色顔料に比較して屈折率が大きく、化学的にも物理的にも安定であり、隠蔽力が大きく、白色度も大きいため好ましい。
例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
中間層における結着剤樹脂/無機顔料の重量比範囲は1/15〜2/1の範囲が好ましい。
更に感光層の膜厚は、繰り返し使用しても異常画像を発生させないためには、25μm以上とすることが望ましい。25μm以下では初期の画像では特に問題がないが、繰り返し使用による耐久性での地肌汚れ等の画像劣化が早くなる。その原因として、感光体は繰り返し使用により接触部材により摩耗し膜厚が減少する。その結果、感光体にかかる電界強度が大きくなり、導電性支持体からの電荷注入により地肌汚れ等の異常画像が発生する。
そこで、感光層の膜厚を厚くしておくほうが、繰り返し使用しても高品質な画像を提供しつづけることができる。
ここでいう感光層の膜厚とは、感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層から構成されている場合、電荷輸送層の各層の膜厚であり、また感光層が単層の場合は、その感光層そのものの膜厚である。
環状エーテル系化合物としては、テトラヒドロフラン等を例示することができる。
ケトン系化合物としては、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等を例示することができる。
また、芳香族系炭化水素化合物としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等を例示することができる。
電荷発生層は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生材料には、無機及び有機材料が用いられ、その代表としてモノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコン等が挙げられ用いられる。電荷発生材料は、単独で或いは2種類以上混合して用いられる。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサール誘導体、オキサジアール誘導体、イミダール誘導体、モノアールアミン誘導体、ジアールアミン誘導体、トリアールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラジン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体、その他ポリマー化された正孔輸送物質等公知の材料が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ピリジン誘導体、ピペリジン誘導体、モルホリン誘導体等の酸化防止剤を使用でき、その使用量は結着剤樹脂100重量部に対して0〜5重量部程度が適当である。
本発明の画像形成装置は、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および電子写真感光体からなる画像形成装置に本発明の浸漬塗工装置、方法にて作製されたものである。
最近画像形成装置の帯電法として、一般的なコロナ帯電に替わって接触帯電を用いた装置が実用化されてきている。この方法は装置の簡略化やコロナ放電で生成するオゾンを軽減する等のメリットがある。
接触帯電手段への印加電圧は、直流、交流又は直流+交流いずれを用いてもよい。また、印加方法も瞬時に印加してもよいし、段階的に印加電圧を上げていってもよい。
しかし、本発明の画像形成装置では、搭載する電子写真感光体の感度及び残留電位が繰り返し使用されても変動せず、その結果露光部電位が経時に渡って一定となり、画像濃度が均一で高品質な画像となる。
導電性基体としてφ100mm×L360mmのアルミドラムを使用する。
洗浄条件として、
(A)脱脂洗浄工程:アルカリイオン水、PH10、温度30℃、洗浄時間30秒、内外面同時洗浄
(B)濯ぎ工程:浸漬
(C)乾燥工程:150℃/10分熱風乾燥
アルキド樹脂ベッコゾール1307−60EL(固形分60wt)(大日本インキ化学製)80重量部、ブチル化ベンゾグアナミン樹脂スーパーベッカミンTD−126(固形分60wt%)(大日本インキ化学製)55重量部をメチルエチルケトン350重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末CR−EL(石原産業製)350重量部をアルミナボールを使用して48時間ボールミル分散し、中間層用塗工液を作成した。
これを上記洗浄済みのアルミドラムに浸漬塗布し、130℃で20分乾燥し、厚さ3.5μmの中間層を形成した。
次に、チタニルフタロシアニン顔料20重量部をφ2mmのジルコニアビーズとともにガラスポットに入れ、更にテトラヒドロフラン350重量部を加えて、25℃の室温で20時間ボールミリングを行なった。その後、ポリビニルブチラール樹脂エスレックBX−1(積水化学製)10重量部を600重量部のメチルエチルケトンに溶解させた樹脂溶液を添加して、さらに2時間ボールミリングを行なうことによって電荷発生層用塗工液を作成した。
このようにして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に浸漬塗布し、65℃、20分乾燥し、膜厚0.1μmの電荷発生層を形成した。
NEO450は帯電ローラーによる接触帯電手段、画像露光手段、反転現像手段、転写手段、クリーニングブレードによるクリーニング手段を搭載する。
評価項目:100k画像出し後の実機内残留電位、塗膜欠陥数、生産性
洗浄時間を60秒にした以外は実施例1と同じように洗浄を実施した。
その他の実施例、比較例を表1のように変化させ実施した。また、評価は表2のように実施した。
1 電解水超音波洗浄槽
3 純水バブリングすすぎ槽
4 温純水乾燥槽
5 基体
6 基体保持具
7 リフター
8 超音波発振子
9 ガイドレール
10 エアー用ノズル
11 気泡
12 ブラシ
(図2、3)
31 導電性支持体
32 単層型感光層
33 下引き層(中間層)
34 電荷発生層
35 電荷輸送層
36 保護層
(図4〜6)
20 クリーニング手段
21 帯電部材
22 電子写真感光体
24 転写部材
25 除電手段
26 光像露光
27 現像手段
28 転写部材(コロナ方式)
29 記録材
42 定着手段
30、32、41 容器
Claims (6)
- 少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、前記基体は長さ360mmのアルミドラムであり、前記(A)脱脂洗浄工程は、前記基体を洗浄液中に浸漬するものであり、該洗浄液が30℃でpHが10のアルカリイオン水であり、かつ、脱脂洗浄時間が30秒であることを特徴とする電子写真感光体用基体の洗浄方法。
- 基体の内面と外面を別々に洗浄することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
- 基体の洗浄時に、ブラシを基体の洗浄面に摺接することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
- 少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、前記(C)乾燥工程が、温純水工程であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
- 前記(C)乾燥工程の温純水温度が70℃であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
- 前記(C)乾燥工程の温純水乾燥時間が60秒であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
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