JP4252023B2 - 感光層形成用塗布液の製造方法、該方法による塗布液を塗布してなる感光体、および該感光体を用いる画像形成装置 - Google Patents
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Description
有機系の光導電材料を使用した感光層は、通常、その生産性の高さから、各種溶媒中に光導電材料が溶解または分散した塗布液を、基体上に塗布、乾燥することにより形成されるが、通常、電荷発生物質は感光層中において相溶しない分散状態で存在しているため、電荷発生物質を含む層は、液中に電荷発生物質を分散した塗布液により塗布形成される。
本発明は、電子写真感光体の感光層を塗布形成するのに用いる塗布液を製造する方法に係るものであって、バインダー樹脂、有機溶媒、および電荷発生物質を含有する電子写真感光体の感光層形成用塗布液の製造方法において、機械的分散方法により該電荷発生物質を分散した前記塗布液を、0℃〜40℃の温度条件下で12時間以上静置し、更に超音波処理をすることを特徴とするものである。
<機械的分散方法>
本発明の感光層形成用塗布液の製造方法において用いることのできる機械的分散方法としては、機械的な力を用いて分散するものであれば特に制限はないが、自動乳鉢、遊星ミル、ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。これらの中でも塗布液を循環させて分散できるものが好ましく、分散効率、到達粒径の細かさ、連続運転の容易さ等の点から、サンドミルが好ましい。この場合、サンドミルは、縦型、横型いずれのものでもよい。サンドミルのディスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。
機械的分散は湿式で行っても乾式で行なっても構わないが、溶媒の共存下、湿式で行なうことが好ましい。湿式で行う場合には、電荷発生物質と溶媒を混合して機械式分散を行うが、後に記載するバインダー樹脂や各種添加剤を同時に混合していても構わない。ただし、通常バインダー樹脂を含有しない液を分散することが好ましい。分散湿式分散の際に用いる溶媒は特に制限されないが、感光層形成用塗布液に用いる有機溶媒を用いれば、分散後に溶媒交換などの工程を経る必要が無くなり好適である。
本発明の感光層形成用塗布液の製造方法においては、機械的分散方法により分散処理した塗布液を、0℃〜40℃の温度条件で12時間以上静置した後に超音波処理を施す。静置する際には、塗布液を密封可能な容器に納め、密封した状態で静置する。静置する際の温度条件は、静置している期間中の温度が0℃〜40℃であれば、静置中に温度変化があっても構わない。より好ましくは、10℃〜30℃の温度条件において静置する。静置時間は12時間以上であるが、20時間以上静置することが好ましく、24時間以上静置することが更に好ましい。静置時間には特に上限はないが、一定期間以上長く静置しても効果に差はなく、長く静置しすぎても生産効率が悪くなるため、通常50時間以下、好ましくは36時間以下である。
本発明において使用される超音波処理は、塗布液に超音波振動を加えるもので、振動周波数等には特に制限はないが、通常、周波数10kHz〜40kHz、好ましくは15kHz〜35kHzの発振器により超音波振動を加える。
本発明の電子写真感光体に係る感光層は、電荷発生物質を含む光導電性材料を、各種バインダー樹脂で結着した形で形成する。したがって、本発明の製造方法に係る塗布液は、前記バインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂としては例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等が用いられるが、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等が、電子写真感光層の結着樹脂として好適に用いられる。これらバインダー樹脂は水酸基を含有するため、塗布液中での電荷発生物質の分散安定に優れている。さらに好ましくはポリビニルアセタール類が、特に好ましくはポリビニルブチラール系樹脂が、電荷発生物質を含有する感光層の結着樹脂として用いられる。
塗布液に用いる有機溶媒としては、通常、電子写真感光体の感光層形成用塗布液に用いる溶媒であれば、どのようなものでも使用することができるが、前記の湿式機械的分散に用いることのできる溶媒も使用できる。好ましい例としては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、シクロヘキサノン,1−ヘキサノール,1,3−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のエーテルケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の(ハロ)芳香族炭化水素類;酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類があげられる。またこれらの溶媒の中でも特に、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテルケトン類が、好適に用いられる。また、より好適なものとしては、トルエン,キシレン,プロパノール,1−ヘキサノール,1,3−ブタンジオール,1,2−ジメトキシエタン,4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等があげられる。
本発明で電子写真感光体に用いる電荷発生物質としては、従来から本用途に用いることが提案されている任意の物質を用いることができる。このような物質としては例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料、ピリリウム系顔料、チアピリリウム系顔料、インジゴ系顔料、多環キノン系顔料、スクエアリック酸系顔料などが挙げられる。特にフタロシアニン顔料、またはアゾ
顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
本発明に係る電荷発生物質は、感光層形成用塗布液中に分散されるが、該塗布液中に分散される前に、予め前粉砕されていても構わない。前粉砕は、種々の装置を用いて行うことができるが、通常はボールミル、サンドグラインドミルなどを用いて行う。これらの粉砕装置に投入する粉砕媒体としては、粉砕処理に際して、粉砕媒体が粉化することがなく、かつ分散処理後は容易に分離できるものであればどのようなものでも使用することが可能で、ガラス、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、セラミックス等の、ビーズやボールが挙げられる。前粉砕では、体積平均粒子径で500μm以下となるよう粉砕することが好ましく、より好ましくは250μm以下まで粉砕する。
本発明に係る電子写真感光体の有する感光層は、いわゆる積層型感光体、分散型感光体のいずれの形態も用いることができるが、感光体の機械的物性、電気特性、製造安定性など総合的に勘案して、積層型の感光体が好ましく、より好ましくは導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層した順積層型感光体が好ましい。一般に電荷発生物質は、単層型でも積層型でも、電荷発生機能としては同等の性能を示すことが知られている。
・積層型感光体
感光体がいわゆる積層型感光体である場合、電荷発生物質を含有する層は、通常電荷発生層であるが、電荷輸送層中に含まれていても構わない。電荷発生物質を含有する層が電荷発生層である場合、電荷発生物質の使用比率は、電荷発生層に含まれるバインダー樹脂に100重量部に対して、通常30〜500重量部の範囲で使用され、より好ましくは50〜300重量部である。使用量が少なすぎると電子写真感光体としての電気特性が十分ではなくなり、少なすぎると塗布液の安定性を損なう。電荷発生物質を含有する層中の電荷発生物質の体積平均粒子径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。電荷発生層の膜厚は、通常0.1μm〜2μm 、好ましくは0.15μm〜0.8μmが好適である。電荷発生層には、成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、シリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤を含有していてもよい。
感光体がいわゆる分散型感光体である場合には、後に記載する電荷輸送層と同様の配合割合のバインダー樹脂と電荷輸送物質を主成分とするマトリックス中に、前記電荷発生物質が分散される。この場合の電荷発生物質の粒子径は十分小さいことが必要であり、体積平均粒子径で好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
0μm 、より好ましくは10〜45μmで使用される。また分散型感光体の感光層も、
成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、シリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤を含有していてもよい。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定され
るものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、通常40℃以下、好ましくは35℃以下の範囲で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、通常4.5以上、好ましくは5.5以上、また、通常6.5以下、好ましくは6.0以下の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは98℃以下の範囲で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものな
どが用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いてもよいし複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスの何れも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二以上を任意の組み合わせで用いてもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性・塗布性を示すので好ましい。
下引き層の膜厚は任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。また、下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加してもよい。
電荷輸送物質としては、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリグリシジルカルバゾール、ポリアセナフチレン等の高分子化合物;ピレン,アントラセン等の多環芳香族化合物;インドール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン,N−メチルカルバゾール−3−カルバルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物;5−(4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン)−5H−ジベンゾ(a,d)シクロヘプテン等のスチリル系化合物;p−トリトリルアミン等のトリアリールアミン系化合物;N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン等のベンジジン系化合物;ブタジエン系化合物;ジ−(p−ジトリルアミノフェニル)メタン等のトリフェニルメタン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、もしくはこれらが複数結合されたものが好適に用いられる。これらの電荷輸送物質は単独でも、いくつかを混合して用いてもよい。
いわゆる積層型感光体の場合、電荷輸送層は電荷輸送機能を持った樹脂単独で形成されても良いが、前記電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散または溶解された構成がより好ましい。いわゆる単層型感光体の場合、電荷発生物質の分散されるマトリックスとして前
記電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散または溶解された構成が用いられる。
前記バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、通常バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質が20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部の範囲で、より好ましくは40〜120重量部の範囲で使用される。
最表面層として従来公知の、例えば熱可塑性あるいは熱硬化性ポリマーを主体とする表面保護層やオーバーコート層を設けてもよい。
<層形成法>
感光体の各層は、本発明に係る感光層形成用塗布液のように、層に含有させる物質を溶媒に溶解または分散させて得られた塗布液を、例えば浸漬塗布方法、スプレー塗布方法、リング塗布方法等の公知の方法を用いて順次塗布、形成される。この場合、必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。積層型感光体の電荷発生層を浸漬塗布により形成する場合には、層形成用塗布液の粘度は、1〜3cpが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
実施例1
<電荷発生層形成用電荷発生物質分散液の調製>
CuKα特性X線によるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)9.2゜,10.5゜,13.1゜,15.0゜,15.6゜,20.7゜,26.2゜および27.1゜に主要な回折ピークを有する結晶型オキシチタニウムフタロシアニンを、アルミナポットとアルミナのボールを用いたボールミルにて、遠心沈降法により測定した体積平均粒子径が200μmとなるまで前粉砕したものを電荷発生物質として用いた。該電荷発生物質10重量部と、ジメトキシエタン140重量部を混合し、サンドグラインドミルで5時間分散処理して顔料分散液を作製した。次いで、該分散液150重量部と、2.5重量部のポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名:デンカブチラール#6000C)、2.5重量部のフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド(株)製、商品名 PKHH)、243重量部のジメトキシエタン、および42重量部の4−メトキシ−4−メチル−ペンタノン−2を混合した。得られた混合液15Lを、JIS Z 1602 に規定される金属板製18リットル缶に密封し、気温25℃の環境下で15時間静置した後、該18リットル缶を超音波発振機(600W、28kHz)を浸漬した水槽に漬けて超音波処理を施した。水槽には水を入れ、水深は前記18リットル缶の高さの半分となるようにした。処理時間は4時間として電荷発生層用塗布液を製造した。
以下に示すヒドラゾン化合物56重量部、
アルマイト処理を施し、フッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理を施したアルミニウム管上に、前記電荷発生層用塗布液を、乾燥後の膜厚が0.4μmになるように塗布し、風乾した。
1)電荷発生層用塗布液物性
上記のように作製した、電荷発生層用塗布液の粘度を、(株)トキメック製E型粘度計で測定した。また、該塗布液中の電荷発生物質の体積平均粒子径を、電荷発生物質の全体積を100%として累積カーブを求めた時、その累積カーブが50%となる点の粒径を累
積平均粒径(中心径:Median径)として求めた。この体積平均粒子径は、Leeds & Northrup社製 粒度分析計、商品名:マイクロトラックUPA U150(MODEL 9230)にて測定した。これらの結果を表−2に示す。
2)電気特性評価
上記のように作製した電子写真感光体を、温度25℃,相対湿度50%の環境試験室中に設置した感光体特性評価装置に装着し、電子写真感光体の表面電位が−700Vなるように帯電させた後、780nmの波長の光を照射強度を変えながら照射し、光照射後0.6秒後での表面電位を測定した。このとき、強度1.5μJ/cm2の光を照射したときの表面電位(VLmax)と、帯電後に、660nmのLED除電光(強度4.5μJ/cm2)を照射し、照射後1.7秒後での表面電位(以下、残留電位またはVrということがある)を測定した。これらの結果を表−1に示す。
実施例1の電荷発生層形成用電荷発生物質分散液の調製において、顔料分散液と樹脂溶液を混合してから超音波処理をするまでの静置時間を23時間とした以外は、実施例1と同様に作成した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
実施例3
実施例1の電荷発生層形成用電荷発生物質分散液の調製において、顔料分散液と樹脂溶液を混合してから超音波処理をするまでの静置時間を29時間とした以外は、実施例1と同様に作成した電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行った。
電荷発生層形成用電荷発生物質分散液の調製の際に、顔料分散液と樹脂溶液を混合してから超音波処理をするまでの静置時間を6時間とした以外は、実施例1と同様に作成した電子写真感光体に対し、実施例1と同様の評価を行った。
真感光体として好適であることがわかる。また、表−2の結果から、本発明の製造方法により製造された塗布液は、体積平均粒子径が電子写真感光体に好適な粒子径となっており、しかも粘度が層を塗布形成するのに好適な値となっていることがわかる。
3)画像評価
実施例1と比較例1の感光体を電子写真装置に装着し、画像形成を行ったところ、実施例1で作成した感光体では良好な画像が形成されたが、比較例1で作成した感光体ではかぶり、濃度むら等の画像欠陥が見られた。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
Claims (3)
- バインダー樹脂、有機溶媒、および電荷発生物質を含有する感光層を有する電子写真感光体の、感光層形成用塗布液の製造方法において、前記電荷発生物質がフタロシアニン系顔料であり、機械的分散方法により該電荷発生物質を分散した前記塗布液を、0℃〜40℃の温度条件下で12時間以上静置し、更に超音波処理をすることを特徴とする、電子写真感光体用の感光層形成用塗布液の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法よりなる感光層形成用塗布液を、導電性支持体上に塗布、乾燥してなる電子写真感光体。
- 請求項2に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする、画像形成装置。
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JP2004267982A JP4252023B2 (ja) | 2004-09-15 | 2004-09-15 | 感光層形成用塗布液の製造方法、該方法による塗布液を塗布してなる感光体、および該感光体を用いる画像形成装置 |
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JP2004267982A JP4252023B2 (ja) | 2004-09-15 | 2004-09-15 | 感光層形成用塗布液の製造方法、該方法による塗布液を塗布してなる感光体、および該感光体を用いる画像形成装置 |
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