JP6457252B2 - アルミニウム系部材の溶接方法 - Google Patents
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Description
(1)本発明のアルミニウム系部材の溶接方法は、アルミニウム合金からなると共に水溶性加工油を用いて機械加工された加工部を有するアルミニウム系部材同士を該加工部間で溶接する溶接工程を有するアルミニウム系部材の溶接方法であって、前記溶接工程前に、少なくとも溶接される前記加工部を、水を電気分解して得られたアルカリ性電解イオン水で洗浄する洗浄工程と、該洗浄した加工部を乾燥させる乾燥工程とを備え、前記アルミニウム合金は、全体を100質量%(単に「%」という。)としてケイ素(Si)を5%以上含むことを特徴とする。
特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
(1)本発明に係る洗浄工程は、少なくとも溶接される加工部(被溶接部)を電解イオン水で洗浄する工程である。洗浄方法は種々ある。例えば、機械加工後のアルミニウム系部材(適宜、単に「Al系部材という。)を電解イオン水が入った洗浄槽に浸漬して洗浄してもよい。もっとも、洗浄工程は電解イオン水により加工部を洗流する工程であると、被溶接部が清浄な状態で維持され易く好ましい。また、電解イオン水のシャワーまたは噴霧等により洗流すると、電解イオン水の使用量を抑制しつつ、溶接する加工部全体を効率的に洗浄できる。
本発明に係る乾燥工程は、溶接工程前に、洗浄工程後の加工部を乾燥させる工程である。乾燥方法は種々あり、自然乾燥、加熱乾燥、温風乾燥、エアーブロー等により行える。また、複数の乾燥方法を組合わせてもよい。例えば、洗浄工程後に先ずエアーブローで水切りをした後、さらに温風乾燥すると、確実な乾燥を行える。
本発明に係る溶接工程は、接合するAl系部材の洗浄された各加工部(加工面)同士を当接、接触、突き合わせ等して溶接する工程である。溶接方法は種々あるが、例えば、加工部間へ電子ビームを照射して行う電子ビーム溶接または加工部間へレーザーを照射して行うレーザー溶接を行うと、高精度な溶接が可能となる。特に、本発明に係る溶接工程が電子ビーム溶接工程である場合、ビード幅(溶融断面積)を小さくしつつ大きな溶け込み深さを得ることができると共に、エネルギー効率の向上や周囲への熱影響(歪み)の抑制等も図れて好ましい。
本発明に係るAl系部材は、その製造方法を問わず、鋳造部材、鍛造部材、押出部材等のいずれでもよい。また、その組成も問わないが、例えば、鋳造材のように、Al系部材は、全体を100質量%(単に「%」という。)としてケイ素(Si)を5%以上、さらには8%以上含むアルミニウム合金からなると好ましい。この場合、洗浄工程で供給された電解イオン水は、被溶接部の表面に濡れ拡がり易くなり、電解イオン水による洗浄性の向上や溶接性の向上が期待される。この理由は定かではないが、電解イオン水が被溶接部の表面にあるSiと反応して、僅かではあるがケイ酸が形成され得るためと考えられる。
本発明の溶接方法により接合されるAl系部材やその溶接部材の種類や用途は問わない。一例として、自動車用(自動)変速機に使用される部材などがある。
(1)Al系部材
溶接するAl系部材として、アルミニウム合金(JIS ADC12)からなる2種類のダイカスト部材を用意した。これらダイカスト部材を水溶性加工油(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製ノリタケクールシリーズES−20KP/エマルジョン型)を用いて切削加工した。こうしてリング状の部材A(内径φ171×H55mm)と円盤状の部材B(外径φ171×高さ52mm)を得た(図1参照)。
高橋金属株式会社製イオン水生成装置(TIWS−IW06C)により生成した電解イオン水を用意した。この電解イオン水はpH9.35で、塩化物イオン濃度は0.1mg/L未満、硫酸イオン濃度は0.1mg/L未満、カルシウム濃度は0.1mg/L未満であった。
搬送速度2m/分のベルトコンベアに載置した洗浄工程後の各ワークに対して、水滴がなくなるまでエアーブローにより水切りした後、100℃の温風を吹きつけてワークの表面を乾燥させた。
乾燥工程後の部材Bの外周面(加工部)へ、部材Aの内周面(加工部)が密着するように嵌入(圧入)した。こうして形成された環状の嵌合部(被溶接部)上にある均等な8箇所へ、部材B側から電子ビーム溶接を行った。この様子を図1に示した。なお、電子ビーム溶接は、多田電機株式会社製電子ビーム加工機により行った。このとき、試料1ではビーム電流:43mA、ビーム移動速度:1m/min、試料2ではビーム電流:78mA、ビーム移動速度:3m/minとした。
(1)濡れ性
洗浄前のワーク表面と洗浄後のワーク表面に、それぞれ墨汁を垂らして、その広がり具合(濡れ性)を観察した。洗浄前の場合、墨汁はワーク表面に付着した加工油により弾かれて濡れ拡がることはなかった。一方、洗浄後の場合、墨汁はワーク表面に弾かれることなく、濡れ拡がった。この傾向は、洗浄水として、電解イオン水を用いた場合も水道水を用いた場合もほぼ同様であった。
電解イオン水と水道水をそれぞれ用いて洗浄したワーク表面を綿棒で拭き取り、洗浄度合を観察した。この場合、電解イオン水で洗浄したワーク表面の方が、水道水で洗浄したワーク表面よりも、綿棒に付着した汚れが少なかった。
電解イオン水または水道水による洗浄後に溶接した各ワーク(溶接部材)について、8箇所の溶接部をそれぞれ切削して、溶け込み深さとブローホール数を測定した。試料1について、それぞれの場合における各部位(位置)での溶け込み深さを図2に対比して示した。また電解イオン水で洗浄した場合と水道水で洗浄した場合とにおける溶け込み深さの平均値は、試料1のときがそれぞれ8.12mmと7.45mmであり、試料2のときがそれぞれ8.45mmと8.01mmであった。また、その標準偏差は、試料1のときがそれぞれ0.19と0.27であり、試料2のときがそれぞれ0.14と0.41であった。
(1)溶接前に被溶接部を電解イオン水で洗浄することにより、水道水で洗浄するより被溶接部の表面の汚れをより清浄な状態とできることが確認された。
Claims (6)
- アルミニウム合金からなると共に水溶性加工油を用いて機械加工された加工部を有するアルミニウム系部材同士を該加工部間で溶接する溶接工程を有するアルミニウム系部材の溶接方法であって、
前記溶接工程前に、少なくとも溶接される前記加工部を、水を電気分解して得られたアルカリ性電解イオン水で洗浄する洗浄工程と、
該洗浄した加工部を乾燥させる乾燥工程とを備え、
前記アルミニウム合金は、全体を100質量%(単に「%」という。)としてケイ素(Si)を5%以上含むことを特徴とするアルミニウム系部材の溶接方法。 - 前記アルミニウム合金は、その全体を100%として、Si:8〜13%、Cu:1〜4%、残部がAlおよび不純物であり、
前記アルミニウム系部材は、該アルミニウム合金からなるダイカスト部材である請求項1に記載のアルミニウム系部材の溶接方法。 - 前記洗浄工程は、前記アルカリ性電解イオン水により前記加工部を洗流する工程である請求項1または2に記載のアルミニウム系部材の溶接方法。
- 前記アルカリ性電解イオン水は、pH8〜11である請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム系部材の溶接方法。
- 前記アルカリ性電解イオン水は、30〜60℃の温水である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム系部材の溶接方法。
- 前記溶接工程は、前記加工部間へ電子ビームを照射して行う電子ビーム溶接工程である請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム系部材の溶接方法。
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