JP4744260B2 - 脱脂装置及びドアフレーム製造システム - Google Patents
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Description
このように、ドアフレーム原材等の端面を相互に突き合わせて溶接するため、溶接に先立ち、ドアフレーム原材等の端部に切断加工により端面を形成する工程が行なわれる。
しかしながら、この潤滑油脂が溶接用の端面に付着したまま溶接工程を行なうと、溶接欠陥が生じてしまい、見栄えの悪化や強度の低下等の不具合を生起させる。
このため、溶接工程に先立って、潤滑油脂を除去する脱脂工程が行なわれる。
本発明は、切断加工工程と脱脂工程と溶接工程を連続的に行い得るようにすることでドアフレーム製造の作業性を高めることを目的とする。
また、上記の目的を達成するため、脱脂工程用の装置を、切断加工工程用の装置と溶接工程用の装置の間の比較的小さなスペースに配置できるようにすることを目的とする。
[1]構成1:
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部11を槽の上部に備えた脱脂槽10と、
前記脱脂槽10内の脱脂液100に外力を与えて揺動させる脱脂液揺動手段15,150と、
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部21を室の前部に備え、前記脱脂槽10の奥側上方に設けられた乾燥室20と、
前記乾燥室20内の空気を流動させる空気流動手段251〜255と、
前記乾燥室20の底部から前記脱脂槽10の開口部11へ向けて下がる傾斜をつけて延設され、前記乾燥室20内に残留する脱脂液を前記脱脂槽10へ導く導液板30と、
を備えた脱脂装置を用い、
長手状のドアフレーム原材の切断部位が有る一端部側を前記脱脂槽10上部の開口部11から挿入して該脱脂槽10内の脱脂液100に浸漬し、
前記脱脂液揺動手段15,150により前記脱脂液100を揺動させて前記ドアフレーム原材の前記一端部側に付着している油脂を洗浄し、
前記脱脂槽10から前記ドアフレーム原材を引き上げた後、前記一端部側を前記乾燥室20前部の開口部21から該乾燥室20へ挿入し、
前記乾燥室20内に開口するノズル254,254,,から空気を噴射して前記一端部側に付着している脱脂液を除去する、
ことを特徴とする脱脂方法。
脱脂液を揺動させるとは、脱脂液に何らかの動きを与えることをいう。例えば、脱脂液中に空気泡を噴出させることにより動きを与えること(構成2、参照)、脱脂液を攪拌することにより動きを与えること、脱脂液を超音波等で振動させることにより動きを与えること、脱脂液中で振動板(バイブレータ)等を振動させることにより動きを与えること、脱脂液中で揺動板を揺動させることにより動きを与えること、等をいう。
構成1に於いて、
前記脱脂液揺動手段15,150として、前記脱脂槽10内底部に設けられ周壁部に複数の貫通孔150を有するパイプ15と、該パイプ15内へ前記脱脂槽10外部から空気を送り込む空気供給装置とを有し、前記パイプ15の貫通孔150から脱脂液100へ空気を送出して脱脂液100を揺動させる機構を用いる、
ことを特徴とする脱脂方法。
[3]構成3:
構成1又は2に於いて、
前記空気流動手段として、ペダル252の足踏み操作により空気を供給する装置を用いる、
ことを特徴とする脱脂方法。
アルミニウム製ドアフレーム原材の端部に溶接用端面を形成する切断工程を行なう切断装置と、2本のアルミニウム製ドアフレーム原材の溶接用端面を接合する溶接工程を行なう溶接装置との間に、
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を槽の上部に備えた脱脂槽と、
前記脱脂槽内の脱脂液に外力を与えて揺動させる脱脂液揺動手段と、
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を室の前部に備え、前記脱脂槽の奥側上方に設けられた乾燥室と、
前記乾燥室内の空気を流動させる空気流動手段と、
前記乾燥室の底部から前記脱脂槽の開口部へ向けて下がる傾斜をつけて延設され、前記乾燥室内に残留する脱脂液を前記脱脂槽へ導く導液板と、
を備えた脱脂装置を配して用いる、
ことを特徴とする構成1〜構成3の何れかに記載の脱脂方法。
構成2の脱脂方法は、構成1に於いて、前記脱脂液揺動手段15,150として、前記脱脂槽10内底部に設けられ周壁部に複数の貫通孔150を有するパイプ15と、該パイプ15内へ前記脱脂槽10外部から空気を送り込む空気供給装置とを有し、前記パイプ15の貫通孔150から脱脂液100へ空気を送出して脱脂液100を揺動させる機構を用いることを特徴とするため、例えば脱脂槽内に攪拌翼等を設けて脱脂液流動手段とするような構成と比較して脱脂槽10を小型化でき、切断加工工程用の装置と溶接工程用の装置の間の比較的小さなスペースに配置することができる。
構成3の脱脂方法は、構成1又は2に於いて、前記空気流動手段として、ペダル252の足踏み操作により空気を供給する装置を用いることを特徴とするため、装置全体をさらに小型化でき、切断加工工程用の装置と溶接工程用の装置の間の比較的小さなスペースに配置することができる。
構成4の脱脂方法は、アルミニウム製ドアフレーム原材の端部に溶接用端面を形成する切断工程を行なう切断装置と、2本のアルミニウム製ドアフレーム原材の溶接用端面を接合する溶接工程を行なう溶接装置との間に、長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を槽の上部に備えた脱脂槽と、前記脱脂槽内の脱脂液に外力を与えて揺動させる脱脂液揺動手段と、長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を室の前部に備え、前記脱脂槽の奥側上方に設けられた乾燥室と、前記乾燥室内の空気を流動させる空気流動手段と、前記乾燥室の底部から前記脱脂槽の開口部へ向けて下がる傾斜をつけて延設され、前記乾燥室内に残留する脱脂液を前記脱脂槽へ導く導液板と、を備えた脱脂装置を配して用いる、ことを特徴とする構成1〜構成3の何れかに記載の脱脂方法であるため、切断加工工程と脱脂工程と溶接工程を連続的に行うことができ、ドアフレーム製造の作業性を高めることができる。
脱脂槽10は、ドアフレーム原材をその切断部位が有る端部側を先にして挿入可能な開口部11を有する。ドアフレーム原材とは、例えば、フロントドア用のアッパーフレーム原材51、フロントドア用のサイドフレーム原材52、リアドア用のアッパーフレーム原材61、リアドア用のサイドフレーム原材63、リアドア用のリアフレーム原材62である。また、フロントドア用のブラケット(コーナーピース)55、フロントドア用のサイドブラケット56、リアドア用のサイドブラケット65、リアドア用のリアブラケット66であってもよい。また、切断部位が有る端部側とは、図2に於いて破線楕円で示す部位である。作業者は切断加工後のドアフレーム原材を手で持ち、図2の破線楕円で示す側の部位を先にして開口部11から脱脂槽10の脱脂液100へ浸漬する。
また、図1に示す例ではヒータ等の加熱手段については省略しているが、加熱した方がより良い洗浄効果を得られる脱脂液を用いる場合には、当該脱脂液を適宜の温度に昇温できるように、適宜の部位に適宜の能力のヒータを設けても良い。
こうして潤滑油脂を除去され、さらに、脱脂液を除去されて乾燥されたドアフレーム原材は、次工程である溶接工程での作業に供される。
また、上記構成に加えて、さらに、図3(b)のように、脱脂槽の上縁部内側から脱脂槽内下方へ向けて空気を噴射するエア吹出口(噴射口)19を設け、ドアフレーム原材を脱脂槽から引き上げる際にも脱脂液を除去するようにしてもよい。図示の例では一つの縁近傍にのみ設けているが、他の縁の近傍にも同様に設けて良いことは勿論である。
浸漬時間を5秒、乾燥時間を3秒とすると、脱脂・乾燥が十分であることが目視で確認できた。また、その後の溶接でも溶接欠陥は生じなかった。
空気供給装置によるパイプ15への空気の供給量は略0.5m3 /秒とした。
また、乾燥室20の容積は0.08m3 、脱脂液の量は0.02m3 であり、脱脂液及びエアの温度は常温とした。
100 脱脂液
11 開口部
15 パイプ
150 貫通孔
19 エア吹出口
20 乾燥室
21 開口部
22 前扉
251 送風管
252 ペダル
253 送風管
254 ノズル
255 排気ダクト
30 導液板
51 アッパーフレーム(フロントドア)
52 サイドフレーム(フロントドア)
55 ブラケット(コーナーピース)
56 サイドブラケット(フロントドア)
61 アッパーフレーム(リアドア)
62 サイドフレーム(リアドア)
63 リアフレーム(リアドア)
65 サイドブラケット(リアドア)
66 リアブラケット(リアドア)
Claims (4)
- 長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を槽の上部に備えた脱脂槽と、
前記脱脂槽内の脱脂液に外力を与えて揺動させる脱脂液揺動手段と、
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を室の前部に備え、前記脱脂槽の奥側上方に設けられた乾燥室と、
前記乾燥室内の空気を流動させる空気流動手段と、
前記乾燥室の底部から前記脱脂槽の開口部へ向けて下がる傾斜をつけて延設され、前記乾燥室内に残留する脱脂液を前記脱脂槽へ導く導液板と、
を備えた脱脂装置を用い、
長手状のドアフレーム原材の切断部位が有る一端部側を前記脱脂槽上部の開口部から挿入して該脱脂槽内の脱脂液に浸漬し、
前記脱脂液揺動手段により前記脱脂液を揺動させて前記ドアフレーム原材の前記一端部側に付着している油脂を洗浄し、
前記脱脂槽から前記ドアフレーム原材を引き上げた後、前記一端部側を前記乾燥室前部の開口部から該乾燥室へ挿入し、
前記乾燥室内に開口するノズルから空気を噴射して前記一端部側に付着している脱脂液を除去する、
ことを特徴とする脱脂方法。 - 請求項1に於いて、
前記脱脂液揺動手段として、前記脱脂槽内底部に設けられ周壁部に複数の貫通孔を有するパイプと、該パイプ内へ前記脱脂槽外部から空気を送り込む空気供給装置とを有し、前記パイプの貫通孔から脱脂液内へ空気を送出して脱脂液を揺動させる機構を用いる、
ことを特徴とする脱脂方法。 - 請求項1又は請求項2に於いて、
前記空気流動手段として、ペダルの足踏み操作により空気を供給する装置を用いる、
ことを特徴とする脱脂方法。 - アルミニウム製ドアフレーム原材の端部に溶接用端面を形成する切断工程を行なう切断装置と、2本のアルミニウム製ドアフレーム原材の溶接用端面を接合する溶接工程を行なう溶接装置との間に、
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を槽の上部に備えた脱脂槽と、
前記脱脂槽内の脱脂液に外力を与えて揺動させる脱脂液揺動手段と、
長手状のドアフレーム原材の一方の端部側を挿入可能な開口部を室の前部に備え、前記脱脂槽の奥側上方に設けられた乾燥室と、
前記乾燥室内の空気を流動させる空気流動手段と、
前記乾燥室の底部から前記脱脂槽の開口部へ向けて下がる傾斜をつけて延設され、前記乾燥室内に残留する脱脂液を前記脱脂槽へ導く導液板と、
を備えた脱脂装置を配して用いる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の脱脂方法。
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JP2005298263A JP4744260B2 (ja) | 2005-10-13 | 2005-10-13 | 脱脂装置及びドアフレーム製造システム |
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