JP2943053B2

JP2943053B2 - 部品洗浄装置

Info

Publication number: JP2943053B2
Application number: JP21181095A
Authority: JP
Inventors: 良夫松橋; 嘉夫鎌田
Original assignee: TAISEI DENKI SEISAKUSHO KK; YOKOGAWA SOGO KENKYUSHO KK
Current assignee: TAISEI DENKI SEISAKUSHO KK; YOKOGAWA SOGO KENKYUSHO KK
Priority date: 1995-08-21
Filing date: 1995-08-21
Publication date: 1999-08-30
Anticipated expiration: 2015-08-21
Also published as: JPH0957223A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はステンレス鋼等の金属製
部品やプラスチック部品等の脱脂・洗浄に用いる部品洗
浄装置に掛り、特に複雑な凸凹形状を有する部品表面を
綺麗に洗浄するのに適する構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】洗浄装置は、例えば実開昭６１−７７０
３９号公報等に開示されている。図６は従来の洗浄装置
の構成ブロック図である。図において、洗浄液槽１０は
洗浄液１２を貯蔵するタンクで、この上部には被洗浄体
３０を置く空間が設けられている。洗浄液１２には水や
洗浄剤を添加した水が使用され、ヒータ１４によって摂
氏５０〜６０度程度に加熱されている。ポンプ２０は、
洗浄液槽１０中の洗浄液１２を吸い込み口２２から吸い
込んで、配管２４を通して上部ノズル２６及び下部ノズ
ル２８から被洗浄体３０に吹きつけている。被洗浄体３
０を洗浄した廃液は、そのまま洗浄液槽１０に戻しても
よく、また排水処理に廻してもよい。ここで、上部ノズ
ル２６及び下部ノズル２８は噴出する洗浄液１２の反力
により一定方向に回転しながら、万遍なく被洗浄体３０
を洗浄している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、食器のように凸
凹の比較的少ない平坦な形状の場合には、このような上
部ノズル２６及び下部ノズル２８で噴出する洗浄液１２
により十分な洗浄能力が得られていた。しかし、被洗浄
体３０が機械部品のように凸凹が多く、そのため横穴、
止まり穴等複雑な形状をしている場合には、被洗浄体３
０を空気中で上下方向よりシャワーするだけなので、そ
のような窪みの洗浄が十分に行われないという課題があ
った。

【０００４】そこで、別の構成として、液中で気泡を噴
出するバブリングも用いられているが、物理力が弱く洗
浄効果が小さいという課題があった。また、洗浄力の不
足を補うために洗浄剤を用いる考え方もあるが、水質汚
染の防止や排水処理の容易化を考慮すると、水のみで十
分な洗浄力の得られることが望ましい。本発明はこのよ
うな課題を解決したもので、機械部品のように凸凹が多
く表面が複雑な形状をしている被洗浄体でも、洗浄剤を
含有しない水のみで高い洗浄能力のある部品洗浄装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、洗浄液１２をヒータ１４によって摂氏５０度〜
８０度程度に加熱して蓄える洗浄液槽１０と、被洗浄体
３０の置かれる洗浄槽４０を有する部品洗浄装置におい
て、前記洗浄液槽から洗浄液を汲み上げるポンプ２０
と、前記洗浄槽に設けられた、前記被洗浄体をＵ字形若
しくはＬ字形に囲うジェットノズル管５０と、前記洗浄
槽の底部に設けられた、気体ジェットを前記被洗浄体の
下側から吹きつけるバブリング管６０と、前記洗浄槽に
設けられた、前記被洗浄体をＵ字形若しくはＬ字形に囲
う洗浄液切り管７０とを有している。

【０００６】そして、当該ポンプから送られる洗浄液を
前記ジェットノズル管を介して洗浄液を前記被洗浄体に
吹きつけると共に、この吹きつけられた洗浄液を前記洗
浄槽に溜める前洗浄工程と、前記被洗浄体が洗浄液に浸
漬された状態で、当該ポンプから送られる洗浄液を前記
ジェットノズル管を介して洗浄液を前記被洗浄体に吹き
つけると共に、前記バブリング管により気体ジェットを
前記被洗浄体に所定時間吹きつける浸漬洗浄工程と、前
記洗浄槽に溜められた洗浄液を排水すると共に、当該ポ
ンプから送られる洗浄液を前記ジェットノズル管を介し
て洗浄液を前記被洗浄体に吹きつけるすすぎ工程と、前
記洗浄液切り管により乾燥空気を前記洗浄体に吹きつけ
て洗浄液を除去する液切り工程とを有している。

【０００７】

【作用】本発明の構成によれば、前洗浄工程では、ジェ
ットノズル管を介して洗浄液を被洗浄体に吹きつけると
共に、この洗浄液を洗浄槽に満たし、洗浄槽を満水状態
にする。浸漬洗浄工程では、ジェットノズル管を介して
洗浄液を被洗浄体に吹きつけると共に、バブリング発泡
管より気体ジェットを被洗浄体に噴出して、液浸状態で
の洗浄を所定時間行う。すすぎ工程では、洗浄槽内から
洗浄液を排水すると共に、ジェットノズル管を介して洗
浄液を被洗浄体に吹きつける。液切り工程では、洗浄液
切り管により乾燥空気等を被洗浄体に吹きつけて洗浄液
を除去している。

【０００８】

【実施例】以下図面を用いて、本発明を説明する。図１
は本発明の一実施例を示す部品洗浄装置の構成斜視図で
ある。尚図１において前記図６と同一作用をするものに
は同一符合を付して説明を省略する。図において、ポン
プ２０が汲み上げた洗浄液１２は、ジェットノズル管５
０に送られる。洗浄槽４０は、所定の液位に洗浄液を維
持するオバーフロー用バイパス管４２を有し、オバーフ
ロー用バイパス管４２は余剰となる洗浄液を洗浄液槽１
０に戻す。排水バルブ４４は、洗浄槽４０の底部に設け
られたもので、バルブが閉じられたときは洗浄槽４０に
洗浄液を保持して浸漬洗浄に対処し、バルブが開かれた
ときは洗浄槽４０から洗浄液を洗浄液槽１０に戻す。上
ふた４６は、洗浄槽４０の上側にある開口部を覆うもの
で、洗浄作業中に周囲に洗浄液が飛散したり、あるいは
周囲に存在する汚穢等で洗浄槽４０が汚染されるのを防
止する。部品収納カゴ４８は、洗浄槽４０の内部に被洗
浄体を置くもので、被洗浄体たる部品の取扱いを容易に
すると共に、洗浄液の部品に対する噴出の障害とならな
いように網状の金属やプラスチックの容器で構成されて
いる。

【０００９】ジェットノズル管５０は、洗浄槽４０に付
設されると共に、部品収納カゴ４８を囲うようなＵ字形
若しくはＬ字形をしている。洗浄液が部品に対して均一
に当たるように、ノズル回転モータ５２により間欠的に
制御しながら時計方向、若しくは反時計方向にジェット
ノズル管５０が回転する。このとき、ノズル噴射感度は
時計方向と反時計方向とで角度を少しづつ変えること
で、洗浄力を高めている。バブリング管６０は、洗浄槽
４０の底部に付設されたもので、部品収納カゴ４８に収
納された部品に対して泡を噴出する。洗浄液切り管７０
は、洗浄槽４０の底部並びに周壁部に付設されたもの
で、部品収納カゴ４８に収納された部品に対して乾燥空
気を吹きつけて、部品に付着した洗浄液を除去する。コ
ンプレッサ８０は、洗浄液槽１０に隣接して設けられた
もので、バブリング管６０や洗浄液切り管７０で使用す
る圧縮空気を供給する。

【００１０】次に、ジェットノズル管５０、バブリング
管６０並びに洗浄液切り管７０の詳細を説明する。図２
はジェットノズル管５０の詳細を説明する構成斜視図で
ある。洗浄液を供給するものとしてポンプ２０が付設さ
れていて、Ｕ字形のジェットノズル管５０の横部ノズル
５５、底部ノズル５６並びに天井部ノズル５７から、洗
浄液を棒状もしくは霧状に噴霧する。ここでは、ジェッ
トノズル管５０は中央のメカニカル・シール部５８を軸
に左右対称であり、横部ノズル５５が４個、底部ノズル
５６が３個並びに天井部ノズル５７が２個、それぞれ固
有の間隔で設けられている。機械的に駆動するために、
ノズル回転用モータ５２が設けられており、軸の回転と
洗浄液の密封性を両立するため、ポンプ２０と接続され
た配管２４とジェットノズル管５０との継ぎ手にメカニ
カル・シール部５８が設けられている。歯付きベルト５
３は、ノズル回転用モータ５２の駆動力をメカニカル・
シール部５８を介してジェットノズル管５０の回転運動
に変換している。なお、洗浄液の噴霧と機械的駆動との
干渉を避ける場合には、ジェットノズル管５０の噴霧方
向を回転軸に向けるとよい。逆に、洗浄液の噴霧を機械
的駆動の助力とする場合には、回転方向と一致するよう
にジェットノズル管５０の噴霧方向を回転軸に対して少
し傾けるとよい。

【００１１】図３はバブリング管６０の詳細を説明する
構成斜視図である。空気導入管６２は圧縮空気等の気泡
の供給源と接続されており、連絡管６４を介して４本の
穴空き枝管６６と接続されている。バブリング管６０
は、洗浄槽４０に対して固定されており、ここでは、ジ
ェットノズル管５０の底部ノズル５６と洗浄液槽１０の
中間に付設されている。

【００１２】図４は洗浄液切り管７０の詳細を説明する
構成斜視図である。空気導入管７２は圧縮空気等の気泡
の供給源と接続されており、４本の穴空きＬ字管７４と
接続されている。穴空きＬ字管７４は、洗浄槽４０に対
して固定されているので、部品収納カゴ４８に収納され
た部品を万遍なく液切りさせるため、旋回流を起こすよ
うなブローを行う穴形状とするとよい。

【００１３】このように構成された装置における洗浄工
程について説明する。図５は図１の装置の工程と機能に
ついて説明したものである。工程としては、浸漬洗浄、
前洗浄工程並びにすすぎ工程で行われるジェット洗浄、
液切り工程で行われるエアーブローがある。浸漬洗浄で
は、ジェットノズル管５０による回転ジェットノズル機
能と、バブリング管６０による固定下部バブリング機能
とが併用されるもので、最も洗浄力が高く、それゆえ洗
浄剤を含有しない水のみでも十分な洗浄力が得られる。

【００１４】ジェット洗浄では、ジェットノズル管５０
による回転ジェットノズル機能を用いており、前洗浄工
程では注水に供される洗浄液を部品の洗浄に用いること
で、浸漬工程で必要される洗浄時間を短縮している。ま
た、すすぎ工程では、洗浄槽４０からの排水に伴って洗
浄液面に浮遊する塵埃が部品に付着したような再汚染現
象がおきても、部品を再度洗浄することで清浄さを維持
している。

【００１５】固定ブローでは、エアーブローを洗浄液切
り管７０による旋回流を用いて行っている。ここでは、
洗浄液切り管７０をバブリング管６０とは別個独立に設
けることにより、洗浄槽４０に発生する旋回流を効率よ
く生成することができ、液切り時間を短縮することがで
きる。

【００１６】次に、洗浄槽４０における注水・排水作業
について説明する。まず、洗浄すべき部品を部品収納カ
ゴ４８に収めて、上ふた４６を開けて洗浄槽４０内に配
置する。そして、スタート信号と共に、排水バルブ４４
を閉めて、ジェットノズル管５０が正反転を所定周期で
繰り返しながら、洗浄槽４０に洗浄液１２を満たす。フ
ロートスイッチ（図示せず）により、洗浄槽４０内の洗
浄液１２液位が所定位置に到達したことを検出すると、
浸漬洗浄が開始され、所定時間経過するのを待つ。すす
ぎ工程では、排水バルブ４４を開けて、洗浄槽４０内の
洗浄液１２を空にする。別途設けられているフロートス
イッチ（図示せず）により排水完了が確認されると、ジ
ェット洗浄、引き続いてエアーブーローが行われる。

【００１７】なお本発明は上記実施例体に限定されるも
のではなく、次のような変形実施例が考えられる。まず
第一は、洗浄液切り管７０とジェットノズル管５０を兼
用にすると、コストダウンとなる。この場合、洗浄液切
り管７０の旋回流はジェットノズル管５０の各ノズルの
向きを考慮したり、或いは部品の配置を工夫することで
効率を低下させることが防止される。

【００１８】第二は、前洗浄工程、浸漬洗浄工程、すす
ぎ工程、液切り工程をシーケンサを用いて適宜時間の調
整をすることである。部品の形状や汚れに応じて、洗浄
継続時間や順序を変更することができ、最適化が図れ
る。例えば塵芥が付着している部品の場合には、最初液
切り工程のエアーブローにより付着した塵芥を吹き飛ば
して、続いて前洗浄工程、浸漬洗浄工程、すすぎ工程、
液切り工程と洗浄することができる。

【００１９】第三は、洗浄液切り管７０に、エアーブロ
ーに引き続いて熱風を流すことである。熱風を許容する
部品であれば、液切りの効果が増大すると共に、部品の
乾燥も早くなる。なお、ここで液切りとは、部品の表面
に洗浄液が付着していない状態をいい、乾燥とは、液切
りよりも更に乾燥の進んだ状態であって、部品の表面に
洗浄液が分子レベルでも付着しておらず、従ってベアリ
ングのように潤滑用オイルの乗りが良い状態をいう。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば洗
浄槽４０に被洗浄対象たる部品を置いて、浸漬状態でジ
ェットノズル管５０とバブリング管６０とを併用するこ
とで、洗浄液の噴流と気体ジェットの相乗作用により、
被洗浄体３０の表面に凹凸が多くても洗浄が綺麗に行え
るという効果がある。また、洗浄液切り管７０をバブリ
ング管６０とは別個独立に設けることにより、洗浄槽４
０に発生する旋回流を効率よく生成することができ、液
切り時間を短縮することができるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す部品洗浄装置の構成斜
視図である。

【図２】ジェットノズル管５０の詳細を説明する構成斜
視図である。

【図３】バブリング管６０の詳細を説明する構成斜視図
である。

【図４】洗浄液切り管７０の詳細を説明する構成斜視図
である。

【図５】図１の装置の工程と機能について説明したもの
である。

【図６】従来の洗浄装置の構成ブロック図である。

【符号の説明】

１０洗浄液槽１２洗浄液４０洗浄槽５０ジェットノズル管６０バブリング管７０洗浄液切り管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平３−109981（ＪＰ，Ａ) 特開昭56−67569（ＪＰ，Ａ) 特開平７−8923（ＪＰ，Ａ) 実開昭61−77039（ＪＰ，Ｕ) 実開平５−95686（ＪＰ，Ｕ) 実開昭48−78766（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B08B 3/00 - 3/14

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】洗浄液（１２）を蓄える洗浄液槽（１０）
と、被洗浄体（３０）の置かれる洗浄槽（４０）を有す
る部品洗浄装置において、前記洗浄液槽から洗浄液を汲み上げるポンプ（２０）
と、前記洗浄槽に設けられた、前記被洗浄体をＵ字形若しく
はＬ字形に囲うジェットノズル管（５０）と、前記洗浄槽の底部に設けられた、気体ジェットを前記被
洗浄体の下側から吹きつけるバブリング管（６０）と、前記洗浄槽に設けられた、前記被洗浄体をＵ字形若しく
はＬ字形に囲う洗浄液切り管（７０）と、を有し、当該ポンプから送られる洗浄液を前記ジェットノズル管
を介して洗浄液を前記被洗浄体に吹きつけると共に、こ
の吹きつけられた洗浄液を前記洗浄槽に溜める前洗浄工
程と、前記被洗浄体が洗浄液に浸漬された状態で、当該ポンプ
から送られる洗浄液を前記ジェットノズル管を介して洗
浄液を前記被洗浄体に吹きつけると共に、前記バブリン
グ管により気体ジェットを前記被洗浄体に所定時間吹き
つける浸漬洗浄工程と、前記洗浄槽に溜められた洗浄液を排水すると共に、当該
ポンプから送られる洗浄液を前記ジェットノズル管を介
して洗浄液を前記被洗浄体に吹きつけるすすぎ工程と、前記洗浄液切り管により乾燥空気を前記洗浄体に吹きつ
けて洗浄液を除去する液切り工程と、を有することを特徴とする部品洗浄装置。
【請求項２】前記ジェットノズル管は、間欠的に正逆転
する駆動装置を有することを特徴とする請求項１記載の
部品洗浄装置。