JP3124241B2 - 金属材料の表面清浄化方法とその装置 - Google Patents

金属材料の表面清浄化方法とその装置

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JP3124241B2
JP3124241B2 JP08332365A JP33236596A JP3124241B2 JP 3124241 B2 JP3124241 B2 JP 3124241B2 JP 08332365 A JP08332365 A JP 08332365A JP 33236596 A JP33236596 A JP 33236596A JP 3124241 B2 JP3124241 B2 JP 3124241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料の表面処
理技術において、各種金属材料の表面に付着している油
類を含む有機物、熱による焼付物、酸化物等の付着物を
除去洗浄して清浄化する方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】各種金属材料、特に、シャッター,金属
製建具,金属製家具,建造物の梁材や柱材や床材,或い
は各種金属製機器等に用いる大型或いは長尺又は短尺に
形成される金属材料に対し、メッキや塗装及び溶接の前
工程として、この金属材料の表面に付着している防錆
油、潤滑油および各種加工油等を脱脂洗浄するために表
面清浄化が行われる。また、この金属材料の表面は、上
記防錆油等とともに又は単独でスケールと呼ばれる酸化
被膜や錆等に覆われている場合もあり、これらを取り除
く洗浄なども行われる。
【0003】従来、各種油類の付着している金属材料を
洗浄する方法としては、金属材料である被洗浄物を通常
のアルカリ脱脂剤水溶液に浸漬し揺動および振動させる
方法、各種の界面活性剤を用いた洗浄方法、有機溶剤を
使って被洗浄物の表面の油性の汚れを布で拭取る方法、
溶剤中に被洗浄物を浸漬し攪拌またはブラッシングする
方法、溶剤蒸気浴による方法、電解脱脂による方法など
が行われている。
【0004】ところが、上述したこれらの方法は、化学
的洗浄作用の他、物理的作用も付加したものであり、有
機溶剤使用による環境問題、通常の界面活性剤を含めた
アルカリ脱脂剤水溶液では被洗浄物の隙間内部の洗浄不
良、脱脂洗浄時間の延長などの問題があった。
【0005】そして、これら諸問題に対して超音波振動
の適用がなされており、この超音波振動も古くから物理
的洗浄手段として応用され各種の方法が提案されてい
る。例えば、特開平03−281793号および特開平
06−254521号では、被洗浄物を入れたバスケッ
トに対して洗浄槽内で超音波振動を作用させる方法であ
る。また、鋼材などの被洗浄物の表面の清浄化方法の1
つとして酸洗が行われているが、ここでも超音波振動の
応用例が数多く見られる。
【0006】一般に超音波洗浄に使用されている超音波
振動子は、投込型、底付型、振動伝達用ホーンによる集
束型が用いられ、洗浄目的によって、洗浄工程、洗浄装
置等も色々工夫が施されている。例えば、被洗浄物の形
状、寸法、数量に応じて洗浄槽内の超音波照射方法も、
底面,側面,上下より照射する方法や、被洗浄物を上下
に振揺する、回転する等の方法が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た超音波による洗浄方法では、被洗浄物が比較的小さく
複雑な形状のものを対象とした場合には有効な手段とな
りうるが、被洗浄物が大型で大容積の洗浄槽を使用する
場合、超音波振動を付加し、その効果を最大限に得るた
めには下記のような非常に難しい解決の困難な問題点が
ある。
【0008】まず、長尺な被洗浄物では、それに見合っ
た脱脂洗浄槽が必要である。次に、広い面積を有する被
洗浄物全体に超音波を照射させるためには、超音波振動
子の有効照射面積が指向性により制限されるため多数の
振動子が必要となる。また、脱脂洗浄槽から引き上げら
れた被洗浄物の水切りがスムーズに行われず、残留した
水分等により、被洗浄物の仕上げ表面にムラが生じる虞
がある。
【0009】そこで本発明は、上述した従来の方法の問
題点を解決するために、被洗浄物である金属材料が長尺
なものであっても、その表面に付着している油類などを
除去して脱脂させるとともに、スケールなどの付着物も
除去洗浄し清浄化させ、かつ清浄化後に金属材料を素早
く乾燥させることが可能な一連の工程を実現する金属材
料の表面清浄化方法およびその装置を提供することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。この発明の金属材料の表面清浄化方法は、
長尺体よりなる被清浄化金属材Wを液槽13,30,1
00内の液中に搬入させて浸漬させ、該液槽13,3
0,100の液中に配置される超音波振動子16より超
音波を前記被清浄化金属材Wに照射させるとともに、該
被清浄化金属材Wと前記超音波振動子16を被清浄化金
属材Wの長さ方向に沿って相対的に移動させて、前記超
音波により前記被清浄化金属材Wを清浄化させ、該液槽
13,30,100内の前記被清浄化金属材Wの表面に
対して液流を噴出させ、その後、該被清浄化金属材Wを
前記液槽13,30,100内から搬出させ、水切りを
行い乾燥させることを特徴としている。
【0011】また、この発明の金属材料の表面清浄化方
法は、長尺体よりなる被清浄化金属材Wを脱脂液Aが収
容された脱脂槽13内に搬入させて浸漬させ、該脱脂槽
13の脱脂液A中に配置される超音波振動子16より超
音波を前記被清浄化金属材Wに照射させるとともに、該
被清浄化金属材Wと前記超音波振動子16を被清浄化金
属材Wの長さ方向に沿って相対的に移動させて、前記超
音波により前記被清浄化金属材Wの脱脂洗浄を行い、前
記脱脂槽13の脱脂液面に浮遊する油分を該脱脂槽13
における片一方へ集合させ、油の吸着材及び付着材を使
用して槽外に排出させ、次に該被清浄化金属材Wを前記
脱脂槽13から搬出し、洗浄液Bが常時供給される洗浄
槽30に搬入させて前記被清浄化金属材Wを濯いで清浄
化させ、前記脱脂槽13およびまたは前記洗浄槽30内
の前記被清浄化金属材Wの表面に対して液流を噴出さ
せ、その後、該被清浄化金属材Wを前記洗浄槽30内か
ら搬出させ、水切りを行い乾燥させることを特徴として
いる。
【0012】
【0013】また、この発明の金属材料の表面清浄化方
法は、長尺体よりなる被清浄化金属材Wを、脱脂液Aが
収容された脱脂槽13および洗浄液Bが常時供給される
洗浄槽30よりなる液槽内の各液中に順次搬入させて浸
漬させるとともに、前記脱脂槽13の液A中、または該
脱脂槽13および前記洗浄槽30の各液A,B中に配置
される超音波振動子16より超音波を前記被清浄化金属
材Wに照射させながら、該被清浄化金属材Wと前記超音
波振動子16を相対的に移動させ、かつ、前記脱脂槽1
3およびまたは洗浄槽30内における被清浄化金属材W
の表面を払拭して該被清浄化金属材Wを清浄化させ、そ
の後、該被清浄化金属材Wを前記液槽13,30内から
搬出させ、水切りを行い乾燥させることを特徴としてい
る。
【0014】また、この発明の金属材料の表面清浄化装
置1は、給材床3に積載される連続して成形される長尺
体よりなる被清浄化金属材Wを搬出し、該被清浄化金属
材Wを移送させる搬送手段6と、脱脂液Aが収容され、
該脱脂液A中に浸漬される前記被清浄化金属材Wを支持
する支持台14が配設された脱脂槽13と、前記脱脂槽
13の脱脂液A中に配置され、該脱脂液A中の被清浄化
金属材Wに対して超音波を照射するとともに、前記脱脂
槽13内の支持台14の下部において前記被清浄化金属
材Wと相対移動自在な超音波振動子16と、前記脱脂槽
13に隣接され、洗浄液Bが常時供給される洗浄槽30
と、前記洗浄槽30に隣接し、前記搬送手段6にて前記
洗浄槽30から搬出される前記被清浄化金属材Wを乾燥
させる乾燥手段36と、を具備することを特徴としてい
る。
【0015】なお、前記表面清浄化装置1には、前記乾
燥手段36に隣接して配置され、清浄化された前記被清
浄化金属材Wを測長する測長手段55と、該測長手段5
5に接続されて配設され、前記被清浄化金属材Wを所定
の長さ毎に切断する切断手段71とを備えた構成として
もよい。
【0016】さらに、前記脱脂槽13およびまたは洗浄
槽30には、該槽内の液中に浸漬される前記被清浄化金
属材Wの表面を払拭する払拭手段27を備える構成とし
てもよく、この払拭手段27は、前記槽内の液を吸液
し、該槽内の前記被清浄化金属材Wの表面に対して液流
を噴出するポンプより構成される構造が好ましい。
【0017】また、前記乾燥手段36は、前記被清浄化
金属材Wに対してエアを噴射させるエアブロアー50を
備え、かつ、この乾燥手段36は、前記被清浄化金属材
Wの長手方向である移動方向に対し俯角方向に傾斜して
いるコロコンベヤ37を備えた構成としてもよい。
【0018】さらに、このコロコンベア37を構成する
複数のコロ41,44は、中央の括れた略鼓状に形成さ
れ、前記被清浄化金属材Wを傾斜状態で搬送させる構成
としてもよく、また、前記脱脂槽13内の支持台14に
は、該支持台14に載置される前記被清浄化金属材Wの
長手方向に沿う切欠凹部15が形成され、該支持台14
に載置される前記被清浄化金属材Wを傾斜状態とさせる
構成としてもよい。
【0019】また、前記洗浄槽13には、前記洗浄液B
中に浸漬される前記被清浄化金属材Wを支持する支持台
31が配設されるとともに、前記洗浄液B中の被清浄化
金属材Wに対して超音波を照射し、前記支持台31の下
部において前記被清浄化金属材Wと相対移動自在な超音
波振動子が設けられる構成としてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明による一実施の形態
に係る表面清浄化装置の概略平面図、図2は同表面清浄
化装置の側断面図である。
【0021】本発明の表面清浄化装置1は、切り出し手
段2と、搬送手段6と、脱脂槽13と、洗浄槽30と、
超音波振動子16と、乾燥手段36と、ストック台53
とで大略構成されている。
【0022】切り出し手段2は、図示しないが、後述す
る切断機71や測長機構部62等と同様の機構部を備え
る成形切断装置よりなり、例えば断面矩形状が連続した
角パイプ状の長尺体よりなる鋼管などの素材を、平板状
の原材料から成形するとともに、この素材を所定の長
さ、例えば6000mm毎に切断して被清浄化金属材W
を成形するようになっている。
【0023】そして、この被清浄化金属材Wを順次搬出
して、図1に示すような、略テーブル状または簀の子状
の給材床3に積載させるようになっている。なお、この
給材床3は、図2に示すように、緩やかな傾斜面よりな
る上板4を有するとともに、積載される被清浄化金属材
Wを個別に後述する搬送手段に受け渡せるように送り出
し機構5が備えられている。
【0024】次に搬送手段6は、図2に示すように、走
行部7と巻上部8とで構成されるホイスト式のクレーン
装置より構成され、前記給材床3の一部及び後述する脱
脂槽13,洗浄槽30,乾燥手段36の上方に略水平に
配設されるレール9に吊下状態に配設されている。
【0025】走行部7は、レール9に吊下されるととも
に、このレール9に沿って吊下状態で移動可能なように
走行輪10が設けられており、また、巻上部8は、走行
部7の下面に垂下状態に配設され、巻上モータにより昇
降するフック11が設けられている。そして、このフッ
ク11にはマグネットで構成される吊具12が設けら
れ、前述した被清浄化金属材Wを磁力にて吊り下げ、レ
ール9に沿って搬送させるようになっている。
【0026】次に、脱脂槽13は、図1及び図2に示す
ように、給材床3に隣接して配置され、被清浄化金属材
Wが収容される長尺な矩形の槽で、その内部には、脱脂
液Aが収容されている。この脱脂液Aは、例えば珪酸
塩、炭酸塩を主成分とし界面活性剤を含んだアルカリ脱
脂剤を用い、この脱脂剤を1〜10wt%の濃度とし、
液温度を可及的低温領域である10〜45°Cとした液
である。
【0027】なお、この脱脂槽13には、図示しない
が、加熱手段が設けられている。この加熱手段は、例え
ばニクロム線などより構成される加熱器と、熱電対やサ
−ミスタなどよりなる温度センサと、これら加熱器と温
度センサとに接続されるサーモスタットなどの自動温度
調整装置とで構成されており、脱脂槽13の底部におけ
る対向する両壁面に加熱器が配設され、脱脂槽13内の
脱脂液Aの液温を温度センサが常に検出し、脱脂槽13
内の脱脂液Aを所望の温度に加熱させ、かつその温度を
保つように自動温度調整装置が作動するようになってい
る。
【0028】また、この脱脂槽13の内部には、脱脂槽
13の長手方向に対して直交するアーム状に形成された
複数の支持台14が水平に固定されている。なお、これ
ら支持台14の各上面には、脱脂槽13の長手方向に沿
って連なるように、それぞれ切欠凹部15が形成されて
いる。これら切欠凹部15は、被清浄化金属材Wの外形
状における角部に対応し、この角部分が嵌入するような
略三角形状とされている。
【0029】次に、超音波振動子16は、前記脱脂槽1
3の内底部における支持台14の下部に位置して配設さ
れている。この超音波振動子16は、例えば、実効出力
1200W,周波数25〜30KHz,パワー密度が1
W/cm2 程度のもので構成される。
【0030】また、この超音波振動子16は、脱脂槽1
3内における被清浄化金属材Wの長手外壁方向となる脱
脂槽13の長手方向に往復移動自在となる移動台17上
に配設されている。
【0031】この移動台17は、脱脂槽13の内底部内
に延出される懸垂枠18の一方の下端部18aに水平方
向に突設されている。
【0032】この懸垂枠18は、開放部を下向きとした
略コ形状の枠体からなり、その水平枠部18bに軸支さ
れた中間ローラ19が脱脂槽13の側壁を構成するレー
ル枠20の上端レール面を転動して往復移動するように
なっている。
【0033】また、懸垂枠18には、走行モータ21が
配設されており、この走行モータ21の駆動軸端に設け
られた駆動ピニオン22が、レール枠20の外壁面に水
平に固定したラック23に噛合している。
【0034】さらに、懸垂枠18の脱脂槽13外に位置
する他方の下端部18cには、下端ローラ24が軸支さ
れ、この下端ローラ24は、レール枠20の外壁面に略
逆L形に突設された固定枠25のレール26に接して転
動するようになっている。
【0035】また、この懸垂枠18には、図2及び図3
に示すように、払拭手段としてのポンプ27が設けられ
ている。このポンプ27は、マグネットポンプなどより
構成され、吸液口28及び噴液口29が脱脂槽13内に
延出し、それぞれ脱脂液A中に開口するようになってお
り、この脱脂液Aを吸液口28にて吸液し、噴液口29
にて液中に噴出させるようになっている。なお噴液口2
9は脱脂槽13内の支持台14上に載置される被清浄化
金属材Wの表面に向いており、噴出する脱脂液Aによる
液流がこの被清浄化金属材Wの表面を通るようになって
いる。
【0036】次に、洗浄槽30は、前記脱脂槽13と略
同形状に形成され、図1及び図2に示すように、この脱
脂槽13に並設されており、内部に淡水などの洗浄液B
が収容されている。この洗浄槽30内には、前記支持台
14と略同一レベル位置に、これと略同一構造のアーム
形状の支持台31が設けられている。なお、この支持台
31にも、その上面に切欠凹部34が形成されている。
【0037】また、図2に示すように、この洗浄槽30
の一側内には、洗浄液B中に延出する給液管32が配設
され、その下端は洗浄槽の一側の内底部に開口してい
る。また、洗浄槽30の他側部には溢流管33が接続さ
れており、この溢流管33の上端の溢流口が洗浄槽30
内の洗浄液面に開口し、その下端はドレン受け35に接
続されるようになっている。そして、給液管32より常
時洗浄液Bが洗浄槽30内に供給され、溢流口33によ
り洗浄槽30内の洗浄液Bが常に一定の収容量を保つよ
うになっている。
【0038】次に乾燥手段36は、コロコンベア37と
エアブロアー50とで構成されている。コロコンベア3
7は、洗浄槽30に並設されている水切コンベア38
と、この水切コンベア38の延長方向に直列状に配置さ
れる移送コンベア39とで構成されている。
【0039】水切コンベア38は、略直方状に枠組みさ
れた基台40の上面40aに、軸線方向を洗浄槽30の
長手方向に対し直交する方向とし互いに平行とされた複
数のコロ41を備えた構造とされている。また、この水
切コンベア38の基台40は、図4に示すように、床面
からコロ41が配設される上面40aまでの高さが、長
手方向一端側40bより他端側40cを低く設定され、
この上面40aが一端側40bに対して他端側40cが
俯角方向に緩やかに傾斜するよう設定されている。
【0040】なお、各コロ41は、回動自在に軸支され
る通常のコロと、駆動モータ(図示せず)に連動連結さ
れて回転が制御される駆動コロとで構成されるととも
に、各コロ41ともに、図2に示すように、中央が括れ
た略鼓形状に形成されている。
【0041】移送コンベア39は、前記水切コンベア3
8と略同形状で、直方状に枠組みされた基台42の上面
42aに、この上面42aと略同形状の矩形に枠組みさ
れた揺動枠43が、長手方向一端43aを軸支されて配
設されており、この揺動枠43に軸線方向を互いに平行
とされて複数のコロ44が配設されている。
【0042】揺動枠43の他端43bには、基台42に
垂設される昇降シリンダ45のピストンロッド先端が連
結され、一端43aの軸支部分を回動中心として基台4
2に対して揺動するようになっており、この揺動枠43
の他端43bが昇降シリンダ45によって上昇した高さ
が前記水切コンベア38の他端側40cと同等の高さと
なり、この他端43bに対し軸支されている一端43a
が俯角方向となって緩やかな傾斜となり、また、昇降シ
リンダ45によって他端43bが降下すると、略水平と
なる。
【0043】また、この移送コンベア39には、各コロ
44間の間隙部分における複数箇所に、各コロ44の軸
線方向と同方向に真直な長尺なアーム状の搬出ビーム4
6が複数介設されている。
【0044】これら搬出ビーム46には、前記コロ44
の軸線方向と直交する支軸を有するホイール(図示せ
ず)が配設されており、各搬出ビーム46が連結されて
おり、各搬出ビーム46の先端部46aが各コロ44間
に位置し、基端部46bが後述するストック台53に揺
動自在に連結されている。
【0045】各搬出ビーム46の先端部46aは、図1
に示すように、連結杆47にて連結されており、図5に
示すように移送コンベア39の基台42に垂設される昇
降シリンダ48のピストンロッド先端が連結されてお
り、昇降シリンダ48の作動により各搬出ビーム先端部
46aを昇降させるようになっている。
【0046】なお、コロコンベア37の水切コンベア3
8の下部には、図2に示すように、略漏斗状のドレン受
け49が設けられている。
【0047】次に、エアブロアー50は、支持枠体51
とエアノズル52とエアコンプレッサー(図示せず)と
で大略構成されており、コロコンベア37を構成する水
切コンベア38の他端側40cに配設されている。
【0048】支持枠体51は、図2に示すように、被清
浄化金属材Wが略中心部分を通過できるように略ロ字状
に形成されており、水切コンベア38の各コロ41の間
隙部分に位置するように複数カ所配設されている。
【0049】また、エアノズル52は、複数で構成され
ており、各ノズル先端が、支持枠体51の略中心に向か
うように配設されている。そして、これらエアノズル5
2にはエアコンプレッサーが連結され、支持枠体51の
略中心に向かって、すなわち、この支持枠体51を通過
する被清浄化金属材Wに向けてエアが噴出するようにな
っている。
【0050】次に、ストック台53は、図5に示すよう
に、上面53aがやや緩やかに傾斜した略テーブル状若
しくは簀の子状に構成されて、前記移送コンベア39に
沿い近接して配設されているとともに、前述した搬出ビ
ーム46の基端部46bが支軸を介して連結されてい
る。また、このストック台53の上面には、ホイルコン
ベア54が複数配設されている。
【0051】このホイルコンベア54は、各搬出ビーム
46のホイールと同方向の支軸を有したホイル(図示せ
ず)で構成され、移送コンベア39から搬出ビーム46
にて移送される被清浄化金属材Wを、その長手方向と直
交する幅方向に移動させ、かつ収容するようになってい
る。
【0052】次に、測長手段55は、搬送コンベア56
と、測長機構部62とで略構成されている。搬送コンベ
ア56は、前述した乾燥手段36を構成するコロコンベ
ア37と略同構造とされ、直方状に枠組みされた基台5
7の上面に、軸線方向を互いに平行とされた円筒形状の
複数のコロ58を備えた構造とされるとともに、各コロ
58の両端を軸支する各側縁枠59にガイド枠60がそ
れぞれ配設されている。また、図6に示すように、この
搬送コンベア56の一方のガイド枠59には、ラック6
1が配設されている。
【0053】測長機構部62は、図6に示すように、搬
送コンベア56上をコロ58によって移動する矩形状の
摺動基板63を有し、この摺動基板63上に駆動モータ
64と検出センサとなる光学式ロータリーエンコーダ6
5とが備えられている。
【0054】摺動基板63には、一端縁に垂直な当接板
66が配設されており、また、この摺動基板63の少な
くとも四隅には、ガイドローラ67がそれぞれ配設され
ており、搬送コンベア56上を移動する際に、この搬送
コンベア56の両ガイド枠60の対向内面に当接し転動
するようになっている。
【0055】また、駆動モータ64の出力軸には、カッ
プリング及び伝達歯車等68を介して垂直な駆動軸69
が連動連結されており、この駆動軸69の下端にピニオ
ン70が配設され、上端に光学式ロータリーエンコーダ
65が接続されている。
【0056】そして、駆動軸69に設けられたピニオン
70が、搬送コンベア56のラック61に噛み合い、駆
動モータ64の回転駆動によって、この測長機構部62
が搬送コンベア56上を移動するようになっているとと
もに、駆動軸69に連結されたロータリーエンコーダ6
5により、この駆動軸69の回転数を計測して搬送コン
ベア56上での測長機構部62の移動距離を計測するよ
うになっている。
【0057】次に、切断手段71は、図1に示すよう
に、前記測長手段55の搬送コンベア56の一方の端部
に近接して配設されている。この切断手段71は、図7
に示すように、円板形状のカッター刃72が設けられた
切断機で、カッター刃72は搬送コンベア56のコロの
軸線方向と直交する方向を軸線方向とされる回転刃より
なり、昇降機構(図示せず)を備えて、この昇降機構に
より測長手段55から搬送される被清浄化金属材Wを切
断するようになっている。
【0058】また、この表面清浄化装置1には、測長手
段55の搬送コンベア56の延長上となり、切断手段7
1に接続される搬出コンベア73が設けられ、この切断
手段71により所定の長さに切断された被清浄化金属材
Wを装置1外に搬出するようになっており、図示しない
塗装工程などの後工程に送り出されるようになってい
る。
【0059】次に、上述した構成の表面清浄化装置1に
よる金属材である被清浄化金属材の清浄化方法について
説明する。なお、脱脂槽13内における脱脂液面と超音
波振動子16との距離は300〜1200mm、支持台
14上面と超音波振動子16との距離は10〜700m
mに設定される。
【0060】まず、成形切断装置によって、平板状の原
材料は、角パイプ状に折曲形成されて例えば一辺が10
0mmの矩形断面状に形成させ、長さ6000mm毎に
切断し、被清浄化金属材Wとする。
【0061】この被清浄化金属材Wは、例えば一般構造
用角形鋼管として用いられるものであり、その表面には
長期間の防錆を目的として防錆油が塗布されており、場
合によっては、表面にスケールと呼ばれる薄い鉄の酸化
被膜が形成されていることもある。また、この被清浄化
金属材の表面には、防錆油の他に切削油や機械油,グリ
ース類なども付着しており、さらには、泥砂,塵埃や、
防錆油の効果のない箇所には錆なども付着している。
【0062】成形された被清浄化金属材Wは、給材床3
に順次積載される(図2参照)。
【0063】次に、クレーン装置6が、走行装置7によ
り給材床3の上方に移動して、この位置にて吊具12に
より、給材床3上の被清浄化金属材Wを持ち上げる。そ
して、クレーン装置6は、走行装置7によりレール9に
沿って移動し、給材床3から脱脂槽13へ被清浄化金属
材Wを搬送させる。
【0064】搬送された被清浄化金属材Wは、巻上部8
の作動により降下され、加熱手段にて所望の温度に保た
れた脱脂槽13内の脱脂液中に浸漬されて、支持台14
上に、角部分を切欠凹部15に嵌入するように載置さ
れ、すなわち被清浄化金属材Wを支持台上で斜めとなる
ように載置される(図2及び図3参照)。
【0065】載置後、懸垂枠18の走行モータ21が作
動し、脱脂槽13内底の移動台17が移動を開始して、
かつこの移動台17上の超音波振動子16が動作を開始
する。すなわち、懸垂枠18及び移動台17は、走行モ
ータ21の駆動ピニオン22がレール枠20のラック2
3と噛み合った状態で駆動し、レール枠20に沿って往
復移動することとなり、移動台17上の超音波振動子1
6を、被清浄化金属材Wの長さ方向に沿って繰り返し往
復移動する。
【0066】超音波振動子16は、移動すると同時に上
部液面に向かって超音波を照射する。これにより被清浄
化金属材W全面に振動効果が発揮され、被清浄化金属材
Wの表面に付着している油分が除去され、また、この振
動効果により被清浄化金属材Wの表面を覆うスケールを
粉砕するように剥離させて洗浄が行われる。
【0067】また、懸垂枠18が移動し超音波振動子1
6の動作開始と同時に、ポンプ27が作動を開始し、脱
脂槽13内の脱脂液Aを吸液口28より取り込み、噴液
口29より噴出して、その液流を支持台14上の被清浄
化金属材Wの上方から表面に向けて浴びせるように当
て、被清浄化金属材Wの表面に付着しているスケールや
塵埃、また剥離して粉砕状態となり再び付着したり、被
清浄化金属材に堆積された粉状のスケールなどを液流に
て払拭し、除去させて洗浄する。
【0068】脱脂洗浄後、被清浄化金属材Wは脱脂槽1
3からクレーン装置6により引き上げられ、隣接する洗
浄槽30の洗浄液B中に浸漬され支持台31上に載置さ
れる。洗浄槽30には濯ぎのための水洗水が給液管32
より常に給液され、溢流管33によって清浄化が保たれ
ており、この給液・溢流による水流にて、濯がれる。な
お、後工程での乾燥の後、発錆が懸念される場合には脱
脂後の防錆をより充分に行うため洗浄槽30の水に防錆
添加剤を添加することが望ましい。
【0069】次に、水洗された被清浄化金属材Wは、洗
浄槽30からクレーン装置6によって引き上げられる。
このとき、引き上げられ吊下状態の被清浄化金属材W
を、洗浄槽30の洗浄液B面上方にて、長手方向に傾斜
させて所定時間、例えば60秒間停止させ、内空部分の
水切りを行う。
【0070】洗浄槽30より引き上げられた被清浄化金
属材Wは、次に、水切コンベア38に移送され、コロ4
1上に載置される(図4参照)。この水切コンベア38
上では、各コロ41の括れ部分に被清浄化金属材Wの角
部分が嵌入した傾斜状態とされる(図2参照)。載置
後、水切コンベア38では駆動コロが回転駆動を開始
し、被清浄化金属材Wを水切コンベア38の他端側40
c方向へ移動させ、エアブロアー50の支持枠体51間
に進入させる。
【0071】エアブロアー50は、被清浄化金属材Wが
近づくと作動を開始し、エアコンプレッサーから所定の
圧力のエア、好ましくは加熱器などにより熱せられたエ
アがエアノズル52から噴出され、支持枠体51の略中
心を通過する被清浄化金属材Wに向けられて、この被清
浄化金属材Wの表面に付着している水分を吹き飛ばす。
【0072】また、この水切コンベア38は、一端側4
0bから他端側40cにかけて傾斜していることから、
被清浄化金属材Wの表面及び内面に付着している水分
は、他端側40cに向けて流れ落ち、その水分はドレン
受け49で溜められ、排水口へと流される。
【0073】エアブロアー50を通過し、水切りを終え
て乾燥された被清浄化金属材Wは、移送コンベア39上
を移動し、揺動枠43の一端側43aに到達した時点で
停止される。被清浄化金属材Wが停止すると、昇降シリ
ンダ45が動作し、揺動枠43の他端側43bが降下し
て、この揺動枠43を略水平な状態とさせる。
【0074】次に、昇降シリンダ48が作動してピスト
ンロッドを延伸し、この移送コンベア39の搬出ビーム
46の先端側を上昇させ、この搬出ビーム46を傾斜さ
せる(図5参照)。そして、移送コンベア39の各コロ
41上に載置状態の被清浄化金属材Wを、その長手方向
と直交する幅方向に移送させ、ストック台53へと収容
させる。
【0075】ストック台53では、移送された被清浄化
金属材Wを順次ホイルコンベアにてその幅方向に移動さ
せて収容し、かつ、この被清浄化金属材Wを次工程の搬
送コンベア56へ移動させる。
【0076】搬送コンベア56では、測長機構部62の
駆動モータ64が始動し、ピニオン70と噛み合うラッ
ク61に沿い、搬送コンベア56上にて移動を開始し
て、載置された被清浄化金属材Wの基端部を、当接板6
6に当接した状態で、先端側を切断機71の方向に押動
させる。
【0077】このとき、切断機71のカッター刃72を
降下状態とし、測長機構部62による被清浄化金属材W
の移動の規制を行い、被清浄化金属材Wの先端がカッタ
ー刃72に当接した位置にてその移動を停止させる。
【0078】ここで、測長機構部62は、センサ部であ
るロータリーエンコーダ65を初期値とし、測長の起点
とする。
【0079】次に、切断機71のカッター刃72を上昇
させて、被清浄化金属材Wとの当接状態が解除される
と、測長機構部62は駆動モータ64を作動させ被清浄
化金属材Wを搬送コンベア56上にて押動する。測長機
構部62は、予め設定される所定の距離に到達すると、
その押動を停止する。
【0080】移動が停止されると、切断機71のカッタ
ー刃72は回転を開始し、同時にこのカッター刃72を
昇降機構により降下させ、被清浄化金属材Wの切断を開
始する。
【0081】切断された先端側の被清浄化金属材Wは、
製品となり、この切断機71に連結されている搬出コン
ベア73により、次工程へと搬出される。
【0082】切断が終了すると、カッター刃72は昇降
機構により上昇し、再び測長機構部62が作動して、被
清浄化金属材Wを押動し、所定距離移動させる。
【0083】そして、上記同様に切断と搬出及び測長が
繰り返され、被清浄化金属材Wは所定の長さ毎に切断さ
れて、搬出されることとなる。
【0084】なお、上述した各部の各動作における始点
と終点の位置などには、図示しないが、リミットスイッ
チ等を配設させ、その動作のタイミングが制御されるよ
うになっており、制御回路などが接続構成され、予め最
適な脱脂時間や濯ぎ時間、乾燥手段におけるエアブロア
ーの動作時間などが設定され、清浄化を行うようになっ
ている。また、上述した被清浄化金属材Wの脱脂槽13
における分離した油分の回収方法については、脱脂液A
面に浮遊する油分をエアブロアー装置或いは液の流動
を、槽における片一方へ生じさせることによって1ケ所
に集合させ、油の吸着材および付着材を使用して槽外に
排出させるとよい。これによれば、脱脂後の被清浄化金
属材Wの引き上げ時に生じる分離した油分の再付着の問
題を解決することができる。
【0085】従って、被清浄化金属材Wと超音波振動子
16を被清浄化金属材Wの外壁方向に沿って相対移動さ
せながら、超音波振動子16からの超音波により超音波
洗浄するようにしているため、長尺な被清浄化金属材W
の全外壁を無理なく超音波洗浄できるとともに、被清浄
化金属材Wにより脱脂槽13内を傷つけるおそれもな
く、スペース効率の点でも優れている。
【0086】また、超音波振動子16を、被清浄化金属
材Wの下部に位置させて超音波洗浄させることにより、
超音波振動子16が、被清浄化金属材Wから除去され浮
上する油類などの汚染物質により汚染されて劣化すると
いうことがない。
【0087】さらに、ポンプ27より構成された払拭手
段を脱脂槽13に配設し、このポンプ27による液流を
発生させて被清浄化金属材Wを払拭するので、その表面
に付着している油類などを除去して脱脂させるととも
に、スケールなどの酸化付着物なども除去洗浄し清浄化
させることが可能となる。
【0088】また、乾燥手段として、俯角方向に傾斜さ
せたコロコンベア37を構成させるとともに、エアブロ
アー50を構成させたので、清浄化後の被清浄化金属材
Wを素早く乾燥させることが可能となる。
【0089】そして、この被清浄化金属材Wを、成形か
ら脱脂洗浄、乾燥、測長、切断と一連の作業工程が連続
して行われ自動化を実現できるので、省人化を図ること
が可能となり、また、作業時間の短縮化を図ることが可
能となる。
【0090】なお、上述した実施の形態では、角パイプ
状に形成されている被清浄化金属材Wを、そのまま搬送
し各槽に浸漬させて脱脂清浄化させる例について述べた
が、両端から内部に水分が浸入しないように、各端部に
ゴム或いは合成樹脂よりなる栓で蓋をして、外周表面の
みを脱脂清浄化させるようにしてもよい。この場合、被
清浄化金属材Wは、両端が閉塞されることから、浮力を
生じてしまうので、この浮力より大きい重量物を被清浄
化金属材Wの内空部分に挿入させたり、両端の各蓋に浮
力より大きい重量物をチェーンやワイヤで連結させて、
液中に浸漬状態となるよう構成させる。
【0091】また、上述した実施の形態では、脱脂槽1
3にポンプ27を配設し、脱脂液A中に浸漬されている
被清浄化金属材Wに対して液流を当て、スケール等の払
拭除去を行う構成としたが、このポンプ27を洗浄槽3
0に配設し、洗浄液Bの液流を発生させて、この洗浄液
B中に浸漬されている被清浄化金属材Wの払拭を行う構
成としてもよく、さらには、脱脂槽13と洗浄槽30と
にポンプ27をそれぞれ配設する構成としてもよく、こ
の場合では、濯ぎ時間を短縮することが可能となる。
【0092】また、上述した実施の形態では、払拭手段
として、ポンプ27にて構成される例について述べた
が、この払拭手段は、これに限定されることはなく、例
えば、ブラシなどにて構成させ、このブラシを、超音波
振動子16を移動させる懸垂枠18に設け、槽内の被清
浄化金属材Wへ延出させて、この懸垂枠18とともに移
動する構成とさせれば、ブラシが、被清浄化金属材Wの
表面をブラッシングするように払拭することとなり、こ
の表面に付着しているスケールなどの除去を行うことが
可能となる。
【0093】さらに、上述した実施の形態では、各槽1
3,30の支持台14,31に切欠凹部15,34を形
成させ、被清浄化金属材Wを斜めに載置させる例につい
て述べたが、この切欠凹部15,34を有しない水平な
支持台14,31として構成させてもよい。この場合、
上記のような形状の被清浄化金属材Wの場合、上面が水
面と平行となることから、この上面に、被清浄化金属材
Wの表面より剥離された粉状のスケール等が堆積状態と
なるおそれがあるので、この上面に向けてポンプ27の
噴液口29を配置させる構成とする。
【0094】また、上述した実施の形態では、超音波振
動子16を1つで構成させた例について述べたが、この
超音波振動子16は複数で構成させてもよく、例えば、
略V字状にそれぞれ傾斜した構成とし、各超音波振動子
16のそれぞれの上面を被清浄化金属材Wに対向するよ
うに配設する構造としてしてもよい。また、移動台17
の長手方向略等間隔の複数箇所に超音波振動子16を配
設してもよく、この場合では、移動台17の移動距離を
短く設定できる。
【0095】また、上述した実施の形態では、超音波振
動子16を脱脂槽13内に配設した構造の例について述
べたが、この超音波振動子16と同構成の超音波振動子
を洗浄槽30内に配設してもよい。この場合も、脱脂槽
13内の超音波振動子16と同様に移動する懸垂枠18
を設ける構成とし、すなわち超音波振動子を移動台上に
設けて洗浄槽30の長手方向に沿って移動できるように
懸垂枠などの移動構造を設ける構成とする。これによ
り、洗浄槽30内では、洗浄液Bによる濯ぎが行われな
がら超音波による清浄化が行われることとなる。
【0096】さらに、上述した実施の形態では、搬送手
段6を構成するフック11にマグネットよりなる吊具1
2を設けた例について述べたが、この吊具12は、マグ
ネットに限ることはなく、例えば、クランプ構造などに
て構成し、被清浄化金属材Wを握持し持ち上げる構造と
してもよい。
【0097】また、上述した実施の形態では、脱脂液A
が収容される脱脂槽13と、洗浄液Bが収容される洗浄
槽30とを別構成とし、各槽13,30に被清浄化金属
材Wを順次浸漬させて脱脂清浄化する方法の例について
述べたが、図8に示すように、脱脂槽と洗浄槽とを一体
構造の液槽100とし、この液槽100内に前述した脱
脂液Aと同様の脱脂液を収容させ、液面を二分割する堰
101を設けて、一方の液面C下に超音波振動子16を
配設させる構成としてもよい。
【0098】この場合、被清浄化金属材Wは、堰101
にて分割された一方の液面Cより浸漬され(図中矢線
I)、この一方の液面C下にて超音波振動子16による
超音波洗浄を受けながら、移動装置102により、一方
の液面C下から他方の液面D下に水平方向に移動するよ
うに構成し、この他方の液面Dから取り出される(図中
矢線O)ようになっている。
【0099】この時、脱脂液は、供液管103から供給
されて溢流口104から溢流されており、液面に脱脂液
の流れが形成されていることから、分離油分は溢流口1
04から排出されて除去装置105により除去され、清
浄化された脱脂液が供液管103から循環供給される。
【0100】また、除去装置105の槽106内の液面
には、かき揚げ式の浮上分離油の除去部107が設けら
れ、槽106の底部は、循環ポンプ108を介して、上
記供液管103と連通している。これにより、脱脂完了
の被清浄化金属材Wは、他方の液面Dから引き上げられ
るため、浮上分離油の再付着が防止される。
【0101】また、上述した実施の形態では、脱脂槽1
3にて超音波の照射が行われて脱脂され、その後に洗浄
槽30に浸漬させる例について述べたが、これら脱脂槽
13と洗浄槽30との間に、シャワースプレー方式によ
る洗浄部を設置することも更に効果的な方法となる。
【0102】さらに、上述した実施の形態では、予め洗
浄される被清浄化金属材Wの長さなどが設定されて、清
浄化が行われるが、給材床3や搬送手段6などに、測長
センサなどを配設し、清浄化を行う被清浄化金属材Wの
長さなどが異なっている場合でも、最適な洗浄の時間な
どを図示しない制御装置が、例えば被清浄化金属材Wの
長さと最適な脱脂や濯ぎの時間などの関係を予め記憶部
に記憶しておく等により決定し、脱脂や濯ぎ、乾燥の各
工程を行うように構成してもよい。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明による金属材
料の表面洗浄化方法とその装置によれば、被清浄化金属
材と超音波振動子とを相対移動させながら、超音波振動
子からの超音波により超音波洗浄するようにしているの
で、長尺な被清浄化金属材の全外壁をムラなく超音波洗
浄できるとともに、脱脂槽や洗浄槽などの液槽内にて被
清浄化金属材が支持台上であることから被清浄化金属材
により槽内を傷つけるおそれもなく、スペース効率の点
でも優れている効果を得られる。
【0104】また、超音波振動子を、被清浄化金属材の
下部に位置させて超音波洗浄させることにより、超音波
振動子が、被清浄化金属材から除去され浮上する油類な
どの汚染物質により汚染されて劣化するということがな
い。
【0105】さらに、払拭手段を液槽に配設し、この払
拭手段によって液槽内の被清浄化金属材の表面を払拭す
るので、その表面に付着しているスケールや塵埃などの
付着物も除去して清浄化させることができるという効果
がある。
【0106】特に、この払拭手段をポンプにて構成させ
ることで、槽内に液流を発生させることとなり、この液
流が被清浄化金属材の表面に付着しているスケールなど
を除去させることができるとともに、この液流により槽
内の脱脂液などが攪拌されることとなり、脱脂作用を向
上させることが可能となる。
【0107】また、乾燥手段として、俯角方向に傾斜さ
せたコロコンベアを構成させるとともに、エアブロアー
を構成させたので、清浄化後の被清浄化金属材を素早く
乾燥させることが可能となる効果を得られ、また、この
コロコンベアの各コロを中央の括れた略鼓状に形成した
ことで、被清浄化金属材を角部分を下方に向けて傾斜状
態で搬送させることとなり、これにより被清浄化金属材
に付着状態の水滴などが下部となる部分に集中して流れ
落ちることとなり、その乾燥をさらに早めることが可能
となる。
【0108】さらに、脱脂槽内の支持台に切欠凹部を形
成させたことで、被清浄化金属材を液内にて傾斜状態と
させることが可能となり、このことから被清浄化金属材
は液内にて水平面が生じることがなくなり、超音波によ
り剥離されて粉状となるスケールなどがその表面上に堆
積してしまうおそれがなくなり、清浄化を向上させるこ
とが可能となる。
【0109】そして、この被清浄化金属材を、脱脂洗浄
から乾燥まで一連の作業工程で行うとともに、乾燥後に
この被清浄化金属材を測長し、切断させる作業工程まで
連続して行われ、自動化を実現させることが可能となる
ので、省人化を図ることが可能となり、また、作業時間
の短縮化を図ることが可能となるという効果を得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態に係る表面清浄化装
置の概略平面図
【図2】同表面清浄化装置の図1におけるII−II線断面
【図3】同表面清浄化装置の一部拡大側断面図
【図4】同表面清浄化装置の概略背面図
【図5】同表面清浄化装置の図1におけるV−V線断面
【図6】同表面清浄化装置における測長手段の側面図
【図7】同表面清浄化装置の図1におけるVII−VII線
断面図
【図8】他の実施の形態の表面清浄化装置における洗浄
槽の概略図
【符号の説明】 1…表面清浄化装置 6…搬送手段 13…脱脂槽 14…支持台 15…切欠凹部 16…超音波振動子 27…払拭手段(ポンプ) 30…洗浄槽 31…支持台 36…乾燥手段 41,44…コロ 50…エアブロアー 55…測長手段 71…切断手段 100…液槽 A…脱脂液 B…洗浄液 W…被清浄化金属材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田 稔 東京都板橋区志村3丁目26番4号 文化 シヤッター株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−290136(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 3/00 B08B 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺体よりなる被清浄化金属材を液槽内
    の液中に搬入させて浸漬させ、該液槽の液中に配置され
    る超音波振動子より超音波を前記被清浄化金属材に照射
    させるとともに、該被清浄化金属材と前記超音波振動子
    被清浄化金属材の長さ方向に沿って相対的に移動させ
    て、前記超音波により前記被清浄化金属材を清浄化さ
    せ、該液槽内の前記被清浄化金属材の表面に対して液流
    を噴出させ、その後、該被清浄化金属材を前記液槽内か
    ら搬出させ、水切りを行い乾燥させることを特徴とする
    金属材料の表面清浄化方法。
  2. 【請求項2】 長尺体よりなる被清浄化金属材を脱脂液
    が収容された脱脂槽内に搬入させて浸漬させ、該脱脂槽
    の脱脂液中に配置される超音波振動子より超音波を前記
    被清浄化金属材に照射させるとともに、該被清浄化金属
    材と前記超音波振動子を被清浄化金属材の長さ方向に沿
    って相対的に移動させて、前記超音波により前記被清浄
    化金属材の脱脂洗浄を行い、前記脱脂槽の脱脂液面に浮
    遊する油分を該槽における片一方へ集合させ、油の吸着
    材および付着材を使用して槽外に排出させ、次に該被清
    浄化金属材を前記脱脂槽から搬出し、洗浄液が常時供給
    される洗浄槽に搬入させて前記被清浄化金属材を濯いで
    清浄化させ、該脱脂槽およびまたは洗浄槽内の前記被清
    浄化金属材の表面に対して液流を噴出させ、その後、該
    被清浄化金属材を前記洗浄槽内から搬出させ、水切りを
    行い乾燥させることを特徴とする金属材料の表面清浄化
    方法。
  3. 【請求項3】 長尺体よりなる被清浄化金属材を移送さ
    せる搬送手段と、 脱脂液が収容され、該脱脂液中に浸漬される前記被清浄
    化金属材を支持する支持台が配設された脱脂槽と、 前記脱脂槽の脱脂液中に配置され、該脱脂液中の被清浄
    化金属材に対して超音波を照射するとともに、前記脱脂
    槽内の支持台の下部において前記被清浄化金属材と被清
    浄化金属材の長さ方向に沿って相対移動自在な超音波振
    動子と、 前記脱脂槽に隣接され、洗浄液が常時供給される洗浄槽
    と、前記脱脂槽およびまたは洗浄槽内の液を吸液し、該槽内
    の前記被清浄化金属材の表面に対して液流を噴出するこ
    とにより該槽内の液中に浸漬される前記被清浄化金属材
    の表面を払拭するポンプにより構成された払拭手段と、 前記洗浄槽に隣接し、前記搬送手段にて前記洗浄槽から
    搬出される前記被清浄化金属材を乾燥させる乾燥手段
    と、 を具備することを特徴とする金属材料の表面清浄化装
    置。
  4. 【請求項4】 長尺体よりなる被清浄化金属材を移送さ
    せる搬送手段と、 脱脂液が収容され、該脱脂液中に浸漬される前記被清浄
    化金属材を支持する支持台が配設された脱脂槽と、 前記脱脂槽の脱脂液中に配置され、該脱脂液中の被清浄
    化金属材に対して超音波を照射するとともに、前記脱脂
    槽内の支持台の下部において前記被清浄化金属材と被清
    浄化金属材の長さ方向に沿って相対移動自在な超音波振
    動子と、 前記脱脂槽に隣接され、洗浄液が常時供給される洗浄槽
    と、 前記洗浄槽に隣接し、前記搬送手段にて前記洗浄槽から
    搬出される前記被清浄化金属材を乾燥させる乾燥手段
    と、 前記乾燥手段に隣接して配置され、清浄化された前記被
    清浄化金属材を測長する測長手段と、 該測長手段に接続されて配設され、前記被清浄化金属材
    を所定の長さ毎に切断する切断手段とを備えたことを特
    徴とする金属材料の表面清浄化装置。
  5. 【請求項5】 長尺体よりなる被清浄化金属材を移送さ
    せる搬送手段と、 脱脂液が収容され、該脱脂液中に浸漬される前記被清浄
    化金属材を支持する支持台が配設された脱脂槽と、 前記脱脂槽の脱脂液中に配置され、該脱脂液中の被清浄
    化金属材に対して超音波を照射するとともに、前記脱脂
    槽内の支持台の下部において前記被清浄化金属材と被清
    浄化金属材の長さ方向に沿って相対移動自在な超音波振
    動子と、 前記脱脂槽に隣接され、洗浄液が常時供給される洗浄槽
    と、 前記洗浄槽に隣接し、前記搬送手段にて前記洗浄槽から
    搬出される前記被清浄化金属材を乾燥させる乾燥手段
    と、 を具備し、 前記脱脂槽内の支持台には、該支持台に載置される前記
    被清浄化金属材の長手方向に沿う切欠凹部が形成され、
    該支持台に載置される前記被清浄化金属材を傾斜状態と
    させることを特徴とする金属材料の表面清浄化装置。
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