JP3314735B2 - 部品洗浄装置 - Google Patents

部品洗浄装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄ドラムを回転
させる事により、高洗浄性能と高速乾燥機能とを両立し
て得る事が出来る部品洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来より一般に使用されている
従来例の構成斜視説明図で、例えば、特開平9−572
23号公報、発明の名称「部品洗浄装置」に示されてい
る。図において、ポンプ20が汲み上げた洗浄液12
は、ジェットノズル管50に送られる。
【0003】洗浄槽40は、所定の液位に洗浄液12を
維持するオバーフロー用バイパス管42を有し、オバー
フロー用バイパス管42は、余剰となる洗浄液12を洗
浄液槽10に戻す。
【0004】排水バルブ44は、洗浄槽40の底部に設
けられたもので、バルブが閉じられたときは洗浄槽40
に洗浄液12を保持して浸漬洗浄に対処し、バルブが開
かれたときは洗浄槽40から洗浄液12を洗浄液槽10
に戻す。
【0005】上ふた46は、洗浄槽40の上側にある開
口部を覆うもので、洗浄作業中に周囲に洗浄液12が飛
散したり、あるいは周囲に存在する汚穢等で、洗浄槽4
0が汚染されるのを防止する。
【0006】部品収納籠48は、洗浄槽40の内部に被
洗浄体を置くもので、被洗浄体たる部品の取扱いを容易
にすると共に、洗浄液12の、部品に対する噴出の障害
とならないように、網状の金属やプラスチックの容器で
構成されている。
【0007】ジェットノズル管50は、洗浄槽40に付
設されると共に、部品収納籠48を囲うようなU字形若
しくはL字形をしている。洗浄液12が部品に対して均
一に当たるように、ノズル回転モータ52により間欠的
に制御しながら時計方向、若しくは反時計方向にジェッ
トノズル管50が回転する。
【0008】このとき、ノズル噴射感度は時計方向と反
時計方向とで角度を少しづつ変えることで、洗浄力を高
めている。バブリング管60は、洗浄槽40の底部に付
設されたもので、部品収納籠48に収納された部品に対
して泡を噴出する。
【0009】洗浄液切り管70は、洗浄槽40の底部並
びに周壁部に付設されたもので、部品収納籠48に収納
された部品に対して乾燥空気を吹きつけて、部品に付着
した洗浄液12を除去する。コンプレッサ80は、洗浄
液槽10に隣接して設けられたもので、バブリング管6
0や洗浄液切り管70で使用する圧縮空気を供給する。
【0010】次に、ジェットノズル管50、バブリング
管60並びに洗浄液切り管70の詳細を説明する。図6
はジェットノズル管50の詳細を説明する構成斜視図で
ある。
【0011】洗浄液12を供給するものとしてポンプ2
0が付設されていて、U字形のジェットノズル管50の
横部ノズル55、底部ノズル56並びに天井部ノズル5
7から、洗浄液12を棒状もしくは霧状に噴霧する。こ
こでは、ジェットノズル管50は中央のメカニカル・シ
ール部58を軸に左右対称であり、横部ノズル55が4
個、底部ノズル56が3個並びに天井部ノズル57が2
個、それぞれ固有の間隔で設けられている。
【0012】機械的に駆動するために、ノズル回転用モ
ータ52が設けられており、軸の回転と洗浄液12の密
封性を両立するため、ポンプ20と接続された配管24
とジェットノズル管50との継ぎ手にメカニカル・シー
ル部58が設けられている。歯付きベルト53は、ノズ
ル回転用モータ52の駆動力を、メカニカル・シール部
58を介してジェットノズル管50の回転運動に変換し
ている。
【0013】なお、洗浄液12の噴霧と機械的駆動との
干渉を避ける場合には、ジェットノズル管50の噴霧方
向を回転軸に向けるとよい。逆に、洗浄液12の噴霧を
機械的駆動の助力とする場合には、回転方向と一致する
ようにジェットノズル管50の噴霧方向を回転軸に対し
て少し傾けるとよい。
【0014】図7はバブリング管60の詳細を説明する
構成斜視図である。空気導入管62は、圧縮空気等の気
泡の供給源と接続されており、連絡管64を介して4本
の穴空き枝管66と接続されている。
【0015】バブリング管60は、洗浄槽40に対して
固定されており、ここでは、ジェットノズル管50の底
部ノズル56と洗浄液槽10の中間に付設されている。
【0016】図8は洗浄液切り管70の詳細を説明する
構成斜視図である。空気導入管72は、圧縮空気等の気
泡の供給源と接続されており、4本の穴空きL字管74
と接続されている。穴空きL字管74は、洗浄槽40に
対して固定されているので、部品収納籠48に収納され
た部品を万遍なく液切りさせるため、旋回流を起こすよ
うなブローを行う穴形状とするとよい。
【0017】このように構成された装置における、洗浄
工程について説明する。図9は図5の装置の工程と機能
について説明したものである。工程としては、浸漬洗
浄、前洗浄工程並びにすすぎ工程で行われるジェット洗
浄、液切り工程で行われるエアーブローがある。
【0018】浸漬洗浄では、ジェットノズル管50によ
る回転ジェットノズル機能と、バブリング管60による
固定下部バブリング機能とが併用されるもので、最も洗
浄力が高く、それゆえ洗浄剤を含有しない水のみでも十
分な洗浄力が得られる。
【0019】ジェット洗浄では、ジェットノズル管50
による回転ジェットノズル機能を用いており、前洗浄工
程では注水に供される洗浄液12を部品の洗浄に用いる
ことで、浸漬工程で必要される洗浄時間を短縮してい
る。
【0020】また、すすぎ工程では、洗浄槽40からの
排水に伴って、洗浄液面に浮遊する塵埃が部品に付着し
たような再汚染現象がおきても、部品を再度洗浄するこ
とで清浄さを維持している。
【0021】固定ブローでは、エアーブローを洗浄液切
り管70による旋回流を用いて行っている。ここでは、
洗浄液切り管70をバブリング管60とは別個独立に設
けることにより、洗浄槽40に発生する旋回流を効率よ
く生成することができ、液切り時間を短縮することがで
きる。
【0022】次に、洗浄槽40における注水・排水作業
について説明する。まず、洗浄すべき部品を部品収納籠
48に収めて、上ふた46を開けて洗浄槽40内に配置
する。
【0023】そして、スタート信号と共に、排水バルブ
44を閉めて、ジェットノズル管50が正反転を所定周
期で繰り返しながら、洗浄槽40に洗浄液12を満た
す。フロートスイッチ(図示せず)により、洗浄槽40
内の洗浄液12液位が、所定位置に到達したことを検出
すると、浸漬洗浄が開始され、所定時間経過するのを待
つ。
【0024】すすぎ工程では、排水バルブ44を開け
て、洗浄槽40内の洗浄液12を空にする。別途設けら
れているフロートスイッチ(図示せず)により排水完了
が確認されると、ジェット洗浄、引き続いてエアーブー
ローが行われる。
【0025】この結果、洗浄槽40に被洗浄対象たる部
品を置いて、浸漬状態でジェットノズル管50とバブリ
ング管60とを併用することで、洗浄液の噴流と気泡の
キャビテーションによる汚れ剥離効果との相乗作用によ
り、被洗浄体30の表面に凹凸が多くても洗浄が綺麗に
行えるという効果がある。
【0026】また、洗浄液切り管70をバブリング管6
0とは別個独立に設けることにより、洗浄槽40に発生
する旋回流を効率よく生成することができ、液切り時間
を短縮することができるという効果もある。
【0027】なお、変形実施例として、洗浄液切り管7
0に、エアーブローに引き続いて熱風を流すことであ
る。熱風を許容する部品であれば、液切りの効果が増大
すると共に、部品の乾燥も早くなる。
【0028】なお、ここで液切りとは、部品の表面に洗
浄液が付着していない状態をいい、乾燥とは、液切りよ
りも更に乾燥の進んだ状態であって、部品の表面に洗浄
液が分子レベルでも付着しておらず、従ってベアリング
のように潤滑用オイルの乗りが良い状態をいう。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】図5従来例において
は、変形実施例として、洗浄液切り管70に、エアーブ
ローに引き続いて熱風を流すこと。熱風を許容する部品
であれば、液切りの効果が増大すると共に、部品の乾燥
も早くなる事が示されている。
【0030】しかしながら、図5従来例装置において、
エアーブローに引き続いて熱風を流すとしても、被洗浄
体30の表面が十分に乾燥するには、長い時間が掛り、
実用的ではない。
【0031】本発明は、上記の課題を解決するものであ
る。本発明の目的は、洗浄ドラムを回転させる事によ
り、高洗浄性能と高速乾燥機能とを両立して得る事が出
来る部品洗浄装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明では、 (1) 洗浄液を蓄える洗浄液槽と、被洗浄体が置かれる
洗浄槽を有する部品洗浄装置において、前記洗浄液槽か
ら洗浄液を汲み上げるポンプと、前記被洗浄体が収納さ
れ前記洗浄槽に垂直軸を中心に回転自由に設けられた洗
浄ドラムと、前記洗浄槽に固定設置されこの洗浄ドラム
を囲うジェットノズル管と、前記洗浄槽の底部に固定設
置され気泡を前記洗浄ドラムを通過して前記被洗浄体の
下側から吹きつけるバブリング管と、前記洗浄ドラムの
壁面に設けられ前記洗浄ドラムの回転により前記洗浄ド
ラム内に回転軸流効果による気流の流れを発生するフイ
ンとを有することを特徴とする部品洗浄装置。 (2)前記洗浄ドラム内に空気流を吹き付ける空気流吹
き付け手段を具備した事を特徴とする(1)記載の部品
洗浄装置。を構成したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく
説明する。図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、
図2は図1の要部詳細説明図、図3は図1の動作説明図、
図4は図1の効果説明図である。図において、図5と同
一記号の構成は同一機能を表す。以下、図5と相違部分
のみ説明する。
【0034】図において、洗浄ドラム71は、被洗浄体
30が収納され、洗浄槽40に垂直軸72を中心に回転
自由に設けられている。洗浄ドラム回転用モータ73
は、洗浄ドラム71の回転を駆動するものである。
【0035】フイン74は、図2に示す如く、洗浄ドラ
ム71の壁面に設けられ、洗浄ドラム71の回転によ
り、洗浄ドラム71内に、図3に示す如く、回転軸流効
果による気流Aの流れを発生する。
【0036】自動給水口81は、洗浄液槽10を所定水
位に保つための給水口である。油水分離器82は、被洗
浄体30を洗浄後の、洗浄液12の廃液から油を分離す
る。
【0037】以上の構成において、本発明装置は、以下
の工程を有する動作をなす。前洗浄工程では、ポンプ2
0から送られる洗浄液12をジェットノズル管50よ
り、低速回転している洗浄ドラム71を通過して、被洗
浄体30に吹きつけると共に、この吹きつけられた洗浄
液12を、洗浄槽40に溜める。
【0038】次に、浸漬洗浄工程では、被洗浄体30が
洗浄液12に浸漬された状態で、ポンプ20から送られ
る洗浄液12を、ジェットノズル管50より、低速回転
している洗浄ドラム71を通過して被洗浄体30に吹き
つけると共に、バブリング管60により気泡を、洗浄ド
ラム71を通過して、被洗浄体30に所定時間吹きつけ
る。
【0039】次に、すすぎ工程では、洗浄槽40に溜め
られた洗浄液12を排水すると共に、ポンプ20から送
られる洗浄液12を、ジェットノズル管50より洗浄液
12を、低速回転している洗浄ドラム71を通過して、
被洗浄体30に吹きつける。
【0040】以上の前洗浄工程、浸漬洗浄工程、すすぎ
工程では、この場合は、ジェットノズル管50より、被
洗浄体30に吹きつけられる洗浄液12の噴射圧は、被
洗浄体30の変形、きずの発生を避け、装置を廉価にす
るために、3〜10Kgf/cm2程度の低圧が使用され
ている。
【0041】また、洗浄ドラム71の回転数は、20r
pm程度の低速回転が使用されている。しかし、これら
の数値は限定的なものではない。
【0042】次に、液切り工程では、洗浄ドラム71を
高速回転させて、遠心力により洗浄液12を除去すると
共に、洗浄ドラム71の壁面に設けられたフイン74に
より、洗浄ドラム71内に、回転軸流効果による気流A
の流れを発生するようにする。この場合は、洗浄ドラム
71の回転数は、600rpm程度の高速回転が使用さ
れている。しかし、この数値も限定的なものではない。
【0043】以上の如く、被洗浄体30が収納され、洗
浄槽40に垂直軸72を中心に回転自由に設けられた洗
浄ドラム71と、洗浄ドラム71の壁面に設けられ、洗
浄ドラム71の回転により、洗浄ドラム71内に回転軸
流効果による気流Aの流れを発生するフイン74とが設
けられた。
【0044】そして、被洗浄体30の洗浄時には、洗浄
ドラム71を低速で回転させて、被洗浄体30を回転さ
せて隅々まで洗浄し、被洗浄体30の乾燥時には、高速
で回転させるようにして、十分に脱水出来るようにし
た。しかも、被洗浄体30の乾燥時には、洗浄ドラム7
1の壁面に設けられたフイン74による、回転軸流効果
による気流Aの流れを利用するようにした。
【0045】この結果、高い洗浄性能と、高速乾燥機能
とを、両立して得る事が出来る部品洗浄装置が得られ
る。
【0046】図4に、本発明の図1実施例と、図5従来
例との、乾燥効果の一実験例による比較を示す。図4に
おいて、縦軸は水分残存率(%)W、横軸は乾燥時間
(分)Tを示す。
【0047】図4において、グラフBは図1実施例によ
るいわゆる回転乾燥結果を示し、グラフCは100度℃
温風を使用した図5実施例、グラフDは80度℃温風を
使用した図5実施例、グラフEは60度℃温風を使用し
た図5実施例の乾燥結果を示す。図4から、図1実施例
と、図5従来例との間には明らかな差違がある事が分か
る。
【0048】また、前記液切り工程において、洗浄ドラ
ム71内に空気流を吹き付ける空気流吹き付け手段が設
けられれば、コストは高くなるが、更に、被洗浄体30
の乾燥が確実に得る事が出来る部品洗浄装置が得られ
る。
【0049】なお、以上の説明は、本発明の説明および
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、被洗浄体が収納され、洗浄槽に垂直軸を中心
に回転自由に設けられた洗浄ドラムと、洗浄ドラムの壁
面に設けられ、洗浄ドラムの回転により、洗浄ドラム内
に回転軸流効果による気流の流れを発生するフインとが
設けられた。
【0051】そして、被洗浄体の洗浄時には、洗浄ドラ
ムを低速で回転させて、被洗浄体を回転させて隅々まで
洗浄し、被洗浄体の乾燥時には、高速で回転させるよう
にして、十分に脱水出来るようにした。しかも、被洗浄
体の乾燥時には、洗浄ドラムの壁面に設けられたフイン
による、回転軸流効果による気流の流れを利用するよう
にした。
【0052】この結果、高い洗浄性能と、高速乾燥機能
とを、両立して得る事が出来る部品洗浄装置が得られ
る。
【0053】本発明の請求項2によれば、液切り工程に
おいて、洗浄ドラム内に空気流を吹き付ける空気流吹き
付け手段が設けられたので、コストは高くなるが、更
に、被洗浄体の乾燥が確実に得る事が出来る部品洗浄装
置が得られる。
【0054】従って、本発明によれば、洗浄ドラムを回
転させる事により、高洗浄性能と高速乾燥機能とを両立
して得る事が出来る部品洗浄装置を実現することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の要部詳細説明図である。
【図3】図1の動作説明図である。
【図4】図1の効果説明図である。
【図5】従来より一般に使用されている従来例の要部構
成説明図である。
【図6】ジェットノズル管50の詳細を説明する構成斜
視図である。
【図7】バブリング管60の詳細を説明する構成斜視図
である。
【図8】洗浄液切り管70の詳細を説明する構成斜視図
である。
【図9】図5の装置の工程と機能について説明したもの
である。
【符号の説明】
10 洗浄液槽 12 洗浄液 14 ヒーター 20 ポンプ 30 被洗浄体 40 洗浄槽 46 上ぶた 48 部品収納籠 50 ジェットノズル管 55 横部ノズル 56 底部ノズル 60 バブリング管 71 洗浄ドラム 72 検出ヘッド 73 洗浄ドラム回転用モータ 74 フイン 81 自動給水口 82 油水分離器 A 気流の流れ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗浄液を蓄える洗浄液槽と、被洗浄体が置
    かれる洗浄槽を有する部品洗浄装置において、 前記洗浄液槽から洗浄液を汲み上げるポンプと、 前記被洗浄体が収納され前記洗浄槽に垂直軸を中心に回
    転自由に設けられた洗浄ドラムと、 前記洗浄槽に固定設置されこの洗浄ドラムを囲うジェッ
    トノズル管と、 前記洗浄槽の底部に固定設置され気泡を前記洗浄ドラム
    を通過して前記被洗浄体の下側から吹きつけるバブリン
    グ管と、 前記洗浄ドラムの壁面に設けられ前記洗浄ドラムの回転
    により前記洗浄ドラム内に回転軸流効果による気流の流
    れを発生するフインと を有することを特徴とする部品洗浄装置。
  2. 【請求項2】前記洗浄ドラム内に空気流を吹き付ける空
    気流吹き付け手段 を具備した事を特徴とする請求項1記載の部品洗浄装
    置。
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