JP2004295062A - 電子写真感光体用基体の洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

電子写真感光体用基体の洗浄方法及び洗浄装置 Download PDF

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Sakae Suzuki
栄 鈴木
Yoshihiro Yamaguchi
芳広 山口
Tateshi Mayahara
立志 馬屋原
Kenji Hosokawa
賢二 細川
Takeshi Egawa
豪 江川
Akihiro Iiyama
明宏 飯山
Kifuku Takagi
基福 高木
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Abstract

【課題】電子写真感光体基体表面の油脂を少ないエネルギーで除去すること、そして基体に傷をつけずに洗浄を行なう方法並びに装置を提供することであり、また、洗浄に使用する洗浄水を、アルカリ性の物質を溶解して作製する場合は、該アルカリ性の物質の計量、溶解操作が必要になり、これは操作に注意が必要であるが、このような計量溶解操作は作業面での問題があるので、このような操作なく洗浄水を作ること。
【解決手段】少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、(A)脱脂洗浄工程で使用する洗浄液が20〜90℃のアルカリイオン水であることを特徴とする電子写真感光体用基体の洗浄方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体用基体に感光層を形成する前に該基体を洗浄する方法並び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体用円筒基体の製造方法としては、しごき加工あるいは冷間引抜き加工などにより得た基体表面に直接感光層を形成する方法や、しごき加工あるいは冷間引抜き加工などにより得た基体の表面を旋削加工した後に感光層を形成する方法が一般的である。
しかし、前記記載のしごき加工あるいは冷間引抜き加工などにより得た基体には、塑性加工時に使用した高粘度油が付着している。
また、旋削加工をした後に感光層を形成した基体には、旋削時に使用した切削油が付着している。
【0003】
電子写真感光体用基体は、導電性基体の外周面に感光性物質を含有する塗布液を塗布して、基体外周面に感光層を形成することにより製造される。
感光層を形成する際、基体に油成分、異物等が付着していると、該塗布液中に基体が浸漬されることにより、塗布液が汚染され、塗布液が劣化して所定の性質を有する感光層を形成することができなくなる。
このため、感光性物質を含有する塗布液が基体外周面に塗布される前に、その基体を洗浄する必要がある。
近年、オゾン層破壊や地球温暖化、大気汚染等の環境問題、及び、人体にも悪影響を及ぼすことから有機溶剤以外の液体ハロゲン化炭化水素系溶剤の削減、全廃の方向に移行している。
【0004】
水に界面活性剤を加えて更に超音波にて洗浄を行なうものとして特許文献1が開示されているが、界面活性剤を大量に入れないと効果は少なく、その界面活性剤の除去に時間を取られる。
また、ブラシを用いるものとして特許文献2が開示されているがブラシを使用することで基体へ傷が付くおそれがある。
【0005】
更に、有機溶剤以外の液体として、アルカリ水溶液を用いたものとして特許文献3が開示されているが、強アルカリを扱わねばならないこと、即ちアルカリ水溶液の調整において強アルカリ物質を入れる点ならびにその除去が容易には出来ないという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−118663号公報(第2頁第1欄第1行目〜第12行目特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平9−6031号公報(第1頁左下欄第6行目〜末行目
[構成])
【特許文献3】
特開2000−225381号公報(第1頁左下欄第8行目〜末行目[解決手段])
【特許文献4】
高橋 裕他監修、「水の百科事典(平成9年)」第95頁、丸善株式会社刊行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、電子写真感光体基体表面の油脂を少ないエネルギーで除去すること、そして基体に傷をつけずに洗浄を行なう方法並びに装置を提供することにある。
また、洗浄に使用する洗浄水を、アルカリ性の物質を溶解して作製する場合は、該アルカリ性の物質の計量、溶解操作が必要になり、これは操作に注意が必要であるが、このような計量溶解操作は作業面での問題があるので、このような操作なく洗浄水を作ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、(A)脱脂洗浄工程で使用する洗浄液が20〜90℃のアルカリイオン水であることを特徴とする電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(2)「前記(A)脱脂洗浄工程で洗浄効果を向上させる外力を印加することを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(3)「前記外力が、超音波、ブラシを単独あるいは組み合わせたものであることを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(4)「前記アルカリイオン水に浸漬させている際に基体を揺動させることを特徴とする前記第(2)項又は第(3)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(5)「(B)濯ぎ工程で φ5以上φ100mm以下の気泡を基体に対して吹き付けて濯ぐことを特徴とする前記第(2)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(6)「気泡を発生させるためのエアー流量が10L/min以上80L/min以下であることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(7)「(C)乾燥工程で60℃以上95℃以下の温純水を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」、
(8)「温純水比抵抗が1MΩ・cm以下であることを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
(9)「(C)乾燥工程において、加熱した純水中に基体を浸漬させ、素管が純水温度まで加熱された後に、引上げ速度3〜20mm/秒で基体を引き上げることを特徴とする前記第(7)項または第(8)項に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法」により達成される。
【0009】
また、上記課題は、本発明の(10)「洗浄槽、素管を支持するための素管保持具、素管支持具に支持された素管を上下させるためのリフトを具備する前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載の洗浄方法を用いるための電子写真感光体用基体の洗浄装置」により達成される。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
電子写真感光体基体としての基体の加工過程で用いられる各種潤滑油は、切削刃や加工用ダイで強く圧接しても、潤滑性が損なわれない程度、即ち、加工される基体材料表面の油膜が除かれない程度に、加工される基体材料に強固に付着しているが、本発明により、基体の損傷を伴わずにこのように強固に付着した潤滑油を除去することが、アルカリイオン水の温度調整や外力を加えることにより可能となった。
本発明において、このように強固に付着した潤滑油が、本発明において、アルカリイオン水により洗浄、除去されることは、予想外のことであった。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について説明する。本発明のそれぞれの工程は、図に示すように以下の工程からなる。
(A)洗浄工程
あらかじめアルカリイオン水を入れた洗浄槽に基体を入れる。
ヒーターによりアルカリイオン水が暖められ、基体に付着した油分などに作用する。油分は分離機により分離される。
(B)洗浄剤除去工程
濯ぎ工程では、純水が槽内に送られ基体に付着しているアルカリイオン水を除去する。
(C)乾燥工程
基体が乾燥される。
【0012】
以下、それぞれの工程を詳細に説明する。
(A)洗浄工程
本発明の特徴は、この脱脂洗浄工程の洗浄媒体として20〜90℃、好ましくは30℃〜80℃、更に好ましくは40℃〜60℃の温度になっているアルカリイオン水を使用することである。あまり低温では効果が低く、逆に高温ではアルカリイオン水としての効能を失うこととなる。適度な温度とすることで、電子写真感光体の基体に付着した油分の除去の効果が得られる。アルカリイオン水は別名還元水や超アルカリイオン水として知られている。そして、アルカリイオン水は、特許文献4で知られている。
これは、隔膜を挟んで、陽極と陰極を設けた水槽中に、低濃度の電解質を溶解し、この低濃度の電解質を溶解した水の電気分解を行ない、陰極室側に生成するアルカリ性を示す水である。ここで、電解質は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属の塩や、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム等の有機酸の塩が使用される。
このアルカリイオン水のpHは7より大きく、そのpHは電解質の量と、電気分解時に通じた電気量によって決まる。本発明ではpH8からpH11のアルカリイオン水が適しているが、これは電気分解時にpHをモニタしながらpH8からpH11になったときの陰極側の水を使用しても良く、あるいは、pHが13以上になるまで電気分解を行ない、このアルカリイオン水を中性の水で希釈してpH8からpH11の範囲に調整しても良い。
本発明では、このアルカリイオン水により、油分等の有機系異物を効果的に除去できるが、アルミ粉や、砂塵等の無機系の異物も除去可能である。pH10よりも小さいアルカリイオン水では洗浄能力が乏しく、pH13を超えるアルカリイオン水を使用するためには、設備的に大掛かりな設備が必要となる。
【0013】
アルカリイオン水は前記記載のように円筒基体表面に付着した油分や異物等を剥離させる効果があり、軽度の有機物付着の場合は、該アルカリイオン水に浸漬することで除去可能であるが、接触洗浄等の物理的力を加えることでより、洗浄効果が発揮される。アルカリイオン水の温度を上げることや、アルカリイオン水中に基体を浸漬させた状態で超音波照射する方法や、気体を吹き込んでアルカリイオン水をバブリングさせる方法、ブラシやスポンジ等により基体を摺刷する方法が有効である。また、アルカリイオン水中に基体を浸漬させた状態で超音波発信子やバブリング、ブラシやスポンジ等により外力を印加しているときに基体を上下方向に揺動させることにより洗浄能力は向上する。
【0014】
洗浄に用いる超音波の条件を具体的に記載する。
超音波の強度としては、40KHz以下の低周波超音波では、電子写真感光体用基体を切削加工した際に発生した微細な起上がり状の凸状欠陥、及び該円筒基体を塑性加工にて加工した際に発生した表面のササクレやアルミカスの付着等により長さ方向に沿って発生した微細な欠陥を起き上がらせてしまうことがあるために、アルミ基体は100KHz以上好ましくは100〜150KHzの高周波超音波発振器にて洗浄することにより、アルミ基体表面に起き上がり状の欠陥を発生させることなく洗浄を行なうことができる。
電子写真感光体用基体の材料がアルミニウムである場合は、各種組成のアルミニウムが使用可能であり、例えばA1000系のアルミニウム合金や、A3000のアルミニウム合金、A6000系のアルミニウム合金に適用可能であるが、それ以外のアルミニウム合金にも問題なく使用できる。
ここで、洗浄対象のアルミニウム合金がA1000系合金である場合は、他の合金を超音波洗浄する場合と比べ、超音波照射強度を2割程度下げることが好ましい。
【0015】
また、本発明の洗浄方法は、電鋳法によって作製したニッケルシームレスベルトの洗浄にも適用可能であり、その場合は超音波の力を弱めることで対応する。シームレス材料の場合も同等に、100KHz以上好ましくは100〜150の高周波超音波発振器にて洗浄することが望ましい。
【0016】
基体の揺動条件は超音波照射の洗浄ムラを回避するために、行なうものであり上下に、50mm以上揺動させるのが良い。
超音波発信素子は、前記電解水が入った洗浄槽に、少なくとも2個の超音波発振子を水平対向に設置すること 垂直に対し角度を付けて対向に設置すること、そして、取り付け角度を3度から15度の範囲で設置することでより効果は高い。
【0017】
以下に、ブラシの場合の条件を記載する。
基体に接触させるブラシのパイル径としては、φ1mmを超えるようなパイル径では、その強度から基体表面に傷などの欠陥を発生させる原因となる。また、ブラシのパイル長さも、3mm以下のパイル長さのブラシではその強度から基体表面に傷などの欠陥を発生させる原因となる。しかし、逆にブラシのパイル長さが長すぎると、異物を除去する能力が低い。ブラシのパイル密度が10本/cm以上が好ましい。
ブラシの材質にナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、アクリル、ポリエステル、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂及びこれらの合繊、獣毛等を使用することが好ましい。
ブラシの回転数については、使用するブラシの径により周速の違いにより異なるが、回転速度が低すぎると異物を除去させる能力が低い。ブラシと基体の回転方向は、同一方向に回転させると良い。ブラシと基体を同一回転方向とすることにより、ブラシと基体が接触する位置では、ブラシと基体は反対方向の進行方向となり周速が早くなり、洗浄効果が得られる。ブラシと該基体の接触面の周速が5m/分以上であることが好ましい。
また、ブラシを基体に接触させて洗浄を行なう際に、基体若しくはブラシを軸方向に揺動させると、洗浄ムラを防止することができる。さらに、超音波とブラシを組み合わせることで更に洗浄効果が高まる。
【0018】
洗浄対象の汚れが著しい場合は、本アルカリイオン水洗浄の前に公知の界面活性剤等を用いた洗浄方法で著しい汚れを除去しておくことも有効である。このように公知の界面活性剤等を用いた洗浄と、本アルカリイオン水洗浄を組み合わせることにより、公知の界面活性剤等を用いた洗浄単独で行なう場合より、界面活性剤の使用等を削減できる。
【0019】
(B)洗浄溶剤除去工程
次に、第2洗浄槽の濯ぎ工程について説明する。ここでは、第1洗浄槽の脱脂洗浄工程にて付着した残存するアルカリイオン水を除去するために行なう、濯ぎ工程に使用する媒体は、水若しくは純水が適している。
濯ぎ方法としては、超音波発信子による超音波濯ぎや気泡によるバブリング濯ぎが適しているが、設備投資金額を考慮するとバブリング濯ぎが有利である。
バブリングするときの気泡の大きさはφ5以上φ100mm以下の気泡が混在したほうが良く、φ5mm未満及びφ100mmを超えると濯ぎ能力が劣る。気泡の大きさの調整方法は、エアーの流量による。平均気孔径は100μm以下が良く、好ましくは30μm以上60μm以下がより好ましい。このとき、エアー圧力が0.1MPaを超えると、発泡した気泡(11)が合わさり10mm以上の気泡(11)となるため、供給する。
また、気泡を発生させるエアーの流量は10L/min以上80L/min、好ましくは20L/min以上60L/min、更に好ましくは40L/min以上50L/minである。10L/min未満では気泡発生量が少なく、80L/minを超えると、濯ぎ槽中のエアー量が多くなってしまい、濯ぎ能力が低下する。
エアー圧力は0.1MPa以下が好ましく、3mm以上5mm以下の気泡を発泡させるためには0.03MPa以上0.07MPa以下が好ましい。
【0020】
気泡を発生させるエアー用ノズルは感光体基体1つに対して二個以上が好ましい。
エアー用ノズルは、円形または平板状のセラミック焼結多孔質体あるいはプラスチック焼結多孔質体で形成されていることが好ましい。セラミック焼結多孔質体及びプラスチック焼結多孔質体の場合には、均一な大きさの気泡が得られる。
これらエアー用ノズル(10)のバブリングの気泡は基体(5)の表面及び内面に沿って水系洗浄剤及び異物を取り除きながら上昇する。気泡(11)は10mm以下の場合にすすぎ効果が高いが、好ましくは3mm以上5mm以下の均一な気泡(11)がより好ましい。
使用するエアーは、純水に塵、埃、油分等を混入させないようクリーン度クラス100以下が良く、好ましくはクリーン度クラス10以下がより好ましい。
エアー用ノズル(10)の平均気孔径は、100μmを超えると3mm以上5mm以下の均一な気泡(11)が発泡できないため、円形のセラミック焼結多孔質体及びプラスチック焼結多孔質体のエアー用ノズル(10)の場合、直径φ50mmを超えると、中心部では気泡(11)が大量に発泡するが、外径部では気泡(11)が発泡が少なく、ノズル内で均一な気泡が発生しない。気泡(11)の発泡を均一にするためφ50mm以下が良く、好ましくはφ25mm以上φ35mm以下がより好ましい。平板状のセラミック焼結多孔質体及びプラスチック焼結多孔質体のエアー用ノズル(10)の場合も同様であり、50mm角以下が良く、好ましくは25mm角以上35mm角以下がより好ましい。
エアー用ノズル(10)は、対応する基体(5)の最大のものに合わせ多数個配置することにより、品種交換時にエアー用ノズルを交換することなく、対応する全品種の基体(5)の表面および内面に均一に気泡(11)が接触することが可能となる。
【0021】
リフター(7)及びリフター(7)に設置された基体保持具は、下部からの気泡(11)が基体(5)表面及び内面への接触の邪魔とならないよう、開口を設けた形状とする。基体(5)は周囲の純水が撹拌され、すすぎ効果が高まるようリフター(7)により上下方向に揺動する。
【0022】
(C)乾燥工程
次に、第3洗浄槽の温純水乾燥工程にて説明する。
温純水乾燥では、加熱した純水中に基体を浸漬させ、基体が純水温度まで加熱された後に、基体を一定速度で引き上げる。これにより、基体の外周面に付着している純水が蒸発して、水切りされる。
純水温度は乾燥速度や基体表面状態の変化を考慮すると60℃以上95℃以下、好ましくは70℃以上80℃以下、更に好ましくは75℃±3℃に設定すると良い。70℃未満の場合、基体表面に乾燥シミができることが確認されている。
また、比抵抗が1MΩ・cmより大きな温純水に基体を浸漬させた場合、基体表面に水酸化被膜ができやすくなる。これは、感光層を形成した際の電気的特性に影響を与えてしまうため、好ましくない。
また、温純水中からの基体の引き上げ速度は3〜20mm/秒が好ましい。20mm/秒を超える場合、基体に付着する水が多く、乾燥しにくくなる。
【0023】
本発明に示す洗浄方法は、前記アルミニウム合金製以外の基体の洗浄にも適用可能であり、例えば、電鋳法で作成したニッケルベルトの洗浄にも適用可能であり、残存するスルファミン酸ニッケル等を除去できる。また、合成高分子製基体の洗浄にも有効に活用でき、離型剤の除去を有効に行なえる。
また、洗浄対象の大きさにも特に制限はなく、洗浄槽に入り、保持できる寸法であれば良い。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を説明するために実施例、比較例を挙げて本発明の効果について説明をするが、これらは、本発明の一態様にすぎず、これらに本発明の技術範囲は限定されない。
(実施例1)
抽伸加工によって外径100.7mm、内径97.5mm、長さ360mmのA3100アルミニウム合金製管を作製した。そして、多結晶ダイヤモンドバイトを使用して旋盤によって切削加工を行ない、外径を100mmとした(以下、これを基体と呼ぶ)。
このとき、切削油としては、灯油を使用し、切削部位にスプレー状に吹き付けながら切削した。従って、基体表面には微量ではあるが、灯油が付着している。
図2に示す洗浄装置を使用し、洗浄水としてpH10.8のアルカリイオン水を使用して5回の接触洗浄を行なった。
「洗浄装置条件」
洗浄工程:アルカリイオン水温度 50℃
濯ぎ工程:気泡なし
乾燥工程:温純水 温度 70℃
比抵抗 0.6MΩ・cm
引き上げ速度 10mm/秒
そして、水道水で2回洗浄後、純水で3回すすぎ洗いを行ない、乾燥させた。
下記組成の材料をボールミルで12時間分散し、下引き層用塗布液を作製した。
【0025】
下引き層塗工液組成
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、
大日本インキ化学工業社製) 10部
メチルエチルケトン 150部
酸化チタン粉末(タイペークCR−EL、石原産業社製) 90部
そして、上記で洗浄した基体に浸漬塗工を行ない、140℃20分間乾燥して、厚さ4.5μmの下引き層を形成した。
このようにして基体上に作製した下引き層の状態を目視で観察したが、塗工欠陥や塗工ムラは認められなかった。
次に、下記組成の材料をボールミルに入れ、48時間分散し、さらにメチルエチルケトン210部を加えて3時間分散を行なった。
ポリビニルプチラール樹脂
(エスレックBL−S、積水化学工業社製) 4部
メチルエチルケトン 150部
構造式(1)で示される電荷発生材料 10部
【0026】
【化1】
Figure 2004295062
【0027】
上記材料をボールミル分散後、容器に取り出し固形分が1.5%となるようにメチルエチルケトンで希釈した。さらに、親水性シリコーンオイルとして粘度120csのポリエーテル変性シリコーンオイル(SH−3746、東レ・ダウコーニング社製)を、液全体の重量に対して0.002%添加し、電荷発生層塗布液を作製した。
先に下引き層を形成した基体にこの電荷発生層塗工液を浸漬塗工で塗工し、130℃20分間乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。作製した電荷発生層の塗膜の状態を目視で観察したが、塗工欠陥や塗工ムラは認められなかった。
次に、粘度平均分子量4万のZ型ポリカーボネート樹脂10部を塩化メチレン85部に溶解し、これに下記構造式(2)で示される電荷輸送物質9部を加え、溶解して、電荷輸送層塗工液を作製した。
【0028】
【化2】
Figure 2004295062
【0029】
電荷発生層を形成した基体に、この電荷発生層塗布液を浸漬塗工した後、130℃20分間乾燥し、厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。作製した電荷輸送層の塗膜の状態を目視で観察したが、塗工欠陥や塗工ムラは認められなかった。
【0030】
(画像評価)
この電子写真感光体の両端にフランジを取り付け、リコー製複写機 Imagio MF−6550に取り付け、ハーフトーン画像を出力し、画像の評価を行なったが、ムラ等の異常画像は認めれず、良好な画像を得ることができた。
【0031】
(実施例2)
実施例1の洗浄工程においてパイル径φ0.1、パイル長20mm、パイル密度30本/cmのブラシにて基体を擦る以外は、実施例1と同様に洗浄を行なった。
その後、実施例1と同様に感光層を設け、画像を出力し画像の評価を行なったが、ムラ等の異常画像は認めれず、良好な画像を得ることができた。
実施例1と比べると同じ洗浄時間でも汚れ落ちが早かった。
【0032】
(実施例3)
実施例1の洗浄工程において100KHZの超音波を照射する以外は、実施例1と同様に洗浄を行なった。
その後、実施例1と同様に感光層を設け、画像を出力し画像の評価を行なったが、ムラ等の異常画像は認めれず、良好な画像を得ることができた。
実施例1と比べると同じ洗浄時間でも汚れ落ちが早かった。
【0033】
(実施例4)
実施例1の濯ぎ工程において気泡径120mm、エアー流量50L/minの気泡を照射する以外は、実施例1と同様に洗浄を行なった。
その後、実施例1と同様に感光層を設け、画像を出力し画像の評価を行なったが、ムラ等の異常画像は認めれず、良好な画像を得ることができた。
実施例1と比べると同じ濯ぎ時間でも濯ぎ落ちが早かった。
【0034】
(比較例)
実施例1と同様にして切削加工により外径100mm、内径97.5mm、長さ360mmのA3100アルミニウム合金製管を作製した。このとき、切削油としては、実施例1と同様に灯油を使用し、切削部位にスプレー状に吹き付けながら切削した。従って、基体表面には微量ではあるが、灯油が付着しており、この程度は実施例1と同じである。
次に、洗浄水にライオン製サンウォッシュFM−950をpHが10.8になるように希釈した洗浄水を用いた以外は実施例1と同様にして洗浄し、乾燥を行なった。
次に、実施例1と同様にして下引き層の塗工を行ない、140℃20分間乾燥して、厚さ4.5μmの下引き層を形成した。
このようにして基体上に作製した下引き層の状態を目視で観察したが、点状のハジキが数箇所認められた。
次に、実施例1と同様にして電荷発生層塗工液を浸漬塗工で塗工し、130℃20分間乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。作製した電荷発生層の塗膜の状態を目視で観察したところ、下引き層のハジキ部には電荷発生層の付着は薄いように見えた。
次に、実施例1と同様にして、電荷発生層塗布液を浸漬塗工した後、130℃20分間乾燥し、厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。作製した電荷輸送層の塗膜の状態を目視で観察したが、ハジキ状塗工欠陥が認められた。
最後に、この電子写真感光体の両端にフランジを取り付け、リコー製複写機 Imagio MF−6550に取り付け、ハーフトーン画像を出力し、画像の評価を行なったが、感光体のハジキ部に対応した点欠陥異常画像が認められた。
【0035】
アルカリイオン水単独でも基体について油脂を落とすことは可能であり、超音波、ブラシにより効率的に油脂を落とすことが可能となる。
そして、洗浄、乾燥工程を最適化することでより効率的に油脂洗浄後の基体の処理ができる。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明によれば、電子写真感光体基体表面の油脂を少ないエネルギーで除去すること、そして基体に傷をつけずに洗浄できるという極めて優れた効果を相するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する洗浄装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 電解水超音波洗浄槽
3 純水バブリングすすぎ槽
4 温純水乾燥槽
5 基体
8 超音波発振子
10 エアー用ノズル
11 気泡

Claims (10)

  1. 少なくとも基体の(A)脱脂洗浄工程と、(B)濯ぎ工程、(C)乾燥工程、からなる電子写真感光体用基体の洗浄方法であって、(A)脱脂洗浄工程で使用する洗浄液が20〜90℃のアルカリイオン水であることを特徴とする電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  2. 前記(A)脱脂洗浄工程で洗浄効果を向上させる外力を印加することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  3. 前記外力が、超音波、ブラシを単独あるいは組み合わせたものであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  4. 前記アルカリイオン水に浸漬させている際に基体を揺動させることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  5. (B)濯ぎ工程で φ5以上φ100mm以下の気泡を基体に対して吹き付けて濯ぐことを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  6. 気泡を発生させるためのエアー流量が10L/min以上80L/min以下であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  7. (C)乾燥工程で60℃以上95℃以下の温純水を用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  8. 温純水比抵抗が1MΩ・cm以下であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  9. (C)乾燥工程において、加熱した純水中に基体を浸漬させ、素管が純水温度まで加熱された後に、引上げ速度3〜20mm/秒で基体を引き上げることを特徴とする請求項7または8に記載の電子写真感光体用基体の洗浄方法。
  10. 洗浄槽、素管を支持するための素管保持具、素管支持具に支持された素管を上下させるためのリフトを具備する請求項1乃至9の何れかに記載の洗浄方法を用いるための電子写真感光体用基体の洗浄装置。
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