JP2005000835A - 円筒状基材の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、例えば電子写真感光体等の基材として用いられる円筒状基材の洗浄方法に関し、洗浄効果をさらに向上させる。
【解決手段】洗浄槽2内に洗浄液供給口5から洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、円筒状基材4を、洗浄槽2内の、円筒状基材4の貫通孔が気泡供給口6の上部に配置される位置に浸漬しその気泡供給口6から円筒状基材4の実質的に貫通孔内側のみに気泡を供給させながら洗浄する工程と、洗浄槽2から洗浄後の円筒状基材4を引き上げる工程と、洗浄槽4から洗浄後の円筒状基材4を引き上げた後の洗浄槽2内に気泡を供給する工程とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】洗浄槽2内に洗浄液供給口5から洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、円筒状基材4を、洗浄槽2内の、円筒状基材4の貫通孔が気泡供給口6の上部に配置される位置に浸漬しその気泡供給口6から円筒状基材4の実質的に貫通孔内側のみに気泡を供給させながら洗浄する工程と、洗浄槽2から洗浄後の円筒状基材4を引き上げる工程と、洗浄槽4から洗浄後の円筒状基材4を引き上げた後の洗浄槽2内に気泡を供給する工程とを有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真感光体等の基材として用いられる円筒状基材の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒状基材には、切削加工時に付着した残渣及び塑性加工時に付着する高粘度系の潤滑剤が残物として基材表面に残留している。また、空気中の粉塵、輸送時のハンドリングにて指紋の付着がある。さらにはレーザプリンタ用の電子写真用感光体の基材を製造する場合、レーザ光が基材に反射して起こる干渉縞を防止するために行う球状アルミナ砥粒等を用いた液体ホーニング処理等により研磨剤が付着する時がある。
【0003】
そのような基材の洗浄方法として、溶剤、アルカリ、酸、準水系洗浄剤、水系洗浄剤を用いて洗浄する方法が一般的に知られている。近年オゾン層の破壊や地球温暖化、水質汚染等の環境問題、人体への影響を考慮し、塩素系溶媒の全廃の方向に傾いており、水系洗浄剤等を用いて洗浄する方向に移行してきている。
【0004】
上述の基材に付着した汚れを除去する方法として、超音波洗浄、高圧シャワーによる洗浄、ブラシ等の摺擦洗浄部材での洗浄、バブリングによる洗浄などが報告されており、採用されている。
【0005】
円筒状基材を洗浄する方法の一つであるバブリングは円筒状基材の洗浄方法として多く採用されている。その一つとして、特許文献1には、エアーブローによりバブルを発生させて濯ぎ液で処理する洗浄方法が提案されている。また、特許文献2ではバブルを効率的に基材に接触させる方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−216254号公報
【特許文献2】
特開2002−351097号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1、2の場合、エアーフローあるいはバブルにより洗浄効果を上げているものの円筒状基材の中空の貫通孔内壁については、洗浄効果に乏しいという問題がある。例えば電子写真感光体に用いられる円筒状基材の場合、洗浄後に、その円筒状基材の外表面に感光層等の層が積層されるが、円筒状基材の貫通孔内壁に異物等が付着したままになっていると、後工程でその異物が外表面に回わり込み、その異物の上に感光層等が積層されて欠陥品となるおそれがある。
【0008】
また、バブル等により円筒状基材から離れた異物等は、その比重にもよるが、洗浄液中に浮遊したままの状態となる異物もあり、円筒状基材を洗浄液から引き上げる際にその洗浄液中の異物が円筒状基材に再び付着してしまうことがある。しかしながら、上述の特許文献1、2では、この点についての十分な解決は提案されていない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、洗浄効果をさらに向上させた円筒状基材の洗浄方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の円筒状基材の洗浄方法のうちの第1の洗浄方法は、上面に開口を有するとともに下面に気泡を発生させる気泡供給口を有し、さらに槽内に洗浄液を供給する洗浄液供給口を有する洗浄槽に、中央に貫通孔を有する円筒状基材を、その貫通孔を上下に向けた姿勢で浸漬させて洗浄する円筒状基材の洗浄方法において、
洗浄槽内に洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、
洗浄槽内に円筒状基材を浸漬して洗浄する工程と、
洗浄槽から洗浄後の円筒状基材を引き上げる工程と、
洗浄槽から洗浄後の円筒状基材を引き上げた後の洗浄槽内に気泡を供給する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
上記第1の洗浄方法は、円筒状基材を引き上げ、円筒状基材が浸漬されていない状態の洗浄液中に気泡を供給する工程を有するものであり、こうすることにより洗浄液中に浮遊する異物等は気泡に押されて上昇し、洗浄液の水面に集まる。この水面に集まった異物等はオーバフロー、エアーブロー、シャワーリングなどにより除去することができる。したがって洗浄液を異物等の混入の少ない状態に保つことができ、円筒状基材の洗浄効果を一層高めることができる。
【0012】
また、上記目的を達成する本発明の円筒状基材の洗浄方法のうちの第2の洗浄方法は、上面に開口を有するとともに下面に気泡を発生させる気泡供給口を有し、さらに槽内に洗浄液を供給する洗浄液供給口を有する洗浄槽に、中央に貫通孔を有する円筒状基材を、その貫通孔を上下に向けた姿勢で浸漬させて洗浄する円筒状基材の洗浄方法において、
洗浄槽内に洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、
円筒状基材を、洗浄槽内の、その円筒状基材の貫通孔が気泡供給口上部に配置される位置に浸漬しその気泡供給口から円筒状基材の実質的に貫通孔内側のみに気泡を供給させながら洗浄する工程と、
洗浄槽から洗浄後の円筒状基材を引き上げる工程とを有することを特徴とする。
【0013】
上記第2の洗浄方法は、実質的に貫通孔内側のみに気泡を供給するものである。円筒状基材の外壁は洗浄液の流れ等により比較的容易に洗浄することができるのに対し貫通孔内壁は、例えばその円筒状基材を洗浄槽内に固定する固定具等により邪魔されて洗浄液の流れが不十分になりがちであることなどの理由で、洗浄効果が低下しがちである。そこで、円筒状基材外壁のみ、あるいは外壁と内壁との双方に気泡を供給するよりも、限られた資源(気泡)を内壁に集中させることにより、円筒状基材の洗浄効果を一層向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明の一実施形態としての洗浄方法に用いる洗浄装置の、円筒状基材浸漬前の状態を示す、それぞれ、正面からみた模式断面図および平面図、図3および図4は、図1、図2にも示す洗浄装置の、円筒状基材浸漬後の状態を示す、それぞれ、正面から見た模式断面図および平面図である。
【0016】
さらに、図5は、本発明の円筒状基材の洗浄方法の一実施形態を示すフローチャートである。この図5に示すフローチャートには、本発明の第1の洗浄方法と第2の洗浄方法との双方を含む実施形態が示されている。
【0017】
ここでは、円筒状基材4(図3参照)の洗浄方法の説明に先立ち、まず円筒状基材4自体について説明する。円筒状基材4の素材としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。但し、円筒状基材4の素材はこれらの素材に限定されるものではない。
【0018】
次に、円筒状基材4の洗浄方法について説明する。
【0019】
まず円筒状基材4に対して、通常、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、鏡面切削等の前処理を行う。あるいは円筒状基材4に対しては、干渉縞防止等の目的で非鏡面としたり、或は所望形状の凹凸を付与する粗面化処理を行う。このとき、円筒状基材4の外面のみならず内面にも、油分や金属の切粉が付着する。
【0020】
図1,図2に示す洗浄装置1の供給ポンプ12を作動させてリザーバタンク10に貯留された洗浄液を送り出し、異物除去用のフィルタ8を経由し、洗浄液供給ライン3を経て洗浄液供給口5から洗浄槽2内に洗浄液を供給し、洗浄槽2の上方の開口から洗浄液をオーバーフローさせる(図5ステップa)。
【0021】
そして、洗浄槽2からオーバーフローした洗浄液をオーバーフローパン14にて回収し、洗浄液回収配管15を経て洗浄液をリザーバタンク10へ戻す。こうして洗浄液を循環使用する。
【0022】
次に、図3に示すように、円筒状基材4を昇降台9上に載せる。円筒状基材4を昇降台9に載せた後は、昇降台9を昇降機構(図示せず)により下降させて、円筒状基材4を洗浄槽2の洗浄液に浸漬する。このとき、円筒状基材4の配置は、昇降台9を下降させたときに円筒状基材4がエアー供給口6の真上に配置されるようにする。さらには、本実施形態では、エアー配管7を通り、エアー供給口6から洗浄液内に供給されたエアーが円筒状基材内面に入り易いようにガイド11が設けられている。
【0023】
このとき、円筒状基材4の表面に付着したダスト、研磨材等の異物は円筒状基材を洗浄槽中に浸漬する際に殆ど剥離され、洗浄液中に浮遊する。この浮遊したダストや研磨材等の異物はノズル5より供給される洗浄液によって洗浄槽2の液面部に上昇し、系外除去される。しかし、円筒状基材4及び円筒状基材昇降台9によって、円筒状基材内面の洗浄液の置換効率は低く、洗浄液の洗浄槽上面への平均流速も低いため、円筒状基材内に浮遊したダストや研磨材等の異物は系外除去され難い。そこで、ここでは、エア供給ノズル6からバブリングを行うことにより円筒状基材内面に浮遊しているダストや研磨材等の異物の系外除去能力を向上させている(図5ステップb)。
【0024】
洗浄が終了すると円筒状基材4は洗浄槽2から引き上げられるが、基材を引き上げる際は、洗浄槽2液面での異物の円筒状基材4への再付着が促進されるため、エアーは用いない方が好ましい(図5ステップc)。
【0025】
次に、円筒状基材4が引き上げられた後の洗浄槽内の洗浄液にエアー供給口6からエアーを供給することにより洗浄液中に気泡を発生させる。その気泡は洗浄液中を上昇する間にダストや研磨材等の異物を一緒に上昇させる。この上昇した異物はオーバーフロー工程(図5ステップa)により洗浄槽外に排出される。このように、円筒状基材4が洗浄槽2中に無い時に、エアーをエアー配管7を通じてノズル6に供給すると、槽中のダスト、研磨材等の異物を効率よく系外除去し、リフレッシュした洗浄液で円筒状基材を洗浄できる。
【0026】
以上を繰り返しながら多数の円筒状基材が一回に4本ずつ洗浄される。
【0027】
ここで説明している実施形態は湿式ホーニング処理した円筒状基材4の洗浄に有効である。即ち湿式ホーニング処理した円筒状基材4には、湿式ホーニング処理時の円筒状基材4の把持方法にもよるが、通常、内面にも外面にも研磨材が付着している。このため、その円筒状基材4を洗浄液に浸漬して洗浄した場合に、内面に付着していた研磨材が基材外面に再付着するおそれがある。しかし、上記の実施形態に係る円筒状基材の洗浄方法によれば、内面に付着した異物が基材外面に再付着することを十分に防止することができるため、湿式ホーニング処理した円筒状基材の洗浄に有効である。
【0028】
尚、図5に示すフローチャートでは、洗浄工程(ステップb)の前にオーバーフロー工程(ステップa)が置かれているが、ステップb〜dにおいても洗浄液を常にオーバーフローさせながら循環させてもよい。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
アルミニウム素管(JIS A6063)からなる円筒状基材を、ダイヤモンドバイトを用いて鏡面切削加工することにより、厚さ0.75mm×外径30mm×長さ340mmの形状にした。その後、その表面を粗面化処理し、Raが0.03〜0.04μmの平滑面に仕上げた。
【0030】
次に、円筒状基材の脱脂洗浄を行った。脱脂洗浄は2つの洗浄槽で順次行った。各洗浄槽には、底部より、界面活性剤をイオン交換水に溶解させた洗浄液を洗浄液供給口から供給し、上部の開口からオーバーフローさせた。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(ライオン(株)製LH−600F)を用い、洗浄液中の界面活性剤の濃度は、1つ目の洗浄槽では10〜20重量%とし、2つ目の洗浄槽では1〜2重量%とした。また、洗浄液のイオン交換水としては、電気伝導度が0.1μS/cm以下のものを使用した。更に円筒状基材には、超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0031】
こうして円筒状基材の脱脂洗浄を行った後、円筒状基材の濯ぎ洗浄を行った。濯ぎ洗浄は、洗浄液としてイオン交換水のみを用いた以外は脱脂洗浄と同様にして行った。
【0032】
濯ぎ洗浄を行った後は、円筒状基材を、35℃に保持した温純水中に50秒間浸漬した後、300mm/minの速さで引き上げた。このときも、円筒状基材には、超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0033】
こうして得られた円筒状基材に対し湿式ホーニング装置によってその表面の粗面化処理を行った。粗面化処理においては、研磨材5.7kgを水51Lに懸濁させた懸濁液を、10L/min(10×10−3m3/min)の流量でガンに送り込み、0.1〜0.2MPaの空気圧で円筒状基材に吹き付け、表面粗さRaが0.1〜0.3μmになるようにした。研磨材としては、粒径30μmの酸化アルミニウム(昭和タイタニウム社製アルナビーズ(CB−A30S))を用いた。
【0034】
こうして粗面化処理した円筒状基材に対して以下のようにして洗浄処理を行った。即ち先ず粗面化処理した円筒状基材に対し、粗面化直後に25L/minで60秒間井戸水を吹きかけた後、0.2%界面活性剤を2L/min(2×10−3m3/min)で吹きかけながら、ブラシでスクラブ処理を行った。ブラシとしては、棒状の軸部材と、軸部材に放射状に取り付けられる多数のナイロン製ブラシとから構成されるものを用いた。ブラシの線径は65μm、ブラシ部分の外径は130mm、ブラシの長さは30mmとし、軸部材が円筒状基材の回転軸と平行になるように且つブラシの先端が円筒状基材の表面に接触するように配置した。スクラブ処理は、円筒状基材及びブラシの回転方向を同じ方向とし、回転速度を100rpmにして60秒間行った。
【0035】
次に、図1〜図4に示す洗浄槽を4槽用いて順次精密洗浄を行った。洗浄槽としては、図1〜図4に示すように、底部に洗浄液供給口を1個、エアー供給口を4個有するものを用いた。4個のエアー供給口を、洗浄槽底部に形成し、その直ぐ上方には、円筒状のガイド部材を設けた。
【0036】
そして、上記のようにして洗浄処理した円筒状基材を4本用意し、これら円筒状基材を格子網からなる昇降台にセットした。そして、昇降台を下降させ、洗浄液をオーバーフローさせている洗浄槽に4本の円筒状基材を浸漬した。そして、4本の円筒状基材のそれぞれを、4個のエアー供給口のそれぞれの真上にガイド部材11を介して配置した。この状態で気泡を吐出圧力0.1MPa、流量45NL/min(常温常圧で45×10−3m3/min)としバブリングさせ発生した気泡をガイド部材11で円筒状基材4の貫通孔内部に導いた。バブリングは円筒状基材が槽中に無い時も行った。
【0037】
その後、乾燥室で135度の熱風乾燥(風速0.5m/s)を1.5分行った。その後、調温室に円筒状基材を搬送し、23度にて風冷却(風速0.5m/s)を300秒行った。
【0038】
次に、有機ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)100部、シランカップリング剤(商品名:A1100、日本ユニカー(株)製)10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−S、積水化学(株)製)10部及びn−ブチルアルコール130部を混合して得られた塗布液で円筒状基材を浸漬塗布し、140℃で15分間加熱して、厚さ1.0μmの下引き層を形成した。
【0039】
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学(株)製)の2%シクロヘキサノン溶液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、顔料と樹脂との比が2:1となるように混合し、次いでサンドミルにより3時間分散処理を行った。得られた分散液をさらに酢酸n−ブチルで希釈して下引き層上に浸漬塗布し、厚さ0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0040】
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)ベンジジン4部及びポリカーボネートZ樹脂6部をモノクロロベンゼン36部に溶解させた溶液を電荷発生層上に浸漬塗布し、115℃で40分間乾燥して、厚さ24μmの電荷輸送層を形成した。こうして電子写真感光体を得た。
(実施例2)
基材が洗浄槽中に無い時にバブリングを行なわない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
(実施例3)
基材が洗浄槽中に浸漬している時にその基材の内壁面に向けてバブリングを行なわない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
(比較例)
洗浄液供給口を底部に1個有し、エアー供給口のない、従来技術からなる洗浄槽を4つ用意し、これらの洗浄槽で順次精密洗浄をった以外は実施例と同様にして電子写真感光体を得た。
(欠陥発生率の評価)
実施例、比較例により得られた電子写真感光体各々1000本について、CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置を用いて感光体表面の欠陥数を測定し、欠陥発生率を算出した。その結果、欠陥発生率は、実施例の場合は5%以下となり、比較例の場合は5%以上となった。さらに電子写真感光体用の円筒状基材を比較例において長期間洗浄を続けた時、比較例の槽の底部の端部に研磨剤が確認された。一方、実施例においては同数の円筒状基材の洗浄を行なっても槽の底部に研磨剤は確認されなかった。これより、実施例の方が、欠陥発生率が十分に低減されることが分かった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の円筒状基材の洗浄方法によれば、従来よりも一層効果の高い洗浄を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての洗浄方法に用いる洗浄装置の、円筒状基材浸漬前の状態を示す、正面からみた模式断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての洗浄方法に用いる洗浄装置の、円筒状基材浸漬前の状態を示す、平面図である。
【図3】図1、図2にも示す洗浄装置の、円筒状基材浸漬後の状態を示す、正面から見た模式断面図である。
【図4】図1、図2にも示す洗浄装置の、円筒状基材浸漬後の状態を示す、平面図である。
【図5】本発明の円筒状基材の洗浄方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 洗浄装置
2 洗浄槽
3 洗浄液供給ライン
4 円筒状基材
5 洗浄液供給口
6 エアー供給口
7 エアー配管
8 フィルタ
9 昇降台
10 リザーバタンク
11 ガイド
12 供給ポンプ
14 オーバーフローパン
15 洗浄液回収配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真感光体等の基材として用いられる円筒状基材の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒状基材には、切削加工時に付着した残渣及び塑性加工時に付着する高粘度系の潤滑剤が残物として基材表面に残留している。また、空気中の粉塵、輸送時のハンドリングにて指紋の付着がある。さらにはレーザプリンタ用の電子写真用感光体の基材を製造する場合、レーザ光が基材に反射して起こる干渉縞を防止するために行う球状アルミナ砥粒等を用いた液体ホーニング処理等により研磨剤が付着する時がある。
【0003】
そのような基材の洗浄方法として、溶剤、アルカリ、酸、準水系洗浄剤、水系洗浄剤を用いて洗浄する方法が一般的に知られている。近年オゾン層の破壊や地球温暖化、水質汚染等の環境問題、人体への影響を考慮し、塩素系溶媒の全廃の方向に傾いており、水系洗浄剤等を用いて洗浄する方向に移行してきている。
【0004】
上述の基材に付着した汚れを除去する方法として、超音波洗浄、高圧シャワーによる洗浄、ブラシ等の摺擦洗浄部材での洗浄、バブリングによる洗浄などが報告されており、採用されている。
【0005】
円筒状基材を洗浄する方法の一つであるバブリングは円筒状基材の洗浄方法として多く採用されている。その一つとして、特許文献1には、エアーブローによりバブルを発生させて濯ぎ液で処理する洗浄方法が提案されている。また、特許文献2ではバブルを効率的に基材に接触させる方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−216254号公報
【特許文献2】
特開2002−351097号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1、2の場合、エアーフローあるいはバブルにより洗浄効果を上げているものの円筒状基材の中空の貫通孔内壁については、洗浄効果に乏しいという問題がある。例えば電子写真感光体に用いられる円筒状基材の場合、洗浄後に、その円筒状基材の外表面に感光層等の層が積層されるが、円筒状基材の貫通孔内壁に異物等が付着したままになっていると、後工程でその異物が外表面に回わり込み、その異物の上に感光層等が積層されて欠陥品となるおそれがある。
【0008】
また、バブル等により円筒状基材から離れた異物等は、その比重にもよるが、洗浄液中に浮遊したままの状態となる異物もあり、円筒状基材を洗浄液から引き上げる際にその洗浄液中の異物が円筒状基材に再び付着してしまうことがある。しかしながら、上述の特許文献1、2では、この点についての十分な解決は提案されていない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、洗浄効果をさらに向上させた円筒状基材の洗浄方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の円筒状基材の洗浄方法のうちの第1の洗浄方法は、上面に開口を有するとともに下面に気泡を発生させる気泡供給口を有し、さらに槽内に洗浄液を供給する洗浄液供給口を有する洗浄槽に、中央に貫通孔を有する円筒状基材を、その貫通孔を上下に向けた姿勢で浸漬させて洗浄する円筒状基材の洗浄方法において、
洗浄槽内に洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、
洗浄槽内に円筒状基材を浸漬して洗浄する工程と、
洗浄槽から洗浄後の円筒状基材を引き上げる工程と、
洗浄槽から洗浄後の円筒状基材を引き上げた後の洗浄槽内に気泡を供給する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
上記第1の洗浄方法は、円筒状基材を引き上げ、円筒状基材が浸漬されていない状態の洗浄液中に気泡を供給する工程を有するものであり、こうすることにより洗浄液中に浮遊する異物等は気泡に押されて上昇し、洗浄液の水面に集まる。この水面に集まった異物等はオーバフロー、エアーブロー、シャワーリングなどにより除去することができる。したがって洗浄液を異物等の混入の少ない状態に保つことができ、円筒状基材の洗浄効果を一層高めることができる。
【0012】
また、上記目的を達成する本発明の円筒状基材の洗浄方法のうちの第2の洗浄方法は、上面に開口を有するとともに下面に気泡を発生させる気泡供給口を有し、さらに槽内に洗浄液を供給する洗浄液供給口を有する洗浄槽に、中央に貫通孔を有する円筒状基材を、その貫通孔を上下に向けた姿勢で浸漬させて洗浄する円筒状基材の洗浄方法において、
洗浄槽内に洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、
円筒状基材を、洗浄槽内の、その円筒状基材の貫通孔が気泡供給口上部に配置される位置に浸漬しその気泡供給口から円筒状基材の実質的に貫通孔内側のみに気泡を供給させながら洗浄する工程と、
洗浄槽から洗浄後の円筒状基材を引き上げる工程とを有することを特徴とする。
【0013】
上記第2の洗浄方法は、実質的に貫通孔内側のみに気泡を供給するものである。円筒状基材の外壁は洗浄液の流れ等により比較的容易に洗浄することができるのに対し貫通孔内壁は、例えばその円筒状基材を洗浄槽内に固定する固定具等により邪魔されて洗浄液の流れが不十分になりがちであることなどの理由で、洗浄効果が低下しがちである。そこで、円筒状基材外壁のみ、あるいは外壁と内壁との双方に気泡を供給するよりも、限られた資源(気泡)を内壁に集中させることにより、円筒状基材の洗浄効果を一層向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明の一実施形態としての洗浄方法に用いる洗浄装置の、円筒状基材浸漬前の状態を示す、それぞれ、正面からみた模式断面図および平面図、図3および図4は、図1、図2にも示す洗浄装置の、円筒状基材浸漬後の状態を示す、それぞれ、正面から見た模式断面図および平面図である。
【0016】
さらに、図5は、本発明の円筒状基材の洗浄方法の一実施形態を示すフローチャートである。この図5に示すフローチャートには、本発明の第1の洗浄方法と第2の洗浄方法との双方を含む実施形態が示されている。
【0017】
ここでは、円筒状基材4(図3参照)の洗浄方法の説明に先立ち、まず円筒状基材4自体について説明する。円筒状基材4の素材としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。但し、円筒状基材4の素材はこれらの素材に限定されるものではない。
【0018】
次に、円筒状基材4の洗浄方法について説明する。
【0019】
まず円筒状基材4に対して、通常、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、鏡面切削等の前処理を行う。あるいは円筒状基材4に対しては、干渉縞防止等の目的で非鏡面としたり、或は所望形状の凹凸を付与する粗面化処理を行う。このとき、円筒状基材4の外面のみならず内面にも、油分や金属の切粉が付着する。
【0020】
図1,図2に示す洗浄装置1の供給ポンプ12を作動させてリザーバタンク10に貯留された洗浄液を送り出し、異物除去用のフィルタ8を経由し、洗浄液供給ライン3を経て洗浄液供給口5から洗浄槽2内に洗浄液を供給し、洗浄槽2の上方の開口から洗浄液をオーバーフローさせる(図5ステップa)。
【0021】
そして、洗浄槽2からオーバーフローした洗浄液をオーバーフローパン14にて回収し、洗浄液回収配管15を経て洗浄液をリザーバタンク10へ戻す。こうして洗浄液を循環使用する。
【0022】
次に、図3に示すように、円筒状基材4を昇降台9上に載せる。円筒状基材4を昇降台9に載せた後は、昇降台9を昇降機構(図示せず)により下降させて、円筒状基材4を洗浄槽2の洗浄液に浸漬する。このとき、円筒状基材4の配置は、昇降台9を下降させたときに円筒状基材4がエアー供給口6の真上に配置されるようにする。さらには、本実施形態では、エアー配管7を通り、エアー供給口6から洗浄液内に供給されたエアーが円筒状基材内面に入り易いようにガイド11が設けられている。
【0023】
このとき、円筒状基材4の表面に付着したダスト、研磨材等の異物は円筒状基材を洗浄槽中に浸漬する際に殆ど剥離され、洗浄液中に浮遊する。この浮遊したダストや研磨材等の異物はノズル5より供給される洗浄液によって洗浄槽2の液面部に上昇し、系外除去される。しかし、円筒状基材4及び円筒状基材昇降台9によって、円筒状基材内面の洗浄液の置換効率は低く、洗浄液の洗浄槽上面への平均流速も低いため、円筒状基材内に浮遊したダストや研磨材等の異物は系外除去され難い。そこで、ここでは、エア供給ノズル6からバブリングを行うことにより円筒状基材内面に浮遊しているダストや研磨材等の異物の系外除去能力を向上させている(図5ステップb)。
【0024】
洗浄が終了すると円筒状基材4は洗浄槽2から引き上げられるが、基材を引き上げる際は、洗浄槽2液面での異物の円筒状基材4への再付着が促進されるため、エアーは用いない方が好ましい(図5ステップc)。
【0025】
次に、円筒状基材4が引き上げられた後の洗浄槽内の洗浄液にエアー供給口6からエアーを供給することにより洗浄液中に気泡を発生させる。その気泡は洗浄液中を上昇する間にダストや研磨材等の異物を一緒に上昇させる。この上昇した異物はオーバーフロー工程(図5ステップa)により洗浄槽外に排出される。このように、円筒状基材4が洗浄槽2中に無い時に、エアーをエアー配管7を通じてノズル6に供給すると、槽中のダスト、研磨材等の異物を効率よく系外除去し、リフレッシュした洗浄液で円筒状基材を洗浄できる。
【0026】
以上を繰り返しながら多数の円筒状基材が一回に4本ずつ洗浄される。
【0027】
ここで説明している実施形態は湿式ホーニング処理した円筒状基材4の洗浄に有効である。即ち湿式ホーニング処理した円筒状基材4には、湿式ホーニング処理時の円筒状基材4の把持方法にもよるが、通常、内面にも外面にも研磨材が付着している。このため、その円筒状基材4を洗浄液に浸漬して洗浄した場合に、内面に付着していた研磨材が基材外面に再付着するおそれがある。しかし、上記の実施形態に係る円筒状基材の洗浄方法によれば、内面に付着した異物が基材外面に再付着することを十分に防止することができるため、湿式ホーニング処理した円筒状基材の洗浄に有効である。
【0028】
尚、図5に示すフローチャートでは、洗浄工程(ステップb)の前にオーバーフロー工程(ステップa)が置かれているが、ステップb〜dにおいても洗浄液を常にオーバーフローさせながら循環させてもよい。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
アルミニウム素管(JIS A6063)からなる円筒状基材を、ダイヤモンドバイトを用いて鏡面切削加工することにより、厚さ0.75mm×外径30mm×長さ340mmの形状にした。その後、その表面を粗面化処理し、Raが0.03〜0.04μmの平滑面に仕上げた。
【0030】
次に、円筒状基材の脱脂洗浄を行った。脱脂洗浄は2つの洗浄槽で順次行った。各洗浄槽には、底部より、界面活性剤をイオン交換水に溶解させた洗浄液を洗浄液供給口から供給し、上部の開口からオーバーフローさせた。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(ライオン(株)製LH−600F)を用い、洗浄液中の界面活性剤の濃度は、1つ目の洗浄槽では10〜20重量%とし、2つ目の洗浄槽では1〜2重量%とした。また、洗浄液のイオン交換水としては、電気伝導度が0.1μS/cm以下のものを使用した。更に円筒状基材には、超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0031】
こうして円筒状基材の脱脂洗浄を行った後、円筒状基材の濯ぎ洗浄を行った。濯ぎ洗浄は、洗浄液としてイオン交換水のみを用いた以外は脱脂洗浄と同様にして行った。
【0032】
濯ぎ洗浄を行った後は、円筒状基材を、35℃に保持した温純水中に50秒間浸漬した後、300mm/minの速さで引き上げた。このときも、円筒状基材には、超音波発振機により洗浄液を介して超音波を印加した。
【0033】
こうして得られた円筒状基材に対し湿式ホーニング装置によってその表面の粗面化処理を行った。粗面化処理においては、研磨材5.7kgを水51Lに懸濁させた懸濁液を、10L/min(10×10−3m3/min)の流量でガンに送り込み、0.1〜0.2MPaの空気圧で円筒状基材に吹き付け、表面粗さRaが0.1〜0.3μmになるようにした。研磨材としては、粒径30μmの酸化アルミニウム(昭和タイタニウム社製アルナビーズ(CB−A30S))を用いた。
【0034】
こうして粗面化処理した円筒状基材に対して以下のようにして洗浄処理を行った。即ち先ず粗面化処理した円筒状基材に対し、粗面化直後に25L/minで60秒間井戸水を吹きかけた後、0.2%界面活性剤を2L/min(2×10−3m3/min)で吹きかけながら、ブラシでスクラブ処理を行った。ブラシとしては、棒状の軸部材と、軸部材に放射状に取り付けられる多数のナイロン製ブラシとから構成されるものを用いた。ブラシの線径は65μm、ブラシ部分の外径は130mm、ブラシの長さは30mmとし、軸部材が円筒状基材の回転軸と平行になるように且つブラシの先端が円筒状基材の表面に接触するように配置した。スクラブ処理は、円筒状基材及びブラシの回転方向を同じ方向とし、回転速度を100rpmにして60秒間行った。
【0035】
次に、図1〜図4に示す洗浄槽を4槽用いて順次精密洗浄を行った。洗浄槽としては、図1〜図4に示すように、底部に洗浄液供給口を1個、エアー供給口を4個有するものを用いた。4個のエアー供給口を、洗浄槽底部に形成し、その直ぐ上方には、円筒状のガイド部材を設けた。
【0036】
そして、上記のようにして洗浄処理した円筒状基材を4本用意し、これら円筒状基材を格子網からなる昇降台にセットした。そして、昇降台を下降させ、洗浄液をオーバーフローさせている洗浄槽に4本の円筒状基材を浸漬した。そして、4本の円筒状基材のそれぞれを、4個のエアー供給口のそれぞれの真上にガイド部材11を介して配置した。この状態で気泡を吐出圧力0.1MPa、流量45NL/min(常温常圧で45×10−3m3/min)としバブリングさせ発生した気泡をガイド部材11で円筒状基材4の貫通孔内部に導いた。バブリングは円筒状基材が槽中に無い時も行った。
【0037】
その後、乾燥室で135度の熱風乾燥(風速0.5m/s)を1.5分行った。その後、調温室に円筒状基材を搬送し、23度にて風冷却(風速0.5m/s)を300秒行った。
【0038】
次に、有機ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、松本製薬(株)製)100部、シランカップリング剤(商品名:A1100、日本ユニカー(株)製)10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−S、積水化学(株)製)10部及びn−ブチルアルコール130部を混合して得られた塗布液で円筒状基材を浸漬塗布し、140℃で15分間加熱して、厚さ1.0μmの下引き層を形成した。
【0039】
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学(株)製)の2%シクロヘキサノン溶液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、顔料と樹脂との比が2:1となるように混合し、次いでサンドミルにより3時間分散処理を行った。得られた分散液をさらに酢酸n−ブチルで希釈して下引き層上に浸漬塗布し、厚さ0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0040】
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(m−トリル)ベンジジン4部及びポリカーボネートZ樹脂6部をモノクロロベンゼン36部に溶解させた溶液を電荷発生層上に浸漬塗布し、115℃で40分間乾燥して、厚さ24μmの電荷輸送層を形成した。こうして電子写真感光体を得た。
(実施例2)
基材が洗浄槽中に無い時にバブリングを行なわない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
(実施例3)
基材が洗浄槽中に浸漬している時にその基材の内壁面に向けてバブリングを行なわない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
(比較例)
洗浄液供給口を底部に1個有し、エアー供給口のない、従来技術からなる洗浄槽を4つ用意し、これらの洗浄槽で順次精密洗浄をった以外は実施例と同様にして電子写真感光体を得た。
(欠陥発生率の評価)
実施例、比較例により得られた電子写真感光体各々1000本について、CCDカメラと顕微鏡とからなる表面欠陥評価装置を用いて感光体表面の欠陥数を測定し、欠陥発生率を算出した。その結果、欠陥発生率は、実施例の場合は5%以下となり、比較例の場合は5%以上となった。さらに電子写真感光体用の円筒状基材を比較例において長期間洗浄を続けた時、比較例の槽の底部の端部に研磨剤が確認された。一方、実施例においては同数の円筒状基材の洗浄を行なっても槽の底部に研磨剤は確認されなかった。これより、実施例の方が、欠陥発生率が十分に低減されることが分かった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の円筒状基材の洗浄方法によれば、従来よりも一層効果の高い洗浄を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての洗浄方法に用いる洗浄装置の、円筒状基材浸漬前の状態を示す、正面からみた模式断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての洗浄方法に用いる洗浄装置の、円筒状基材浸漬前の状態を示す、平面図である。
【図3】図1、図2にも示す洗浄装置の、円筒状基材浸漬後の状態を示す、正面から見た模式断面図である。
【図4】図1、図2にも示す洗浄装置の、円筒状基材浸漬後の状態を示す、平面図である。
【図5】本発明の円筒状基材の洗浄方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 洗浄装置
2 洗浄槽
3 洗浄液供給ライン
4 円筒状基材
5 洗浄液供給口
6 エアー供給口
7 エアー配管
8 フィルタ
9 昇降台
10 リザーバタンク
11 ガイド
12 供給ポンプ
14 オーバーフローパン
15 洗浄液回収配管
Claims (2)
- 上面に開口を有するとともに下面に気泡を発生させる気泡供給口を有し、さらに槽内に洗浄液を供給する洗浄液供給口を有する洗浄槽に、中央に貫通孔を有する円筒状基材を、該貫通孔を上下に向けた姿勢で浸漬させて洗浄する円筒状基材の洗浄方法において、
前記洗浄槽内に洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、
前記洗浄槽内に前記円筒状基材を浸漬して洗浄する工程と、
前記洗浄槽から洗浄後の前記円筒状基材を引き上げる工程と、
前記洗浄槽から洗浄後の前記円筒状基材を引き上げた後の該洗浄槽内に気泡を供給する工程とを有することを特徴とする円筒状基材の洗浄方法。 - 上面に開口を有するとともに下面に気泡を発生させる気泡供給口を有し、さらに槽内に洗浄液を供給する洗浄液供給口を有する洗浄槽に、中央に貫通孔を有する円筒状基材を、該貫通孔を上下に向けた姿勢で浸漬させて洗浄する円筒状基材の洗浄方法において、
前記洗浄槽内に洗浄液を供給してオーバフローさせる工程と、
前記円筒状基材を、前記洗浄槽内の、該円筒状基材の貫通孔が前記気泡供給口上部に配置される位置に浸漬し、該気泡供給口から該円筒状基材の実質的に該貫通孔内側のみに気泡を供給させながら洗浄する工程と、
前記洗浄槽から洗浄後の前記円筒状基材を引き上げる工程とを有することを特徴とする円筒状基材の洗浄方法。
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JP2006267443A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 導電性基体の処理方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
-
2003
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JP4552715B2 (ja) * | 2005-03-23 | 2010-09-29 | 富士ゼロックス株式会社 | 導電性基体の洗浄処理方法 |
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