JP2018049060A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】直流電圧のみが印加される接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制すると共に、色点の発生も抑制する電子写真感光体を提供すること。【解決手段】表面における算術平均粗さRa1が0.3μm以上1.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm以下である導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置され、表面における算術平均粗さRa2が0.05μm以上0.8μm以下である感光層と、を有する電子写真感光体。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の工程を順次行う装置が広く知られている。
電子写真感光体としては、アルミニウム等の導電性を有する支持体上に、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。
電子写真感光体の導電性支持体の製造方法として、例えば、押出し加工後、引抜き加工を施し、さらに作製された円筒管の外周面を切削して、厚み、表面粗さ等を調整する方法が知られている。
また、電子写真感光体の導電性支持体の製造方法として、厚みの薄い金属製の容器等を低コストで量産する方法として、雌型(凹状型)に配置した金属塊(スラグ)に対し、雄型(パンチ型)で衝撃(インパクト)を加えて筒状体に成形するインパクトプレス加工が知られている。
例えば、特許文献1には、「粗面加工された導電性支持体と導電性支持体上に、少なくとも下引層を有する電子写真感光体において、該導電性支持体の粗面加工が、少なくとも引抜加工管(無切削管)または引き抜き加工後センタレス研削処理で行なわれ、かつ該下引層が少なくともブロックイソシアネート由来のポリウレタン材料を含有していることを特徴とする電子写真感光体」が開示されている。
特開2006−337756号公報
本発明は、導電性支持体及び感光層を有する電子写真感光体において、表面における算術平均粗さRaが1.0μm超えである導電性支持体を備える場合、軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm超えである導電性支持体を備える場合、又は表面における算術平均粗さRaが0.8μm超えである感光層を備える場合に比べ、直流電圧のみが印加される接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥(例えば太さ2mm以下、長さ30mm以下の筋状欠陥)の発生を抑制すると共に、色点の発生も抑制する電子写真感光体を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
表面における算術平均粗さRaが0.3μm以上1.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm以下である導電性支持体と、
前記導電性支持体上に配置され、表面における算術平均粗さRaが0.05μm以上0.8μm以下である感光層と、
を有する電子写真感光体である。
請求項2に係る発明は、
前記導電性支持体の厚さが0.25mm以上1.0mm以下である、請求項1に記載の電子写真感光体である。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される接触帯電方式により帯電させる帯電手段と、を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される接触帯電方式により帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項1又は2に係る発明によれば、導電性支持体及び感光層を有する電子写真感光体において、表面における算術平均粗さRaが1.0μm超えである導電性支持体を備える場合、軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm超えである導電性支持体を備える場合、又は表面における算術平均粗さRaが0.8μm超えである感光層を備える場合に比べ、直流電圧のみが印加される接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制すると共に、色点の発生も抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3又は請求項4に係る発明によれば、導電性支持体及び感光層を有する電子写真感光体において、表面における算術平均粗さRaが1.0μm超えである導電性支持体を備える電子写真感光体を適用した場合、軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm超えである導電性支持体を備える電子写真感光体を適用した場合、又は表面における算術平均粗さRaが0.8μm超えである感光層を備える電子写真感光体を適用した場合に比べ、直流電圧のみが印加される接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制すると共に、色点の発生も抑制するプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。 本実施形態におけるブラスト装置を示す概略図である。 本実施形態における浸漬塗布装置の構造を示す概略断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 他の本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」とも称する)は、表面における算術平均粗さRaが0.3μm以上1.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm以下である導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置され、表面における算術平均粗さRaが0.05μm以上0.8μm以下である感光層と、を有する。
本実施形態に係る感光体は、上記構成を有することで、直流電圧のみが印加される接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥(例えば太さ2mm以下、長さ30mm以下の筋状欠陥)の発生が抑制される。さらに色点(例えば黒点)の発生も抑制される。
ここで、帯電装置(帯電手段の一例)は、感光体に直接接触して帯電させる接触帯電方式の帯電装置と、感光体とは接触せずに感光体近傍でコロナ放電などにより帯電させる非接触帯電方式の帯電装置との2種類の帯電装置に大別される。
非接触帯電方式の帯電装置では、放電によって副次的に、オゾンや窒素酸化物などの物質が生成されることがあるため、接触帯電方式を用いることが望ましい。
接触帯電方式の中でも直流電圧のみを印加する帯電方式(以下、「DC接触帯電方式」とも称する)と、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電方式(以下、「AC/DC接触帯電方式」とも称する)の2種類がある。AC/DC接触帯電方式の場合、その比較的強い帯電電界のために感光体へ与える負荷が大きく、感光体の感光層を摩耗させてしまう傾向がある。このため、長期使用の点においては、DC接触帯電方式の方が有利であることが知られている。また、DC接触帯電方式の方がより消費電力が小さくすむため、維持費の観点からは、電子写真方式の画像形成装置にはDC接触帯電方式を用いることが望ましい。
しかし、DC接触帯電方式で感光体を帯電させた場合、画像に意図しない微小の筋状欠陥が生じることがある。また、画像に色点が発生することもある。
DC接触帯電方式による帯電では、例えば導電性支持体の凸部に局所的に電界が集中することがある。これにより、帯電ムラが生じることがある。一方、感光層に膜厚ムラがある場合も帯電ムラが生じることがある。これは、例えば感光層中に膜厚が過度に浅い領域が存在する場合に、感光体の帯電時にその領域に電界が印加されやすくなる(つまり電界が集中しやすくなる)ことに起因するものと考えられる。
微小の筋状欠陥は、導電性支持体への局所的な電界集中、又は、感光層の膜厚が過度に浅い領域への電界集中に起因する帯電ムラによって発生すると考えられる。さらに、上述の電界集中は、電荷の漏れ(以下、「電荷リーク」とも称する)を引き起こすことがある。これにより、色点が発生しやすくなる。
なお、通常DC接触帯電方式による帯電は、AC/DC接触帯電方式に比べて、帯電均一性が確保されにくいため、上記帯電ムラはより生じやすい傾向にあると考えられる。
そこで、本実施形態に係る感光体では、表面における算術平均粗さRa及び軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが上記範囲の導電性支持体と、表面における算術平均粗さRaが上記範囲の感光層と、を組み合わせて採用する。これにより、直流電圧のみが印加される接触帯電方式(DC接触帯電方式)の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生が抑制される。また、色点の発生も抑制される。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
導電性支持体の算術平均粗さRa(以下、単に「算術平均粗さRa」とも称する)が上記範囲であるとは、導電性支持体の凹凸の度合いが比較的小さいことを意味する。
導電性支持体の平均長さRSm(以下、単に「平均長さRSm」とも称する)が上記範囲であるとは、導電性支持体の軸方向において、表面に比較的短い周期で凹凸構造が形成されていることを意味する。
感光層の算術平均粗さRa(以下、単に「算術平均粗さRa」とも称する)が上記範囲であるとは、感光層表面の凹凸の度合いが比較的小さいことを意味する。
算術平均粗さRa及び平均長さRSmが上記範囲をともに満たす導電性支持体の表面には、比較的小さいうねりが周期的に形成されていると考えられる。これにより、例えば導電性支持体の凸部に電界が集中することがあっても、かかる電界集中は、表面の上記うねり(比較的小さいうねり)に沿って、導電性支持体にわたって均一に近い状態で生じると考えられ全体として緩和されると考えられる。これにより、導電性支持体に電界が集中したときに生じる帯電ムラの発生が抑制される。
また、算術平均粗さRa及び算術平均粗さRaが上記範囲を満たすことで、導電性支持体及び感光層の表面形状がともになだらかになるため、感光層の膜厚ムラが小さくなる。つまり、感光層中に膜厚が過度に浅い領域が存在しにくくなり、感光層表面(つまり感光体表面)と導電性支持体表面との距離が均一に近い状態になる。これにより、感光層の膜厚が過度に浅い領域への電界集中が抑制され、感光層の帯電分布が良好になり、結果、帯電ムラの発生が抑制される。
したがって、本実施形態の感光体によれば、導電性支持体への局所的な電界集中、及び、感光層の膜厚が過度に浅い領域への電界集中に起因する帯電ムラの発生が抑制されるため、微小の筋状欠陥の発生が抑制されることとなる。
さらに、上述の電界集中が抑制されるため、電荷リークの発生が抑制される。これにより、色点の発生も抑制される。
以上のことから、本実施形態の感光体によれば、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥(例えば太さ2mm以下、長さ30mm以下の筋状欠陥)の発生が抑制され、さらに色点(例えば黒点)の発生も抑制される。
以下、導電性支持体の算術平均粗さRa及び平均長さRSm、並びに、感光層の算術平均粗さRaについて、より詳細に説明する。
−算術平均粗さRa
本実施形態における導電性支持体の算術平均粗さRaは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の高さの絶対値の平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。
算術平均粗さRaは、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制する観点、及び、色点の発生を抑制する観点から、0.3μm以上1.0μm以下であり、好ましくは0.3μm以上0.75μm以下、より好ましくは0.3μm以上0.6μm以下である。なお、下限値は、感光体の干渉縞を抑制する観点から0.3μmであることが好ましい。
導電性支持体を備える感光体がレーザプリンターに使用される場合、レーザの発振波長としては350nm以上850nm以下のものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。この場合においても、導電性支持体の表面は、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制するために、導電性支持体の表面を算術平均粗さRaで0.3μm以上1.0μm以下に粗面化することが好ましい。算術平均粗さRaが0.3μm以上であると、干渉防止効果が得られやすくなる。他方、算術平均粗さRaが1.0μm以下であれば、導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成する際に、得られる画質が粗くなる傾向が効果的に抑制される。
−軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSm−
本実施形態における導電性支持体の軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線要素の長さの平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。
平均長さRSmは、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制する観点、及び、色点の発生を抑制する観点から、400μm以下であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下である。
−算術平均粗さRa及び軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmの測定−
算術平均粗さRa及び軸方向における平均長さRSmの測定は以下のように行う。
導電性支持体の軸方向において、一方の側から10mm位置から50mm位置までの40mmの領域と、他方の側から10mm位置から50mm位置までの40mmの領域との計80mmの領域を軸方向に走査して表面形状(粗さ曲線)を測定する。
測定条件としては、JIS B0601(2013)に準拠し、評価長さLn=4.0mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。なお、軸方向における走査は周方向に10°毎、計36回行う。
算術平均粗さRaは、上記走査により得た36の粗さ曲線から「粗さ曲線の高さの絶対値の平均」を求めることで算出される。
軸方向における平均長さRSmは、上記走査により得た36の粗さ曲線から「粗さ曲線要素の長さの平均」を求めることで算出される。
算術平均粗さRa及び平均長さRSmを上記範囲に制御する方法は特に限定されず、例えば円筒部材(粗面化前の導電性支持体)の表面を、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、ブラスト処理(例えばサンドブラスト)、湿式ホーニングなどによって粗面化(表面に凹凸を付与)する方法が挙げられる。粗面化する方法としては、算術平均粗さRa及び平均長さRSmを上記範囲に制御する観点から、ブラスト処理が好ましい。なお、これらの粗面化方法は2種以上適用してもよい。
円筒部材としては、例えば、引き抜き加工で製造された引抜加工管(素管、無切削管);引き抜き加工後に切削加工を施した切削管;インパクト加工で製造されたインパクトプレス管;が挙げられる。中でも、算術平均粗さRa及び平均長さRSmを上記範囲に制御する観点から、切削管が好ましい。
本実施形態の感光体は、導電性支持体上に配置される感光層を有する。なお、本実施形態の感光体において、感光層は最表面層であり、感光層の表面における算術平均粗さRaは、0.05μm以上0.8μm以下である。
−算術平均粗さRa
本実施形態における感光層の算術平均粗さRaは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の高さの絶対値の平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。
算術平均粗さRaは、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制する観点、及び、色点の発生を抑制する観点から、0.05μm以上0.8μm以下であり、好ましく0.05μm以上0.6μm以下である。なお、下限値は、実現性の観点から0.05μmの設定である。
−算術平均粗さRaの測定−
算術平均粗さRaの測定は以下のように行う。
測定対象となる感光層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、上記表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)を使用して測定する。測定条件としては、JIS B0601(2013)に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
算術平均粗さRaを上記範囲に制御する方法は特に限定されず、感光層を構成する各層(電荷発生層、電荷輸送層、表面層)の形成を浸漬塗布法によって行う場合であれば、各層の形成用塗布液を調製する際に、その塗布液の粘度(mPa・s)を調整する方法;各層の塗膜を形成する際に、その塗布液を保持する塗布槽中に導電性支持体を浸漬した後、この塗布槽から導電性支持体を引き上げる際の引き抜き速度(mm/min)を調整する方法;が挙げられる。詳細は後述する。なお、算術平均粗さRaは、導電性支持体の表面特性(算術平均粗さRa、平均長さRSm)によっても制御される。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態の電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。図2は本実施形態の電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aでは、導電性支持体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、及び電荷輸送層3が順次形成された構造を有するものである。図2に示す電子写真感光体7Bは、導電性支持体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷輸送層3、及び電荷発生層2が順次形成された構造を有するものである。
なお、図1及び図2に示す電子写真感光体は、感光層として、電荷発生層及び電荷輸送層を有する機能分離型の電子写真感光体の例を示している。
そして、上記図1及び図2に示す電子写真感光体7A及び7Bにおいて、導電性支持体4の算術平均粗さRa及び平均長さRSm、並びに、感光層(電荷発生層2及び電荷輸送層3)の算術平均粗さRaは前述の範囲である。
なお、下引層1は任意に設けられる層である。また、下引層1と感光層(電荷発生層2及び電荷輸送層3)との間に中間層を設けてもよい。
以下、代表例として図1に示す電子写真感光体7Aに基づいて、各要素について説明する。なお、以下、符号を省略して説明する。
(導電性支持体)
導電性支持体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム(金属円筒体)、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
本実施形態における導電性支持体としては、算術平均粗さRa及び平均長さRSmが上記範囲に制御できれば特に限定されないが、金属円筒体(例えば、無切削管、切削管、インパクトプレス管)が好適に用いられる。中でも、算術平均粗さRa及び平均長さRSmを上記範囲に制御する観点から、切削管が好ましい。
なお、金属円筒体がインパクトプレス管である場合、アルミニウムを主成分(主成分とは金属円筒体中のアルミニウムの含有量が50質量%を超えることを指す)とした金属円筒体であることが好ましい。
本実施形態の導電性支持体の厚さ(肉厚)は特に限定されないが、例えば導電性支持体(金属円筒体)が切削管の場合、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制する観点、及び、色点の発生を抑制する観点から、好ましくは0.25mm以上1.0mm以下であり、より好ましくは0.25mm以上0.75mm以下である。
また、導電性支持体がインパクトプレス管の場合、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制する観点、及び、色点の発生を抑制する観点から、好ましくは0.25mm以上0.8mm以下であり、より好ましくは0.4mm以上0.7mm以下である。
−導電性支持体の製造方法−
本実施形態における導電性支持体は、例えば円筒部材の表面を粗面化(表面に凹凸を付与)することで製造される。
円筒部材(例えば、無切削管、切削管、インパクトプレス管)は特に制限ざれず、公知の方法で製造されたものを用いることができる。なお、円筒部材は市販品でもよい。
・円筒部材表面の粗面化
本実施形態では、円筒部材の表面をブラスト処理により粗面化する方法について説明する。図3に、ブラスト装置を示す概略図を示す。本実施形態で用いるブラスト装置76は、サンドブラスト装置である。
図3に示すように、ブラスト装置76は、圧縮空気を供給する圧縮機(コンプレッサー)41と、研磨材(不図示)を収容する容器(タンク)42と、タンク42から供給管44を経て供給される研磨材及びコンプレッサー41から供給される圧縮空気を混合する混合部48と、この混合部48から研磨材を圧縮空気で噴射して円筒部材200に吹き付けるノズル46と、を備える。
ブラスト処理では、先ず、図3に示されるように、タンク42に貯蔵されている研磨材(不図示)が供給管44を経て混合部48に供給され、混合部48で研磨材とコンプレッサー41から供給される圧縮空気とが混合される。次に、混合部48からノズル46を経て研磨材が圧縮空気で噴射されて円筒部材200に吹き付けられる。これにより、円筒部材200の表面が粗面化される。なお、円筒部材200の表面を粗面化する際、円筒部材200は図示せぬ駆動源から駆動力が伝達されて回転する。
研磨材は特に限定されず、公知の研磨材を用いることができる。公知の研磨材としては、例えば金属(例えば、ステンレス、鉄、亜鉛)、セラミック(例えば、ジルコニア、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素)、樹脂(例えば、ポリアミド、ポリカーボネート)が挙げられる。
研磨材の大きさ、照射圧力及び照射時間は、円筒部材200の算術平均粗さRa及び平均長さRSmを特定の範囲に制御する観点から、以下の範囲であることがよい。なお、研磨材の照射圧力とは、研磨材が円筒部材200に吹き付けられるときの圧力を意味する。
研磨材の大きさは、例えば、好ましくは30μm以上300μm以下、より好ましくは60μm以上250μm以下である。
研磨材の照射圧力は、例えば、好ましくは0.1MPa以上0.5MPa以下、より好ましくは0.15MPa以上0.4MPa以下である。
研磨材の照射時間は、例えば、好ましくは5秒以上60秒以下、より好ましくは5秒以上45秒以下、さらに好ましくは10秒以上30秒以下である。
なお、圧縮空気の供給源は特に限定されず、例えばコンプレッサー41でなく遠心送風機(ブロア)でもよいし、圧縮空気を使わなくてもよい。また、噴射媒体は空気以外の気体であってもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる色点(例えば黒点)と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても色点(例えば黒点)と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層を形成する方法としては、上記導電性支持体(必要に応じて、下引層等を有する導電性支持体)を、電荷発生層形成用塗布液中に浸漬し、この塗布液中から上記導電性支持体を取り出して(引き抜いて)導電性支持体の外周側に電荷発生層を形成する方法を採用することが好ましい。
そして、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する方法としては、例えば、電荷発生層の形成を浸漬塗布法によって行う場合、電荷発生層形成用塗布液の粘度(mPa・s)を調整する方法;電荷発生層の塗膜を形成する際に、電荷発生層形成用塗布液を保持する塗布槽中に導電性支持体を浸漬した後、この塗布槽から導電性支持体を引き上げる際の引き抜き速度(mm/min)を調整する方法;が挙げられる。なお、算術平均粗さRaは、導電性支持体の表面特性(算術平均粗さRa、平均長さRSm)によっても制御される。
電荷発生層形成用塗布液の粘度(mPa・s)としては、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する観点から、好ましくは5mPa・s以上100mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以上70mPa・s以下、さらに好ましくは20mPa・s以上60mPa・s以下である。
なお、電荷発生層形成用塗布液の粘度を上記範囲に制御する方法としては特に制限されないが、例えば電荷発生層形成用塗布液を調製する際に、電荷発生層形成用材料(例えば電荷発生材料、結着樹脂)と溶剤との配合比率を調整する方法が挙げられる。
電荷発生層の塗膜を形成する際に、電荷発生層形成用塗布液を保持する塗布槽から導電性支持体を引き上げる際の引き抜き速度(mm/min)としては、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する観点から、好ましくは60mm/min以上300mm/min以下、より好ましくは80mm/min以上250mm/min以下、さらに好ましくは100mm/min以上200mm/min以下である。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a−2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
−電荷輸送層の形成方法−
本実施形態の感光体における電荷輸送層の形成は、上記電荷発生層を有する前記導電性支持体の表面に前述の電荷輸送層形成用塗布液を塗布し、乾燥することによって行われる。本実施形態における上記塗布方法としては、浸漬塗布法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
ここで、本実施形態の感光体は、DC接触帯電方式の場合に生じやすい微小の筋状欠陥の発生を抑制する観点、及び、色点の発生を抑制する観点から、表面における算術平均粗さRaが0.05μm以上0.8μm以下である感光層を有する。
電荷輸送層を形成する方法としては、上記電荷発生層を有する導電性支持体を、電荷輸送層形成用塗布液中に浸漬し、この塗布液中から上記導電性支持体を取り出して(引き抜いて)電荷発生層の外周側に電荷輸送層を形成する方法を採用することが好ましい。
そして、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する方法としては、例えば、電荷輸送層の形成を浸漬塗布法によって行う場合、電荷輸送層形成用塗布液の粘度(mPa・s)を調整する方法;電荷輸送層の塗膜を形成する際に、電荷輸送層形成用塗布液を保持する塗布槽中に導電性支持体を浸漬した後、この塗布槽から導電性支持体を引き上げる際の引き抜き速度(mm/min)を調整する方法;が挙げられる。なお、算術平均粗さRaは、導電性支持体の表面特性(算術平均粗さRa、平均長さRSm)によっても制御される。
電荷輸送層形成用塗布液の粘度(mPa・s)としては、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する観点から、好ましくは80mPa・s以上600mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以上500mPa・s以下、さらに好ましくは110mPa・s以上400mPa・s以下である。
なお、電荷輸送層形成用塗布液の粘度を上記範囲に制御する方法としては特に制限されないが、例えば電荷輸送層形成用塗布液を調製する際に、電荷輸送層形成用材料(例えば電荷輸送材料、結着樹脂)と溶剤との配合比率を調整する方法が挙げられる。
電荷輸送層の塗膜を形成する際に、電荷輸送層形成用塗布液を保持する塗布槽から導電性支持体を引き上げる際の引き抜き速度(mm/min)としては、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する観点から、好ましくは20mm/min以上300mm/min以下、より好ましくは40mm/min以上240mm/min以下、さらに好ましくは60mm/min以上180mm/min以下である。
ここで、電荷発生層を有する導電性支持体を電荷輸送層形成用塗布液中に浸漬し、電荷輸送層形成用塗布液中から上記導電性支持体を引き上げて上記電荷発生層の外周側に電荷輸送層を形成する方法について説明する。
電荷発生層を有する導電性支持体を電荷輸送層形成用塗布液に浸漬して引き上げる浸漬塗布法に関し、図面を用いてその一例を説明する。
図4は、浸漬塗布装置の構造を示す概略断面図である。なお、本明細書において、「導電性支持体上に塗布する」とは、電荷発生層を有する導電性支持体の表面、即ち電荷発生層の表面に塗布することを意味する。また、「導電性支持体を上昇」とは、導電性支持体と電荷輸送層形成用塗布液の液面との相対関係であり、導電性支持体を固定し、液面を下降させる場合を含む。
図4において、電荷輸送層形成用塗布液52を塗布槽53に入れ、その中に電荷発生層を有する導電性支持体51を浸漬し、次いで引き上げる(上昇させる)ことにより塗布が行われ、塗膜54が形成される。その際、電荷輸送層形成用塗布液52は、塗布槽53から溢れるように塗布槽53の底側から電荷輸送層形成用塗布液52を供給することが好ましい。この場合、図には示していないが、塗布槽の周囲には溢れ出た電荷輸送層形成用塗布液52を回収するための受けが設けられる。
電荷輸送層の膜厚は、感光層の算術平均粗さRaを上記範囲に制御する観点から、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、上記実施形態に係る電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される接触帯電方式により帯電させる帯電手段(DC接触帯電方式の帯電手段)と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、上記実施形態に係る電子写真感光体を備える部分及びDC接触帯電方式の帯電手段が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体とDC接触帯電方式の帯電手段とを備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
なお、プロセスカートリッジには、本実施形態に係る電子写真感光体及びDC接触帯電方式の帯電手段以外に、例えば、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図5に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図5におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、上記実施形態に係る電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図5には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8は、帯電ロールを有し、直流電圧を印加して、電子写真感光体7の表面を帯電するDC接触帯電方式の帯電装置である。印加する電圧としては、要求される電子写真感光体7の帯電電位に応じて、例えば、正又は負の50V以上2000V以下の直流電圧が挙げられる。
また、帯電ロールが電子写真感光体7に接触する圧力としては、例えば、250mgf以上600mgf以下の範囲が挙げられる。
帯電ロールを電子写真感光体7の表面に接触させることにより、帯電装置が駆動装置を有していなくても電子写真感光体7に従動して回転するが、帯電ロールに駆動装置を取り付け、電子写真感光体7と異なる周速度で回転させてもよい。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図6に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
<導電性支持体の作製>
(導電性支持体(1)の作製)
引き抜き加工後、切削加工を施した中空状円筒管のアルミニウム製の切削管(直径30mm、長さ251mm、肉厚0.75mm)を準備した。
次いで以下の条件で切削管の表面にブラスト処理を施し、アルミニウム製の導電性支持体(1)を作製した。
ブラスト処理条件 研磨材(メディア)の材質:ジルコニア、研磨材のサイズ:60μm、研磨材の照射圧力:0.1MPa、研磨材の照射時間:30秒
(導電性支持体(2)、(3)、(4)、(1C)〜(3C)の作製)
導電性支持体(1)の作製において、表1、表2に従って、ブラスト処理条件(研磨材の照射圧力及び研磨材の照射時間)を変更した以外は、導電性支持体(1)と同様にして、導電性支持体(2)、(3)、(4)、(1C)〜(3C)を作製した。
(導電性支持体(5)の作製)
インパクトプレス加工を行い、中空状円筒管のアルミニウム製のインパクトプレス管(直径30mm、長さ251mm、肉厚0.5mm)を準備した。
次いで以下の条件でIP管の表面にブラスト処理を施し、アルミニウム製の導電性支持体(5)を作製した。
ブラスト処理条件 研磨材(メディア)の材質:ジルコニア、研磨材のサイズ:60μm、研磨材の照射圧力:0.1MPa、研磨材の照射時間:30秒
(導電性支持体の特性)
導電性支持体(1)〜(5)、(1C)〜(3C)について、算術平均粗さRa及び軸方向における平均長さRSmを既述の方法で測定した。結果を表1、表2に示す。
〔実施例1〕
<感光体の作製>
酸化亜鉛(商品名:MZ 300、テイカ社製)100質量部、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、トルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
表面処理した酸化亜鉛:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、下記構造式(AK−1)で示される化合物:1質量部、メチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて3時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。
さらに、浸漬塗布法にて、下引層形成用塗布液を、上記で作製した導電性支持体(1)上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚30μmの下引層を得た。
次に、電荷発生材料としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料「CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m/g)」、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)、およびn−酢酸ブチルからなる混合物を、容量100mLガラス瓶中に、充填率50%で1.0mmφガラスビーズと共に入れて、ペイントシェーカーを用いて2.5時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物に対して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の含有量を55.0体積%とし、分散液の固形分は6.0質量%とした。含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.606g/cm、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の比重1.35g/cmをとして計算した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、130℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1A)8質量部と、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2A)32質量部と、結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)58質量部と、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(HP−1、分子量775)2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して5質量%)とを、テトラヒドロフラン340質量部に加えて溶解し、ボールミルにて分散し、粘度120mPa・sに調整した電荷輸送層形成用塗布液(以下、「CT塗布液」とも称する)を得た。
図4に示す浸漬塗布装置を用い、以下の方法にて、導電性支持体(1)の表面(外周面)に電荷輸送層を形成した。
まず、上記で得られたCT塗布液を、図4に示す浸漬塗布装置の塗布槽53中に入れ、その中に下引層及び電荷発生層を有する導電性支持体(1)を浸漬させた。その後引き抜き速度120mm/minで導電性支持体(1)を塗布槽53から引き上げた。145℃、30分の乾燥を行うことにより、下引層及び電荷発生層を有する導電性支持体(1)の表面に膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。これにより、感光体を得た。
<実施例2〜5及び比較例1〜3>
表1、表2に従って、導電性支持体の種類を変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜3の感光体を作製した。
<微小の筋状欠陥評価>
各例の感光体を画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docu Print C1100)に装着した。20℃、40%RHの環境下で、感光体の表面を負に帯電させ780nmの単色光で像を形成する方法により50%ハーフトーン画像を出力し、得られた画像について、画像の微小の筋状欠陥(太さ2mm以下、長さ30mm以下の筋状欠陥)を以下の基準で評価した。
なお、評価4又は5であると実用上問題を生ずることがあると評価する。
−評価基準−
1:大変良い(微小の筋状欠陥なし)
2:良い(微小の筋状欠陥が1個以下であり、ほとんど認められない)
3:普通(微小の筋状欠陥が2個以上5個以下であるが、実用上許容範囲)
4:悪い(微小の筋状欠陥が6個以上8個以下であり、実用上問題になる範囲)
5:大変悪い(微小の筋状欠陥が9個以上と多く、実用上問題になる範囲)
<色点評価>
各例の感光体を画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docu Print C1100)に装着した。さらに、この画像形成装置を用いて、20℃、40%RHの環境下で、感光体の表面を負に帯電させ780nmの単色光で像を形成する方法により50%ハーフトーン画像を出力し、得られた画像について、色点の発生を評価した。結果を表1、2に示す。
なお、評価基準は表3の通りである。評価方法の詳細としては、得られた画像の点欠陥(色点)を3つの大きさ(面積)で分類し、各々の大きさの点欠陥の個数が該当する基準のうち最も悪い基準(数値の大きい基準)の評価を与えることとした。具体的には、例えば、0.05mm未満が11個、0.05mm以上0.1mm未満が2個、0.1mm以上が0個の場合、評価は「8」である。なお、評価基準「4」以下であると実用上許容範囲であるとする。
上記結果から、本実施例は、比較例1、3に比べ、微小の筋状画像欠陥の発生が抑制されていることがわかる。また、本実施例は、比較例1、2に比べ、色点の発生が抑制されていることがわかる。
表1、2の略称の詳細は以下の通りである。
・「CT塗布液」とは、電荷輸送層形成用塗布液を意味する。
電荷輸送層の形成に用いた電荷輸送材料、及び酸化防止剤の詳細は以下の通りである。
・ブタジエン系電荷輸送材料:下記構造式で示される化合物(CT1A)
・ベンジジン系電荷輸送材料:下記構造式で示される化合物(CT2A)
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤:下記構造式で示される化合物(HP−1)
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性支持体、7A,7B,7 電子写真感光体、51 導電性支持体、52 電荷輸送層形成用塗布液、53 塗布槽、54 塗膜、76 ブラスト装置、8 帯電ロール、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ

Claims (4)

  1. 表面における算術平均粗さRaが0.3μm以上1.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm以下である導電性支持体と、
    前記導電性支持体上に配置され、表面における算術平均粗さRaが0.05μm以上0.8μm以下である感光層と、
    を有する電子写真感光体。
  2. 前記導電性支持体の厚さが0.25mm以上1.0mm以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される接触帯電方式により帯電させる帯電手段と、を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される接触帯電方式により帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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