JP2011133865A - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーニングラチチュードを拡大し、バンディング現象を防止し、高品位な画像を長期間に渡って維持できる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性基体の上に、少なくとも光導電層と、水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層とを順次形成した電子写真感光体において、該表面層のケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.61以上0.75以下であり、かつケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度の和が6.60×1022原子/cm以上であり、かつ該表面層のJIS B0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、0.029μm以上0.500μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素化アモルファスシリコンカーバイド(以下「a−SiC」とも表記する。)で構成された表面層を有する電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有する電子写真装置に関する。なお、水素化アモルファスシリコンカーバイトで構成された表面層を、以下「a−SiC表面層」とも表記する。
電子写真装置では、光導電層(感光層)が設けられた電子写真感光体の表面を帯電し、ついで像露光光を照射することにより該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する。さらに、該電子写真感光体の表面の静電潜像にトナーを付着させることでトナー像を形成し、これを紙などの転写材に転写して画像形成が行われる。
このようにして電子写真装置で画像形成を行った後は、電子写真感光体の表面にトナーの一部が残留するため、この残留トナーを除去する必要がある。残留トナーの除去は、通常、クリーニングブレード、ファーブラシ、マグネットブラシなどを用いたクリーニング工程によって行われ、特にクリーニングブレードを用いたクリーニング工程よって行われるのが一般的である。
しかしながら、近年、画像の高画質化のために、従来よりも平均粒径の小さいトナーが用いられるようになり、上記クリーニング工程における残留トナーの除去が難しくなってきた。すなわち、粒径の小さな残留トナーをクリーニングしようとすれば、例えばクリーニングブレードの押し当て圧を高くしなければならず、クリーニングブレードの捲れや電子写真感光体の回転トルクの上昇といった弊害が発生する場合があった。
上記問題を解決するための対策として、特許文献1には、アモルファスシリコンを感光層とした電子写真感光体において、該感光層を形成する導電性基体の表面を切削あるいは回転ボールミル装置であらかじめ粗しておく方法が提案されている。
また、特許文献2においては、電子写真感光体の10μm×10μmの範囲における微視的な表面粗さRaを所定の値に制御することにより、トナー付着を効果的に防止する方法が提案されている。
特開平9−297420号公報 特開2001−330978号公報
上記のように、従来、残留トナーの効果的なクリーニングに関して改良がなされてきた。しかしながら、画質に対する市場の要求はさらに高まってきている。特に軽印刷などのプリントオンデマンド(以下「POD」とも表記する。)市場やピクトリアル分野においては、その要求は著しい。例えば、これまであまり問題にならなかったような、電子写真感光体の回転ムラに伴う微少な濃度の揺らぎ(バンディング現象)や、微少なクリーニング不良も許容できなくなってきた。
残留トナーを効果的にクリーニングするためには、クリーニングブレードの素材、硬度、押し当て圧、電子写真感光体の表面の形状、素材、トナーの素材、粒径、外添剤の素材、量などの調整項目を、適切に調整する必要がある。
ところが、小粒径トナーを用いる際には、これらの設定範囲が狭くなり、設計ラチチュードが十分に取れず、設計が困難になる場合があった。
また、画像形成を繰り返すと、上記調整項目の設定値によっては、徐々に電子写真感光体の表面の活性度が変化してしまい、電子写真感光体の回転トルクが上昇する現象が発生してしまうことがあった。この現象は次のように予想される。
帯電器内部または付近で形成される放電生成物によって、電子写真感光体の表面の表面自由エネルギーなどの活性度が変化する。そのためにトナーやトナー外添剤、紙粉、場合によって中間転写体のバインダー樹脂などの電子写真感光体の付近に存在する物質が表面に付着しやすくなり、電子写真感光体の表面とクリーニングブレードとの間の摩擦力が変化すると考えられる。この回転トルクの上昇により、電子写真感光体がスムーズに回転しなくなり、バンディング現象が発生することがあった。
特に、特許文献1に示したような基板(基体)加工を施さない場合には、バンディング現象が起こりやすい傾向があった。
また、基体加工を施した場合でも、初期の段階では効果的であるものの、長期間に渡る使用においては、電子写真感光体の回転トルクの上昇や、それに伴うバンディング現象やクリーニング不良が発生してしまうことがあった。
また、特許文献2においては、基体の微視的な凹凸に関してのみ考慮されており、小粒径トナーを使用した場合や長期使用の場合においては、電子写真感光体の回転トルクの上昇やバンディング現象が発生してしまうことがあった。
本発明の目的は、高品位な画像が長期間に渡って出力可能な電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有する電子写真装置を提供することにある。
本発明は、導電性基体と、導電性基体上の光導電層と、該光導電層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層とを有する電子写真感光体において、
該表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.61以上0.75以下であり、
該表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が、6.60×1022原子/cm以上であり、
該表面層のJIS B0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、0.029μm以上0.500μm以下である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体を有する電子写真装置である。
本発明によれば、高品位なクリーニングを行うための設計ラチチュードの拡大や、電子写真感光体の回転トルクが上昇することによって引き起こされるバンディング現象の抑制が可能となり、高品位な画像が長期間に渡って維持可能となる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 プラズマCVD堆積装置の構成の一例を示す図である。 インプリント法によって形成された導電性基体の表面の形状を説明するための図である。 バイト切削によって形成された導電性基体の表面の形状を説明するための図である。 電子写真装置の構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上の光導電層と、光導電層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層(a−SiC表面層)とを有するものである。
本発明者らは、鋭意検討を行ったところ、a−SiC表面層の組成などの物性を適切にコントロールすることにより、初期の摩擦係数が低く、かつ使用に伴う摩擦係数の増大が少ないa−SiC表面層を形成できることがわかった。摩擦係数の増大に関しては、帯電工程で電子写真感光体が放電生成物に曝され、電子写真感光体の表面自由エネルギーが変化し、表面にトナーの成分などの様々なものが付着するために起こると推察している。このことから、a−SiC表面層の組成によって物性を適切にコントロールすることで、放電生成物に曝されても電子写真感光体の表面の活性度が変化しないようにすることができたと考えられる。
加えて、電子写真感光体の表面(a−SiC表面層の表面)の形状を工夫し、クリーニングブレードと電子写真感光体の表面との当接面積を適切にコントロールすることにより、初期から長期間の使用に渡って良好なクリーニングが継続的に実現され、かつ電子写真感光体の回転トルクの上昇が抑えられることが見出された。
以下、表面層の組成による物性のコントロールを「物性コントロール」とも表記し、電子写真感光体の表面の形状のコントロールを「表面粗さコントロール」とも表記する。
これらの物性コントロールと表面粗さコントロールとの組み合わせをさらに最適化することにより、本発明に至った。
以下では、物性コントロール、表面粗さコントロールに関して詳述する。
(物性コントロール)
一般的に、カーボン系材料は、潤滑性に優れた素材であり、電子写真感光体の表面層の材料としてもよく利用される。しかしながら、カーボン系材料は、像露光光としてよく用いられる赤色光や赤外光の吸収が大きいため、電子写真感光体の感度低下を引き起こす場合がある。一方、シリコンカーバイドを用いた場合には、ケイ素原子を含まないカーボン系材料に比べて光の透過性は良いが、ケイ素原子含有量が増えると抵抗が低くなり、電子写真感光体の表面の電荷の横流れを引き起こす場合がある。このような電荷の横流れが生じると、解像度や階調性が低下してしまう場合がある。一方、炭素原子含有量が増えると像露光光の吸収が大きくなる。ケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))(以下単に「C/(Si+C)」とも表記する。)が0.61以上0.75以下であれば、カーボン系材料の持つ高潤滑性と、像露光光の透過性と、表面層の抵抗のバランスがよい範囲であることがわかった。
ただし、単に炭素原子とケイ素原子の組成を適正化しただけでは、電子写真感光体の初期の潤滑性を維持できず、クリーニング不良やバンディング現象を起こす場合があることがわかった。この原因について、本発明者らは、以下のように推察している。
すなわち、長期間に渡る画像形成の間、電子写真感光体の表面は、オゾンなどの放電生成物、トナー、トナー外添剤、紙粉などに曝される。特に、コロナ放電を利用した一次帯電器や転写帯電器を用いた場合、電子写真感光体の表面は、多量の放電生成物に曝されることになり、電子写真感光体の表面は変質する可能性が高い。摺擦により表面が削れやすい電子写真感光体であれば、電子写真感光体の表面は常にリフレッシュされ、変質した部分(変質層)が残りにくい。ところが、a−SiC表面層を有する電子写真感光体では、表面が非常に高硬度であるため、摺擦によっても表面が削れにくく、変質層が除去されにくい。この変質層は、カーボン系材料のような高潤滑性はないと考えられ、変質層が成長することにより、電子写真感光体の回転トルクが上昇し、クリーニング不良やバンディング現象といった不具合が発生しやすくなると考えられる。
そこで、本発明者らはさらに検討した結果、a−SiC表面層のケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和(以下「Si+C原子密度」とも表記する。)を6.60×1022原子/cm以上、好ましくは6.81×1022原子/cm以上とすることにより、長期間に渡り画像形成を行っても、電子写真感光体の表面の変質が生じにくくなることを見出した。Si+C原子密度が高いということは、a−SiC表面層の膜構造の骨格を形成するケイ素原子および炭素原子の原子間距離が短くなることを意味する。そのため、a−SiC表面層の膜構造の骨格を形成する原子同士の結合力が向上し、電子写真感光体の表面が変質しにくくなると推測される。また、高密度になるということは、空間率が低減することになり、放電生成物(イオン種)がa−SiC表面層の深さ方向に侵入して反応することが起きにくくなると考えられる。また、Si+C原子密度の上限としては特に限定はないが、a−SiC(水素化アモルファスシリコンカーバイド)はアモルファス物質である以上、結晶よりも密度が上回ることはないと考えられる。よって上記組成範囲の表面層が取り得るSi+C原子密度は、理論上、13.0×1022原子/cm以下となる。
また、a−SiC表面層に含まれる水素原子の量をコントロールすることにより、イオン種のアタックに対する耐性と、電子写真感光体の感度などの他の特性とのバランスをさらに良好にすることができる。具体的には、ケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)と水素原子の原子数(H)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+C+H))(以下単に「H/(Si+C+H)」とも表記する。)を0.30以上0.45以下とすることが好ましい。
Si+C原子密度の高いa−SiC表面層では、光学的バンドギャップが狭くなりやすく、光吸収が増加して、電子写真感光体の感度が悪化する場合がある。しかしながら、H/(Si+C+H)を0.30以上とすることで、光学的バンドギャップが広がり、電子写真感光体の感度の良化が図れる。
一方、H/(Si+C+H)を0.45より大きくすると、a−SiC表面層の中にメチル基のような水素原子の多い終端基が増加する傾向がみられる。これらは、a−SiCの構造中に大きな空間を形成するとともに、周囲に存在する原子間の結合にひずみを生じさせたり、Si−C構造のネットワーク化を阻害したりしやすい。このような構造上弱い部分は、イオン種のアタックに対して弱い部分となってしまうと考えられる。
以上のことから、H/(Si+C+H)は0.30以上0.45以下が好ましい。
(表面粗さコントロール)
前述したとおり、物性コントロールにより、従来の表面層に比較して表面の潤滑性は向上し、その効果を長期間に渡って持続させることができるようになったが、小粒径化するトナーの適正なクリーニングにはさらなる工夫が必要である。
例えば、クリーニングブレードを用いたクリーニング(以下「ブレードクリーニング」とも表記する。)においては、クリーニングブレードの硬度やクリーニングブレードの押し当て圧(以下「ブレード圧」とも表記する。)を適切に設定する必要がある。特に、小粒径トナーを用いた電子写真プロセスで良好なクリーニングを行うためには、ブレード圧を高めに設定することが多く、クリーニングブレードにビビリ(細かい振動)が生じたり、クリーニングブレードがめくれる(裏返える)ことが起きたりする不具合が発生することがあった。また、クリーニングブレードによって電子写真感光体の回転にブレーキをかけることになるため、ブレード圧が強い場合には、電子写真感光体の回転トルクも上昇しやすい。電子写真感光体の回転トルクが過剰になると、回転ムラが生じることがあり、出力画像にバンディング現象が発生してしまうことがあった。クリーニングブレードのビビリやめくれが起こらず、トルク変動によるバンディング現象が起こらず、かつ良好な画像出力が可能なブレード圧範囲を設定しようとすると、設計ラチチュード(調整しろ)が狭くなることがあった。このため、電子写真感光体の表面の摩擦係数の個体差やブレード圧調整の振れ幅によって、ブレード圧が適正値から外れてしまう場合があった。
そこで、電子写真感光体の表面層の物性コントロールに加え、表面粗さコントロールを行うと、クリーニングラチチュードが広がり、初期から長期間の使用においても良好なクリーニング状態を常に保持できることがわかった。
一方、あまり粗さを大きくしすぎると、モアレ(規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせたときに、それらの周期のずれにより発生する縞模様)が発生してしまうことがあった。モアレは、表面形状の空間周波数と画像形成の空間周波数(レーザースキャニングの周期)とのうなり現象であり、段差が大きすぎるとうなりが大きくなり、濃度差となって画像に顕在化することがある。このことから、あまり表面粗さを大きくしすぎてもよくない。
以上の点から、具体的には、前述した物性条件としたうえで、表面層のJIS B0601:2001で規定される算術平均粗さRaを、0.029μm以上0.500μm以下とする。このとき、クリーニング不良やクリーニングブレードのビビリ、めくれ、電子写真感光体の回転トルクの上昇が起きにくく、初期から長期間に渡ってその特性が維持されることがわかった。また、この範囲であれば、モアレなどの画像欠陥も起こりにくい。より好ましくは0.050μm以上0.200μm以下である。
また、クリーニングブレードとの接触度合いは、局所的な最大最小高さが決めるのではなく、長いスパンで見た場合の凹凸によって決まると考えられる。よって、表面の平均的な形状、すなわち平均的な凹凸の距離と平均的な凹凸の深さに関しても、コントロールすることが好ましい。
ここで、平均的な凹凸の距離に対応するパラメーターとしては、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRsm(基準長さ内での各凸凹の長さの平均)を用いることができる。このRsmのより好ましい範囲は、1.0μm以上150.0μm以下である。
また、平均的な凹凸の深さに対応するパラメーターとしては、JIS B 0601:2001に従ってRzjis(十点平均粗さ)を用いることができる。このRzjisのより好ましい範囲は0.100μm以上2.000μm以下である。
ここで、RaとRzjisの違いについて説明する。Raは面内の平均的な粗さを表しており、本発明において最も重要である。RzjisはRaに比べて比較的大きな凹凸に影響されやすいが、クリーニングブレードとの摺擦度合いを考えると、比較的大きな凹凸も重要である。特に、不規則な表面性の場合には、Raが同じでもRzjisに差が生じることがある。この場合、Rzjisをさらに好ましい範囲の指標として用いることができる。
なお、旋盤による加工などの周期構造をもつ場合と、ボールミルによる加工などの周期構造をもたない場合とを比較すると、Ra、Rsm、Rzjisの観点で同様であれば、本発明の効果に違いはない。しかし、作製の容易性、品質の安定性を考えると、周期構造をもつ場合の方がより好ましい。
導電性基体の加工方法としては、10μm以下の周期の短い構造を形成する場合には、型を押し付けて形成するインプリント法と呼ばれる手法が好ましい。また、10μm以上の周期の長い構造を形成する場合には、旋盤による切削加工が好ましい。これらの方法により、導電性基体の表面に周期的な凹凸を形成し、その後、この導電性基体の上に光導電層を形成する。CVD法による光導電層、表面層形成では、下地の形状をほぼ引き継いだ形で成長が起こるため、下地となる導電性基体の表面の加工で、電子写真感光体の表面の凹凸をコントロールすることが可能である。
以上のような表面粗さコントロールと、物性コントロールとを合わせることにより、本発明の効果が得られる。本発明外の組成を持つ表面層を用いた場合、本発明の表面粗さコントロールを用いても本発明の効果が得られない。従来の材料を用いた場合、長期間に渡る使用によって、電子写真感光体の表面がオゾンなどの活性な分子によるアタックを常に受け、表面層が変質していく。クリーニングブレードと接触する部分は徐々に摩耗してリフレッシュされるため、変質層の成長が起こりにくい。一方、クリーニングブレードとの接触がないか、あるいは接触圧力が低い凹んだ部分では、変質層が成長しやすい。この部分で物質との濡れ性(表面自由エネルギー)が変化すると、トナーや外添剤などのトナー成分や、転写ベルトなどのバインダー成分や、紙粉などの填料成分が付着しやすくなり、クリーニング性や電子写真感光体の表面の摩擦係数に影響を及ぼすことになる。よって、長期間に渡って良好なクリーニング性や電子写真感光体の回転トルクを維持するためには、クリーニングブレードとの接触が少ない凹んだ部分でも変質しないような、本発明の物性コントロールが必要となる。
<本発明の電子写真感光体>
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は導電性基体であり、102は下部注入阻止層であり、103は光導電層であり、104は表面層である。光導電層103は、水素化アモルファスシリコン(以下「a−Si」とも表記する。)で構成されている。以下、a−Siで構成された光導電層を「a−Si光導電層」とも表記し、a−Si光導電層を有する電子写真感光体を「a−Si感光体」とも表記する。
図1に示す各層は、真空堆積膜形成方法、例えば、高周波CVD法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて形成される。
(導電性基体)
導電性基体の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンや、これらの合金が挙げられる。これらの中でも、加工性や製造コストを考慮するとアルミニウムが優れている。アルミニウムの中でも、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金が好ましい。
電子写真感光体の表面に適切な凹凸を形成するためには、導電性基体の表面を凹凸加工することが好ましい。一例としては、旋盤を用いた切削加工が挙げられる。
旋盤は、切削加工用刃物(バイト)が取り付け可能な刃物台(タレット)を有するとともに、導電性基体を回転させながら切削加工を行うことができるものである。
まず、導電性基体を不図示の旋盤にセットする。ここで、導電性基体の外面を加工するためには、導電性基体をその内側から保持する必要がある。内側から保持するための保持手段の一例としてはコレットチャックが挙げられる。
コレットチャックなどの保持手段にて保持した状態で、旋盤にセットし、外面切削加工工程を実施する。具体的には、導電性基体を例えば2000rpmで回転させつつ、所定のバイト送り速度、バイト切り込み量にてバイトを導電性基体の母線方向に移動させて、外面を切削する。バイト送り速度および導電性基体の回転速度によって、切削による凹凸のピッチ(周期)が決定する。また、バイトの形状、バイトの接触角度により、凹凸の深さが決定する。これらを適宜調整することにより、導電性基体の表面形状が決定する。
図4は、バイト切削によって形成された導電性基体の表面の形状を説明するための図である。図4に示すように、同じバイトの当て方でも、(a)、(b)のように送り速度を変えることでピッチと深さを変えることができる。また、(c)、(d)のように角度を変えれば同じピッチで深さや形状を変化させることが可能となる。
この導電性基体の上に光導電層および表面層を形成した後の表面粗さRa(JIS B0601:2001)が0.029μm以上0.500μmとなるように旋盤加工条件を決定する。より好ましくは、このRaを0.050μm以上0.200μm以下となるようにする。さらには、光導電層および表面層を形成した後の表面の凹凸の深さは0.10μm以上2.00μm以下が好ましく、ピッチは1.0μm以上150.0μm以下が好ましい。より好ましくは、深さが0.50μm以上1.50μm以下であり、ピッチが10.0μm以上30.0μm以下である。深さが浅すぎると、電子写真感光体の回転トルクの低減の効果が得らにくくなり、深さが深すぎると、出力画像にモアレが発生しやすくなる。また、ピッチが狭すぎると、凹凸の深さによっては、クリーニングブレードが凹部分の奥の方にまで追従しにくくなる。トナーの外添剤などの微小粒子のクリーニングを適正にするためには、ピッチがある程度以上大きい方がより好ましい。一方、ピッチが大きすぎても、クリーニングブレードの変形が追従しやすくなるため、摩擦力が増大する方向になる。
旋盤による加工では、ピッチは10.0μm以上が好ましい。10.0μm以下の場合、加工時間がかかったり、バイトの寿命が短くなったり、精度が悪くなったりする場合がある。10μm以下のピッチが要求される場合には、タッチロールやスタンパーと呼ばれる型(金型)を押し付けて凹凸を加工するインプリント法と呼ばれる方法が好適に利用できる。アルミニウムやアルミニウム合金は、他の金属に比べて比較的軟らかいため、深さがあまり大きくなければ、容易に加工することができる。インプリント法に用いられる型の断面形状としては、矩形構造でも、のこぎり形状でも、波型形状でもよい。また、溝状に周方向に連続した形態でも、ドットが規則性を持って並んだ形状でもよい。いずれにしても、円筒の中心軸を通る任意の平面で断面を取ったとき、凹凸形状が形成された部分があればよい。このような回転方向に対して垂直な方向の凹凸を形成することで、クリーニングブレードとの摩擦力を低減することができ、電子写真感光体の回転トルクを低減させることができる。
図3に以上の説明の模式図を示す。図3(a)に示したように、台303に取り付けられたステンレス製のモールド302を加圧しながら押し当て、シリンダー状(円筒状)導電性基体301を回転させることで導電性基体301の全面に凹凸を形成する。凹凸の形状としては図3(b)に示したような溝形状(周方向に連続した凹部304と周方向に連続した凸部305が軸方向に交互に並んだ形状)を用いることもできる。また、図3(c)に示したような離散的な形状(凸部305が規則的に並んだ形状)にすることもできる。
(下部注入阻止層)
本発明に用いられる電子写真感光体において、導電性基体と光導電層との間に導電性基体側からの電荷の注入を阻止する働きを有する下部注入阻止層を設けることが効果的である。下部注入阻止層には伝導性を制御するための原子を光導電層に比べて比較的多く含有させる。
下部注入阻止層に含有させる伝導性を制御するための原子としては、帯電極性に応じて第13族原子または第15族原子を用いることができる。
さらに、下部注入阻止層には、炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子を含有させることにより、下部注入阻止層と導電性基体との間の密着性の向上を図ることが可能となる。
下部注入阻止層の膜厚は、所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から、好ましくは0.1〜10.0μm、より好ましくは0.3〜5.0μm、さらに好ましくは0.5〜3.0μmである。膜厚を0.1μm以上とすることにより、導電性基体からの電荷の注入阻止能を十分に有することができ、好ましい帯電能を得ることができる。一方、5.0μm以下とすることにより、作製時間の延長による製造コストの増加を防ぐことができる。
(光導電層)
本発明に用いられる電子写真感光体おいて、光導電層はa−Siで構成され、伝導性を制御するための原子として第13族原子、第15族原子を適宜添加してもよい。また、抵抗値などの特性を調整するために、酸素原子、炭素原子、窒素原子などの原子を適宜添加してもよい。膜中の未結合手(ダングリングボンド)を補償するために、水素原子を適宜含有させることができる。
光導電層における水素原子(H)の含有量の合計は、ケイ素原子の原子数と水素原子の原子数との和に対して10原子%以上30原子%以下であることが好ましく、15原子%以上25原子%以下であることがより好ましい。また、水素原子と同様の効果を得る目的で、フッ素などのハロゲン原子を用いることもできる。
本発明において、光導電層の膜厚は、所望の電子写真特性が得られること、経済的効果などの点から、15μm以上60μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましく、20μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
(表面層)
本発明では、a−SiC表面層のケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.61以上0.75以下であり、a−SiC表面層のケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度の和を6.60×1022原子/cm以上、より好ましくは6.81×1022原子/cm以上にすることを特徴としている。このようにすることにより、長期間にわたり良好なクリーニング性維持と電子写真感光体の回転トルクの上昇抑制に大きな効果が得られる。また、a−SiC表面層のケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が最も大きくなるのは、結晶となったときである。よって、本発明におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和の上限値は結晶を元に考える。まず、SiC結晶とダイヤモンドの原子密度を目安とし、次に目的となるa−SiCの組成におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和に対する炭素原子の原子密度の比を考え、これに応じて結晶時の原子密度を算出する。これが求めたいa−SiC組成の原子密度の上限となる。なお、ケイ素原子と炭素原子の原子密度が1対1のSiC結晶の原子密度は9.64×1022原子/cm、炭素原子のみの結晶であるダイヤモンドの原子密度は17.65×1022原子/cmである。
また、本発明においては、a−SiC表面層のラマンスペクトルにおける1480cm−1のピーク強度(IG)に対する1390cm−1のピーク強度(ID)の比(ID/IG)を0.20以上0.70以下にすることが好ましい。なお、ラマンスペクトルにおける1480cm−1のピーク強度に対する1390cm−1のピーク強度の比を、以下「ID/IG」とも表記する。
まず、a−SiC表面層のラマンスペクトルについて、ダイヤモンドライクカーボンと比較しながら説明する。なお、ダイヤモンドライクカーボンを、以下「DLC」とも表記する。
sp構造とsp構造から形成されているDLCのラマンスペクトルは、1540cm−1付近に主ピークを持ち、1390cm−1付近にショルダーバンドを有する非対称なラマンスペクトルが観察される。RF−CVD法で形成されたa−SiC表面層では、1480cm−1付近に主ピークを持ち、1390cm−1付近にショルダーバンドを有するDLCに類似したラマンスペクトルが観察される。a−SiC表面層の主ピークがDLCよりも低波数側にシフトしているのは、a−SiC表面層にはケイ素原子が含まれているためである。このことから、RF−CVD法で形成されたa−SiC表面層は、DLCに非常に近い構造を有する材料であることがわかる。
一般的に、DLCのラマンスペクトルにおいて、高波数バンドのピーク強度に対する低波数バンドのピーク強度の比が小さいほど、DLCのsp性が高い傾向があることが知られている。よって、a−SiC表面層においても、DLCと非常に近い構造であることから、高波数バンドのピーク強度に対する低波数バンドのピーク強度の比が小さいほど、sp性が高い傾向を示すと考えられる。
本発明の原子密度の高いa−SiC表面層において、a−SiC表面層におけるID/IGを0.70以下にすることにより、さらなる結合力の向上に大きな効果が得られる。
この理由としては、sp性が向上すると、spの2次元のネットワーク数が減少し、spの3次元のネットワークが増加するため、骨格原子の結合数が増加し、強固な構造体が形成可能になるためだと考えている。
そのため、a−SiC表面層におけるID/IGは小さい方がより好ましいが、量産レベルで形成されるa−SiC表面層では、完全にsp構造を取り除くことはできない。そのため、本発明においては、a−SiC表面層におけるID/IGの下限値を、本実施例において効果が確認された0.2としている。
<本発明の電子写真感光体を製造するための製造装置および製造方法>
図2は、プラズマCVD堆積装置の構成の一例を示す図であり、具体的には、高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による電子写真感光体の製造装置(成膜装置)の一例を示す図である。
この装置は大別すると、成膜装置2100、原料ガスの供給装置2200、成膜炉2110の中を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。成膜炉2110の中にはアースに接続された導電性基体2112、導電性基体の加熱用ヒーター2113、ガス導入管2114が設置されている。さらに高周波マッチングボックス2115を介して高周波電源2120が接続されている。
ガス供給装置2200は、原料ガスボンベ2221〜2226とバルブ2231〜2236、2241〜2246、2251〜2256およびマスフローコントローラー2211〜2216から構成される。各構成ガスのボンベはバルブ2260を介して成膜炉2110の中のガス導入管2114に接続されている。
導電性基体2112は導電性受け台2123の上に設置されることによってアースに接続される。
以下、図2の装置を用いた電子写真感光体の形成方法の手順の一例について説明する。成膜炉2110の中に導電性基体2112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により成膜炉2110の中を排気する。続いて導電性基体加熱用ヒーター2113により導電性基体2112の温度を50℃〜350℃の所望の温度に制御する。次いで、電子写真感光体の各層形成用の原料ガスを成膜炉2110の中に流入させるには、まずガスボンベのバルブ2231〜2236、成膜炉のリークバルブ2117が閉じられていることを確認する。また、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ2260が開かれていることを確認し、メインバルブ2118を開いて成膜炉2110およびガス供給配管2116を排気する。
その後、真空計2119の読みが1Pa以下の所定の圧力になった時点で補助バルブ2260、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256を閉じる。その後、ガスボンベ2221〜2226より各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を0.2MPaに調整する。次に、流入バルブ2241〜2246を徐々に開けて各ガスをマスフローコントローラー2211〜2216の中に導入する。
以上の手順によって成膜準備を完了した後、導電性基体2112の上に、例えば、光導電層の形成を行う。すなわち、導電性基体2112が所望の温度になったところで、各流出バルブ2251〜2256のうちの必要なものと補助バルブ2260とを徐々に開く。この動作により各ガスボンベ2221〜2226から所望の原料ガスをガス導入管2114を介して成膜炉2110の中に導入する。次に、各マスフローコントローラー2211〜2216によって、各原料ガスが所望の流量になるように調整する。その際、成膜炉2110の中が所望の圧力になるように、真空計2119を見ながらメインバルブ2118の開口を調整する。内圧が安定したところで、高周波電源2120を所望の電力に設定する。例えば、周波数1MHz〜50MHz、例えば13.56MHzの高周波電力を高周波マッチングボックス2115を通じてカソード電極2111に供給し、高周波グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって成膜炉2110の中に導入させた各原料ガスが分解され、導電性基体2112の上に所望のアモルファスシリコンを主成分とする光導電層が積層される。
所望の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、各流出バルブ2251〜2256を閉じて成膜炉2110への各原料ガスの流入を止め、光導電層の形成を終える。
光導電層の組成や膜厚は公知のものを使用することができる。続いて表面層を積層する場合や光導電層と導電性基体2112の間に下部注入阻止層を積層する場合も基本的には上記と同様の操作を行えばよい。
このような方法で導電性基体2112の上に各層を形成した後、成膜炉2110の中のガスを排気し、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性なガスを導入し、排気をする工程を繰り返して膜形成に用いたガスを追い出す(パージする)。このような操作を複数回繰り返し、冷却した後、窒素(N)ガスなどの不活性ガスにより大気圧まで戻し、電子写真感光体を成膜炉2110から取り出す。
本発明の電子写真感光体は、従来周知の電子写真感光体の表面層に比べてa−SiCを構成しているケイ素原子および炭素原子の原子密度を上げて、原子密度の高い膜構造の表面層を形成している。上述したように、本発明の原子密度の高いa−SiC表面層を形成する場合には、表面層形成時の条件にもよるが、一般的に、反応容器に供給するガス量が少ない方が良く、高周波電力は高い方が良い。また、反応容器の中の圧力が高い方が良く、さらに、導電性基体の温度が高い方が良い。
反応容器の中に供給するガス量を減らし、かつ高周波電力を上げることにより、ガスの分解を促進させることができる。これにより、ケイ素原子供給源(例えば、SiH)よりも分解し難い炭素原子供給源(例えば、CH)を効率良く分解することができる。その結果、水素原子の少ない活性種が生成され、導電性基体の上に堆積した膜中の水素原子が減少するため、原子密度の高いa−SiC表面層が形成可能となる。
また、反応容器の中の圧力を高めることで、反応容器の中に供給された原料ガスの滞留時間が長くなる。また、原料ガスの分解により生じた水素原子により弱結合水素の引き抜き反応が生じるために、ケイ素原子と炭素原子のネットワーク化が促進可能になるものと考えられる。
さらに、導電性基体の温度を上げることにより、導電性基体に到達した活性種の表面移動距離が長くなり、より安定した結合をつくることができる。その結果、a−SiC表面層として、より構造的に安定した配置に各原子を結合可能になると考えられる。
<電子写真装置>
本発明に好適に用いられる電子写真装置について、図5の概略構成図を参照して説明する。この電子写真装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像の上にトナーが付着することによってトナー像が形成されるドラム型の電子写真感光体501を有している。電子写真感光体501の周りには、電子写真感光体501の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する一次帯電器(帯電手段)502と、帯電された電子写真感光体501の表面に画像露光光(潜像形成光)503を照射して静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置(画像露光手段)とが配置されている。
形成された静電潜像の上にトナーを付着させて現像する現像器(現像手段)として、ブラックトナーBを付着させる第1現像器504aと、カラートナーを付着させて現像する第2現像器504bが配置されている。第2現像器504bは、イエロートナーYを付着させる現像器とマゼンタトナーMを付着させる現像器とシアントナーCを付着させる現像器とが内蔵された回転型の現像器である。
また、電子写真感光体501の表面でトナー像を形成しているトナーの電荷を均一にし、安定した転写を行うようにするための転写前帯電器505が設けられている。さらに、中間転写ベルト506にトナー像を転写した後、電子写真感光体501の上をクリーニングする感光体クリーナー(電子写真感光体用のクリーニング手段)507が設けられている。また、電子写真感光体501には、除電を行う除電光508が照射される。
中間転写ベルト506は、電子写真感光体501に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には電子写真感光体501の上に形成されたトナー像を中間転写ベルト506に転写するための一次転写ローラー509が配備されている。
一次転写ローラー509には、電子写真感光体501の上のトナー像を中間転写ベルト506に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト506の周りには、中間転写ベルト506に転写されたトナー像を転写材512にさらに転写するための二次転写ローラー510が、中間転写ベルト506の下面部に接触するように設けられている。二次転写ローラー510には、中間転写ベルト506の上のトナー像を転写材512に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。また、中間転写ベルト506の上のトナー像を転写材512に転写した後、中間転写ベルト506の表面に残留した転写残トナーをクリーニングするための中間転写ベルトクリーナー(中間転写ベルト用のクリーニング手段)511が設けられている。
また、この電子写真装置は、画像が形成される複数の転写材512を保持する給紙カセット513と、転写材512を給紙カセット513から中間転写ベルト506と二次転写ローラー510との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。転写材512の搬送経路上には、転写材512の上に転写されたトナー像を転写材512の上に定着させる定着器514が配置されている。
画像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナーによる走査露光系が用いられる。このような露光系により、画像パターンに従って、複数行、複数列の画素マトリックスの画素ごとに、レーザーまたはLEDを光源とする光ビームを照射して静電潜像を電子写真感光体501の表面に形成することができる。
次に、この電子写真装置の動作について説明する。
まず、図5に矢印で示すように、電子写真感光体501が、反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写ベルト506が、時計方向に、電子写真感光体501と同じ周速度で回転駆動される。
電子写真感光体501は、回転過程で、一次帯電器502により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。次いで、画像露光光503を受け、これにより電子写真感光体501の表面には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、第2現像器504bが回転し、マゼンタトナーMを付着させる現像器が所定の位置にセットされ、その静電潜像が第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時、第1現像器504aは、作動オフになっていて電子写真感光体501には作用せず、第1色のマゼンタトナー像に影響を与えることはない。
次に、電子写真感光体501の上に形成された第1色のマゼンタトナー像は、中間転写ベルト506の表面に中間転写される。このとき、マゼンタトナー像が電子写真感光体501と中間転写ベルト506とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスがバイアス電源(不図示)から一次転写ローラー509に印加される。このことによって形成される電界により、転写が行われる。
中間転写ベルト506に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた電子写真感光体501の表面は、感光体クリーナー507によりクリーニングされる。次に、電子写真感光体501のクリーニングされた表面に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された中間転写ベルト506の表面に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が中間転写ベルト506の表面に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、給紙カセット513から中間転写ベルト506と二次転写ローラー510との当接ニップ部に所定のタイミングで転写材512が給送される。二次転写ローラー510が中間転写ベルト506に当接されると共に、二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラー510に印加される。この結果、中間転写ベルト506の表面に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である転写材512に転写される。転写材512へのトナー像の転写終了後、中間転写ベルト506の表面の転写残トナーは中間転写ベルトクリーナー511によりクリーニングされる。トナー像が転写された転写材512は定着器514に導かれ、ここで転写材512にトナー像が加熱定着される。
本電子写真装置の動作において、電子写真感光体501から中間転写ベルト506への第1〜第4色のトナー像の順次転写実行時には、二次転写ローラー510および中間転写ベルトクリーナー511は中間転写ベルト506から離間させるようにしてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
アルミシリンダー(導電性基体)を旋盤にセットし、外径が84mmになるように切削加工を行った。バイト送りを0.01mm/回転から0.15mm/回転の範囲で調整した。切り込み量としては0.4mmとし、バイトを当てる角度、送り速度を調整して所望の形状を形成した。また、Raの小さいものは平バイト、Raが1μm以上のものは剣バイトを用いた。表2に示したように、ピッチ(Rsm)が8〜155μmのものについて旋盤にて加工した。
また、ピッチ(Rsm)が0.8〜12μmのものに関してインプリントで加工した。凹凸の形状としては図3(b)に示したような溝形状(周方向に連続した凹部304と周方向に連続した凸部305が軸方向に交互に並んだ形状)を用いた。このとき、凸部305の面積は、凹部304の面積と凸部305の面積との和に対して35%に設定した。凸部の周期は0.8、1.0、10.0、12.0μmとし、凸部の断面形状は方形とし、押し当て圧を変化させることにより凹部の深さを表2に挙げたように変化させて形成した。
この加工を施したそれぞれの導電性基体を、図2に示したプラズマCVD装置に設置し、表1に示した条件で下部注入阻止層、光導電層、表面層からなる堆積膜を順次形成した。
このようにして得られた電子写真感光体の表面粗さを、表面粗さ測定器(ミツトヨ社製フォームトレーサーSV−C4000S4)を用いて測定した。触針としては、テーパー角60度、先端のR=2μmを用い、測定力0.75mNで行った。カットオフ値はJIS B 0651:2001に従った。このとき、インプリントで形成した細いピッチの溝は正確に測ることができないため、補助的に原子間力顕微鏡(以下「AFM」とも表記する。)(Quesant社製Q−Scope250)により測定した。AFMにより、触針法で得られるRa、Rsm、Rzjisに相当する形状を計測し粗さ曲線を見積もった。
得られた粗さ曲線から、JIS B 0601:2001にしたがってRa、Rsm、Rzjisを求めた。Raは算術平均粗さを示し、本発明で必須となるパラメーターである。Rsmは横方向の規則性をあらわしており、周期に相当する。Rzjisは山谷の山と谷の十点平均的な高さを表しており、深さに相当する。ただし、やや周期構造の構造によってはバラツキが出る場合があるため、同様の測定を5回繰り返して平均を取ることで深さと定義した。
上述のように切削加工した導電性基体を使用し、堆積膜を形成した電子写真感光体のRaを、粗さ曲線測定により測定し、Raや形状を選別して表2に示すような電子写真感光体を選んだ。このとき、加工条件1−1〜1−6、1−8〜1−13、1−15〜1−17、1−19、1−21、1−23、1−25、1−26、1−29〜1−31に関しては、導電性基体の表面形状のRzjisが0.100μm以上2.000μm以下、Rsmが1.0μm以上150.0μm以下であった。また、加工条件1−25、1−26、1−28〜1−30に関しては、表面の形状がインプリントによって形成され、Rsmが1.0μm以上10μm以下であった。また、加工条件1−1〜1−6、1−9、1−10、1−15〜1−18、1−23に関しては、表面の形状が旋盤によって形成され、Rsmが10.0μm以上、30.0μm以下であった。
これらの電子写真感光体で、後述する耐久試験を行った。
また、表面層の組成、密度は、あらかじめ同様の形成方法で形成したものを分析することにより形成条件を決定し、実現した。
(C/(Si+C)、Si+C原子密度、H/(Si+C+H)の測定)
まず、表1の下部注入阻止層および光導電層のみを形成したリファレンス電子写真感光体を作製し、任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方の正方形で切り出し、リファレンス試料を作製した。
次に、下部注入阻止層、光導電層および表面層を形成した電子写真感光体を同様に切り出し、測定用試料を作製した。
リファレンス試料と測定用試料を分光エリプソメトリー(J.A.Woollam社製:高速分光エリプソメトリー M−2000)により測定し、表面層の膜厚を求めた。
分光エリプソメトリーの具体的な測定条件は、入射角:60°、65°、70°、測定波長:195nmから700nm、ビーム径:1mm×2mmである。
まず、リファレンス試料を分光エリプソメトリーにより各入射角で波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
次に、リファレンス試料の測定結果をリファレンスとして、測定用試料をリファレンス試料と同様に分光エリプソメトリーにより各入射角で波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
次に、下部注入阻止層および光導電層、表面層を順次形成したものを作製した。最表面に表面層と空気層が共存する粗さ層を有する層構成を計算モデルとして用いた。解析ソフトにより粗さ層の表面層と空気層の体積比を変化させて、各入射角における波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を計算により求めた。そして、各入射角における上記計算により求めた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係と測定用試料を測定して求めた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係の平均二乗誤差が最小となるときの計算モデルを選択した。この選択した計算モデルにより表面層の膜厚を算出し、得られた値を表面層の膜厚とした。なお、解析ソフトはJ.A.Woollam社製のWVASE32を用いた。また、粗さ層の表面層と空気層の体積比に関しては、表面層:空気層を10:0から1:9まで、粗さ層における空気層の比率を1ずつ変化させて計算をした。本実施例の各成膜条件で作製されたプラス帯電用a−Si感光体においては、粗さ層の表面層と空気層の体積比が8:2のときに計算と測定との誤差が最小となった。すなわち、上記条件において、計算によって求められた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係と、測定して求められた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係の平均二乗誤差が最小となった。
分光エリプソメトリーによる測定が終了した後、上記測定用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における表面層の中のケイ素原子および炭素原子の原子数を測定した。測定したケイ素原子および炭素原子の原子数から、C/(Si+C)を求めた。次に、RBSの測定面積から求めたケイ素原子および炭素原子に対し、分光エリプソメトリーにより求めた表面層の膜厚を用いて、Si原子密度、C原子密度およびSi+C原子密度を求めた。
RBSと同時に、上記測定用試料をHFS(水素前方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、HFSの測定面積における表面層の中の水素原子の原子数を測定した。HFSの測定面積から求めた水素原子の原子数と、RBSの測定面積から求めたケイ素原子の原子数および炭素原子の原子数により、H/(Si+C+H)を求めた。
次に、HFS測定面積から求めた水素原子数に対し、分光エリプソメトリーにより求めた表面層の膜厚を用いて、H原子密度を求めた。
RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmである。また、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mm、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitで測定を行った。
以上の条件により分析したところ、表1の条件で形成した表面層は、C/(Si+C)が0.72、Si+C原子密度が6.9×1022原子/cmであった。また、H/(Si+C+H)は0.41であった。
次に、それぞれの電子写真感光体を、電子写真装置(キヤノン製iRC6800を実験用に改造したもの)に設置し、以下の試験を行った。この改造機では、電子写真感光体の駆動をトルクメーター(TEAC社製 トランスデューサーSTQ−2NM−11009)を介して接続した外部モーターによって行う。また、クリーニングブレードはJIS K6253によるタイプA硬度80度のものを用い、線圧として40gf/cmで押し当てた。また、トナーは平均粒径6.0μmのものを用いた。
このような改造機、条件において、まずハーフトーン画像を出力することにより、モアレが発生していないか(モアレ有無)を確認した。以下のようなランク付けでモアレの評価を行った。
A・・・モアレの発生がない。
E・・・モアレの発生がある。
このランク付けでは、Aで本発明の効果が得られていると判断した。
次に、初期の電子写真感光体の回転トルク(初期トルク)を測定した。鏡面加工を施した導電性基体で作製した電子写真感光体(比較例1の電子写真感光体1−32)を基準とし、以下のようなランクで相対評価を行った。
A・・・電子写真感光体1−32に比べ50%以上トルク減
B・・・電子写真感光体1−32に比べ30%以上50%未満トルク減
C・・・電子写真感光体1−32に比べ10%以上30%未満トルク減
D・・・電子写真感光体1−32と同等または10%未満トルク減
E・・・電子写真感光体1−32よりもトルク増
このランク付けでは、C以上で本発明の効果が得られていると判断した。
次に、前述した電子写真装置を用いて50万枚の耐久試験を行った。
耐久試験後、再度電子写真感光体の回転トルク(耐久後トルク)の評価を行い、同様のランクで相対評価を行った。
また、以下のようにクリーニングにおけるすり抜けの評価を行った。
クリーニングブレードはJIS K6253によるタイプA硬度80度のものを用いた。この試験に使用するトナーとしては、通常のトナーに比べて外添剤が2.5倍含まれているトナーを用いた。シリカなどの外添剤は粒径が細かいためそれ自体をクリーニングすることが難しい。加えて、外添量が多いとトナー自体の流動性が高まるため、クリーニングしにくくなる傾向がある。このような条件下で、クリーニングブレードを押し当てる線圧を変化させ、目視でドラムの上にトナーやシリカなどの外添剤のすり抜けが起きない最低の線圧を求めた。
比較例1の電子写真感光体1−32では、線圧50g/cm未満では極微量ながら外添剤のすり抜けが認められた。これを基準とし、以下のようなランクですり抜け(初期すり抜け)の評価を行った。
A・・・線圧35g/cm未満ですり抜け発生。
B・・・線圧35g/cm以上40g/cm未満ですり抜け発生。
C・・・線圧40g/cm以上45g/cm未満ですり抜け発生。
D・・・線圧45g/cm以上50g/cm未満ですり抜け発生。(電子写真感光体1−32と同等)
E・・・線圧50g/cm以上でもすり抜け発生。
このランク付けでは、C以上で本発明の効果が得られていると判断した。
また、以下のようにクリーニングラチチュードの評価を行った。
バネ定数の異なるバネを7段階用意し、クリーニングブレードを押し当てる線圧を変化させてクリーニング不良が起きるかどうかを確認する。通常、線圧が低すぎれば小粒径のトナーがすり抜けてしまい、線圧が高すぎるとビビリが生じて均一なクリーニングができなくなることが多い。このすり抜けとビビリが起こらない線圧の範囲(ラチチュード)を、初期と50万枚耐久試験後とでそれぞれ評価した。このラチチュードが広ければ広いほど、クリーニングの安定性が高いことを示している。鏡面加工を施した導電性基体で作製した電子写真感光体(比較例1の電子写真感光体1−32)を基準とし、以下のようなランクでラチチュード(クリーニングラチチュード)の相対評価を行った。
A・・・電子写真感光体1−32に比べ、初期、耐久試験後とも50%以上ラチチュードが増大
B・・・電子写真感光体1−32に比べ、初期、耐久試験後とも50%未満ラチチュードが増大
C・・・電子写真感光体1−32に比べ、初期は同等だが、耐久試験後にラチチュードが増大
D・・・電子写真感光体1−32と同等のラチチュード
E・・・電子写真感光体1−32未満のラチチュード
このランク付けでは、C以上で本発明の効果が得られていると判断した。
また、50万枚の耐久試験後に、再び電子写真感光体を取り出して表面の反射分光測定を行った。評価方法は、電子写真感光体の反射分光波形を電子写真感光体の任意の周方向で長手方向9点(電子写真感光体の長手方向中央を基準として、0mm、±50mm、±90mm、±130mm、±150mm)を測定した。また、前記任意の周方向から180°回転させた位置での上記長手方向9点、合計18点を測定する。次に、あらかじめ耐久試験前に測定しておいた反射分光結果と波形を比較した。
測定は、2mmのスポット径で電子写真感光体の表面に垂直に光を照射し、分光計(大塚電子製:MCPD−2000)を用いて、反射光の分光測定を行った。このとき、波長範囲を400nmから750nmとし、この範囲での極大、極小値を求めた。前記波長範囲内の極大、極小値の個数を合わせた数が奇数個の場合は、最も長波長側の1つの極大値または極小値を切り捨てて偶数個を選び出した。これら極大・極小値における反射率の平均値を算出し、これを反射率中心値と定義した。
この反射率中心値を、耐久試験前(初期)および耐久試験後で測定し、同じ測定点における値を比較し、耐久試験前後でどれだけ上昇あるいは下降しているかを算出した。それぞれの測定のばらつきを考慮し、上記18点での差分を平均化して該当する感光体の反射率中心値の変化量を見積もった。反射率中心値が大きく上昇していれば表面の削れによる平坦化が起こっていると判断した。一方、反射率中心値が大きく下降していれば、電子写真感光体の表面に反射防止膜のようなものが形成されていると判断した。
得られた結果を比較例1の結果と合わせて表2に示した。表2の総合判定は、上記の評価で最もランクの低いポイントを重視した。例えば1つでもEランクがある場合には、総合判定としてEランクとした。総合評価のランク付けでも同様に、C以上で本発明の効果が得られていると判断した。
<比較例1>
実施例1と同様の作製方法で、Raが0.025μm、0.52μmのものを選別し、実施例1と同様の評価を行った。
得られた結果を実施例1の結果と合わせて表2に示した。
実施例1では、すべてのRa範囲において初期からモアレも起こらず、初期の電子写真感光体の回転トルクも基準となる電子写真感光体1−32に比べて10%以上低減できており、良好であった。また、50万枚の耐久試験後においても、電子写真感光体の回転トルクの上昇がほとんど見られず、回転トルクの上昇が見られた電子写真感光体1−32に比べて相対的にトルク減となった。このことから、長期間の使用によっても、電子写真感光体の回転トルクの増大によるバンディング現象は起こる可能性は小さいと考えられる。また、反射分光波形から得られた反射率中心値が初期約12%程度だったのに対し、耐久試験後はどの電子写真感光体でも1〜4ポイント程度の上昇か、ほぼ変わらなかった。この原因としては、電子写真感光体の表面の微視的な凸部が若干ながら削れ、微視的な粗さとしては平坦な方向にシフトするため、反射率が若干ながら上がったと考えられる。
電子写真感光体1−1〜1−6に注目すると、同程度のピッチで比較したとき、Raが0.050〜0.200の範囲にある加工条件の感光体が最も良好な結果であった。
また、全体的な傾向として、凹凸の深さがある程度以上深ければ、初期の電子写真感光体の回転トルクがより小さくなる傾向が見られた。また、ピッチがある程度以上大きければ、外添剤のすり抜けがより起こりにくくなる傾向が見られた。凹凸の深さやピッチが適正な範囲にある場合、クリーニングラチチュードがさらに拡大する傾向が見られた。
一方、比較例1のRa=0.025μmの電子写真感光体1−32では、実施例1の電子写真感光体に比べて初期からトルクは大きめであり、50万枚の耐久試験後には、電子写真感光体の回転トルクの上昇が見られた。回転トルクの上昇が続けば、クリーニング不良やバンディング現象が起こる可能性があり、POD市場における要求から考えて、回転トルクの上昇がないことが望ましい。
また、特に、耐久試験後のクリーニングラチチュードが狭くなる傾向にあった。すなわち、耐久試験前にはクリーニング不良が起こっていなくても、耐久試験によって電子写真感光体の表面の状態が変わったため、場合によっては、耐久試験後にクリーニング不良が起こる可能性があった。このことから、厳しい画質が要求される場合には、さらにラチチュード拡大が望まれる状況であることがわかった。
また、比較例1のRa=0.520μmの電子写真感光体1−33では、通常のオフィス使用レベルでは許容できる濃度差ではあるが、ハーフトーン画像を出力した場合に軽微ながらモアレが観察された。このようなモアレは、POD市場やグラフィックアート市場においては非常に厳しい基準が求められるため、この電子写真感光体では基準を満たしにくいことがわかった。
以上の結果から、表面層の組成および密度を本発明の好適な範囲に設定したとき、電子写真感光体の表面のRaが0.029μm以上0.500μm以下であることが必須であることがわかった。このとき、初期からクリーニング性も良好で、電子写真感光体の回転トルクの上昇が起こらず、モアレも顕在化しないことがわかった。さらに、Raは0.050μm以上0.200μm以下が特に好ましいことがわかった。また、表面の形状としては深さが0.10μm以上2.00μm以下、より好ましくは0.5μm以上1.5μm以下、周期が1.0μm以上150μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下とすることが好ましいことがわかった。
Figure 2011133865
Figure 2011133865
<実施例2>
アルミシリンダー(導電性基体)を実施例1と同様の方法により直径84mmになるように切削加工した。平バイトを用い、バイト送りを0.03mm/回転とし、バイトを当てる角度を変えることにより膜堆積後(各層形成後)のRaが0.120±0.010μmとなるように調整した。
上記条件で加工を施したシリンダーを、図2に示したプラズマCVD装置に設置し、表3に示した共通条件にて下部注入阻止層、光導電層、表面層を順次形成した。このとき、表3で※印で示した条件を表4のようにすることより、組成、密度、水素含有量を変化させた電子写真感光体No.2−1〜2−9を作製した。
これらの電子写真感光体に対し、実施例1と同様の評価を行った。
加えて、以下に示す階調性評価、感度評価を行った。
(階調性評価)
階調性評価は、キヤノン製デジタル電子写真装置iRC−6800をベースとし、光学系、画像データ処理系を1200dpiに改造したものを用い、シアントナーを用いて評価した。
画像露光光による45度170lpi(1インチあたり170線)の線密度で面積階調ドットスクリーンを用い、面積階調(すなわち画像露光を行うドット部分の面積階調)によって、全階調範囲を17段階に均等配分した階調データを作成した。このとき、最も濃い階調を17、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
次に、上記の改造した電子写真装置に作製した電子写真感光体を設置し、上記階調データを用いて、テキストモードを用いてA3用紙に出力した。このとき、高湿流れが発生すると画像ボケの評価に影響が出るため、温度22℃、相対湿度50%の環境下で、感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面を40℃に保った条件で画像を出力した。
得られた画像を各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では各々の階調ごとに3枚の画像を出力し、それらの濃度の平均値を評価値とした。
こうして得られた評価値と階調段階との相関係数を算出し、各階調の反射濃度が完全に直線的に変化する階調表現が得られた場合である相関係数=1.00からの差分を求めた。そして、「成膜条件2−4で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される差分」に対する「各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される差分」の比を階調性の指標として評価した。この評価において、数値が小さいほど階調性が優れており、直線的に近い階調表現がなされていることを示している。
A‥成膜条件2−4で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.60以下。
B‥成膜条件2−4で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.60より大きく、1.70以下。
C‥成膜条件2−4で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.70より大きく、1.80以下。
D‥成膜条件2−4で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.80より大きく、1.90以下。
E‥成膜条件2−4で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分の比が1.90より大きい。
このランク付けでは、C以上で本発明の効果が得られていると判断した。
(感度評価)
キヤノン製デジタル電子写真装置iRC−6800の改造機を用いた。画像露光を切った状態で帯電器のワイヤーおよびグリッドに、それぞれ高圧電源を接続し、グリッド電位を820Vとし、帯電器のワイヤーへ供給する電流を調整して電子写真感光体の表面電位を色現像器の位置で450Vとなるように設定した。
次に、先に設定した帯電条件で帯電させた状態で、画像露光を照射し、その照射エネルギーを調整して色現像器位置の電位を100Vとした。その際の照射エネルギーを感度と定義した。
感度評価で用いた電子写真装置の画像露光光源は、発振波長が658nmの半導体レーザーである。その際、実施例2で作製した成膜条件2−4の電子写真感光体を搭載した場合の光感度を1.00とした相対比較で示した。
A‥実施例2で作製した成膜条件2−4の電子写真感光体での照射エネルギーに対する照射エネルギーの比が1.05未満。
B‥実施例2で作製した成膜条件2−4の電子写真感光体での照射エネルギーに対する照射エネルギーの比が1.05以上1.10未満。
C‥実施例2で作製した成膜条件2−4の電子写真感光体での照射エネルギーに対する照射エネルギーの比が1.10以上1.15未満。
D‥実施例2で作製した成膜条件2−4の電子写真感光体での照射エネルギーに対する照射エネルギーの比が1.15以上1.20未満。
E‥実施例2で作製した成膜条件2−4の電子写真感光体での照射エネルギーに対する照射エネルギーの比が1.20以上。
このランク付けでは、C以上で本発明の効果が得られていると判断した。
得られた結果を表7に示す。
<比較例2>
導電性基体に実施例2と同様の加工を行い、表3に示した作製条件で電子写真感光体を作製した。このとき、表3のうち※印に該当する箇所を表5に示した条件として電子写真感光体No.2−10〜2−12を作製した。また、表6に示した条件で電子写真感光体No.2−13を作製した。これらに対し、実施例1と同様の評価を行い、得られた結果を実施例2の結果と合わせて表7に示した。
表7に示したとおり、本発明の範囲の組成、密度を持つ表面層を用いた場合、階調性、感度とも良好であり、耐久によってもトルク上昇が見られず、良好な結果が得られた。また、すり抜け試験に関しても良好な結果が得られた。また、電子写真感光体2−4と2−8とを比較すると、C/(Si+C)はほぼ同じにも関わらず、電子写真感光体2−4の方が感度が向上していた。このことから、H/(Si+C+H)は本発明においては特に限定されないものの、0.30以上がより好ましいことがわかった。また、電子写真感光体2−4と2−9とを比較すると、C/(Si+C)はほぼ同じにも関わらず、電子写真感光体2−4の方が耐久試験後のクリーニングラチチュードが向上しているがわかった。このことから、本発明においては特に限定されないものの、H/(Si+C+H)は0.45以下がより好ましいことがわかった。
一方、比較例2で作製した電子写真感光体2−10、2−13の場合、表面形状の工夫で初期ではトルクが低く、すり抜けもないものの、50万枚耐久試験後では比較例1の電子写真感光体1−32に比べ大きなトルク上昇が見られた。トルク上昇が続けば、クリーニング不良やバンディング現象が起こる可能性があり、POD市場における要求から考えて、トルク上昇がないことが望ましい。反射分光波形の反射率の中心値は8〜9ポイント低下しており、反射率中心値は半分以下に低下していた。このことは、表面に反射防止層のようなものが形成されていることを意味する。分析による確定はできなかったものの、表面層の最表面自体が変化したか、あるいは最表面が変化することにより付着確率が変化し、何らかの物質が長期間の耐久により付着した可能性がある。このような表面層の変化あるいは付着層が、表面層自体の屈折率と空気の屈折率との中間の屈折率であれば、反射防止機能として働くことが予想される。このことから、中間の屈折率を持つ何らかの層が形成されている可能性が示唆され、この層がトルクを上昇させていると予想される。
また、電子写真感光体2−11では、初期の段階で階調性がやや悪い結果が得られた。本発明で想定するようなPOD市場、グラフィックアート市場での要求からすると、さらに上のレベルが必要であることがわかった。また、電子写真感光体2−12では、感度低下が見られた。この感度水準は通常使用では問題ないレベルではあるが、上述したPOD市場向けの製品レベルとしては、レーザーなどの光学系の寿命が要求を満足できない恐れや、素子の安定性に影響を及ぼす恐れがあるため、さらに感度を向上させる必要のあることがわかった。
以上の結果から、表面形状をコントロールした上で、表面層の組成、原子密度が本発明の値を満たすようにすることで、POD市場やグラフィックアート市場の厳しい要求に耐え得る高品位な電子写真感光体が得られることがわかった。
Figure 2011133865
Figure 2011133865
Figure 2011133865
Figure 2011133865
Figure 2011133865
101 導電性基体
102 下部注入阻止層
103 光導電層
104 表面層

Claims (9)

  1. 導電性基体と、該導電性基体上の光導電層と、該光導電層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層とを有する電子写真感光体において、
    該表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.61以上0.75以下であり、
    該表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が、6.60×1022原子/cm以上であり、
    該表面層のJIS B0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、0.029μm以上0.500μm以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面層のJIS B0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、0.050μm以上0.200μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層のJIS B0601:2001で規定される十点平均粗さRzjisが、0.100μm以上2.000μm以下であり、前記表面層のJIS B0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRsmが、1.0μm以上150.0μm以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層のJIS B0601:2001で規定される十点平均粗さRzjisが、0.500μm以上1.500μm以下であり、前記表面層のJIS B0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRsmが、10.0μm以上30.0μm以下である請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記導電性基体のJIS B0601:2001で規定される十点平均粗さRzjisが、0.100μm以上2.000μm以下であり、前記導電性基体のJIS B0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRsmが、1.0μm以上150.0μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記導電性基体のJIS B0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRsmが、1.0μm以上10.0μm以下であり、前記導電性基体の表面の形状が、型を押し付けて形成されたものである請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記導電性基体のJIS B0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRsmが、10.0μm以上30.0μm以下であり、前記導電性基体の表面の形状が、旋盤によるバイト切削で形成されたものである請求項5に記載の電子写真感光体。
  8. 前記表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)と水素原子の原子数(H)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+C+H))が、0.30以上0.45以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を有する電子写真装置。
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