JP2000029232A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000029232A
JP2000029232A JP19580798A JP19580798A JP2000029232A JP 2000029232 A JP2000029232 A JP 2000029232A JP 19580798 A JP19580798 A JP 19580798A JP 19580798 A JP19580798 A JP 19580798A JP 2000029232 A JP2000029232 A JP 2000029232A
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image forming
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Yuji Nakayama
雄二 中山
Masaya Kawada
将也 河田
Koji Yamazaki
晃司 山崎
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Takaaki Kashiwa
孝明 栢
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Canon Inc
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
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    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真装置の信頼性大きく向上させ、かつ
電子写真装置のプロダクテビィティーが画期的に飛躍し
ても対応可能な画像形成装置を提供する。 【解決手段】 像担持体にトナー像を形成する画像形成
部と、前記像担持体上の前記トナー像を転写材に転写さ
せる画像転写部と、該画像転写部によって前記転写材に
転写した後の前記像担持体上の転写残トナーを除去する
クリーニング手段を備えた画像形成装置において、前記
像担持体は非晶質シリコン系感光体であり、前記感光体
の初期平均傾斜Δaが0.0001以上0.005以下
であることを特徴とし、かつ前記クリーニング手段は弾
性ブレードであり前記弾性ブレードは温度が5℃〜60
℃の範囲内でかつ前記弾性ブレードの物性がゴム状態を
示す領域において該弾性材の反発弾性率が45℃で45
%以下であり、かつ反発弾性率の温度依存性が0%/℃
〜+1%/℃であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体として非
晶質シリコン系感光体を用いた画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】昨今、複写機、プリンター、Faxとい
った出力端末をすべてかね備えた複合機が市場で広く受
け入れられるようになってきている。このようなネット
ワーク対応の出力端末として電子写真システムが広く受
け入れられてきているわけであるが、大きな問題の一つ
として本体のDuty Cycleがあげられてきている。サービ
スマンメンテなしで本体が正常に稼動し続ける限界枚数
のことであるが、Duty Cycleの最大の律速となっている
一つに感光ドラムの寿命が挙げられている。また、エコ
ロジーの観点から廃棄物をなくす、すなわち消耗品を減
らすこと、消耗品の寿命を延ばすこと、信頼性を上げる
ことが我々の絶対的課題となってきている。さらに従来
のアナログの装置からデジタル化が進み、本体コストは
アナログ等価もしくは、それ以下にすることも我々の絶
対的課題となってきている。
【0003】そのような中で像担持体としてアモルファ
スシリコン感光体が、硬度が大きく(JIS規格ビッカ
ース硬度1000Kg/m2 以上)、耐久性、耐熱性、
環境安定性にも優れているので、次第に多用されてきて
おり、特に高信頼性を要求されている高速機において
は、不可決のものとなってきている。
【0004】しかしながら、この種の装置において像担
持体表面に付着して画質に影響を及ぼすのはトナーばか
りではなく、転写材として殆どの場合利用されている紙
から発生する微細な紙粉、これから析出する有機質成
分、装置内高圧部材の存在に起因して発生するコロナ生
成物などで像担持体表面に付着した異物が、特に高湿環
境下において低抵抗化して鮮明な静電潜像の形成を妨げ
これが画質の劣化の招来する要因と考えられている。
【0005】上記のような画像の劣化現象は、シラン類
のグロー放電分解によって成膜構成する非晶質シリコン
感光体の場合に発生しやすいことが知られている。この
ような欠点を回避するために、特に1成分系磁性トナー
を使用する場合において、クリーニング装置内におい
て、像担持体の走行方向にみて、クリーニングブレード
の上流側にマグネットローラを配設してクリーニング装
置に回収したトナーの一部で、磁気ブラシを形成し、こ
れを像担持体表面に接触させて磁性トナーを再供給しブ
レード部位におけるトナー粒による研磨作用によって前
述のような各種異物を摺擦除去するように構成したもの
が提案されている。このような手段は、ウェップ、ゴム
ローラなどにより、別途用意した研磨材で、像担持体表
面を摺擦するような仕方に比べると研磨作用が像担持体
表面で局所的に偏ることが少なく、像担持体表面の劣化
も小さい。上記の方法に例えば、像担持体にヒータを配
設して、夜間、スタンバイ中も周辺の湿度を低下させて
像担持体表面の低抵抗化を防ぐなどの付帯手段を併用す
ることによって、前述のような原因による画像劣化を阻
止するのに一定の効果を上げている。
【0006】像担持体表面に形成した可転写トナー像
を、紙を主とする転写材に転写する工程を繰り返す画像
形成装置においては、転写の際、転写材に転移せず像担
持体に残る残留トナーをその都度充分に除去することが
必要である。
【0007】このため、クリーニング手段としては、従
来から幾多の提案がなされているが、ウレタンゴムなど
の弾性材料からなるクリーニングブレードによって前記
残留トナーを掻き落すようなものが、その構成が簡単で
コンパクトで低コストであり、しかもトナー除去機能も
優れているので広く実用化されている。クリーニングブ
レードのゴム材料としては、高硬度でしかも弾性に富
み、耐摩耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性、に卓
越しているウレタンゴムが一般的に使われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第一
に、近年省エネルギーの観点から像担持体に配設してあ
るヒーターを無くすことが強く要望されている。
【0009】画像流れを発生させる要因としては、トナ
ー、転写材として殆どの場合利用されている紙から発生
する微細な紙粉、これから析出する有機質成分、装置内
高圧部材から高エネルギーでのコロナ放電時、様々な金
属酸化物、酸素化合物の発生と共に、空気中の窒素が酸
化され硝酸イオンとなる成分などが、像担持体表面に付
着することにより感光体表面に薄膜(以下フィルミング
膜と称す)を耐久により形成し、高湿環境下において吸
湿し低抵抗化して鮮明な静電潜像の形成を妨げこれが画
質の劣化の招来する要因となっている。
【0010】前記耐久によるフィルミング膜層は、我々
の実験では光学的手法により約30オングストローム〜
80オングストロームであることが確かめられている。
しかし、今回の我々の実験において耐久初期において、
上記フイミング膜層は約30オングイストローム〜80
オングストロームに達し、それ以後は膜厚の変化は殆ど
ないが耐久が進行するにつれて、初期は乾拭き、水拭
き、アルコール拭きで画像劣化が解消されているもの
が、解消されなくなることが判明した。このような状態
で耐久が進んだドラム表面は、0.3μm〜2μm程度
の酸化セリウム(CeO2 )などの砥粒をアルコールな
どに分散させたもので研磨しなければ画像劣化が解消さ
れないことが判明した。このことは特にドラムヒータを
装着しない場合に顕著に発生する。さらに我々は鋭意検
討を進めて、様々な表面形状の初期の感光体と耐久後の
感光体表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察した。
耐久後の感光体表面は初期に比べて、摩耗により殆ど平
滑になっているように見えた。耐久後の感光体表面を有
機溶媒(MEK、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na2
28 ))により加熱もしくは超音波洗浄を行った。
そうしたところ、感光体の初期平均傾斜Δaに対応して
特に凹部のフィルミング量が異なり、それに対応して画
像流れの発生の相関があることを発見した。以上のよう
にドラムヒータを装着しない場合は耐久によるフィルミ
ング膜を初期から形成させない画像形成装置を発案する
ことが必須であり、特にその中でもドラム表面に前記機
能を持たせる方法を発案することが必須であることが判
明した。
【0011】第二に上述のように耐久によりクリーニン
グブレードによる転写残トナーとドラム間の摩擦力が上
がっていることが今回の我々の実験で新たに発見され
た。
【0012】これは耐久により形成されたフィルミング
膜は、クリーニングブレードとドラム表面、転写残トナ
ーとドラム表面の密着度、親和性が上昇し摩擦力を上昇
させている。
【0013】摩擦力の上昇は、クリーニングブレードの
せん断応力、トナー間のせん断応力、ドラム表面近傍の
せん断応力が上昇することと考えられる。その結果クリ
ーニングブレードのチッピング、永久ひずみせん断応力
の増大による発熱量の増大によるトナー融着の発生、ド
ラム内部応力増大による疲労摩耗の増大の発生につなが
っていると考えられる。
【0014】第三に近年、上述のように複写機のみの機
能としてではなく、プリンターとしても広く使用される
ようになってきている。また、フィーダ機能、ソータ機
能といったアプリケーションの充実も進み、一度のジョ
ブが4000枚以上の連続動作が可能となってきてい
る。例えば、50枚/A4機の場合簡単に試算しても8
0分以上連続動作が行われることになる。このような状
況下では、感光体近傍の雰囲気温度は50℃近くまで達
しクリーニングブレードと感光体との当接(ニップ)部
では、それ以上の温度に達していると考えられる。その
ため感光体上にトナー融着が発生する頻度が多くなって
しまった。
【0015】第四にクリーニングブレードはドラム表面
に対しての当接角、自由長、肉厚、総圧、線圧、クリー
ニングブレード材のゴム物性などにより、クリーニング
ラティテュードは決定されていた。例えば、特開平06
−274079には、低温低湿環境下でのクリーニング
ブレードエッジ上の欠け(以下チッピングと称す)クリ
ーニングブレード鳴き解消のためにtanδのピーク温
度を−13℃〜−16℃、反発弾性を高く、ヤング率を
下げることが記載されている。しかし高温領域での反発
弾性に関しての記載はない。
【0016】今回の我々の実験では、クリーニングブレ
ードのゴム材の反発弾性率により上述のトナー融着を抑
制させることが可能になることが判明した。
【0017】また、ドラム上に発生するトナー融着の原
因はアモルファスシリコン感光体上では有機感光体とは
異なる。有機感光体はシリカなどの外添剤の微粒子が感
光体表面に埋め込まれ角となってトナー融着が発生する
のに対して、アモルファスシリコン感光体では、感光体
表面に数μmの突起がある場合、もしくは核となるべき
ものがなくても雨降り状のトナー融着が発生する。
【0018】しかしゴム材は一般的に温度依存性が大き
くクリーニングブレードとして使用されているウレタン
ゴムは、特に温度依存性の大きいゴム材である。
【0019】本発明は、このような問題に対処するべく
なされたものであってドラムヒータなしで画像流れを発
生させない感光体表面形状、融着を発生させないクリー
ニングブレードなどにより、電子写真装置の信頼性を大
きく向上させることと、かつ電子写真装置のプロダクテ
ビィティーが画期的に飛躍しても対応可能なクリーニン
グ装置を有している電子写真装置を目的とするものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0021】すなわち本発明は、像担持体にトナー像を
形成する画像形成部と、前記像担持体上の前記トナー像
を転写材に転写させる画像転写部と、該画像転写部によ
って前記転写材に転写した後の前記像担持体上の転写残
トナーを除去するクリーニング手段を備えた画像形成装
置において、前記像担持体は非晶質シリコン系感光体で
あり、前記感光体の初期平均傾斜Δaが0.0001以
上0.005以下であることを特徴とする画像形成装置
を提案するものであり、前記像担持体の表面異常成長突
起部分の高さを、5.0μm以下に研磨処理してから使
用すること、前記感光体の実使用状態における表面層の
摩耗率が、0.01オングストローム/1,000回転
〜2.0オングストローム/1,000回転であるこ
と、前記クリーニング手段は弾性ブレードであり前記弾
性ブレードは温度が5℃〜60℃の範囲内でかつ前記弾
性ブレードの物性がゴム状態を示す領域において該弾性
材の反発弾性率が45℃で45%以下であり、かつ反発
弾性率の温度依存性が0%/℃〜+1%/℃であるこ
と、前記クリーニングブレードのドラム表面に対する当
接幅(ニップ幅)は、5μm以上60μm以下であるこ
と、前記トナーは平均粒径は6μm〜8μmであり、か
つガラス転移温度40℃〜60℃を有する結着樹脂10
0重量部に対して固体ワックス0.2〜20重量部、磁
性粉10〜200重量部を少なくとも有していることを
含む。
【0022】本発明によれば、像担持体にトナー像を形
成する画像形成部と、前記像担持体上の前記トナー像を
転写材に転写させる画像転写部と、該画像転写部によっ
て前記転写材に転写した後の前記像担持体上の転写残ト
ナーを除去するクリーニング手段を備えた画像形成装置
において、前記像担持体は非晶質シリコン系感光体であ
り、前記感光体の初期平均傾斜Δaが0.0001以上
0.005以下であることにより高湿化により表面抵抗
が、低下することなく画像流れに対しての信頼性が向上
する。様々な表面形状の初期の感光体と耐久後の感光体
表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察した。耐久後
の感光体表面は初期に比べて、殆ど平滑になっているよ
うに見えた。耐久後の感光体表面を有機溶媒(MEK、
ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na228 ))によ
り長音波洗浄を行った。そうしたところ、感光体の初期
平均傾斜Δaが0.005以下のものは、耐久後に画像
流れの発生もなくかつ、耐久後のドラム表面について有
機溶媒洗浄前後でも大きな形状の変化も生じなかった。
それに対して感光体の初期平均傾斜Δaが0.005以
上のものは、耐久にしたがい画像流れの発生が生じ耐久
後のドラム表面について有機溶媒洗浄前後で大きな形状
の変化が確認された。
【0023】このことは、Δaが大きいと表面の凹部に
フィルミング膜が形成され画像流れ誘因物質となってし
まうと考えられる。
【0024】Δaが0.0001未満ではドラム表面に
トナーの融着を発生しやすい。
【0025】本発明によれば、クリーニングブレード材
の反発弾性率45℃で45%以下であり、反発弾性率の
温度依存性が0%/℃〜1%/℃と低反発弾性率を用い
ることでトナー融着に対する信頼性の向上が可能にな
る。
【0026】上記件について説明すると、ドラム上に発
生するトナー融着の原因はアモルファスシリコン感光体
上では有機感光体とは異なる。有機感光体はシリカなど
の外添剤の微粒子が感光体表面に埋め込まれた角となっ
てトナー融着が発生するのに対して、アモルファスシリ
コン感光体では感光体表面に数μmの突起がある場合、
もしくは核となるべきものがなくても雨降り状のトナー
融着が発生する。前者の融着に対しては、平均粒径6μ
mトナーでも突起5μm以下なら発生しないことが判明
した。後者の融着に対しては、ブレード材の反発弾性率
との相関があることが判明した。通常の測定温度である
23℃付近の反発弾性率では、実機上での使用条件との
反発弾性率とは異なる。我々が鋭意検討を進めたところ
反発弾性率の温度依存を小さくすれば、雰囲気温度、連
続通紙による昇温などの振れに対してトナー融着を発生
させないことが可能となることが判明した。
【0027】温度と反発弾性率の融着発生に対する範囲
を示したものが図5である。図5で部材1は反発弾性率
(%)がその時点の温度(℃)の値よりも高いため融着
が発生してしまう。部材3は25℃付近では融着発生し
ないが、温度(℃)の変化率に対して反発弾性率(%)
の変化率が大きいため高温領域で融着が発生してしま
う。クリーニングブレードゴム材は、昇温するにしたが
って、高弾性となっていく。転写残トナーをクリーニン
グする場合、昇温によりブレードゴム材が高弾性となり
局所的に転写残トナーがあると、負荷変動は生じブレー
ドエッジが転写残トナーから離れやすくなる。その結
果、瞬間的にクリーニングブレードエッジによりクリー
ニングされないトナーが核となり、トナー融着が発生す
ると考えられる。このような理由によりトナー融着が反
発弾性率が高いと発生する原因と考えられる。
【0028】本発明によれば、総圧を上げていってもニ
ップ幅が増えていくだけで面圧は増加しない。この場合
60μm以上になるとフィルミング膜は早期から積層さ
れてしまう。これはクリーニングブレードもエッジが確
実に感光体に当たらずに腹当たりしてしまう−すなわち
感光体に対する圧分布がブローになってしまうと考えら
れる。逆にニップ幅10μm以下であると部品構成公差
が厳しくなってしまい部分的にニップを形成できなくな
ってしまいクリーニング不良を発生させてしまう。ニッ
プ幅10μm〜60μmであれば、画像不良を発生させ
るようなフィルミング膜防止が可能になる。
【0029】クリーニングブレードのドラム表面に対し
て面圧(g/mm2 )を上げることにより、フィルミン
グ膜形成を抑制させることが可能になる。具体的には、
100g/mm2 以上で上記効果が明らかに発揮され、
400g/mm2 以上になるとブレード材のせん断応力
が大きくなりすぎ破断してしまう。また、保持部材の強
度も限界になり装置自体の動作も不可能になってしまっ
た。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
細に説明する。
【0031】(本発明の用いた感光体処方)プラズマC
VD装置を用いて表1の条件により円筒状導電性基体上
に阻止層、光導電層を積層した後、表2の条件での表面
層を0.6μm堆積し光受容部材を製造した。
【0032】図4は本発明による光受容部材の模式的な
断面図の一例である。
【0033】図4に示すa−Si系光受容部材は、アル
ミニウムなどの導電性基体401上に少なくともシリコ
ン原子を含む非晶質材料で構成された光導電層403を
積層し、さらに炭素原子と水素原子を含むa−C:H膜
または、a−SiC:H膜からなる表面層404を順次
積層された感光層402を有する光受容部材である。
【0034】プラズマCVD法による光受容部材の堆積
は公知の手法において、かまわないが、特には、高周波
電源を周波数1MHz〜450MHzの高周波電力を供
給し高周波グロー放電を生起させることが表面層のクリ
ーニング性能の向上にとって好ましい。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】 (Raと△aとの相関は少ない。)
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0040】(第一の実施例)まず、本発明に係る画像
形成装置の例として電子写真複写機の構成の概要を図1
と図2に基づいて説明する。
【0041】図1は電子写真複写機の基本構成を示す断
面図であり、同図において1は図示矢印方向R1に所定
の速度で回転駆動される像担持体であるアモルファスシ
リコン感光体ドラムであり、該感光ドラム1の周囲に
は、前露光装置2、一次帯電器3、現像装置5、転写分
離帯電器7、クリーニング装置9がそれぞれ配設されて
いる。なお、上記クリーニング装置9のクリーニングブ
レード9aは厚み2mmのウレタンゴムで構成されてい
る。
【0042】なお、前記一次帯電器3、現像スリーブ5
a及び転写分離帯電器7には、不図示の高圧電源などが
接続されている。また、感光ドラム1、現像スリーブ5
aはそれぞれ不図示の駆動モータを有し、独立に回転駆
動される。
【0043】次に、本電子写真複写機における画像形成
動作について説明する。
【0044】感光ドラム1は、図示矢印方向に所定速度
で回転駆動され、前記前露光装置2によってその表面が
除電された後、一次帯電器3によってその表面が一様に
帯電される。そして、感光ドラム1の表面に画像露光4
(レーザ光 ピーク波長653nm)が照射されると、
該感光ドラム1の表面には画像に対応する静電潜像が形
成され、該静電潜像は前記現像装置5によって現像され
てトナー像として顕画化される。
【0045】一方、転写材Pが不図示の搬送系によって
レジストローラ10に給送され、該転写材Pはレジスト
ローラ10によって適当なタイミングで感光ドラム1と
転写分離帯電器7の間の転写ニップ部に送られ、感光ド
ラム1上の前記トナー像の転写を受けた後、転写分離帯
電器7の作用によって感光ドラム1から分離される。
【0046】そして、感光ドラム1から分離された転写
材Pは、前記搬送装置11によって定着装置12に送ら
れ、トナー像ののった転写材Pを定着する。
【0047】なお。本実施例に係る電子写真複写機にお
ける最大画像幅はA4横の約290mmであり、ドラム
周速は300mm/secである。
【0048】ところで、上記感光ドラム1は、直径80
mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上にグロー
放電などによって厚さ30μmのアモルファスシリコン
感光層を形成して構成されている。感光ドラムの表層と
しては、SiC:Hを8000オングストローム積層し
たものを用いた。
【0049】また、前記現像装置5は、直径20mmの
アルミニウムシリンダ表面にフェノール樹脂、グラファ
イト、カーボンを混合したコート層を形成して成る現像
スリーブ5aを有し、内部には現像剤であるトナーtを
収容している。
【0050】なお、現像スリーブ5aは感光ドラム1と
順方向に相対速度150%で駆動され、該現像スリーブ
5aと感光ドラム1間の隙間は230μmに設定されて
いる。また、現像スリーブ5a上へのトナーtのコート
には磁性ブレードが用いられ、現像スリーブ5aと磁性
ブレードの隙間は280μmに設定され、現像バイアス
として、周波数2700Hzピーク間電圧1400vデ
ューティー比35%の矩形波と直流を重畳したものが現
像スリーブ5aに印加される。
【0051】さらに、クリーニング装置9のクリーニン
グ容器9bには、前記感光ドラム1の表面に当接された
クリーニングブレード4が保持されている。
【0052】図2は、クリーナー部の概略断面図で、ク
リーニングブレード9aは、ウレタンを主体とした弾性
ブレードで硬度70°(Hs)反発弾性率15(%)
(40℃での反発弾性率25%)300%モジュラス2
00(kg/cm2 )(いずれもJIS規格による)の
もので当接角度24°当接圧10(g/cm)面圧15
0g/mm2 にて感光体1に配設してある。クリーニン
グブレード9aは、板厚2mmであり、部材9cSUS
(板厚1.0)が背板として配設されている。クリーニ
ングブレードの自由長としては、3mmである。クリー
ニング容器24内の前記クリーニングブレード4の上流
側(感光ドラム1の回転方向に対して上流側)には、図
1の紙面垂直方向に長いマグネットローラ22が感光ド
ラム1との間に所定隙間を形成して設けられている。ク
リーナー前露光上流側には、分離爪29が配設されてい
る。マグローラ22は感光体1の回転方向に対して順方
向で相対速度10%の周速にて回転している。前露光2
としては、660nmのピーク波長を主体とした発光ダ
イオードを用いピーク波長の1/2になる半値幅は約2
5nmであり露光量としては、20μJ/cm2 であ
る。前露光2から一次帯電器3までは約50mm/se
cである。マグローラ22は感光体1の回転方向に対し
て逆方向で相対速度180%の周速にて回転している。
マグローラ22は感光体1に対して1.0mmの隙間を
あけて配設している。規制ローラ23はマグローラ22
に対して1.8mmの隙間をあけて配設されおりマグロ
ーラ22と相対速度180%で逆方向に回転している。
前露光3としては660nmのピーク波長を主体とした
発光ダイオード(素子GaAlAs)を用いピーク波長
の1/2になる半値幅は約25nmであり露光量として
は、10μJ/cm2 である。前露光2から一次帯電器
3までは約50mm/secである。
【0053】トナーtとしては、まず磁性粉は、八面体
平均粒径0.18μmを使用した。プラス帯電の平均粒
径約6.5μm、主なバインダーはスチレン−アクリル
共重合体、磁性体が約100重量部で外添剤に無機粉末
であるシリカを0.5重量部使用した、ガラス転移点約
60℃の1成分磁性トナーが用いられ、該トナーtの現
像スリーブ5a上の電荷量は+3〜+12(μC/
g)、コート量は0.6〜1.3mg/cm2 である。
【0054】感光体1は表2のダイプAを使用し、特平
07−010488記載のような感光体表面の球状突起
をRmax5μm以下に研磨処理したものを使用した。
【0055】本発明では300万枚の耐久後でも高温高
湿(32.5℃/85%)の環境下でも画像流れの発生
は生じなかった。またクリーニングブレードエッジ部に
チッピング等の問題は発生しなかった。そして、感光体
1も300万枚耐久後も融着、部分的なフィルミング膜
の発生、摺擦傷など画像に発生するような問題は全く生
じなかった。また、摩耗量は0.4オングストローム/
1000回転であった。300万枚の感光体平均傾斜Δ
aは、0.0001であった。その後、5%ペルオキソ
二硫酸ナトリウム(Na228 )水溶液中で加熱
(70℃〜80℃30分)アセトン中で超音波洗浄(約
1分)エタノール/純水でリンス後の感光体平均傾斜Δ
aは、0.0005であった。平均傾斜Δaは、AFM
(原子力間顕微鏡:Digital Instruments 社製NanoScop
e IIIa Dimension 3000/走査モード、タッピングモード
/走査範囲200μm×20μm探針Siカンチレバ
ー)にて測定した。その得られた三次元測定値を(株)
小坂研究所製(1993年3月製造)の表面粗さ測定器
SE−3300の取扱説明書第8章「表面粗さの用語と
パラメ−タの定義」8−12項に記載の平均傾斜の定義
に従って算出した。
【0056】また、膜厚測定を反射分光式干渉計(大塚
電子(株)製MCDP2000)にて測定したところ1
0オングストロームのフィルミング層が確認できた。ま
た、感光体B,G,Hについても検討したが300万枚
の耐久後でも高温高湿(32.5℃/85%)の環境下
でも画像流れの発生は生じなかった。また、クリーニン
グブレードエッジ部にチッピングなどの問題は発生しな
かった。そして、感光体1も300万枚耐久後も融着、
部分的なフィルミング膜の発生、摺擦傷など画像に発生
するような問題は全く生じなかった。
【0057】(第二の実施例)実施例1と同様の構成
で、感光体Gを用いクリーニングブレード材は下記のよ
うに変更した。
【0058】クリーニングブレードは、ウレタンを主体
とした弾性ブレードで硬度77°(Hs)反発弾性率1
0(%)(25℃)(40℃でも反発弾性率20%)3
00%モジュラス250(kg/cm2 )(いずれもJ
IS規格による)のもので当接角度28°当接圧20
(kg/cm2 )面圧200g/mm2 にて感光体1に
配設してある。本発明では300万枚の耐久後でも高温
高湿(32.5℃85%)の環境下でも画像流れの発生
は生じなかった。また感光体1を300万枚耐久後も融
着、部分的なフィルミング膜の発生、クリーニング不
良、摺擦傷など画像に発生するような問題は全く生じな
かった。
【0059】(第三の実施例)本実施例の構成は第一の
実施例とほぼ同等で、変更箇所のみ図3に添って説明す
る。マグネットローラ22の代わりにウレタンスポンジ
ローラ30を配設した。ウレタンスポンジローラ30
は、φ12の芯がねの上に4.0mmの肉厚でウレタン
スポンジを装着しており、スポンジの気孔率0.60の
ものを用いた。クリーニングブレード材は実施例1と同
じものである。またウレタンスポンジローラは感光体1
に対して総圧2.0kgfで加圧しており、感光体1の
回転方向にに対して順方向で相対速度25%の周速にて
回転している。感光体1を300万枚耐久後も画像流
れ、融着、部分的なフィルミング膜の発生、クリーニン
グ不良、摺擦傷など画像に発生するような問題は全く生
じなかった。また、摩耗量は0.8オングストローム/
1000回転であった。また。感光体B,G,Hについ
ても検討したが300万枚の耐久後でも高温高湿(3
2.5℃/85%)の環境下でも画像流れの発生は生じ
なかった。また、クリーニングブレードエッジ部にチッ
ピングなどの問題は発生しなかった。そして、感光体1
も300万枚耐久後も融着、部分的なフィルミング膜の
発生、摺擦傷など画像に発生するような問題は全く生じ
なかった。
【0060】(第一の比較例)実施例1と同様の構成で
感光体Dを用いた。
【0061】高温高湿(32.5℃/85%)の環境下
で約50万枚の耐久後、画像流れの発生が生じた。10
0万枚後の感光体平均傾斜Δaは0.001であった。
その後、5%ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na22
8 )水溶液中で加熱(70℃〜80℃30分)アセト
ン中で超音波洗浄(約1分)エタノール/純水でリンス
後の感光体平均傾斜Δaは0.004であった。また膜
厚測定を100万枚後の洗浄前後で反射分光式干渉計
(大塚電子(株)製MCDP2000)にて測定したと
ころ80オングストロームのフィルミング層が確認でき
た。また、感光体C,E,Fについても検討したが高温
高湿(32.5℃/85%)の環境下でそれぞれ100
万枚、60万枚、120万枚での耐久後、画像流れの発
生が生じた。
【0062】(第二の比較例)実施例と同様の構成で、
クリーニングブレードの材質のみ変更した。
【0063】クリーニングブレードは、ウレタンを主体
とした弾性ブレードで硬度73°(Hs)反発弾性率3
5(%)(25℃)(40℃でも反発弾性率67%)3
00%モジュラス150(kg/cm2 )(いずれもJ
IS規格による)のもので当接角度24°当接圧10
(kg/cm2 )面圧150g/mm2 にて感光体1に
配設してある。
【0064】約5万枚の耐久後、融着が発生した。その
後融着の長さも長くなりかつ、個数も増えていった。
【0065】(第三の比較例)実施例3とほぼ同様の構
成で、感光体1の回転方向に対してスポンジローラ順方
向で相対速度50%の周速にて回転させた。また、感光
体は感光体Eを用いた。
【0066】高温高湿(32.5℃/85%)の環境下
で約200万枚の耐久後、画像流れの発生は生じなかっ
た。しかし、表面層が部分的にムラ削れが発生し、表面
層約8000オングストロームが部分的になくなってい
るのが確認された。
【0067】また膜厚測定を反射分光式干渉計(大塚電
子(株)製MCDP2000)にて測定したところ摩耗
量は2.4オングストローム/1000回転であった。
【0068】(第四の比較例)基本構成は、実施例2と
同様で感光体1上に異常成長突起8μmがあるものを使
用した。約3万枚通紙後に突起部に融着が発生し、50
万枚通紙後に突起部分からクリーニング不良が発生し
た。
【0069】
【発明の効果】本発明により、ドラムヒータなしで画像
流れを発生させない感光体表面形状、融着を発生させな
いクリーニングブレードなどにより、電子写真装置の信
頼性を大きく向上させることができ、かつ電子写真装置
のプロダクテビィティーが画期的に飛躍しても対応可能
なクリーニング装置を有している電子写真装置を提供す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の概略図である。
【図2】本発明の電子写真装置のクリーニング装置の概
略図である。
【図3】本発明の実施例3のクリーニング装置の概略図
である。
【図4】本発明に用いた感光ドラムの層構成を示す図で
ある。
【図5】本発明の温度と反発弾性率のドラム融着に対す
る発生領域を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 前露光 3 一次帯電器 4 画像露光 5 現像器 5a 現像スリーブ 7 転写分離帯電器 9 クリーニング装置 9a クリーニングブレード 10 レジストローラ対 11 搬送部 12 定着装置 20 実施例3のクリーニング装置 21 実施例3のクリーニングブレード 22 マグローラ 23 規制ローラ 24 クリーナー容器 25 加圧バネ 26 クリーナーブレードイコライズ部材 27 SUS1.0tクリーニングブレード背板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 350 G03G 21/00 318 (72)発明者 山崎 晃司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 栢 孝明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 CA01 CA14 CB01 EA03 EA05 2H034 AA06 BF03 2H035 CA07 CB03 2H068 DA21 DA50 FA16 FC15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体にトナー像を形成する画像形成
    部と、前記像担持体上の前記トナー像を転写材に転写さ
    せる画像転写部と、該画像転写部によって前記転写材に
    転写した後の前記像担持体上の転写残トナーを除去する
    クリーニング手段を備えた画像形成装置において、前記
    像担持体は非晶質シリコン系感光体であり、前記感光体
    の初期平均傾斜Δaが0.0001以上0.005以下
    であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記像担持体の表面異常成長突起部分の
    高さを、5.0μm以下に研磨処理してから使用する請
    求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記感光体の実使用状態における表面層
    の摩耗率が、0.01オングストローム/1,000回
    転〜2.0オングストローム/1,000回転である請
    求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記クリーニング手段は弾性ブレードで
    あり前記弾性ブレードは温度が5℃〜60℃の範囲内で
    かつ前記弾性ブレードの物性がゴム状態を示す領域にお
    いて該弾性材の反発弾性率が45℃で45%以下であ
    り、かつ反発弾性率の温度依存性が0%/℃〜+1%/
    ℃である請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記クリーニングブレードのドラム表面
    に対する当接幅(ニップ幅)は、5μm以上60μm以
    下である請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記トナーは平均粒径は6μm〜8μm
    であり、かつガラス転移温度40℃〜60℃を有する結
    着樹脂100重量部に対して固体ワックス0.2〜20
    重量部、磁性粉10〜200重量部を少なくとも有して
    いる請求項1に記載の画像形成装置。
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