JP2002082584A - 電子写真装置のクリーニング装置及びクリーニング方法 - Google Patents

電子写真装置のクリーニング装置及びクリーニング方法

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JP2002082584A
JP2002082584A JP2000273589A JP2000273589A JP2002082584A JP 2002082584 A JP2002082584 A JP 2002082584A JP 2000273589 A JP2000273589 A JP 2000273589A JP 2000273589 A JP2000273589 A JP 2000273589A JP 2002082584 A JP2002082584 A JP 2002082584A
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cleaning
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electrophotographic apparatus
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Hironori Owaki
弘憲 大脇
Koji Yamazaki
晃司 山崎
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光受容部材の表面がムラ削れせず、均一に摩
耗し、現像剤の融着が発生しない電子写真装置のクリー
ニング装置及びクリーニング方法を提供する。 【解決手段】 Rmax0.5〜4.0なる螺旋状の凹
凸を設けた導電性基板に、感光層を35μm以上50μ
m以下、光受容部材に平均粒径5〜8μmの現像剤を現
像、転写材へ転写し、現像剤が転写された後の光受容部
材表面を弾性ゴムブレードでスクレープクリーニングす
る電子写真装置で、表面層の磨耗量が1オングストロー
ム(0.1nm)/1万回転以上10オングストローム(1nm)/
1万回転以下の範囲で、磨耗に応じて表面自由エネルギ
ーが増加、かつ該ブレードとの摩擦トルクが上昇する様
に構成された事を特徴とする電子写真装置のクリーニン
グ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置のクリ
ーニング装置及びクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真光受容部材に用いる光受容部材
の素材としては、セレン、硫化カドミニウム、酸化亜
鉛、アモルファスシリコン(以下a−Siと記す)等の
無機材料、或は有機材料等、各種の材料が提案されてい
る。これらのうちでもa−Siに代表される珪素原子を
主成分として含む非単結晶質堆積膜、例えば水素及び/
又はハロゲン(例えばフッ素、塩素等)を含む(例えば
水素またはダングリングボンドを補償する)a−Si等
のアモルファス堆積膜は高性能、高耐久、無公害な光受
容部材として提案され、その幾つかは実用化されてい
る。特開昭54−86341号公報、USP4,26
5,991号には、光導電層を主としてa−Siで形成
した電子写真光受容部材の技術が開示されている。また
特開昭60−12554号公報には珪素原子を含有する
非晶質シリコンからなる光導電層の表面に炭素及びハロ
ゲン原子を含む表面層が開示されており、更に特開平2
−111962号公報には、a−Si:H又は、a−
C:H感光層上に表面保護潤滑層を設けた光受容部材が
開示されているが、何れも撥水性や耐磨耗性を向上させ
る技術であり、電子写真プロセスと表面層の削れ性との
関係に関する記載はない。
【0003】シリコン系非単結晶堆積膜の形成法として
は、スパッタリング法、熱により原料ガスを分解する方
法(熱CVD法)、光により原料ガスを分解する方法
(光CVD法)、プラズマにより原料ガスを分解する方
法(ブラズマCVD法)等、多数の方法が知られてい
る。中でもプラズマCVD法、即ち原料ガスを直流又は
高周波(RF、VHF)又は、マイクロ波を利用して発
生させたグロー放電等によって分解し、ガラス、石英、
耐熱性合成樹脂フィルム、ステンレス、アルミニウム等
の所望の基体上に堆積膜を形成する方法は、電子写真用
アモルファスシリコン堆積膜の形成方法等にとどまら
ず、他の用途の堆積膜の形成方法を含め、現在実用化が
非常に進んでおり、そのための装置も各種提案されてい
る。
【0004】更に、電子写真用光受容部材への適用を鑑
みても近年では膜質及び処理能力の向上に対する要望が
強くなっており様々な工夫も検討されている。
【0005】特に、高周波電力を用いたプラズマプロセ
スは、放電の安定性が高く酸化膜や窒化膜等の絶縁性材
料の形成にも使用できる等様々な利点により使用されて
いる。
【0006】光受容部材としては、高速に対応した電子
写真特性の向上が要求されると共に、より精彩な画質を
要求される昨今においては、光受容部材特性の改善はも
とより、現像剤の小粒径化が進められ、コールターカウ
ンター等による重量平均粒径が5〜8μmであるものが
多く使われている。
【0007】現像剤も用途によって多種のものがある
が、1成分現像剤がキャリアーの劣化、交換がなく現像
器を小型化できることから、近年採用する機種が増加し
ている。こうした現像剤は磁性体を分散させた樹脂を重
量平均径3〜15μm程度の球形、または不定形に合成
乃至粉砕して分球品と呼ばれる母体を形成し、更に機能
を付加するためにサブミクロンの外添剤と呼ばれる粉体
を表面に添付させる。より具体的には、磁性体としては
マグネタイト、樹脂としてはポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリブタジエン、外添剤としてはアルミナ、シリ
カ、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
【0008】前記現像剤の融着発生時点のメカニズム
は、外添剤がフィルム状に析出するタイプ、分球品が融
けて付着するタイプの2種類に大別される。
【0009】a−Si光受容部材は、表面硬度が高く、
繰り返し使用により光受容部材表面が著しく削れる等の
画像品質低下を引き起こすことはないが、a−Si光受
容部材の表面にはその製法上、異常成長による突起を有
しているのが現状である。突起の高さは概ね2〜3μの
ものがほとんどであるが、稀に10μを越えるものもあ
り、そのような突起はブレードにダメージを与えること
がある。特に硬度を高めたブレードは脆いため、プロセ
ススピードが400mm/sec以上でダメージを受け
るとブレード欠けが生じることがあった。ブレード欠け
を防止する手段は、突起の高さを5〜6μ以下に制限す
る事であり、特公平07−010488記載のような研
磨手段を用いて処理される事が有効である。しかし、現
像剤の融着防止についてはブレード材質の向上を待つ状
況にあった。
【0010】また、a−Si光受容部材は特公平7−3
6081に記載のようにオゾン生成物や転写等の除去の
為にブレード自身(5〜10オングストローム(0.5-1n
m)/1万枚)、乃至弾性クリーニングローラなどで表面
摺擦(約25〜50オングストローム(2.5-50nm)/1万
枚)してこれらを除去することが行われていた。しか
し、現像剤の小粒径化に伴う融着についての開示が無
く、近年の現像剤の小粒径化、コピースピードの高速化
における現像剤の融着に対しては、更なる品質安定化の
努力が求められている。
【0011】こうした状況から、高画質対応の高速電子
写真装置に好適なクリーニングシステムが求められてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】a−Si系光受容部材
は、一般にクリーニング手段としてクリーニング能力の
高い、ブレード式クリーニング方式が広く用いられてい
る。
【0013】しかし、この様なブレード式クリーニング
方式は原稿チャートの文字パターンの差によりブレード
面に滞留する現像剤の量に差が生じ受容部材表面層に削
れムラが生ずる場合があり、このような削れムラが発生
した場合、電子写真特性として感度ムラとなり画像の濃
度ムラとして発生する。特に、この現象は現像剤の粒径
が小さいほど顕著である。
【0014】しかし、近年では画像特性の高画質化が要
求されているのが現状であり、この様な状況下において
現像剤の小粒径化が進んでいる。この現像剤の小粒径化
は画質面では向上する反面、摺擦力が高くなる傾向があ
り、この摺擦力のアップにより、クリーニングブレード
のビビリ等による残留現像剤(トナー)のすり抜けが生
じ、黒スジ状のクリーニング不良が発生する場合があ
る。更に摩擦抵抗が高いと光受容部材とクリーニングブ
レード間で摩擦熱が上昇し、熱定着に用いられる残留現
像剤は、この摩擦熱によって光受容部材の表面に強固に
付着する融着現象が発生する場合がある。特にこの融着
現象は、現像材の小粒径化に比例して顕著になる傾向が
あり初期の段階では画像には影響しない程度の微小なも
のであるが、繰り返しの使用で微小な融着が核となり徐
々に成長し画像に黒スジ状の画像欠陥となる。
【0015】こうした、削れむらや融着は電子写真装置
のユーザ自身で補修することが困難であり、サービスマ
ン等の作業が必要となり、交換部品代、人件費といった
費用、作業中の電子写真装置の停止による時間損失とい
った課題があった。電子写真装置にとっては典型的な問
題点ではあるが、特に高速機においては、ランニングコ
ストにはね返る重要な問題点である。
【0016】この様な状況の解決方法として、クリーニ
ングブレードの押し付け圧力を高くする方法や、光受容
部材表面に付着した現像剤を削り取る力を向上させるた
め、弾性ゴムブレードの硬度を高める等の対策が必要で
あるが、ブレードの硬度を高めることは、ブレードの特
性としては、ゴム的状態からガラス状態に近づくため、
材質としては脆くなりブレードの寿命を短くする方向で
あり、これらの方法は光受容部材表面との摩擦力が上昇
する方向である為、かえって表面層のムラ削れが悪化す
る可能性が高い。
【0017】本発明は、上記のような表面層のむら削れ
による画像均一性の悪化と現像剤の光受容部材への融着
といった問題点を解決する為になされたものであり、そ
の目的とするところは、小粒径の現像剤で現像を行い且
つ、クリーニングローラー等の摺擦手段を設けたクリー
ニング方法で表面層が逐次磨耗する電子写真プロセスに
於いても(1)光受容部材の表面がムラ削れせず均一に
磨耗し、(2)光受容部材への融着物の成長を抑制、乃
至剥離を容易にする事によって、現像剤の融着が発生し
ない電子写真装置のクリーニング装置及びクリーニング
方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電子写真
プロセスと光受容部材の表面層の磨耗量との関係に着目
し、ムラ削れに厳しい電子写真プロセスにおける光受容
部材表面の磨耗による表面性の変化を「制御」させる事
を試みた。
【0019】コピー枚数が進むに応じて生じる前記むら
削れと融着に対し、コピー枚数に応じて変動する要因の
中から、発生に関わる要因を抽出し、コピー枚数が進む
に応じてその要因の変動を相殺するようにクリーナーの
構成と光受容部材の特性の組み合わせを最適化した。
【0020】すなわち、コピー枚数が進むに応じて否応
なく磨耗する表面層の微視的物性と巨視的な摩擦トルク
の変動とブレードの光受容部材付着物に対する反撥挙動
を制御することによって、各耐久進行時点に応じて絶え
ず前記問題点を解消させる条件を本発明者らは見出すこ
とを求めた。
【0021】その結果、本発明の電子写真プロセス及び
本発明の非単結晶質水素化炭素膜(a−C:H)を光受
容部材の表面層に用いた光受容部材の組み合わせによ
り、ムラ削れせず、クリーニング不良や、融着が発生し
ないように制御させることが可能になった。
【0022】現像剤の融着発生時点のメカニズムは、外
添剤がフィルム状に析出するタイプ、分球品が融けて付
着するタイプの2種類に大別されるが、本発明の効果は
前者に特に有効である。
【0023】具体的に本発明は、光受容部材を300〜
450mm/secにて回転させ、帯電、露光、現像、
転写、クリーニングを順次繰り返す電子写真装置に於い
て、Rmax0.5〜4.0なる螺旋状の凹凸を設けた
導電性基板に、光導電層を35μm以上50μm以下、
光受容部材に平均粒径5〜8μmの現像剤を現像、転写
材へ転写し、現像剤が転写された後の光受容部材表面を
弾性ゴムブレードでスクレープクリーニングする電子写
真装置でA4版の複写工程を転写紙に行った後の磨耗量
が1オングストローム(0.1nm)/1万回転以上10オン
グストローム(1nm)/1万回転以下の範囲で、磨耗に応
じて表面粗さが減少、かつ表面自由エネルギーが増加、
かつ該ブレードとの摩擦トルクが上昇する様に構成する
電子写真装置を提案するものであり、前記光受容部材が
水素を含む非単結晶SiC膜もしくは非単結晶質水素化
炭素膜(a−C:H)で表面層を構成したものであるこ
と、前記弾性ゴムブレードは温度が15〜30℃におけ
る反撥弾性率を5〜15%、30〜45℃における反撥
弾性率を10〜20%、JIS A硬度(Hs)を77
度以上85度以下の弾性ゴムブレードを設けた構成であ
ること、前記弾性ゴムブレードは温度が10〜50℃に
おける反撥弾性率の温度依存性−1%/deg〜+1%
/degの範囲にあること、前記帯電、露光、現像、転
写、クリーニングを順次繰り返す電子写真装置に於い
て、該弾性ゴムブレードの上流にローラを設けかつ、光
受容部材に現像剤を0.03〜0.3mg/cm2 塗布
する構成であること、前記光受容部材の表面異常成長突
起部分の高さを4.0μm以下に研磨処理してから使用
すること、非単結晶質水素化炭素膜の水素量が41%〜
60%であることを含む。
【0024】また本発明は、光受容部材を300〜45
0mm/secにて回転させ、帯電、露光、現像、転
写、クリーニングを順次繰り返す電子写真装置のクリー
ニング方法に於いて、Rmax0.5〜4.0なる螺旋
状の凹凸を設けた導電性基板に、感光層を35μm以上
50μm以下、前記光受容部材に平均粒径5〜8μmの
現像剤を現像、転写材へ転写し、現像剤が転写された後
の光受容部材表面を弾性ゴムブレードでスクレープクリ
ーニングする電子写真装置で、表面層の磨耗量が1オン
グストローム(0.1nm)/1万回転以上10オングストロ
ーム(1nm)/1万回転以下の範囲で、前記光受容部材表
面の磨耗による表面性の変化を制御することを特徴とす
る電子写真装置のクリーニング方法を提案するものであ
り、前記光受容部材が水素を含む非単結晶SiC膜で表
面層を構成したものであること、前記光受容部材が非単
結晶質水素化炭素膜で表面層を構成したものであるこ
と、前記弾性ゴムブレードは10〜50℃における反撥
弾性率の温度依存性−1%/deg〜+1%/degの
範囲にあること、前記帯電、露光、現像、転写、クリー
ニングを順次繰り返す電子写真装置のクリーニング方法
において、該弾性ゴムブレードの上流にローラを設けか
つ、光受容部材に現像剤を0.03〜0.3mg/cm
2 塗布する構成であること、前記光受容部材の表面異常
成長突起部分の高さを4.0μm以下に研磨処理してか
ら使用すること、前記非単結晶質水素化炭素膜の水素量
が41%〜60%であることを含む。
【0025】比較例に用いたクリーニングブレード硬度
は温度が15〜30℃における反撥弾性率がおおむね3
0%、30〜45℃における反撥弾性率がおおむね60
%、またJIS A硬度(Hs)を69度以上77度以
下を用いた。本発明に重要なパラメータである反撥弾性
率については、この値が低いと、光受容部材表面の融着
トナーを拭い取る動きをする為融着解消能力が高い。ま
た、高湿画像流れの防止の為に光受容部材を加温するヒ
ータを設けたシステムにおいてはヒータの通電開始初期
など温度が一定になるまでの時間、光受容部材を加温す
るヒータを設けないシステムにおいては空調、季節変動
による室温変化等に順応しうる反撥弾性率の温度依存性
も重要なパラメータである。
【0026】ブレードの硬度が85度を超えるとブレー
ドの材質としては脆くなりブレードの寿命を短くする方
向であり又、JIS硬度69度より低いと、クリーニン
グ性が低下したり、ブレードが捲れてしまい光受容部材
表面にダメージを与えてしまう等の問題が発生する場合
がある。
【0027】本発明においては、光受容部材に用いる新
たな表面層も提供しており、そのa−C:H膜は膜中に
含まれる水素量がH/(C+H)で41%〜60%、好
適には45%〜55%が効果を高める点で更に適してい
る。水素量が40%以下だと感度的に電子写真装置に適
さない場合がある。また60%を越えると膜の緻密化が
損なわれ、機械的強度が損なわれる。
【0028】更に該表面層は上記、水素量の範囲でA4
版の複写工程を転写紙に行った後の磨耗量が1オングス
トローム(0.1nm)/1万回転以上10オングストローム
(1nm)/1万回転以下の範囲を選択する事により摩擦に
よるブレードのビビリが少なく、ブレード面の部分的な
ストレスが抑えられるため、現像剤の部分的な滞留が緩
和される。その結果、ムラ削れせず均一に表面層が磨耗
する事を見出したものである。
【0029】本発明に用いる光受容部材の表面層の磨耗
量が、10オングストローム(1nm)/1万回転より大き
い値になると機械的強度が損なわれる場合があり、1オ
ングストローム(0.1nm)/1万回転より小さい値になる
と表面層が磨耗しにくくなりコロナ放電生成物を削り取
る効果が低減し画像流れが発生する場合がある。
【0030】本発明の光受容部材に用いる表面層の膜厚
としては表面層の磨耗量と電子写真装置の寿命との関係
から最適な膜厚が決定できるが、一般的には0.01μ
m〜10μm、好適には0.1μm〜1μmの範囲が望
ましい。表面層の膜厚が0.01μm以下だと機械的強
度が損なわれ、10μm以上になると残留電位が高くな
る場合がある。
【0031】更に本発明の光受容部材に用いる光導電層
の膜厚としては、一般的には35μm〜50μm、好適
には40μm〜50μmの範囲が望ましい。これは金属
導電性基板に対して、a−Si光受容部材全体の比誘電
率が10程度と小さく、殊にa−C表面層部分は比誘電
率が6程度と小さいため、光受容部材の膜厚が厚いほ
ど、小粒径化した現像剤の付着力を小さくする効果があ
る。光導電層の膜厚が35μm以下だと現像剤の離形性
効果が不十分で、50μm以上になると球状突起が高く
なる場合がある。
【0032】また、光受容部材の表面粗さも重要なパラ
メータであり、特に限定された表面粗さにおいて、コピ
ー枚数が進むに応じてクリーナーの摩擦トルクと光受容
部材の表面自由エネルギーが連動して変化し、現像剤融
着の発現起因を相殺するよう挙動をとることが見出され
た。
【0033】以上をまとめると、a−SiCの表面層は
小粒径現像剤によって従来以上に磨耗し、自由エネルギ
ーが悪化し、本来融着するがトルクで剥ぎ取る。a−C
は磨耗が少なく、自由エネルギーがあまり悪化せず、ト
ルクもあがらず融着を剥ぎ取る。どちらにも共通する要
素は反撥弾性の低い、粘性の高いブレードを、欠けさせ
ること無く用いるシステムを提供することが好適である
ことを、本発明者らは見出した。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0035】「クリーニング装置」図1は本発明の主要
ユニットであるクリーニング装置を拡大した図である。
【0036】クリーニング手段においては、必要に応じ
て図1のクリーニング装置101のように、光受容部材
100、ウレタンゴムなどからなるクリーニングブレー
ド102、シリコンゴム或いはスポンジ、或いは磁性体
等の材料からなるクリーニングローラー103、ドクタ
ーローラー104、廃トナー溜り105、廃トナー搬送
系106等からなる。
【0037】このドクターローラー104は必要に応じ
て設置され、ブレード状の形態の場合もある。この場合
は、スクレーパ(又はドクターブレード)と称する。以
下、クリーニング装置の各部材の説明において、単純化
の為にスクレーパについての記載は省略する。
【0038】101はクリーニング装置であり、ウレタ
ンゴムにシリコン化合物を混合する等して、適宜な弾性
や硬度を持たせたクリーニングブレード102が設置さ
れている。
【0039】クリーニングブレード102の光受容部材
の回転方向上流側には、クリーニングローラ103を有
する。該クリーニングローラ103には、主として回収
トナー等の磁性粉体が磁気力により付着コートしてい
る。光受容部材表面には、付着している磁性粉体のコー
ト部が適宜な当接幅(ニップ巾という)で当接し、光受
容部材との所定の相対速度をもって摺擦及び廃トナーの
光受容部材100へのコーティングを行う。
【0040】このクリーニングローラー103は磁石以
外にも、トナーと逆極性のバイアスを印加した物でもよ
いし、シリコンゴムやスポンジ状の樹脂等からなるロー
ラーでもよい。
【0041】また、ローラー形状に限らず、ブラシ状の
部材でもよい。ブラシ状の部材としては、使用する光受
容部材の硬度やプロセススピード等により、材質を適宜
選択する事が好ましい。
【0042】a−Si系光受容部材等、高硬度な光受容
部材に使用するブラシ材料の一例として、ポリエチレン
やポリスチレン等の化学繊維ブラシ、該化学繊維にカー
ボンを混入し、適宜な導電性を有するようにした導電性
繊維、アモルファス金属の繊維(例:ユニチカ製ボルフ
ァ等)を使用したブラシ等を使用してもよい。
【0043】「電子写真装置」図2は複写機の画像形成
プロセスの一例を示す概略図である。
【0044】矢印X方向に回転する、光受容部材201
の周辺には、主帯電器202、静電潜像形成部位20
3、現像器204、転写紙供給系205、転写帯電器2
06(a)、分離帯電器206(b)、クリーナ20
7、搬送系208、除電光源209などが配設されてい
る。光受容部材201は、必要に応じて面状内面ヒータ
225によって温度コントロールをしてもよい。
【0045】光受容部材201は、その表面が主帯電器
202により、均一に帯電され画像露光付与手段203
により静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤
(トナー)が塗布された現像器204の現像スリーブに
よりトナー像として顕像画化される。
【0046】一方、転写紙供給系205を通って、供給
される転写材Pにトナー像が転写供給される。該転写材
Pは分離帯電器206(b)且つ/又は爪等の分離手段
により、光受容部材201から分離され。搬送系208
を経由して定着器223内の定着ローラー224によっ
て、表面のトナー像が定着された後、画像装置外へ排出
される。
【0047】一方、トナー像転写後の光受容部材201
表面は、表面の残トナーや紙粉等の付着物がクリーニン
グ装置207内のクリーニングブレード220、クリー
ニングローラー(またはブラシ)221により除去され
次の画像形成に供される。
【0048】「限定された弾性ブレードの本発明の効果
のメカニズム」図3は、本発明に用いる限定された条件
の弾性ブレードが、現像剤の融着を防止するメカニズム
を考察したものである。本発明に用いるクリーニングブ
レード硬度は温度が15〜30℃における反撥弾性率を
5〜15%、30〜45℃における反撥弾性率を10〜
20%、JIS A硬度(Hs)を77度以上85度以
下のものであり、図3に示すようにブレード自身の変形
が小さく、現像剤融着部分を拭い取るような挙動を示
す。一方、比較例に用いたクリーニングブレード硬度は
温度が15〜30℃における反撥弾性率がおおむね30
%、30〜45℃における反撥弾性率がおおむね60
%、またJIS A硬度(Hs)を69度以上77度以
下のものであり、ブレード自身が変形しはね飛んでしま
うものと考える。
【0049】こうしたメカニズムから、a−Si光受容
部材特有の異常突起は、現像剤融着に比べはるかに硬い
ために、逆にブレードを欠いてしまう弊害も生じるた
め、本発明では、特公平07−010488記載のよう
な光受容部材表面をRmax5μm以下に研磨処理を併
用するシステムを提供する。
【0050】比較例に用いたクリーニングブレード硬度
は温度が15〜30℃における反撥弾性率がおおむね3
0%、30〜45℃における反撥弾性率がおおむね60
%、またJIS A硬度(Hs)を69度以上77度以
下を用いた。
【0051】「本発明に好適なa−Si光受容部材」図
4の(a)及び(b)は本発明による光受容部材の模式
的な断面図の一例である。
【0052】図4(a)に示すa−Si系光受容部材
は、アルミニウム等の導電性基体401上に少なくとも
シリコン原子を含む非晶質材料で構成された光導電層4
03を積層し、更に炭素原子と水素原子を含むa−C:
H膜または、a−SiC:H膜からなる表面層404を
順次積層された光受容部材である。402を感光層と呼
ぶ。
【0053】図4(b)はa−SiC:H膜からなる表
面層404を有する図4(a)の光受容部材に、更に炭
素原子と水素原子を含むa−C:H膜からなる表面層4
05を積層したものである。前記、a−C:H膜の水素
量が41%〜60%である事が更に好ましい。402を
感光層と呼ぶ。導電性基体401の表面形状はレーザー
干渉防止など用途に応じて適宜選択されるが、本発明に
おいては図8に示した螺旋状鋸型の表面処理を行った。
この形状の選択により、摩擦トルクの耐久に伴う変化を
制御することが可能となった。
【0054】プラズマCVD法による光受容部材の堆積
は公知の手法において、かまわないが、特には、高周波
電源を周波数1MHz〜450MHzの高周波電力を供
給し高周波グロー放電を生起させる事が表面層のクリー
ニング性能の向上にとって好ましい。
【0055】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。
【0056】
【実施例】(実施例1)プラズマCVD装置を用いて表
1の条件によりφ80円筒状導電性基体上に阻止層、光
導電層を積層した後、表2の条件での表面層を0.6μ
m堆積しA〜Dの光受容部材を製造した。
【0057】一方、トナーを下記の例の如く製造した。
テレフタル酸6.0mol、n−ドデニセル無水琥珀酸
3.0mol、ビスフェノールAプロピレンオキサイド
2.2モル付加物10.0mol、無水トリメリット酸
0.7mol、ジブチルチンオキサイド0.1molを
反応器に入れ、温度計,攪はん棒,コンデンサー,窒素
導入管を取り付け、窒素置換した後、攪はんしながら徐
々に昇温し、180℃で5時間反応させ、次いで200
℃に昇温し、減圧(15hPa)して、4時間反応させ
て脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹脂1を
得た。このポリエステル樹脂は、ピーク分子量10,7
00、ガラス転移点63℃であった。
【0058】この、結着樹脂であるポリエステル樹脂1
00質量部と、カーボンブラック顔料5質量部、ジ−t
−ブチルサリチル酸クロム錯体4質量部を、ヘンシェル
ミキサで前混合したのち、130℃に設定した二軸押し
出し機によって溶融混練した。混練物を冷却後、ジェッ
ト気流を用いた粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を
用いて分級し、重量平均径6.5μmの分級品を得た。
【0059】処理無機微粉体(外添剤)を下記のように
して作成した。容器中にトルエン1kgと被処理微粉体
粒子200gを入れ、ミキサーにより攪はんしてスラリ
ーとし、ここに処方量の処理剤を添加し、更にミキサー
で十分に攪はんした。このスラリーをジルコニアボール
をメディアとするサンドミルに30分間かけた。
【0060】該スラリーをサンドミルから取り出し、6
0℃で減圧しながらトルエンを除去した後、ステンレス
容器中で攪はんしながら200〜300℃で2時間乾燥
した。ここで得られた粉体をハンマミルにて解砕処理を
し、処理無機微粉体を得た。上記の分級品100質量部
に対し、ヘンシェルミキサで十分攪はんし、上記の無機
微粉体を外添混合し本実施例の現像剤を得た。
【0061】外添剤の種類、使用する感光体の硬度や画
質などの様々な要因に応じて、外添剤の混入量は適宜調
整する事ができる。この外添剤では、外添量としては、
1〜30重量部の適宜な範囲で使用した。
【0062】次いで、前記φ108の光受容部材A〜D
をキヤノン製複写機NP−6350の改造機(プロセス
スピード380mm/sec)に搭載し連続通紙耐久を
70万回転(A4版46万枚相当)行いクリーニング性
の評価を行った。尚、弾性ゴムブレード220は温度が
15〜30℃における反撥弾性率を12%、30〜45
℃における反撥弾性率を17%、JIS A硬度(H
s)を81度、反撥弾性の温度依存性が−1%/deg
〜+1%/degの本発明1のブレードを使用し、ブレ
ード圧を13gf/cmにて設置した。又、使用する現
像剤に関しては、現像剤の粒径が6.5μmのものを使
用した。更に、原稿印字率を1%と極端に低くする事に
より融着が発生し易い条件とした。前記弾性ゴムブレー
ドの上流にはマグネットローラからなるクリーニングロ
ーラを設けることにより、均一に0.03〜0.05m
g/cm2の現像剤を光受容部材に塗布させた。
【0063】以上の評価で得られた結果を表5、図5に
示す。
【0064】また耐久後の表面層の磨耗量を表3に示
す。この表面層の磨耗量は耐久前後の表面層膜厚を反射
分光式干渉計(大塚電子(株)製MCPD2000)に
より測定し、この値から1万回転当りの磨耗量に換算し
たものである。
【0065】その結果B,Cの光受容部材に於いて50
万回転の耐久後でもムラ削れによって発生する黒スジ状
の画像欠陥は全くなく、融着に関しても全く発生しなか
った。
【0066】また、表面自由エネルギーの値は耐久に伴
い増大し、付着しやすい方向に推移してゆくが、同時に
摩擦トルクも上昇しており、ブレードの材質による効果
と相乗して融着を防止していると考えられる。
【0067】また、光受容部材の表面粗さがRmax
0.5〜4.0の範囲で好適であることが確認された。
【0068】15℃、60%RHの環境下で図2の面状
内面ヒータ225に対応するヒータを切って同様の評価
を行ったが、ブレード特性の温度依存性が小さいため、
上記と同様の良好な効果が得られた。
【0069】(ムラ削れ評価方法)以下に、ムラ削れの
評価方法を図2を用いて説明する。
【0070】現像器204位置に於ける暗部電位が40
0vになるように主帯電器202の帯電電流量を調整
し、原稿台211にベタ黒の縦ラインを設けた原稿21
2を置き、光受容部材表面の母線方向に於いて常に現像
剤で摺擦される部分と摺擦されない部分を設け耐久を行
った後、現像器204位置に於ける暗部電位が400v
になるように主帯電器202の帯電電流量を調整し、原
稿台211にベタ白原稿212を置き、明部電位が50
vになるようにハロゲンランプ210の点灯電圧を調整
した後、反射濃度が0.3の原稿212を置く、この時
の電位ムラを測定し、正常部分の電位に対するムラ削れ
した部分の電位が何%変化しているかを評価する。 ○………感度ムラがなく良好な画像。 △………2.5%以下の電位ムラが有るが画像は実用上
問題のないレベル。 ×………2.5%以上の電位ムラが発生し画像にスジ状
の濃度ムラが発生。
【0071】(融着評価方法)以下に、融着の評価方法
を同じく図2を用いて説明する。
【0072】現像器204位置に於ける暗部電位が40
0vになるように主帯電器202の帯電電流量を調整
し、原稿台211にベタ白の原稿212を置き、明部電
位が50vになるようにハロゲンランプ210の点灯電
圧を調整し、A3版のベタ白画像を作成した。この画像
によって現像剤の融着により発生する黒ポチを観察し、
更に顕微鏡により光受容部材表面を観察する。 ○………融着がなく良好な画像。 △………画像には黒ポチは発生しないが顕微鏡観察で1
0μm以下の微小な融着が認められる(実用上問題な
し)。 ×………画像上に黒ポチとして発生。
【0073】(トルク測定方法)耐久の進行に伴って生
じた。光受容部材の回転トルク、すなわちクリーナーと
光受容部材との摩擦トルクについては、Tohnich
i(製)トルクゲージにて、光受容部材回転起動時ma
xトルクを測定した。耐久の進行に伴って生じた実施例
1の結果については、図5に示した。
【0074】(表面粗さ測定方法)光受容部材の表面粗
さは(株)小坂研究所製SE−30Dを用いて測定し
た。実施例1の結果については、表3に示した。
【0075】(表面自由エネルギー)耐久の進行に伴っ
て生じた、光受容部材の表面自由エネルギーについて
は、協和界面(株)製 接触角測定機CA−S ROL
Lを用い、評価液体に純水、ヨウ化メチレン、α−ブロ
モナフタレン、解析ソフトには協和界面(株)製 表面
自由エネルギー解析ソフトEG−11を用いて求めた。
評価液体は上記の物に限らない。双極子成分や水素結合
成分等が適宜ばらけた組合せであればよい。耐久の進行
に伴って生じた実施例1の結果については、図5に示し
た。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】(比較例1)温度が15〜30℃における
反撥弾性率が30%、30〜45℃における反撥弾性率
が61%、またJIS A硬度(Hs)を75度の弾性
ブレードに換えたことを除けば、実施例1と同様に、光
受容部材A′〜D′をキヤノン製複写機NP−6350
の改造機に搭載し連続通紙耐久を70万回転(A4版4
6万枚相当)行いクリーニング性の評価を行った。
【0080】また、特公平07−010488記載のよ
うな研磨装置を用い、具体的には(株)富士フィルム製
ラッピングフィルム(砥粒:SiC、アルミナ、酸化
鉄)を用いて、異常成長高さ3μm以下になるまで処理
したA″〜D″を作製した。これらを用いて上記と同様
の評価を行った。
【0081】各光受容部材を以上の評価で得られた結果
を表5に示す。また耐久による各光受容部材の表面層の
磨耗量を表4に示す。
【0082】その結果、研磨の無いもののみ、70万回
転耐久によってムラ削れによるスジ状の画像欠陥が発生
した。しかし、融着等は発生し必ずしも良好な画像が得
られなかった。
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】(実施例2)実施例1と同様に、プラズマ
CVD装置を用いて表1の条件によりφ80円筒行う導
電性基体上に阻止層、光導電層を感光層厚を変化させな
がら積層した後、表6の条件での表面層を0.7μm堆
積したE〜Hの光受容部材を製造した。
【0086】次いで、光受容部材E〜Hをキヤノン製複
写機NP−6350の改造機(プロセススピード400
mm/sec)に搭載し連続通紙耐久を70万回転(A
4版46万枚相当)行いクリーニング性の評価を行っ
た。尚、弾性ゴムブレード220は温度が15〜30℃
における反撥弾性率を8%、30〜45℃における反撥
弾性率を12%、JIS A硬度(Hs)を81度の物
を使用し又、使用する現像剤に関しては、現像剤の粒径
が7.5μmのものを使用した。更に原稿印字率を1%
と極端に低くする事により融着が発生し易い条件とし
た。前記弾性ゴムブレードの上流にはマグネットローラ
からなるクリーニングローラを設けることにより、均一
に0.03〜0.05mg/cm2 の現像剤を光受容部
材に塗布させた。
【0087】以上の評価で得られた結果を表8に示す。
【0088】その結果、感光層膜厚が35〜50μmの
光受容部材F,Hの光受容部材に於て70万回転の耐久
後でもムラ削れによって発生するスジ状の画像欠陥は全
くなく、融着も全く発生しなかった。
【0089】(比較例2)表面粗さを変えたことを除け
ば、実施例2と同様に、光受容部材E′〜F′をキヤノ
ン製複写機NP−6350の改造機に搭載し連続通紙耐
久を70万回転(A4版46万枚相当)行いクリーニン
グ性の評価を行った。
【0090】また、クリーニングローラを設けずに、現
像剤塗布量を0.01〜0.3mg/cm2 の範囲で不
均一にさせたことを除けば、実施例2と同様にしたE″
〜F″を作製した。これらを用いて上記と同様の評価を
行った。
【0091】各光受容部材を以上の評価で得られた結果
を表8に示す。また耐久による表面層の磨耗量を表7に
示す。
【0092】その結果、研磨の無いもののみ、70万回
転耐久によってムラ削れによるスジ状の画像欠陥が発生
した。しかし、融着等は発生し必ずしも良好な画像が得
られなかった。
【0093】
【表6】
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】(実施例3)実施例1と同様の方法で、プ
ラズマCVD装置を用いて表9の条件でφ80、Rma
x3.0の円筒状導電性基体上に阻止層、光導電層を積
層した後、表10の条件で表面層を0.6μm堆積しI
〜Lの光受容部材を製造した。更に表面層の水素含有量
を測定するためのサンプルとしてシリコンウエハー上に
も表9の条件でa−C:H表面層サンプルを作成した。
【0097】この表面層サンプルに対して、IRによる
水素量H/(C+H)の測定を行った。その結果、表面
層の水素量は、表11に示した値であった。
【0098】次いで、この光受容部材I〜Lをキヤノン
製複写機NP6350の改造機(プロセススピード30
0mm/sec)に搭載し、実施例1と同様の条件で耐
久評価を行った。この耐久後の表面層の磨耗量を表11
に示す。
【0099】以上の評価で得られた結果を表12及び図
6に示す。
【0100】その結果、表面層の水素含有量が41%以
上60%以下の光受容部材I,J,Kの光受容部材に於
いて70万回転の耐久後でもムラ削れによって発生する
スジ状の画像欠陥は全くなく、融着に関しても問題なか
った。
【0101】
【表9】
【0102】
【表10】
【0103】
【表11】
【0104】(比較例3)温度が15〜30℃における
反撥弾性率が31%、30〜45℃における反撥弾性率
が62%、またJIS A硬度(Hs)を74度の弾性
ブレードに換えたことを除けば、実施例3と同様に、光
受容部材I′〜L′をキヤノン製複写機NP−6350
の改造機に搭載し連続通紙耐久を70万回転(A4版4
6万枚相当)行いクリーニング性の評価を行った。
【0105】各光受容部材を以上の評価で得られた結果
を表12に示す。また耐久による表面層の磨耗量を表1
1に示す。
【0106】その結果、磨耗量が1オングストローム
(0.1nm)/1万回転よりも小さく、更に水素含有量が6
0%を超えた値を示すa−C:H膜では、10万回転耐
久によってムラ削れ、融着、更に画像流れが発生する場
合がある事が判明した。
【0107】
【表12】
【0108】
【発明の効果】以上詳述した様に本発明は、光受容部材
を300〜450mm/secにて回転させ、帯電、露
光、現像、転写、クリーニングを順次繰り返す電子写真
装置に於いて、Rmax0.5〜4.0なる螺旋状の凹
凸を設けた導電性基板に、感光層を35μm以上50μ
m以下水素を含む非単結晶質SiC膜で表面層を構成し
た光受容部材に平均粒径5〜8μmの現像剤を現像、転
写材へ転写し、現像剤が転写された後の光受容部材表面
を弾性ゴムブレードでスクレープクリーニングし、A4
版の複写工程を転写紙に行った後の磨耗量が1オングス
トローム(0.1nm)/1万回転以上10オングストローム
(1nm)/1万回転以下の範囲で、磨耗に応じて表面粗さ
が減少、かつ表面自由エネルギーが増加、かつ該ブレー
ドとの摩擦トルクが上昇する様に構成させる事により、
ムラ削れにより発生する画像濃度ムラ及び、現像剤の融
着を防止する事が可能になった。
【0109】加えて、光受容部材を300〜450mm
/secにて回転させ、帯電、露光、現像、転写、クリ
ーニングを順次繰り返す電子写真装置に於いて、プラズ
マCVD法によって、Rmax0.5〜4.0なる螺旋
状の凹凸を設けた導電性基板に、感光層を35μm以上
50μm以下、水素量が41%〜60%である非単結晶
質水素化炭素膜(a−C:H)で表面層を構成した光受
容部材に平均粒径5〜8μmの現像剤を現像、転写材へ
転写し、現像剤が転写された後の光受容部材表面を弾性
ゴムブレードでスクレープクリーニングする電子写真装
置でA4版の複写工程を転写紙に行った後の磨耗量が1
オングストローム(0.1nm)/1万回転以上10オングス
トローム(1nm)/1万回転以下の範囲で、磨耗に応じて
表面粗さが減少、かつ表面自由エネルギーが増加、かつ
該ブレードとの摩擦トルクが上昇する様に構成させる事
により、画像流れや画像ボケといった画像欠陥を効果的
に防止することが可能である。
【0110】更に、弾性ゴムブレードは温度が15〜3
0℃における反撥弾性率を5〜15%、30〜45℃に
おける反撥弾性率を10〜20%、JIS A硬度(H
s)を77度以上85度以下の弾性ゴムブレードを設け
た構成で画像流れや画像ボケといった画像欠陥を防止す
るラチチュードを大幅に広げる事が可能となった。
【0111】尚、本発明の主旨の範囲内で適宜、変形組
合せを行う事ができ、上記した各実施例に限定されない
事は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、クリーニング装置の一例を示す
模式的断面図である。
【図2】本発明に適用可能な電子写真装置の一例を示す
模式的構成図である。
【図3】本発明に関わるブレード挙動を説明する模式図
である。
【図4】(a)、(b)は、本発明に係わる光受容部材
の層構成を示す模式的断面図である。
【図5】本発明に係わる表面自由エネルギーと摩擦トル
クの耐久に伴う変化を示すグラフである。
【図6】本発明に係わる表面自由エネルギーと摩擦トル
クの耐久に伴う変化を示すグラフである。
【図7】ブレード温度と反撥弾性率との関係を示すグラ
フである。
【図8】本発明に係わる光受容部材の導電性基体の表面
処理形状を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
100 光受容部材 101 クリーナー 102 クリーニングブレード 103 クリーニングローラ 104 ドクターローラ 105 廃トナー溜り 106 廃トナー搬送系 201 光受容部材 202 主帯電器 203 静電潜像形成部位 204 現像器 206(a) 転写紙供給系 206(b) 転写帯電器、分離帯電器 207 クリーナ 208 搬送系 209 除電光源 224 定着ローラー 225 面状内面ヒータ 401 導電性基体 402 感光層 403 光導電層 404 a−SiC:H膜からなる表面層 405 a−C:H膜からなる表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江原 俊幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CB12 CB13 2H034 BF01 BF03 BF05 2H035 CA07 CB03 CG01 2H068 CA03 DA05 DA12 DA16 DA80 EA24 EA43 FC15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光受容部材を300〜450mm/se
    cにて回転させ、帯電、露光、現像、転写、クリーニン
    グを順次繰り返す電子写真装置に於いて、Rmax0.
    5〜4.0なる螺旋状の凹凸を設けた導電性基板に、感
    光層を35μm以上50μm以下、前記光受容部材に平
    均粒径5〜8μmの現像剤を現像、転写材へ転写し、現
    像剤が転写された後の光受容部材表面を弾性ゴムブレー
    ドでスクレープクリーニングする電子写真装置で、表面
    層の磨耗量が1オングストローム(0.1nm)/1万回転以
    上10オングストローム(1nm)/1万回転以下の範囲
    で、磨耗に応じて表面自由エネルギーが増加、かつ該ブ
    レードとの摩擦トルクが上昇する様に構成された事を特
    徴とする電子写真装置のクリーニング装置。
  2. 【請求項2】 前記光受容部材が水素を含む非単結晶S
    iC膜で表面層を構成したものである請求項1に記載の
    電子写真装置のクリーニング装置。
  3. 【請求項3】 前記光受容部材が非単結晶質水素化炭素
    膜(a−C:H)で表面層を構成したものである請求項
    1に記載の電子写真装置のクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性ゴムブレードは温度が15〜3
    0℃における反撥弾性率を5〜15%、30〜45℃に
    おける反撥弾性率を10〜20%、JISA硬度(H
    s)を77度以上85度以下の弾性ゴムブレードを設け
    た構成である請求項1に記載の電子写真装置のクリーニ
    ング装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性ゴムブレードは温度が10〜5
    0℃における反撥弾性率の温度依存性−1%/deg〜
    +1%/degの範囲にある請求項1または2に記載の
    電子写真装置のクリーニング装置。
  6. 【請求項6】 前記、帯電、露光、現像、転写、クリー
    ニングを順次繰りかえす電子写真装置に於いて、該弾性
    ゴムブレードの上流にローラを設け且つ、光受容部材に
    現像剤を0.03〜0.3mg/cm2 塗布する構成で
    ある請求項1に記載の電子写真装置のクリーニング装
    置。
  7. 【請求項7】 前記光受容部材の表面異常成長突起部分
    の高さを4.0μm以下に研磨処理してから使用する請
    求項1記載の電子写真装置のクリーニング装置。
  8. 【請求項8】 前記、非単結晶質水素化炭素膜の水素量
    が41%〜60%である請求項3に記載の電子写真装置
    のクリーニング装置。
  9. 【請求項9】 光受容部材を300〜450mm/se
    cにて回転させ、帯電、露光、現像、転写、クリーニン
    グを順次繰り返す電子写真装置のクリーニング方法に於
    いて、Rmax0.5〜4.0なる螺旋状の凹凸を設け
    た導電性基板に、感光層を35μm以上50μm以下、
    前記光受容部材に平均粒径5〜8μmの現像剤を現像、
    転写材へ転写し、現像剤が転写された後の光受容部材表
    面を弾性ゴムブレードでスクレープクリーニングする電
    子写真装置で、表面層の磨耗量が1オングストローム
    (0.1nm)/1万回転以上10オングストローム(1nm)/1
    万回転以下の範囲で、前記光受容部材表面の磨耗による
    表面性の変化を制御することを特徴とする電子写真装置
    のクリーニング方法。
  10. 【請求項10】 前記光受容部材が水素を含む非単結晶
    SiC膜で表面層を構成したものである請求項9に記載
    の電子写真装置のクリーニング方法。
  11. 【請求項11】 前記光受容部材が非単結晶質水素化炭
    素膜(a−C:H)で表面層を構成したものである請求
    項9に記載の電子写真装置のクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 前記弾性ゴムブレードは温度が15〜
    30℃における反撥弾性率を5〜15%、30〜45℃
    における反撥弾性率を10〜20%、JISA硬度(H
    s)を77度以上85度以下の弾性ゴムブレードを設け
    た構成である請求項9に記載の電子写真装置のクリーニ
    ング方法。
  13. 【請求項13】 前記弾性ゴムブレードは10〜50℃
    における反撥弾性率の温度依存性−1%/deg〜+1
    %/degの範囲にある請求項9に記載の電子写真装置
    のクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 前記帯電、露光、現像、転写、クリー
    ニングを順次繰りかえす電子写真装置のクリーニング方
    法において、該弾性ゴムブレードの上流にローラを設け
    かつ、光受容部材に現像剤を0.03〜0.3mg/c
    2塗布する構成である請求項9に記載の電子写真装置
    のクリーニング方法。
  15. 【請求項15】 前記光受容部材の表面異常成長突起部
    分の高さを4.0μm以下に研磨処理してから使用する
    請求項9に記載の電子写真装置のクリーニング方法。
  16. 【請求項16】 前記非単結晶質水素化炭素膜の水素量
    が41%〜60%である請求項11に記載の電子写真装
    置のクリーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7693453B2 (en) 2003-02-14 2010-04-06 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming apparatus equipped with an electrographic photoreceptor having a surface with low surface free energy
JP2017181926A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

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