JP3618919B2 - 電子写真用光受容部材とその形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真装置、特に電子写真感光体としてその表面に特定の条件を満たす凹凸が設けられたシリコン原子及び/又は炭素原子を含有する非単結晶材料から成る電子写真用光受容部材及びその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用光受容部材表面に形成した可転写のトナー像を紙などの転写材に転写する工程を繰り返す周知の画像形成装置において、転写後、光受容部材表面に残る残留トナーをクリーニング手段で除去する必要がある。
【0003】
電子写真装置におけるクリーニングの過程は、次の複写動作に備えて、光受容部材表面の残像を除去する、即ち光受容部材表面に残留したトナー(現像剤)を除去し、光受容部材表面を清浄にすることを主な目的とする。
【0004】
光受容部材表面のクリーニング方法としてはブレード法、ファーブラシ法、マグネットブラシ法等が知られている。
【0005】
ブレード法はウレタンゴムのような弾性のあるブレードを回転運動する光受容部材の表面に当接させて光受容部材の表面から残留しているトナーを除去する方法であり、クリーニングのための装置の小型化が可能であること、装置の設定条件の許容範囲が比較的広いこと等の特徴があることによりクリーニング法として最も広く利用されている。また従来からこの種のクリーニング手段としては、ゴムなどの弾性材からなる、クリーニングブレードが広く実用されている。
【0006】
しかし、このクリーニングブレードのみでは、感光体表面に溶融して固着する融着トナー、紙粉、ロジン、タルクなどの析出物等の除去には必ずしも有効でない。
【0007】
このようなクリーニングブレードの欠点を補うために、シリコンゴムなどの弾性材料からなるクリーニングローラーを感光体表面に圧接摺擦し、前述のような種々の付着異物を除去するようにしたクリーニング装置がすでに提案されている。
【0008】
又、摺擦ローラーと磁性体からなる磁性クリーニングローラーや、トナーと逆の極性にバイアスを印加したクリーニングローラー、あるいはクリーニングローラー自体をトナーと逆の極性になるよう構成したクリーニングローラー等を使用し、該クリーニングローラーを感光体表面に圧接摺擦し、前述のような種々の付着異物を除去するようにしたクリーニング装置がすでに提案されている。
【0009】
このようなクリーニングローラーは、クリーニング装置内に配置されており、これにスクレイパが当接配置されている。このクリーニングローラーの回転にともなって、クリーニング装置内に回収されたトナー(以下、回収トナー)を回収トナー貯留部位に落下蓄積させるとともに、一部の回収トナーをスクレイパでクリーニングローラー表面にコーティングし、そのコーティング面に付着した回収トナーで感光体表面を摺擦研磨するようにして感光体表面から前述のような異物、およびトナー等の粉体を摺擦除去するよう構成されているのが一般的である。
【0010】
これらのクリーニング法によって残留トナーを光受容部材表面から除去する際に、光受容部材表面に付着している残留トナーの付着力を減少させておくことは、良好なクリーニング効果を得るために非常に有効な手段である。
【0011】
一般に光受容部材表面上のトナーは静電気力(クーロン力、鏡映力)とファンデルワールス力とによって光受容部材表面上に付着している。静電気力による付着力は残留トナーを除電すること等により、またファンデルワールス力による付着力は光受容部材表面の硬度を上げる、或いは表面粗度を制御する等の方法により軽減することができる。
【0012】
この点に着目した技術として、例えば、特開昭60−144746号公報が挙げられる。該公報には電子写真用感光体(=光受容部材)の表面がシリコン原子を含む非晶質材料からなり、該感光体表面の凹凸のピッチ及び深さが現像剤の平均粒径よりも小さくなるように該表面を粗すことによってトナーの付着力を軽減し、クリーニング性を向上させる旨の技術が開示されている。
【0013】
このような技術により光受容部材表面に残留するトナーをある程度良好なレベルまでクリーニングすることが可能となった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし近年、複写機の高速化、或いは複写画像の高画質化に伴い、光受容部材の表面状態をさらに厳密に制御することが必要になってきた。
【0015】
即ち、
▲1▼複写機の高速化に対応してトナーをより早く転写紙面上に定着させる為に、従来よりも迅速に溶融して定着する低融点トナーが開発された。
【0016】
▲2▼高画質化に対応するために従来以上に微粒化したトナー、即ち小粒径トナーが開発された。
等の理由により低融点、小粒径トナーが使用されるようになってきた。しかしこのような低融点、小粒径トナーは、複写機の高速化、高画質化を可能にする反面、クリーニングをより困難にするという課題を有している。
【0017】
例えば低融点化したことによりトナーの光受容部材表面への融着が従来よりも起こり易くなるという問題がある。特に光導電層にシリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料、即ちアモルファスシリコン(以下a−Siと記す)系光受容部材を用いた電子写真装置では、画像流れの防止のために例えば特開昭60−95551号公報に記載されているように、複写機内にドラムヒーターを設置して感光体の表面温度を40℃程度に制御することが一般的である。このため、例えば長時間休止後の始動時、画像形成工程において、該光受容部材の表面温度が上昇し、光受容部材表面に残留トナーが融着する場合がある。
【0018】
また連続使用する場合においても、光受容部材表面が帯電と露光にさらされて表面温度が上昇してしまい、やはり光受容部材表面に残留トナーが融着する場合がある。
【0019】
小粒径トナーを用いる場合には通常粒径トナーよりも比表面積が大きく、光受容部材表面への付着力が大きくなるため、残留トナーを光受容部材表面から除去することが通常粒径トナーよりも困難になる。従って、低融点+小粒径トナーの場合は光受容部材表面への融着が起こる可能性がより高くなる。
【0020】
従って、クリーニングブレードとクリーニングロ−ラーを併用しても充分に残留トナー、或いは融着トナーを除去することが困難になる場合が生じるようになってきた。
【0021】
このような状態で複写プロセスを繰り返すと、複写画像上に「黒ポチ」、「白ポチ」、「黒スジ」等の画像欠陥や「画像ムラ」等の発生が顕著になり初期の画像品質を長期間維持することが困難になる場合がある。
【0022】
本発明は、上述のごときa−Siで構成された従来の光受容層を有する電子写真用光受容部材に於ける諸問題を解決することを目的とするものである。
【0023】
即ち、本発明の主たる目的は、電気的、光学的、光導電的特性が使用環境にほとんど依存することなく実質的に常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰り返し使用に際しては劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電位がほとんど観測されず、更に画像品質の良好な、シリコン原子を母体とした非単結晶材料で構成された光受容層を有する電子写真用光受容部材とその形成方法を提供することにある。
【0024】
特に低融点トナー、或いは小粒径トナーを使用した場合においても良好なクリーニング性を維持することによって画像品質を飛躍的に向上させたシリコン原子を母体とした非単結晶材料で構成された光受容層を有する電子写真用光受容部材とその形成方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは、光受容部材の表面性に着目して鋭意検討した結果、光受容部材の作製条件である原料ガス流量に対する放電電力及び原料ガス流量と希釈ガス流量の比率を特定の範囲に制御することによって光受容部材の表面状態を制御することが可能となったものである。
【0026】
即ち、本発明の光受容部材は、少なくとも導電性支持体と、シリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料から成り光導電性を示す光導電層と、少なくともシリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有する非単結晶材料から成る表面層とを有する光受容層から構成される電子写真用光受容部材において、該光受容部材の最表面が以下の条件式(1)〜(3)を満たすように凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
【0027】
0.003≦x/y≦0.05・・・・(1)
50≦a/x≦150・・・(2)
0.3≦a/y≦1・・・(3)
x・・・凹凸の高さ(μm)
y・・・凹凸のピッチ(μm)
a・・・トナー粒径(μm)
【0028】
また本発明の光受容部材の形成方法は、少なくとも導電性支持体と、シリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料から成り光導電性を示す光導電層と、少なくともシリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有する非単結晶材料から成る表面層とを有する光受容層から構成される電子写真用光受容部材の形成方法において、該光導電層を作製する時に、原料ガス流量を(A(単位:SCCM))、乗数1を(B1)、放電電力を(C(単位:W))、希釈ガス流量を(D(単位:SCCM))、放電空間の体積を(E(cm 3 ))、乗数2を(B2)とした場合に(A)、(B1)、(B2)、(C)、(D)、(E)が以下の条件式(8)〜(12)を満たす様に制御することにより、前記光受容部材の最表面に特定の凹凸、即ち、上記の条件式(1)〜(3)を満たすような凹凸を設けることを特徴とするものである。
【0029】
C=A×B1・・・(8)
C=E×B2・・・(9)
1.4≦B1≦4.5・・・(10)
0.01≦B2≦0.03・・・(11)
4≦D/A≦7・・・(12)
【0030】
上記したような本発明の電子写真用光受容部材及び光受容部材形成方法によれば、前記した諸問題点の全てを解決でき、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、耐久性及び使用環境特性を有する電子写真用光受容部材を歩留良く効率的に形成することを可能にする。
【0031】
特に低融点トナー、或いは小粒径トナーを使用した場合においても良好なクリーニング性を維持することによって画像品質を飛躍的に向上させたシリコン原子を母体とした非単結晶材料で構成された光受容層を有する電子写真用光受容部材とその形成方法を提供することを可能にする。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明によって得られる効果について説明する。
【0033】
まず1点目として光受容部材表面に対するトナーの付着力を減少させることにより光受容部材表面にトナーが残留しにくくなることが挙げられる。
【0034】
前述したように光受容部材表面に残留するトナーは静電気力(クーロン力、鏡映力)とファンデルワールス力とによって光受容部材表面上に付着している。従って使用するトナー粒径に応じて光受容部材の表面性を制御することによって付着力を制御することが可能になる。具体的には光受容部材の表面に使用するトナー粒径に応じた特定の凹凸を設け、トナーと光受容部材表面との接触面積を充分抑えることにより付着力を充分抑制する。
【0035】
このメカニズムを図3及び図4を用いて以下に補足説明する。これらの図において301、401は光受容部材最表面、302、402はクリーニングブレード、303はトナー、403は凝集したトナーを各々示している。
【0036】
図3(a)は表面が平坦な光受容部材上にトナー粒子が付着している様子を模式的に示したものであり、図3(b)は本発明の条件を満たす凹凸を有する光受容部材上にトナー粒子が付着している様子を模式的に示したものであり、図4(a)は表面が平坦な光受容部材上にトナーの凝集体が付着している様子を模式的に示したものであり、図4(b)は本発明の条件を満たす凹凸を有する光受容部材上にトナーの凝集体が付着している様子を模式的に示したものである。
【0037】
光受容部材表面が図3(a)に示したように平坦な場合は、付着力が大きくなり、クリーニングブレードによって充分除去されない場合があるのに対して、光受容部材表面に図3(b)に示したように本発明の条件を満たすように凹凸を設けることによってトナーの付着力を減少させ、残留トナーの発生する割合を減少させることができる。
【0038】
仮に単独のトナーの状態では除去されず光受容部材表面に残留し、残留トナーが凝集/溶融して融着の核を形成し始めた場合においても、図4(a)に示したように光受容部材の表面が平坦な場合にはトナーの凝集体の付着力が大きくクリーニングブレードによって除去が困難になる場合が多いが、図4(b)に示したように光受容部材表面を本発明の特定の範囲内に制御することによって、トナーの凝集体が人間の視覚により認識できる大きさに成長する以前に除去される。
【0039】
次に2点目として、光受容部材表面とクリーニングブレードとの接触性が向上することが挙げられる。即ち光受容部材上の残留トナーの付着力がある程度減少したとしても、クリーニングブレードとのマッチングが図られなければ必ずしも充分に残留トナーを除去することはできない。
【0040】
例えば光受容部材表面の凹凸が本発明の適性範囲から大きく離れて小さい場合、クリーニングブレードと光受容部材表面との接触面積が大きくなり、光受容部材表面をクリーニングブレードが移動する際の摩擦抵抗が必要以上に大きくなり、トナーの残留している部分と、トナーの残留していない部分で摩擦抵抗の差が大きくなり、均一にクリーニングできなくなる場合がある。さらには残留トナーを充分掻き取ることができず、逆にクリーニングブレードと光受容部材表面間の圧力と摩擦熱により光受容部材表面にトナー(特にトナーのワックス成分等の外填剤等)を薄く塗布してしまう場合がある。
【0041】
一方、光受容部材表面の凹凸が本発明の適性範囲から大きく離れて大きい場合、該凹凸によりクリーニングブレード自体が損傷して、本来のクリーニング効果が得られない場合がある。光受容部材表面とクリーニングブレードとの接触性が最適な範囲をとることにより初めて光受容部材表面をひっかかりなくスムーズにすべり、トナー収集効果を向上する。
【0042】
主に以上の2つの効果を光受容部材表面に付与することによって低融点/小粒径トナーに対するクリーニング効果を向上させることができるものと考えられる。
【0043】
次に本発明の効果が得られる表面性について図5及び図6を用いて具体的に説明する。
【0044】
図5は本発明の光受容部材表面の凹凸形態を模式的に示したものである。また図6は本発明の光受容部材表面の別の凹凸形態(複数の凹凸により構成される例)を模式的に示したものである。
【0045】
これらの図において501、601は光受容部材表面を示している。またx及びyは第1の凹凸の高さ及びピッチを、X、Yは第2の凹凸の高さ及びピッチを各々示している。
【0046】
本発明者らの知見によれば、使用するトナーの粒径(平均粒径:μm)をaとした場合、x(μm)及びy(μm)との関係が、好ましくは
0.003≦x/y≦0.05・・・(1)
50≦a/x≦150・・・(2)
0.3≦a/y≦1・・・(3)
の範囲内である。またこのときx及びyの範囲としては
0.05μm≦x≦1μm・・・(4)
1μm≦y≦100μm・・・(5)
が好ましい。
【0047】
又、 HYPERLINK "http://www6.ipdl.jpo.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=234&N0500=1E#N/;%3e??9%3c?=%3c///&N0001=140&N0552=9&N0553=000026" \t "tjitemdrw" 図6に例示したような複数の種類の凹凸で構成される場合には、第1の凹凸の高さ及びピッチをx(μm),y(μm)、第2の凹凸の高さ及びピッチをX(μm),Y(μm)とした場合、x,yとX,Yの関係が
0.3≦x/X≦0.7・・・(6)
0.1≦y/Y≦0.3・・・(7)
の範囲内となることが好ましい。
【0048】
またこれらの凹凸の制御に関しては全ての凹凸の高さ及びピッチが必ずしも均一になっている必要はなく、例えば10点平均の値が本発明の範囲にあればよい。
【0049】
(形成条件について)
光受容部材の表面性を制御する形成条件については以下のことが考えられる。
【0050】
光導電層をプラズマCVD法等の特殊な形成方法により形成する場合、表面の凹凸は微妙な形成条件を反映する。即ち、堆積膜形成時のプラズマ状態が変化すると凹凸の状態も変化する。
【0051】
例えば放電パワーの絶対値、ガス流量、支持体温度等の光導電層の形成条件の殆ど全てが何らかの形で凹凸の発生に影響を与えていると考えられる。具体的には、ガス流量に関してみれば、ガス流量の多少によって柱状構造となる場合や、膜の密度が変化し、緻密な膜あるいは粗な膜となる。
【0052】
本発明では原料ガス流量と放電パワー、単位放電空間当たりに導入する放電パワー及び原料ガスと希釈ガス流量と混合比の関係を特定の範囲とすることにより、光受容部材の表面性を制御している。
【0053】
これらのパラメーターを制御することにより、プラズマ中で起こる原料ガスの分解過程を制御して生成するイオン、ラジカル、電子等(以後活性種と記す)の種類、割合を最適に制御することが出来るものと考えられる。
【0054】
例えば、未結合手の補償、表面の活性化、そして結合手の生成や最表面温度の上昇により最適結合を促進し、最適な凹凸を有する3次元網目構造の構築が効果的に起こるような条件になっていると考えられる。
【0055】
従って、本発明のごとく希釈ガスプラズマによる最適な凹凸を有する3次元網目構造の構築が効果的に行われるように、原料ガス流量と放電パワー、単位放電空間当たりに導入する放電パワー及び原料ガスと希釈ガス流量と混合比の関係を制御することにより、構造的な乱れが少なく、且つ最表面に最適な凹凸を有する堆積膜が積層され、光受容部材表面上のトナーの付着力が軽減されると同時にクリーニングブレードとのマッチングも改善されることよりクリーニング効果が著しく改善される。その結果、低融点トナー、或いは小粒径トナーを使用して長期間複写プロセスを繰り返した場合においても、複写画像上に「黒ポチ」、「白ポチ」、「黒スジ」等の画像欠陥や、「画像ムラ」等の発生が抑制されるため、感光体の使用環境に対する安定性が向上し、ハーフトーンが鮮明に出て且つ解像力の高い高品質な画像を安定して得ることが出来ると考えられる。
【0056】
又、本発明の効果が有効なトナーの一例としては、少なくとも結着樹脂を有する絶縁性トナーである。結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−αクロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインディーン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
【0057】
本発明で使用するトナーは、上述の結着樹脂中に、着色剤を混合して形成する。着色剤としては、磁性粉、顔料、染料などが使用できる。磁性粉としては、例えば、表面酸化、又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金、又は、酸化物及び、フェライトが使用できる。顔料としては、カーボンブラックなどが使用できる。
【0058】
又、これらの成分以外に、トナーの流動性を改善するための減摩剤、例えばSiO、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム等の材料を添加して形成されるトナーを使用する。
【0059】
次に本発明の効果が得られる光受容部材の形成条件について説明する。
【0060】
本発明者らの知見によれば、光導電層を作製する時に、原料ガス流量を(A(単位:SCCM))、乗数1を(B1)、放電電力を(C(単位:W))、希釈ガス流量を(D(単位:SCCM))、放電空間の体積を(E(cm 3 ))、乗数2を(B2)とした場合に(A)、(B1)、(B2)、(C)、(D)、(E)が
C=A×B1・・・(8)
C=E×B2・・・(9)
とした場合に、好ましくは
1.4≦B1≦4.5・・・(10)
0.01≦B2≦0.03・・・(11)
4≦D/A≦7・・・(12)
の範囲内である。
【0061】
またさらに少なくともシリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有する非単結晶材料から成る表面層を作製する時に、炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子導入用原料ガス流量を(F(単位:SCCM))、乗数を(G)、放電電力を(H(単位:W))とした場合に(F)、(G)、(H)が好ましくは
H=F×G・・・(13)
0.2≦G≦0.7・・・(14)
の範囲内になるように制御することにより表面撥水性が向上し、本発明の効果をより顕著にする。
【0062】
以下、図面に従って本発明の光導電部材について詳細に説明する。
【0063】
図1は、本発明の電子写真用光受容部材の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0064】
図1(a)に示す電子写真用光受容部材100は、光受容部材用としての支持体101の上に、光受容層102が設けられている。該光受容層102はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層103と、アモルファスシリコン系表面層104とから構成されている。
【0065】
図1(b)は、本発明の電子写真用光受容部材の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図1(b)に示す電子写真用光受容部材100は、光受容部材用としての支持体101の上に、光受容層102が設けられている。該光受容層102はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層103と、アモルファスシリコン系表面層104と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層105とから構成されている。
【0066】
図1(c)は、本発明の電子写真用光受容部材のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。図1(c)に示す電子写真用光受容部材100は、光受容部材用としての支持体101の上に、光受容層102が設けられている。該光受容層102は光導電層103を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層106ならびに電荷輸送層107と、アモルファスシリコン系表面層104とから構成されている。
【0067】
支持体
本発明において使用される支持体101としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも光受容層を作製する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0068】
本発明に於いて使用される支持体101の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの電子写真用光受容部材100を作製し得るように適宜決定するが、電子写真用光受容部材100としての可とう性が要求される場合には、支持体101としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体101は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常その厚さは10μm以上とされる。
【0069】
特にレーザー光などの可干渉性光を用いて像記録を行う場合には、可視画像において現われる、いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するために、支持体101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体101の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−168156号公報、同60−178457号公報、同60−225854号公報等に記載された公知の方法により作製される。
【0070】
また、レーザー光などの可干渉光を用いた場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する別の方法として、支持体101の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けてもよい。即ち、支持体101の表面が電子写真用光受容部材100に要求される解像力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによるものである。支持体101の表面に設けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61−231561号公報に記載された公知の方法により作製される。
【0071】
光導電層
本発明に於いて、その目的を効果的に達成するために支持体101上に作製され、光受容層102の一部を構成する光導電層103は本発明による真空堆積膜作製方法によって、成膜パラメーターの数値条件が設定されて作製される。具体的には、グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)によって作製することができる。
【0072】
本発明の効果である成膜最表面処理が効果的になされるためには、原料ガス流量と放電パワー、単位放電空間あたりに導入する放電パワー及び原料ガスと希釈ガス流量と混合比の関係を前述の特定の範囲内で制御するにより、光受容部材の表面性を制御することが可能となり本発明の目的である光受容部材表面のクリーニング性の飛躍的な改善がなされる。
【0073】
グロー放電法によって光導電層103を作製するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の希釈ガスとハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体101上にa−Si:H,Xからなる層を作製する。
【0074】
そして、作製される光導電層103中に水素原子を構造的に導入するが、水素原子の導入割合を制御するために導入される希釈ガスは、Hが有効に使用されるものとして挙げられる。またHeガスを混合しても差し支えないものである。
【0075】
本発明においては、光導電層103には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層103中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0076】
前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0077】
第IIIb族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的にはリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
【0078】
伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層作製の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導電層103を作製するための他のガスとともに導入する。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層作製条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0079】
そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的には、ホウ素原子導入用としては、B、B10等の水素化ホウ素、BF、BCl、BBr等のハロゲン化ホウ素等が挙げられる。この他、AlCl、GaCl、Ga(CH、等も挙げることができる。この中で、本発明の効果をより有効に引き出し、かつ取り扱いの面からBを水素希釈した物を用いる事がもっとも望ましい。
【0080】
第Vb族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、リン原子導入用としては、PH、P等の水素化リン、PHI、PF、PF、PCl、PCl、PBr、PBr、PI等のハロゲン化リンが挙げられる。この他、AsH、AsF、AsCl、AsBr、AsF、SbH、SbF、SbF、SbCl、SbCl、BiH、BiCl、BiBr等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。この中で、本発明の効果をより有効に引き出し、かつ取り扱いの面からPHを水素希釈した物を用いる事がもっとも望ましい。
【0081】
また本発明において光導電層103にハロゲン原子を含有させる場合、ハロゲン原子含有原料ガスとして、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。本発明に於いて好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0082】
さらに本発明は、光導電層103に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子を含有させても有効である。ただし、炭素原子及び/または酸素原子/及びまたは窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して1×10−5〜10原子%に制御する必要がある。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0083】
本発明において、光導電層103の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適には25〜40μmとされるのが望ましい。
【0084】
本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有する光導電層103を作製するには、原料ガスと希釈ガスとの混合比と、放電電力から、総合的に判断して、反応容器内のガス圧や支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0085】
反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10−4〜10Torr、好ましくは5×10−4〜5Torr、最適には1×10−3〜1Torrとするのが望ましい。
【0086】
さらに、支持体101の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0087】
本発明においては、光導電層を作製するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を作製すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0088】
表面層
本発明においては、上述のようにして支持体101上に作製された光導電層103の上に、更にアモルファスシリコン系の表面層104を作製することが必須である。この表面層104は自由表面を有し、主に撥水性、耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
【0089】
又、本発明においては、光受容層102を構成する光導電層103と表面層104とを作製する非晶質材料の各々がシリコン原子という共通の構成要素を有しているので、積層界面において化学的な安定性の確保が十分成されている。
【0090】
表面層104は、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。
【0091】
本発明に於いて、その目的を効果的に達成するために、表面層104は真空堆積膜作製方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作製される。具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって作製することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製される電子写真用光受容部材に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、光受容部材の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。
【0092】
例えば、グロー放電法によってa−SiC:H,Xよりなる表面層104を作製するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層103を作製した支持体101上にa−SiC:H,Xからなる層を上記のように放電電力を制御しながら作製すればよい。
【0093】
本発明に於いて用いる表面層の材質としては炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特にa−SiCを主成分としたものが好ましい。
【0094】
表面層をa−SiCを主成分として構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対して30%から90%の範囲が好ましい。
【0095】
また、本発明において表面層104中に水素原子または/及びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために必須不可欠である。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量として、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%とされるのが望ましい。
【0096】
これらの水素及び/または弗素含有量の範囲内で作製される光受容部材は、実際面に於いて従来にない格段に優れたものとして充分適用させ得るものである。すなわち、表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原子や炭素原子のダングリングボンド)は電子写真用光受容部材としての特性に悪影響を及ぼすことが知られている。例えば自由表面から電荷の注入による帯電特性の劣化、使用環境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化することによる帯電特性の変動、更にコロナ帯電時や光照射時に光導電層により表面層に電荷が注入され、前記表面層内の欠陥に電荷がトラップされることにより繰り返し使用時の残像現象の発生等がこの悪影響として挙げられる。
【0097】
しかしながら表面層内の水素含有量を30原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅に減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面及び高速連続使用性において飛躍的な向上を図ることができる。
【0098】
一方、前記表面層中の水素含有量が71原子%以上になると表面層の硬度が低下するために、繰り返し使用に耐えられなくなる。従って、表面層中の水素含有量を前記の範囲内に制御することが格段に優れた所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つである。表面層中の水素含有量は、Hガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0099】
また、表面層中の弗素含有量を0.01原子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生をより効果的に達成することが可能となる。さらに、表面層中の弗素原子の働きとして、コロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素原子の結合の切断を効果的に防止することができる。
【0100】
一方、表面層中の弗素含有量が15原子%を超えると表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生の効果およびコロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素原子の結合の切断を防止する効果がほとんど認められなくなる。さらに、過剰の弗素原子が表面層中のキャリアの走行性を阻害するため、残留電位や画像メモリーが顕著に認められてくる。従って、表面層中の弗素含有量を前記範囲内に制御することが所望の電子写真特性を得る上で重要な因子の一つである。表面層中の弗素含有量は、水素含有量と同様にHガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0101】
本発明の表面層の作製において使用されるシリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH、Si、Si、Si10等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH、Siが好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0102】
炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH、C、C、C10等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作製時の取り扱い易さ、C供給効率の良さ等の点でCH、Cが好ましいものとして挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガスを必要に応じてH、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0103】
窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質としては、NH、NO、NO、NO、O、CO、CO、N等のガス状態の、またはガス化し得る化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。また、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じてH、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0104】
また、作製される表面層104中に導入される水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図るために、これらのガスに更に水素ガスまたは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層作製することが好ましい。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0105】
ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。本発明に於いて好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0106】
表面層104中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体101の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0107】
炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0108】
さらに本発明においては、表面層104には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層104中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0109】
前記の伝導性を制御する原子としては、前記光導電層の説明中で示した第IIIb族原子または第Vb族原子を用いることができる。
【0110】
表面層104に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは1×10−3〜1×10原子ppm、より好ましくは1×10−2〜5×10原子ppm、最適には1×10−1〜1×10原子ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層作製の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、表面層104を作製するための他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、前記の常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層作製条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0111】
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0112】
本発明に於ける表面層104の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと光受容部材を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる。
【0113】
本発明による表面層104は、その要求される特性が所望通りに与えられるように注意深く作製される。即ち、Si、C及び/またはN及び/またはO、H及び/またはXを構成要素とする物質はその作製条件によって構造的には結晶からアモルファスまでの形態を取り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性までの間の性質を、又、光導電的性質から非光導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明においては、目的に応じた所望の特性を有する化合物が作製される様に、所望に従ってその作製条件の選択が厳密になされる。
【0114】
例えば、表面層104を耐圧性の向上を主な目的として設けるには、使用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材料として作製される。
【0115】
又、連続繰り返し使用特性や使用環境特性の向上を主たる目的として表面層104が設けられる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、照射される光に対してある程度の感度を有する非単結晶材料として作製される。
【0116】
本発明の目的を達成し得る特性を有する表面層104を作製するには、支持体101の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する必要がある。
【0117】
支持体101の温度(Ts)は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0118】
反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは1×10−4〜10Torr、より好ましくは5×10−4〜5Torr、最適には1×10−3〜1Torrとするのが好ましい。
【0119】
本発明においては、表面層を作製するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を作製すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0120】
さらに本発明に於いては、光導電層と表面層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設けることも帯電能等の特性を更に向上させるためには有効である。
【0121】
また表面層104と光導電層103との間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子の含有量が光導電層103に向かって減少するように変化する領域を設けても良い。これにより表面層104と光導電層103の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができる。
【0122】
電荷注入阻止層
本発明の電子写真用光受容部材においては、導電性支持体101と光導電層103との間に、導電性支持体101側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層105を設けるのがいっそう効果的である。すなわち、電荷注入阻止層105は光受容層102が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体101側より光導電層103側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層105には伝導性を制御する原子を光導電層103に比べ比較的多く含有させる。
【0123】
該層に含有される伝導性を制御する原子は、該層中に万遍なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するように含有させるのが好適である。
【0124】
しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0125】
電荷注入阻止層105にも伝導性を制御する第IIIb族原子や第Vb族原子を含有させることが出来る。
【0126】
本発明において電荷注入阻止層中に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜決定されるが、好ましくは10〜1×10原子ppm、より好適には50〜5×10原子ppm、最適には1×10〜1×10原子ppmとされるのが望ましい。
【0127】
さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させることによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ることができる。
【0128】
該層に含有される炭素原子または窒素原子または酸素原子は該層中に万遍なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0129】
本発明における電荷注入阻止層の全層領域に含有される炭素原子及び/または窒素原子および/または酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成されるように適宜決定されるが、一種の場合はその量として、二種以上の場合はその総和として、好ましくは1×10−3〜50原子%、より好適には5×10−3〜30原子%、最適には1×10−2〜10原子%とされるのが望ましい。
【0130】
また、本発明における電荷注入阻止層に含有される水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注入阻止層中の水素原子またはハロゲン原子あるいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適には10〜30原子%とするのが望ましい。
【0131】
本発明において、電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0132】
本発明において電荷注入阻止層を作製するには、前述の光導電層を作製する方法と同様の真空堆積法が採用される。
【0133】
本発明の目的を達成し得る特性を有する電荷注入阻止層105を作製するには、光導電層103と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体101の温度を適宜設定することが必要である。
【0134】
希釈ガスであるHおよび/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対しHおよび/またはHeを、通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0135】
反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10−4〜10Torr、好ましくは5×10−4〜5Torr、最適には1×10−3〜1Torrとするのが望ましい。
【0136】
放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電電力を、通常の場合1〜7倍、好ましくは2〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望ましい。
【0137】
さらに、支持体101の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0138】
本発明においては、電荷注入阻止層105を作製するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、これらの層作製ファクターは通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する電荷注入阻止層105を作製すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層作製ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0139】
このほかに、本発明の電子写真用光受容部材においては、光受容層102の前記支持体101側に、少なくともアルミニウム原子、シリコン原子、水素原子または/及びハロゲン原子が層厚方向に不均一な分布状態で含有する層領域を有することが望ましい。
【0140】
また、本発明の電子写真用光受容部材に於いては、支持体101と光導電層103あるいは電荷注入阻止層105との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si、SiO、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0141】
次に、光受容層を作製するための装置および膜作製方法について詳述する。
【0142】
図2はRF帯の周波数を用いた高周波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記する)による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図2に示す製造装置の構成は以下の通りである。
【0143】
この装置は大別すると、堆積装置(2100)、原料ガスの供給装置(2200)、反応容器(2111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置(2100)中の反応容器(2111)内には円筒状支持体(2112)、支持体加熱用ヒーター(2113)、原料ガス導入管(2114)が設置され、更に高周波マッチングボックス(2115)が接続されている。
【0144】
原料ガス供給装置(2200)は、SiH、GeH、H、CH、B、PH等の原料ガスのボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜2236,2241〜2246,2251〜2256)およびマスフローコントローラー(2211〜2216)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(2260)を介して反応容器(2111)内のガス導入管(2114)に接続されている。
【0145】
この装置を用いた堆積膜の作製は、例えば以下のように行なうことができる。
【0146】
まず、反応容器(2111)内に円筒状支持体(2112)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器(2111)内を排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター(2113)により円筒状支持体(2112)の温度を200℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
【0147】
堆積膜作製用の原料ガスを反応容器(2111)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(2231〜2236)、反応容器のリークバルブ(2117)が閉じられていることを確認し、又、流入バルブ(2241〜2246)、流出バルブ(2251〜2256)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確認して、まずメインバルブ(2118)を開いて反応容器(2111)およびガス配管内(2116)を排気する。
【0148】
次に真空計(2119)の読みが約5×10−6Torrになった時点で補助バルブ(2260)、流出バルブ(2251〜2256)を閉じる。
【0149】
その後、ガスボンベ(2221〜2226)より各ガスをバルブ(2231〜2236)を開いて導入し、圧力調整器(2261〜2266)により各ガス圧を2Kg/cmに調整する。次に、流入バルブ(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー(2211〜2216)内に導入する。
【0150】
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の作製を行う。
【0151】
円筒状支持体(2112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2251〜2256)のうちの必要なものおよび補助バルブ(2260)を徐々に開き、ガスボンベ(2221〜2226)から所定のガスをガス導入管(2114)を介して反応容器(2111)内に導入する。次にマスフローコントローラー(2211〜2216)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器(2111)内の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計(2119)を見ながらメインバルブ(2118)の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス(2115)を通じて反応容器(2111)内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体(2112)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が作製されるところとなる。所望の膜厚の作製が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の作製を終える。
【0152】
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層が作製される。
【0153】
それぞれの層を作製する際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが反応容器(2111)内、流出バルブ(2251〜2256)から反応容器(2111)に至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ(2251〜2256)を閉じ、補助バルブ(2260)を開き、さらにメインバルブ(2118)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0154】
また、膜作製の均一化を図るために、層作製を行なっている間は、支持体(2112)を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
【0155】
さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々の層の作製条件にしたがって変更が加えられることは言うまでもない。
【0156】
堆積膜作製時の支持体温度は、特に200℃以上350℃以下、好ましくは230℃以上330℃以下、より好ましくは250℃以上300℃以下が望ましい。
【0157】
支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
【0158】
それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支持体を搬送する等の方法が用いられる。
【0159】
以下、実験例により本発明の構成に至った経緯を具体的に説明するが本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0160】
実験例1
図2に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる光受容部材を作製した。
【0161】
このとき光導電層形成条件を原料ガスと希釈ガスの混合比率(D/A)を5に固定して放電電力を変化させた。作製した光受容部材の表面状態の変化を顕微鏡観察により観察し、表面の凹凸の高さ及びピッチを測定し、その関係を調べた。またこのとき放電空間の体積は約17000cm3であった。結果を表2に示す。
【0162】
【表1】
Figure 0003618919
【0163】
【表2】
Figure 0003618919
【0164】
実験例2
実験例1において、図2に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置の反応容器の内径を変え、放電空間の体積を約20000cmとした以外は、実験例1と全く同様の条件により表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる光受容部材を作製した。
【0165】
作製した光受容部材の表面状態の変化を実験例1と同様に顕微鏡観察により観察し、表面の凹凸の高さ及びピッチを測定し、その関係を調べた。結果を表3に示す。
【0166】
【表3】
Figure 0003618919
【0167】
実験例3
実験例1及び2で作製した光受容部材(Sample No.1〜22)をキヤノン社製電子写真装置NP−6750を本実験用に改造したものに搭載し、以下の条件でトナー融着に対する耐久性を調べた。
【0168】
改造した装置を気温25℃、湿度15%の環境に設置し、通常状態で適正画像が得られる様に、一時帯電器の電流値、画像露光量等を調整し、非通紙で、現像器から一定量のトナーを感光体に付与しながら感光体を10時間回転させた。この時使用するトナーの粒径を実験毎に種々変化させた。但し、使用したトナーの融点は全て約160℃に統一した。
【0169】
回転停止後、感光体表面、クリーニングローラー下流にあるクリーニングブレードに付着している残留トナー状態を目視し、また、クリーニングブレードの感光体表面に当接している側を顕微鏡で観察し、バリ状部の有無との総合で以下のように判定した。
◎・・・融着無し。
○・・・微小な融着が一部認められる。
△・・・融着が一部認められる。
【0170】
結果を表4に示す。但し、トナー粒径の欄は標準トナー(平均粒径16μm)を100とした場合の相対値を示している。また、使用したトナー粒径と光受容部材表面上の凹凸の高さ及びピッチの比(a/x,a/y:a=トナー粒径(μm)、x=凹凸の高さ(μm)、y=凹凸のピッチ(μm))も併せて表に示した。
【0171】
表4から明らかなように、Sample No.3−9及び14−21において、トナー粒径の変化(特に小粒径トナー)に対して融着に対する耐久性が優れていることが確認された。
【0172】
【表4】
Figure 0003618919
【0173】
実験例4
実験例1及び実験例2で作製した光受容部材(Sample No. 1−22)をキヤノン社製電子写真装置NP−6750を本実験例用に改造したものに搭載し、以下の条件でトナー融着に対する耐久性を調べた。
【0174】
改造した装置を気温25℃、湿度15%の環境に設置し、通常状態で適正画像が得られる様に、一時帯電器の電流値、画像露光量等を調整し、非通紙で、現像器から一定量のトナーを感光体に付与しながら感光体を10時間回転させた。この時使用するトナーの融点を実験毎に種々変化させた。但し、使用したトナーの平均粒径は全て約16μmに統一した。
【0175】
回転停止後、感光体表面、クリーニングローラー下流にあるクリーニングブレードに付着している残留トナー状態を目視し、また、クリーニングブレードの感光体表面に当接している側を顕微鏡で観察し、バリ状部の有無との総合で以下のように判定した。
◎・・・融着無し。
○・・・微小な融着が一部認められる。
△・・・融着が一部認められる。
【0176】
結果を表5に示す。但し、トナー融点の欄は標準トナー(融点約160℃)を100とした場合の相対値を示している。
表5から明らかなように、Sample No.3−9及び14−21において、トナー融点の変化(特に低融点トナー)に対して融着に対する耐久性が優れていることが確認された。
【0177】
【表5】
Figure 0003618919
Figure 0003618919
【0178】
実験例5
実験例1及び2と同様に、図2に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる光受容部材を作製した。
【0179】
この時、アルミニウムシリンダーの切削条件を種々変化させ、アルミニウムシリンダー表面に凹凸の高さが0.05〜4μm、ピッチが2〜200μmの範囲の種々の凹凸を設けたものを使用した。作製した光受容部材の表面状態の変化を顕微鏡観察により観察し、表面の凹凸の高さ及びピッチを測定し、その関係を調べた。その後、実験例3及び4と同様に平均粒径及び融点の異なる種々のトナーによる融着に対する耐久性を調べた。
【0180】
その結果、処方による凹凸(実験例1及び2で示した凹凸)を第1の凹凸(凹凸の高さ=x(μm),凹凸のピッチ=y(μm))とし、アルミニウムシリンダー表面を機械的に加工して得た凹凸を第2の凹凸(凹凸の高さ=X(μm),凹凸のピッチ=Y(μm))とした場合に、x/Xの値が0.3〜0.7で、且つ、y/Yの値が0.1〜0.3の時に、本発明の効果がより顕著に認められた。
【0181】
実験例6
実験例1及び2と同様に、図2に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる光受容部材を作製した。
【0182】
この時、光導電層形成条件を原料ガスと希釈ガスの混合比率(D/A)を1〜12に変化させた以外は実験例1及び2と同様の条件で光受容部材を作製した。作製した光受容部材の表面状態の変化を顕微鏡観察により観察し、表面の凹凸の高さ及びピッチを測定し、その関係を調べた。その後、実験例3及び4と同様に平均粒径及び融点の異なる種々のトナーによる融着に対する耐久性を調べた。
【0183】
その結果、D/Aが3〜10の時に良好な耐久性を示し、3.5〜8の時に、より良好な耐久性を示し、4〜7の時に極めて良好な耐久性を示した。
【0184】
実験例7
図2に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表6に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる光受容部材を作製した。
【0185】
この時、光導電層の放電電力を600Wに固定し、表面層の放電電力を100〜800Wに変化させた以外は実験例1と同様にして光受容部材を作製した。作製した光受容部材の表面状態の変化を顕微鏡観察により観察し、表面の凹凸の高さ及びピッチを測定し、その関係を調べた。その後、実験例3及び4と同様に平均粒径及び融点の異なる種々のトナーによる融着に対する耐久性を調べた。
【0186】
その結果、炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子導入用原料ガス流量を(F(単位:SCCM))、放電電力を(H(単位:W))とした場合、H/Fが0.2〜0.3の時に本発明の効果が特に顕著に認められた。
【0187】
【表6】
Figure 0003618919
【0188】
以上、実験例1〜7により決定された本発明の光受容部材及び本発明の光受容部材の形成方法の構成要件を表7及び表8にまとめて示す。
【0189】
【表7】
Figure 0003618919
【0190】
【表8】
Figure 0003618919
【0191】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明の効果を実証するための具体例を説明するが、上記実験例同様、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
【0192】
実施例1
実験例1と同様に図2に示すRF−PCVD法により電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表9に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる光受容部材を作製した(以後、ドラムと称す)。
【0193】
本実施例では改造したキヤノン社製電子写真装置NP−6750を気温25℃、湿度15%の環境に設置し、通常状態で適正画像が得られるように一時帯電器の電流値等を調整した後、電源を落として24時間以上放置した。
【0194】
その後、得られたドラムを前記装置にセットし、通常の電子写真プロセスにより画像を形成し、「黒ポチ」、「白ポチ」、「黒スジ」、「画像ムラ」、「画像流れ」の各項目について50万枚連続して画像形成を行う耐久試験(以下、耐久試験と表記する)を行った後の画像に対して評価した。
【0195】
これらの項目については、それぞれ、以下の方法で評価した。
【0196】
「黒ポチ」・・・白紙のコピー用紙を10枚重ねて原稿台に置き、コピーしたときに得られたコピー画像の同一面積内にある直径0.2mm以下の黒ポチについて、その数を数えて評価した。各評価は、
◎・・・特に良好
○・・・良好
△・・・一部に黒ポチが認められる
×・・・比較的広い領域に亙り黒ポチが認められる
を表している。
【0197】
「白ポチ」・・・キヤノン製全面黒チャート(部品番号:FY9−9073)を原稿台に置き、コピーしたときに得られたコピー画像の同一面積内にある直径0.2mm以下の白ポチについて、その数を数えて評価した。各評価は、
◎・・・特に良好
○・・・良好
△・・・一部に白ポチが認められる
×・・・比較的広い領域に亙り白ポチが認められる
を表している。
【0198】
「黒スジ」・・・白地に全面文字よりなるキヤノン製テストチャート(部品番号:FY9−9058)を原稿台に置き、コピーしたときに得られたコピー画像について、目視検査により黒スジの有無を調べた。各評価は、
◎・・・特に良好
○・・・良好
△・・・一部に黒スジが認められる
×・・・比較的広い領域に亙り黒スジが認められる
を表している。
【0199】
「画像ムラ」・・・キヤノン製テストチャート(部品番号:FY9−9058)を原稿台に置き、コピーしたときに得られたコピー画像について、感光体の奥から手前方向で原稿の濃度が同じ部位の画像の濃度差を目視及びマクベス反射濃度計を用いて判定した。各評価は、
◎・・・特に良好
○・・・良好
△・・・一部に画像ムラが認められる
×・・・比較的広い領域に亙り画像ムラが認められる
を表している。
【0200】
「画像流れ」・・・キヤノン製テストチャート(部品番号:FY9−9058)を原稿台に置き、通常の2倍の露光量で照射し、コピーしたときに得られたコピー画像について、目視にて観察し、画像上の細線がとぎれずにつながっているか、以下の4段階で評価した。尚、画像上でムラがあるときは、全画像域で最も悪い部位で評価した。
◎・・・良好
○・・・一部途切れ有り
△・・・途切れがある程度多いが文字として判読できる
×・・・途切れが多く文字として判読しにくいものがある
を表している。
【0201】
但し、全ての実施例及び比較例において、使用したトナーはいずれの評価試験においても本発明における標準トナー(平均粒径=約16μm、融点=約160℃)を100とした場合に対して各々の相対値が80のものを使用した。結果を表13に示す。
【0202】
【表9】
Figure 0003618919
【0203】
比較例1
光導電層の形成条件を本発明の範囲外とした以外は実施例1と同様に図2に示すRF−PCVD法により電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表10に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなるドラムを作製した。
【0204】
得られたドラムをNP6750にセットして、実施例1と同様に「黒ポチ」、「白ポチ」、「黒スジ」、「画像ムラ」、「画像流れ」の各項目について評価した。結果を実施例1の結果と併せて表13に示す。
【0205】
【表10】
Figure 0003618919
【0206】
比較例2
光導電層の形成条件を本発明の範囲外(比較例1とは別条件)とした以外は実施例1と同様に図2に示すRF−PCVD法により電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表11に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなるドラムを作製した。
【0207】
得られたドラムをNP6750にセットして、実施例1と同様に「黒ポチ」、「白ポチ」、「黒スジ」、「画像ムラ」、「画像流れ」の各項目について評価した。結果を実施例1、比較例1の結果と併せて表13に示す。
【0208】
【表11】
Figure 0003618919
【0209】
比較例3
光導電層の形成条件を本発明の範囲外(比較例1、2とは別条件)とした以外は実施例1と同様に図2に示すRF−PCVD法により電子写真用光受容部材の製造装置を用い、直径80mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表12に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなるドラムを作製した。
【0210】
得られたドラムをNP6750にセットして、実施例1と同様に「黒ポチ」、「白ポチ」、「黒スジ」、「画像ムラ」、「画像流れ」の各項目について評価した。結果を実施例1、比較例1、2の結果と併せて表13に示す。
【0211】
【表12】
Figure 0003618919
【0212】
【表13】
Figure 0003618919
【0213】
表13に示す結果から明らかなように、本発明になるドラムは融着に対する耐久性が高いため、耐久試験後の画像特性に優れていることが分かる。
【0214】
実施例2
図2に示す電子写真用光受容部材の製造装置を用い、表14に示す作製条件で実施例1とは層構成の異なるドラムを作製した。作製したドラムを実施例1と同様の評価試験を行ったところ、実施例1と同様に画像特性が優れたドラムが得られたことが分かった。
【0215】
【表14】
Figure 0003618919
【0216】
実施例3
図2に示す電子写真用光受容部材の製造装置を用い、表15に示す作製条件で実施例1とは層構成の異なるドラムを作製した。作製したドラムを実施例1と同様の評価試験を行ったところ、実施例1と同様に画像特性が優れたドラムが得られたことが分かった。
【0217】
【表15】
Figure 0003618919
【0218】
参考例1
図2に示す電子写真用光受容部材の製造装置を用い、表16に示す作製条件で実施例1とは層構成の異なるドラムを作製した。作製したドラムを実施例1と同様の評価試験を行ったところ、実施例1と同様に画像特性が優れたドラムが得られたことが分かった。
【0219】
【表16】
Figure 0003618919
【0220】
実施例4
図2に示す電子写真用光受容部材の製造装置を用い、表17に示す作製条件で実施例1とは層構成の異なるドラムを作製した。作製したドラムを実施例1と同様の評価試験を行ったところ、実施例1と同様に画像特性が優れたドラムが得られたことが分かった。
【0221】
【表17】
Figure 0003618919
【0222】
実施例5
図2に示す電子写真用光受容部材の製造装置を用い、表18に示す作製条件で実施例1とは層構成の異なるドラムを作製した。作製したドラムを実施例1と同様の評価試験を行ったところ、実施例1と同様に画像特性が優れたドラムが得られたことが分かった。
【0223】
以上の実施例により確認されたように、本発明の優れた効果はドラムの層構成に依存しないことが確認された。
【0224】
【表18】
Figure 0003618919
【0225】
【発明の効果】
本発明の電子写真用光受容部材を前述のごとき特定の電子写真特性を得るように、特定の方法で作製することにより、a−Siで構成された従来の電子写真用光受容部材における諸問題を全て解決することができ、極めて優れた電気的特性、光学的特性、光導電特性、画像特性、耐久性及び使用環境特性が得られる。
【0226】
特に本発明おいては、光受容部材の作製条件、すなわち原料ガス流量に対する放電電力及び原料ガス流量と希釈ガス流量の比率を特定の範囲に制御することによって光受容部材の表面状態を制御することが可能となったものである。
【0227】
その結果、従来よりも低融点、或いは小粒径トナーを使用した場合にも、トナー融着に対する耐久性が向上し、白ポチ、黒ポチ、黒スジ、画像ムラ、画像流れ等の画像特性が良好な状態で長時間維持することが可能となるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用光受容部材の好適な実施態様例の層構成を説明するための模式的構成図で、(a)、(b)、(c)はそれぞれ異なる層構成を示す。
【図2】本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を作製するための装置の一例で、RF帯の高周波を用いたグロー放電法による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説明図である。
【図3】本発明の電子写真用光受容部材表面に付着したトナー担体が除去されるメカニズムを説明するための模式的説明図で、(a)は凹凸のない状態、(b)は凹凸を有する状態を示す。
【図4】本発明の電子写真用光受容部材表面に付着した凝集トナーが除去されるメカニズムを説明するための模式的説明図で、(a)は凹凸のない状態、(b)は凹凸を有する状態を示す。
【図5】本発明の電子写真用光受容部材表面の凹凸形態の一例の模式的説明図である。
【図6】本発明の電子写真用光受容部材表面の凹凸形態の他の一例の模式的説明図である。
【符号の説明】
100 光受容部材
101 導電性支持体
102 光受容層
103 光導電層
104 表面層
105 電荷注入阻止層
106 電荷発生層
107 電荷輸送層
2100 堆積装置
2111 反応容器
2112 円筒状支持体
2113 支持体加熱用ヒーター
2114 原料ガス導入管
2115 高周波マッチングボックス
2116 原料ガス配管
2117 反応容器リークバルブ
2118 メイン排気バルブ
2119 真空計
2200 原料ガス供給装置
2211〜2216 マスフローコントローラー
2221〜2226 原料ガスボンベ
2231〜2236 原料ガスボンベバルブ
2241〜2246 ガス流入バルブ
2251〜2256 ガス流出バルブ
2261〜2266 圧力調整器
301、401 光受容部材最表面
302、402 クリーニングブレード
303 トナー
403 凝集したトナー
501 光受容部材最表面
601 光受容部材最表面

Claims (11)

  1. 少なくとも導電性支持体と、シリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料から成り光導電性を示す光導電層と、少なくともシリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有する非単結晶材料から成る表面層とを有する光受容層から構成される電子写真用光受容部材において、該光受容部材の表面が以下の条件式(1)〜(3)を満たすように凹凸が形成されていることを特徴とする電子写真用光受容部材。
    0.003≦x/y≦0.05・・・・(1)
    50≦a/x≦150・・・(2)
    0.3≦a/y≦1・・・(3)
    x・・・凹凸の高さ(μm)
    y・・・凹凸のピッチ(μm)
    a・・・トナー粒径(μm)
  2. 前記光受容部材の最表面に形成される凹凸の高さ及びピッチが以下の条件式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用光受容部材。
    0.05μm≦x≦1μm・・・(4)
    1μm≦y≦100μm・・・(5)
    x・・・凹凸の高さ(μm)
    y・・・凹凸のピッチ(μm)
  3. 前記光受容部材の最表面が請求項1または2に示した凹凸(第1の凹凸)に加えてさらに凹凸の高さ及び/又はピッチの異なる少なくとも1種類以上の凹凸(第2の凹凸)の組み合わせにより構成されてなり、かつ以下の条件式(6)及び(7)を満たすように第2の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用光受容部材。
    0.3≦x/X≦0.7・・・(6)
    0.1≦y/Y≦0.3・・・(7)
    X・・・第2の凹凸の高さ(μm)
    Y・・・第2の凹凸のピッチ(μm)
  4. 前記第2の凹凸は前記支持体の表面を機械的に加工することによって前記光受容部材の最表面上に形成したものであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用光受容部材。
  5. 少なくとも導電性支持体と、シリコン原子を母体として水素原子及び/またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料から成り光導電性を示す光導電層と、少なくともシリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有する非単結晶材料から成る表面層とを有する光受容層から構成され、
    該光受容部材の表面が以下の条件式(1)〜(3)を満たすように凹凸が形成されている電子写真用光受容部材の形成方法において
    0.003≦x/y≦0.05・・・・(1)
    50≦a/x≦150・・・(2)
    0.3≦a/y≦1・・・(3)
    x・・・凹凸の高さ(μm)
    y・・・凹凸のピッチ(μm)
    a・・・トナー粒径(μm)
    該光導電層を作製する時に、原料ガス流量を(A(単位:SCCM))、乗数1を(B1)、放電電力を(C(単位:W))、希釈ガス流量を(D(単位:SCCM))、放電空間の体積を(E(cm 3 ))、乗数2を(B2)とした場合に(A)、(B1)、(B2)、(C)、(D)、(E)が以下の条件式(8)〜(12)を満たす様に制御することにより、前記光受容部材の最表面に前記凹凸を設けることを特徴とする電子写真用光受容部材の形成方法。
    C=A×B1・・・(8)
    C=E×B2・・・(9)
    1.4≦B1≦4.5・・・(10)
    0.01≦B2≦0.03・・・(11)
    4≦D/A≦7・・・(12)
  6. 前記光受容層作製に用いる希釈ガスはH2及び/又はHeガスを単独または混合で導入することを特徴とする請求項5に記載の電子写真用光受容部材の形成方法。
  7. 前記光導電層作製時に周期律表第IIIb族または第Vb族に属する元素含有ガスの少なくとも一種を導入することを特徴とする請求項5または6に記載の電子写真用光受容部材の形成方法。
  8. 前記光導電層作製時に炭素、酸素、窒素元素の少なくとも一種を含むガスを単独または混合して導入することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電子写真用光受容部材の形成方法。
  9. 前記少なくともシリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有する非単結晶材料から成る表面層を作製する時に、炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子導入用原料ガス流量を(F(単位:SCCM))、乗数を(G)、放電電力を(H(単位:W))とした場合に(F)、(G)、(H)が以下の条件式(13)及び(14)を満たすことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の電子写真用光受容部材の形成方法。
    H=F×G・・・(13)
    0.2≦G≦0.7・・・(14)
  10. 前記光導電層の層厚が20乃至50μmである請求項5〜9のいずれかに記載の電子写真用光受容部材の形成方法。
  11. 前記表面層の層厚が0.01乃至3μmであることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の電子写真用光受容部材の形成方法。
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