JP3289011B2 - 堆積膜形成装置の洗浄方法 - Google Patents

堆積膜形成装置の洗浄方法

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JP3289011B2 JP2000353518A JP2000353518A JP3289011B2 JP 3289011 B2 JP3289011 B2 JP 3289011B2 JP 2000353518 A JP2000353518 A JP 2000353518A JP 2000353518 A JP2000353518 A JP 2000353518A JP 3289011 B2 JP3289011 B2 JP 3289011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光(ここでは広義
の光であって紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線
や、電磁波を含む)に対して感受性のある光受容部材を
形成するために用いられる堆積膜の形成装置の洗浄方法
に関し、特に、電子写真用の光受容部材に適用して好適
な光受容部材を形成するために用いられる堆積膜の形成
装置を洗浄する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を利用した複写機
や、ファクシミリ、プリンター等が多く使用されている
が、これらの電子写真方式は、通常、光に対して感受性
のある光受容部材を利用してトナー像を形成し、該トナ
ー像を用紙に転写する等の方法によって行われている。
このような像形成分野において使用される光受容部材に
おける光導電層を形成する光導電材料としては、高感度
で、SN比[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高く、照射す
る電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを
有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有する
こと、使用時において人体に対して無害であること、等
の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使
用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真用光受
容部材の場合には、上記の使用時における無公害性は重
要な点である。
【0003】このような点に立脚して最近注目されてい
る光導電材料にアモルファスシリコン(以下、a-Siと
表記する)があり、例えば、USP4,265,991
号、同4,552,824号公報等の電子写真用光受容部
材としての応用が記載されているように、電子写真用光
受容部材として実用化されている。このa-Siを利用し
た電子写真用光受容部材は、様々な改良や提案がなされ
ている。これらの技術により更に電気的、光学的、光導
電的特性及び使用環境特性並びに耐久性が向上し、更に
画像品位の向上も可能となった。このようなアモルファ
ス電子写真用光受容部材の形成法としては、グロー放電
によるプラズマCVD法(以下、プラズマCVD法と表記する)
が挙げられる。
【0004】a-Si光導電層は、もともと高耐久性であ
るが、上記したように、更なる電気的、光学的、光導電
的特性及び使用環境特性並びに耐久性の向上を図る技術
として、a-Si光導電層上に更に表面層(保護層)を形成
することも知られている。例えば特開昭57-1155
51号公報には、周波数13.56MHzの電磁波を用いて
原料ガスを分解、グロー放電を生起する高周波プラズマ
CVD法により表面層を堆積する例が開示されている。
【0005】また、特開昭57-11556号公報に
は、a-Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電
部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学
的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性の点、更
には経時安定性の点について改善を図るため、シリコン
原子を母体としたアモルファス材料で構成されている光
導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電
性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける
技術が記載されている。
【0006】また、特開昭62-168161号公報に
は、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜7
0原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料で
構成された材料を用いる技術が記載されている。このよ
うなa-Si電子写真用光受容部材の形成法として、グロ
ー放電によるプラズマCVD法(以下、CVD法と表記する)が
挙げられ、一般に、周波数13.56MHzの電磁波を用い
て原料ガスを分解、グロー放電を生起する、RFプラズマ
CVD法により堆積する。
【0007】また近年では、原料ガスの分解源として、
周波数2.45GHzのマイクロ波を用いたマイクロ波プラ
ズマCVD法による堆積膜の形成方法が工業的に注目さ
れ、実用化されている(例えば、特開昭60-18684
9号公報)。このような技術により、一層良好な電気特
性を有する電子写真用光受容部材を供給することが可能
となった。
【0008】ところで、近年、高速機、デジタル機、フ
ルカラー機の普及に伴い電子写真装置は更に高画質化、
高速化、高耐久が望まれている。その結果、電子写真用
光受容部材においては今まで以上にメモリー、画像欠陥
等が少ないものが要求され、電気的特性や光導電特性の
更なる向上に加えて、帯電能を、高速で使用した場合に
要求されるレベルに高めると同時に、耐久性を大幅に向
上させることが要求されるようになってきた。更に、サ
ービスコスト低減のため各部品の信頼性向上によりメン
テナンス回数の低減が必要とされている。このような状
況のもとで、電子写真用光受容部材は様々な環境下でサ
ービスマンのメンテナンスを受けないまま、以前にも増
して長時間繰り返し使用を続けられるようになってきて
いる。
【0009】然しながら、こうした状況下では、従来の
電子写真用光受容部材にも改良すべき余地が存在するの
が実情である。例えば、画像形成を繰り返した場合、複
写機プロセスにおける露光において、その残像(ブラン
ク露光が原因の場合は、ブランクメモリーという)が、
画像に現れてしまったり、高速で長時間使用した後のド
ラムでは、一度形成した画像が次の画像形成時に残像と
なって残るいわゆる「ゴースト」現象を引き起こすことも
あった。
【0010】このブランクメモリーやゴーストは、従来
においても様々な改良が行われ、着実に低減している
が、今後ますます高画質化、高速化が行われた場合にお
いてはまだ不十分であり、改善が望まれている。また、
更なる高速条件で長時間使用し続けた場合、ハーフトー
ン画像上に電子写真用光受容部材の周方向に沿った黒い
すじ、いわゆる黒すじが生じる場合があった。更に、高
速で画像形成を繰り返した場合、従来の方法において得
られた電子写真用光受容部材では、得られる膜の均一性
が十分ではなく、画像濃度にムラが生じ、特にハーフト
ーン画像において微少な画像の濃度ムラであるいわゆる
ガサツキとして顕著に現れる場合が少なくなかった。ま
たガサツキのような微少なムラの他にも、ハーフトーン
画像全体の濃度ムラも引き起こす場合があった。
【0011】また、高速で画像形成を繰り返した場合、
従来の形成法において得られた電子写真用光受容部材で
はその耐久性が十分ではなく、得られるコピー画像上に
白い点、いわゆる「白ポチ」が発生し、更にこれが次第に
増加する傾向が見られるようになってきた。また、非常
に高速で長時間繰り返し使用し続けると画像上の細線が
滲んだような状態(画像流れ)となり、ひどいときは文字
が全く読めない画像となる。従来は高湿下の画像流れは
光受容部材を加熱することにより光受容部材表面の相対
湿度を低下させ防止していたが、従来にない高速条件で
使用した場合には、光受容部材を加熱しても画像流れが
防止できないような状況も生まれており、高速複写機の
開発には光受容部材の改良も強く望まれている。
【0012】しかも、一旦このような現象が発生した電
子写真用光受容部材を使用した電子写真装置は、以前は
全く画像流れの発生しなかったような比較的低湿環境下
に戻しても画像流れが納まらないことがあった。従来は
高湿化の画像流れはドラムを加熱することによりドラム
表面の相対湿度を低下させ防止していた。しかし、この
ような方法での解決はドラム表面の温度を非常に高温に
する必要が生じ、装置のコストが上昇し、また消費電気
量が増加する問題があった。
【0013】また、上記湿度に起因するものとは別異の
ものとして強露光を照射した際に起こる画像流れがあ
る。これは電子写真用光受容部材中で電荷が横方向に流
れることで、電子写真用光受容部材表面に形成された潜
像を乱すことにより生じているものである。このように
して発生する画像流れは、現在製造条件を検討し、例え
ば不純物としての酸素の含有量を大幅に減らすような工
夫をすることにより通常では全く問題がないところまで
迫ってきている。然しながら今後は、更に超高画質への
展開、また高画質フルカラー複写機への搭載を検討する
場合にはまだ改善することが望ましく問題点として挙げ
ることができる。これを強露光画像流れと呼ぶことにす
る。
【0014】一方、上記のような主としてコピー画像上
の問題に加えて、光感度等の電位特性の更なる向上も望
まれている。また、アモルファスシリコン電子写真用光
受容部材には電位シフトという問題点が存在する。電位
シフトとは電子写真用光受容部材の暗部表面電位が、帯
電直後と数分後で変化する現象のことで、電位が増加す
る「立ち上がり」と減少する「立ち下がり」がある。これが
複写機を使用するときに、最初の1枚と連続コピーした
後で画像の濃度が変化するという現象となって現れる。
従来では、a-Siは立ち上がり、a-SiCは立ち下がり
が現れる傾向を利用して、層設計を行うことにより、電
位シフトをなくしていた。しかし、こうした場合、その
他の特性(例えばゴースト等)も変化し、それら異なる特
性を同時に改善することは難しく、根本的な改善が望ま
れていた。
【0015】また、今日の市場で強く要望されている高
速複写を実現する際、現像位置で必要とされる潜像電位
を得るためには、帯電電流を増加する必要がある。帯電
電流を増加する手段として、例えば単に帯電電流密度を
増すと帯電器の汚れたひどくなり、メンテナンス間隔が
短くなるという問題が生じてしまう。他の手段として帯
電器幅を広げて、帯電電流密度を変えずに帯電電流を増
加する方法も考えられるが、この場合、市場でのもう一
方の要望である複写機の小型化が達成不能になってしま
う。このような状況下で、電子写真用光受容部材の帯電
能向上も強く求められている。この帯電能の向上が達成
されると、高速複写を実現する際、帯電電流を増加する
必要がなく、前記したような問題を抱えることなしに必
要とされる潜像電位を得ることができる。
【0016】更に高速で長時間使用した場合、クリーニ
ングブレードと電子写真用光受容部材表面との摺擦によ
り、トナーが電子写真用光受容部材の表面に融着し、画
像上に黒い斑点をつくる場合もあった。ところで、半導
体デバイス、電子写真用光受容部材、画像入力用ライン
センサー、撮像デバイス、光起電力デバイス、また、そ
の他の各種エレクトロニクス素子等に用いる素子部材と
して、アモルファスシリコン、例えば水素又は/及びハ
ロゲンで補償されたアモルファスシリコン等のアモルフ
ァス材料で構成された半導体等用の堆積膜が提案されて
おり、またその中には実用化されているものも多い。
【0017】これらのデバイスのうちには、その生産の
際においてコスト等の面で問題を持っているものもあ
る。例えば電子写真用光受容部材を製造する場合には、
比較的厚い膜厚が必要とされるため、膜の堆積時間が必
然的に長くなり、このため製造コストも高いものとなっ
ていた。このため、生産性を向上させると同時に、種々
の点での効率向上が可能な堆積膜形成装置が求められて
いる。
【0018】この種の問題点を改善した堆積膜形成装置
としては、例えば特開昭60-186849号公報に開
示されているように、マイクロ波を用いたプラズマCVD
法によって堆積膜を形成する方法が提案されている。こ
の方法では、デポジションチャンバ内に複数の円筒部材
を配置することによって、内部チャンバを形成し、この
内部に原料ガスを導入することでガスの利用効率を高め
ると同時に、生産性向上を図っている。
【0019】ところが、上記の堆積膜形成装置の場合に
は、内部チャンバの上下(円筒状導電性基体の両端)から
マイクロ波を導入することから、円筒状導電性基体上の
母線方向の特性ムラが生じ、このため同時に形成される
複数の円筒状導電性基体間の堆積膜の特性を揃えるのは
困難であった。そしてこのような特性のばらつきは歩留
まりに影響を与えるため、たとえ生産効率を向上したと
しても、結果として製造されるデバイスのコストを上げ
る要因となっていた。以上のように、堆積膜形成装置で
は、より一層のガス利用効率、生産性、特性の均一性を
全て満足させることが望まれている。
【0020】上述したような堆積膜形成方法において
は、反応生成物の一部が目的とする基体以外の部分、即
ち反応容器の内壁等に堆積又は粉末として付着し、この
堆積物又は付着物が剥離、飛翔して基体上に付着し、こ
れが堆積膜にピンホール等の膜欠陥を生じさせる一つの
原因となる場合があるため、堆積膜の形成後は、堆積膜
形成装置の内壁等を洗浄する必要がある。このような反
応室内等に付着した反応生成物を除去する堆積膜形成装
置の洗浄方法としては、米国特許4,529,474号明
細書、特開昭59-142839号公報に開示されてい
るような、四弗化炭素(CF4)と酸素(O2)の混合ガスを
用いて前記反応生成物を除去する方法が知られている。
米国特許4,529,474号明細書には、アモルファス
シリコン堆積膜が形成される反応容器内壁に付着したポ
リシランの除去に用いられており、また特開昭59-1
42839号公報には炭化珪素膜を作成した反応容器内
の洗浄にも有効であることが示されている。
【0021】更に特開平2-77579号公報には堆積
膜形成装置の洗浄にClF3ガスが有効であることが開示
されている。該公報には堆積膜の形成を行うことで反応
容器内に付着した反応生成物をClF3ガスを用い、RFプ
ラズマ(周波数13.56MHz)及びマイクロ波プラズマ
(周波数2.45GHz)の放電エネルギー供給下で堆積膜形
成装置の洗浄を行うことが記載されている。特に上述し
たように、近年、高速機、デジタル機、フルカラー機の
普及に伴い電子写真装置は更に高画質化、高速化、高耐
久化が望まれている。その結果、上述したようにアモル
ファスシリコンドラムにおいては今まで以上に高画質化
が要求されている。
【0022】ところが、アモルファスシリコン堆積膜は
その形成時において反応容器の内壁等に堆積又は粉末と
して付着した堆積物及び生成物が発生し、これが剥離、
飛翔して基体上に付着し、堆積膜にピンホール等の膜欠
陥を引き起こす原因となり、画像欠陥を発生させてしま
う場合がある。このような画像欠陥の低減は現在までも
いろいろ改善されておりかなり少なくなってきている。
然しながら電子写真装置の高画質化もより進んでおり、
今まで以上に画像欠陥の少ないものが要求されている。
また、アモルファスシリコンドラムはマイクロ波CVD法
による製法の提案等の技術によりかなりコストが下がっ
てきているがまだコストは高く、更に努力が必要であ
る。
【0023】こうした状況下で、従来のアモルファスシ
リコンドラムの作製に係る領域でのコスト低減にもまだ
まだ改良すべき余地が存在するのが実情である。更に
は、工業的な見地から、上記のような問題点を解決した
電子写真用光受容部材を、諸特性の再現性、即ち歩留ま
りよく低コストで生産できる方法の確立が急務となって
いるのが現状である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みなされたものであって、上述のごときシリコン原子を
母体とする材料で構成された光受容層を有する電子写真
用光受容部材における上述した諸問題を解決しようとす
るものである。即ち本発明は、堆積膜を形成するための
堆積膜形成装置のクリーニングを、短時間に且つ、効果
的に行うことができる堆積膜形成装置の洗浄方法を提供
することを目的とする。
【0025】さらにその結果として、少ない時間で、よ
り高画質なアモルファスシリコンドラムを歩留まり良く
提供することを目的とする。
【0026】
【0027】
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、減圧可能な反
応容器内に、同一円周上に配置された複数の電子写真用
光受容部材用の円筒状導電性基体を回転させる手段と、
該円筒状導電性基体の配置円内に原料ガスを導入する手
段と、該円筒状導電性基体の少なくとも1個に周波数が
51〜250MHzの高周波電力を印加する手段とを有
し、該高周波電力によって前記原料ガスを分解する堆積
膜形成装置を洗浄する方法であって、堆積膜を形成した
後の該堆積膜形成装置内に付着した反応生成物を、装置
内に円筒状のダミー基体を設置し、ClF3ガスを導入
し、更に周波数20〜450MHzの電磁波を加えたプ
ラズマを発生させることにより除去することを特徴とす
る、堆積膜形成装置洗浄方法を開示するものである。
【0029】さらに、本発明の前記堆積膜形成装置内に
付着した反応生成物が、シリコンを主体とするものであ
る、前記の堆積膜形成装置洗浄方法を開示するものであ
る。
【0030】上記目的を達成する本発明の堆積膜形成装
置洗浄方法を簡単に述べると、周波数20〜450MHz
の高周波を用いて原料ガスを分解することである。即
ち、上記製造方法によって表面層を形成することによっ
て、表面層に係る諸問題点を解決し得、電子写真に適用
することで極めて優れた電気的、光学的、光導電的特
性、耐久性及び使用環境特性を示した電子写真用光受容
部材を形成することを可能にする。また、表面層と光導
電層とを共に上記製造方法によって形成することによっ
て得られた光受容部材を電子写真に適用すれば、前記し
た諸問題点を解決し得、より一層優れた電気的、光学
的、光導電的特性、耐久性及び使用環境特性を示した電
子写真用光受容部材を形成することを可能にする。
【0031】またこの場合、表面層は非単結晶材料で構
成され、更に好ましくは炭素、窒素及び酸素からなる群
から少なくとも一つ選択された元素とシリコン原子とを
有する非単結晶材料で構成される。非単結晶材料はより
好ましくはアモルファス材料である。特に、光導電層と
炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1種と、シリコン
を含有する表面層を順次積層した電子写真用光受容部材
を作成する場合に、原料ガスの励起源として、上記のよ
うな範囲の周波数の電磁波を使用することにより、層間
の界面の状態を改善し、具体的な電子写真特性をより一
層向上することができる。更に、光導電層と炭素、窒素
及び酸素原子の少なくとも1種を含有する表面層の界面
部分(変化層を含む)の改質効果が得られるが、中でも
炭素、窒素及び酸素原子の含有量(原子%)がシリコン
原子とそれらの原子の和に対して各々95以下、80以
下、80以下であり、且つ炭素、窒素及び酸素原子の含
有量の和がシリコン原子とそれらの原子の総和に対して
20〜95原子%である場合に特に著しい効果が得ら
れ、層界面を原因とする問題をより一層改善することが
できる。更に、阻止層を上記製造方法により、或いは阻
止層と光導電層とを上記した製造方法により形成するこ
とによって、各層間の界面の状態を改善することがで
き、電子写真用の光受容部材として適用すればより優れ
た特性とすることができる。
【0032】加えて、電荷発生層と電荷輸送層とを上記
製造方法により形成することによって該層間の界面状態
を改善することができ、電子写真に適用しても極めて優
れた諸特性を得ることができる。即ち、プラズマCVD工
程において、原料ガスを分解するグロー放電の電磁波の
周波数を、上記のように選択することにより、各層間に
おける密着性及び、界面状態に優れ、構造配列的に緻密
で安定的な膜質が得られ、従来の光受容部材に比較し
て、電気的、光学的、光導電的特性が繰り返し使用に際
して劣化現象を起こさず耐久性に優れた、より高画質
で、安定した画像形成可能なシリコン原子を母体とする
材料で構成された光受容層を有する光受容部材を提供す
ることができる。なお、上記高周波(電磁波)に加えて
バイアス電圧を印加することも望ましい。
【0033】また、いずれの場合も周波数は20〜45
0MHzとされるのが好ましいが、より好ましくは30〜
300MHz、更に好ましくは51〜250MHzの周波数を
使用することである。これによって、より一層優れた特
性を有する光受容部材を得ることができる。また、印加
されるバイアス電圧は直流であっても交流であってもよ
く、また、それらの組み合わせであってもよい。加え
て、印加されるバイアス電圧は成膜の間必ずしも一定の
値とすることもなく、必要に応じて直流の場合は電圧
値、交流の場合は実効電圧値を変化させてよく、また、
交流の電圧シフト量を変化させてもよい。高周波も必要
に応じて成膜中に周波数を変化し得るものである。
【0034】本発明が適用される堆積膜形成装置は、減
圧可能な反応容器内に同一円周上に配置された複数の円
筒状導電性基体を回転させる手段と、前記円筒状導電性
基体の配置円内に原料ガスを導入する手段と、前記筒状
導電性基体の少なくとも一つに高周波電力を印加する手
段とを有しており、前記高周波電力によって前記原料ガ
スを分解する。高周波電力を印加する円筒状導電性基体
の数は1個でも効果が得られるが、複数の円筒状導電性
基体上に同時に形成される堆積膜の特性のばらつきが特
に問題となる場合には、高周波電力を印加する円筒状導
電性基体の数やその配列を変更することによって、適宜
調整することができる。具体的には、高周波電力を印加
する円筒状導電性基体の数は、グロー放電開始の容易
性、高周波の伝送特性(例えばインピーダンスマッチン
グ)、全体の円筒状導電性基体の個数、堆積膜の特性等
の条件を考慮して適宜決定される。
【0035】この場合において、円筒状導電性基体の数
を2N個(Nは整数)とし、高周波電力を印加する円筒状
導電性基体の数をN個とすると共に、高周波電力を印加
する円筒状導電性基体と、高周波電力を印加しない円筒
状導電性基体を互いに隣り合うよう、交互に配列するこ
とが、堆積膜の特性を均一化する上で、また、円筒状導
電性基体間のセルフバイアスの発生を防ぐ上で望まし
い。また、高周波電力を印加する円筒状導電性基体の数
を多くする場合、特に上記のような配列をとる場合に
は、高周波電力を有効に伝送するため、また堆積膜の特
性の均一化を更に促進するため、それぞれの高周波電力
を印加する円筒状導電性基体について、マッチングボッ
クスを配し、同時励起を行うことができる。この場合、
個々の円筒状導電性基体の供給する高周波電力を個別に
調整することができる。
【0036】円筒状導電性基体に印加する高周波電力の
周波数は先に述べたとおり20〜450MHzとされる。
これは周波数が20MHz未満の場合には、高周波電力を
印加した円筒状導電性基体上の堆積膜と、高周波電力を
印加しない円筒状導電性基体上の堆積膜の間に、特性の
差が生じ易くなり、このため歩留まりよく堆積膜を作製
することが難しくなくなるためである。この原因につい
ては、現在わかっていないが、周波数の変化によるプラ
ズマ中のイオンのエネルギー変化に関連があるものと考
えられる。また高周波電力の周波数が450MHzより大
きい場合、高周波電力の伝送特性が悪化するためにグロ
ー放電を維持すること自体が難しくなる。
【0037】なお、高周波の波形は、いずれのものでも
差し支えないが、サイン波、矩形波等が適している。ま
た高周波電力の大きさは、目的とする堆積膜の特性等に
より、適宜決定されるが、円筒状導電性基体1個当たり
10〜5000Wが望ましく、更に20〜2000Wが
より望ましい。
【0038】また、前記の課題を解決し、より高品質の
光受容部材、特に更に高画質のアモルファスシリコンド
ラムを提供するための堆積膜形成装置の洗浄方法は、Cl
F3を用いプラズマエネルギーの供給の下で堆積膜形成装
置の洗浄を行う場合、電磁波の周波数を選択することに
より更に良好な堆積膜形成装置の洗浄方法を確立させる
ことができる。より具体的には、堆積膜を形成する際に
堆積膜形成装置内の堆積膜形成用の気体の流通空間を形
成している内壁に付着した反応生成物をClF3ガスと、周
波数20〜450MHzの電磁波を用いた高周波プラズマ
エネルギーを用いて除去する堆積膜形成装置のクリーニ
ング方法によって達成される。
【0039】周波数を上記のように限定することで非常
に早くしかも均一に洗浄できるため結果としてエッチン
グ時間の大幅減少による低コスト化、均一な洗浄による
画像欠陥の低減の両立ができるのである。また、上記周
波数による放電により、13.56MHzの高周波に比べ電
子エネルギーをあげることができ効率的にフッ素、塩素
等のエッチングに有益なラジカルをつくることができ
る。またマイクロ波周波数では放電の安定維持のために
圧力を下げる必要があり、非常に早い時間でしかも均一
に洗浄することで適正化することが難しく、適正な時間
よりも多く処理することが必要である。その点上記の周
波数では内圧を上げても均一なプラズマ条件をつくるこ
とができ、エッチング条件の適正化が容易でしかも優れ
た条件である。
【0040】本発明者らは、前述のような問題点を解決
する道を探るため、上述した問題点の発生原因を詳細に
検討し、更にその対策を見出した結果、本発明を完成し
たものである。以下、本発明の完成に至った経緯に沿っ
て、詳細に説明する。本発明者らの知見によれば、前記
のような表面層に係る問題点の原因は、凡そ次のような
メカニズムで発生すると考えられる。即ち、長期に亘っ
て画像形成を繰り返した場合、光受容部材の表面の材料
は電子写真装置の帯電器により、コロナ放電に繰り返し
さらされることとなる。この際にコロナのエネルギーに
より電子写真用光受容部材の表面が水分や空気中の酸素
と反応して低抵抗化したり、又は吸湿により低抵抗とな
る酸化物が生成される。こうして蓄積された低抵抗な物
質が健全な潜像形成を阻害し、画像流れを発生させ、更
に吸湿によりトナーのクリーニング性を悪化させ、トナ
ーの融着を引き起こし易くさせる。またこのような反応
が進むと感度の低下を引き起こし、比較的反応の進んで
いない部分との感度のムラとなり、特にハーフトーン画
像上で画像の濃度ムラとなって顕在化するのである。
【0041】このメカニズムが原因で発生する画像流れ
は、光受容部材をトナーや、トナー中に含有させた研磨
剤又はブレード等で擦ることや、サービスマンが光受容
部材の表面を、水や有機溶剤等で拭き取ること等では殆
ど収めることはできない。また、光受容部材を加熱する
ことにより表面の相対湿度を低減させることがこのメカ
ニズムが原因の画像流れ対策としては効果的に小さく非
常に光受容部材を高温とする必要があった。電気的、光
学的、光導電的特性及び使用環境特性、耐久性の向上、
更に、画像品位の向上のために、シリコン原子と炭素原
子とを構成要素として含む非単結晶材料で表面層を構成
することが従来行われていた。
【0042】このような表面層中での炭素原子の量は、
シリコン原子と炭素原子の和を100%としたとき、1
×10-3〜90原子%、最適には10〜80原子%が好ま
しいとされている。このとき、従来のように特に結合の
状態にこだわらずに表面層を形成した場合、シリコン原
子と炭素原子は均一には分布せず、シリコン原子の高濃
度な部分と炭素原子が高濃度な部分とが混合する状態と
なる。このため、炭素原子との結合を少なくとも1個持
つシリコン原子の数は組成から予想される値より小さな
ものとなる。
【0043】一方、本発明者らの知見によれば、表面層
中に当初から存在する、又は、Si-H,Si-Si結合がコ
ロナのエネルギーにより切れて発生したシリコン原子の
ダングリングボンドがコロナ帯電下で酸素と結合するこ
とにより上述のメカニズムが発生するのである。このよ
うな現象が起こった光受容部材の表面をESCAにより分析
すると10〜30%程度のシリコン原子が酸素と結合し
ていることが確認できる。なお、このときシシコン原子
と酸素との結合の状態は、SiO2と置いたときzは1.
0〜1.5であった。
【0044】ところが、シリコン原子が炭素原子との結
合を少なくとも1個持つとこのような酸化は非常に起こ
りにくいものとなるのである。更に、酸化が起こった場
合もその電子写真特性に与える影響が軽減されるのであ
る。このため、上述の画像流れ等は効果的に収めること
ができるのである。このような効果により電子写真用光
受容部材の特性を改善するためには、炭素原子との結合
をもつシリコン原子が全シリコン原子の50%以上とな
ることが望ましい。然しながら、従来は堆積膜中のシリ
コン原子と炭素原子の結合状態は、原料ガスに含まれる
分子構造によって、一義的に決定される傾向が強く、原
料ガスとしてシリコン原子を含むガスと、炭素原子を含
むガスを用いる、いわゆる2元系のガスを用いた場合に
は、シリコン原子が炭素原子と結合する確率を増やすた
め原料ガス中の炭素原子を含むガスの流量を単に増やす
ことは余り効果的ではなく、炭素原子との結合を少なく
とも1個持つシリコン原子が表面層中の全シリコン原子
の30%以上にすることは困難なことであった。
【0045】更に、そのように炭素原子の量を増やして
いくと、上述の画像流れが十分に改善されないまま電子
写真用光受容部材に要求されている機械的強度、十分に
広い光学的バンドギャップ幅等の他の特性が悪化してし
まうのである。本発明者らは、原料ガスが分解し堆積膜
を形成する際の過程に注目し、様々な検討を行った結
果、原料ガスを分解するために印加する電磁波の周波数
を変化させることによって、シリコン原子と炭素原子の
結合状態を変化させることを見出した。
【0046】シリコン原子が炭素原子と結合する確率を
高めるためには、原料ガスを分解する際のバランスと、
ガスが分解して生じた原子が堆積膜表面上に再配置さ
れ、結合する際のバランスが重要である。従来のRFプラ
ズマCVD法やマイクロ波プラズマCVD法では、これらのバ
ランスが必ずしも最適ではなく、シリコン原子とシリコ
ン原子の結合が多くなったり、炭素原子と炭素原子が結
合してクラスター状に膜中に取り込まれたりして、シリ
コン原子と炭素原子が結合する割合が少なくなり易かっ
た。原料ガスを分解する際に印加する電磁波の周波数を
注意深く選択することにより、シリコン原子を供給する
ガスと炭素原子を供給するガスからなる2元系の原料ガ
スを効率よく分解し、更に堆積膜表面での結合のバラン
スを最適にとることができ、シリコン原子と炭素原子が
結合する割合を飛躍的に高めることができる。こうして
表面層を形成することにより前述の表面層に係る問題点
を解決することができることを見出した。
【0047】即ち、シリコン原子を供給するガスと炭素
原子を供給するガスからなる2元系の原料ガスを使用す
る場合において、原料ガスを分解するための電磁波の周
波数を20〜450MHzのVHF帯とすることで、異なる結
合エネルギーの分子も効果的に分解し堆積膜中に取り込
むことが可能となり、容易に結合状態の均一な膜を、電
子写真用光受容部材のような大面積のデバイスにおいて
も得ることができる。この効果は、2元系、又は3元系
以上の原料ガスを用いた場合の膜質向上に特に有効であ
り、例えばシラン等の1元系のガスを用いてシリコン膜
を形成するような場合には顕著な膜質向上は見られない
が、シリコンを供給するガスと炭素原子を供給するガス
の2元系の原料ガス、例えば一般に用いられる水素化珪
素系のガス及び炭化水素系のガスを原料として使用する
ような場合においても、容易に均質な表面層を形成で
き、前述したような表面層に係る問題点を全て効果的に
解決することが可能となった。
【0048】ところで、先述したように従来、電子写真
用光受容部材は、その機能を十分に高めるため、性質の
異なった2つ以上の層を積層して形成されるのが一般的
である。例えば、光受容性に優れた光導電層と、電荷の
注入を防止するための電荷注入阻止層を積層するといっ
た手法がとられている。また、これらに加えて、これら
を保護するために硬度の高い表面層を追加する場合もあ
るし、また、この逆に光受容性に優れた光導電層と、こ
れを保護するために硬度の高い表面層を積層するような
手法が用いられている。またこれらに加え、電荷の注入
を防止するための電荷注入阻止層等の様々な機能を備え
た層領域を追加する場合もある。更に、光導電層として
光吸収性に優れ高効率で電荷を発生させる電荷発生層
と、電荷の走行性に優れた電荷輸送層を積層するといっ
た手法がとられている。このような多層の積層構造をと
る場合、各々の層単体での諸特性を、所望の電子写真特
性が得られるように設計することが重要なのは言うまで
もないが、それと同時に、特性の異なる各層間の界面を
いかにうまくつなげるかという点も、重要な要素となっ
ている。
【0049】一方、本発明者らの更なる検討によれば、
上述したような問題点の原因は、この界面部分の状況に
起因することがわかってきた。例えば「白ポチ」に関して
は、各層の界面での密着性が不十分であるために、高速
で長時間使用した場合に、主として堆積膜形成中の発生
した堆積膜の異常成長である球状突起の部分で、堆積膜
が界面からはがれ落ちるために、画像上の「白ポチ」とな
って現れることがわかった。このようにして発生する
「白ポチ」は、画像形成を繰り返す度に、次第に増加して
いく傾向が見られた。
【0050】また、上記のように界面部分で電荷が蓄積
されることにより、ブランクメモリーと呼ばれる光メモ
リーが発生するようになると考えられる。また「黒すじ」
は、電子写真装置内の電子写真用光受容部材に接触する
部分、例えば、電子写真用光受容部材表面からコピー用
紙を分離するために設けられている分離爪のような部品
が、長期に亘って使用する間に、電子写真用光受容部材
表面に局所的に圧力が加わる部分が生じて発生すること
がわかった。界面での膜の密着性が十分でない場合に、
このような局所的な圧力が加わると、その界面の部分に
ストレスがかかり、この部分での電荷の走行性が悪化し
てハーフトーン画像上で「黒すじ」となって現れるものと
考えられる。
【0051】従来のプラズマCVD法等による電子写真
用光受容部材の形成方法によれば、このような界面の形
成方法は、層形成後、一旦放電を切り、次の層を構成す
るためのガス条件等を整えた後、再び放電を開始する方
法や、各層の間で組成等を連続的に変化させる方法等で
形成されていたが、従来のRFプラズマCVD法やマイ
クロ波プラズマCVD法によれば、前者の場合には、界
面での密着性が十分ではなく、「白ポチ」の増加や「黒す
じ」の発生等の問題を起こし易いばかりでなく、再放電
の開始状況如何では、界面から膜はがれを生じる場合も
ある。また組成等を変化させる場合でも、「白ポチ」の増
加や「黒すじ」の発生、界面から膜はがれ等が生じ、期待
どおりの効果が得られず、また放電が不安定になり易い
等の問題もあり、これが界面を乱し、かえって画像流れ
やゴーストを発生させたり帯電能や、感度といった電子
写真特性を悪化させる場合もあった。
【0052】そこで本発明者らは、このような問題点を
克服すべく、形成方法について詳細に検討を加えた結
果、原料ガスを分解するための電磁波の周波数に依存し
て界面の特性が大きく変化することを見出した。具体的
一例としては、原料ガスを分解するための電磁波の周波
数と表面層中の炭素、窒素及び酸素含有量の組み合わせ
に依存して光導電層と表面層との界面の特性が大きく変
化することを見出した。更に本発明者らは、このような
問題点を克服するべく、形成方法について詳細に検討を
加えた結果、原料ガスを分解するための電磁波の周波数
及びカソード電極に印加するバイアス電圧に依存して、
界面の特性が大きく変化することを見出した。
【0053】従来の周波数13.56MHzを用いたRFプラ
ズマCVD法や、2.45MHzを用いたマイクロ波プラズマ
CVD法に比べて、20〜450MHzの周波数の電磁波
が、界面部分に対して具体的にどのような効果を持って
いるのかは、現在明確にわかっていないが、原料ガスの
分解性、また分解した後の活性種のエネルギーの違いに
よるものと推測される。即ち、界面において一旦放電を
切り、その後再放電する場合においては、再放電直後に
形成される堆積膜の結合性に問題があったり、或いは既
に形成された層の表面にダメージを与える、等の問題が
あるものと考えられるが、電磁波の周波数を適当に選択
し、原料ガスの分解性や、活性種のエネルギーを変化さ
せることによって、これらの問題点を軽減できるのでは
ないかと推測される。
【0054】また、各層間で組成を連続的に変化させる
場合でも、原料ガスの分解性の違いから、従来の方法に
比べて、理想に近い条件の変化層が形成されるものと思
われる。更に、原料ガスを分解する電磁波を選択するこ
とにより、堆積膜のストレスをより効果的に緩和して、
膜の構造欠陥を制御するため、特に、シリコン原子と、
炭素原子、酸素原子、窒素原子との多元系反応におい
て、堆積膜中のキャリアの層構成が改善され、「ブラン
クメモリ」、「ゴースト」等の光メモリーが改善される。
【0055】上述のことを具体的に一例をもって補足的
に述べると、従来の周波数13.56MHzを用いた高周波
プラズマCVD法や、2.45GHzを用いたマイクロ波プラ
ズマCVD法に比べて、20〜450MHzの周波数の電磁波
が、光導電層と表面層の界面部分に対して具体的にどの
ような効果を持っているのか、また、その際の表面層中
(又は光導電層との界面近傍)の炭素、窒素及び酸素原子
がどのような役割を果たしているのかは、現在明確にわ
かっていないが、原料ガスの分解性、また分解した後の
活性種のエネルギーの違い、各活性種の比率の違い、光
導電層と表面層界面での炭素、窒素及び酸素原子の結合
状態の違いによるものと推測される。
【0056】即ち、光導電層と表面層の界面において一
旦放電を切り、その後再放電をする場合においては、再
放電直後に形成される堆積膜の結合性に問題があった
り、或いは既に形成された層の表面にダメージを与え
る、等の問題があるものと考えられる。電磁波の周波数
を適切に選択し、原料ガスの分解性や、活性種のエネル
ギーを変化させ、更にはそれに適した炭素、窒素及び酸
素の原子比率とすることによって、これらの問題点を軽
減できるのではないかと推測される。また、光導電層と
表面層の層間で組成を連続的に変化させる場合でも、原
料ガスの分解性の違いから、従来の方法に比べて理想に
近い条件の変化層が形成される。
【0057】画像の流れについては、従来、電子写真用
光受容部材表面での電荷保持能力と密接な関係があるこ
とがわかっているが、これとは別に、電子写真用光受容
部材中の界面で電荷が移動できずに蓄積され、これが横
方向に流れることで、電子写真用光受容部材表面に形成
された潜像を乱し、画像流れを発生しているものと考え
られる。このようにして発生する画像流れは、電子写真
用光受容部材の界面のみに依存し、表面状態に依存しな
いので、従来のように電子写真用光受容部材表面を加熱
し表面での相対湿度を下げても、殆ど改善の効果が得ら
れなかった。また上記のように界面部分で電荷が蓄積さ
れることにより、ゴーストやブランクメモリー等の光メ
モリーも発生するようになると同時に、画像露光により
生成されたキャリアがこれら蓄積電荷と再結合するの
で、潜像形成に有効に寄与せず光感度も低下してしま
う。
【0058】更には、このように界面が乱れることによ
り表面層から光導電層への電荷の注入が生じて、帯電能
の低下につながってしまう。また、黒すじは、電子写真
装置の電子写真用光受容部材に接触する部分、例えば、
電子写真用光受容部材表面からコピー用紙を分離するた
めに設けられている分離爪のような部品が、長期に亘っ
て使用する間に、電子写真用光受容部材表面に局所的に
圧力が加わる部分が生じて発生することがわかった。界
面での膜の密着性が十分でない場合に、このような局所
的な圧力が加わると、その界面の部分にストレスがかか
り、この部分での電荷の走行性が悪化してハーフトーン
画像上で黒すじとなって現れるものと考えられる。
【0059】更に本発明においては、カソード電極にバ
イアス電圧を印加することにより上記のような電磁波の
周波数の効果をより顕著なものとすることができること
を見出した。本発明者らの知見によれば、一般的に原料
ガスを分解するための電磁波の周波数を大きくすると、
基体に入射するイオンのエネルギーが減少する傾向があ
ることがわかった。これは即ち、堆積膜に与えるイオン
衝撃のダメージが少ない反面、基体上に活性種が堆積す
る際のサーフェイスモビリティー(表面移動度)を促進す
るイオンによるアシストエネルギーの不足につながると
考えられる。また、イオンによるアシストエネルギーの
不足による影響は、特に界面部分で大きく現れる傾向が
ある。
【0060】このような理由で界面特性を改善するため
に、原料ガスを分解する電磁波の周波数を上記のように
選択しても、成膜条件によっては、その効果が低下する
場合があり、この傾向は、特にサーフェイスモビリティ
ーが不足しがちとなる膜の堆積速度が大きい条件でより
顕著となる。
【0061】このような条件においてもカソード電極に
バイアス電圧を印加し、これによりイオンにエネルギー
を与えることによって、あらゆる条件、特に堆積速度が
大きいような条件でも、界面特性の改善効果が十分に得
られるものである。また、カソード電極にバイアス電圧
を印加することによって、上記のような界面特性の改善
効果の再現性が向上し、光感度に対しても向上が得られ
ることを見出した。カソード電極にバイアス電圧を印加
しない場合は、基体に入射するイオンのエネルギーは堆
積膜形成装置の形状や、原料ガスのガス種、放電時の圧
力、グロー放電時の電磁波の電力等の様々な放電条件に
よって決まるプラズマ空間電位で左右される。特に界面
形成時は、放電を一旦切る場合や、変化層を設ける場合
では、再放電直後や、変化層形成中に放電条件が変化す
るため、プラズマ空間電位が変化し、基体に入射するイ
オンのエネルギーも一定とはなり得ない。
【0062】然しながら、更にカソード電極にバイアス
電圧を印加することで、イオンの入射エネルギーを増
し、上記のような変動による影響をより一層小さくする
ことができるものと推察される。またこれにより、効果
的にサーフェイスモビリティーが促進されるため、光感
度の向上が得られるものと考えられる。以上のように、
本発明者らは、多層構成の電子写真用光受容部材を作製
した場合に、原料ガスの励起源として、上記のような範
囲の周波数の電磁波を使用し、、且つカソード電極に更
にバイアス電圧を印加することで、原料ガスの分解性、
活性種、サーフェイスモビリティーのバランスをとり、
また、イオンの入射エネルギーの変動の影響をより小さ
くすることで、主として、各層間の界面の状態をより改
善し、具体的な電子写真特性のより一層の向上が可能で
あることを見出した。
【0063】また本発明者らの知見によれば、従来の周
波数13.56MHzを用いたRFプラズマCVD法や、2.45
GHzを用いたマイクロ波プラズマCVD法に対して、20〜
450MHzのいずれの周波数においても、上記のような
界面部分(変化層を含む)の改質効果が得られるが、より
好ましくは30〜300MHz、更に好ましくは51〜2
50MHzの範囲で特に著しい効果が得られている。また
周波数が450MHzを越えると、本発明に用いた装置構
成では、電磁波の減衰が大きくなり、堆積速度が悪化す
る傾向が顕著となった。
【0064】一方、バイアス電圧(V1)については、バ
イアス電圧を印加しない場合のカソード電極のセルフバ
イアス電位(V2)に対して、 OV<V1-V2≦200V の範囲とすることによって、良好な結果が得られた。即
ち、バイアス電圧V1がセルフバイアス電位V2以下の場
合には、上述のような入射エネルギーの増加の効果が得
られず、逆に、V1-V2>200Vとなる場合には、イ
オン衝撃による堆積膜へのダメージが顕著となり、特に
画像特性を悪化させる傾向が顕著となる。
【0065】バイアス電圧の値は、上記の範囲内であれ
ばいずれの値でもよく、電子写真用光受容部材の形成中
を通して、一定の値に設定してもよいし、各層の形成時
においてもそれぞれ変化させてもよい。また、膜の堆積
中に時間と共に次第に増加させる、もしくは次第に減少
させることもできる。本発明においてバイアス電圧は、
直流又は交流、もしくは交流に直流を重畳したもの等が
使用できる。直流電圧の場合は、時間に対して電圧変動
のない定電圧、又は時間に対して電圧変動のあるもの、
例えば半波整流電圧等のいずれの場合にも効果が認めら
れた。交流の場合には、正弦波、矩形波、三角波、及び
これらの合成波等、いずれの場合も効果が認められた。
バイアス電圧として時間に対して電圧変動のある直流も
しくは交流を採用する場合には上記範囲のバイアス電圧
は実効値を示すものである。また、その周波数は、基体
上に形成されるシース領域において、シースの電界の変
動に対してプラズマ中のイオンが追随できる上限の周波
数である、約2MHz以下であることが望ましい。
【0066】図1は、電子写真用光受容部材の層構成の
好適な一例を示す模式的断面図である。図1に示される
電子写真用の光受容層100は、基体101上に、光導
電層103、表面層104を順次有している。図2は、
電子写真用光受容部材の層構成の別の好適な一例を模式
的に示した図である。図2に示される電子写真用の光受
容層100は、基体101上に阻止層102、光導電層
103を順次有している。
【0067】図3は、電子写真用光受容部材の層構成の
更に別の好適な一例を模式的に示した図である。電子写
真用の光受容層100は、基体101上に、電荷輸送層
103a、電荷発生層103bを順次有している。図4
は、更に別の好適な電子写真用光受容部材の層構成を模
式的に示す図で、基体101上に阻止層102、光導電
層103、表面層104を有している。なお、この図に
おいて光導電層103は電荷輸送層103aと電荷発生
層103bとを積層した構成としてもよい。
【0068】基体101としては、例えばAl,Cr,Mo,
Au,In,Nb,Te,V,Ti,Pt,Pb,Fe等の金属、及びこ
れらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。またポ
リエステル、ポリスチレン、ポリカーボネイト、セルロ
ースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム又はシ
ート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性基体の少なく
とも光受容層を形成する側の表面を導電処理した基体も
用いることができる。 この場合、更に光受容層を形成
する側と反対側も導電処理することが望ましい。基体1
01の形状は、平滑平面或いは凹凸表面の円筒状、板
状、又は板状無端ベルト形状であることができ、その厚
さは所望どおりの電子写真用光受容部材を形成し得るよ
うに適宜決定されるが、電子写真用光受容部材として可
逆性が要求される場合には、基体としての機能が十分発
揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。然
しながら、基体の製造上及び取り扱い上、機械的強度等
の点から、通常は10μm以上とされる。
【0069】例えばレーザー光等の可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現れる干渉縞
模様による画像不良を解消するために、基体101の表
面に凹凸を設けてもよい。基体101の表面に設けられ
る凹凸は、特開昭60-168156号公報、同60-1
748457号公報、同60-115854号公報等に
記載された公知の方法により作製することができる。ま
た、レーザー光等の可干渉光を用いた場合の干渉縞模様
による画像不良を解消する別の方法として、基体101
の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けても
よい。即ち、基体101の表面が電子写真用感光体に要
求される解像力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸
は、複数の球状痕跡窪みによるものである。基体101
の表面に設けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、
特開昭61-231561号公報に記載された公知の方
法により作製することができる。阻止層102を有する
場合には、周波数20〜450MHzの電磁波を用いたプ
ラズマCVD法によって、所望の特性を有する非単結晶材
料より形成されるのが望ましい。例えばa-SiCより構
成された阻止層102を形成するには、基本的にシリコ
ン原子(Si)を供給し得るSi供給用ガスと、炭素原子
(C)を供給し得るC供給用ガスを、内部が減圧可能な反
応容器内に所望のガス状態で導入し、反応容器内で周波
数20〜450MHzの電磁波を用い、グロー放電を生起
させ、予め所定の位置に設置された基体101上に例え
ばa-SiCからなる層を形成すればよい。
【0070】阻止層形成のために使用されるSi供給用
ガスとなり得る物質としては、SiH 4,Si26,Si
38,Si410等のガス状態の、又はガス化し得る水素
化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げら
れ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ
等の点でSiH4,Si26が好ましいものとして挙げられ
る。炭素原子(C)導入用の原料ガスになり得るものとし
て有効に使用される出発物質は、CとHとを構成原子と
する、例えば炭素数1〜5の飽和炭化水素、炭素数2〜
4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン系
炭化水素等が挙げられる。具体的には、飽和炭化水素と
しては、メタン(CH4)、エタン(C26)、プロパン(C
38)、n-ブタン(n-C410)、ペンタン(C512)、エ
チレン系炭化水素としては、エチレン(C24)、プロピ
レン(C36)、ブテン−1(C48)、ブテン−2(C4
8)、イソブチレン(C48 )、ペンテン(C510)、ア
セチレン系炭化水素としては、アセチレン(C22)、メ
チルアセチレン(C34)、ブチン(C46)等が挙げられ
る。この他に、CF4、CF3、C26、C38、C48
等のフッ化炭素化合物もC供給用ガスとして使用でき
る。
【0071】また、これらのSi及びC供給用の原料ガ
スを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより
希釈して使用してもよい。また、Si(CH34、Si(C2
5)4等のケイ化アルキルを上記の原料ガスと併せて使
用してもよい。阻止層形成に使用される上記のような原
料ガスは、各々異なる供給源(ボンベ)から供給してもよ
いし、また、予め一定の濃度で混合されたガスを使用し
てもよい。
【0072】また、a−SiO及び、/又はa−SiNよ
り構成された阻止層102を形成する場合の、O供給ガ
スとしては、例えば酸素(O2)、オゾン(O3)、酸素原子
の供給に加えて、炭素原子の供給も同時に行えるという
点から、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)等が挙
げられる。また、N供給ガスとしては、窒素(N2)、ア
ンモニア(NH3)等が挙げられ、酸素原子の供給に加え
て、窒素原子の供給も同時に行えるという点から、一酸
化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化二窒素(N2
O)、三酸化二窒素(N23)、四酸化二窒素(N24)、
五酸化二窒素(N25)等が挙げられる。また、阻止層1
02中に水素原子が含有されることが有効であるが、こ
れはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、
特に光導電性及び電荷保持特性を向上させるために必須
不可欠であるからである。
【0073】更に、阻止層102に必要に応じて伝導性
を制御する原子(M)を含有させることが好ましい。伝
導性を制御する原子は、阻止層全領域中に万偏なく均一
に分布した状態で含有されても良いし、或いは層厚方向
には不均一な分布状態で含有している部分があってもよ
い。前記の伝導性を制御する原子(M)としては、半導体
分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p
型伝導特性を与える周期律表III族に属する原子(以後
「第III族原子」と略記する)、又はn型伝導特性を与える
周期律表V族に属する原子(以後「第V族原子」と略記す
る)を用いることができる。第III族原子としては、具体
的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(G
a)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に、
B、Al、Gaが好適である。第V族原子としては、具体
的には燐(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス
(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
【0074】阻止層に含有される伝導性を制御する原子
(M)の含有量としては、好ましくは、1×10-3〜5×
104原子ppm、より好ましくは、1×10-2〜1×10
4原子ppm、最適には、1×10-1〜5×103原子ppmと
されるのが望ましい。阻止層中に、伝導性を制御する原
子、例えば、第III 族原子或いは第V族原子を構造的に
導入するには、層形成の際に、第III 族原子導入用の原
料物質或いは第V族原子導入用の原料物質をガス状態で
反応容器中に、阻止層を形成するための他のガスととも
に導入してやればよい。
【0075】第III族原子導入用の原料物質、或いは第
V族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常
温常圧でガス状の又は、少なくとも阻止層形成条件下で
容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。そ
のような第III族原子導入用の原料物質として具体的に
は、硼素原子導入用としては、B26,B410,B5 9,
511,B610,B612,B614等の水素化硼素、B
3,BCl3,BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられ
る。この他、AlCl3,GaCl3,Ga(CH3)3,InCl 3,T
lCl3等も挙げることができる。第V族原子導入用の原
料物質として、有効に使用されるのは、燐原子導入用と
しては、PH3,P24等の水素化燐,PH4I,PF3,P
5,PCl3,PCl5,PBr 3,PBr5,PI3等のハロゲン
化燐が挙げられる。この他、AsH3,AsF3,AsCl 3,A
sBr3,AsF5,SbH3,SbF3,SbF5,SbCl3,SbCl5,
BiH3,BiCl3,BiBr3等も第V族原子導入用の出発物
質の有効なものとして挙げることができる。また、これ
らの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応
じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用し
てもよい。
【0076】更に阻止層102には、周期律表第Ia
族、IIa族、VIa族、VIII族から選ばれる少なくとも1
種の元素を含有してもよい。前記元素は前記阻止層中に
万偏無く均一に分布されてもよいし、或いは該阻止層中
に万偏無く含有されてはいるが、層厚方向に対し不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。こ
れらの原子の含有量は0.1〜10000原子ppmが望ま
しい。第Ia族原子としては、具体的には、リチウム
(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)を挙げることが
でき、第IIa族原子としては、ベリリウム(Be)、マグ
ネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(S
r)、バリウム(Ba)等を挙げることができる。
【0077】また、第VIa族原子としては具体的には、
クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を
挙げることができ、第VIII族原子としては、鉄(Fe)、
コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等を挙げることができ
る。阻止層102の層厚は、所望の電子写真特性が得ら
れること及び経済的効果等の点から適宜所望に従って決
定され、好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは
0.5〜5μm、最適には1〜3μmとされるのが望ま
しい。a-Si母体の阻止層102を形成するためには、
導電性基体の温度、反応容器内のガス圧を所望に従っ
て、適宜設定する必要がある。導電性基体の温度(Ts)
は、層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常
の場合、好ましくは20〜500℃、より好ましくは5
0〜480℃、最適には100〜450℃とするのが望
ましい。
【0078】反応容器内のガス圧も、同様に層領域設計
に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好
ましくは、1×10-5〜100Torr、より好ましくは、
5×10-5〜30Torr、最適には、1×10-4〜10To
rrとするのが好ましい。阻止層102を形成するための
導電性基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記
した範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは
通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の
特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機的
関連性に基づいて層領域作成ファクターの最適値を決め
るのが望ましい。
【0079】尚、阻止層102を形成するにあたって、
上記したように周波数20〜450MHzの電磁波を用
いるに加えて、カソード電極にバイアス電圧を印加する
ことはより好ましい。バイアス電圧を印加する場合は、
例えばa-SiCより構成される阻止層102を形成する
には、基本的にシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給
用ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用ガスを内
部が減圧可能な反応容器内に所望のガス状態で導入し、
反応容器内で周波数20〜450MHzの電磁波を用いる
と共に、カソード電極にバイアス電圧を印加して、グロ
ー放電を生起させ、予め所定の位置に設置された基体1
01上にa-SiCからなる層を形成すればよい。
【0080】また、使用される光導電層103は、所望
の光導電特性を有する非単結晶材料より形成される。光
導電層の形成方法は、製造条件、設備資本投資の負荷程
度、製造規模、制作される光導電層の特性等の要因によ
って適宜決定されるが、所望の特性を有する光導電層を
堆積するに当たっての条件の制御が比較的簡単なことか
ら、RFプラズマCVD法、VHFプラズマCVD法、マイクロ
波プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法が好適である。なかでも周波数20〜450MH
zの電磁波を用いた(VHF)プラズマCVD法によって形成す
るのが望ましい。
【0081】例えばRFプラズマCVD法でa-Siより構成
された光導電層103を形成する場合には、基本的にシ
リコン原子(Si)を供給し得るSi供給用ガスを内部が減
圧可能な反応容器内に所望のガス状態で導入し、反応容
器内でグロー放電を生起させ予め所定の位置に設置され
た基体101上にa-Siからなる層を形成すればよい。
また、VHFプラズマCVD法によってa-Siより構成された
光導電層103を形成するには、基本的にシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用ガスを、内部が減圧可能な
反応容器内に所望のガス状態で導入し、反応容器内で周
波数20〜450MHzの電磁波を用い、グロー放電を生
起させ、予め所定の位置に設置された基体101上にa
-Siからなる層を形成すればよい。
【0082】また更に、カソード電極にバイアス電圧を
印加することも望ましい。光導電層形成のために使用さ
れるSi供給用ガスとなり得る物質としては、前記阻止
層と同様の物質を使用し得る。また、この場合も層作成
時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4,
Si26が好ましいものとして挙げられる。また、これ
らのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2,He,Ar,
Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。光導電層
103中に伝導性を制御するための原子を導入すること
も有効であるし、修飾物質としてフッ素原子等のハロゲ
ン原子を導入することも有効である。伝導性を制御する
物質及び原料ガス等については、阻止層中に含有される
該物質及び原料ガスを適用することができる。
【0083】a-Siからなる光導電層103を形成する
ためには、基体の温度、反応容器内のガス圧を所望に従
って、適宜設定する必要がある。基体の温度(Ts)は、
層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合、好ましくは20〜500℃、より好ましくは50〜
480℃、最適には100〜450℃とするのが望まし
い。反応容器内のガス圧も同様に、層領域設計に従って
適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましく
は、1×10-5〜100Torr、より好ましくは、5×1
-5〜30Torr、最適には、1×10-4〜10Torrとす
るのが好ましい。
【0084】光導電層103を形成するための導電性基
体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲
が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常は独
立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有
する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機的関連性に
基づいて、層領域作成ファクターの最適値を決めるのが
望ましい。
【0085】光導電層103の層厚は、所望の電子写真
特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望
に従って決定され、好ましくは5〜50μm、より好ま
しくは10〜40μm、最適には15〜30μmとする
のが望ましい。尚、基体がアルミニウム原子を含有する
場合、光導電層103或いは阻止層102の前記導電性
基体側に、少なくともアルミニウム原子とシリコン原子
と水素原子が、層厚方向に不均一な分布状態で含有する
層領域を有することが望ましい。これにより、層の基体
との密着性を一層高めることができる。
【0086】電荷輸送層103aを形成する場合は、周
波数20〜450MHzの電磁波を用いたプラズマCVD法に
よって、所望の特性を有する非単結晶材料より形成され
るのが望ましく、シリコン原子を母体とし、少なくとも
炭素原子及び/又は、酸素原子及び/又は、窒素原子を含
有する高抵抗又は比較的高抵抗な非単結晶材料を有する
層で、それらの含有量は好ましくは、500原子ppm〜
25原子%、より好ましくは1〜10原子%である。例え
ば、a-SiCより構成された電荷輸送層103aを形成
するには、基本的にシリコン原子(Si)を供給し得るSi
供給用ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用ガス
を内部が減圧可能な反応容器内に所望のガス状態で導入
し、反応容器内で周波数20〜450MHzの電磁波を用
い、グロー放電を生起させ、予め所定の位置に設定され
た基体101上にa-SiCからなる層を形成すればよ
い。また、更にカソード電極にバイアス電圧を印加する
ことは望ましい。
【0087】電荷輸送層103a形成のために使用され
るSi供給用ガスとなり得る物質としては、前記阻止層
で挙げた物質と同様な物質を使用し得る。この場合も、
層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点で
SiH4,Si26が好ましいものとして挙げられる。炭素
原子(C)導入用の原料ガスになり得るものとして有効に
使用される出発物質は、同様に前記阻止層で挙げた物質
と同様な物質を使用し得る。また、この場合も、これら
のSi及びC供給用の原料ガスを、必要に応じて、H2,
He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用することも、
有効である。また、Si(CH3)4,Si(C25)4等のケイ
化アルキルを上記の原料ガスと併せて使用することも有
効である。
【0088】電荷輸送層形成に使用される上記のような
原料ガスは、各々異なる供給源(ボンベ)から供給しても
よいし、また、予め一定の濃度で混合されたガスを使用
してもよい。また、a-SiO及び、a-SiNより構成さ
れた電荷輸送層103aを形成する場合には、酸素原子
(O)及び窒素原子(N)を供給し得るO及びN供給ガスと
して、前記阻止層の説明中で挙げられたO及びN供給ガ
スを使用し得る。
【0089】また、電荷輸送層103a中に水素原子が
含有されることが有効であるが、これは水素原子がシリ
コン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導
電性及び電荷保持特性を向上させるために必須不可欠で
あるからである。更に電荷輸送層103aに必要に応じ
て伝導性を制御する原子(M)を含有させることが好まし
い。伝導性を制御する原子は、電荷発生層全領域中に万
偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、或い
は層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分が
あってもよい。
【0090】前記の伝導性を制御する原子(M)として
は、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げること
ができ、具体的には前記阻止層の説明中で挙げられた伝
導性を制御する原子(M)を含有させることができる。電
荷輸送層に含有される伝導性を制御する原子(M)の含有
量としては、好ましくは1×10-3〜5×104原子pp
m、より好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、最
適には1×10-1〜5×103原子ppmとされるのが望ま
しい。
【0091】電荷輸送層中に、伝導性を制御する原子、
例えば、第III族原子或いは第V族原子を構造的に導入
するには、層形成の際に、第III族原子導入用の原料物
質或いは第V族原子導入用の原料物質をガス状態で反応
容器中に、電荷発生層を形成するための他のガスととも
に導入してやればよい。第III族原子導入用の原料物質
或いは第V族原子導入用の原料物質となり得るものとし
ては、常温常圧でガス状の、又は少なくとも電荷発生層
形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが
望ましい。そのような第III族又は第V族原子導入用の
原料物質として具体的には、前記阻止層において使用さ
れる第III族原子又は第V族原子導入用の原料物質が同
様に使用し得る。また、この場合もこれらの伝導性を制
御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2、He、
Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0092】更に電荷輸送層103aには、前記阻止層
と同様に周期律表第Ia族、IIa族、VIa族、VIII族か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含有してもよい。前
記元素は前記電荷輸送層中に万偏無く均一に分布されて
もよいし、或いは該電荷輸送層中に万偏無く含有されて
はいるが、層厚方向に対し不均一に分布する状態で含有
している部分があってもよい。然しながら、これらの原
子の含有量は0.1〜10000原子ppmが望ましい。含
有される周期律表第Ia族、IIa族、VIa族、VIII族原
子は前記阻止層の場合と同様な原子を挙げることができ
る。電荷輸送層103aの層厚は所望の電子写真特性が
得られること及び経済的効果等の点から適宜所望に従っ
て決定され、好ましくは3〜100μm、より好ましく
は5〜50μm、最適には10〜30μmとされるのが
望ましい。
【0093】a-Siからなる電荷輸送層103aを形成
するためには、導電性基体の温度、反応容器内のガス圧
を所望に従って、適宜設定する必要がある。導電性基体
の温度(Ts)は、層設計に従って適宜最適範囲が選択さ
れるが、通常の場合、好ましくは20〜500℃、より
好ましくは50〜480℃、最適には100〜450℃
とするのが望ましい。反応容器内のガス圧も同様に、層
領域設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは、1×10-5〜100Torr、より好ま
しくは、5×10-5〜30Torr、最適には、1×10-4
〜10Torrとするのが好ましい。
【0094】電荷輸送層103aを形成するための導電
性基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した
範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常
は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性
を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機的関連
性に基づいて層領域作成ファクターの最適値を決めるの
が望ましい。電荷発生層103bを形成する場合には、
周波数20〜450MHzの電磁波を用いたプラズマCVD法
によって、所望の特性を有する非単結晶材料より形成さ
れるのが望ましく、シリコン原子を母体とし、炭素原子
及び/又は、酸素原子及び/又は、窒素原子を含有しても
よいが、高い光導電性を必要とするため、それらの含有
量は1原子%以下であることが必要である。
【0095】例えばa-Siより構成される電荷発生層1
03bを形成するには、基本的にシリコン原子(Si)を
供給し得るSi供給用ガスを、内部が減圧可能な反応容
器内に所望のガス状態で導入し、反応容器内で周波数2
0〜450MHzの電磁波を用い、グロー放電を生起さ
せ、予め所定の位置に設置された基体101上にa-Si
からなる層を形成すればよい。また、更に、カソード電
極にバイアス電圧を印加することは望ましい。
【0096】Si供給用ガスとなり得る物質としては、
前記電荷輸送層形成に使用できる物質が使用できる。ま
た、もちろんこれらのSi供給用の原料ガスを必要に応
じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用して
もよい。電荷発生層103b中に前記電荷輸送層中で説
明したような伝導性を制御するための原子を導入するこ
とも有効であるし、同様に修飾物質として弗素原子等の
ハロゲン原子を導入することも有効である。
【0097】電荷発生層103bの層厚は所望の電子写
真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所
望に従って決定され、好ましくは0.1〜10μm、よ
り好ましくは0.3〜8μm、最適には0.5〜5μmと
されるのが望ましい。表面層104を設ける場合は、周
波数20〜450MHzの電磁波を用いたプラズマCVD法(V
HFプラズマCVD法)で、所望の、機械的特性、電気的特
性、耐環境性等を有する炭素、窒素及び酸素の少なくと
も1種とシリコンを含有する非単結晶材料で形成され
る。例えばアモルファス炭化珪素(a-SiC)からなる表
面層を形成する場合には、基本的にシリコン原子Siを
含むガスと炭素原子Cを含むガスとを原料ガスとして、
減圧可能な反応容器内に導入し、周波数20〜450MH
zの電磁波を用いて反応容器内にグロー放電を生起せし
め、所定の位置に設置され予め光導電層等を形成した基
体上に堆積膜を形成することによって得られる。また、
更に、カソード電極にバイアス電圧を印加することは望
ましい。
【0098】2元系の原料ガスを有効に分解し、目的を
達成する結合状態の堆積膜を得るためには、分解するた
めの電磁波の周波数は、20〜450MHzの範囲で電子
写真特性の向上が認められるが、好適には30〜300
MHz、最適には51〜200MHzとされる。表面層1
04の原料ガスとしては、シリコン原子を供給するガ
ス、炭素原子を供給するガスを最低の構成要素とし、そ
の他、所望の特性を得るために表面層に導入する元素に
由来するガスを含めて使用される。これらの原料ガスは
ガス状のもの、又は表面層104の形成条件下で容易に
ガス化し得るものであればいずれのものでも差し支えな
い。
【0099】表面層形成のために使用される、Si供給
用ガスとなり得る物質としては、前記阻止層と同様の物
質を使用し得る。この場合も、層作成時の取り扱い易
さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4,Si26が好ま
しいものとして挙げられる。また、水素化珪素の他に
も、フッ素原子を含む珪素化合物、いわゆるフッ素原子
で置換されたシラン誘導体、具体的には、例えばSi
4,Si26等のフッ化珪素や、SiH3F,SiH22,S
iHF3等のフッ素置換水素化珪素等、ガス状の、又はガ
ス化し得る物質もSi供給用ガスとしては有効である。
また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じて
2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用しても何
等差し支えない。
【0100】炭素原子(C)導入用の原料ガスになり得る
ものとして有効に使用される出発物質は、前記阻止層と
同様の物質を使用し得る。また、これらのC供給用の原
料ガスは、同様に必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガ
スにより希釈して使用する事も有効である。また、Si
(CH3)4,Si(C25)4等のケイ化アルキルを上記の原
料ガスと合わせて使用することも有効である。
【0101】窒素原子N導入用の原料ガスになり得るも
のとして有効に使用される出発物質の一例としては、窒
素(N2)、アンモニア(NH3)、一酸化窒素(NO)等が挙
げられる。また、酸素原子O導入用の原料ガスになり得
るものとして有効に使用される出発物質の一例として
は、酸素(O2)、一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2)等が挙げられる。上記のような
原料ガスは、各々異なる供給源(ボンベ)から供給しても
よいし、又予め一定の濃度で混合されたガスを使用する
ことも有効である。もちろん、前記阻止層で挙げられた
他の窒素原子及び酸素原子導入用の原料ガスを使用する
こともできる。表面層形成に使用される上記のような原
料ガスは、各々異なる供給源(ボンベ)から供給してもよ
いし、また、予め一定の濃度で混合されたガスを使用す
る事も有効である。表面層104の層厚は所望の電子写
真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ま
しくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜2
0μm、最適には0.01〜10μmとするのが望まし
い。
【0102】表面層104を形成する条件は、所望の電
子写真特性が得られるように、適宜決定することができ
る。例えば基体温度は適宜最適範囲が選択されるが、好
ましくは20〜500℃、より好ましくは50〜480
℃、最適には100〜450℃とするのが望ましい。反
応容器内のガス圧も適宜最適範囲が選択されるが、好ま
しくは1×10-5〜100Torr、より好ましくは5×1
-5〜30Torr、最適には1×10-4〜10Torrとする
のが望ましい。更に原料ガスの分解のために印加される
VHF帯域の電磁波のパワーは基体一個あたり通常10〜
5000W、好適には20〜2000Wとするのが望ま
しい。
【0103】表面層104を形成するための基体温度、
ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、条件は通常は独立的に別々に決められるもので
はなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相
互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望
ましい。尚、阻止層は、電子写真用光受容部材の場合、
基体側からのキャリアの注入を阻止するために設けられ
る。従って、阻止層中に含有される伝導性を制御する物
質は、他の層に較べて比較的多く含有するのが望まし
い。また、伝導性を制御する物質は、層厚方向に万偏な
く均一に分布した状態で含有されていても良いし、不均
一な分布状態(例えば基体側に多く)で含有されていても
良い。
【0104】電荷輸送層は、キャリアを移動させるため
の層であり、キャリアの基体からの注入阻止のために
は、主として機能しない層である。従って、伝導性を制
御する物質を含有する場合は、キャリアを移動させるに
十分な量含有させることが好ましい。
【0105】阻止層及び光導電層の界面部分に組成等の
特性が、阻止層から光導電層に連続的に変化するような
領域を設けることもできる。この領域の厚さは、阻止層
と光導電層との間に実質的な界面を形成するような厚さ
であって、阻止層と光導電層との間をなだらかに接続
し、組成や光学特性等について界面が特定できなくなる
ようないわゆる界面レス状態を意味するものではない。
また電子写真用光受容部材の層構成は、電子写真用光受
容部材としての所望の特性を得るために必要に応じて、
上記阻止層と光導電層以外に、密着層、表面保護層等を
設けることができる。これらを設けた場合にも各層の間
に組成等を連続的に変化させた領域等を設けることがで
きるが、この領域の厚さは実質的に界面を形成する程度
のものである。
【0106】また、光導電層及び表面層の界面部分に組
成等の特性が、光導電層から表面層に連続的に変化する
ような領域を設けることもできる。この領域の厚さは、
光導電層と表面層の間に実質的な界面を形成するような
厚さであって、光導電層と表面層の間をなだらかに接続
し、組成や光学特性等について界面が特定できなくなる
ようないわゆる界面レス状態を意味するものではない。
電荷発生層及び電荷輸送層の界面部分に組成等の特性
が、連続的に変化するような層領域を設けることもでき
る。この領域の厚さは、電荷発生層と電荷輸送層との間
に実質的な界面を形成するような厚さであって、電荷発
生層と電荷輸送層の間をなだらかに接続し、組成や光学
特性等について界面が特定できなくなるようないわゆる
界面レス状態を意味するものではない。
【0107】また電子写真用光受容部材の層構成は、電
子写真用光受容部材としての所望の特性を得るために必
要に応じて、上記光導電層或いは上記電荷発生層と電荷
輸送層に加えて、電荷注入阻止層、表面保護層等を夫々
単独に又は同時に設けることができる。例えば、電子写
真用光受容部材としての所望の特性を得るために必要に
応じて、上記光導電層と表面層以外に、密着層、下部電
荷注入阻止層等を設けることができる。これらを設けた
場合にも各層の間に組成等を連続的に変化させた領域等
を設けることができるが、この領域の厚さは実質的に界
面を形成する程度のものである。いずれの場合にも、界
面部分を周波数20〜450MHzの電磁波を用いて形成
することが、より一層の効果を得るためには重要なこと
である。
【0108】以下、電子写真用光受容部材の形成方法の
手順の好適な一例について説明する。先ず、基体上にRF
プラズマCVD法によって形成された光導電層とVHFプ
ラズマCVD法によって形成された表面層とを有する場合
の一例について説明する。先ず、基体に非単結晶材料で
構成された光導電層を形成させるために、例えば、RFプ
ラズマCVD法を用いる場合には、図5に示した堆積膜形
成装置を用いる。この装置を用いた光導電層の形成手順
の1例を以下に述べる。反応容器3111内に円筒状の
基体3112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空
ポンプ)により反応容器3111内を排気する。続い
て、支持体加熱用ヒーター3113により基体3112
の温度を20℃〜500℃の所定の温度に制御する。
【0109】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器311
1に流入させるためには、ガスボンベのバルブ3231
〜3236、反応容器のリークバルブ3117が閉じら
れていることを確認し、また流入バルブ3241〜32
46、流出バルブ3251〜3256、補助バルブ32
60が開かれていることを確認して、先ずメインバルブ
3118を開いて反応容器3111及びガス配管内31
16を排気する。次に真空計3119の読みが約5×1
-6Torrになった時点で補助バルブ3260、流出バル
ブ3251〜3256を閉じる。その後、ガスボンベ3
221〜3226より各ガスをバルブ3231〜323
6を開いて導入し、圧力調整器3261〜3266によ
り各ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ3
241〜3246を徐々に開けて、各ガスをマスフロー
コントローラー3211〜3216内に導入する。
【0110】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、基体3112上に光導電層及び表面層の形成を行
う。基体3112が所定の温度になったところで流出バ
ルブ3251〜3256のうちの必要なもの及び補助バ
ルブ3260を徐々に開き、ガスボンベ3221〜32
26から所定のガスをガス導入管3114を介して反応
容器3111内に導入する。次にマスフローコントロー
ラー3211〜3216によって各原料ガスが所定の流
量になるように調整する。その際、反応容器3111内
の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計3
119を見ながらメインバルブ3118の開口を調整す
る。内圧が安定したところで、高周波電源3120を所
望の電力に設定して、高周波マッチングボックス311
5を通じて反応容器3111内にRF電力を導入し、RFグ
ロー放電を生起させる。
【0111】この放電エネルギーによって、反応容器内
に導入された原料ガスが分解され、基体3112上に所
定の光導電層が形成される。所望の膜厚の形成が行われ
た後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容
器へのガスの流入を止め、光導電層の形成を終える。次
に図6に示した堆積膜形成装置を用いた表面層の形成手
順の好適な1例について述べる。図6は、VHFプラズマC
VD法による電子写真用光受容部材の形成装置の好適な一
例の模式図である。
【0112】この装置は、大別すると、堆積装置110
0、原料ガスの供給装置1200、反応容器1111内
を減圧にするための排気装置(図示せず)、及び本発明の
周波数の電磁波を発生するためのVHF電源1120から
構成されている。堆積装置1000中の反応容器111
1内には、基体1112、基体加熱用ヒーター111
3、及び原料ガス導入管1114が設置され、更に高周
波マッチングボックス1115を介してVHF電源112
0が接続されている。原料ガス供給装置1200は、S
iH4,H2,CH4,He,C22,SiF4等の原料ガスのボン
ベ1221〜1226とバルブ1231〜1236、1
241〜1246、1251〜1256及びマスフロー
コントローラー1211〜1216から構成され、各原
料ガスのボンベはバルブ1260を介して反応容器11
11内のガス導入管1114に接続されている。尚、図
6に示される装置と図5に示される装置との基本的な違
いは、図5のマッチングボックスがRF電源(不図示)に対
して設けられているのに対し図6の高周波マッチングボ
ックスはVHF電源に対して設けられている点である。
【0113】表面層の堆積手順は、図6の堆積膜形成装
置を用いて、上記の光導電層の堆積手順に沿って行えば
よい。即ち上記手順に従い、所定の原料ガス流量によっ
て所定の圧力に設定し、内圧が安定したところで、例え
ば周波数100MHzのVHF電源1120を所望の電力に設
定して、高周波マッチングボックス1115を通じて反
応容器1111内にVHF電力を導入し、VHFグロー放電を
生起させる。この放電エネルギーによって、反応容器内
に導入された原料ガスが分解され、基体1112上に所
定の表面層が形成される。所望の膜厚の形成が行われた
後、VHF電力の供給を止め流出バルブを閉じて反応容器
へのガスの流入を止め、表面層の形成を終える。
【0114】それぞれの層を形成する際には、必要なガ
ス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言う
までもなく、また、それぞれのガスが反応容器1111
内、流出バルブ1251〜1256から反応容器111
1に至る配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブ1251〜1256を閉じ、補助バルブ1260を
開き、更にメインバルブ1118を全開にして系内を一
旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。また、膜
形成を行っている間は、基体1112を駆動装置(不図
示)によって所定の速度で回転させてもよい。上述のガ
ス種及びバルブ操作は各々の層の作成条件に従って変更
が加えられることは言うまでもない。
【0115】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻
き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等
の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の
熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手
段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質
は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属
類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用すること
ができる。また、それ以外にも、反応容器以外に加熱専
用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で基
体を搬送する等の方法が用いられる。次に、図6の装置
を用いた、電子写真用光受容部材の形成方法の手順の一
例について説明する。尚、以下に示す例は基体上にVHF
プラズマCVD法によって形成された光受容層を有する場
合の一例である。
【0116】反応容器1111内に円筒状の基体111
2を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)によ
り反応容器1111内を排気する。続いて、基体加熱用
ヒーター1113により基体1112の温度を20℃〜
500℃の所定の温度に制御する。堆積膜形成用の原料
ガスを反応容器1111に流入させるには、ガスボンベ
のバルブ1231〜1236、反応容器のリークバルブ
1117が閉じられていることを確認し、また流入バル
ブ1241〜1246、流出バルブ1251〜125
6、補助バルブ1260が開かれていることを確認し
て、先ずメインバルブ1118を開いて反応容器111
1及びガス配管内1116を排気する。
【0117】次に真空計1119の読みが約5×10-6
Torrになった時点で補助バルブ1260、流出バルブ1
251〜1256を閉じる。その後、ガスボンベ122
1〜1226より各ガスをバルブ1231〜1236を
開いて導入し、圧力調整器1261〜1266により各
ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ124
1〜1246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコン
トローラー1211〜1216内に導入する。以上のよ
うにして成膜の準備が完了した後、基体1112上に光
導電層の形成を行う。基体1112が所定の温度になっ
たところで流出バルブ1251〜1256のうちの必要
なもの及び補助バルブ1260を徐々に開き、ガスボン
ベ1221〜1226から所定のガスをガス導入管11
14を介して反応容器1111内に導入する。
【0118】次にマスフローコントローラー1211〜
1216によって各原料ガスが所定の流量になるように
調整する。その際、反応容器1111内の圧力が1Torr
以下の所定の圧力になるように真空計1119を見なが
らメインバルブ1118の開口を調整する。内圧が安定
したところで、電源1120を所望の電力に設定して、
高周波マッチングボックス1115を通じて反応容器1
111内に周波数20〜450MHzの高周波電力を導入
し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによ
って反応容器内に導入された原料ガスが分解され、基体
1112上に所定の光導電層が形成される。所望の膜厚
の形成が行われた後、電磁波の供給を止め、流出バルブ
を閉じて反応容器へのガスの流入を止め、光導電層の形
成を終える。
【0119】また表面層、又はその他の層を形成する場
合も、基本的には上記の操作を繰り返せば良い。また、
阻止層や電荷輸送層、電荷発生層を形成する場合も各層
順に応じて同様の手順を繰り返せば良い。
【0120】図7は、VHF電源に加えてバイアス電源を
有するプラズマCVD法による電子写真用光受容部材の形
成装置の一例を模式的に示したものである。この装置は
大別すると、堆積装置1100、原料ガスの供給装置1
200、反応容器1111内を減圧にするための排気装
置(図示せず)、本発明の周波数の電磁波を発生するため
の電源1120から構成されている。堆積装置1100
中の反応容器1111内には基体1112、基体加熱用
ヒーター1113、原料ガス導入管1114が設置さ
れ、更に高周波マッチングボックス1115を介して電
源1120、また、ローパスフィルター2122を介し
てバイアス電源2123が接続されている。
【0121】原料ガス供給装置1200は、SiH4,
2,CH4,He,C22,SiF4等の原料ガスのボンベ1
221〜1226とバルブ1231〜1236、124
1〜1246、1251〜1256及びマスフローコン
トローラー1211〜1216から構成され、各原料ガ
スのボンベはバルブ1260を介して反応容器1111
内のガス導入管1114に接続されている。
【0122】次に、図7の装置を用いた、阻止層と光導
電層とを有する電子写真用光受容部材の形成手順の一例
について説明する。反応容器1111内に円筒状の基体
1112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポン
プ)により反応容器1111内を排気する。続いて、基
体加熱用ヒーター1113により基体1112の温度を
20℃〜500℃の所定の温度に制御する。
【0123】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器111
1に流入させるには、ガスボンベのバルブ1231〜1
236、反応容器のリークバルブ1117が閉じられて
いることを確認し、また、流入バルブ1241〜124
6、流出バルブ1251〜1256、補助バルブ126
0が開かれていることを確認して、先ずメインバルブ1
118を開いて反応容器1111及びガス配管内111
6を排気する。次に真空計1119の読みが約5×10
-6Torrになった時点で補助バルブ1260、流出バルブ
1251〜1256を閉じる。
【0124】その後、ガスボンベ1221〜1226よ
り各ガスをバルブ1231〜1236を開いて導入し、
圧力調整器1261〜1266により各ガス圧を2kg/c
m2に調整する。次に、流入バルブ1241〜1246を
徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー12
11〜1216内に導入する。以上のようにして成膜の
準備が完了した後、基体1112上に阻止層の形成を行
う。
【0125】基体1112が所定の温度になったところ
で流出バルブ1251〜1256のうちの必要なもの及
び補助バルブ1260を徐々に開き、ガスボンベ122
1〜1226から所定のガスをガス導入管1114を介
して反応容器1111内に導入する。次にマスフローコ
ントローラー1211〜1216によって各原料ガスが
所定の流量になるように調整する。その際、反応容器1
111内の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように
真空計1119を見ながらメインバルブ1118の開口
を調整する。内圧が安定したところで、電源1120を
所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス11
15を通じて反応容器1111内に周波数20〜450
MHzの電磁波を導入し、更に、カソード電極にバイアス
電圧を印加しグロー放電を生起させる。
【0126】尚、ここに示す装置においては、反応容器
の壁面がカソード電極の役割を果たしている。この放電
エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが
分解され、基体1112上に所定の阻止層が形成され
る。所望の膜厚の形成が行われた後、電磁波の供給を止
め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。また光導電層、電荷輸送
層、電荷発生層、表面層又はその他の層を形成する場合
も、基本的には上記の操作を各層の形成順に繰り返せば
良い。堆積膜の形成を行っている間は、基体1112を
駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させても良
い。
【0127】光導電層と表面層の各層の間に組成等を連
続的に変化させた変化層を設ける場合、例えば光導電層
と表面層の間に中間層を設ける場合には、上記の操作に
より光導電層を形成した後、高周波電力の供給を止めず
に、原料ガスの流量条件を光導電層形成時の条件から表
面層形成時の条件に徐々に且つ連続的に変化させる等の
方法をとることができる。このとき原料ガスの流量を変
化させると同時に、変化層形成時の所望の条件が得られ
るように、電源1120の出力及び、メインバルブ11
18等を必要に応じて調整する。また原料ガスの流量を
変化させるに際して、ガスの突出等による極端な圧力変
化が起きないように十分配慮することは言うまでもな
い。この変化領域の厚さは上記のように、光導電層と表
面層の間に実質的に界面を形成する程度の厚さであれば
よい。
【0128】電荷発生層と電荷輸送層の各層の間に組成
等を連続的に変化させた変化層を設ける場合、例えば電
荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設ける場合に
は、上記の操作により電荷輸送層を形成した後、高周波
電力の供給を止めずに、原料ガスの流量条件を電荷輸送
層形成時の条件から、電荷発生層形成時の条件に徐々
に、且つ連続的に変化させる等の方法をとることができ
る。このとき原料ガスの流量を変化させると同時に、変
化層形成時の所望の条件が得られるように、電源112
0の出力及び、メインバルブ1118等を必要に応じて
調整する。また原料ガスの流量を変化させるに際して、
ガスの突出等による極端な圧力変化が起きないように十
分配慮することは言うまでもない。この変化領域の厚さ
は上記のように、電荷発生層と電荷輸送層との間に実質
的に界面を形成する程度の厚さであれば良い。
【0129】阻止層と光導電層との各層の間に組成等を
連続的に変化させた変化層を設ける場合、例えば阻止層
と光導電層との間に中間層を設ける場合には、上記の操
作により阻止層を形成した後、高周波電力の供給を止め
ずに、原料ガスの流量条件を阻止層形成時の条件から、
光導電層形成時の条件に徐々に、且つ連続的に変化させ
る等の方法をとることができる。このとき原料ガスの流
量を変化させると同時に、変化層形成時の所望の条件が
得られるように、電源1120の出力及び、メインバル
ブ1118等を必要に応じて調整する。また原料ガスの
流量を変化させるに際して、ガスの突出等による極端な
圧力変化が起きないように十分配慮することは言うまで
もない。この変化領域の厚さは上記のように、阻止層と
光導電層との間に実質的に界面を形成する程度の厚さで
あれば良い。
【0130】バイアス電圧を印加する場合において、各
層の間に組成等を連続的に変化させた変化層を設ける場
合、例えば阻止層と光導電層との間に中間層を設ける場
合には、上記の操作により阻止層を形成した後、電磁波
の供給及びバイアス電圧の印加を止めずに、原料ガスの
流量条件を阻止層形成時の条件から、光導電層形成時の
条件に徐々に、且つ連続的に変化させる等の方法をとる
ことができる。このとき、原料ガスの流量を変化させる
と同時に、変化層形成時の所望の条件が得られるよう
に、電源1120の出力及び、メインバルブ1118等
を必要に応じて調整する。また原料ガスの流量を変化さ
せるに際して、ガスの突出等による極端な圧力変化が起
きないように十分配慮することは言うまでもない。この
変化層の厚さは上記のように、阻止層と光導電層との間
に実質的に界面を形成する程度の厚さであれば良い。
【0131】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器1111
内、流出バルブ1251〜1256から反応容器111
1に至る配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブ1251〜1256を閉じ、補助バルブ1260を
開き、更にメインバルブ1118を全開にして系内を一
旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。また上述
のガス種及びバルブ操作は各々の層の作成条件に従って
変更が加えられることは言うまでもない。また、前述し
たように、堆積膜形成装置においては堆積空間の不要部
に付着した不要物を除去することも低コスト、高性能化
のためには重要である。
【0132】以下、図面を用いて本発明の堆積膜形成装
置の洗浄方法について詳細に説明する。
【0133】図21は、本発明の洗浄方法が行える好適
な一つのアモルファスシリコンドラムの形成装置を説明
するための模式図である。この装置は大別すると、堆積
装置700、原料ガス及びエッチングガスの供給装置7
50、反応容器701内を減圧にするための排気装置
(図示せず)、堆積膜形成用のRF電源(13.56MHz)、本
発明の周波数の電磁波を発生するためのエッチング用の
高周波電源706から構成されている。堆積装置700
中の反応容器701内には基体702、基体加熱用ヒー
ター705、原料ガス導入管704が設置され、更に高
周波マッチングボックス(図示せず)を介して電源706
及び707が接続されている。
【0134】ガス供給装置750は、SiH4,H2,C
4,He,C22,SiF4等の原料ガスのボンベとバルブ
及びマスフローコントローラーから構成され、各原料ガ
スのボンベはバルブ710及び712を介して反応容器
701内のガス導入管704に接続されている原料ガス
供給システム708と、バルブ711及び712を介し
てClF3、CF4とO2の混合ガスを同様に反応容器内7
01に導入するエッチングガス供給システム709とに
分離されている。以下、図21の装置を用いた本発明の
堆積膜形成装置の洗浄方法の手順の一例について説明す
る。堆積膜形成が終了した反応容器701から円筒状基
体702を取り出し、再び新しい円筒状基体702を設
置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応
容器701内を排気する。続いて、エッチングガスをエ
ッチングガス供給システム709よりバルブ711、7
12を介して反応容器701内にガス導入管704より
導入される。
【0135】エッチングガスが所定の流量になった後、
高周波電源706を所望の電力に設定して不図示の高周
波マッチングボックスを通じて反応容器701内に周波
数20〜450MHzの高周波電力を導入する。所定の時
間エッチング処理を行った後は、再び新しい円筒状基体
702を反応容器701内に設置しアモルファスシリコ
ンドラムを作製することができる。即ち、エッチングガ
スと20〜450MHzの高周波とを組合せることによっ
て極めて効果的なクリーニングを行なうことができる。
従って、上記した或いは以下に説明される別の20〜4
50MHzの高周波を利用した堆積膜形成装置でも同様な
クリーニングを行なうことができる。
【0136】なお、クリーニング動作を行なう場合も反
応容器701内に円筒状基体702を設置することは必
ずしも必要ではない。然しながら、基体の保持手段や基
体加熱用ヒーター等の部材を不必要にエッチングされる
のを防ぐためにはダミーの基体を設置することは望まし
い。また、クリーニングのための放電条件を各クリーニ
ング毎に均一に保つためにもダミーの基体を設置するこ
とは望ましい。また、場合によってはクリーニングのた
めに設置した基体上に導入ガスを切換えて堆積膜を形成
することも許される。
【0137】また、マイクロ波プラズマCVD法による堆
積膜形成装置では、上記した特開昭60-186849
号公報に代表されるように、円筒状導電性基体の両端方
向からマイクロ波を導入するのが一般的である。このマ
イクロ波導入部はアルミナセラミックス等のマイクロ波
を透過しやすい「窓」を用いて、真空を保つと同時に、マ
イクロ波を反応容器内に導入する構造を採っている。こ
のような構成の場合、グロー放電が開始されると、生成
されたプラズマが導体として作用するために、マイクロ
波の電力がプラズマと「窓」の境界付近で反射されると同
時に、原料ガスを分解するために消費され、内部チャン
バの中心付近にはマイクロ波の電力はほとんど到達でき
ない。このため、生成されたプラズマも、円筒状導電性
基体の母線方向に均一にはなりにくい。このようなプラ
ズマの分布が堆積膜の円筒状導電性基体の母線方向の特
性ムラの原因の一つとなっていると考えられる。この分
布を均一化するためには、単にマイクロ波の投入パワー
を調整してもあまり効果は得られず、かえって膜の特性
を悪化させる等の問題が生じる場合もあった。
【0138】また同時に形成される複数の円筒状導電性
基体間の堆積膜の特性のばらつきが生じる問題もある。
この円筒状導電性基体間の堆積膜の特性のばらつきは、
堆積膜形成装置の微妙な差異や、堆積膜形成時の諸条件
の微妙な差異が原因であると考えられる。ところが従来
の装置構成では、個別の円筒状導電性基体について例え
ばマイクロ波のパワー等のパラメータを調整することが
困難であるため、特性の均一化を図るのはむずかしかっ
た。本発明者らは以上のような事情から、原料ガスの利
用効率に優れ、且つ堆積膜の特性のより一層の均一化が
可能な堆積膜形成装置の検討を行った。その結果、複数
の円筒状導電性基体を同一円周上に配置する構成とする
ことにより、反応容器内に内部チャンバが形成され、ま
たこの内部チャンバ内でプラズマを発生させることで、
円筒状導電性基体表面を実質的に反応容器の壁面とみな
すことができるため、ガス利用効率が著しく改善される
ことを見出した。
【0139】更に本発明者らは、堆積膜の特性の均一化
を容易ならしめ、結果デバイスの歩留まりの向上を可能
にするために、複数の円筒状導電性基体のうち少なくと
も1個に、高周波電力を印加することによって、高周波
電力が円筒状導電性基体表面からほぼ均一に放射される
ため、上記したマイクロ波プラズマCVD法の堆積膜形成
装置のようなプラズマの分布はできにくく、均一化が容
易となることを見出した。このような堆積膜の均一化が
はかれ、且つ、上記した20〜450MHzの高周波を利
用して形成される堆積膜形成装置として使用し得る堆積
膜形成装置を以下図面を用いて詳細に説明する。
【0140】図22(A)に本発明に係わる堆積膜形成装
置の好適な一例の縦断面、また図22(B)にこの堆積膜
形成装置の横断面を模式的にそれぞれ示した。これら図
22(A)、(B)において、反応容器900は、排気管9
05を介して図示しない排気装置に接続されている。反
応容器900は、真空気密構造であればよく、その形状
は特に限定されず、一般的には例えば円筒や直方体等の
形状が用いられる。また反応容器の材質はいずれでもよ
いが、機械的強度、高周波電力の漏洩防止等の観点か
ら、Alやステンレス等の金属が望ましい。
【0141】原料ガスは、ボンベ、圧力調整器、マスフ
ローコントローラー、バルブ等によって構成される図示
しない原料ガス供給系に接続された原料ガス導入管90
3より、円筒状導電性基体901によって形成された内
部チャンバ911の内部に供給される。
【0142】円筒状導電性基体901の内少なくとも1
個は、反応容器から電気的に絶縁され、またマッチング
ボックス906を介して高周波電源907と接続され
る。そしてこの円筒状導電性基体と他の円筒状導電性基
体の間に高周波電力を印加することによって、内部チャ
ンバ911内にグロー放電を発生させる。円筒状導電性
基体901は図示しないホルダーを介して回転軸908
により支持されている。更に、この回転軸908は、ギ
ヤ910を介してモーター909と接続されており、モ
ーター909により円筒状導電性基体901を回転させ
ることによって、円筒状導電性基体901上に均一な堆
積膜が形成される。
【0143】以下に図22の堆積膜装置を用いた堆積膜
形成の手順について説明する。この装置を用いた堆積膜
の形成は、例えば以下のように行なうことができる。先
ず、反応容器900内に、予め脱脂洗浄した円筒状導電
性基体901を設置し、図示しない排気装置(例えば真
空ポンプ)によって反応容器900内を排気する。続い
て、ヒーター904により円筒状導電性基体901の温
度を20〜500℃の所定の温度に制御する。
【0144】円筒状導電性基体901が所望の温度にな
ったところで、図示しない原料ガス供給系より原料ガス
導入管903を通して内部チャンバ911内に原料ガス
を供給する。この時、ガスの突出等、極端な圧力変動が
起きないように注意する。そして原料ガスの流量が所定
の流量になったところで、図示しない真空計を見ながら
図示しない排気バルブを調整して所定の内圧を得る。次
に内圧が安定したところで、高周波電源907を所望の
電力に設定し、マッチングボックス906を通じて円筒
状導電性基体901に高周波電力を印加してグロー放電
を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器9
00内に導入された原料ガスが分解され、円筒状導電性
基体901上に所定の堆積膜が形成されるようになる。
そして所望の膜厚の形成が行われた後は、高周波電力の
供給を止め、反応容器900への原料ガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。
【0145】目的とする堆積膜の特性のため、円筒状導
電性基体901上に複数の層からなる堆積膜を堆積する
場合には、上記の操作を繰り返すことによって所望の層
構成の堆積膜を得ることができる。
【0146】また図23と図24に、複数の円筒状導電
性基体に高周波電力を印加した場合の本発明の堆積膜形
成装置の一例を示した。即ち、図23には、2つの高周
波電力供給用のチャンネル(以下「ch」と表記する。)を
持つ、同時励起用の高周波電源920を用い、2個の円
筒状導電性基体901に高周波を印加する装置の例を示
した。また図24には、4つの高周波供給用のchをも
つ同時励起用の高周波電源921を用いて、4個の円筒
状導電性基体901に高周波電力を印加するとともに、
高周波電力を印加する円筒状導電性基体901と、高周
波電力を印加しない円筒状導電性基体901とを互いに
隣り合うように、交互に配置する装置の例を示した。
【0147】更に図25には、外部電気バイアスを印加
する手段を有する本発明の堆積膜形成装置の一例を示し
た。尚、図25(A)は横断面図、図25(B)は縦断面図
をそれぞれ示している。図25の装置は図22に示した
装置と略同じであるが、バイアス電極930、バイアス
電源931が加わっている点が相違する。尚、使用され
る原料ガスとしては、形成される堆積膜に応じて、適宜
選択される。もちろん、上述した堆積膜を形成する場合
には上記した原料ガスを種々選択可能である。
【0148】また、図22〜26に示される装置及び図
27に示される装置においても上述したようなクリーニ
ングを行ない得る。
【0149】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき本発明の具
体例を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら
限定されるものではない。
【0150】
【実施例】[参考例1]鏡面加工を施し、脱脂洗浄したア
ルミニウムシリンダーを基体として使用し、下記の表1
の作成条件に従って光導電層を形成した後、図6の製造
装置を用いてVHF帯の種々の周波数について下記の表2
に示した条件で表面層を堆積させ、電子写真用光受容部
材(以後ドラムと表現)を形成した。
【0151】
【表1】
【0152】
【表2】 このドラムを電子写真装置(キヤノン社製NP7550
(ワイヤー帯電方式:非接触、50枚/分)を本テスト用に
改造したもの)にセットして、通常の電子写真プロセス
により画像を形成し、ハーフトーンむら、画像流れ、ト
ナー融着による黒斑点、及びガサツキの各項目について
の画像評価を行った。
【0153】これらの項目については、それぞれ以下の
方法で評価した。 (ハーフトーンむら)キヤノン製中間調チャート(部品番
号:FY9-9042)を原稿台の上に置きコピーしたとき
に得られたコピー画像の最も濃い部位と最も薄い部位に
ある直径5mmの円形の領域を比較し、評価した。 (トナー融着による黒斑点)キヤノン製全白テストチャー
トを原稿台に置いてコピーしたときに得られたコピー画
像の同一面積内にある幅0.1mm×長さ0.5mm以上の黒
斑点について評価した。 (ガサツキ)キヤノン製中間調チャート(部品番号:FY9-
9042)を原稿台の上に置きコピーしたときに得られ
たコピー画像の同一面積内にある直径0.05mmの円形
の領域を1単位として100点の画像濃度を測定し、そ
の画像濃度のばらつきを評価した。以上の3項目につい
て、それぞれ、◎は特に良好、○は良好、△は実用上問
題なし、×は実用上問題有り、を表している。 (画像流れ)白地に全面文字よりなるキヤノン製テストチ
ャート(部品番号:FY9-9058)を原稿台に置き、通常
の2倍の露光量で照射して、コピーをとる。こうして得
られた画像を観察し、画像上の細線が途切れずにつなが
っているか、以下の4段階で評価した。◎は良好、○は
一部途切れ有り、△は途切れが多いが文字として判読で
き、実用上問題ない、×は途切れが多く文字として判読
しにくく、実用上問題有り、を表わしている。
【0154】[比較例1]図6に示した堆積膜形成装置に
周波数13.56MHzのRF電源及び高周波マッチングボッ
クスを追加接続し表面層を13.56MHzの電磁波を用い
て原料ガスを分解した以外は参考例1と全く同様にして
ドラムを作成した。更に、図6に示した堆積膜形成装置
に周波数2450MHzのマイクロ波電源及びマッチング
ボックスを追加接続し表面層を2450MHzの電磁波を
用いて原料ガスを分解した以外は参考例1と全く同様に
してドラムを作成した。こうして得られたドラムを、参
考例1と同様に評価した。以上の評価結果を、下記の表
3に示す。表3から明らかなように、電源周波数にVHF
帯を用いる本発明の方法によれば、RF帯やμW波を用い
た方法に比べて画像特性が向上し、特に、周波数51〜
250MHzで良好な結果が得られている。
【0155】
【表3】
【0156】[比較例2]RFプラズマCVD法、ならびに、
マイクロ波プラズマCVD法において表面層形成時の電力
を500W(VHFプラズマCVD法と同条件)とした以外は、
比較例1と全く同様にしてドラムを作製した(表4)。こ
うして得たドラムを参考例1と同様に評価し、周波数1
00MHzプラズマCVD法によるものと比較した。結果を下
記の表5に示す。これより、参考例1、比較例1におけ
る画像特性の差が電力の違いによるものではないことが
わかる。
【0157】
【表4】
【0158】
【表5】
【0159】[参考例2]、[比較例3] Si原子を含むガスにSi26、C原子を含むガスにC2
2を使用し、流量を表6に示した成膜条件とした以外
は参考例1、比較例1と同様にして、ドラムを作製し
た。こうして得られたドラムを参考例1と同様に評価し
た。結果を下記の表7に示す。表7から明らかなよう
に、原料ガスの種類を変えても参考例1と同様に、周波
数をVHF帯にすることで良好な結果が得られている事が
わかる。特に51〜250MHzで画像特性の向上が見ら
れる。
【0160】
【表6】
【0161】
【表7】
【0162】[参考例3]、[比較例4] 希釈ガスにHeを用い、その他は参考例1ならびに比較
例1と同様にしてドラムを作製した(表8)。こうして得
られたドラムを参考例1と同様の評価を行ったところ、
表9に示すように、参考例1ならびに比較例1と同様に
電源周波数をVHF帯にすることで良好な結果が得られ
た。
【0163】
【表8】
【0164】
【表9】
【0165】[参考例4]、[比較例5] Si原子を含むガスにSiH4とSiF4、C原子を含むガ
スにCH4を使用し、流量を下記の表10に示した成膜
条件とした以外は参考例1、比較例1と同様にして、ド
ラムを作製した。こうして得られたドラムを参考例1と
同様に評価した。結果を表11に示す。表11から明ら
かなように、原料ガスの種類を変えても参考例1と同様
に、周波数をVHF帯にすることで良好な結果が得られて
いる事がわかる。特に51〜250MHzで画像特性の向
上が見られる。
【0166】
【表10】
【0167】
【表11】
【0168】[参考例5]、[比較例6] 下記の表12の成膜条件に従って、電荷注入阻止層、光
導電層を順次形成した後、参考例1、比較例1と同様に
表面層を堆積させドラムを形成した。このドラムを参考
例1、比較例1と同様に評価したところ、参考例1と同
様に、周波数をVHF帯にすることで良好な画像特性が得
られ、特に51〜250MHzで顕著であった。
【0169】
【表12】
【0170】[参考例6]、[比較例7] 表面層の結合状態を調べるために、基体上に表面層のみ
を表2の成膜条件(ただし、VHF帯は100MHzのみ)で形
成させ、画像部の上下に相当する部分をそれぞれ複数枚
切り出し、必要に応じてオージェ、SIMS及び有機元素分
析法により膜中に含まれるシリコン原子、炭素原子、酸
素原子及び水素原子の定量分析を行った。更に、必要に
応じて表面の原子の量と結合の状態の分析をESCAにより
行った。分析結果を下記の表13に示す。
【0171】
【表13】
【0172】表13より、周波数をVHF帯にすることで
膜中のSi-C結合が増加しており、より均一な膜が形成
されているといえる。
【0173】[参考例7]鏡面加工を施し、脱脂洗浄した
アルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の製
造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波数
を20〜450MHzの範囲で変化させ、表14に示した
条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形成
した。このドラムを電子写真装置(キヤノン社製NP7
550を本テスト用に改造したもの)にセットして、通
常の電子写真プロセスにより画像を形成し、「白ポチ」、
「ブランクメモリー」、「ゴースト」、の各項目についての
初期画像評価を行った。更に同じドラムに400万枚連
続して画像形成を行う耐久試験(以下耐久試験と表記)を
行った後、再び上記の項目について評価した。
【0174】更に、通常の電子写真プロセスにおけるド
ラムの電気的特性、帯電能、感度を測定した。これらの
項目については、それぞれ、以下の方法で評価した。 (白ポチ)キヤノン製全面黒チャート(部品番号:FY9-9
073)を原稿台に置きコピーしたときに得られたコピ
ー画像の同一面積内にある直径0.2mm以下の白点につ
いて評価した。 (ブランクメモリ)キヤノン社製中間チャート(部品番号:
FY9-9042)を原稿台に置きコピーしたときに得られ
た画像のブランク露光により母線方向にやや薄くなった
部分と通常の部分の反射濃度差を測定した。それぞれに
ついて、◎は特に良好、〇は良好、△は実用上問題な
し、×は実用上問題有り、を表している。 (ゴースト)キヤノン製ゴーストテストチャート(部品番
号:FY9-9040)に反射濃度1.1、5mmの黒丸を貼付
けたものを原稿台の画像先端部に置き、その上に、キヤ
ノン社製中間チャート(部品番号:FY9-9042)を重ね
て置いた際のコピー画像に置いて中間調コピー上に認め
られるゴーストチャー トの5mmの反射濃度と中間調部
分の反射濃度との差を測定した。 (帯電能)ドラムを試験装置に設置し、帯電器に+6kV
の高電圧を印加しコロナ帯電を行い、表面電位計により
ドラムの暗部表面電位を測定する。 (感度)ドラムを現像位置で400Vの暗部表面電位に帯
電させ、次にその表面電位を50Vに落とすための光量
を測定した。以上の2項目について、それぞれ、◎は特
に良好、〇は良好、△は実用上問題なし、×は実用上問
題有り、を表している。
【0175】[比較例8]図6に示した堆積膜形成装置に
図5で示した堆積膜形成装置と同様に周波数13.56M
HzのRF電源及び高周波マッチングボックスを接続し、1
3.56MHzの電磁波を用いて原料ガスを分解した以外は
参考例7と全く同様にしてドラムを作製した。こうして
得たドラムを、参考例7と同様に初期画像と耐久試験後
の画像の評価及び、電気特性の評価を行った。
【0176】
【表14】
【0177】以上、参考例7と比較例8の結果を合わせ
て表15に示す。表15から本発明の方法によれば、主
として界面部分の改質により、電子写真特性の向上が得
られた。また特に周波数範囲51〜250MHzの範囲で
より顕著な効果が現れた。
【0178】
【表15】
【0179】[参考例8]鏡面加工を施し、脱脂洗浄した
アルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の製
造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波数
を20〜450MHzの範囲で変化させ、表16に示した
条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形成
した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、初
期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気特
性の評価を行った。
【0180】
【表16】
【0181】[比較例9]図8(A)、(B)、及び図9に示
した、周波数2.45GHzのマイクロ波を用いたマイクロ
波プラズマCVD法による堆積膜形成装置を用いて以下に
示す手順で、表16に示した条件でドラムを形成した。
ここで図9は、マイクロ波プラズマCVD法による堆積膜
形成装置の一例の全体を示す模式的構成図、図8(A)は
反応容器の模式的な縦断面図、図8(B)は反応容器の模
式的な横断面図である。
【0182】先ず、反応容器4111内に予め脱脂洗浄
された円筒状の基体4115を設置し、駆動装置412
0によって基体4115を回転しながら、不図示の排気
装置(例えば真空ポンプ)により反応容器4111内を排
気管4121を介して排気し、反応容器4111内の圧
力を1×10-6Torr以下に調整する。続いて、基体加熱
用ヒーター4116により基体4115の温度を20℃
〜500℃の所定の温度に加熱保持する。
【0183】光受容部材形成用の原料ガスを、反応容器
4111に流入させるには、ガスボンベのバルブ423
1〜4236、反応容器のリークバルブ(不図示)が閉じ
られていることを確認し、また、流入バルブ4241〜
4246、流出バルブ4251〜4256、補助バルブ
4260が開かれていることを確認して、先ずメインバ
ルブ(不図示)を開いて反応容器4111及びガス配管4
118内を排気する。
【0184】次に真空計(不図示)の読みが約5×10-6
Torrになった時点で補助バルブ4260、流出バルブ4
251〜4256を閉じる。その後、ガスボンベ422
1〜4226より各ガスをバルブ4231〜4236を
開いて導入し、圧力調整器4261〜4266により各
ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ424
1〜4246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコン
トローラー4211〜4216内に導入する。
【0185】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、円筒状の基体4115上に光導電層、表面層の各層
の形成を行った。円筒状の基体4115が所定の温度に
なったところで流出バルブ4251〜4256のうちの
必要なもの及び補助バルブ4260を徐々に開き、ガス
ボンベ4221〜4226から所定のガスをガス導入管
4117を介して反応容器4111内の放電空間413
0に導入する。
【0186】次にマスフローコントローラー4211〜
4216によって各原料ガスが所定の流量になるように
調整する。その際、放電空間4130内の圧力が1Torr
以下の所定の圧力になるように真空計(不図示)を見なが
らメインバルブ(不図示)の開口を調整する。
【0187】圧力が安定した後、2.45GHzのマイクロ
波を発生させ、マイクロ波電源(不図示)を所望の電力に
設定し、導波管4113、マイクロ波導入窓4112を
介して放電空間4130にマイクロ波エネルギーを導入
して、グロー放電を生起させる。こうして原料ガスは、
マイクロ波のエネルギーにより励起されて解離し、基体
4115上に所定の光受容部材が形成される。この時、
層形成の均一化を図るため駆動手段4120によって、
所望の回転速度で回転させる。
【0188】所望の膜厚の形成が行われた後、マイクロ
波電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器への
ガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操作
を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受
容層が形成される。以上の手順で作成したドラムを参考
例7と同様にして、初期画像及び、耐久試験後の画像の
評価及び、電気特性の評価を行った。
【0189】以上参考例8と比較例9の結果を合わせて
表17に示す。表17から、主として界面部分の改質に
より、電子写真特性の向上が得られた。また特に周波数
範囲51〜250MHzの範囲でより顕著な効果が現れ
た。
【0190】
【表17】
【0191】[参考例9]鏡面加工を施し、脱脂洗浄した
アルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の製
造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波数
を20〜450MHzの範囲で変化させ、阻止層と光導電
層との間に、組成を連続的に変化させた領域を設けて、
表18に示した条件で電子写真用光受容部材(以後ドラ
ムと表現)を形成した。こうして得られたドラムを参考
例7と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について
評価及び、電気特性の評価を行った。
【0192】[比較例10]図6に示した堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzのRF電源及び高周波マッチングボ
ックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原料ガ
スを分解した以外は参考例9と全く同様にしてドラムを
作製した。こうして得たドラムを、参考例7と同様に初
期画像と耐久試験後の画像の評価及び、電気特性の評価
を行った。
【0193】
【表18】
【0194】以上参考例9と比較例10の結果を合わせ
て表19に示す。表19から、本発明の方法によれば、
主として界面部分の改質により、電子写真特性の向上が
得られた。また特に周波数範囲51〜250MHzの範囲
でより顕著な効果が現れた。
【0195】
【表19】
【0196】[参考例10]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、阻止層と光導
電層との間に、組成を連続的に変化させた領域を設け
て、表20に示した条件で電子写真用光受容部材(以後
ドラムと表現)を形成した。こうして得られたドラムを
参考例7と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像につ
いて評価及び、電気特性の評価を行った。
【0197】[比較例11]図8(A)、(B)及び図9に示
したマイクロ波プラズマCVD法による堆積膜形成装置を
用い、表20に示した条件で、比較例9と同様の手順で
ドラムを作製した。こうして得たドラムを、参考例7と
同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価及び、電気特
性の評価を行った。
【0198】
【表20】
【0199】以上参考例10と比較例11の結果を合わ
せて表21に示す。表21から、主として界面部分の改
質により、電子写真特性の向上が得られた。また特に周
波数範囲51〜250MHzの範囲でより顕著な効果が現
れた。
【0200】
【表21】
【0201】[参考例11]鏡面加工を施し、脱脂、洗浄
したアルミニウムシリンダーを、基体として使用し、図
6の製造装置を用いて、先に示した手順により、電磁波
の周波数を105MHzを用い、阻止層と光導電層との間
に、組成を連続的に変化させた領域を設けて、表22に
示した条件で、電子写真用光受容部材(以後ドラムと表
現)を形成した。こうして得られたドラムを参考例7と
同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価及
び、電気特性の評価を行った結果を表23に示す。表2
3のように作成したドラムは良好な電子写真特性が得ら
れた。
【0202】
【表22】
【0203】
【表23】
【0204】[参考例12]鏡面加工を施し、脱脂、洗浄
したアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6
の製造装置を用いて、先に示した手順により、電磁波の
周波数を105MHzを用い、阻止層と光導電層との間
に、組成を連続的に変化させた領域を設けて、表24に
示した条件で、電子写真用光受容部材(以後ドラムと表
示する)を形成した。こうして得られたドラムを参考例
7と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評
価及び、電気特性の評価を行ったところ、参考例11と
同様に良好な電子写真特性が得られた。
【0205】
【表24】
【0206】[参考例13]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表25に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形
成した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果、阻止層にSiNを使用
しても参考例7と同様に、良好な電子写真特性が得られ
た。
【0207】
【表25】
【0208】[参考例14]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450Hzの範囲で変化させ、表26に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形
成した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果、阻止層にSiO(酸素含
有の非単結晶シリコン)を使用しても参考例7と同様
に、良好な電子写真特性が得られた。
【0209】
【表26】
【0210】[参考例15]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表27に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形
成した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果、阻止層にSi(C+N)
(炭素、窒素含有非単結晶シリコン)を使用しても参考例
7と同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0211】
【表27】
【0212】[参考例16]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表28に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形
成した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果、阻止層にSi(C+O)
(炭素、酸素含有非単結晶シリコン)を使用しても参考例
7と同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0213】
【表28】
【0214】[参考例17]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表29に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形
成した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果、阻止層にSi(C+N)
(炭素、窒素含有非単結晶シリコン)を使用しても参考例
7と同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0215】
【表29】
【0216】[参考例18]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表30に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を形
成した。こうして得られたドラムを参考例7と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果、阻止層にSi(C+O+
N)(炭素、酸素、窒素含有非単結晶シリコン)を使用し
ても参考例7と同様に、良好な電子写真特性が得られ
た。
【0217】
【表30】
【0218】[参考例19]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表31に示し
た条件で電子写真用光受容部材(以後光受容部材と表現)
を形成した。この光受容部材を電子写真装置(キヤノン
社製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセッ
トして、通常の電子写真プロセスにより画像を形成し、
「白ポチ」、「ブランクメモリー」、「ゴースト」、の各項目
についての初期画像評価を行った。更に同じ光受容部材
に400万枚連続して画像形成を行う耐久試験(以下耐
久試験と表記)を行った後、再び上記の項目について評
価した。また更に、通常の電子写真プロセスにおける光
受容部材の電気的特性、電位シフトを評価した。尚、白
ポチ、ブランクメモリー、ゴーストに対する評価は前述
したとおりである。 (電位シフト)電子写真感光体を試験装置に設置して、帯
電器に+6kVの高電圧を印加してコロナ帯電を行い、
表面電位計により電子写真感光体の暗部表面電位を測定
する。この時、帯電器に電圧を印加した直後の暗部表面
電位をVd0とし、2分経過後の暗部表面電位をVdとす
る。そして、Vd0とVdとの差をもって電位シフト量と
する。尚、◎は特に良好、〇は良好、△は実用上問題な
し、×は実用上問題有り、で表して評価した。以上の評
価結果を表32に示す。
【0219】[比較例12]図6に示した堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzのRF電源及び高周波マッチングボ
ックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原料ガ
スを分解した以外は参考例19と全く同様にして光受容
部材を作製した。こうして得た光受容部材を参考例19
と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価及び、電気
特性の評価を行った。以上の結果を参考例19の結果を
合わせて表32に示す。
【0220】
【表31】
【0221】
【表32】 表32より明らかなように、電子写真特性の向上が得ら
れた。更に周波数範囲51〜250MHzではより顕著な
効果が現れた。
【0222】[参考例20]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表33に示し
た条件で光受容部材を形成した。こうして得られた光受
容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試験後
の画像、及び電気特性について評価を行った。その結果
を表34に示す。
【0223】[比較例13]図8(A)、(B)、及び図9に
示した、周波数2.45GHzのマイクロ波を用いたマイク
ロ波プラズマCVD法による堆積膜形成装置を用いて以下
に示す手順で、表33に示した条件で光受容部材を形成
した。比較例9と同様にして成膜の準備が完了した後、
円筒状の基体4115上に電荷輸送層、電荷発生層の各
層の形成を行った。マイクロ波プラズマCVD法を用いて
作製した光受容部材を、参考例19と同様にして、初期
画像及び、耐久試験後の画像の評価及び、電気特性の評
価を行った。
【0224】以上参考例20と比較例13の結果を合わ
せて表34に示す。表34から本発明の方法によれば、
主として界面部分の改質により、電子写真特性の向上が
得られていることがわかる。更に周波数範囲51〜25
0MHzの範囲で特に効果がより顕著であることがわか
る。
【0225】
【表33】
【0226】
【表34】
【0227】[参考例21]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、電荷発生層と
電荷輸送層との間に、組成を連続的に変化させた領域を
設けて、表35に示した条件で光受容部材を形成した。
こうして得られた光受容部材を、参考例19と同様に、
初期画像と、耐久試験後の画像について、評価及び、電
気特性の評価を行った。その結果を表36に示す。
【0228】[比較例14]図6に示した堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzのRF電源及び高周波マッチングボ
ックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原料ガ
スを分解した以外は参考例21と全く同様にして光受容
部材を作製した。こうして得た光受容部材を参考例19
と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価及び、電気
特性の評価を行った。その結果を参考例21の結果と合
わせて表36に示す。
【0229】
【表35】
【0230】
【表36】
【0231】表36から明らかなように、主として界面
部分の改質により、電子写真特性の向上が得られる。更
に特に周波数範囲51〜250MHzの範囲で効果はより
顕著になる。
【0232】[参考例22]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、電荷発生層と
電荷輸送層との間に、組成を連続的に変化させた領域を
設けて、表37に示した条件で光受容部材を形成した。
こうして得られた光受容部材を参考例19と同様に、初
期画像と、耐久試験後の画像及び電気特性の評価を行っ
た。その結果を表38に示す。
【0233】[比較例15]図8(A)、(B)及び図9に示
した従来のマイクロ波プラズマCVD法による堆積膜形成
装置を用い、表37に示した条件で、比較例13と同様
の手順で光受容部材を作製した。こうして得た光受容部
材を、参考例19と同様に、初期画像と耐久試験後の画
像及び電気特性の評価を行った。その結果を参考例22
の結果と合わせて表38に示す。
【0234】
【表37】
【0235】
【表38】
【0236】表38より明らかなように、主として界面
部分の改質により、電子写真特性の向上が得られた。更
に特に周波数範囲51〜250MHzの範囲で効果はより
顕著である。
【0237】[参考例23]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数105MHzを用い、電荷発生層と電荷輸送層との間
に、組成を連続的に変化させた領域を設けて、表39に
示した条件で光受容部材を形成した。こうして得られた
光受容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試
験後の画像について評価及び、電気特性の評価を行った
結果を表40に示す。
【0238】
【表39】
【0239】
【表40】 表40のように作成した光受容部材は良好な電子写真特
性が得られた。
【0240】[参考例24]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数105MHzを用い、電荷発生層と電荷輸送層との間
に、組成を連続的に変化させた領域を設けて、表41に
示した条件で光受容部材を形成した。こうして得られた
光受容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試
験後の画像について評価及び、電気特性の評価を行った
ところ、参考例23と同様に良好な電子写真特性が得ら
れた。
【0241】
【表41】
【0242】[参考例25]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表42に示し
た条件で光受容部材を形成した。こうして得られた光受
容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試験後
の画像について評価及び、電気特性の評価を行った。そ
の結果、電荷輸送層にSiNを使用しても参考例19と
同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0243】
【表42】
【0244】[参考例26]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表43に示し
た条件で光受容部材を形成した。こうして得られた光受
容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試験後
の画像について評価及び、電気特性の評価を行った。そ
の結果、電荷輸送層にSiOを使用しても参考例19と
同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0245】
【表43】
【0246】[参考例27]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表44に示し
た条件で光受容部材を形成した。こうして得られた光受
容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試験後
の画像について評価及び、電気特性の評価を行った。そ
の結果、電荷輸送層にSiN(O)を使用しても参考例1
9と同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0247】
【表44】
【0248】[参考例28]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表45に示し
た条件で光受容部材を形成した。こうして得られた光受
容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試験後
の画像について評価及び、電気特性の評価を行った。そ
の結果、電荷輸送層にSiO(C)を使用しても参考例1
9と同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0249】
【表45】
【0250】[参考例29]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表46に示し
た条件で光受容部材を形成した。こうして得られた光受
容部材を参考例19と同様に、初期画像と、耐久試験後
の画像について評価及び、電気特性の評価を行った。そ
の結果、電荷輸送層にSi(C+O+N)を使用しても参
考例19と同様に、良好な電子写真特性が得られた。
【0251】
【表46】
【0252】[参考例30]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いてさきに示した手順により、電磁波の周
波数を20〜450MHzの範囲で変化させ、表47に示
した条件で電子写真用光受容部材(以後ドラムと表現)を
形成した。
【0253】
【表47】
【0254】このドラムを、電子写真装置(キヤノン社
製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセット
して、通常の電子写真プロセスにより画像を形成し、
「白ポチ」、画像流れ、ゴースト、「黒すじ」の各項目につ
いての初期画像評価を行った。更に同じドラムに400
万枚連続して画像形成を行う耐久試験(以下耐久試験と
表記)を行った後、再び上記の項目について評価した。
これらの項目については、それぞれ、以下の方法で評価
した。尚、白ポチ、ゴーストについては前述したとおり
の方法で評価した。 (画像流れ)白地に全面文字よりなるキヤノン製テストチ
ャート(部品番号:FY9-9058)を原稿台に置き、通常
の2倍の露光量で照射して、コピーをとる。こうして得
られた画像を観察し、画像上の細線が途切れずにつなが
っているか、以下の4段階で評価した。なお、画像上で
むらがあるときは全画像域で最も悪い部位で評価した。
画像流れについて、◎は良好、〇は一部途切れ有り、△
は途切れが多いが文字として判読でき実用上問題ない、
×は途切れが多く文字として判読しにくく実用上問題有
り、をそれぞれ示している。 (黒すじ)キヤノン製中間調チャート(部品番号:FY9-9
042)を原稿台に置きコピーしたときに得られたコピ
ー画像を、特にドラム上で分離爪が当たる箇所に対応す
る位置に注目して、目視にて点検し、長さ3mm以上の他
の部分より濃度の濃いすじが確認できるか調べた。「黒
すじ」について、◎はまったく確認できない、〇はわず
かに確認できる、△は確認できるが程度が軽微であり実
用上問題なし、×は容易に確認でき実用上問題有り、を
示している。
【0255】[比較例16]図6に示した堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzのRF電源及び高周波マッチングボ
ックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原料ガ
スを分解した以外は参考例30と全く同様にしてドラム
を作製した。こうして得たドラムを参考例30と同様に
初期画像と耐久試験後の画像の評価を行った。参考例3
0と比較例16の結果を合わせて表48に示す。
【0256】
【表48】 表48から、界面部分の改質により、電子写真特性の向
上が得られること、特に周波数範囲51〜250MHzの
範囲の電磁波の使用で顕著な効果が現れることがわか
る。 [参考例31]鏡面加工を施し、脱脂洗浄したアルミニウ
ムシリンダーを基体として使用し、図6の製造装置を用
いてさきに示した手順により、電磁波の周波数を20〜
450MHzの範囲で変化させ、表49に示した条件でド
ラムを形成した。
【0257】
【表49】 こうして得られたドラムを参考例30と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0258】[比較例17]図8(A)、(B)及び図9に示
した周波数2.45GHzのマイクロ波を用いたマイクロ波
プラズマCVD法による堆積膜形成装置を用いて以下に示
す手順で、表49に示した条件でドラムを形成した。比
較例9と同様にして成膜の準備が完了した後、円筒状の
基体4115上に光導電層、表面層の各層の形成を行っ
た。
【0259】マイクロ波プラズマCVD法を用いて作製し
たドラムを参考例30と同様にして、初期画像及び、耐
久試験後の画像の評価を行った。以上参考例31と比較
例17の結果を合わせて表50に示す。
【0260】
【表50】 表50から、界面部分の改質により、電子写真特性の向
上が得られること、特に周波数範囲51〜250MHzの
範囲の電磁波の使用により顕著な効果が現れることがわ
かる。
【0261】[参考例32]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いてさきに示した手順により、電磁波の周
波数を20〜450MHzの範囲で変化させ、光導電層
と、表面層の間に、組成を連続的に変化させた領域を設
けて、表51に示した条件でドラムを形成した。
【0262】
【表51】 こうして得られたドラムを参考例30と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0263】[比較例18]図6に示した堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzのRF電源及び高周波マッチングボ
ックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原料ガ
スを分解した以外は参考例32と全く同様にしてドラム
を作製した。こうして得たドラムを参考例30と同様に
初期画像と耐久試験後の画像の評価を行った。
【0264】以上参考例32と比較例18の結果を合わ
せて表52に示す。
【0265】
【表52】 表52から、界面部分の改質により、電子写真特性の向
上が得られること、特に周波数範囲51〜250MHzの
範囲の電磁波の使用により顕著な効果が現れることがわ
かる。
【0266】[参考例33]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いてさきに示した手順により、電磁波の周
波数を20〜450MHzの範囲で変化させ、光導電層
と、表面層の間に、組成を連続的に変化させた領域を設
けて、表53に示した条件でドラムを形成した。
【0267】
【表53】 こうして得られたドラムを参考例30と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0268】[比較例19]図8(A)、(B)及び図9に示
した従来のマイクロ波プラズマCVD法による堆積膜形成
装置を用い、表53に示した条件で、比較例17と同様
の手順でドラムを作製した。こうして得たドラムを参考
例30と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価を行
った。以上参考例33と比較例19の結果と合わせて表
54に示す。
【0269】
【表54】 表54から、界面部分の改質により、電子写真特性の向
上が得られること、特に周波数範囲51〜250MHzの
範囲の電磁波の使用により顕著な効果が現れることがわ
かる。
【0270】[参考例34]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いてさきに示した手順により、電磁波の周
波数105MHzを用い、光導電層と、表面層の間に、組
成を連続的に変化させた領域を設けて、表55に示した
条件でドラムを形成した。
【0271】
【表55】 こうして得られたドラムを参考例30と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った結果を表
56に示す。
【0272】
【表56】 表56のように作成したドラムは良好な電子写真特性が
得られた。
【0273】[参考例35]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いてさきに示した手順により、電磁波の周
波数105MHzを用い、光導電層と、表面層の間に、組
成を連続的に変化させた領域を設けて、表57に示した
条件でドラムを形成した。
【0274】
【表57】 こうして得られたドラムを参考例30と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行ったところ、
参考例34と同様に良好な電子写真特性が得られた。
【0275】以下、試験例並びに参考例に基づき詳細に
説明する。尚、含有量の記載はシリコン原子と対象とす
る原子との和に対する比率を示す。
【0276】(試験例1)鏡面加工を施し、脱脂洗浄した
アルミニウムシリンダーを基体として使用し、図8、図
10の製造装置を用いて、表面層中に炭素、窒素又は酸
素を含有させ、各々含有量を変化させて表58に示した
条件で電子写真用光受容部材を形成した。炭素、窒素及
び酸素原子導入用ガスとしては各々メタン(CH4)、窒
素(N2)、酸素(O2)を用い、各ガスの導入量は表面層中
の炭素、窒素及び酸素原子含有量が所望の値となるよう
調整した。また、電磁波の周波数としては13.56、
20、105、450MHz、2.45GHzの5種類を用い
た。13.56〜450MHzを用いる際には図10の装置
を用い、2.45GHzを用いる際には図8の装置を用い
た。尚、図中5115はマッチングボックスである。
【0277】
【表58】
【0278】作製された光受容部材を電子写真装置(キ
ヤノン社製NP-6060を本テスト用に改造したもの)
にセットして、帯電能、強露光時の画像流れの評価を行
った。帯電能は暗状態においてコロナ放電により一定電
流値で光受容部材表面を帯電させた際の現像器位置での
光受容部材表面電位を示すものであり、この値は高い方
が光受容部材特性は良好であると言える。
【0279】強露光時の画像流れの評価に対しては、先
ず暗状態において現像器位置での光受容部材表面電位が
400Vとなるように帯電電流値を調整した後、潜像形
成用のハロゲン光を約2 lux・secの強度で照射
し、多数の細い線が書かれている原稿を複写して、その
得られた画像の光を当てた部分と当てない部分の境目の
ボケ具合の長さを計り各画像の広がった長さを相対比較
することにより判断した。よって、この値は小さい方が
強露光時における画像流れがなく良好であると言える。
【0280】図11〜15は各周波数(13.56、2
0、105、450MHz、2.45GHzの5種類)において
表面層中の炭素、窒素及び酸素原子個々の含有量を個別
に変化させた際の帯電能、強露光画像流れの変化を示し
たものである。図11〜15より表面層中に炭素、窒素
及び酸素原子を含有する光受容部材作製の際に電磁波の
周波数を20〜450MHzとすることにより帯電能、強
露光画像流れ共に向上させ得ることが判る。また炭素、
窒素及び酸素原子個々の含有量(原子%)が各々20〜9
5、20〜80、20〜80の範囲において極めて高い
効果が得られることが判明した。
【0281】(試験例2)試験例1と同様にして、表面層
中に炭素、窒素及び酸素原子の2種以上を含有させる以
外は同一条件で表面層中の炭素、窒素及び酸素原子の含
有量と電磁波の周波数の関係を調べた。図16〜20は
炭素と窒素を含有させた場合の結果を示したものであ
る。この結果より炭素と窒素を同時に含有させた場合に
おいても、電磁波の周波数を20〜450MHzとするこ
とにより帯電能、強露光画像流れ共に向上させることが
でき、特に炭素及び窒素の含有量(原子%)が各々95以
下、80以下、又両元素の含有量の和が20〜95%と
した場合にその効果が顕著であることが判明した。
【0282】同様に炭素と酸素を同時に含有させた場合
には、炭素及び酸素の含有量(原子%)は各々95以下、
80以下で、且つ両原子の含有量の和が20〜95%に
おいて良好な結果が得られた。又酸素と窒素を同時に含
有させた場合においても電磁波の周波数を20〜450
MHzとすることにより帯電能、強露光画像流れ共に向上
させることができ、特に酸素及び窒素の含有量(原子%)
が共に80以下、また両原子の含有量の和が20〜95
においてその効果が顕著になることが判った。
【0283】更に、炭素、窒素及び酸素を同時に含有さ
せた場合においても電磁波の周波数を20〜450MHz
とすることにより帯電能、強露光画像流れ共に向上させ
ることができ、特に、炭素、窒素及び酸素の含有量(原
子%)が各々95以下、80以下、80以下、また炭素、
窒素及び酸素原子の含有量の和が20〜95においてそ
の効果が顕著になることが明らかとなった。
【0284】試験例1及び2の結果より、表面層中に炭
素、窒素及び酸素原子の少なくとも1種を含有する光受
容部材の作製において、原料ガスの分解に周波数が20
〜450MHzの電磁波を用いることにより、作製された
光受容部材の帯電能、強露光画像流れが向上し、特に炭
素、窒素及び酸素の含有量(原子%)が各々95以下、8
0以下、80以下、又炭素、窒素及び酸素原子の含有量
の和が20〜95においてその効果が顕著になることが
明らかとなった。
【0285】[参考例36]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し図6の製
造装置を用いて前記の手順により、電磁波の周波数を2
0〜450MHzの範囲で変化させ、表59に示した条件
で電子写真用光受容部材を形成した。表面層中の炭素含
有量は60原子%となるようにメタン量を調整した。こ
の光受容部材を電子写真装置(キヤノン社製NP606
0を本テスト用に改造したもの)にセットして、通常の
電子写真プロセスにより画像を形成し、白ポチ、画像流
れ、ゴースト、黒すじ、帯電能、強露光画像流れの各項
目についての初期画像評価を行った。更に同じ光受容部
材に400万枚連続して画像形成を行う耐久試験(以下
耐久試験と表記)を行った後、再び上記の項目について
評価した。
【0286】
【表59】
【0287】これらの項目については、それぞれ、以下
の方法で評価した。尚、白ポチ、画像流れ、ゴーストに
ついては前述の方法で評価した。 (帯電能)試験例1と同様、下記の類別によった。◎は特
に良好、〇は良好、△は実用上問題なし、×は実用上問
題有り、を表わす。 (強露光画像流れ)試験例1と同様、下記の類別によっ
た。◎は特に良好、〇は良好、△は実用上問題なし、×
は実用上問題有り、を表わす。
【0288】[比較例20]図6に示した堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzの高周波電源及び高周波マッチン
グボックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原
料ガスを分解した以外は参考例36と全く同様にして光
受容部材を作製した。得られた光受容部材を参考例36
と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価を行った。
以上参考例36と比較例20の結果を合わせて表60に
示す。表60から主として界面部分の改質により、電子
写真特性の向上が得られたことが判る。
【0289】
【表60】
【0290】[参考例37]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて前記の手順により、電磁波の周波数を
20〜450MHzの範囲で変化させ、表61に示す条件
で電子写真用光受容部材を形成した。表面層中の窒素含
有量は50原子%となるようにアンモニア流量を調整し
た。得られた光受容部材を参考例36と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0291】
【表61】
【0292】[比較例21]図8(A)、(B)及び図9に示
すように、周波数2.45GHzのマイクロ波を用いたマイ
クロ波プラズマCVD法による堆積膜形成装置を用いて以
下に示す手順で、表61に示す条件で光受容部材を形成
した。比較例9と同様にして成膜準備が完了した後、円
筒状の基体3115上に光導電層、表面層の各層の形成
を行った。以上参考例37と比較例21の結果を合わせ
て表62に示す。表62から主として界面部分の改質に
より、電子写真特性の向上が得られたことが判る。
【0293】
【表62】
【0294】[参考例38]鏡面加工を施し、脱脂、洗浄
したアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6
の製造装置を用いて、前記の手順により、電磁波の周波
数を、20〜450MHzの範囲で変化させ、光導電層と
表面層の間に、組成を連続的に変化させた領域を設け
て、表63に示す条件で、電子写真用光受容部材を形成
した。表面層中の酸素含有量は40原子%となるように
酸素流量を調整した。得られた光受容部材を参考例36
と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価
を行った。
【0295】
【表63】
【0296】[比較例22]図10に示す堆積膜形成装置
に周波数13.56MHzの高周波電源及び高周波マッチン
グボックスを接続し、13.56MHzの電磁波を用いて原
料ガスを分解した以外は参考例38と全く同様にして光
受容部材を作製した。得られた光受容部材を参考例36
と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価を行った。
以上参考例38と比較例22の結果を合わせて表64に
示す。表64から本発明の方法によれば、主として界面
部分の改質により、電子写真特性の向上が得られたこと
が判る。
【0297】
【表64】
【0298】[参考例39]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて前記の手順により、電磁波の周波数を
20〜450MHzの範囲で変化させ、光導電層と、表面
層の間に、組成を連続的に変化させた領域を設けて、表
65に示す条件で電子写真用光受容部材を形成した。表
面層中の炭素、窒素、及び酸素原子含有量は各々40、
20、10原子%となるようメタン、アニモニア、一酸
化炭素流量を調整した。得られた光受容部材を参考例3
6と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評
価を行った。
【0299】
【表65】
【0300】[比較例23]図8(a)、(b)及び図9に示
すようにマイクロ波プラズマCVD法による堆積膜形成装
置を用い、表65に示す条件で、比較例21と同様の手
順で光受容部材を作製した。得られた光受容部材を参考
例36と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価を行
った。以上参考例39と比較例23の結果を合わせて表
66に示す。表66から主として界面部分の改質によ
り、電子写真特性の向上が得られたことが判る。
【0301】
【表66】
【0302】[参考例40]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて前記の手順により、電磁波の周波数1
05MHzを用い光導電層と表面層の間に、組成を連続的
に変化させた領域を設けて、表67に示す条件で電子写
真用光受容部材を形成した。表面層中の炭素含有量は7
0原子%となるようにメタン流量を調整した。得られた
光受容部材を参考例36と同様に、初期画像と耐久試験
後の画像について評価を行った。
【0303】
【表67】
【0304】[比較例24]表面層中の炭素含有量を10
原子%とする以外は参考例40と同様にして作製された
光受容部材を参考例36と同様にして評価を行った。以
上参考例40と比較例24の結果を合わせて表68に示
す。表68から本発明の方法によれば、主として界面部
分の改質により、電子写真特性の向上が得られ、特に表
面層中に炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1種を含
有し、その含有量(原子%)が各々95以下、80以下、
80以下、炭素、窒素及び酸素原子の含有量の和が20
〜95とすることにより帯電能、光感度向上、強露光画
像流れの改善等の効果が顕著になることが確認された。
【0305】
【表68】
【0306】[参考例41]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図6の
製造装置を用いて前記の手順により電磁波の周波数10
5MHzを用い光導電層と表面層の間に、組成を連続的に
変化させた領域を設けて、表69に示す条件で電子写真
用光受容部材を形成した。表面層中の炭素、窒素及び酸
素原子の含有量(原子%)は各々30、20、20となる
ようにメタン、アンモニア及び一酸化炭素の流量を調整
した。得られた光受容部材を参考例36と同様に、初期
画像と耐久試験後の画像について評価を行った。
【0307】
【表69】
【0308】[比較例25]表面層中の炭素、窒素及び酸
素原子の含有量(原子%)を各々10、2、2とする以外
は参考例41と同様にして作製された光受容部材を参考
例36と同様にして評価を行った。以上参考例41と比
較例25の結果を合わせて表70に示す。表70から本
発明の方法によれば、主として界面部分の改質により、
電子写真特性の向上が得られ、特に表面層中に炭素、窒
素及び酸素原子の少なくとも1種を含有し、その含有量
(原子%)が各々95以下、80以下、80以下、炭素、
窒素及び酸素原子の含有量の和が20〜95とすること
により帯電能、光感度向上、強露光画像流れの改善等の
効果が顕著になることが確認された。
【0309】
【表70】
【0310】以下、更にバイアス電圧を印加した参考例
により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれ
らによって何等限定されるものではない。
【0311】[参考例42]鏡面加工を施し、脱脂洗浄し
たアルミニウムシリンダーを基体として使用し、図7の
製造装置を用いて先に示した手順により、電磁波の周波
数を20〜450MHzの範囲内で変化させ、またカソー
ド電極に印加するバイアス電圧(V1)とカソード電極に
バイアス電圧を印加しない時にカソード電極にかかるセ
ルフバイアス電圧(V2)との差のバイアス電圧(V0)(以
下、単にバイアス電圧(V0)と表記する。)を50〜20
0Vの範囲内で変化させ、表71に示した条件で電子写
真用光受容部材(以下ドラムと表記する)を形成した。
【0312】
【表71】
【0313】本参考例では先ず、阻止層と光導電層とを
有するドラムについて行った。阻止層と光電動層とを形
成する際に、阻止層形成後に一旦放電を切り、その再放
電を行って光導電層を形成し、両層の間に界面を形成し
た。また、バイアス電圧は、時間に対して実質的に一定
電圧を保つ直流電圧を使用した。
【0314】形成されたドラムは、電子写真装置(キヤ
ノン社製NP6060(ローラー帯電方式;接触式;6
0枚/分)を本テスト用に改造したもの)にセットして、
通常の電子写真プロセスにより画像を形成し、「白ポ
チ」、画像流れ、ゴースト、ブランクメモリー、帯電
能、の各項目についての初期画像評価を行った。更に同
じドラムに400万枚連続して画像形成を行う耐久試験
(以後単に耐久試験と表記)を行った後、再び上記の各項
目について特性を評価した。尚、耐久試験条件は先の参
考例及び比較例より厳しい条件で行った。尚、帯電能に
ついては以下の評価法で、白ポチ、画像流れ、ゴース
ト、ブランクメモリー、帯電能の各項目については前記
した評価法で評価した。 (帯電能)ドラムを試験装置に設置し、帯電器に+6kV
の高電圧を印加しコロナ帯電を行い、表面電位計により
ドラムの暗部表面電位を測定した。評価は、◎は特に良
好、○は良好、△は実用上問題無し、×は実用上問題有
り、を表す。
【0315】[参考例43]バイアス電圧の効果を比較す
るため、バイアス電圧(V0)を0V(バイアス電圧を印加
しない)、250Vとした以外は参考例42と全く同様
にしてドラムを作製した。こうして得られたドラムを参
考例42と同様に初期画像と耐久試験後の画像について
評価を行った。以上参考例42及び43の結果につい
て、表72〜77に示す。表72〜77より、バイアス
電圧(V0)を0<V0≦200Vの範囲内で変化させた場
合により良好な結果が得られた。
【0316】
【表72】
【0317】
【表73】
【0318】
【表74】
【0319】
【表75】
【0320】
【表76】
【0321】
【表77】
【0322】[参考例44]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、電磁波の周波数を20〜450MHzの範囲内で変
化させ、また、バイアス電圧(V0)を50〜200Vの
範囲内で変化させ、表78に示した条件でドラムを形成
した。本参考例においては、阻止層と光導電層の間に、
組成を連続的に変化させた領域を設けて界面を形成し
た。また、バイアス電圧は時間に対して実質的に一定電
圧を保つ直流電圧を使用した。こうして得られたドラム
を参考例42と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像
について評価を行った。
【0323】[比較例26]周波数の効果を比較するた
め、図7に示した堆積膜形成装置に周波数13.56MHz
のRF電源及び高周波マッチングボックスを接続し、1
3.56MHzの電磁波を用いて原料ガスを分解した以外は
参考例44と全く同様にしてドラムを作製した。こうし
て得られたドラムを参考例42と同様に初期画像と耐久
試験後の画像について評価を行った。
【0324】
【表78】
【0325】以上、参考例44及び比較例26の結果に
ついて、表79〜84に示す。表79〜84より、周波
数20〜450MHz、及びバイアス電圧(V0)を0<V0
≦200Vの範囲内で変化させた場合に、主として界面
部分の改質により電子写真特性のより一層の向上が得ら
れた。また、特に周波数範囲51〜250MHzの範囲で
より顕著な効果が現れた。
【0326】
【表79】
【0327】
【表80】
【0328】
【表81】
【0329】
【表82】
【0330】
【表83】
【0331】
【表84】
【0332】[参考例45]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂、洗浄したアルミニウムシリンダーを基体
として使用し、図7の製造装置を用いて、先に示した手
順により、電磁波の周波数を、20〜450MHzの範囲
で変化させ、また、バイアス電圧(V0)を、50〜20
0Vの範囲内で変化させ、表85に示した条件でドラム
を形成した。本参考例においては、阻止層と光導電層と
を形成する際に、阻止層形成後に一旦放電を切り、その
再放電を行って光電動層を形成して、両層の間に界面を
形成した。また、バイアス電圧は時間に対して実質的に
一定電圧を保つ直流電圧を使用した。
【0333】
【表85】 こうして得られたドラムを参考例42と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0334】[比較例27]周波数の効果を比較するた
め、図8(A)、(B)、及び図9に示した、周波数2.4
5GHzのマイクロ波を用いた、マイクロ波プラズマCVD法
による堆積膜形成装置を用いて以下に示す手順で、表8
5に示した条件でドラムを作製した。マイクロ波プラズ
マCVD法を用いて作製されたドラムを参考例42と同様
に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価を行っ
た。以上参考例45と比較例27の結果を合わせて表8
6〜91に示す。表86〜91より本発明の方法によ
り、主として界面部分の改質により電子写真特性の向上
が図られていることが分かる。また、特に周波数範囲5
1〜250MHzでより顕著な効果が得られた。
【0335】
【表86】
【0336】
【表87】
【0337】
【表88】
【0338】
【表89】
【0339】
【表90】
【0340】
【表91】
【0341】[参考例46]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表92に示した条件でドラムを形成した。本参考
例においては、阻止層と光導電層の間に、組成を連続的
に変化させた領域を設けて界面を形成した。また、バイ
アス電圧は時間に対して実質的に一定電圧を保つ直流電
圧を使用した。こうして得られたドラムを参考例42と
同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価を
行った。
【0342】
【表92】
【0343】[参考例47]阻止層と光導電層とを形成す
る際に、阻止層形成後に一旦放電を切り、その再放電を
行って光導電層を形成し、両層の間に界面を形成した以
外は、参考例46と全く同様にしてドラムを作製した。
こうして得られたドラムを参考例42と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0344】[参考例48]表93に示した条件にした以
外は、参考例46と同様にして、ドラムを作製した。こ
うして得られたドラムを参考例42と同様に、初期画像
と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0345】
【表93】
【0346】[参考例49]阻止層と光導電層とを形成す
る際に、阻止層形成後に一旦放電を切り、その再放電を
行って光導電層を形成し、両層の間に界面を形成した以
外は、参考例48と全く同様にしてドラムを作製した。
こうして得られたドラムを参考例42と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0347】以上、参考例46〜49の結果を表94に
まとめて示す。表94より、主に界面特性が改善され、
優れた電子写真特性が得られることが分かる。また、阻
止層と光導電層との形成の間で一旦放電を切り、その後
再放電する場合と、変化層を設ける場合のどちらの界面
形成方法でも同様に有効であった。
【0348】
【表94】
【0349】[参考例50]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表95に示した条件でドラムを形成した。本参考
例においては、阻止層と光導電層の間に、組成を連続的
に変化させた領域を設けて界面を形成した。また、バイ
アス電圧は、周波数60Hz、Vp-p100Vの交流
電圧に50Vの直流電圧を重畳して使用した。こうして
得られたドラムを参考例42と同様に、初期画像と、耐
久試験後の画像について評価を行った。
【0350】
【表95】
【0351】[参考例51]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表96に示した条件でドラムを形成した。本参考
例においては、阻止層と光導電層の間に、組成を連続的
に変化させた領域を設けて界面を形成した。また、バイ
アス電圧は、周波数100Hz、Vp-p100Vの交
流電圧に50Vの直流電圧を重畳して使用した。こうし
て得られたドラムを参考例42と同様に、初期画像と、
耐久試験後の画像について評価を行った。
【0352】
【表96】
【0353】以上参考例50及び51の結果を表97に
合わせて示す。表97より、主に界面特性が改善され、
優れた電子写真特性が得られることが分かる。
【0354】
【表97】
【0355】[参考例52]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、電磁波の周波数を20〜450Hz、の範囲内で
変化させ、また、バイアス電圧(V0)を5〜200Vの
範囲内で変化させ、表98に示した条件でドラムを形成
した。本参考例では、光導電層と表面層とを有するドラ
ムについて行った。光導電層と表面層とを形成する際
に、光導電層形成後に一旦放電を切り、その再放電を行
って表面層を形成し、両層の間に界面を形成した。ま
た、バイアス電圧は、時間に対して実質的に一定電圧を
保つ直流電圧を使用した。
【0356】
【表98】
【0357】形成されたドラムを参考例42と同様の、
「白ポチ」、画像流れ、ゴーストについて初期画像と耐久
試験後の画像について評価を行い、更に、黒すじ、感度
についても初期画像と耐久試験後の画像について評価を
行った。尚、黒すじの評価方法は前記したとおりであ
る。 (感度)ドラムを、一定の暗部表面電位に帯電させ、そし
て直ちに光像を照射する。光像はキセノンランプ光源を
用い、フィルターを用いて550nm以下の波長域の光
を除いた光を照射する。このとき、表面電位計によりド
ラムの明部表面電位を測定する。明部表面電位が所定の
電位になるように調整し、この時の露光量を以て感度と
し、評価した。感度について、◎は特に良好、○は良
好、△は実用上問題なし、×は実用上問題有り、を示し
ている。
【0358】[参考例53]バイアス電圧の効果を比較す
るため、バイアス電圧(V0)を0V(バイアス電圧を印加
しない)、250Vとした以外は参考例52と全く同様
にしてドラムを作製した。こうして得られたドラムを参
考例52と同様に初期画像と耐久試験後の画像について
評価を行った。以上、参考例52及び参考例53の結果
について、表99〜104に示す。表99〜104よ
り、バイアス電圧(V0)を0<V0≦200Vの範囲内で
変化させた場合には、より一層良好な結果が得られた。
また、バイアス電圧(V0)を250Vとしたドラムの表
面を顕微鏡で観察したところ、球状突起の数がバイアス
電圧(V0)が200V以下のものに比べ大幅に増え、こ
の一部が「白ポチ」となって画像上に現れているのが観察
された。
【0359】
【表99】
【0360】
【表100】
【0361】
【表101】
【0362】
【表102】
【0363】
【表103】
【0364】
【表104】
【0365】[参考例54]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂、洗浄したアルミニウムシリンダーを基体
として使用し、図7の製造装置を用いて、先に示した手
順により、電磁波の周波数を20〜450Hz、の範囲
内で変化させ、また、バイアス電圧(V0)を50〜20
0Vの範囲内で変化させ、表105に示した条件でドラ
ムを形成した。
【0366】本参考例では、光導電層と表面層との間
に、組成を連続的に変化させた領域を設けて界面を形成
した。また、バイアス電圧は時間に対して実質的に一定
電圧を保つ直流電圧を使用した。こうして得られたドラ
ムを参考例52と同様に、初期画像と、耐久試験後の画
像について評価を行った。
【0367】[比較例28]周波数の効果を比較するた
め、図7に示した堆積膜形成装置に周波数13.56MHz
のRF電源及び高周波マッチングボックスを接続し、1
3.56MHzの電磁波を用いた原料ガスを分解した以外は
参考例54と全く同様にしてドラムを作製した。こうし
て得られてドラムを参考例52と同様に初期画像と耐久
試験後の画像について評価を行った。
【0368】
【表105】
【0369】以上、参考例54、及び比較例28の結果
について、表106〜111に示した。表106〜11
1より、本発明の周波数20〜450MHz、及びバイア
ス電圧(V0)を0<V0≦200Vの範囲内で変化させた
場合に、主として界面部分の改質により電子写真特性の
向上が得られた。また、周波数範囲51〜250MHzの
範囲でより顕著な効果が現れた。
【0370】
【表106】
【0371】
【表107】
【0372】
【表108】
【0373】
【表109】
【0374】
【表110】
【0375】
【表111】
【0376】[参考例55]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂、洗浄したアルミニウムシリンダーを基体
として使用し、図7の製造装置を用いて、先に示した手
順により、電磁波の周波数を20〜450MHzの範囲内
で変化させ、また、バイアス電圧(V0)を50〜200
Vの範囲内で変化させ、表112に示した条件でドラム
を形成した。本参考例においては、光導電層と表面層と
を形成する際に、光導電層形成後に、一旦放電を切り、
その再放電を行って表面層を形成し、両層の間に界面を
形成した。また、バイアス電圧は時間に対して実質的に
一定電圧を保つ直流電圧を使用した。
【0377】
【表112】 こうして得られたドラムを参考例52と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0378】[比較例29]周波数の効果を比較するた
め、図8(A)、(B)及び図9に示した、周波数2.45G
Hzのマイクロ波を用いたマイクロ波プラズマCVD方によ
る堆積膜形成装置を用いて比較例27と同様の手順で、
表112に示した条件でドラムを作製した。
【0379】以上参考例55と比較例29の結果を合わ
せて表113〜118に示す。表113〜118より本
発明の方法により、主として界面部分の改質により電子
写真特性の向上が図られていることが分かる。また、周
波数範囲51〜250MHzでより顕著な効果が得られ
た。
【0380】
【表113】
【0381】
【表114】
【0382】
【表115】
【0383】
【表116】
【0384】
【表117】
【0385】
【表118】
【0386】[参考例56]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表119に示した条件でドラムを形成した。本参
考例においては、光導電層と表面層の間に、組成を連続
的に変化させた領域を設けて界面を形成した。また、バ
イアス電圧は時間に対して実質的に一定電圧を保つ直流
電圧を使用した。こうして得られたドラムを参考例52
と同様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価
を行った。
【0387】
【表119】
【0388】[参考例57]光導電層と表面層を形成する
際に、光導電層形成後に一旦放電を切り、その再放電を
行って表面層を形成し、両層の間に界面を形成した以外
は、参考例56と全く同様にしてドラムを作製した。こ
うして得られたドラムを参考例52と同様に、初期画像
と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0389】[参考例58]表120に示される条件とし
た以外は参考例56と同様にしてドラムを作製した。こ
うして得られたドラムを参考例52と同様に、初期画像
と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【表120】
【0390】[参考例59]光導電層と表面層を形成する
際に、光導電層形成後に一旦放電を切り、その再放電を
行って表面層を形成し、両層の間に界面を形成した以外
は、参考例58と全く同様にしてドラムを作製した。こ
うして得られたドラムを参考例52と同様に、初期画像
と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0391】以上、参考例56〜59の結果を表121
にまとめて示す。表121より、本発明の方法では、主
に界面特性が改善され、優れた電子写真特性が得られる
ことが分かる。また、光導電層と表面層の形成の間で一
旦放電を切り、その後再放電する場合と、変化層を設け
る場合のどちらの界面形成方法でも同様に有効であっ
た。
【0392】
【表121】
【0393】[参考例60]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表122に示した条件でドラムを形成した。本参
考例においては、光導電層と表面層の間に、組成を連続
的に変化させた領域を設けて界面を形成した。また、バ
イアス電圧は、周波数60Hz、Vp-p100Vの交
流電圧に50Vの直流電圧を重畳して使用した。こうし
て得られたドラムを参考例52と同様に、初期画像と、
耐久試験後の画像について評価を行った。
【0394】
【表122】
【0395】[参考例61]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表123に示した条件でドラムを形成した。本参
考例においては、光導電層と表面層の間に、組成を連続
的に変化させた領域を設けて界面を形成した。また、バ
イアス電圧は、周波数100Hz、Vp-p100Vの
交流電圧に50Vの直流電圧を重畳して使用した。こう
して得られたドラムを参考例52と同様に、初期画像
と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0396】
【表123】
【0397】以上参考例60及び61の結果を表124
に合わせて示す。表124より、主に界面特性が改善さ
れ、優れた電子写真特性が得られることが分かる。
【0398】
【表124】
【0399】[参考例62]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表125に示した条件でドラムを10ロット形成
した。本参考例のおいては、光導電層と表面層の間に、
組成を連続的に変化させた領域を設けて界面を形成し
た。また、バイアス電圧は、時間に対して実質的に一定
電圧を保つ直流電圧を使用した。こうして得られた10
ロットのドラムを、試料1〜10とし、参考例52と同
様に、それぞれの試料について、初期画像と、耐久試験
後の画像について評価を行った。
【0400】
【表125】
【0401】[参考例63]バイアス電圧による電子写真
特性の再現性を比較するため、バイアス電圧(V0)を0
Vとした以外は、参考例62と全く同様にしてドラムを
10ロット作製した。こうして得られたドラムをそれぞ
れ試料11〜20とし、それぞれの試料について参考例
52と同様に初期画像と耐久試験後の画像の評価を行っ
た。以上、参考例62及び63の結果をそれぞれ表12
6及び127に示す。表126及び127より、本発明
の方法によれば、主として界面部分の改質により、電子
写真特性のより一層の向上が図られ、且つ特性の再現性
も向上していることが分かる。
【0402】
【表126】
【0403】
【表127】
【0404】[参考例64]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて、先に示した手順
により、電磁波の周波数を20〜450MHzの範囲内で
変化させ、また、バイアス電圧(V0)を50〜200V
の範囲内で変化させ、表128に示した条件でドラムを
形成した。本参考例では、電荷輸送層と電荷発生層とを
有するドラムについて行った。電荷輸送層と電荷発生層
とを形成する際に、電荷輸送層形成後に一旦放電を切
り、その再放電を行って電荷発生層を形成し、両層の間
に界面を形成した。また、バイアス電圧は、時間に対し
て実質的に一定電圧を保つ直流電圧を使用した。
【0405】
【表128】
【0406】形成されたドラムを参考例42と同様の、
「白ポチ」、画像流れ、ゴースト、ブランクメモリー、参
考例52と同様の、黒すじ、感度について初期画像と耐
久試験後の画像について評価を行い、更に通常の電子写
真プロセスにおける光受容部材の電気的特性である、電
位シフトを前記した方法で評価した。
【0407】(試験例65)バイアス電圧の効果を比較す
るため、バイアス電圧(V0)を0V(バイアス電圧を印加
しない)、250Vとした以外は参考例64と全く同様
にしてドラムを作製した。こうして得られたドラムを参
考例64と同様に初期画像と耐久試験後の画像について
評価を行った。上記のような、参考例64及び試験例6
5の結果について、表129〜136に示した。表12
9〜136より、バイアス電圧(V0)を0<V0≦200
Vの範囲内で変化させた場合により一層良好な結果が得
られた。また、バイアス電圧(V0)を250Vとしたド
ラムの表面を顕微鏡で観察したところ、球状突起の数が
バイアス電圧(V0)が200V以下のものに比べ大幅に
増え、この一部が「白ポチ」となって画像上に現れている
のが観察された。
【0408】
【表129】
【0409】
【表130】
【0410】
【表131】
【0411】
【表132】
【0412】
【表133】
【0413】
【表134】
【0414】
【表135】
【0415】
【表136】
【0416】[参考例66]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂、洗浄したアルミニウムシリンダーを基体
として使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順
により、電磁波の周波数を20〜450MHzの範囲内で
変化させ、また、バイアス電圧(V0)を50〜200V
の範囲内で変化させ、表137に示した条件でドラムを
形成した。本参考例においては、電荷輸送層と電荷発生
層との間に、組成を連続的に変化させた領域を設けて界
面を形成した。また、バイアス電圧は時間に対して実質
的に一定電圧を保つ直流電圧を使用した。こうして得ら
れたドラムを参考例64と同様に、初期画像と、耐久試
験後の画像について評価を行った。
【0417】[比較例30]周波数の効果を比較するた
め、図7に示した堆積膜形成装置に周波数13.56MHz
のRF電源及び高周波マッチングボックスを接続し、1
3.56MHzの電磁波を用いて原料ガスを分解した以外は
参考例66と全く同様にしてドラムを作製した。こうし
て得られたドラムを参考例64と同様に評価を行った。
【表137】
【0418】以上、参考例66及び比較例30の結果に
ついて、表138〜145に示す。表138〜145よ
り、本発明の周波数20〜450MHz、及びバイアス電
圧(V0)を0<V0≦200Vの範囲内で変化させた場合
に、主として界面部分の改質により電子写真特性の向上
が得られた。また、特に周波数範囲51〜250MHzの
範囲でより顕著な効果が現れた。
【0419】
【表138】
【0420】
【表139】
【0421】
【表140】
【0422】
【表141】
【0423】
【表142】
【0424】
【表143】
【0425】
【表144】
【0426】
【表145】
【0427】[参考例67]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂、洗浄したアルミニウムシリンダーを基体
として使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順
により、電磁波の周波数を20〜450MHzの範囲内で
変化させ、また、バイアス電圧(V0)を50〜200V
の範囲内で変化させ、表146に示した条件でドラムを
形成した。本参考例においては、電荷輸送層と電荷発生
層とを形成する際に、電荷輸送層形成後に一旦放電を切
り、その再放電を行って電荷発生層を形成し、両層の間
に界面を形成した。また、バイアス電圧は、時間に対し
て実質的に一定電圧を保つ直流電圧を使用した。
【0428】
【表146】 こうして得られたドラムを参考例64と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0429】[比較例31]周波数の効果を比較するた
め、図8(A),(B)、及び図9に示した、周波数2.45
GHzのマイクロ波を用いたマイクロ波プラズマCVD法によ
る体積膜形成装置を用いて比較例27と同様の手順で、
表146に示した条件でドラムを作製した。以上参考例
67と比較例31の結果を合わせて表147〜154に
示す。表147〜154より本発明の方法により、主と
して界面部分の改質により電子写真特性の向上が図られ
ていることが分かる。また、特に周波数範囲51〜25
0MHzでより顕著な効果が得られた。
【0430】
【表147】
【0431】
【表148】
【0432】
【表149】
【0433】
【表150】
【0434】
【表151】
【0435】
【表152】
【0436】
【表153】
【0437】
【表154】
【0438】[参考例68]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表155に示した条件でドラムを形成した。本参
考例においては、電荷輸送層と電荷発生層との間に、組
成を連続的に変化させた領域を設けて界面を形成した。
また、バイアス電圧は時間に対して実質的に一定電圧を
保つ直流電圧を使用した。
【0439】こうして得られたドラムを参考例64と同
様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価を行
った。
【0440】
【表155】
【0441】[参考例69]電荷輸送層と電荷発生層を形
成する際に、電荷輸送層形成後に、一旦放電を切り、そ
の再放電を行って電荷発生層を形成し、両層の間に界面
を形成した以外は、参考例68と全く同様にしてドラム
を作製した。こうして得られたドラムを参考例64と同
様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価を行
った。
【0442】[参考例70]表156に示される条件とし
た以外は参考例68と同様にしてドラムを作製した。こ
うして得られたドラムを参考例64と同様に、初期画像
と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0443】
【表156】
【0444】[参考例71]電荷輸送層と電荷発生層を形
成する際に、電荷輸送層形成後に、一旦放電を切り、そ
の再放電を行って電荷発生層を形成し、両層の間に界面
を形成した以外は、参考例70と全く同様にしてドラム
を作製した。こうして得られたドラムを参考例64と同
様に、初期画像と、耐久試験後の画像について評価を行
った。
【0445】以上、参考例68〜71の効果を表157
にまとめて示す。表157より、本発明の方法では、主
に計綿特性が改善され、優れた電子写真特性が得られる
ことが分かる。また、電荷輸送層と電荷発生層の形成の
間で一旦放電を切り、その後再放電する場合と、変化層
を設ける場合のどちらの界面形成方法でも同様に有効で
あった。
【0446】
【表157】
【0447】[参考例72]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表158に示した条件でドラムを形成した。本参
考例においては、電荷輸送層と電荷発生層の間に、組成
を連続的に変化させた領域を設けて界面を形成した。ま
た、バイアス電圧は、周波数60Hz、Vp-p100
Vの交流電圧に50Vの直流電圧を重畳して使用した。
こうして得られたドラムを参考例64と同様に、初期画
像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0448】
【表158】
【0449】[参考例73]参考例42と同様の鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを基体と
して使用し、図7の製造装置を用いて先に示した手順に
より、表159に示した条件でドラムを形成した。本参
考例においては、電荷輸送層と電荷発生層の間に、組成
を連続的に変化させた領域を設けて界面を形成した。ま
た、バイアス電圧は、周波数100Hz、Vp-p10
0Vの交流電圧に50Vの直流電圧を重畳して使用し
た。こうして得られたドラムを参考例64と同様に、初
期画像と、耐久試験後の画像について評価を行った。
【0450】
【表159】 以上、参考例72及び73の結果を表160に合わせて
示す。表160より、本発明の方法では、主に界面特性
が改善され、優れた電子写真特性が得られることが分か
る。
【0451】
【表160】
【0452】次に本発明の堆積膜形成装置について、試
験例を含めて参考例を説明する。
【0453】(試験例3)図26に示した堆積膜形成装置
を用いて、内部チャンバ911内の飽和電子電流の分布
を測定した。図26の装置は、図22の本発明の堆積膜
形成装置に、試験用としての上下の「窓」912、導波管
913、並びに図示しないマイクロ波電源やアイソレー
ター等を接続し、マイクロ波による放電を可能にしたも
のである。尚、この装置では上側の「窓」912と下側の
「窓」912との距離は約400mmである。そして本試験
例では、表161に示した、マイクロ波をまったく投入
せず、円筒状導電性基体901の一つに周波数105MH
zの高周波電力を印加しグロー放電を起こし、更に内部
チャンバ911内にプローブを挿入し、シングルプロー
ブ法により上側の「窓」912からの距離に対する飽和電
子電流の分布を測定した。
【0454】
【表161】
【0455】(比較試験例1)図23に示した堆積膜形成
装置を用いて、表162に示した条件で円筒状導電性基
体901には高周波電力をまったく印加しないでマイク
ロ波を投入し、マイクロ波による放電で、試験例3と同
様に飽和電子電流の分布を測定した。
【0456】
【表162】
【0457】以上の試験例2と比較試験例1の結果を、
それぞれ図27及び28に示した。これらの図27及び
28の比較から、少なくとも、円筒状導電性基体901
の1個の高周波電力を印加してグロー放電を起こすこと
により、マイクロ波プラズマCVD法に対してプラズマの
分布が改善され、また分布が均一化することがわかる。
【0458】(試験例4)図23に示した堆積膜形成装置
を用いて、円筒状導電性基体901の1個の周波数10
5MHzの高周波電力を印加してグロー放電を起こした。
この場合、直径108mmのアルミニウムシリンダーを円
筒状導電性基体901として、表163に示した条件で
電子写真用受容部材(以下「ドラム」と表記する。)を作製
した。
【0459】
【表163】
【0460】こうして製作された6本のドラムを、キャ
ノン製NP-6550を試験用に改造した電子写真装置
に設置し、代表的な電子写真の電位特性である帯電性、
感度、残留電位を測定した。このとき高周波電力を印加
したドラムをNo.1とし、また図23において上から
見て反時計回りのものを順次No.2〜6として、これ
ら6本間の特性のばらつきを評価した。また同時にテス
トチャートによるコピー画像の評価も行った。尚、ドラ
ムの母線方向の特製ムラは、中央、中央から上下70m
m、上下140mmの離れた位置の5点で測定した。ま
た、帯電能及び感度については前記した方法で、残留電
位及びコピー画像は以下に示す方法で評価した。 (残留電位)ドラムの一定の暗部表面電位に帯電させる。
そして直ちに一定光量の比較的強い光を照射する。光像
はキセンノンランプ光源を用い、フィルターを用いて5
50nm以下の波長域を除いた光を照射した。この時表
面電位計によりドラムの明部表面電位を測定する。 (コピー画像)キャノン製テストチャート(部品番号:FY9
-9060-000)及び、中間調チャート(部品番号:FY
9-9042)を用いてコピー画像をとり、得られた画像
の濃度ムラを観測した。
【0461】(比較試験例2)図23に示した堆積膜形成
装置を用いて、高周波電力を円筒状導電性基体901に
まったく印加せずに、マイクロ波を導入してグロー放電
を起こし、表164の条件でドラムを作製した。こうし
て作製されたドラムを試験例4と同様に評価した。
【0462】
【表164】
【0463】以上、試験例4及び比較試験例2の結果を
合わせて表165に示す。
【0464】
【表165】
【0465】尚、表165において、母線方向のムラ
は、それぞれ、以下のことを示している(以下同様)。◎
は非常に良好、○は良好(軽微な特性ムラがあるが、コ
ピー画像上で濃度ムラ等は認められない)、△は特性ム
ラが認められるがコピー画像上の濃度ムラは実用上問題
ない、×は特性ムラが著しくコピー画像上問題がある、
を表わす。また6本間の特性のばらつきは、それぞれ以
下のことを示ししている。◎は実質的にばらつきはな
い、○は軽微なばらつきがある、△はばらつきが大きい
がすべて実用の範囲内である、×は実用上問題あるドラ
ムが含まれる、を表わす。表165の結果から、円筒状
導電性基体に高周波電力を印加してグロー放電を起こす
ことにより、マイクロ波プラズマCVD法に対して、ドラ
ムの母線方向の特性ムラ、並びに円筒状導電性基体の6
本間の特性のばらつきが改善されたことが判る。
【0466】[比較例32]図22に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを、
円筒状導電性基体901とし、円筒状導電性基体の1個
に、周波数13.56MHzの高周波電力を印加して、表1
66に示した条件で、ドラムを作製した。
【0467】
【表166】
【0468】こうして作製したドラムの高周波電力を印
加したものをNo.1とし、以下、上から見て反時計回
りに、順次No.2〜6として、試験例4と同様に、電
位特性とコピー画像について母線方向の特性ムラと6本
間の特性のばらつきを評価した。
【0469】[参考例74]図22に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを円
筒状導電性基体901とし、その1個の周波数20MHz
の高周波電力を印加し、表167に示した条件で、ドラ
ムを作製した。
【0470】
【表167】 こうして作製したドラムの高周波電力を印加したものを
No.1とし、以下反時計回りに順次No.2〜6とし
て、試験例4と同様に、電位特性とコピー画像について
母線方向の特性ムラと6本間の特性のばらつきを評価し
た。
【0471】[参考例75]図22に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを円
筒状導電性基体901とし、その1個の周波数105MH
zの高周波電力を印加し、表168に示した条件で、ド
ラムを作製した。
【0472】
【表168】
【0473】こうして作製したドラムの高周波電力を印
加したものをNo.1とし、以下反時計回りに順次No.
2〜6として、試験例4と同様に、電位特性とコピー画
像について母線方向の特性ムラと6本間の特性のばらつ
きを評価した。
【0474】[参考例76]図22に示した堆積膜形成装
置を用いて、直径108mmのアルミニウムシリンダーを
円筒状導電性基体901として、その1つに周波数20
0MHzの高周波電力を印加し、表169に示した条件
で、ドラムを作製した。
【0475】
【表169】
【0476】こうして作製したドラムを高周波電力を印
加したものをNo.1とし、以下反時計回りに順次No.
2〜6として、試験例4と同様に、電位特性とコピー画
像について母線方向の特性ムラと6本間の特性のばらつ
きを評価した。
【0477】[参考例77]図22に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを円
筒状導電性基体として、その1個に周波数450MHzの
高周波電力を印加し、表170に示した条件で、ドラム
を作製した。
【0478】
【表170】
【0479】こうして作製したドラムを高周波電力を印
加したものをNo.1とし、以下反時計回りに順次No.
2〜6として、試験例4と同様に、電位特性とコピー画
像について母線方向の特性ムラと6本間の特性のばらつ
きを評価した。
【0480】以上、参考例74〜77及び比較例32の
結果を表171にまとめて示した。この結果、周波数2
0〜450MHzの電磁波に印加した場合には、ばらつき
がなく優れたものであったが、高周波電力の周波数を1
3.56MHzとしたときには、母線方向の特性ムラについ
ては良好であったが個々のドラム特性については参考例
74〜77の方が優れていた。このように本発明の堆積
膜形成装置では、ドラムの母線方向の特性ムラ、6本間
の特性のばらつき供に、良好な結果が得られた。
【0481】
【表171】
【0482】[参考例78]図23に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを円
筒状導電性基体901とし、この円筒状導電性基体90
1に周波数200MHzの高周波電力を印加し、表172
に示した条件で、ドラムを作製した。尚、本参考例で
は、高周波電源に2チャンネルの同時励起用の電源92
0を用いて、8個の円筒状導電性基体のうち図23に示
した2個にそれぞれマッチングボックス906を介して
高周波電力を印加した。
【0483】
【表172】
【0484】こうして作製したドラムを高周波電力を印
加した延長状導電性基体のうち、排気管905から遠い
ものをNo.1とし、以下反時計回りに順次No.2〜8
とし、またこれらにつき試験例4と同様にして、電位特
性とコピー画像について母線方向の特性ムラと8本間の
特性のばらつきを評価した。
【0485】[参考例79]図24に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを、
円筒状導電性基体901とし、この円筒状導電性基体9
01に、周波数105MHzの高周波電力を印加し、表1
73に示した条件で、ドラムを作製した。
【0486】
【表173】
【0487】本参考例では、高周波電源に4チャンネル
の同時励起用の電源921を用い、8個の円筒状導電性
基体のうち図24に示した4個にそれぞれマッチングボ
ックス906を介して高周波電力を印加した。こうして
作製したドラムを、高周波電力を印加した円筒状導電性
基体のうち、排気管905から最も遠いものをNo.1
とし、以下反時計回りにNo.2〜8とし、試験例4と
同様にして、電位特性とコピー画像について、母線方向
の特性ムラと、8本間の特性のばらつきを評価した。以
上、参考例78及び79の結果を表174にまとめて示
す。表174からわかるように堆積膜形成装置では、母
線方向の特性ムラ、及び8本間のドラムの特性のばらつ
きが良好であることがわかる。
【0488】
【表174】
【0489】[参考例80]図25に示した堆積膜形成装
置を用い、直径108mmのアルミニウムシリンダーを円
筒状導電性基体901とし、円筒状導電性基体901に
周波数105MHzの高周波電力を印加し、表175に示
した条件で、ドラムを作製した。
【0490】
【表175】
【0491】本参考例では、バイアス電極930を内部
チャンバ911の略中心に設置し、これにバイアス電源
931を接続して、外部電気バイアスを印加した。こう
して作製したドラムを、高周波電力を印加した円筒状導
電性基体をNo.1とし、以下反時計回りに順次No.2
〜6とし、試験例4と同様にして、電位特性とコピー画
像について、母線方向の特性ムラと6本間の特性のばら
つきを評価した。以上の結果を表176に示す。表17
6から明らかなように本発明の堆積膜形成装置では、母
線方向の特性ムラ及び、6本間の特性のばらつきが良好
であることがわかる。
【0492】
【表176】
【0493】以下、試験例に従い本発明の洗浄方法の効
果を具体的に説明する。
【0494】(試験例5)先ずこの試験では、図21に示
したRFプラズマCVD法による堆積膜形成装置を使用し、
反応容器内壁に5cm×5cm角のアルミ基盤を数カ所に圧
接した後、表177に示した作成条件により膜厚10μ
mの非晶質シリコン膜を円筒状基体上へ堆積させた。
【0495】
【表177】
【0496】次に非晶質シリコン膜を堆積させた円筒状
基体を反応容器より取り出した後、新たな円筒状基体を
反応容器内に設置して、アルミ基盤上に蓄積した変性物
のエッチングの除去を表178に示す種々のエッチング
条件によって行った。なおこの時、基体温度は不図示の
冷却装置により25℃に保った。エッチング処理時間は
20分間と一定とした。エッチング状態についての評価
は、エッチング除去されてた部分の面積で評価した。ア
ルミ基盤上の変性物が完全にエッチング除去されている
ものを◎、半分以上エッチング除去されているものを
○、半分以上エッチング除去されていないものを△、ほ
とんどエッチング除去されていないものを×、とした。
なお、エッチング除去されているか否かの判定は、目視
により試料上に変性物があるかないかを以て行った。エ
ッチング条件及びその結果を表178に示す。
【0497】
【表178】
【0498】表178に示す様に、反応容器内壁に蓄積
したシリコンを主成分とした変性物のエッチングは、
lF 3 ガスと、周波数 20〜450MHzの電磁波を用いた高
周波プラズマエネルギー供給下で行うことが好適である
事が判った。つまり、周波数 20〜450MHzの電磁波を
使用することで、短時間に均一な洗浄ができていること
がわかる。
【0499】以下本発明についてさらに具体的な例を用
いて説明する。
【0500】[実施例1]図21に示したRFプラズマCVD
装置を用い、先に述べた手順に従って、表179に示す
作成条件によりアモルファスシリコンドラムの作成を行
った。次に、作成したアモルファスシリコンドラムを取
り出した後、表180の条件にて装置内のエッチング処
理を行った。更に、エッチング処理終了後反応容器70
1に新しい円筒状基体702を設置し再び表179に条
件にてアモルファスシリコンドラムの作成を行った。こ
のアモルファスシリコンドラムを、電子写真装置(キャ
ノン社製NP7550を本テスト用に改造したもの)に
セットして、通常の電子写真プロセスにより画像形成を
行い画像欠陥(白ポチ)の評価を行った。評価方法は前述
のとおりである。
【0501】
【表179】
【0502】[比較例33,34]実施例1と同様の条件
でアモルファスシリコンドラムを作成した後表180の
比較例に示す反応容器内をエッチング処理し再び実施例
1と同様にアモルファスシリコンドラムを作成し同様の
評価を行った。以上実施例1と比較例33,34の結果
を合わせて表181に示す。表181に示すように、本
発明の洗浄方法により作成したアモルファスシリコンド
ラムは、画像欠陥において良好な結果が得られた。
【0503】
【表180】
【0504】
【表181】
【0505】[実施例2] 実施例1の条件において使用する電磁波の周波数を表1
82に示すように本発明の範囲で変化させ、それぞれに
おいて実施例1と同様にアモルファスシリコンドラムを
作成し同様の評価を行い、その結果を表182に示す。
表182から明らかなよう、いずれも良好な結果が得
られた。
【0506】
【表182】
【0507】[実施例3]表183に示す条件にて、実施
例1と同様にアモルファスシリコンドラムを作成した
後、実施例2と同様に反応容器内をエッチング処理し、
再び表183の条件にてアモルファスシリコンドラムを
作成しそれぞれについて同様の評価を行った。その結
果、実施例2と同様な洗浄方法では、いずれも良好な結
果が得られた。
【0508】
【表183】
【0509】
【発明の効果】本発明によれば、ClF3ガスを用いて堆
積膜を形成する際に、堆積膜形成装置内の堆積膜形成用
の気体の流通空間を形成している内壁に付着した反応性
生物を除去する場合、特定の電磁波の周波数の高周波エ
ネルギー供給下で除去を行う事により、より効果的に反
応生成物の除去、及び反応容器内のクリーニングを行な
うことができる。その結果、少ない時間で、より高画質
なアモルファスシリコンドラムを歩留まり良く提供でき
る。
【0510】尚、本発明は上記説明した方法、構成に限
定されるものではなく、本発明の主旨の範囲内で適宜変
形可能であるのはいう迄もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】夫々電子写真用光受容部材の模式的断面図。
【図2】夫々電子写真用光受容部材の模式的断面図。
【図3】夫々電子写真用光受容部材の模式的断面図。
【図4】夫々電子写真用光受容部材の模式的断面図。
【図5】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図6】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図7】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図8】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図9】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図10】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図11】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図12】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図13】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図14】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図15】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図16】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図17】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図18】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図19】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図20】夫々原料ガスの分解に用いた電磁波の周波数
と表面層の炭素、窒素、及び酸素含有量と帯電能、強露
光画像流れの関係を示す図。
【図21】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図22】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図23】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図24】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図25】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図26】夫々堆積膜形成装置の概略的構成図。
【図27】夫々飽和電子電流の分布を示すグラフ。
【図28】夫々飽和電子電流の分布を示すグラフ。
【符号の説明】
100 光受容部材 101 基体 102 阻止層 103 光導電層 103a 電荷輸送層 103b 電荷発生層 104 表面層 700,1100,2100,3100 堆積装置 701,900,1111,2111,3111,4111
反応容器 702,901,1112,2112,3112,4115
円筒状基体 704,903,1114,2114,3114,4117
ガス導入管 705,904,1113,2113,3113,4116
ヒーター 706,707,907,920,921,931,112
0,2120,3120(高周波)電源 708,709 ガス供給システム 710〜712 バルブ 750,1200,2200,3200 (原料)ガス供
給装置 905,3121,4121 排気管 906,1115,2115,3115,5115 マッ
チングボックス 912,4112 マイクロ波導入窓 913,4113 導波管 931,2123,3130,4130 放電空間 1116,2116,3116,4118 ガス配管 1117,2117,3117 リークバルブ 1118,2118,3118 メインバルブ 1119,2119,3119 真空計 1211〜1216,2211〜2216,3211〜3
216,4211〜4216 マスフローコントロー
ラー 1221〜1226,2221〜2226,3221〜3
226,4221〜4226 (原料)ガスボンベ 1231〜1236,2231〜2236,3231〜3
236,4231〜4236 ボンベバルブ 1241〜1246,2241〜2246,3241〜3
246,4241〜4246 流入バルブ 1251〜1256,2251〜2256,3251〜3
256,4251〜4256 流出バルブ 1260,2260,3260,4260 補助バルブ 1261〜1266,2261〜2266,3261〜3
266,4261〜4266 圧力調整器 2122 ローパスフィルター 4120 駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−297266 (32)優先日 平成4年11月6日(1992.11.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−307873 (32)優先日 平成4年10月23日(1992.10.23) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−342113 (32)優先日 平成4年12月22日(1992.12.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−343018 (32)優先日 平成4年12月24日(1992.12.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−357276 (32)優先日 平成4年12月24日(1992.12.24) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 櫃石 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番20号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 古島 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番20号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 大利 博和 東京都大田区下丸子3丁目30番20号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山村 昌照 東京都大田区下丸子3丁目30番20号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−77579(JP,A) 特開 昭63−156533(JP,A) 特開 平2−267274(JP,A) 特開 昭64−8627(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 16/56 G03G 5/08 H01L 21/205 H01L 21/304 - 21/3065 H01L 21/31 - 21/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧可能な反応容器内に、同一円周上に
    配置された複数の電子写真用光受容部材用の円筒状導電
    性基体を回転させる手段と、該円筒状導電性基体の配置
    円内に原料ガスを導入する手段と、該円筒状導電性基体
    の少なくとも1個に周波数が51〜250MHzの高周
    波電力を印加する手段とを有し、該高周波電力によって
    前記原料ガスを分解する堆積膜形成装置を洗浄する方法
    であって、 堆積膜を形成した後の該堆積膜形成装置内に付着した反
    応生成物を、装置内に円筒状のダミー基体を設置し、
    lF3ガスを導入し、更に周波数20〜450MHzの電
    磁波を加えたプラズマを発生させることにより除去する
    ことを特徴とする、堆積膜形成装置洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記堆積膜形成装置内に付着した反応生
    成物が、シリコンを主体とするものである、請求項1記
    載の堆積膜形成装置の洗浄方法。
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