JP3076404B2 - アモルファスシリコン系感光体を用いた電子写真装置 - Google Patents

アモルファスシリコン系感光体を用いた電子写真装置

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JP3076404B2
JP3076404B2 JP15376391A JP15376391A JP3076404B2 JP 3076404 B2 JP3076404 B2 JP 3076404B2 JP 15376391 A JP15376391 A JP 15376391A JP 15376391 A JP15376391 A JP 15376391A JP 3076404 B2 JP3076404 B2 JP 3076404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置に関し、
更に詳述すれば同装置に用いるアモルファスシリコン系
感光体に関連する電位安定性、及び光メモリー防止、画
像濃度ムラ低減を目的とした主除電光に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アモルファスシリコン系感光体は表面硬
度が高く、半導体レーザー(770nm〜800nm)など
の長波長光に高い感度を示し、しかも繰り返し使用によ
る劣化も殆ど認められないなどの特長を有し、このため
特に高速複写機やLBP(レーザービームプリンター)
などの電子写真用感光体として賞用されている。
【0003】以下、従来からある電子写真法を図面をも
って簡単に説明する。特に従来例の要部を説明するため
の図1において、X方向に回転する、回転軸が紙面に垂
直方向に設けられた回転円筒状のアモルファスシリコン
系感光体101の周辺には該感光体に近接して主帯電器
102、画像露光103、現像器104、クリーニング
装置105、主除電光源106が感光体外周面に沿って
回転軸に平行に配設してある。尚、感光体の周辺に沿っ
て感光体表面光導電層を一様に帯電させる主帯電器、静
電潜像を形成するための画像情報付与手段、これを顕像
化するための現像器、該顕像を転写材に転移させるため
の転写帯電器、転写材を感光体から分離する分離手段な
ど画像形成に必要な部材が配設してあることは無論であ
るが、本発明と直接関係のない部分は省略してある。一
方、アモルファスシリコン系感光体の直径は、せいぜい
80〜120nm程度であり、これらの径の感光体では、
アモルファスシリコン系感光体の特徴である帯電能の低
さを償う大型の帯電器、暗減衰の大きさに対する現像器
の近接化等により実装上きわめて窮屈なものになってい
る。近年の複写機の高速化の進展を考慮すると主帯電器
から主除電光までの時間的距離を確保することが困難に
なってきている。
【0004】特に主除電光は、光メモリー消去と帯電能
確保・電位シフト低減の点から波長・光量を厳密にコン
トロールできるLEDアレイを用いることが必須であ
り、基板のスペース確保が困難な事から図示のように帯
電器−クリーナー間の感光体上部に配設することが一般
的である。他の感光体(Se,OPCなど)を用いる場
合でも同様である。また、点灯方式は一般的な直流点灯
で光量は直列に接続した抵抗によって調整している。従
って従来装置構成においては、主除電光の波長・光量を
変えても光メモリーレベルが同等であれば、帯電能・電
位シフトは同等であると行った関係があった。しかる
に、それらの制約から主除電光量を弱めゴースト等の光
メモリーレベルを割り切らざるを得ないケースも生じて
いた。
【0005】さらに以下に光メモリーの生じる簡単なメ
カニズムを述べる。
【0006】かかるアモルファスシリコン系感光体は、
多くのタングリングボンド(未結合手)を有しており、
これが局在準位となって光キャリアーの一部を捕捉して
その走行性を低下させ、あるいは光生成キャリアーの再
結合確率を低下させる。したがって画像形成プロセスに
おいて、露光によって生成されたキャリアーの一部は、
次工程の帯電時に感光体に電界がかかると同時に局在準
位から開放され、露光部と非露光部で、感光体表面電位
に差が生じて、これが最終的に光メモリーに起因する画
像むらとなって表われる。
【0007】これらの光メモリーを主除電工程において
均一露光を行うことにより、感光体内部に潜在するキャ
リアーを過多にし全面で均一になるようにして、消去す
ることが一般である。この露光光量を増やしたり、露光
波長をアモルファスシリコン系感光体の分光感度ピーク
に近づける(おおむね680nm〜700nm)事により、
より効果的にゴーストを消去することが可能である。
【0008】しかし、前述のようにアモルファスシリコ
ン系感光体は、光メモリーを受けやすく、あまり主除電
光を強くすぎたり、波長をアモルファスシリコン系感光
体の分光感度ピークに近づけて長くし、感光体の深さ方
向で深い位置に光キャリアーが発生する確率を増加させ
ると、該キャリアーの残存率が増加する。その結果、感
光体内部に潜在する過多となったキャリアーが、再結合
するまえに、主帯電工程に突入し、帯電能率を著しく低
下させるといった弊害があった。即ち帯電工程において
初期はキャリアーの再結合過程であり、次いで表面電位
の上昇過程といったステップを踏むため、帯電工程直前
の感光体内のキャリアー量が、その後の表面電位の高
低、即ち帯電能に大きく影響する。一方、同一条件下
で、連続的に画像形成プロセスを繰り返したときに、現
像器位置での電位が徐々に変化するといった電位シフト
現象が起り、コピー時に画像濃度が不安定になるといっ
た弊害をもたらす傾向にある。
【0009】したがって主除電工は、光メモリーを消去
し得る範囲でかつ少ない光量、短い波長を用い、該キャ
リアーがおおむね再結合したのちに帯電工程へ進むこと
が望ましい。
【0010】しかし、主除電工の条件(光量、波長)を
変え、光メモリーの程度が同等であるときの帯電能・電
位シフトは同じになる傾向があるため、従来は、帯電能
すなわち暗部電位の確保の制約を受け、ある程度のゴー
ストは、割り切らざるを得ない状況にあった。
【0011】代表的なアモルファスシリコン感光体(以
下、a−Si感光体と略す。)の模式的な断面図を図2
に示す。同図において、201はAl等の導電性支持体
を示している。202は必要に応じて設ける電荷注入阻
止層であり、導電性支持体201からの電荷の注入を阻
止するためのものである。203は少なくともシリコン
原子を含む非晶質材料で構成され、光導電性を示す層で
ある。204はシリコン原子と炭素原子及び必要により
水素原子又はハロゲン原子あるいはその両方の原子を含
み顕像を保持する能力をもつ表面層である。205は光
導電層である。以下では電荷注入阻止層の有無により効
果が異なる場合を除いては、光導電層中の電荷注入阻止
層の有無は明記しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】光メモリー・帯電能・
電位シフトに及ぼす主除電光及びアモルファスシリコン
感光体の層構成の影響について本発明者らは鋭意検討し
た結果、主除電光の光量(強度×時間)を時間変調(基
準波を用いたパルス幅変調・PWM)し、強度或は時間
を変えることにより、光メモリーのレベルを変化させず
に、帯電能・電位シフトを変化でき、更に、感光体の光
導電層の炭素原子の含有量を表面層最近傍で最小として
膜厚方向に段階的かつ/または連続的に変化させ、同時
に表面層中の炭素原子及び窒素原子及び酸素原子の含有
量の和を40〜90原子%とすることでこの効果が一層
顕著になると同時に電位ムラが低減し、また、光導電層
中の酸素原子の含有量を10〜5000原子ppmにする
ことで感光体の電位シフトがさらに改善できることを見
出した。
【0013】ここで用いた、PWMに関しては、例えば
特開昭62−39972に記載のように、画像露光にレ
ーザー光源を用いた電子写真装置において、既に画像露
光光量制御手段として用いられている技術である。しか
し、主除電光の光量制御手段として用いた場合、構成・
効果は従来技術に対し、性質の全く異なるものである。
【0014】従って、本発明の目的は、ゴースト消去に
不可欠な主除電光の光メモリー消去能力を最大限に引き
出し、かつ帯電能低下を最小限に抑え、更には、電位シ
フトの抑制効果が極めて高い、トータル性能に優れた電
子写真を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、導電性支持体の表面上に順次積層された光
導電層および表面層を有するアモルファスシリコン系感
光体に画像情報に応じた露光光を照射して静電潜像を形
成したのち、該静電潜像を現像して前記画像情報を記録
する、アモルファスシリコン系感光体を用いた電子写真
装置おいて、前記アモルファスシリコン系感光体の表面
に近接して設けられた、周波数が10kHz以下の基準
波を用いたパルス幅変調点灯方式で駆動される主除電光
源を含み、前記アモルファスシリコン系感光体が、前記
基準波の周波数で除した値が1mm以下となる移動速度で
前記主除電光の照射領域を移動し、前記アモルファスシ
リコン系感光体の前記光導電層が、前記表面層最近傍で
含有量が最小となる炭素原子と含有量が10〜5000
原子ppm となる酸素原子を含有し、前記アモルファスシ
リコン系感光体の前記表面層が、含有量の和が40〜9
0原子%となる炭素原子と窒素原子と酸素原子とを含有
させるもので、更にアモルファスシリコン系感光体の光
導電層が、表面層から導電性支持体に向かって含有量が
連続的に変化する炭素原子を含有していること、アモル
ファスシリコン系感光体の光導電層が、表面層から導電
性支持体に向かって含有量が段階的に変化する炭素原子
を含有していること、アモルファスシリコン系感光体の
光導電層が、表面層から導電性支持体に向かって含有量
が少なくとも一箇所では段階的に変化しその他の箇所で
は連続的に変化する炭素原子を含有していることを含
む。
【0016】本発明によれば、主除電光源の点灯式をパ
ルス幅変調(PWM)にして高輝度でパルス露光するこ
とにより、有効に光メモリーを除去しかつ帯電能低下・
電位シフトを抑制でき、更に、感光体の光導電層の炭素
含有量を表面層最近傍で最小とし、膜厚方向に段階的か
つ/または連続的に変化させ、同時に、光導電層中の酸
素原子の含有量を10〜5000原子ppm にすることで
この効果が一層顕著になり、また、表面層中の炭素原子
及び窒素原子及び酸素原子の含有量の和を40〜90原
子%とすることで感光体の電位シフトがさらに改善で
き、上記目的が達成される。
【0017】以下、図面にしたがって本発明の電子写真
用感光体について具体例を挙げて詳細に説明する。支持体 本発明において使用される導電性支持体としては、例え
ば、Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,
Ti,Pt,Pd,Fe等の金属、およびこれらの合
金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースア
セテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なく
とも光受容層を形成する側の表面を導電処理した支持体
も用いることができる。さらに、光導電層を形成する側
とは反対側の表面も導電処理することがより好ましい。
【0018】支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面
の円筒状または板状無端ベルト状であることができ、そ
の厚さは、所望通りの電子写真用感光体としての可撓性
が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮
できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しか
しながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強
度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0019】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現われる、い
わゆる干渉縞模様による画像不良を解消するために、支
持体表面に凹凸を設けてもよい。
【0020】支持体表面に設けられる凹凸は、特開昭6
0−168156号公報、同60−178457号公
報、どう60−225854号公報等に記載された公知
の方法により作成される。
【0021】又、レーザー光などの可干渉性光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良を解消する別の方法と
して、支持体表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸を設
けてもよい。即ち、支持体の表面が電子写真用感光体に
要求される解像力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹
凸は、複数の球状痕跡窪みによるものである。支持体表
面に設けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開
昭61−231561号公報に記載された公知の方法に
より作成される。光導電層 本発明における光導電層は、支持体側より、構成要素と
してシリコン原子と炭素原子、水素原子、弗素原子を含
むa−SiC(H、F、O)から成る光導電層により構
成され、所望の光導電特性、特に電荷保持特性、電荷発
生特性、電荷輸送特性を有する。
【0022】前記光導電層に含有される炭素原子は分布
を成し、該分布が前記支持体の表面に各々平行な面内で
は実質的に均一であり、層の厚み方向には不均一であっ
て、膜厚方向の各点において前記導電性支持体側の含有
率が高く、前記表面層側の含有率が低く分布している。
炭素原子の含有量としては、前記支持体の設けてある側
の表面または表面近傍で0.5%以下であれば前述の支
持体との密着性向上及び、電荷の注入阻止の機能が悪化
し、さらに静電容量の減少による帯電能向上の効果が無
くなる。また50%以上では残留電位が発生してしま
う。このため、実用的には0.5〜50原子%、好まし
くは1〜40原子%であり、最適には1〜30原子%と
されるのが好ましい。なお、ここで原子%、原子ppm と
は原子の個数を基準にした百分率、百万分率を示す。
【0023】また、本発明において光導電層中に水素原
子が含有されることが必要であるが、これはシリコン原
子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性お
よび電荷保持特性を向上させるために必須不可欠である
からである。特に炭素原子が含有された場合、その膜質
を維持するためにより多くの水素原子が必要となるた
め、炭素含有量にしたがって含有される水素量が調整さ
れることが望ましい。よって、支持体表面の水素原子の
含有量は望ましくは1〜40原子%、より好ましくは5
〜35原子%、最適には10〜30原子%とされること
が好ましい。
【0024】光導電層に含有される弗素原子について
は、光導電層に含有される炭素原子、水素原子の凝集を
抑制し、バンドギャップ中の局在準位密度を低減させる
ため、ゴースト、ガサツキを改善し、層品質の均一性の
向上に効果を発揮する。弗素含有量が1原子ppm より少
ないと、弗素原子による膜構造及び膜質の均一性の効果
が充分発揮されず、また、95原子ppm を越えると逆に
膜質が低下し、ゴースト現象を生じるようになってしま
う。したがって、弗素原子の含有量は実用的には1〜9
5原子ppm 、より好ましくは5〜80原子ppm 、最適に
は10〜70原子ppm とされることが好ましい。
【0025】さらに、前記光導電層に酸素原子を同時に
含有させることの相乗効果によって、堆積膜のストレス
をより効果的に緩和して膜の構造欠陥を抑制する。この
ために、A−SiC中でのキャリアの走行性が改善さ
れ、特にA−SiC系の光導電層で問題となる電位シフ
トが減少する。さらに感度、残留電位等の表面電位特性
も改善される。
【0026】該酸素原子は、該光導電層中に万遍なく均
一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚
方向に不均一な分布状態で含有している部分があっても
よい。酸素含有量が10原子ppm より少ないと、さらな
る膜の密着性の向上および異常成長の発生の抑制を図る
ことが充分にはできず電位シフトも大きくなる。500
0原子ppm を越えると電子写真の高速化に対応するため
の電気的特性が充分ではなくなる。したがって、酸素原
子の含有量としては10〜5000原子ppm とするのが
好ましい。
【0027】特に、光導電層に前述のごとき範囲で炭素
原子を含有せしめたときに、弗素原子及び酸素原子の含
有量を上記した範囲に設定することにより、光導電特
性、画像特性および耐久性が著しく向上することが実験
により確認された。
【0028】本発明において、光導電層は真空堆積膜形
成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パ
ラメーターの数値条件が設定されて作成される。具体的
には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波C
VD法またはマイクロ波(μW)CVD法等の交流放電
CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリ
ング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CV
D法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成
することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、
設備資金投資下の負担程度、製造規模、作成される電子
写真用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選
択されて採用されるが、所望の特性を有する電子写真用
感光体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容易
であることからしてグロー放電法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法が好適である。そしてこれらの
方法を同一装置系内で併用して形成してもよい。例え
ば、グロー放電法によってa−SiC(H、F、O)光
導電層を形成するには、基本的にはシリコン原子(S
i)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子
(C)を供給し得るC供給用の原料ガスと、水素原子
(H)を供給し得るH供給用の原料ガスと、弗素原子
(F)を供給し得るF供給用の原料ガスとを、内部が減
圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該
反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の
位置に設置されてある所定の支持体表面上にa−SiC
(H、F、O)からなる層を形成すればよい。
【0029】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26 、Si3
8 、Si410等のガス状態の、またはガス化し得
る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとし
て挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効
率の良さ等の点でSiH4 、Si26 が好ましいもの
として挙げられる。
【0030】また、これらのSi供給用の原料ガスを必
要に応じてH2 、He、Ar、Ne等のガスにより希釈
して使用してもよい。
【0031】本発明において、炭素原子導入用の原料物
質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまた
は、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るもの
が採用されるのが望ましい。
【0032】炭素原子(C)導入用の原料ガスになり得
るものとして有効に使用される出発物質は、CとHとを
構成原子とする、例えば炭素数1〜5の飽和炭化水素、
炭素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のア
セチレン系炭化水素等が挙げられる。
【0033】具体的には、飽和炭化水素としては、メタ
ン(CH4 )、エタン(C26 )、プロパン(C3
8 )、n−ブタン(n−C410)、ペンタン(C5
12)、エチレン系炭化水素としては、エチレン(C2
4 )、プロピレン(C36)、ブテン−1(C4
8 )、ブテン−2(C48 )、イソブチレン(C4
8 )、ペンテン(C510)、アセチレン系炭化水素と
しては、アセチレン(C22 )、メチルアセチレン
(C34 )、ブチン(C46 )等が挙げられる。
【0034】また、SiとCとを構成原子とする原料ガ
スとしては、Si(CH34 、Si(C254
のケイ化アルキルを挙げることができる。
【0035】この他に、炭素原子(C)の導入に加え
て、弗素原子の導入も行えるという点から、CF4 、C
3 、C26 、C38 、C48 等のフッ化炭素化
合物を挙げることができる。
【0036】本発明において酸素原子(O)導入用のガ
スになり得るものとして有効に使用される出発物質は、
たとえば、酸素(O2 )、オゾン(O3 )、一酸化窒素
(NO)、二酸化窒素(NO2 )一二酸化窒素(N2
O)、三二酸化窒素(N23)、四三酸化窒素(N3
4 )、五二酸化窒素(N25 )等を挙げることがで
きる。
【0037】この他に、炭素原子(C)の導入に加え
て、酸素原子の導入も行えるという点から、CO、CO
2 等の化合物を挙げることができる。
【0038】本発明において使用される弗素供給用ガス
として有効なものは、たとえば弗素ガス、弗素化物、弗
素をふくむハロゲン間化合物、弗素で置換されたシラン
誘導体等のガス状のまたはガス化し得る弗素化合物が好
ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子と弗素
原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、
弗素原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙
げることができる。本発明において好適に使用し得る弗
素化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、Br
F、ClF、ClF3 、BrF3、BrF5 、IF3
IF7 等のハロゲン間化合物を挙げることができる。
【0039】弗素原子を含む珪素化合物、いわゆる弗素
原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、
たとえばSiF4 、Si26 等のフッ化珪素が好まし
いものとして挙げることができる。このような弗素原子
を含む珪素化合物を採用してグロー放電等によって本発
明の特徴的な電子写真用感光体を形成する場合には、S
i供給用ガスとしての水素化珪素ガスを使用しなくて
も、所定の支持体上に弗素原子を含むa−SiC(H、
F、O)からなる光導電層を形成することができるが、
形成される光導電層中に導入される水素原子の導入割合
の制御を一層容易になるように図るために、これらのガ
スに更に水素ガスまたは水素原子を含む珪素化合物のガ
スも所望量混合して層形成することが好ましい。又、各
ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合して
も差し支えないものである。
【0040】本発明においては、弗素原子供給用ガスと
して上記されたフッ化物あるいは弗素を含む珪素化合物
が有効なものとして使用されるものであるが、そのほか
に、HF、SiH3 F、SiH22 、SiHF3 等の
弗素置換水素化珪素、等々のガス状態のあるいはガス化
し得る物質も有効な光導電層形成用の原料物質として挙
げることができる。
【0041】これらの物質の内、水素原子を含む弗素化
物は、光導電層形成の際に層中に弗素原子の導入と同時
に、電気的あるいは光電的特性の制御にきわめて有効な
水素原子も導入されるので、本発明においては好適な弗
素原子供給用ガスとして使用される。
【0042】水素原子を光導電層中に構造的に導入する
には、上記の他にH2 、あるいはSiH4 、Si2
6 、Si38 、Si410等の水素化珪素とSiを供
給するためのシリコンまたはシリコン化合物とを反応容
器中に共存させて放電を生起させることでも行うことが
できる。
【0043】光導電層中に含有される水素原子および/
または弗素原子および/または炭素原子の量を制御する
には、例えば支持体温度、水素原子あるいは弗素原子、
炭素原子を含有させるために使用される原料物質の反応
容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0044】さらに本発明においては、光導電層には必
要に応じて伝導性を制御する原子(M)を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層中に
万遍なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あ
るいは層厚方向に不均一な分布状態で含有している部分
があってもよい。
【0045】前記の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、p型伝導特性を与える周期律表III 族に属する原子
(以後「第III 族原子」と略記する)またはn型伝導特
性を与える周期律表V族に属する原子(以後「第V族原
子」と略記する)を用いることができる。
【0046】第III 族原子としては、具体的には、B
(硼素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、
In(インジウム)、TI(タリウム)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第V族原子としては、具
体的にはP(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモ
ン)、Bi(ビスマス)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0047】光導電層に含有される伝導性を制御する原
子(M)の含有量としては、好ましくは1×10-3〜5
×104 原子ppm、より好ましくは1×10-2〜1×1
4原子ppm 、最適には1×10-1〜1×103 原子ppm
とされるのが望ましい。特に、光導電層において炭素
原子(C)の含有量が、1×103 原子ppm 以下の場合
は、光導電層に含有される原子(M)の含有量としては
好ましくは1×10-3〜1×103 原子ppm とされるの
が望ましく、炭素原子(C)の含有量が1×103 原子
ppm を越える場合は、原子(M)の含有量としては、好
ましくは1×10-1〜5×104 原子ppm とされるのが
望ましい。
【0048】光導電層中に、伝導性を制御する原子、た
とえば、第III 族原子あるいは第V族原子を構造的に導
入するには、層形成の際、第III 族原子導入用の原料物
質あるいは第V族原子導入用の原料物質をガス状態で反
応器中に、光導電層を形成するための他のガスとともに
導入してやればよい。第III 族原子導入用の原料物質あ
るいは第V族原子導入用の原料物質となり得るものとし
ては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条
件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望まし
い。そのような第III 族原子導入用の原料物質として具
体的には、硼素原子導入用としては、B26 、B4
10、B59 、B511、B610、B612、B6
14等の水素化硼素、BF3 、BCl3 、BBr3 等のハ
ロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3 、G
aCl3 、Ga(CH33 、InCl3 、TlCl3
等も挙げることができる。
【0049】第V族原子導入用の原料物質として本発明
において、有効に使用されるのは、燐原子導入用として
は、PH3 、P24 等の水素化燐、PH4 I、PF
3 、PF5 、PCl3 、PCl5 、PBr3 、PBr
5 、PI3 等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、A
sH3 、AsF3 、AsCl3 、AsBr3、AsF
5 、SbH3 、SbF3 、SbF5 、SbCl3 、Sb
Cl5 、BiH3 、BiCl3 、BiBr3 等も第V族
原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることが
できる。
【0050】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2 、He、Ar、Ne等
のガスにより希釈して使用してもよい。
【0051】さらに本発明の感光体の光導電層には、周
期律表第Ia族、IIa族、VIb族、VIII族から選ばれる
少なくとも1種の元素を含有してもよい。前記元素は前
記光導電層中に万遍無く均一に分布されてもよいし、あ
るいは該光導電層中に万遍無く含有されてはいるが、層
厚方向に対して不均一に分布する状態で含有している部
分があってもよい。しかしながら、いずれの場合におい
ても支持体の表面と平行な面内方向においては、均一な
分布で万遍無く含有されていることが、面内方向におけ
る特性の均一化を図る点からも必要である。第Ia族原
子としては、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、
K(カリウム)を挙げることができ、第IIa族原子とし
ては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、C
a(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バ
リウム)等を挙げることができる。
【0052】また、第VIb族原子としては具体的には、
Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステ
ン)等を挙げることができ、第VIII族原子としては、F
e(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)等を挙
げることができる。
【0053】本発明において、光導電層の層厚は所望の
電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から
適宜所望にしたがって決定され、光導電層については、
好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μ
m、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
【0054】本発明の目的を達成し得る特性を有するa
−SiC(H、F、O)からなる光導電層を形成するに
は、支持体の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたが
って、適宜設定する必要がある。
【0055】支持体の温度(Ts)は、層設計にしたが
って適宜最適温度が選択されるが、通常の場合、好まし
くは20〜500℃、より好ましくは50〜480℃、
最適には100〜450℃とするのが望ましい。
【0056】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適温度が選択されるが、通常の場合、好ま
しくは1×10-5〜10Torr、より好ましくは5×10
-5〜3Torr、最適には1×10-4〜1Torrとするのが好
ましい。
【0057】本発明においては、前記各層を作成するた
めの支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記
した範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは
通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の
特性を有する光導電層を形成すべく相互的且つ有機的関
連性に基づいて、各層作成ファクターの最適値を決める
のが望ましい。
【0058】本発明の感光体においては、光導電層と表
面層との間に、組成を連続的に変化させた層領域を設け
てもよい。該層領域を設けることにより各層間での密着
性をより向上させることができる。
【0059】さらに本発明の感光体においては、光導電
層の前記支持体側に、少なくともアルミニウム原子、シ
リコン原子、炭素原子および水素原子が層厚方向に不均
一な分布状態で含有する層領域を有することが望まし
い。表面層 本発明における表面層は、構成要素としてシリコン原子
と炭素原子、窒素原子及び酸素原子を同時に含有し、さ
らに水素原子およびハロゲン原子とを含有する非晶質材
料で構成される。表面層には光導電層中に含有されるよ
うな伝導性を制御する物質は実質的に含有されない。
【0060】該表面層に含有される炭素原子、窒素原子
及び酸素原子は該層中に万遍なく均一に分布されても良
いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面
と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく含有
されることが面内方向における特性の均一化をはかる点
からも必要である。
【0061】本発明における表面層の全層領域に含有さ
れる炭素原子、窒素原子及び酸素原子は、同時に含有さ
れるときに著しい高暗抵抗化、高硬度化等の効果を奏す
る。表面層中に含有される炭素原子、窒素原子及び酸素
原子の含有量の和は、好適には40〜90原子%、より
好適には45〜85原子%、最適には50〜80原子%
とされるのが望ましい。本発明における効果をより一層
発揮するには、酸素原子、窒素原子の含有量は共に10
原子%以下が好ましい。
【0062】また、本発明における表面層に含有される
水素原子およびハロゲン原子はa−SiC,O,N
(H,X)内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に
効果を奏し、光導電層と表面層の界面にトラップされる
キャリアーを減少させるため、画像流れを改善する。
【0063】さらにハロゲン原子は表面層の撥水性を向
上させるので、水蒸気の吸着による高湿流れをも減少さ
せる。表面層中のハロゲン原子の含有量は20原子%以
下であり、さらに水素原子とハロゲン原子の含有量の和
は好適には30〜70原子%、より好適には35〜65
原子%、最適には40〜60原子%とするのが望まし
い。
【0064】さらに本発明において表面層に、周期律表
第Ia族、IIa族、VIb族、VIII族から選ばれる少なく
とも1種の元素を含有してもよい。前記元素は前記表面
層中に万遍無く均一に分布されてもよいし、あるいは該
表面層中に万遍無く含有されてはいるが、層厚方向に対
して不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。しかしながら、いずれの場合においても支持体
の表面と平行な面内方向においては、均一な分布で万遍
無く含有されていることが、面内方向における特性の均
一化を図る点からも必要である。
【0065】第Ia族原子としては、Li(リチウ
ム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)を挙げるこ
とができ、第IIa族原子としては、Be(ベリリウ
ム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、S
r(ストロンチウム)、Ba(バリウム)等を挙げるこ
とができる。
【0066】また、第VIb族原子としては具体的には、
Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステ
ン)等を挙げることができ、第VIII族原子としては、F
e(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)等を挙
げることができる。
【0067】本発明において、表面層の層厚は所望の電
子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から
好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.0
5〜20μm、最適には0.1〜10μmとされるのが
望ましい。
【0068】本発明においてa−SiC,O,N(H、
X)で構成される表面層を形成するには、前述の光導電
層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用される。本
発明の目的を達成し得る特性を有する表面層を形成する
場合には、支持体の温度、ガス圧が前記表面層の特性を
左右する重要な要因である。支持体の温度は適宜最適温
度が選択されるが、好ましくは20〜500℃、より好
ましくは50〜480℃、最適には100〜450℃と
するのが望ましい。
【0069】反応容器内のガス圧も適宜最適温度が選択
されるが、通常の場合、好ましくは1×10-5〜10To
rr、より好ましくは5×10-5〜3Torr、最適には1×
10-4〜1Torrとするのが望ましい。
【0070】本発明においては、表面層を作成するため
の支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記し
た範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通
常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特
性を有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性
に基づいて、各層作成ファクターの最適値を決めるのが
望ましい。
【0071】以下、高周波プラズマCVD法およびマイ
クロ波プラズマCVD法によって堆積膜を形成するため
の装置及び形成方法について詳述する。
【0072】図3は高周波プラズマCVD法(以下「R
F−PCVD」と表記する)法による電子写真用感光体
の製造装置の一例を示す模式的な構成図、図4はマイク
ロ波プラズマCVD法(以下「μW−PCVD」と表記
する)法によって電子写真用感光体用の堆積膜を形成す
るための堆積膜形成用反応炉の一例を示す模式的な構成
図、図5はμW−PCVD法による電子写真用感光体の
製造装置の説明図である。図3に示すRF−PCVD法
による堆積膜の製造装置の構成は以下の通りである。こ
の装置は大別すると、堆積装置(3100)、原料ガス
の供給装置(3200)、反応容器(3111)内を減
圧にするための排気装置(図示せず)から構成されてい
る。堆積装置(3100)中の反応容器(3111)内
には円筒状支持体(3112)、支持体加熱用ヒーター
(3113)、原料ガス導入管(3114)が設置さ
れ、更に高周波マッチングボックス(3115)が接続
されている。
【0073】原料ガスの供給装置(3200)は、Si
4 、H2 、CH4 、NO、NH3、SiF4 等の原料
ガスのボンベ(3221〜3226)とバルブ(323
1〜3236,3241〜3246,3251〜325
6)およびマスフローコントローラー(3211〜32
16)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3
260)を介して反応容器(3111)内のガス導入管
(3114)に接続されている。
【0074】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行うことができる。
【0075】まず、反応容器(3111)内に円筒状支
持体(3112)を設置し、不図示の排気装置(例えば
真空ポンプ)により反応容器(3111)内を排気す
る。続いて、支持体加熱用ヒーター(3113)により
円筒状支持体(3112)の温度を20℃〜500℃の
所定の温度に制御する。
【0076】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(31
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(323
1〜3236)、反応容器のリークバルブ(3117)
が閉じられていることを確認し、また流入バルブ(32
41〜3246)、流出バルブ(3251〜325
6)、補助バルブ(3260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(3118)を開いて反応容
器(3111)およびガス配管内(3116)を排気す
る。
【0077】次に真空計(3119)の読みが約5×1
-6Torrになった時点で補助バルブ(3260)、流出
バルブ(3251〜3256)を閉じる。
【0078】その後、ガスボンベ(3221〜322
6)より各ガスをバルブ(3231〜3236)を開い
て導入し、圧力調整器(3261〜3266)により各
ガス圧を所定圧(本例においては2kg/cm2 )に調整す
る。次に、流入バルブ(3241〜3246)を徐々に
開けて、各ガスをマスフローコントローラー(3211
〜3216)内に導入する。
【0079】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、円筒状支持体(3112)上に光導電層、表面層の
各層の形成を行う。
【0080】円筒状支持体(3112)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(3251〜3256)のう
ちの必要なものおよび補助バルブ(3260)を徐々に
開き、ガスボンベ(3221〜3226)から所定のガ
スをガス導入管(3114)を介して反応容器(311
1)内に導入する。次にマスフローコントローラー(3
211〜3216)によって各原料ガスが所定の流量に
なるように調整する。その際、反応容器(3111)内
の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計
(3119)を見ながらメインバルブ(3118)の開
口を調整する。内圧が安定したところで、RF電源(不
図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボッ
クス(3115)を通じて反応容器(3111)内にR
F電力を導入し、RFグロー放電を生起させる。この放
電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガス
が分解され、円筒状支持体(3112)上に所定のシリ
コンを主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。
所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止
め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。
【0081】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。
【0082】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器(311
1)内、流出バルブ(3251〜3256)から反応容
器(3111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(3251〜3256)を閉じ、補助
バルブ(3260)を開き、さらにメインバルブ(31
18)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を
必要に応じて行う。
【0083】また、膜形成の均一化を図る場合は、膜形
成を行っている間は、円筒状支持体(3112)を駆動
装置(不図示)によって所定の速度で回転させる。
【0084】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0085】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻
き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等
の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、セ赤外線ランプ等
の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒として熱交
換手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材
質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金
属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用するこ
とができる。また、それ以外にも、反応容器以外に加熱
専用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で
支持体を搬送する等の方法が用いられる。
【0086】次に、μW−PCVD法によって形成され
る電子写真用感光体の製造方法について説明する。
【0087】図3に示した製造装置におけるRF−PC
VD法による堆積装置(3100)を図4に示す堆積装
置(4100)に交換して原料ガス供給装置(320
0)と接続することにより、図5に示すμW−PCVD
法による以下の構成の電子写真用感光体製造装置を得る
ことができる。
【0088】この装置は、真空気密化構造を成した減圧
にし得る反応容器(4111)、原料ガスの供給装置
(3200)、および反応容器内を減圧にするための排
気装置(図示せず)から構成されている。反応容器(4
111)内にはマイクロ波電力を反応容器内に効率よく
透過し、かつ、真空気密の保持し得るような材料(例え
ば石英ガラス、アルミナセラミックス等)で形成された
マイクロ波導入窓(4112)、スタブチュナー(図示
せず)およびアイソレーター(図示せず)を介してマイ
クロ波電源(図示せず)に接続されているマイクロ波の
導波管(4113)、堆積膜を形成すべき円筒状支持体
(4115)、支持体加熱用ヒーター(4116)、原
料ガス導入管(4117)、プラズマ電位を制御するた
めの外部電気バイアスを与えるための電極(4118)
が設置されており、反応容器(4111)内は排気管
(4121)を通じて不図示の拡散ポンプに接続されて
いる。原料ガス供給装置(3200)は、SiH4 、H
2、CH4 、NO、NH3 、SiF4 等の原料ガスのボ
ンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜32
36,3241〜3246,3251〜3256)およ
びマスフローコントローラー(3211〜3216)か
ら構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3260)
を介して反応容器内のガス導入管(4117)に接続さ
れている。また、円筒状支持体(4115)によって取
り囲まれた空間(4130)が放電空間を形成してい
る。
【0089】μW−PCVD法によるこの装置での堆積
膜の形成は、以下のように行うことができる。
【0090】まず、反応容器(4111)内に円筒状支
持体(4115)を設置し、駆動装置(4120)によ
って支持体(4115)を回転し、不図示の排気装置
(例えば真空ポンプ)により反応容器(4111)内を
排気管(4121)を介して排気し、反応容器(411
1)内の圧力を1×10-6Torr以下に調整する。続い
て、支持体加熱用ヒーター(4116)により円筒状支
持体(4115)の温度を20℃〜500℃の所定の温
度に加熱保持する。
【0091】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(41
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(323
1〜3236)、反応容器のリークバルブ(不図示)が
閉じられていることを確認し、また流入バルブ(324
1〜3246)、流出バルブ(3251〜3256)、
補助バルブ(3260)が開かれていることを確認し
て、まずメインバルブ(不図示)を開いて反応容器(4
111)およびガス配管(4122)内を排気する。
【0092】次に真空計(不図示)の読みが約5×10
-6Torrになった時点で補助バルブ(3260)、流出バ
ルブ(3251〜3256)を閉じる。
【0093】その後、ガスボンベ(3221〜322
6)より各ガスをバルブ(3231〜3236)を開い
て導入し、圧力調整器(3261〜3266)により各
ガス圧を2kg/cm2 に調整する。次に、流入バルブ(3
241〜3246)を徐々に開けて、各ガスをマスフロ
ーコントローラー(3211〜3216)内に導入す
る。
【0094】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、円筒状支持体(4115)上に光導電層、表面層の
各層の形成を行う。
【0095】円筒状支持体(4115)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(3251〜3256)内の
必要なものおよび補助バルブ(3260)を徐々に開
き、ガスボンベ(3221〜3226)から所定のガス
をガス導入管(4117)を介して反応容器(411
1)内の放電空間(4130)に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(3211〜3216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
放電空間(4130)内の圧力が1Torr以下の所定の圧
力になるように真空計(不図示)を見ながらメインバル
ブ(不図示)の開口を調整する。圧力が安定したところ
で、マイクロ波電源(不図示)により周波数500MHz
以上、好ましくは2.45GHzのマイクロ波を発生さ
せ、マイクロ波電源(不図示)を所望の電力に設定し、
導波管(4113)、マイクロ波導入窓(4112)を
介して放電空間(4130)にμWエネルギーを導入し
て、μWグロー放電を生起させる。それと同時併行的
に、電源(4119)から電極(4118)に例えば直
流等の電気バイアスを印加する。かくして支持体(41
15)により取り囲まれた放電空間(4130)におい
て、導入された原料ガスは、マイクロ波のエネルギーに
より励起されて解離し、円筒状支持体(4115)上に
所定の堆積膜を形成される。この時、層形成の均一化を
図るため支持体回転用モーター(4120)によって、
所望の回転速度で回転させる。
【0096】所望の膜厚の形成が行われた後、μW電力
の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの
流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0097】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。
【0098】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器(411
1)内、流出バルブ(3251〜3256)から反応容
器(4111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(3251〜3256)を閉じ、補助
バルブ(3260)を開き、さらにメインバルブ(不図
示)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必
要に応じて行う。
【0099】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0100】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻
き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等
の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の
熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒として熱交換
手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質
は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属
類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用すること
ができる。また、それ以外にも、反応容器以外に加熱専
用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支
持体を搬送する等の方法が用いられる。
【0101】μW−PCVD法においては、放電空間内
の圧力としては、好ましくは1×10-3Torr以上1×1
-1Torr以下、より好ましくは3×10-3Torr以上5×
10-2Torr以下、最も好ましくは5×10-3Torr以上3
×10-2Torr以下に設定することが望ましい。
【0102】放電空間外の圧力は、放電空間内の圧力よ
りも低ければよいが、放電空間内の圧力が1×10-1To
rr以下では、又、特に顕著には5×10-2Torr以下で
は、放電空間内の圧力が放電空間外の圧力の3倍以上の
時、特に堆積膜特性向上の効果が大きい。
【0103】マイクロ波の反応炉までの導入方法として
は導波管による方法が挙げられ、反応炉内の導入は、1
つまたは複数の誘電体窓から導入する方法が挙げられ
る。この時、炉内へのマイクロ波の導入窓の材質として
はアルミナ(Al23 )、窒化アルミニウム(Al
N)、窒化ボロン(BN)、窒化珪素(SiN)、炭化
珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2 )、酸化ベリリウ
ム(BeO)、テフロン、ポリスチレン等マイクロ波の
損失の少ない材料が通常使用される。
【0104】電極と支持体間に発生させる電界は直流電
界が好ましく、又、電界の向きは電極から支持体に向け
るのがより好ましい。電界を発生させるために電極に印
加する直流電圧の平均の大きさは、15V以上300V
以下、好ましくは30V以上200V以下が適する。直
流電圧波形としては、特に制限はなく、種々の波形のも
のが本発明では有効である。つまり、時間によって電圧
向きが変化しなければいずれの場合でもよく、例えば、
時間に対して大きさの変化しない定電圧はもちろん、パ
ルス状の電圧、及び整流機により整流された時間によっ
て大きさが変化する脈動電圧でも有効である。
【0105】また、交流電圧を印加することも有効であ
る。交流の周波数は、いずれの周波数でも問題はなく、
実用的には低周波では50Hzまたは60Hz、高周波では
13.56MHzが適する。交流の波形としてはサイン波
でも矩形波でも、他のいずれの波形でもよいが、実用的
には、サイン波が適する。但し、この時電圧はいずれの
場合も実行値を言う。
【0106】電極の大きさ及び形状は、放電を乱さない
ならばいずれのものでも良いが、実用上は直径0.1cm
以上5cm以下の円筒状の形状が好ましい。この時、電極
の長さも、支持体に電界が均一にかかる長さであれば任
意に設定できる。
【0107】電極の材質としては、表面が導電性となる
ものならばいずれのものでも良く、例えば、ステンレ
ス、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、
Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、これらの合金または
表面を導電処理したガラス、セラミック、プラスチック
等が通常使用される。
【0108】以下、本発明を図面及び種々の実験例に基
づき詳細に説明する。 (実験例1)図1に示すような電子写真装置を用い、感
光体を380mm/sec で回転させ、主除電光の光量を一
定に保ちながら、波長を変えて、光メモリー・帯電能・
電位シフトの主除電光波長依存性を測定した。
【0109】感光体は図6に示すa−Si感光体を用い
光導電層中の炭素含有量は図6中鎖線で示すようにし、
酸素含有量は実質的に0原子ppm とした。
【0110】光メモリーは次のようにして測定した。ま
ず、現像位置における暗部電位が400vになるように
主帯電器の帯電電流を調整し、コピーペーパー(A3サ
イズ)を原稿とした際の明部電位が+50vになるよう
に画像形成光線用に原稿照明ハロゲンランプの点灯電圧
を調整する。さらに、その状態で画像先端部だけハロゲ
ンランプを点灯させた場合とハロゲンランプを点灯させ
ない場合における、感光体同一部位における電位差、す
なわち画像後端部の電位差を測定し、光メモリー電位と
した。従って、光メモリー電位が低いほうが光メモリー
が良好であることを示す。
【0111】帯電能は主帯電器に一定の電流を流した際
の現像器位置での暗部電位を測定した。帯電能は値が大
きいほうが良好である。
【0112】電位シフトは主帯電器に一定の電流を流
し、連続コピー動作をした際の現像器位置における暗部
電位の変化分を測定した。従って、電位シフトは値が小
さいほうが良好であることを示す。
【0113】図7は、本試験の結果を示すグラフであ
り、光量を一定にして、波長を長くすると光メモリーが
減少する反面、帯電能や電位シフトは悪化する傾向があ
る。 (実験例2)図1に示すような電子写真装置を用い、感
光体を380mm/sec で回転させ、主除電光の波長を一
定にし、光量を変えて、光メモリー・帯電能・電位シフ
トの主除電光波長依存性を測定した。感光体は図6に示
すa−Si感光体を用い、光導電層中の酸素原子の含有
量は実質的に0原子ppm とした。
【0114】光メモリー・帯電能・電位シフトは実験例
1と同様にして測定した。
【0115】図8は、本実験の結果を示すグラフであ
り、波長を一定にし、光量を増加させると光メモリーが
減少する反面、帯電能や電位シフトは悪化する傾向にあ
る。 (実験例3)図1に示すような電子写真装置を用い、感
光体を380mm/sec で回転させ、主除電光の点灯方式
を図11に示すような従来の直流点灯から図10に示す
ようなパルス幅変調点灯に変更した。そして、波長・光
量を一定にした状態で、デューティー比(図9(b)に
示す1サイクルの時間に対するon時間の比)を変え
て、光メモリー・帯電能・電位シフトの主除電光デュー
ティー比依存性を測定した。
【0116】パルス幅変調は、例えば図10(b)のよ
うな鋸歯状波を基準波とし、制御信号レベルとこの基準
波を比較してその大小により主除電光点灯電源のon−
offを制御するものである。
【0117】本実験において、上記基準波は4kHz のも
のを用いた。また、感光体は図6に示すa−Si感光体
を用い、光導電層中の酸素含有量は実質的に0原子ppm
とした。
【0118】光メモリー・帯電能・電位シフトは実験例
1と同様にして測定した。
【0119】図9(b)は、光量を一定に保ったままデ
ューティー比を変化させる際の発光強度を示す図、図9
(a)は本実験の結果を示すグラフであり、波長・光量
を一定にして、デューティー比を減少させると光メモリ
ーは変化せず、帯電能や電位シフトは良化する傾向にあ
る。 (実験例4)図1に示すような電子写真装置を用い、感
光体を380mm/sec で回転させ、主除電光の点灯方式
を図11に示すような従来の直流点灯から図10に示す
ようなパルス幅変調点灯に変更した。そして、波長・光
量を一定にした状態で、デューティー比(図9(b)に
示す1サイクルの時間に対するon時間の比)100%
の場合と25%の場合の、光メモリー・帯電能・電位シ
フトの比を基準波の周波数に変えて依存性を測定した。
感光体は図6に示すa−Si感光体を用い、光導電層中
の酸素含有量は実質的に0原子ppm とした。パルス幅変
調は、例えば図10(b)のような鋸歯状波を基準波と
し、制御信号レベルとこの基準波を比較してその大小に
より主除電光点灯電源のon−offを制御するもので
ある。
【0120】ここで、光メモリー・帯電能・電位シフト
は実験例1と同様にして測定した。
【0121】図12は本実験の結果を示すグラフであ
り、光量・波長を一定にし、基準波の周波数に変える
と、光メモリーは変化せずに、帯電能や電位シフトが良
化する周波数には上限が存在することが分かった。
【0122】一方、周波数を減少させて行くと、感光体
の回転スピード(mm/sec )を周波数(/sec )で除し
た値が1(mm)を越えるあたりから、感光体の回転方向
で、主除電光の光量ムラができてしまう。従って、適正
な周波数には下限が存在することが分かった。
【0123】実験例1で示したように、主除電光源16
から発する主除電光のデューティー比Dを100%とし
たとき(すなわち、主除電光源16の点灯方式で従来と
同様に直流点灯方式とした時)、光メモリー・帯電能・
電位シフトの前記主除電光の波長に対する依存性は、図
3に示すとおりであり、図3の565nm(二点鎖線)に
おける光量依存性は図4のとおりになり、他の波長にお
いても同様の傾向にある。従って、光量を調節すること
により、光メモリーと帯電能・電位シフトが両立し得る
主除電光の波長範囲は、500〜700nmであるといえ
る。
【0124】また、その範囲では光メモリーを一定レベ
ルに保ったままで、帯電能・電位シフトを向上させるこ
とはできないことが分かった。
【0125】一方、実験例3より主除電光の点灯方式を
パルス幅変調にし、デューティー比を変化させれば、光
メモリーを一定レベルに保ったままで、帯電能・電位シ
フトを向上させることができることが分かった。
【0126】さらに、実験例4より主除電光の点灯方式
をパルス幅変調にし、光メモリーを一定レベルに保った
ままで、帯電能・電位シフトを向上させることができる
ためには、基準波の周波数が10kHz 以下であり、か
つ、感光体の回転スピード(mm/sec )を該基準波の周
波数(/sec )で除した値が1(mm)以下でなければな
らない事が分かった。
【0127】その結果、主除電光の波長・光量を変えな
いで従来の良いレベルの光メモリーを確保したまま、帯
電能・電位シフトを向上させることが可能になった。 (実験例5)実験例3と同様の実験を、用いる感光体を
変えて行った。感光体の種類は大きく分けて4つであ
り、各々炭素原子の含有量の変化が図13に示すように
異なる。図13(a)は基体側から表面層側に向かっ
て、光導電層中の炭素含有量が減少する構成であり、図
13(b)は炭素含有量が一定、図13(c)は表面層
側に向かって炭素含有量が増加する構成である。図13
(d)は基体側から表面層側に向かって炭素含有量が減
少する構成である。光導電層中の酸素含有量はいずれの
場合も実質的に0原子ppm とした。図13中、鎖線は炭
素含有量を示している。図13(a)〜(d)の各構成
で炭素含有量を変化させ実験例3と同様の実験を行った
結果をそれぞれ図14〜図17に示す。図14〜図17
の比較から、図13(b)、(c)の構成は同程度の効
果であるのに対して、図13(a)、(d)の構成の場
合に効果が格段に上がることが明らかとなった。 (実験例6)用いる感光体を変えて実験例4と同様の実
験を行った。感光体の種類は大きく分けて図13(a)
〜(d)に示す4つであり、光導電層中の酸素含有量は
いずれの場合も実質的に0原子ppm とした。図13
(a)〜(d)の構成で炭素含有量を変化させ実験例4
と同様の実験を行った結果を図18〜図21に示す。こ
れらの各図の比較から光メモリー・帯電能・電位シフト
の基準波周波数依存性は層構成の影響を受けないことが
明らかとなった。 (実験例7)図13(a)に示した構成のa−Si感光
体を炭素含有量を様々に変化させて本発明の効果を調べ
た。実験方法は実験例3と同様にして行った。炭素含有
量の変化は図22に示すように光導電層の表面層最近傍
の炭素含有量をa原子%、基体最近傍の炭素含有量とa
との差をb原子%とし、それらの間を連続的、または段
階的、または連続的かつ段階的に変化させた。光導電層
中の酸素原子含有量は実質的に0原子ppm とした。図2
3はその結果を示したものである。デューティー比は2
5%とした。図23から解るように、a、bの値を変化
させても本発明の効果は充分に現われることが確認され
た。 (実験例8)図13(d)に示した構成のa−Si感光
体を炭素含有量を様々に変化させて本発明の効果を調べ
た。実験方法は実験例3と同様にして行った。炭素含有
量の変化は図24に示すように光導電層の表面層最近傍
の炭素含有量をa、光導電層中の炭素含有量の最大値を
b、基体最近傍の炭素含有量をcとし、それらの間を連
続的、または段階的、または連続的かつ段階的に変化さ
せた。光導電層中の酸素原子含有量は実質的に0原子pp
m とした。図25はその結果を示したものである。デュ
ーティー比は25%とした。図25から解るように、
a、b、cの値を変化させても本発明の効果は充分に現
われることが確認された。 (実験例9)図26に示した構成のa−Si感光体につ
いて本発明の効果を調べた。光導電層中の酸素原子の含
有量は実質的に0原子ppm とした。実験方法は実験例3
と同様にして行った。図27はその結果を示したもので
ある。図27から解るように、図26のように複雑な炭
素含有量の変化を有する感光体においても表面層最近傍
の炭素含有量が最小であり膜厚方向に連続的かつ/また
は段階的に変化している場合には本発明の効果は充分に
現われることが確認された。 (実験例10)図22タイプ1に示した構成でa=0原
子. %、b=10原子. %である感光体において表面層
中の炭素原子及び窒素原子及び酸素原子の含有量の和
(C+N+O)を変化させた場合と、それに対する炭素
原子の含有量の比率(C/(C+O+N))を変化させ
た場合で母線方向ムラ、周方向ムラに対する本発明の効
果を調べた。光導電層中の酸素原子含有量は実質的に0
原子ppm とした。実験方法は図1に示すような電子写真
装置を用い、感光体を380mm/sec で回転させ、主除
電光の点灯方式を図10に示すようなパルス幅変調点灯
方式によりデューティー比は25%、光量を5μJ/cm
2 、波長ピークが565nmのLEDを用い測定を行っ
た。母線方向ムラは、次のようにして測定した。まず、
現像位置における暗部電位が400vになるように主帯
電器の帯電電流を調整し、コピーペーパー(A3サイ
ズ)を原稿とした際の明部電位が200vになるように
画像形成光線用に原稿照明ハロゲンランプの点灯電圧を
調整する。さらに、その状態で感光体の中央部を0cmと
した奥側7cm・14cm手前側7cm・14cmの系5点の明
部電位を測定し、その最大・最小の差を明部電位(Vh
t)の母線方向ムラとした。
【0128】周方向ムラも母線方向ムラと全く同様にし
て明部電位を200vに調整した後、感光体の同一母線
方向部位での1回転周期の明部電位を測定し、その期間
の最大・最小の差を明部電位(Vht)の周方向ムラとし
た。
【0129】図28はその結果を示したものである。図
28から解るように、本発明に用いたa−Si感光体の
表面層における炭素原子及び窒素原子及び酸素原子の含
有量の和が、40〜90原子%の領域において母線方向
及び周方向の電位ムラに本発明の効果があり、特に50
〜80原子%の領域において効果が顕著に見られた。ま
た、表面層中の炭素原子及び窒素原子及び酸素原子の含
有量の和(C+N+O)に対する炭素原子の含有量の比
率(C/(C+O+N))によって、母線方向ムラと周
方向ムラのどちらがより改善されるかのバランスが決ま
ることが明らかとなった。 (実験例11)図22タイプ1に示した構成でa=0原
子%、b=10原子%である感光体において表面層中の
炭素原子含有量は40原子%、窒素原子含有量は10原
子%、酸素原子含有量は10原子%として光導電層中の
酸素原子含有量を変化させて感光体の諸特性を前記の実
験例と同様にして調べた。その結果、電位シフトは光導
電層中の酸素原子含有量に依存して変化するが、その他
の特性には変化が現われないことが明らかとなった。図
29は光導電層中の酸素原子含有量と電位シフトの関係
を示した図である。この結果より、光導電層中に酸素原
子を10〜5000ppm 含有することにより、電位シフ
トをさらに低減させることができることが確認された。
【0130】以上の実験例から、主除電光源の点灯方式
をパルス幅変調(PWM)にし、高輝度でパルス露光す
ることにより、良好なレベルに光メモリーを除去したま
まで、かつ帯電能低下・電位シフトを改善でき、更に用
いる感光体の光導電層中の炭素含有量を表面層最近傍で
最小とし、膜厚方向に連続的かつ/または段階的に変化
させることで上記効果が特に顕著になり、更には表面層
中の炭素原子及び窒素原子及び酸素原子の含有量の和を
40〜90原子%とすることで感光体の母線方向及び周
方向の電位ムラが低減されることが解った。また、光導
電層中の酸素原子を10〜5000原子ppm 含有させる
ことにより他の特性には悪影響を与えることなく、電位
シフトを更に低減させることができることが確認され
た。光導電層中の炭素含有量には特に制限が無いが、好
ましくは光導電層中で0.5〜50原子%、表面層最近
傍で0〜40原子%、より好ましくは光導電層中で1〜
40原子%、表面層最近傍で0〜30原子%が良い。ま
た、光導電層中は必要により水素原子またはハロゲン原
子あるいはその両方の原子を含有してもよく、更には必
要に応じて周期律表第III 族に属する原子(以下第III
族原子と略する。)、周期律表第V族に属する原子(以
下第V族原子と略する。)および周期律表第VI族に属す
る原子(以下第VI族原子と略する。)のうち少なくとも
一種を含有してもよい。第III 族原子、第V族原子、第
VI族原子の含有量は1原子ppm 〜40原子%とされるの
が望ましい。
【0131】
【実施例】本発明をさらに以下の実施例により説明する
が、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。 (実施例1)図1に示すような電子写真装置を用い、感
光体を380mm/sec で回転させ、主除電光として波長
ピークが565nmのLEDを用いた。また、主除電光の
点灯方式は図10に示すようなパルス幅変調点灯を用
い、デューティー比を25%、光量を5μJ/cm2
し、光メモリー・帯電能・電位シフトを測定した。感光
体は図6に示したものを用いた。光導電層中の酸素含有
量は実質的に0原子ppm である。
【0132】パルス幅変調は、例えば図10(b)のよ
うな鋸歯状波を基準波とし、制御信号レベルとこの基準
波を比較してその大小により主除電光点灯電源のon−
offを制御するものである。
【0133】本実施例において、上記基準波は4kHz の
ものを用いた。
【0134】ここで、光メモリーは次のようにして測定
した。まず、現像位置における暗部電位が400vにな
るように主帯電器の帯電電流を調整し、コピーペーパー
(A3サイズ)を原稿とした際の明部電位が+50vに
なるように画像形成光線用の原稿照明ハロゲンランプの
点灯電圧を調整する。さらに、その状態で画像先端部だ
けハロゲンランプを点灯させた場合とハロゲンランプを
点灯させない場合における、感光体同一部位における電
位差、すなわち画像後端部の電位差を測定し、光メモリ
ー電位とした。
【0135】帯電能は主帯電器に一定の電流を流した際
の現像器位置での暗部電位を測定した。
【0136】電位シフトは主帯電器に一定の電流を流
し、連続コピー動作をした際の現像器位置における暗部
電位の変化分を測定した。
【0137】その結果を表1(デューティー・波長・光
量依存性の表をそれぞれ表1−1・表1−2・表1−3
として併記する)に示す。光メモリーが良い条件で帯電
能向上・電位シフト低減が可能になった。 (比較例1)図1に示すような電子写真装置を用い、感
光体を380mm/sec で回転させ、主除電光として波長
ピークが565nmのLEDを用いた。また、主除電光の
点灯方式は図11に示すような直流点灯を用い、光量を
5μJ/cm2 にし、光メモリー・帯電能・電位シフトを
測定した。測定結果は実施例1と同様にした。感光体は
実施例1と同じものを用いた。
【0138】その結果を表1(デューティー・波長・光
量依存性の表をそれぞれ表1−1・表1−2・表1−3
として併記する)に示す。光メモリーは実施例1と同等
であったが、帯電能・電位シフトは従来どおりの不満足
なものであった。 (実施例2)図1に示すような電子写真装置を用い、実
施例1で用いた感光体を380mm/sec で回転させ、主
除電光として波長ピークが610nmのLEDを用いた。
また、主除電光の点灯方式は図10に示すようなパルス
幅変調点灯を用い、デューティー比を25%、光量を5
μJ/cm2 にし、光メモリー・帯電能・電位シフトを測
定した。
【0139】本実施例において、上記基準波は4kHz の
ものを用いた。
【0140】測定は実施例1と同様に行った。
【0141】その結果を表1(デューティー・波長・光
量依存性の表をそれぞれ表1−1・表1−2・表1−3
として併記する)に示す。光メモリーが良い条件で帯電
能向上・電位シフト低減が可能になった。 (比較例2)図1に示すような電子写真装置を用い、実
施例2で用いた感光体を380mm/sec で回転させ、主
除電光として波長ピークが610nmのLEDを用いた。
また、主除電光の点灯方式は図11に示すような直流点
灯を用い、光量を5μJ/cm 2 にし、光メモリー・帯電
能・電位シフトを測定した。
【0142】測定は比較例1と同様に行った。
【0143】その結果を表1(デューティー・波長・光
量依存性の表をそれぞれ表1−1・表1−2・表1−3
として併記する)に示す。光メモリーは実施例2と同等
であったが、帯電能・電位シフトは従来どおりで不満足
なものであった。 (実施例3)図1に示すような電子写真装置を用い、実
施例1で用いた感光体を380mm/sec で回転させ、主
除電光として波長ピークが565nmのLEDを用いた。
また、主除電光の点灯方式は図10に示すようなパルス
幅変調点灯を用い、デューティー比を50%、光量を5
μJ/cm2 にし、光メモリー・帯電能・電位シフトを測
定した。
【0144】本実施例において、上記基準波は4kHz の
ものを用いた。
【0145】測定は実施例1と同様に行った。
【0146】その結果を表1(デューティー・波長・光
量依存性の表をそれぞれ表1−1・表1−2・表1−3
として併記する)に示す。光メモリーが良い条件で帯電
能向上・電位シフト低減が可能になった。 (実施例4)図1に示すような電子写真装置を用い、実
施例1で用いた感光体を380mm/sec で回転させ、主
除電光として波長ピークが565nmのLEDを用いた。
また、主除電光の点灯方式は図10に示すようなパルス
幅変調点灯を用い、デューティー比を25%、光量を3
μJ/cm2 にし、光メモリー・帯電能・電位シフトを測
定した。
【0147】本実施例において、上記基準波は4kHz の
ものを用いた。
【0148】測定は実施例1と同様に行った。
【0149】その結果を表1(デューティー・波長・光
量依存性の表をそれぞれ表1−1・表1−2・表1−3
として併記する)に示す。光メモリーが良い条件で帯電
能向上・電位シフト低減が可能になった。
【0150】
【表1】 さらに、表1をパラメーター毎に分割する。
【0151】まず、デューティー依存性を抽出した表
が、表1−1である。これにより、波長・光量一定のも
とでは、デューティーを減少させたほうが、帯電能・電
位シフトが良くなることがわかる。同時に光メモリーは
デューティーに依存しないこともわかる。
【0152】次に、波長依存性を抽出した表が、表1−
2である。これにより、光量・デューティー一定のもと
では、波長を短くしたほうが、帯電能・電位シフトが良
くなり、光メモリーは悪くなることがわかる。
【0153】最後に、光量依存性を抽出した表が、表1
−3である。これにより、波長・デューティー一定のも
とでは、光量を短くしたほうが、光メモリーは悪くなる
が、帯電能・電位シフトはあまり影響を受けないことが
わかる。
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】 (実施例5)図1に示すような電子写真装置を用い、図
22に示す構成でa=0原子%、b=10原子%の感光
体を380mm/sec で回転させ、主除電光として波長ピ
ークが565nmのLEDを用いた。感光体の表面層中の
炭素含有量は40原子%、窒素原子含有量は10原子
%、酸素原子含有量は10原子%とし、光導電層中の酸
素含有量は400ppm とした。また、主除電光の点灯方
式は図10に示すようなパルス幅変調点灯を用い、デュ
ーティー比を25%、光量を5μJ/cm2 にし、光メモ
リー・帯電能・電位シフト・電位ムラを測定した。本実
施例において、上記基準波は4kHzのものを用いた。測
定は実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
光メモリーが良い条件で帯電能向上・電位シフト低減が
可能になり、さらに、電位ムラの低減が可能になった。
特に、電位シフトに関しては極めて良いレベルを得るこ
とが可能となった。 (比較例3)図1に示すような電子写真装置を用い、図
13(b)に示す構成で光導電層中の炭素含有量が10
原子%、酸素含有量が実質的に0原子ppm の感光体を3
80mm/sec で回転させ、主除電光として波長ピークが
565nmのLEDを用いた。感光体の表面層中の炭素含
有量は5%とした。また、主除電光の点灯方式は図10
に示すようなパルス幅変調点灯を用い、デューティー比
を25%、光量を5μJ/cm2 にし、光メモリー・帯電
能・電位シフト・電位ムラを測定した。本比較例におい
て、上記基準波は4kHz のものを用いた。測定は実施例
1と同様に行った。その結果を表2に示す。光メモリー
が良い条件で帯電能向上・電位シフト低減が可能になっ
たが、電位ムラの低減効果は得られなかった。また、電
位シフトに関しては実施例5程の効果は得られなかっ
た。
【0157】
【表5】
【0158】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ゴースト消去に不可欠な主除電光の光メモリー消去能力
を最大限に引き出し、かつ帯電能低下及び、電位シフト
・電位ムラを最小限に抑えトータル性能に優れた電子写
真装置を提供することが可能になった。
【0159】本発明によれば、主除電光の点灯方式をパ
ルス幅変調(PWM)にし高輝度でパルス露光すること
により、従来通りの良好なレベルに光メモリーを除去し
た状態で、かつ帯電能低下・電位シフトを改善できる、
全く新たな方式が達成され、更に、感光体の光導電層の
炭素含有量が、該表面層最近傍で最小であって膜厚方向
に連続的かつ/または段階的に変化させることでこれら
の効果が一層顕著となる。また、表面層に炭素原子、窒
素原子、酸素原子を同時に含有し、これらの含有量の和
を40〜90原子%とすることで電位ムラを低減するこ
とができ、更には光導電層中に酸素原子を10〜500
0原子ppm 含有させることにより電位シフトをより一層
低減させることができる。
【0160】更に、本発明によれば以下に記す予期せぬ
効果も得られることが解った。
【0161】これまでの複写機ではa−Si感光体は所
定の温度まで加温して用いるのが一般的であった。所定
の温度に達しない状態でコピーを行なった場合、感光体
の残留電位が高くなってしまいコピー画像の地色部分に
かぶりが生じてしまうためである。しかし、本発明を用
いることにより、感光体の温度が所定の温度に達しない
状態においても残留電位を低いまま維持することがで
き、コピー画像の地色部分のかぶりが生じないという更
なる効果を得ることができる。
【0162】同時にまた、感光体に現像された現像剤
を、転写部材に転写する際の、転写効率が向上し、現像
剤の節約或は、必要な潜像電位を低減できることから、
帯電電流の低減や帯電ワイヤーの汚れも低減できるとい
った更なる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子写真装置の一例を示す概略断
面図である。
【図2】従来のa−Si感光体を示す模式的な断面図で
ある。
【図3】高周波(RF)を用いたグロー放電法による本
発明に用いる感光体の製造装置の一例を示す模式的説明
図である。
【図4】(a)は本発明に使用する感光体を製造するた
めの堆積膜形成装置の一例を示す側面図、(b)は同平
面断面図である。
【図5】本発明に使用する感光体製造装置の模式的説明
図である。
【図6】光導電層中の炭素含有量を示したa−Si感光
体の模式的な断面図である。
【図7】光メモリー・帯電能・電位シフトの主除電光波
長依存性のグラフである。
【図8】光メモリー・帯電能・電位シフトの主除電光光
量依存性のグラフである。
【図9】(a)は光メモリー・帯電能・電位シフトの主
除電光デューティー依存性のグラフ、(b)は主除電光
デューティーの概念図である。
【図10】(a)は本発明に係る主除電光点灯方式の一
例を示す回路図、(b)はパルス幅変調(PWM)の概
念図である。
【図11】従来の主除電光点灯方式を示す回路図であ
る。
【図12】光メモリー・帯電能・電位シフトの主除電光
デューティーが25%と100%の場合の比を基準波の
周波数に対してプロットしたグラフである。
【図13】光導電層中の炭素含有量の変化パターンを示
す模式図である。
【図14】炭素含有量の変化による光メモリー・帯電能
・電位シフトの主除電光デューティー依存性のグラフで
ある。
【図15】炭素含有量の変化による光メモリー・帯電能
・電位シフトの主除電光デューティー依存性のグラフで
ある。
【図16】炭素含有量の変化による光メモリー・帯電能
・電位シフトの主除電光デューティー依存性のグラフで
ある。
【図17】炭素含有量の変化による光メモリー・帯電能
・電位シフトの主除電光デューティー依存性のグラフで
ある。
【図18】光導電層中の炭素含有量の変化による光メモ
リー・帯電能・電位シフトの主除電光デューティーが2
5%と100%の場合の比を基準波の周波数に対してプ
ロットしたグラフである。
【図19】光導電層中の炭素含有量の変化による光メモ
リー・帯電能・電位シフトの主除電光デューティーが2
5%と100%の場合の比を基準波の周波数に対してプ
ロットしたグラフである。
【図20】光導電層中の炭素含有量の変化による光メモ
リー・帯電能・電位シフトの主除電光デューティーが2
5%と100%の場合の比を基準波の周波数に対してプ
ロットしたグラフである。
【図21】光導電層中の炭素含有量の変化による光メモ
リー・帯電能・電位シフトの主除電光デューティーが2
5%と100%の場合の比を基準波の周波数に対してプ
ロットしたグラフである。
【図22】本発明に用いるa−Si感光体の層構成と光
導電層中の炭素含有量の変化パターンを示す説明図であ
る。
【図23】光導電層中の炭素含有量の変化に対する光メ
モリー・帯電能・電位シフトの変化を示すグラフであ
る。
【図24】本発明に用いることのできるa−Si感光体
の層構成と光導電層中の炭素含有量の変化パターンを示
す説明図である。
【図25】光導電層中の炭素含有量の変化に対する光メ
モリー・帯電能・電位シフトの変化を示したグラフであ
る。
【図26】本発明に用いるa−Si感光体の層構成と光
導電層中の炭素含有量の変化パターンを示す説明図であ
る。
【図27】光導電層中の炭素含有量の変化に対する光メ
モリー・帯電能・電位シフトの変化を示したグラフであ
る。
【図28】表面層中の炭素原子、窒素原子、酸素原子の
含有量の和の変化による母線方向電位ムラ(軸ムラ)、
周方向電位ムラ(周ムラ)の変化を示したグラフ、及び
炭素原子、窒素原子、酸素原子の含有量の和に対する炭
素原子含有量の比率の変化による母線方向電位ムラ、周
方向電位ムラの変化を示したグラフである。
【図29】光導電層中の酸素原子の含有量の変化による
電位シフトの変化を示したグラフである。
【符号の説明】
101 アモルファスシリコン系感光体 102 主帯電器 103 画像形成光線 104 現像器 105 クリーナー 106 主除電光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 21/08 G03G 21/00 342 (72)発明者 村山 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−105555(JP,A) 特開 平1−289962(JP,A) 特開 昭62−28745(JP,A) 特開 平2−10393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/08 105 - 360 G03G 21/06 - 21/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体の表面上に順次積層された
    光導電層および表面層を有するアモルファスシリコン系
    感光体に画像情報に応じた露光光を照射して静電潜像を
    形成したのち、該静電潜像を現像して前記画像情報を記
    録する、アモルファスシリコン系感光体を用いた電子写
    真装置おいて、前記アモルファスシリコン系感光体の表
    面に近接して設けられた、周波数が10kHz以下の基
    準波を用いたパルス幅変調点灯方式で駆動される主除電
    光源を含み、前記アモルファスシリコン系感光体が、前
    記基準波の周波数で除した値が1mm以下となる移動速度
    で前記主除電光の照射領域を移動し、前記アモルファス
    シリコン系感光体の前記光導電層が、前記表面層最近傍
    で含有量が最小となる炭素原子と含有量が10〜500
    0原子ppm となる酸素原子を含有し、前記アモルファス
    シリコン系感光体の前記表面層が、含有量の和が40〜
    90原子%となる炭素原子と窒素原子と酸素原子とを含
    有していることを特徴とする、アモルファスシリコン系
    感光体を用いた電子写真装置。
  2. 【請求項2】 アモルファスシリコン系感光体の光導電
    層が、表面層から導電性支持体に向かって含有量が連続
    的に変化する炭素原子を含有している請求項1記載のア
    モルファスシリコン系感光体を用いた電子写真装置。
  3. 【請求項3】 アモルファスシリコン系感光体の光導電
    層が、表面層から導電性支持体に向かって含有量が段階
    的に変化する炭素原子を含有している請求項1記載のア
    モルファスシリコン系感光体を用いた電子写真装置。
  4. 【請求項4】 アモルファスシリコン系感光体の光導電
    層が、表面層から導電性支持体に向かって含有量が少な
    くとも一箇所では段階的に変化しその他の箇所では連続
    的に変化する炭素原子を含有している請求項1記載のア
    モルファスシリコン系感光体を用いた電子写真装置。
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