JP2005165223A - 電子写真感光体、その製造方法、およびそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子写真感光体の表面に異常成長した突起部分による画像欠陥を防止するものである。
【解決手段】 本発明は、排気手段と原料ガス供給手段を備えた真空気密可能な成膜炉内で、非単結晶材料からなる層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、成膜炉内に少なくとも表面が導電性の基体を設置し、該基体上に少なくとも、光導電層と、該光導電層上に設けられ、かつ最上層が第1の炭化珪素層である第1の層を形成する工程と、該第1の層を堆積した基体を、成膜炉から取り出し、第1の層の表面を研磨する工程と、第1の層上に第2の炭化珪素層を含む第2の層を形成する工程とを有し、第2の炭化珪素層の第1の炭化珪素層に接する面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像欠陥の少ない、アモルファスシリコン電子写真感光体の製造方法、その電子写真感光体、及び電子写真装置に関する。
像形成分野において、感光体における光受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真感光体の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点である。
この様な点に優れた性質を示す光導電材料に非単結晶材料である、アモルファスシリコン(以下、a−Siと略す。)があり、電子写真感光体の光受容部材として注目されている。
このような感光体は、一般的には、導電性基体を50℃〜350℃に加熱し、該基体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、基体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
従来の電子写真感光体は、特開昭57−115556号公報等に示されるように、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時安定性について改善を図るため、珪素原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、珪素原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設けることで帯電能力や光感度の優れた電位特性を得ることが出来る。
また、特開平6−242623号公報等に、負帯電用電子写真用感光体の光導電層と表面保護層の間に非晶質珪素を主体とし、かつ50原子ppm未満のホウ素を含有するか、または伝導性を支配する原子を含まない正孔捕獲層を設けて優れた電子写真特性を得ているものもある。
これらの技術により、電子写真感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
特開2003−149841号公報等に、第一の層堆積後の基体を反応炉から取り出し、その後再び反応炉に戻し第二の層を堆積することで画像欠陥やトナー融着を防止することが出来ること、また、第一の層堆積後に反応炉から取り出した基体表面を水との接触、更には表面を軽くエッチングすることで密着性を向上させることが出来ることが記載されている。
また、a−Si感光体を帯電する方法としては、コロナ帯電を用いたコロナ帯電方式、導電性ローラーを用い直接放電で帯電を行うローラー帯電方式、磁性粒子等により接触面積を十分にとり、電荷を感光体表面に直接注入することにより帯電を行う注入帯電方式などがある。中でも、コロナ帯電方式やローラー帯電方式は放電を用いるために感光体表面に放電生成物が付着しやすい。加えてa−Si感光体は有機感光体などに比べてはるかに高硬度な表面層を持っているために放電生成物が表面に残存しやすく、高湿環境下などで水分の吸着によって放電生成物と水分が結合して表面を低抵抗化させ、表面の電荷が移動しやすくなって画像流れ現象が発生する場合がある。そのため、表面の摺擦方法や感光体の温度管理方法など、様々な工夫が必要となる場合があった。
これに対して、特開平8−6353号公報等に示される、前記注入帯電方式は放電を積極的に用いることはせずに、感光体表面に接触した部分から直接電荷を注入する帯電方式であるために前記の画像流れといった現象は発生しにくい。また、接触帯電である注入帯電方式は、コロナ帯電方式が電流制御型であるのに対し、電圧制御型であるため、帯電電位のムラを比較的小さくしやすいというメリットがある。従来の注入帯電方式では、磁性体と磁性粒子からなる磁気ブラシ状粒子の接触帯電部材を感光体表面に接触させることで帯電性能向上が得られる。
特開昭57−115556号公報 特開平6−242623号公報 特開2003−149841号公報 特開平8−6353号公報
従来の電子写真感光体製造方法により、ある程度実用的な特性と均一性を持つ電子写真感光体を得ることが可能になった。また真空反応容器内の清掃を厳格に行えば、ある程度欠陥の少ない電子写真感光体を得ることは可能である。しかし、これら従来の電子写真感光体の製造方法では、電子写真用感光体のように大面積で比較的厚い堆積膜が要求される製品については、例えば均一膜質で光学的及び電気的諸特性の要求を満足し、かつ電子写真プロセスにより画像形成時に画像欠陥の少ない堆積膜を高収率で得るのは難しいという解決すべき問題が残存している。
特に、a−Si膜は基体表面に数μmオーダーのダストが付着していた場合、成膜中にそのダストを核として異常成長した突起が成長してしまうという性質を持っている。この突起はダストを起点とした円錐形を逆転させた形をしており、突起部分では局在準位が非常に多いために低抵抗化し、帯電電荷が基体側に抜けてしまうという性質を持っている。このため、突起のある部分は、画像上では反転現像方式の場合、べた白画像に黒い点となって現れる。また、カラー複写機の高画質化に向けて、このいわゆる「ポチ」と呼ばれる画像欠陥に対する要求は年々厳しくなっており、A3用紙に1個存在していても不良となる場合がある。この突起は、ダストを起点としているため、使用する基体は成膜前に精密に洗浄され、成膜装置に設置する行程は全てクリーンルームあるいは真空下で作業が行われる。このようにして、成膜開始前に基体上に付着するダストは極力少なくするよう努力されてきており、効果を上げてきた。しかし、突起の発生原因は基体上に付着したダストのみではない。すなわち、a−Si感光体を製造する場合、要求される膜厚が数μmから数10μmと非常に厚いため、成膜時間は数時間から数十時間に及ぶ。この間に、a−Si膜は基体のみではなく、成膜炉壁や成膜炉内の構造物にも堆積する。これらの炉壁、構造物は基体のように管理された表面を有していないため、場合によっては密着力が弱く、長時間に渡る成膜中に膜剥がれを起こす場合があった。成膜中にわずかでも剥がれが発生すると、それがダストとなり、堆積中の感光体表面に付着し、これが起点となって突起の異常成長が発生してしまう。従って、高い歩留まりを維持していくためには、成膜前の基体の管理のみならず、成膜中における成膜炉内の膜剥がれの防止についても慎重な管理が必要とされ、a−Si感光体の製造を難しいものにしていた。
また、前述したように種々のメリットを持つ注入帯電方式であるが、例えば磁気ブラシ帯電器を用いた接触注入帯電方式では、磁気ブラシが感光体表面を直接摺擦する為、上部阻止層および表面層の作成方法を慎重に管理した良好な密着性を持った電子写真感光体が要求される。
本発明の目的は、上述のごとき従来の電子写真感光体における諸問題を、電気的特性を犠牲にすることなく克服して、安価に安定して歩留まり良く製造し得る、画像欠陥が少なく高耐久の電子写真感光体の製造方法、その電子写真感光体、及び電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、上述の問題を解決し、電気特性に何ら悪影響を与えず、ポチといった画像欠陥を大幅に改善し、且つ、高耐久性からなる電子写真感光体を実現する為に、鋭意研究を重ねた結果、上記の目的を良好に達成できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、排気手段と原料ガス供給手段を備えた真空気密可能な成膜炉内で、少なくとも原料ガスを高周波電力により分解し、少なくとも、非単結晶材料からなる光導電層と、該光導電層上に設けられ、かつ最上層を構成する第1の炭化珪素層と、を有する第1の層と、該第1の層上に設けられ、該第1の炭化珪素上に設けられた第2の炭化珪素層を含む第2の層と、を有する電子写真感光体の製造方法であって、成膜炉内に少なくとも表面が導電性の基体を設置し、該基体上に第1の層を形成する工程と、該第1の層を堆積した基体を成膜炉から取り出し、該第1の層の表面を研磨する工程と、第2の層を形成する工程とを有し、第2の炭化珪素層の第1の層に接する面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。第2の炭化珪素層の第1の層に接する面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して42原子%以上48原子%以下であることがより好ましい。
更に、少なくとも第1の炭化珪素層表面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して50原子%以上90原子%以下であることが好ましく、光導電層と第1の炭化珪素層の間に上部阻止層を含でいても、第2の炭化珪素層上に上部阻止層や、表面保護層が形成されていても良い。
本発明の、電子写真感光体は、電子写真装置の用いることができ、この場合、電子写真装置の帯電手段が、磁気ブラシ帯電器を用いた接触帯電手段からなることが好ましい。
以上述べたように、突起上に形成された炭化珪素膜の少なくとも突起と接する部分の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して50原子%以下であれば、感光体表面に存在する突起に起因する画像欠陥が画像上に現れなくなる。高耐久度を持たせるために、密着性を考慮すれば、突起上に形成された炭化珪素膜の少なくとも突起と接する部分の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して、38原子%以上、より好ましくは42%以上であることがより好ましい。突起を研磨して平坦化する場合は、第1層に形成する炭化珪素層の少なくとも表面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して50%以上90%以下であることが好ましい。
上記の構成を採ることで、本発明の写真感光体は、高耐久性を維持し且つ、感光体表面に存在する球状突起に起因する画像欠陥が画像上に現れなくなる。その結果、画像欠陥を大幅に改善させることができる電子写真感光体製造方法を提供することが可能となった。
本発明者らは、非単結晶材料からなる感光体、特にa−Si感光体における重要な問題点である、突起に起因する画像欠陥の改善を検討してきた。特に、成膜途中に成膜炉壁や炉内の構造物からの膜剥がれによって発生する突起による画像欠陥を防止できないか鋭意努力してきた。
前述のように、球状突起がポチのような画像欠陥になるのは、突起部分の局在準位が多く、そこが低抵抗化し、帯電電荷が基体側に抜けてしまうからである。ところが、成膜途中に付着したダストによって発生する突起は基板からではなく、堆積膜の途中から成長しているため、突起の表面側に何らかの電荷阻止を有する層を設けて、帯電電荷の注入を防止すれば、たとえ突起が存在しても画像欠陥にはならない可能性がある。
そこで、本発明者らは、堆積膜の途中から突起が成長する成膜条件を選び、この条件で作成した感光体の表面に上部阻止層を含んだ炭化珪素層を設ける実験を行った。その結果、画像欠陥低減に関して突起の表面と接する第2の炭化珪素層の面の組成がある範囲において特に効果があることを見出した。
本発明は、突起部分から帯電電荷が基体側に抜けることを、
1.堆積膜の途中から成長する突起の成長を停止し、その後に堆積する層には該突起に起因する突起が成長しないようにする。
2.突起の上に、感光体の表面に炭化珪素層を設ける。
ことで、解決できることを見出した。
この理由としては、以下のように考えられる。以下、図1(A)を用いて原理を説明する。
突起が成長している第1の層102上に、第2の層103を形成する。この結果、突起は第1の層102には形成されているが、第2の層103には該突起に起因する突起は形成されていない。この状態で、第2の層103により画像欠陥を低減させる為には、帯電電荷が十分に保持するように突起部での電荷のすり抜けを出来るだけ防止する必要がある。その為、本発明者らは、突起111と第2の層103との接合部で生成する熱生成キャリアに着目し、出来るだけ熱生成キャリアの生成を抑制した組成にし、画像欠陥を評価したところ効果が向上することを見出した。具体的には、突起111と接する第2の炭化珪素層107の面の炭素原子含有量が、炭素原子と珪素原子の総和に対して50原子%以下とすることで、画像欠陥の低減効果の向上が得られた。
炭素原子含有量を50原子%以下にすることで、膜質が向上し、それによって膜中の局在準位密度が減少し熱生成キャリア量も減少したものと考えられる。第2の層103の最下層の炭化珪素層107の炭素原子含有量が50原子%より少なければ膜質の悪化が生じないので局在順位密度が増加することはなく、熱生成キャリアが増加することがないので帯電電荷保持能力を保っていると考えられる。そこで、本発明の組成に制御することで熱生成キャリアの影響を最小限にすることが可能となり、画像欠陥が飛躍的に低減できる。
また、突起と接する炭化珪素層107の面の炭素原子含有量が、炭素原子と珪素原子の総和に対して38原子%以上にすることで画像欠陥の低減効果を維持し、かつ、密着性も良好に保つことが判った。更に、画像欠陥の低減効果と密着性に関して検討した結果、炭素原子含有量が、炭素原子と珪素原子の総和に対して42原子%以上48原子%以下にするとより好ましいことが判明した。
尚、帯電電荷のすり抜けは、突起の形成されている側の条件によるものではなく、突起と接する炭化珪素層107の珪素原子と炭素原子の総和に対する炭素含有量に関係すると考えられる。下層との密着性を考慮すると突起の表面と接する炭化珪素層107の面の炭化珪素層の珪素原子と炭素原子の総和に対する炭素含有量は、42原子%以上48原子%以下であることがより好ましい。
第1の層で成長する突起の成長が第2の層で生じないようにするためには、第1の層の成膜を一旦停止した後、第2の層を形成させることで実現できる。この時に、第1の層の成膜を停止した後、一旦成膜炉から基体を取り出すと、成膜炉内で成膜を一旦停止後に、成膜を再開するよりも好ましく、成膜炉から取り出した第1の層の表面を研磨して突起の頭頂部を平坦化すると突起から帯電電荷のすり抜けを防止するために更に好ましいことを見出した。
第1の層102に形成される炭化珪素層106の表面は、研磨して突起の頭頂部を平坦化する場合、膜硬度が高い方が研磨する際の研磨傷の発生を防止できるので、炭素含有量が50原子%以上90原子%以下であることが好ましいことを見出した。
また、本発明者等は、光導電層上および突起と接する炭化珪素層上の少なくとも一方は上部阻止層を含む方が、表面からの電荷注入阻止を阻止する能力の更なる向上が得られ、帯電能が向上する点でより好ましいことを見出した。
また、本発明者等は、電子写真装置と電子写真感光体との組合せに関して、更に高画質、高耐久を実現する為に、様々な電子写真プロセス、様々な感光体製造条件を組み合わせ、鋭意検討した。
磁気ブラシ帯電器を用いた接触注入帯電方式では、電圧制御方式であるため表面電位の落ち込みを軽減することが可能となり、画像欠陥が更に目立ち難くなることを見出した。その為、画像欠陥の更なる低減に関して、本発明からなる第2の層の最下層部の組成を制御し、帯電電荷のすり抜けを出来るだけ低減した本発明の感光体との組み合わせることでが、画像欠陥の不良抑制および剥れのない高耐久性との高い次元での両立が可能となることが判明した。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
<本発明に係わるa−Si感光体>
図1を用いて、本発明に係わる電子写真感光体およびその製造方法の一例を示す。
図1(A)に示す電子写真感光体は、例えばAl、ステンレス等の導電性材料からなる基体101上に、第1ステップとして少なくとも非単結晶質材料からなる下部阻止層104、光導電層105、少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる上部阻止層112、炭化珪素層106を第1の層102として積層する。その後、第2ステップとして一旦第1の層102を積層した基体を成膜炉から取り出し、その後第1の層表面を研磨する事で突起の頭頂部を平坦化する。そして、第3ステップとして少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる炭化珪素層107、上部阻止層108、表面保護層109を第2の層103として積層したものであり、第2の層103における第2の層103の最下部の炭化珪素層107は、炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下からなる。
このように製造することによって、第1の層102中から発生している突起111を覆うように第2の層103を堆積することができ、突起111が存在したとしても表面から基体方向への帯電電荷のすり抜けを飛躍的に防止でき、画像欠陥の低減が可能となる。
尚、本実施例では、第2のステップで、第1の層102を積層後、第1の層102が積層された基体104を成膜炉から取り出して第1の層表面を研磨しているが、基体104を一旦成膜炉から取り出して、その後第2の層103を成膜するだけでも、突起に起因する画像欠点の不良抑制が可能である。図1では突起はすべて平坦化された状態を示しているが、一部に突起が残った状態であっても問題は生じない。
更に、第1ステップにおいて第1の層102の最表面に炭化珪素層106を積層するに当たって、炭素原子含有量を珪素原子と炭素原子の総和に対して50原子%以上90原子%以下にすることで、表面を研磨加工した際の研磨傷を抑制する効果が得られる。
また、第1の層102には更に下部阻止層104およびまたは上部阻止層112を設けることが好ましい。下部阻止層104およびまたは上部阻止層112には、周期表第13族原子(以下第13族原子)または周期表第15族原子(以下第15族原子)等をドーパントとして選択して含有させて、正帯電、負帯電といった帯電極性の制御も可能となる。
ドーパントとなる第13族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Alが好適である。第15族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にPが好適である。
また、第2の層103には上部阻止層108を設ける事が、帯電能が向上する点で好ましい。
図1(B)に示す電子写真感光体は、基体101上に、第1ステップとして少なくとも非単結晶質材料からなる下部阻止層104、光導電層105、少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる炭化珪素層106を第1の層102として積層する。その後、第2ステップとして、一旦第1の層102を積層した基体を成膜炉から取り出し、その後第1の層表面を研磨する事で突起の頭頂部を平坦化する。そして、第3ステップとして少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる炭化珪素層107、上部阻止層108、表面保護層109を第2の層103として積層したものであり、第2の層103における第2の層103の最下部の炭化珪素層107は、炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下からなる。
また、第2の層103には上部阻止層108を設ける事が、帯電能が向上する点で好ましい。
図1(C)に示す電子写真感光体は、基体101上に、第1ステップとして少なくとも非単結晶質材料からなる下部阻止層104、光導電層105、少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる上部阻止層112、炭化珪素層106を第1の層102として積層する。その後、第2ステップとして一旦第1の層102を積層した基体を成膜炉から取り出し、その後第1の層表面を研磨する事で突起の頭頂部を平坦化する。そして、第3ステップとして少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる炭化珪素層107、表面保護層109を第2の層103として積層したものであり、第2の層103における第2の層103の最下部の炭化珪素層107は、炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下からなる。
<本発明に係わる基体の材質>
基体材質としてはAlおよびステンレス等の導電性材料が一般的であるが、例えば各種のプラスチックやガラス、セラミックス等、特には導電性を有しないものにこれら導電性材料を少なくとも光受容層を形成する側の表面に蒸着するなどして導電性を付与したものも用いることができる。
導電性材料としては上記の他、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金が挙げられる。
<本発明に係わる第1の層>
本発明で第1の層102は、珪素原子を母体とし、更に水素原子及び/又はハロゲン原子を含む非単結晶材料であるアモルファスシリコン(「a−Si(H,X)」と略記する)で構成される。
a−Si(H,X)膜は、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって作成可能であるが、プラズマCVD法を用いて作成した膜は特に高品質の膜が得られるため好ましい。
原料としてはSiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)を原料ガスとして用い、高周波電力によって分解することによって作成可能である。更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙げられる。
このとき、基体の温度は、150℃〜350℃、より好ましくは180℃〜300℃程度の温度に保つことが特性上好ましい。これは基体表面での表面反応を促進させ、充分に構造緩和をさせるためである。
反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102Pa、より好ましくは1×10-1〜1×102Paとする。
また、これらのガスに更にH2あるいはハロゲン原子を含むガスを所望量混合して層形成することも特性向上の上で好ましい。ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、弗素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF5、IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
第1の層102の層厚としては特に限定はないが、製造コストなどを考慮すると15〜50μm程度が適当である。
また、必要に応じて設けられる下部阻止層104は、一般的にa−Si(H,X)をベースとし、第13族原子、第15族原子などのドーパントを含有させることにより基体からのキャリアの注入阻止能を向上させることが可能である。この場合、必要に応じて、C、N、Oから選ばれる少なくとも1つの原子を含有させることで応力を調整し、感光層の密着性向上の機能を持たせることもできる。
下部阻止層104のドーパントとして用いられる第13族原子、第15族原子としては前述したものが用いられる。また、第13族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B26、B410、B59、B511、B610、B612、B614等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3等も挙げることができる。中でもB26は取り扱いの面からも好ましい原料物質の一つである。
第15族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P24等の水素化燐、PF3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PI3等のハロゲン化燐、さらにPH4I等が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等が第15族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げられる。
ドーパントの原子の含有量としては、ネットワーク構成原子に対して好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppmである。
また、必要に応じて設けられる上部阻止層112は、本発明においては少なくとも珪素原子および炭素原子を含有する炭化珪素層からなり13族原子あるいは15族原子を適切に含有させることが必要である。
本発明における第13族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に硼素が好適である。第15族原子としては、具体的にはリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にリン(P)が好適である。
上部阻止層112に含有される13族あるいは15族のドーパント原子の含有量は、上部阻止層112の組成や製造方法により一概にはいえないが、一般的にはネットワーク構成原子に対して100原子ppm以上、30000原子ppm以下とされることが好ましい。
上部阻止層112に含有される13族あるいは15族のドーパント原子は、上部阻止層112中に万偏なく均一に分布されていても良いし、あるいは層厚方向に不均一に分布する状態で含有していてもよい。しかしながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。
また、上部阻止層112に含有される炭素原子は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向に不均一に分布する状態で含有していてもよい。しかしながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。
また、上部阻止層112の全層領域に含有される炭素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成されるように適宜決定されるが、珪素原子と炭素原子の総和に対して10原子%から40原子%の範囲とするのが好ましい。
また、上部阻止層112に水素原子が含有されることが必要であるが、これは珪素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために必須不可欠である。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望ましい。
また、本発明の第1の層102は、帯電電荷の突き抜け防止とは無関係であるが、特性の均一化を図る点から、膜中の種々の原子は、層厚方向は不均一に分布する状態で含有していてもよいが、基体101の表面と平行面内においては均一に分布していることが好ましい。第1の層102の最上層に、少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる炭化珪素層106を形成する場合、炭化珪素層106に含有される炭素原子は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向に不均一に分布する状態で含有していてもよいが、少なくとも、研磨される領域では炭素原子と珪素原子の総量に対して50原子%以上90原子%以下であると耐研磨加工性が良好であるとともに感度も良好である。
また、炭化珪素層106に含有する水素は、珪素原子などの構成原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させる。このような観点から、水素の含有率は、最表面中の構成原子の総量に対して好ましくは30原子%以上70原子%以下、より好ましくは35原子%以上65原子%以下、更に好ましくは40原子%以上60原子%以下である。
上部阻止層112および第1の層102の最表面を形成する炭化珪素層106において使用される珪素(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C22、C26、C38、C410等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、炭素供給効率の良さ等の点でCH4、C22、C26が好ましいものとして挙げられる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
炭化珪素層106の層厚としては、通常10nm以上5000nm以下、好適には50nm以上2000nm以下、最適には100nm以上1000nm以下とされるのが望ましいものである。層厚が10nm以上であると、a−Si系の感光体を表面研磨しても傷等の発生はない。また、層厚が5000nm以下であれば、感光体表面の静電潜像によりトナー像を形成し、該トナー像を複写用紙等に転写した後の、感光体に残留する残留電位が増加することはない。
<本発明に係わる第2の層>
本発明に関わる第2の層103は、第1の層102が形成された後に一旦成膜炉から取り出した後に形成される。
第2の層を成膜する成膜炉は、第1の層を成膜した状態のままの成膜炉以外なら適用が可能である。例えば、第1の層の成膜に使用した成膜炉をクリーニングして使用してもよいし、第1の層の成膜に使用した成膜炉とは別の成膜炉を使用してもよい。
第2の層103の形成は、第1の層102を堆積した堆積膜最表面に加工を施した上で堆積させることが好ましい。表面の加工は、表面研磨装置によって行うことが好ましい。
また、第2の層103の形成前に、感光体(第1の層を形成した基体)を洗浄することは、第2の層103の密着性向上やダスト付着低減のために望ましい。具体的な洗浄方法としては、清浄な布や紙で表面を拭き取ったり、望ましくは有機洗浄や水洗浄などにより精密洗浄を行う。特に、近年の環境に対する配慮からは水洗浄がより好ましい。
第2の層103を堆積する前に、あらかじめ第1の層の最表面をエッチングを行うことも好ましい。これにより堆積した際の膜の密着性が向上し、良好な感光体を得ることができる。なお、装置の簡易さ及びエッチング後連続して第2の層103を堆積する工程に移行可能という観点から、プラズマエッチングが特に好ましい。
また、本発明の第2の層103の最下層は、少なくとも炭素原子、珪素原子を含む非単結晶材料からなる炭化珪素層107からなり、第2の炭化珪素層の最下部の炭素含有量は、層中に均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向に不均一に分布していてもよい。しかしながら、いずれの場合にも基体101の表面と平行面内方向においては、均一に、且つ、炭素含有率が、珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下であることが面内方向における特性の均一化を図る点からも好ましい。一方、帯電電荷のすり抜けを防止するために必要な厚さは上記の炭素含有率で炭素が分布していることが好ましい。
本発明において、第2の層103は水素原子が含有されることが必要であるが、これは珪素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために必須不可欠である。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望ましい。
第2の層103の形成において使用される珪素(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C22、C26、C38、C410等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、炭素供給効率の良さ等の点でCH4、C22、C26が好ましいものとして挙げられる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102Pa、最適には1×10-1〜1×102Paとするのが好ましい。
さらに、基体の温度は、層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、密着性向上の観点から第1の層形成時の基体温度より低く設定することがより好ましい。具体的には、100℃〜330℃、より好ましく150℃〜270℃とするのが望ましい。
本発明の第2の層103には必要に応じて、上部阻止層108、更には表面保護層109を設ける。表面保護層109は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性の改善に効果が得られる。
表面保護層109の炭素含有量は珪素原子と炭素原子の総和に対して50%から90%の範囲が好ましい。
また、表面保護層109中に水素原子が含有されることが必要であるが、これは珪素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために極めて有効である。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望ましい。
<本発明に係わるa−Si感光体成膜装置>
図2は、第1の層および第2の層形成を行うRF帯の高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による感光体の成膜装置の一例を模式的に示す。
この装置は大別すると、成膜装置(2100)、原料ガス供給装置(2200)、カソード電極(2111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。成膜装置(2100)中のカソード電極(2111)内には導電性の表面を有する円筒状基体(2112)、基体加熱用ヒーター(2113)、原料ガス導入管(2114)が設置され、さらに高周波マッチングボックス(2115)が接続されている。
原料ガス供給装置(2200)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガスのボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜2236、2241〜2246、2251〜2256)及びマスフローコントローラー(2211〜2216)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(2260)を介してカソード電極(2111)内の原料ガス導入管(2114)に接続されている。
この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なうことができる。
先ず、カソード電極(2111)内に導電性の表面を有する円筒状基体(2112)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)によりカソード電極(2111)内を排気する。続いて、基体加熱用ヒーター(2113)により導電性の表面を有する円筒状基体(2112)の温度を150℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
堆積膜形成用の原料ガスをカソード電極(2111)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(2231〜2236)、反応容器のリークバルブ(2117)が閉じられていることを確認し、又、流入バルブ(2241〜2246)、流出バルブ(2251〜2256)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確認して、まずメインバルブ(2118)を開いてカソード電極(2111)及びガス配管内(2116)を排気する。
次に、真空計(2119)の読みが約0.1Pa以下になった時点で補助バルブ(2260)、流出バルブ(2251〜2256)を閉じる。その後、ガスボンベ(2221〜2226)より各ガスをバルブ(2231〜2236)を開いて導入し、圧力調整器(2261〜2266)により各ガス圧を0.2MPaに調整する。次に、流入バルブ(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー(2211〜2216)内に導入する。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。
導電性の表面を有する円筒状基体(2112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2251〜2256)のうちの必要なもの及び補助バルブ(2260)を徐々に開き、ガスボンベ(2221〜2266)から所定のガスをガス導入管(2114)を介してカソード電極(2111)内に導入する。次にマスフローコントローラー(2211〜2216)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、カソード電極(2111)内の圧力が1×102Pa以下の所定の圧力になるように真空計(2119)を見ながらメインバルブ(2118)の開口を調整する。内圧が安定したところで、印加する高周波電力は周波数1MHz〜50MHz未満、例えば 13.56MHzの高周波電力を、高周波マッチングボックス(2115)を通じてカソード電極(2111)内に導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解され、導電性の表面を有する円筒状基体(2112)上に所定の珪素原子を主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層が形成される。それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスがカソード電極(2111)内、流出バルブ(2251〜2256)からカソード電極(2111)に至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ(2251〜2256)を閉じ、補助バルブ(2260)を開き、さらにメインバルブ(2118)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
また、膜形成の均一化を図るために、層形成を行なっている間は、導電性の表面を有する円筒状基体(2112)を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
さらに、上述のガス種及びバルブ操作は各々の層の作製条件に従って変更が加えられることは言うまでもない。
基体の加熱方法は、真空仕様である発熱体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で基体を搬送する方法が用いられる。
<本発明に係わる表面研磨装置>
図3に、本発明の電子写真用感光体の製造工程において、表面加工に際して利用される表面加工装置の一例、具体的には、表面加工として研磨を行う際に利用される表面研磨装置の一例を示す。図3に示す表面研磨装置の構成例において、加工対象物(円筒状の基体上の堆積膜表面)300は、その表面にa−Siからなる第1の層が堆積された円筒状の基体であり、弾性支持機構320に取り付けられる。図3に示す装置において、弾性支持機構320は例えば空気圧ホルダーが利用され、具体的にはブリジストン社製空気圧式ホルダー(商品名:エアーピック、型番:PO45TCA*820)が用いられる。加圧弾性ローラー330は、研磨テープ331を巻回して、加工対象物300のa−Si光導電層または炭化珪素層表面に押圧させる。研磨テープ331は、送り出しロール332から供給され巻き取りロール333に回収される。その送り出し速度は、定量送り出しロール334とキャプスタンローラ335により調整され、また、その張力も調整されている。研磨テープ331には、通常ラッピングテープと呼ばれるものが好適に利用される。第1の層の最表面部を加工する際、ラッピングテープには、砥粒としてはSiC、Al23、Fe23などが用いられる。具体的には、富士フィルム社製ラッピングテープLT−C2000を用いた。加圧弾性ローラー330は、そのローラー部は、ネオプレンゴム、シリコンゴムなどの材質からなる。また、ローラー部形状は、長手方向において、中央部の直径が両端部の直径より若干太いものが好ましく、例えば両者の直径差が0.0〜0.6mmの範囲、より好ましくは、0.2〜0.4mmの範囲となる形状がより好ましい。加圧弾性ローラー330は、回転する加工対象物(円筒状基体上の堆積膜表面)300に対して、加圧圧力9.8kPa〜980kPaの範囲で加圧しながら、研磨テープ331、例えば、上記のラッピングテープを送り堆積膜表面の研磨を行う。
なお、本発明で実施される表面研磨に対しては、研磨テープを利用する手段以外に、バフ研磨のような湿式研磨の手段を利用することも可能である。また、湿式研磨の手段を利用する際には、研磨加工後、研磨に利用する液の洗浄除去を施す工程を設けるが、その際、表面を水と接触させ、洗浄する処理を併せて実施することができる。
<本発明に係わる電子写真装置>
本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置の一例を図4に示す。
図4は電子写真装置の画像形成プロセスの一例を示す概略図であって、感光体401が回転して複写操作を行う。感光体401の周辺には、磁気ブラシ注入帯電器403、現像器404、転写紙供給系405、転写帯電器406(a)、分離帯電器406(B)、クリーニングユニット407、搬送系408、除電光源409等が配設されている。
以下、さらに具体的に画像形成プロセスを説明すると、感光体401は磁気ブラシ帯電器403によって一様に帯電される。次にレーザーユニット418から発せられ、ミラー419を経由した光によって静電潜像が形成され、この潜像に現像器404からネガ極性トナーが供給されてトナー像が形成される。レーザーユニット418の制御には、CCDユニット417からの信号が用いられる。即ち、ランプ410から発した光が原稿台ガラス411上に置かれた原稿412に反射し、ミラー413、414、415を経由し、レンズユニット416のレンズによって結像され、CCDユニット417によって電気信号に変換された信号が導かれている。
一方、転写紙供給系405を通って、レジストローラー422によって先端タイミングを調整され、感光体401方向に供給される転写材Pは高電圧を印加した転写帯電器406(a)と感光体401の間隙において背面から、トナーとは逆極性の正電界が与えられ、これによって感光体表面のネガ極性のトナー像は転写材Pに転写する。次いで、高圧AC電圧を印加した分離帯電器406(b)により、転写材Pは転写搬送系408を通って定着装置424に至り、トナー像が定着されて装置外に搬出される。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
<実施例1>
図2に示したRFプラズマa−Si感光体成膜装置を用いて、表1に示した条件で直径80mmのAl基体上に、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、炭化珪素層からなる第1の層まで堆積した。なお、本実施例では作製前に、あらかじめ表1に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。炭化珪素層の最表面の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して69原子%であった。
Figure 2005165223
次いで、第1の層まで堆積した基体を一旦成膜炉から取り出し、第1の層表面の加工を行った。表面の加工は、富士フィルム社製ラッピングテープ(商品名:C2000)を用いて表面研磨を行い、突起の頭頂部を平坦化した。次いで、基体を第1の層の堆積に用いた成膜炉とは別の、図2で示したRFプラズマa−Si感光体成膜炉に設置し、表2に示した条件で第2の層である炭化珪素層、表面保護層を堆積し、図1(C)の層構成からなる電子写真感光体を作製した。
また、本実施例では炭化珪素層の処方(SiH4ガス流量X、CH4ガス流量Y、高周波電力Z)を適宜変化させ第2の層の最下部の組成を変化させた。
なお、本実施例では作製前に、あらかじめ表2に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。第2の層の最下部の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して38原子%(X=50、Y=200、Z=150)、42原子%(X=50、Y=450、Z=250)、45原子%(X=45、Y=600、Z=250)、48原子%(X=25、Y=600、Z=270)、50原子%(X=23、Y=600、Z=270)であった。
Figure 2005165223
以上の手順で得られた感光体は負帯電で用いられる感光体であり、次のように評価した。
(画像欠陥)
一次帯電器として磁気ブラシ帯電器を採用し、また、クリーナーにクリーニングブレードを具える電子写真装置に、本実施例で作製した電子写真用感光体を装着して画像形成を行った。具体的には、キヤノン製iR6000(プロセススピード265mm/sec、イメージ露光)をベースに負帯電が可能なように改造し、磁気ブラシ帯電器には−550Vの直流電圧を印加し、更に交番電圧(1.2kVPP、1.0kHz)を印加した。こうして得られた画像を観察し、突起に起因した画像上に出現する黒ポチの個数を数えた。
得られた結果は、後述する比較例2での値を100%とした場合の相対比較でランク付けを行った。
◎・・・ 35%以上65%未満
○・・・ 65%以上95%未満
△・・・ 95%以上105%未満
×・・・ 105%以上。
(密着性の評価)
「膜剥がれの観察」
まず、作製した感光体を、電子写真装置を元にした空回転機(キヤノン製iR6000を実験用に負帯電システムに改造し、現像器、転写材を取り去ったもの)にセットし、A4用紙で100万枚相当の耐久を行った。なお、帯電器は磁気ブラシ帯電器を設置した。
耐久後、電子写真感光体を温度−30℃に調整された容器の中に48時間放置し、その後直ちに温度+150℃に調整された容器の中に48時間放置する。このサイクルを10サイクル繰り返したヒートショック試験の後電子写真感光体表面を観察した。更に、加速度7Gからなる10Hz〜10kHzの振動をスイープ時間2.2分で5サイクル繰り返した振動試験の後電子写真感光体表面を観察した。以下の基準で評価する。
◎:振動試験後、膜剥がれが認められず極めて良好
○:振動試験後、非画像領域の端部に微小な膜剥がれが一部認められるが実用上問題なし
△:ヒートショック試験後、非画像領域の端部に微小な膜剥がれが一部認められるが実用上問題なし
×:ヒートショック試験後、比較的大きな膜剥がれが一部認められ実用上問題あり。
(総合評価)
◎:すべての評価項目について、すべて◎からなり、非常に良好なレベルである。
○:すべての評価項目について、◎と○からなり、良好なレベルである。
△:すべての評価項目について、少なくとも△を1つ以上含み、実用上問題ないレベルである。
<比較例1>
図2に示したRFプラズマa−Si感光体成膜装置を用いて、表3に示した条件で第2の層の堆積を行った以外は、実施例1と同条件で図1(C)の層構成からなる電子写真感光体を作製した。
なお、本比較例では作製前に、あらかじめ表3に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。第2の層の最下部の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して35原子%であった。
Figure 2005165223
<比較例2>
図2に示したRFプラズマa−Si感光体成膜装置を用いて、表4に示した条件で第2の層を堆積した以外は、実施例1と同条件で図1(C)の層構成からなる電子写真感光体を作製した。
なお、本比較例では作製前に、あらかじめ表4に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。第2の層の最下部の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して53原子%であった。
Figure 2005165223
実施例1、比較例1および比較例2の結果を表5に示す。表5の結果から明らかなように、第2の層の最下部の炭素含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して50原子%以下の時に画像欠陥を低減する効果が得られた。更に、剥がれの観察結果から、実施例1の38原子%以上で感光体は密着性に優れていることも判明した。更に、組成が42原子%〜48原子%の範囲において画像欠陥の低減および密着性が特に良好であることが判った。
Figure 2005165223
<実施例2>
図2に示したRFプラズマa−Si感光体成膜装置を用いて、表6に示した条件で直径80mmのAl基体上に、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、炭化珪素層からなる第1の層まで堆積した基体を作製した。
また、本実施例では炭化珪素層の処方(SiH4ガス流量X、CH4ガス流量Y、高周波電力Z)を適宜変化させ第1の層の最上部の組成を変化させた。
なお、本実施例では作製前に、あらかじめ表6に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。第1の層の最表面の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して46原子%(X=40、Y=700、Z=270)、50原子%(X=26、Y=700、Z=270)、60原子%(X=19、Y=700、Z=300)、90原子%(X=5、Y=700、Z=300)、95原子%(X=4、Y=800、Z=350)であった。
Figure 2005165223
次いで、第1の層まで堆積した基体を一旦成膜炉から取り出し、第1の層表面の加工を行った。表面の加工は、富士フィルム社製ラッピングテープ(商品名:C2000)を用いて表面研磨を行い、突起の頭頂部を平坦化した。次いで、基体を第1の層の堆積に用いた成膜炉とは別の、図2で示したRFプラズマa−Si感光体成膜炉に戻し、表7に示した条件で第2の層である炭化珪素層、上部阻止層、表面保護層を堆積し、図1(A)の層構成からなる電子写真感光体を作製した。
なお、本実施例では作製前に、あらかじめ表7に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。第2の層の最下部の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して44原子%であった。
Figure 2005165223
以上の手順で得られた感光体は、負帯電で用いられる感光体であり、実施例1と同様に画像欠陥及び密着性の評価と実施例1以外に研磨傷の評価を行った。
<研磨傷評価>
一次帯電器として磁気ブラシ帯電器を採用しクリーナーにクリーニングブレードを具える電子写真装置に作製した電子写真感光体を装着して画像形成を行った。具体的には、反射濃度が0.5のハーフトーン画像を形成し、画像上に研磨傷が発生しているかどうかを確認した。
◎:画像上に研磨傷が認められず非常に優れている。
○:画像上に研磨傷が一部認められるが実用上問題なし
△:画像上に研磨傷が認められ実用上問題あり
実施例2の結果を表8に示す。表8の結果から明らかなように、本実施例で作製した電子写真感光体は、何れの感光体においても画像欠陥を低減する効果が得られた。更に密着性に関しても良好であった。また、研磨傷評価から、第1の最表面の組成に関して、炭素原子含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して50原子%〜90原子%の範囲において研磨傷が画像上に現われない非常に良好な範囲であることが判った。
Figure 2005165223
<実施例3>
図2に示したRFプラズマa−Si感光体成膜装置を用いて、表9に示した条件で直径80mmのAl基体上に、下部阻止層、光導電層、炭化珪素層からなる第1の層まで堆積した基体を作製した。なお、本実施例では作製前に、あらかじめ表9に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。炭化珪素層の最表面の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して52原子%であった。
Figure 2005165223
次いで、第1の層まで堆積した基体を一旦成膜炉から取り出し、第1の層表面の加工を行った。表面の加工は、富士フィルム社製ラッピングテープ(商品名:LT−C2000)を用いて表面研磨を行い、突起の頭頂部を平坦化した。次いで、基体を第1の層の堆積に用いた成膜炉をクリーニングしたRFプラズマa−Si感光体成膜炉に戻し、表10に示した条件で第2の層である炭化珪素層、表面保護層を堆積し、図1(B)の層構成からなる電子写真感光体を作製した。なお、本実施例では炭化珪素層と表面保護層は放電を切らずに3分かけて連続にガスおよびパワーをランピングさせた。
なお、本実施例では作製前に、あらかじめ表10に示した各々の層に対する膜を作製し、定量分析を行っている。第2の層の最下部の組成は、膜の二次イオン質量分析法(SIMS)によって評価した結果、炭素原子の含有量が炭素原子と珪素原子の総和に対して46原子%であった。
Figure 2005165223
以上の手順で得られた感光体を実施例2と同様に表した結果を表11に示す。表8の結果から明らかなように、本実施例で作製した電子写真感光体は、画像欠陥の低減効果に優れ、密着性及び研磨傷に対しても良好であった。
Figure 2005165223
電子写真感光体の球状突起の一例を示す模式的断面図である。 RFプラズマa−Si感光体成膜装置の模式的断面図である。 本発明に用いた表面研磨装置の模式的断面図である。 本発明の電子写真装置の一例の模式的断面図である。
符号の説明
101 基体
102 第1の層
103 第2の層
104 下部阻止層
105 光導電層
106 炭化珪素層
107 炭化珪素層
108 上部阻止層
109 表面保護層
110 ダスト
111 突起
112 上部阻止層
2100 成膜装置
2110 反応容器
2111 カソード電極
2112 導電性の表面を有する基体
2113 基体加熱用ヒーター
2114 原料ガス導入管
2115 高周波マッチングボックス
2116 ガス配管
2117 リークバルブ
2118 メインバルブ
2119 真空計
2120 高周波電源
2121 絶縁材料
2123 受け台
2200 原料ガス供給装置
2211〜2216 マスフローコントローラー
2221〜2226 ボンベ
2231〜2236 バルブ
2241〜2246 流入バルブ
2251〜2256 流出バルブ
2260 補助バルブ
2261〜2266 圧力調整器
300 基体
320 弾性支持機構
330 加圧弾性ローラー
331 研磨テープ
332 送り出しロール
333 巻き取りロール
334 定量送り出しロール
335 キャプスタンローラ
401 感光体
403 磁気ブラシ帯電器
404 現像器
405 転写紙供給系
406(a) 転写帯電器
406(b) 分離帯電器
407 クリーニングユニット
408 搬送系
409 除電光源
410 ハロゲンランプ
411 原稿台
412 原稿
413 ミラー
414 ミラー
415 ミラー
416 レンズユニット
417 CCDユニット
418 レーザーユニット
419 ミラー
420 ブランク露光LED
421 クリーニングブレード
422 レジストローラー
424 定着器

Claims (9)

  1. 排気手段と原料ガス供給手段を備えた真空気密可能な成膜炉内で、少なくとも原料ガスを高周波電力により分解し、非単結晶材料からなる光導電層と、該光導電層上に設けられ、かつ最上層を構成する第1の炭化珪素層とを有する第1の層と、該第1の層上に設けられ、該第1の炭化珪素上に設けられた第2の炭化珪素層を含む第2の層と、を有する電子写真感光体の製造方法であって、
    前記成膜炉内に少なくとも表面が導電性の基体を設置し、該基体上に前記第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層を堆積した基体を前記成膜炉から取り出し、該第1の層の表面を研磨する工程と、
    前記第2の層を形成する工程とを有し、
    前記第2の炭化珪素層の前記第1の層に接する面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して38原子%以上50原子%以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記第2の炭化珪素層の前記第1の層に接する面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して42原子%以上48原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 少なくとも前記第1の炭化珪素層表面の炭素含有量が珪素原子と炭素原子の総和に対して50原子%以上90原子%以下である請求項1乃至2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記光導電層と前記第1の炭化珪素層の間に上部阻止層を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記第2の炭化珪素層上に少なくとも上部阻止層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記上部阻止層上に表面保護層が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 請求項1から6に記載の電子写真感光体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする電子写真感光体。
  8. 請求項7に記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする電子写真装置。
  9. 前記電子写真装置の帯電手段が、磁気ブラシ帯電器を用いた接触帯電手段からなることを特徴とする請求項8に記載の電子写真装置。
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